JPH0545466A - 放射性ダストの放射能濃度測定方法 - Google Patents

放射性ダストの放射能濃度測定方法

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JPH0545466A
JPH0545466A JP20528291A JP20528291A JPH0545466A JP H0545466 A JPH0545466 A JP H0545466A JP 20528291 A JP20528291 A JP 20528291A JP 20528291 A JP20528291 A JP 20528291A JP H0545466 A JPH0545466 A JP H0545466A
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JP20528291A
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Yasuhiro Aoki
康広 青木
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、バックグラウンドの変動を追従性
良く短時間で測定できて、ダストの放射能濃度測定にお
けるその変動の影響を減少させる。 【構成】放射能濃度の測定前に、所定時間バックグラウ
ンドの測定を行い、放射能濃度測定毎に短時間のバック
グラウンドの測定を行うもので、バックグラウンドの測
定において単位時間毎にバックグラウンドデータをと
る。以前のバックグラウンドデータからデータ数の異な
る複数の母集団を設定し、その平均値と標準偏差に基づ
いてその母集団に属するデータかどうかを判定して短時
間のバックグラウンドデータの変動の範囲を推定して、
放射能濃度測定値から、バックグラウンドの変動の平均
値をひいて真の放射能濃度を算出する。なおバックグラ
ウンドデータは随時短時間のバックグラウンドデータに
より更新されるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放射性ダストの放射
能濃度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線源を扱う施設、例えば原子力施設
等では、施設内の放射線レベルを監視するためにダスト
モニタ装置が設けられている。このダストモニタ装置は
図4に示すように、施設内の空気をサンプリングする複
数のサンプリング管1a、1b〜1fを備えている。こ
れらのサンプリング管1a〜1fはそれぞれポイント用
電磁弁2a、2b〜2fおよび常開弁3a、3b〜3f
を介して吸気管4の一端に接続されている。この吸気管
4の他端は途中に測定用電磁弁5を介して放射能測定部
6に接続されている。放射能測定部6にはサンプリング
した空気を排出する排気管7が接続されている。排気管
7の途中にはポンプ8が設けられており、ポンプ8の吸
気口と測定用電磁弁5の吸気側の吸気管4とはバイパス
管9を介して相互に接続され、バイパス管9の途中には
バイパス用電磁弁10が設けられている。
【0003】上記放射能測定部6は空気中のダストを捕
捉する濾紙11と、この濾紙11に捕捉されたダストの
放射能濃度を検出する放射線検出器12とから構成さ
れ、放射線検出器12には、データ処理装置13が接続
されている。このデータ処理装置13は、放射線検出器
12からの測定データを処理する処理制御部14とこの
処理制御部14で処理されたデータを記憶するメモリ1
5とからなり、処理制御部14には濾紙11に捕捉され
たダストの放射能濃度を表示する表示手段(図示せず)
が接続されている。
【0004】なお、濾紙11はロール16とロール17
との間に張架されており、図示しない巻取装置により一
方のロールに巻き取られるようになっている。またポイ
ント用電磁弁2a〜2f、測定用電磁弁5、バイパス用
電磁弁10およびポンプ8はシーケンサ18からの制御
信号により動作するようになっている。
【0005】このような構成において、放射性ダストの
放射能濃度を測定する場合は、まず測定用電磁弁5を閉
じた状態で、放射線検出器12によりバックグラウンド
を所定時間(例えば15分間)測定する。このとき放射
線検出器12からの出力はバックグラウンドデータとし
てデータ処理装置13に入力され、例えば1分毎の15
個のバックグラウンドデータとしてメモリ15に記憶さ
れると共に、処理制御部14で平均値が算出され、基準
バックグラウンドとしてメモリ15に記憶される。
【0006】このようにしてバックグラウンドを所定時
間測定したならば、次にポイント用電磁弁2a〜2fの
うち測定したい場所の電磁弁(例えば2a)を開き、さ
らに測定用電磁弁5を開く。そしてポンプ8を起動さ
せ、測定したい場所の空気を吸入して空気中のダストを
濾紙11の張架された部分で捕捉し、濾紙11上に捕捉
された放射性ダストの放射能濃度を放射線検出器12で
測定する。このとき、放射線検出器12からの出力は放
射性ダストの放射能濃度データとしてデータ処理装置1
3に入力され、メモリ15に記憶された基準バックグラ
ウンドを基に真の放射能濃度が算出される。
【0007】次に測定したい場所がある場合には、測定
用電磁弁5およびポイント用電磁弁2aを閉じ、バイパ
ス用電磁弁10およびその測定したい場所の電磁弁(例
えばポイント用電磁弁2b)を開く。そのとき、ポンプ
8によりポイント用電磁弁1bから空気が吸入し、吸気
管4内に残留している空気を外部に排気する。
【0008】その一方において、ロール16とロール1
7の間で張架されている濾紙11の使用済みの部分がロ
ール17に巻き取られて、濾紙11の未使用の部分が張
架されるようになっている。
【0009】ここで、バイパス用電磁弁10を閉じて測
定用電磁弁5を開く。ポイント用電磁弁2bからの空気
を吸入して空気中のダストを濾紙11の未使用の部分で
捕捉する。
【0010】そしてこの捕捉されたダストの放射能濃度
が、放射線検出器12により測定され、その放射能濃度
データから前記基準バックグラウンドをひき、その結果
が真の放射能濃度として表示手段に出力される。このよ
うにして残りのポイント用電磁弁2c〜2fについて1
つづつ放射能濃度の測定が行われていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが放射性ダスト
の放射能濃度を測定する場合には、放射性ダストの測定
毎にバックグラウンドの測定を行うことが望ましいが、
バックグラウンドは常に変動しているため、そのバック
グラウンドの測定には所定の時間がかかる。従って、上
述した従来例のように測定したい場所が多い場合や放射
能濃度の測定の周期が短い場合などは、実際、放射能濃
度測定毎に行えず、最初にバックグラウンドを所定時間
測定し、そのバックグラウンドデータから基準バックグ
ラウンドを求めて、全ての測定場所の真の放射能濃度の
算出に使用していた。
【0012】しかし、バックグラウンドは時に大きく変
動することがある。このため従来では測定した放射能濃
度データから算出した真の放射能濃度の値に、バックグ
ラウンドの変動の値が加算されてしまうという問題があ
った。
【0013】例えば、同一の放射性ダストについてその
放射能濃度を、時間間隔を置いて2回測定したとする。
第1回のバックグラウンドの測定値が0.5cpsで、
そのときの放射能濃度の測定値が0.8cpsであり、
その後の第2回のバックグラウンドの測定値が0.8c
psで、そのときの放射能濃度の測定値が1.1cps
であった場合、従来によれば第1回の真の放射能濃度は
0.3cpsであり、第2回の真の放射能濃度は、第2
回のバックグラウンドは測定しないので0.6cpsと
なってしまう。しかし第2回の真の放射能濃度は第2回
のバックグラウンドの測定値0.8cpsをとって0.
3cpsとなり、従来の結果は0.3cpsも大きめに
測定されてしまうことになる。
【0014】そこで最初に所定時間かけてバックグラウ
ンド測定を行い、その後放射性ダストの放射能濃度を測
定する度にバックグラウンドを短時間測定して、この両
者のバックグラウンドデータから基準バックグラウンド
を求めるという方法が考えられる。
【0015】しかし、この方法においては、例えば、短
時間のバックグラウンドデータをそれ以前に測定され時
間的に新しい所定数個のバックグラウンドデータに加え
て平均値を算出し、この算出された平均値を基準バック
グラウンドの値としていたため、バックグラウンドが大
きく変動したときには、バックグラウンドの変動に対し
て基準バックグラウンドの追従性が悪いという問題があ
る。
【0016】そこでこの発明は上述のような考察に基づ
いてなされたもので、バックグラウンドの変動を正確に
追従性良く検出して、バックグラウンドの変動が放射能
濃度の測定に与える影響を小さくできるダストモニタ装
置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、バックグラ
ウンドを所定時間測定して複数個のバックグラウンドデ
ータを得る初回バックグラウンド測定工程と、この初回
バックグラウンド測定工程で得られた複数個のバックグ
ラウンドデータを記憶手段に記憶する初回バックグラウ
ンドデータ記憶工程と、初回バックグラウンドデータ測
定工程で得られた複数個のバックグラウンドデータの加
重平均値を算出する初回加重平均値算出工程と、この初
回加重平均値算出工程で得られた加重平均値を基準バッ
クグラウンドとして記憶手段に記憶する初回基準バック
グラウンド記憶工程と、初回バックグラウンド測定工程
後に放射性ダストを捕捉して放射性ダストの放射能濃度
を測定する放射性ダスト測定工程と、この放射性ダスト
測定工程で測定された測定値と記憶手段に記憶された基
準バックグラウンドに基づいて放射性ダストの真の放射
能濃度を算出する放射能濃度算出工程と、記憶手段に記
憶された複数個のバックグラウンドデータからデータ数
が異なる複数の母集団を設定する母集団設定工程と、こ
の母集団設定工程で設定された各母集団の加重平均値と
標準偏差を算出する母集団解析工程と、放射性ダスト測
定工程後に、バックグラウンドを初回バックグラウンド
測定工程で要した測定時間よりも短い時間で測定するバ
ックグラウンド測定工程と、このバックグラウンド測定
工程で得られたバックグラウンドデータと母集団解析工
程で得られた各母集団の加重平均値との偏差を算出する
偏差算出工程と、この偏差算出工程で得られた各母集団
の偏差が該当する母集団の標準偏差の所定倍以下に属す
るか否かをデータ数の多い母集団から順に判定し、偏差
が標準偏差の所定倍以下に属するときには、バックグラ
ウンド測定工程で得られたバックグラウンドデータを該
当する母集団に加えて加重平均値を算出し、また各母集
団の偏差が該当する母集団の標準偏差の所定倍以下に属
さないときには、バックグラウンド測定工程で得られた
バックグラウンドデータの加重平均値を算出する加重平
均値算出工程と、この加重平均値算出工程で算出された
加重平均値を基準バックグラウンドとして記憶手段に記
憶し直す基準バックグラウンド更新工程と、記憶手段に
記憶された複数個のバックグラウンドデータのうち、時
間的に最も旧いバックグラウンドデータをバックグラウ
ンド測定工程で得られたバックグラウンドデータと入れ
替えて記憶手段に記憶し直すバックグラウンドデータ更
新工程とを有し、このバックグラウンドデータ更新工程
後に放射性ダスト測定工程、放射能濃度算出工程、母集
団設定工程、母集団解析工程、バックグラウンド測定工
程、偏差算出工程、加重平均値算出工程、基準バックグ
ラウンド更新工程、バックグラウンドデータ更新工程を
繰り返すものである。
【0018】
【作用】母集団設定工程で複数個のバックグラウンドデ
ータから設定されたデータ数が異なる複数の母集団は、
時間的に変動するバックグラウンドのレベルの幾つかの
モデルを提供し、各母集団の標準偏差の所定倍の偏差が
示すものは、バックグラウンドのレベルのモデルを構成
するバックグラウンドデータとして許容されるバックグ
ラウンドデータのレベルの範囲を意味する。
【0019】従って一般に、データ数の異なる各母集団
の標準偏差の所定倍は、母集団のデータ数の少なくなる
に従って、バックグラウンドの変動レベル範囲を次第に
大きく設定すると共に、バックグラウンドの時間的変動
に対応して変化する。
【0020】従って、バックグラウンド測定工程で測定
されたバックグラウンドデータを、偏差算出工程で母集
団の加重平均値から算出された偏差と基準バックグラウ
ンド算出工程で該当する母集団の標準偏差の所定倍以下
に属するかを判定することで、バックグラウンド測定工
程で測定されたバックグラウンドのレベルの適切な変動
範囲を推定できる。
【0021】従って加重平均値算出工程において算出さ
れた加重平均値は、基準バックグラウンドとして変動に
対して追従性が良く正確なものであり、放射能濃度算出
工程において、放射能濃度の測定値からこの基準バック
グラウンドに基づいて算出した真の放射能濃度の値は信
頼性の高いものである。
【0022】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
を説明する。
【0023】図1乃至図3はこの発明をダストモニタ装
置に適用した一実施例を示すもので、図1において、配
管1a〜1f、ポイント用電磁弁2a〜2f、常開弁3
a〜3f、吸気管4、測定用電磁弁5、放射能測定部
6、排気管7、ポンプ8、バイパス管9、バイパス用電
磁弁10、濾紙11、放射線検出器12、ロール16、
ロール17、シーケンサ18は図4に示した同じ符号を
付したもので、ここでは説明を省略する。
【0024】20はデータ処理装置であり、処理制御部
21およびメモリ22等から構成され、放射線検出器1
2からのデータを処理し、シーケンサ18の制御も行う
ようになっている。図2に処理制御部21が行う放射能
濃度測定の要部処理の流れ図を示す。まず放射線検出器
12によりバックグラウンド(図中ではBGと称してい
る)を所定時間(例えば15分間)測定する。(初回バ
ックグラウンド測定工程)
【0025】ここでその放射線検出器12の出力から得
られた放射能データは、所定時間を例えば15等分した
単位時間(1分間)毎の測定値n1 〜n15として得られ
る。得られた15個の測定値n1 〜n15をバックグラウ
ンドデータとして記憶手段としてのメモリ22に記憶さ
せる。(初回バックグラウンドデータ記憶工程)
【0026】次にメモリ22に記憶された15個のバッ
クグラウンドデータn1 〜n15の平均値を式1に基づい
て算出し(初回加重平均値算出工程)、算出された平均
値を基準バックグラウンドN0 としてメモリ22に記憶
させる。(初回基準バックグラウンド記憶工程) N0 =(n1 +…+n15)/15 … 式1
【0027】次に、放射能濃度測定として、ポンプ8を
起動させ、測定したい場所のポイント用電磁弁(例えば
ポイント用電磁弁2a)と測定用電磁弁5を開く。もち
ろん、このときその他のポイント用電磁弁(例えば2b
〜2f)およびバイパス用電磁弁10は、閉じた状態に
なっている。測定したい場所からの空気が開かれたポイ
ント用電磁弁2aと測定用電磁弁5を介して吸入され、
濾紙11の張架された部分によって捕捉される。濾紙1
1によって捕捉された放射性ダストの放射能濃度が放射
線検出器12により測定される。(放射性ダスト測定工
程)
【0028】この測定値mi (i=0,1,2,…)と
メモリ22に記憶された基準バックグラウンドNi によ
り真の放射能濃度Riを式2に基づいて算出し(放射能
濃度算出工程)、そのデータRi を表示器または記録計
等の外部機器(図示せず)に出力する。 Ri =mi −Ni … 式2
【0029】開かれていた測定用電磁弁5を閉じ、ポイ
ント用電磁弁2a〜2fを次に測定する箇所に切り替
え、さらにバイパス用電磁弁10を開かせる。濾紙11
の使用済みの部分をロール17に巻き取らせて、濾紙1
1の未使用部分を張架させる。次に測定終了か否かを判
断し、測定終了ならば放射能濃度測定の要部処理を終了
する。
【0030】測定終了でなければ、メモリ22に記憶さ
れた15個のバックグラウンドデータni 〜ni+14(i
=1,2,3,…)から、第1の母集団ni 〜ni+14
第2の母集団ni+5 〜ni+14、第3の母集団ni+10〜n
i+14の3つの母集団を設定する。(母集団設定工程)
【0031】その各母集団について式3および式4に基
づいてそれぞれの平均値および標準偏差σij(j=1,
2,3)を算出する。ただしここでは標準偏差σijを便
宜上(σij2 で算出している。(母集団解析工程) Nbij=(ni+5(j-1)+…+ni+14)/(15−5(j−1)) … 式3 (σij2 =Nbij/(60(15−5(j−1))) … 式4 ここで、放射線検出器12により短時間(例えば1分
間)のバックグラウンドの測定が行われる。(バックグ
ラウンド測定工程) ここで、この1分間のバックグラウンドの測定で得られ
た測定値ni+15に基づいて、図3に示す基準BG更新処
理を行う。
【0032】まず、その測定値ni+15と第1の母集団の
平均値Nbi1との偏差が、その第1の母集団の標準偏差
σi1の3倍の偏差以下か否かを判定する。それは式5に
基づいて行う。 (ni+15−Nbi12 ≦(3σi12 … 式5
【0033】この判定で式5を満たすと判定されたと
き、すなわちその測定値ni+15と第1の母集団の平均値
Nbi1との偏差が、その第1の母集団の標準偏差σi1
3倍の偏差以下と判定されると、その第1の母集団にそ
の測定値ni+15を加えて平均値を算出する。すなわち、
式6に基づいて平均値を算出する。この算出された平均
値は基準バックグラウンドNi としてメモリ22に記憶
させる。 Ni =(15Nbi1+ni+15)/16 … 式6
【0034】また式5が満たされなければ、測定値n
i+15と第2の母集団の平均値ni2との偏差が、その第2
の母集団の標準偏差σi2の3倍の偏差以下か否か判定す
る。それは式7に基づいて行う。 (ni+15−Nbi22 ≦(3σi22 … 式7
【0035】この判定で式7を満たすと判定されたとき
には、その第2の母集団にその測定値ni+15を加えて平
均値を算出する。すなわち、式8に基づいて平均値を算
出する。この算出された平均値は基準バックグラウンド
i としてメモリ22に記憶させる。 Ni =(10Nbi2+ni+15)/11 … 式8
【0036】また式7が満たされなければ、測定値n
i+15と第3の母集団の平均値Nbi3との偏差が、その第
3の母集団の標準偏差σi3の3倍の偏差以下か否か判定
する。それは式9に基づいて行う。 (ni+15−Nbi32 ≦(3σi32 … 式9
【0037】この判定で式9を満たすと判定されたとき
には、その第3の母集団にその測定値ni+15を加えて平
均値を算出する。すなわち、式10に基づいて平均値を
算出する。この算出された平均値は基準バックグラウン
ドNi としてメモリ22に記憶させる。 Ni =(5Nbi3+ni+15)/6 … 式10
【0038】また式9が満たされなければ、測定値n
i+15をそのまま基準バックグラウンドNi としてメモリ
22に記憶させる。(以上、偏差算出工程、加重平均値
算出工程および基準バックグラウンド更新工程)
【0039】以上のようにして基準バックグラウンドN
i が記憶されると、バックグラウンドデータの更新を行
う。すなわち、メモリ22に記憶された15個のバック
グラウンドデータni 〜ni+14の時間的に最も旧いバッ
クラウンドデータni を測定値ni+15と入れ替えて、バ
ックラウンドデータとしてni+1 〜ni+15をメモリ22
に記憶させる。(バックグラウンドデータ更新工程) このようにして基準BG更新処理を行うと、放射性ダス
ト測定工程としての放射能濃度測定に戻るようになって
いる。
【0040】このように本実施例では、まず始めに放射
能度測定前に所定時間(例えば15分間)のバックグラ
ウンドを測定し、次に第1回目の放射性ダストの放射能
濃度を測定して、15分間のバックグラウンドの測定か
ら得られた15個のバックグラウンドデータの平均値を
基準バックグラウンドとして、放射性ダストの放射能濃
度測定から得られた放射能濃度データから基準バックグ
ラウンドをひいて真の放射能濃度が算出される。
【0041】次に第2回目以降の放射性ダストの放射能
濃度の測定においては、その測定の前に短時間(例えば
1分間)のバックグラウンドを測定し、その測定値に基
づいて基準バックグラウンドの更新が行われる。
【0042】この基準バックグラウンドの更新は、短時
間のバックグラウンドを測定する以前に測定された15
個のバックグラウンドデータによりデータ数の異なる3
個の母集団が設定され、この3個の母集団から算出され
た平均値と標準偏差の3倍の値に基づいて行われる。
【0043】第1の母集団は15個のバックグラウンド
データ全てにより構成された最もデータ数の大きい母集
団で、一般にこの第1の母集団の標準偏差は3個の母集
団の中で最も小さい値になっている。第2の母集団は1
5個のバックグラウンドデータの時間的に新しい10個
のバックグラウンドデータにより構成されている。
【0044】第3の母集団は15個のバックグラウンド
データの時間的に新しい5個のバックグラウンドデータ
により構成された最もデータ数の小さい母集団で、一般
にこの第3の母集団の標準偏差は3個の母集団の中で最
も大きい値になっている。
【0045】標準偏差の3倍の値は該当する母集団に加
えられることが可能なバックランドデータの変動の範囲
を示しており、従って、第1の母集団に加えられるバッ
クグラウンドデータの測定時の変動は一般的により小さ
なものと推定され、第3の母集団に加えられるバックグ
ラウンドデータの測定時の変動は一般的により大きなも
のと推定されることになる。
【0046】つまり、短時間(例えば1分間)のバック
グラウンドの測定で得られたバックグラウンドデータと
各母集団の平均値との偏差を算出し、この算出された偏
差は該当する母集団の標準偏差の3倍の値以下か否かを
判定するのは、この短時間のバックグラウンドデータか
ら、その測定時のバックグラウンドの変動の大きさを推
定することである。
【0047】従って、このようにして短時間のバックグ
ラウンドデータを該当する母集団に加えて算出された平
均値は、その短時間のバックグラウンドデータの測定時
の変動の大きさを考慮したもので、基準バックグラウン
ドとして信頼性の高いものである。
【0048】これにより、2回目以降おいて1分間のバ
ックグラウンド測定で得たバックグラウンドデータによ
り、バックグラウンドを15分間測定した場合と正確さ
の点でほぼ近似した基準バックグラウンドデータを得る
ことができる。
【0049】しかもどの短時間のバックグラウンド測定
で得たバックグラウンドデータが大きく変動するほどデ
ータ数の小さい母集団に加えられて平均値を算出し、こ
の平均値を基準バックグラウンドとして更新し、また極
端に大きく変動する場合は判定によりどの母集団にも加
えられないので、この短時間のバックグラウンド測定で
得られたバックグラウンドデータをそのまま基準バック
グラウンドとして更新するので、より一層追従性の良い
ものとなっている。
【0050】さらに、母集団を設定する複数個のバック
グラウンドデータは1分間のバックグラウンドの測定で
得られたバックグラウンドデータにより随時更新される
ので、この母集団に基づいて算出される基準バックグラ
ウンドは、時間的に変動するバックグラウンドの変動を
追従性良く求めることができる。
【0051】以上のようにバックグラウンドを所定時間
測定した場合と近い精度があり、バックグラウンドの変
動に対して追従性の良い基準バックグラウンドに基づい
て、第2回目以降の放射性ダストの放射能濃度の測定で
得られた放射能濃度データからで真の放射能濃度が算出
されるので、この算出された真の放射能濃度は信頼性の
高いものである。
【0052】この実施例においては、加重平均値におい
て加重を全て1に設定して加重平均値を単に平均値とし
て算出したが、もちろんこれに限るものではなく、測定
時間が新しいバックグラウンドデータについて大きな加
重を掛けて加重平均値を算出しても良いものである。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
バックグラウンドの変動を正確に追従性良く検出して、
バックグラウンドの変動が放射能濃度の測定に与える影
響を小さくできるダストモニタ装置を提供できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成図。
【図2】同実施例の処理制御部が行う放射能濃度測定の
要部処理の流れ図。
【図3】同実施例の処理制御部が行う基準BG更新処理
の流れ図。
【図4】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
2a〜2f…ポイント用電磁弁、11…濾紙、12…放
射線検出器、20…データ処理装置、21…処理制御
部、22…メモリ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックグラウンドを所定時間測定して複
    数個のバックグラウンドデータを得る初回バックグラウ
    ンド測定工程と、この初回バックグラウンド測定工程で
    得られた複数個のバックグラウンドデータを記憶手段に
    記憶する初回バックグラウンドデータ記憶工程と、前記
    初回バックグラウンドデータ測定工程で得られた複数個
    のバックグラウンドデータの加重平均値を算出する初回
    加重平均値算出工程と、この初回加重平均値算出工程で
    得られた加重平均値を基準バックグラウンドとして記憶
    手段に記憶する初回基準バックグラウンド記憶工程と、
    前記初回バックグラウンド測定工程後に放射性ダストを
    捕捉して放射性ダストの放射能濃度を測定する放射性ダ
    スト測定工程と、この放射性ダスト測定工程で測定され
    た測定値と前記記憶手段に記憶された基準バックグラウ
    ンドに基づいて前記放射性ダストの真の放射能濃度を算
    出する放射能濃度算出工程と、前記記憶手段に記憶され
    た複数個のバックグラウンドデータからデータ数が異な
    る複数の母集団を設定する母集団設定工程と、この母集
    団設定工程で設定された各母集団の加重平均値と標準偏
    差を算出する母集団解析工程と、前記放射性ダスト測定
    工程後に、バックグラウンドを前記初回バックグラウン
    ド測定工程で要した測定時間よりも短い時間で測定する
    バックグラウンド測定工程と、このバックグラウンド測
    定工程で得られたバックグラウンドデータと前記母集団
    解析工程で得られた各母集団の加重平均値との偏差を算
    出する偏差算出工程と、この偏差算出工程で得られた各
    母集団の偏差が該当する母集団の標準偏差の所定倍以下
    に属するか否かをデータ数の多い母集団から順に判定
    し、前記偏差が前記標準偏差の所定倍以下に属するとき
    には、前記バックグラウンド測定工程で得られたバック
    グラウンドデータを該当する母集団に加えて加重平均値
    を算出し、また各母集団の偏差が該当する母集団の標準
    偏差の所定倍以下に属さないときには、前記バックグラ
    ウンド測定工程で得られたバックグラウンドデータの加
    重平均値を算出する加重平均値算出工程と、この加重平
    均値算出工程で算出された加重平均値を基準バックグラ
    ウンドとして前記記憶手段に記憶し直す基準バックグラ
    ウンド更新工程と、前記記憶手段に記憶された複数個の
    バックグラウンドデータのうち、時間的に最も旧いバッ
    クグラウンドデータを前記バックグラウンド測定工程で
    得られたバックグラウンドデータと入れ替えて前記記憶
    手段に記憶し直すバックグラウンドデータ更新工程とを
    有し、このバックグラウンドデータ更新工程後に前記放
    射性ダスト測定工程、前記放射能濃度算出工程、前記母
    集団設定工程、前記母集団解析工程、前記バックグラウ
    ンド測定工程、前記偏差算出工程、前記加重平均値算出
    工程、前記基準バックグラウンド更新工程、前記バック
    グラウンドデータ更新工程を繰り返すことを特徴とする
    放射性ダストの放射能濃度測定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021156748A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 放射能評価方法、放射能評価プログラム及び放射能評価装置

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