JPH0543171A - 油圧エレベータのジヤツキ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジャッキスタンド上に連結するジャッキの鉛
直度および立設位置を精度良く設定する。 【構成】 ジャッキ１の外径よりわずかに大きい内径穴
４ａを有したジャッキ支持座４の外径を、ジャッキ１の
上部に設けたフランジ３ａの外径と同径で同心的に成
し、これをジャッキスタンド２の平坦部２ａに固定し、
ジャッキ１の下端部をジャッキ支持座４の内径穴４ａに
挿入することにより微調整を残して鉛直度と立設位置を
決め、フランジ３ａから垂下した鉛直度基準紐６とジャ
ッキ支持座４の外周との関係から鉛直度を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は油圧エレベータにおける
ジャッキ取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の油圧エレベータのジャッキ取付構
造、つまりジャッキとジャッキスタンドの取付構造の一
例を図３に示している。ジャッキ１は、付設面に固定し
たジャッキスタンド２の上端に形成された平坦部２ａの
上部に設置される、ジャッキ１の上部に設けたフランジ
３ａから、その先端に重鐘６ａを吊した鉛直度基準紐６
を垂下し、ジャッキ１の上下方向の複数個所で、鉛直度
基準紐６とジャッキ１との間隔をスケール７によって寸
法測定し、その測定値が上下方向のどの点でも一定とな
るようにジャッキ１の姿勢修正を行なう。その後、その
状態を保持しながらジャッキ１の最下部の外周にＬ形状
の支持片８を配置し、この支持片８をジャッキ１および
平坦部２ａと現地溶接することにより、ジャッキ１をジ
ャッキスタンド２上に固定していた。尚、ジャッキ取付
構造を採用した油圧エレベータ装置として、例えば特開
昭５８−１４０９６５号公報等に示されたものが知られ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の取
付構造においては、ジャッキ１の芯出し作業の点につい
て配慮がされておらず、ジャッキ１の高さ方向の複数個
所においてスケール７を用いて寸法測定し、平行度を求
めるように操作しなければならず、そのための操作が複
雑で極めて作業性の悪いものとなっている。特に油圧ジ
ャッキはエレベータ用昇降路内という暗所に立設される
ため、上記間隔測定作業が困難であり、一層作業性を悪
くしている。

【０００４】本発明の目的は、より簡単な作業でジャッ
キの鉛直度および立設位置を精度よく設定できる油圧エ
レベータのジャッキ取付構造を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ジャッキスタンドのジャッキ側に位置調整
可能に締結されるジャッキ支持座を設け、ジッャキ支持
座はジャッキ外径よりわずかに大きい内径穴を有すると
共に、ジャッキ上部および中間部に設けたフランジと外
径がほぼ同径で同心であり、このジャッキ支持座の上記
内径穴に上記ジャッキのジャッキスタンド側端を挿入し
たことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明による油圧エレベータのジャッキ取付構
造は上述の如き構成であるから、ジャッキ支持座に設け
たジャッキの外径よりわずかに大きい内径穴にジャッキ
端部を挿入してジャッキを固定することができ、また断
面が円形状であるジャッキ支持座の外径は、ジャッキ上
部及び中間部に設けたフランジの外径と同径で同心であ
るため、仮締結の状態で先端に重鐘を吊した鉛直度基準
紐をジャッキ上部に設けたフランジの外周からわずかな
間隔をあけて垂下し、ジャッキ支持座と鉛直度基準紐の
間隔が、その間隔と等しくなるようにジャッキ支持座を
微調整するだけでジャッキの鉛直方向の芯出しが可能と
なる。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例を図面によって説明す
る。図１は本発明の一実施例による油圧エレベータのジ
ャッキ取付構造を示す斜視図で、ジャッキスタンド２の
上部に形成した平坦部２ａには複数のボルト取付穴が形
成され、これに連結されるジャッキ１の下部にはジャッ
キ支持座４が固定されている。このジャッキ支持座４に
は、上述した平坦部２ａのボルト取付穴に対応するボル
ト取付穴が複数形成されており、両者は位置関係を微調
可能にしてボルト５によって連結される。またジャッキ
支持座４は、単独で示す図２の平面図から分かるように
断面円形状であるジャッキ１の外径よりもわずかに大き
い内径穴４ａが形成されており、またその外径は、ジャ
ッキ１の上部に設けたフランジ３ａおよび中間部に設け
たフランジ３ｂの外径と同心で円径となっている。

【０００８】ジャッキスタンド２の平坦部２ａ上に両者
のボルト取付穴を合わせながらジャッキ支持座４を載
せ、ボルト５で仮締結する。この状態でジャッキ支持座
４の内径穴４ａにジャッキ１の下部を挿入する。これに
よって微調整を残して鉛直方向の芯出しと立設位置が決
められる。次いでジャッキ１の上部に設けたフランジ３
ａから、先端に重鐘６ａを有した鉛直度基準紐６をフラ
ンジ３ａの外周部からわずかな間隔Ｇ１を有するように
して垂下する。フランジ３ａ，３ｂおよびジャッキ支持
台４は同径で同心であるから、ジャッキ１が垂直に立設
されているなら鉛直度基準紐６と各フランジ３ａ，３ｂ
およびジャッキ支持台４の外周部との間隔Ｇ１，Ｇ２お
よびＧ３はそれぞれ等しくなる。これら間隔に不一致が
ある場合は、ジャッキ支持台４を微調整して各間隔が等
しくなるように調整し、その後、仮締結していたボルト
５を本締結し、ジャツキ１とジャッキスタンド２を本結
合する。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明はジャッキ１
とジャッキスタンド２間にジャッキ支持台４を設けたた
め、このジャッキ支持台４を利用して微調整のみで立設
位置および鉛直芯出し作業を行なうことができ、微調整
も従来のようにスケールを用いることなく目視により簡
単かつ正確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による油圧エレベータのジャ
ッキ取付構造を示す斜視図である。

【図２】図１に示すジャッキ取付構造の要部を示す平面
図である。

【図３】従来の油圧エレベータのジャッキ取付構造を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ ジャッキ ２ ジャッキスタンド ２ａ 平坦部 ３ａ 上部フランジ ３ｂ 中間フランジ ４ ジャッキ支持座 ６ 鉛直度基準紐

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 英一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ジャッキスタンド上にジャッキを立設固
   定して成る油圧エレベータのジャッキ取付構造におい
   て、ジャッキ外径よりわずかに大きい内径穴を有すると
   共に、ジャッキ上部に設けたフランジと外径が同径で同
   心的なジャッキ支持座を上記ジャッキスタンドの上記ジ
   ャッキ側に位置調整可能に締結し、上記ジャッキの上記
   ジャッキスタンド側を上記ジャッキ支持座の内径穴へ挿
   入したことを特徴とする油圧エレベータのジャッキ取付
   構造。