JPH05345179A - 爆轟圧力による水クラスター分解方法及び装置 - Google Patents

爆轟圧力による水クラスター分解方法及び装置

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JPH05345179A
JPH05345179A JP17886992A JP17886992A JPH05345179A JP H05345179 A JPH05345179 A JP H05345179A JP 17886992 A JP17886992 A JP 17886992A JP 17886992 A JP17886992 A JP 17886992A JP H05345179 A JPH05345179 A JP H05345179A
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能成 藤沢
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実 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 爆轟によるガス圧を液圧又は弾圧に変換し、
水クラスターの分解処理をする方法及び装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】 燃焼室1は火炎の進行につれて断面積が一端
部1Aから次第に小さくなるように設定され、他端部1
Bでは最小断面積をもつ収束部が形成され、他端部1B
の開口に、圧力媒体を収容せる圧力室12が臨んでい
る。燃焼室1内の火炎は進行と共に該燃焼室の断面積が
小さくなるので圧力が上昇し、他端部1Bではきわめて
高い圧力となる。この高圧は圧力室12内の圧力媒体に
伝達される。圧力室12には処理室13が連通して設け
られ、該処理室13内に処理対象の水が収容されてい
る。上記圧力室12の形状・寸法あるいは圧力媒体の物
性が適宜変更可能となっており、処理水に適合した種々
のパターンの衝撃圧により水クラスターの分解処理がな
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は簡便に高圧で所望波形の
衝撃圧力を得られる爆轟圧力による水クラスター分解方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水クラスター分解技術は、化学工学、環
境工学、食品科学、医学等の分野で注目されている。
【0003】従来の研究によれば、水は単一分子では存
在できず、水素結合という水分子間に働く力によってク
ラスターと呼ばれる小分子集団を形成して存在してい
る。
【0004】このクラスターを小さくすればよりおいし
い水又は、機能水(アルカリ性・酸性イオン水、ミネラ
ル水等)の効果があるといわれている。
【0005】クラスターを小さくする方法の一例とし
て、次のような手法が知られている。 超音波を照射して水分子を振動させ、水分子同士の
水素結合を切断する。さらに、水分子集団の空孔内の気
体(カルキ等)も追い出す。 セラミックスの遠赤外線(電磁波)放射を利用して
水分子を活性化し、水分子集団を小さくする。 水を電気分解し、陽イオン(酸性イオン)水と陰イ
オン(アルカリ性イオン)水とに分ける。
【0006】しかしながら、超音波、電気分解方式では
大規模設備を要し、ランニングコストが高くなり、また
セラミックスを利用すれば経済的ではあるが効率が低
く、又、セラミックスフィルタにした場合、目づまり等
の問題がある。
【0007】一方、圧力をかけクラスターを小さくする
手段として、瞬時ではあるが極めて高い液圧を得られる
方法があり、それらの方法を利用することも考えられ
る。
【0008】従来、衝撃液圧発生技術として、次のごと
くの手法が知られている。
【0009】例えば、先ず第一に、加圧用の水等の液体
中に弾丸を打ち込んで、衝撃液圧を液体中に発生させ、
その圧力を板材等の部材に印加して該部材を金型へ圧し
て三次元成形せんとする衝撃液圧発生装置が特開平01
−157725号にて提案されている。
【0010】また、第二には、水中で爆薬を燃焼させる
ことによって衝撃水圧を発生せしめ、その圧力で薄板の
三次元成形を行う爆発成形装置も知られている。この装
置は主として大型部品の成形に利用されている。
【0011】さらには第三として、容器に収容された加
圧用の液体の液面に、ガス圧等により高速に加速された
ピストンを衝突させることにより衝撃液圧を発生させる
こととした装置も知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第一ないし第三の装置による衝撃液圧発生の手法にあ
っては、共通のあるいはそれぞれ固有の問題を次のごと
く有している。
【0013】液圧室の形状または寸法は、エネルギ源
(爆薬、高速飛翔体)の挙動を考慮して決定する必要が
あり、自由度がかなり小さいこと。
【0014】圧力の持続時間が長く、かつ液圧室内の
比較的広い範囲にわたって同時に衝撃圧力が加わるこ
と。
【0015】危険性を伴うために、設置場所の制約ま
たは安全性の配慮が必要であること。
【0016】到達圧力の大幅な変更が難しいこと。
【0017】液圧室内で発生した圧力波の一部しか有
効利用されないこと(エネルギの利用効率が低いこ
と)。
【0018】液圧室内壁や被加工面で生成した反射波
を積極的に有効利用できる構造となっていないこと。
【0019】圧力媒体としての液体の使用量が多いこ
と。 圧力媒体としての液体自身の蒸気圧以下に真空引きで
きないこと。
【0020】加工物が圧力媒体としての液体と直接接
触すること。
【0021】すなわち、上述の第一の手法にあっては、
,,,,そして、第二の手法では〜そ
して、第三の手法では〜,,そしての欠点
を有している。
【0022】本発明は、上述の従来技術における諸問題
を解決し、安全でかつ確実に衝撃圧力の発生パターンを
制御し、爆轟圧力により水クラスターを分解させるため
の方法及び装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、爆轟圧力波発生方法に関し、可燃性混合気を着火
することにより発生するデトネーション波をその進行と
共に収束し、収束部で得られる高圧を液体、弾性体、又
はこれらの組合わせで成る圧力媒体に伝達して液圧又は
弾圧に変換する方法において、圧力媒体を収容せる圧力
室の形状・寸法または圧力媒体の物性を変更することに
より異なるパターンの衝撃圧力を発生させ、該圧力によ
り膜体を介しもしくは直接処理水に圧力波を伝達させる
ことにより達成される。
【0024】また、上記方法を実施するための装置は、
一端部から他端部へ向け断面積が小さくなる燃焼室と、
燃料の供給を受け点火栓が配設された着火室と、着火室
から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ連通する路程の
等しい複数の誘導路と、上記燃焼室の最小通路断面積部
たる他端部の開口に接続される圧力室と、該圧力室に臨
み処理水を収容せる処理室とを備え、上記最小通路断面
積部に交換可能なノズルが設置されていることにより得
られる。
【0025】かかる本願発明では、上記圧力室におい
て、燃焼室と接続される開口部のノズル径を変更できる
構造とし、圧力媒体を収納する容器の形状・寸法を処理
水に合った形状(例えば円錐・角錘等)にし、かつ容器
内の圧力媒体の物性値を変更することにより用途に適合
する種々の衝撃圧発生パターンが得られる。
【0026】一方、上記圧力室内の圧力媒体が液体の場
合、膜体を介して燃焼室内のガスと接しているようにす
るならば、該燃焼室内を液体自身の蒸気圧以下に真空引
きすることが可能となる。
【0027】また、最小断面積部と圧力媒体上面位置と
を一致させるためのドレーン手段が設けられているよう
にすると、常時、燃焼室内の最高圧力発生部と該上面と
が一致することになり、その結果、燃焼ガスから圧力媒
体への圧力波の透過率を最大に維持することが可能とな
る(燃焼ガスの圧力が高いほど該透過率が高くなる)。
【0028】また、該最小断面積部から下流における通
路断面積が連続的に増加または一定となる側壁が設置さ
れているようにすると、内壁面の不連続部(エッジ部)
での新たな衝撃波の生成等の現象が起こらず、衝撃波の
伝播に伴う壁面でのエネルギ損失を小さく抑えることが
可能となる。
【0029】また、該通路断面積の増加率が単調に増加
するように圧力室の壁面形状を設定した場合(例えば、
圧力室形状を下流に向け拡がる円錐形に設定した場
合)、圧力室内を伝播する衝撃波前面はほぼ球面形状を
維持したまま伝播することになる。例えば、圧力室の加
圧位置に水平に処理水が接するように設置すると、衝撃
波が球面波であるために、この処理水に対して、中央部
から外周部に移動する衝撃荷重を付加することが可能と
なる。一方、衝撃波の伝播方向に対して該通路断面積を
連続的に増加後に該断面積が一定値となるように設定し
た場合には、断面積が一定な部分において、壁面との干
渉、衝撃波面内でのエネルギ交換などが起こり、衝撃波
は球面状から平面状に交換される。そして、この場合、
例えば圧力室の加圧位置に水平に設置された処理水に対
しては、処理水全面に同時に衝撃荷重を付加することが
可能となる。
【0030】さらに、圧力室内の圧力媒体が液体の場
合、膜体を介して処理水と接するようにすると、該液体
が処理水に直接接触することはなく、かつ圧力室内への
該液体の注入作業を加圧下で実施可能となる。したがっ
て、処理水のハンドリングが容易となる。
【0031】なお、上で述べた圧力室を設置した場合、
衝撃波が加圧面に衝突した際に生成された反射波は逆戻
りしてノズル部まで収束したのち燃焼室側の開放端(ノ
ズル部)で反射し、再度加圧面に向かって伝播するた
め、反射波を有効利用することが可能となる。すなわ
ち、加圧物からの不均一な反射波を一箇所に集めること
によって、新たな衝撃波を再生し、これを加圧用の波と
して利用することが可能となる。
【0032】また、本装置に処理対象の水を連続的又は
間欠的に処理室に導入及び排出させるための供給・排出
装置と、該装置と着火装置とを連動させるための制御装
置を備えることにより得られる。
【0033】
【作用】かかる本発明において、水クラスターの分解は
次の要領で得られる。
【0034】先ず、互いに連通せる燃焼室、誘導路そ
して着火室にほぼ理論混合比の可燃性混合ガスを充填す
る。
【0035】次に、着火室にて着火を行う。
【0036】着火すると火炎は爆轟(デトネーショ
ン)により誘導路を経て燃焼室内を進行する。その際、
各誘導路は等しい路程となっているので、燃焼室の一端
部には各誘導路火炎が同時に到達する。
【0037】燃焼室では、上記火炎は他端部に向け伝
播するが、燃焼室はその断面積が他端部に向け減少する
ので、火炎の圧力は上昇し他端部にて最大値になる。該
他端部の開口には圧力室が接続されて上面が該開口に臨
んでいるので、上記圧力は圧力室内の圧力媒体に伝達さ
れる。その場合、最小断面積部となる他端部より下流に
形成される圧力室の形状・寸法そして圧力媒体の物性の
変更等により上記圧力のパターンを処理水に適した形に
変えることができる。
【0038】上記圧力室内の圧力媒体の圧力は直接あ
るいは膜体を介して処理水内に圧力波が伝播し、水クラ
スターの分解がなされる。
【0039】水道水に圧力波を加えた実験結果、顕著な
効果が認められた。
【0040】図1及び図2は処理前・後の水道水をそれ
ぞれ17O−NMR法で分析した結果である。20℃にお
ける17O−NMRのスペクトルを見ると共鳴信号の線幅
において処理後の方が処理前の水より狭くなっている。
つまりこのことは、処理後の方が処理前の場合より水分
子集団の動き(分子運動)が速くなっていること、すな
わち小さい集団の割合が多くなっていることを示してい
る。
【0041】したがって、圧力波により水分子集団(ク
ラスター)の分解が行われたものと考えられる。
【0042】
【実施例】以下、添付図面にもとづいて本発明の実施例
を説明する。
【0043】図3は本発明の一実施例装置の縦断面図で
ある。図において、1は燃焼室で、下方に向け円錐状を
なし横断面における断面積は上端部1Aで最大、下端部
1Bで最小となって収束部を形成するようになってい
る。
【0044】上記燃焼室1の上端部1Aの内壁はやや上
方に弯曲形成せられ、ここに複数の孔状の誘導路2が連
通している。該複数の誘導路2は上方にて、円板空間状
の分散室3に集束せられている。該分散室3には上方に
延びる着火室4が連通接続されている。そして、該着火
室4の上部には、着火装置6により作動する点火栓5が
設けられていると共に、流量計7,8を経て燃料供給源
9、酸化剤供給源10がそれぞれ接続されている。な
お、11は着火室4内の圧力を確認するための圧力計で
ある。
【0045】上記燃焼室1の下端部1Bは開口されてお
り、ここに圧力室12が接続され、そしてその直下に液
圧使用の一例として処理装置13が設けられている。上
記圧力室12には圧力媒体としての水等の液体、弾性体
又は液体・弾性体の共用が収容されているが、その上面
は図のごとく上記燃焼室1の下端部1Bに直接面してい
ても、強靭かつ変形容易な膜体で介面を形成していても
よい。上記圧力室12には弁を介して空気抜き用の管1
4、そして弁を介して液圧用の水等の液体供給装置15
が接続されている。
【0046】上記処理装置13には処理対象の水の出入
口が設けられており、連続または断続的に水が供給又は
循環あるいは排出されるように配設されている。
【0047】かかる本実施例装置において、衝撃圧力の
発生そしてこれを利用した水クラスターの分解は次のご
とくになされる。
【0048】先ず、圧力を受けるべき処理対象の水が
処理装置13に供給又は循環される。
【0049】次に、真空ポンプ装置17によって着火
室4、分散室3、誘導路2そして燃焼室1内が所定の真
空度とされる。
【0050】しかる後、圧力室12内には液圧の場合
には水が充填され、着火室4、分散室3、誘導路2そし
て燃焼室1内には、ほぼ理論混合比の可燃性ガスが、燃
料供給源9、酸化剤供給源10により充填される。
【0051】かかる設定の完了後、着火装置6によっ
て点火栓5を作動させる。着火室4内では着火により爆
轟が起こりその火炎が分散室3そして誘導路2を経て燃
焼室1の上端部1Aに伝播される。その際、複数の誘導
路2の路程はそれぞれ等しく設定されているので、複数
の誘導路2の火炎は同時に上記上端部1Aに達する。
【0052】燃焼室1内では火炎は上端部1Aから下
端部1Bへと進行するが、燃焼室1の断面積は下方に向
け次第に小さくなっているために、その圧力は上昇し下
端部1Bではきわめて高圧となる。
【0053】上記燃焼室1の下端部1Bの開口部に
は、交換可能なノズル12’がセットされ圧力室12内
の圧力媒体の上面が臨んでいるため、上記高圧は圧力媒
体へと伝播され、処理装置13内の水を加圧し水クラス
ターの分解が行われる。すなわち従来の研究によると、
処理対象の水を衝撃波または圧力波が通過した場合、水
自体に動的な高圧が加わり水分子間の水素結合が切断さ
れること、気泡等がある場合にはそのまわりに強い渦が
発生し、これに伴って瞬時ながら局所的な圧縮、剪断な
どの力が作用することが知られている。したがって、水
クラスターが小さくなり、気体(カルキ等)も追い出さ
れる。
【0054】しかる後、処理対象の水を交換又は回収
する共に、上記〜の工程を繰り返すことによって、
次々と水クラスターの分解処理を行うことができる。
【0055】なお、本実施例では衝撃高圧の利用方法と
して水クラスターの分解処理を挙げたが、他の種の加
圧、あるいは駆動源等としての他の分野においても広く
利用可能である。
【0056】本発明においては、燃焼室に充填する可燃
性混合ガスの充填圧(量)または混合比によって衝撃圧
力の変更が可能であるが、圧力室内でも衝撃圧の発生パ
ターンを制御することができることは既述の通りであ
る。例えば、圧力室の形状・寸法(例えば上述のにお
けるノズルの交換)そして圧力媒体の物性の変更によっ
て種々のパターンが処理対象物に適合するように変えら
れる。これらの変更要因のうち代表的なものに関しその
影響について以下、詳述する。
【0057】(A)開口部のノズル径の影響 燃焼室におけるデトネーション波及び衝撃波は性質上、
数回収束を繰り返しており、収束するごとに収束中心部
で衝撃超高圧が発生する。このときの圧力の値は収束中
心に近づくほど高い値を値を示すため、圧力室内で発生
する衝撃圧の値は、ノズル径が小さい程高い圧力が得ら
れる。図4はノズル径が比較的小さい場合の圧力波形を
示す図である。ノズル径を小さく設定することによっ
て、ピーク圧が高くかつ持続時間の短い波形となり、高
圧が数回繰り返し発生する。逆にノズル径を大きくする
と、図5に示すように、ピーク圧が低く持続時間の長い
波形が発生する。なお、この場合には、圧力波の繰り返
し回数は図4の場合より少なくなる。
【0058】(B)開口部から加圧位置までの距離の影
響 衝撃波が圧力媒体中を伝播する場合、到達圧力は到達距
離(図3中のL)の関数となる。例えば、圧力媒体が水
の場合、従来の研究によると、次式のように到達圧力は
到達距離の1.15乗に反比例する。
【0059】Pmax ∝1/L1.15 ここでPmax は到達圧力、Lは到達距離である。し
たがって、開口部から加圧位置までの距離を任意に変更
可能な構造を採用することにより、加圧面での到達圧力
を任意に設定可能となる。
【0060】(C)圧力室内の圧力媒体の物性の影響 圧力室内の加圧面で得られる衝撃波の性状は、圧力媒体
の物性に強く依存する。すなわち、密度または音速の値
が高い圧力媒体を用いるとピーク圧が高く、持続時間が
比較的短い波が得られ、密度または音速の値が低い媒体
を用いるとピーク圧が低く、持続時間が比較的長い波が
得られる。
【0061】(D)圧力室の形状の影響 衝撃圧力発生部(本実施例の場合、ノズル部となる)の
形状や寸法については、従来の液圧発生法では自由度が
殆どないのが実状であり、これに伴って、衝撃圧力の発
生パターン(ピーク圧、持続時間など)の選択の自由度
もかなり狭い。
【0062】本発明の場合、従来の衝撃液圧発生法と異
なり、弾丸やピストン、あるいは爆薬などを使用しない
ため、圧力室の形状の選択の自由度が大きい。
【0063】かくして、前述の圧力室形状を採用するこ
とにより、以下の利点を得る。
【0064】圧力室を末広形状に設定し、かつ末端に
処理水を設置することにより、加圧に関与しない衝撃波
の発生を最小限に抑えることができる(例えば、従来の
水中爆発成形では、爆薬の爆発エネルギが360°方向
に分散するため、エネルギの利用効率がかなり低い)。
【0065】処理水面で発生した反射波が一箇所に集
まるように圧力室形状を設定することにより、反射波を
再生・強化し、加圧用として再度伝播させることが可能
となる(乱れた波であっても、一箇所に集めると、高強
度の波として再生可能)。
【0066】圧力室を円錐状に設定することにより、
均一な球面衝撃波を生成可能となる。
【0067】円錐状の圧力室の下流側に厚みを任意に
変更可能な円筒状の圧力室を追設することにより、球面
波から平面波に至る任意の曲率からなる衝撃波が生成可
能となる(従来技術では一つの装置では一種類の衝撃波
(液圧)発生パターンしか選択できない)。
【0068】圧力室内において、衝撃波伝播方向に垂
直な壁面がない(加工部を除く)ため、衝撃波による圧
力室関連部品のダメージを小さく抑えることができる。
【0069】次に、図6にもとづき本発明の第二実施例
を説明する。なお、図において図1に示した前実施例装
置と共通部分には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0070】本実施例では燃焼室1’は半径方法に拡が
る横型に形成されている。該燃焼室1’は下方にふくら
む略球面の一部の上壁面によって中心に向かってその断
面積が減ずる形になっている。中心部にて燃焼室1’が
圧力室12に連通している。
【0071】かかる本実施例装置によれば、装置寸法を
高くできない場合に都合がよい。作用に関しては、前実
施例の場合と同様であり、火炎は誘導路2から燃焼室
1’の一端部たる周囲部1’Aに到達した後、他端部た
る中心部1’Bに向かって進行する。その進行の際、断
面積の減少に伴い圧力はきわめて高くなる。そして、そ
の高圧は圧力室12内の圧力媒体に伝播され、処理装置
13にて衝撃圧力を処理水16に加えて水クラスターの
分解処理が行われる。
【0072】
【発明の効果】本発明は以上のごとく構成されるので、
その方法にあっては、従来の方法に比して、安価、かつ
容易に立上りが急峻で特性の優れた衝撃圧力が得られる
と共に、圧力室の形状・寸法及び収容する圧力媒体の物
性値を変更することにより、衝撃圧を処理水に適合した
種々のパターンに制御でき、水クラスターの分解処理が
できるという効果を得る。
【0073】また、本発明装置によれば、従来の弾丸打
込式、爆発方式のように火薬を用いないため、設定上の
制約を受けない装置となり、また、連続的に衝撃圧力を
発生させることができるようになるという効果を得る。
そして、容易かつ安全に衝撃圧力を得ることができるの
で、加圧分野等の広い工業分野での本格的な応用が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水の17O−NMR法による評価で処理前を示す
図である。
【図2】水の17O−NMR法による評価で処理後を示す
図である。
【図3】本発明の一実施例装置の縦断面図である。
【図4】図3装置における一つのノズルによる液圧波形
図である。
【図5】図4装置における他のノズルによる液圧波形図
である。
【図6】第二実施例装置の断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 1A 一端部(上端部) 1B 他端部(下端部) 2 誘導路 4 着火室 5 点火栓 12 圧力室 12’ ノズル 13 処理装置(室) 16 処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 猛志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性混合気を着火することにより発生
    するデトネーション波をその進行と共に収束し、収束部
    で得られる高圧を液体、弾性体、又はこれらの組合わせ
    で成る圧力媒体に伝達して液圧又は弾圧に変換する方法
    において、圧力媒体を収容せる圧力室の形状・寸法また
    は圧力媒体の物性を変更することにより異なるパターン
    の衝撃圧力を発生させ、処理対象の水に圧力波を伝達さ
    せることを特徴とした爆轟圧力による水クラスター分解
    方法。
  2. 【請求項2】 一端部から他端部へ向け断面積が小さく
    なる燃焼室と、燃料の供給を受け点火栓が配設された着
    火室と、着火室から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ
    連通する路程の等しい複数の誘導路と、上記燃焼室の最
    小断面積部たる他端部の開口に接続される圧力室と、該
    圧力室に臨み処理水を収容せる処理室とを備え、上記最
    小通路断面積部に交換可能なノズルが設置されているこ
    ととした爆轟圧力による水クラスター分解装置。
  3. 【請求項3】 圧力室内の圧力媒体が膜体を介して燃焼
    室内のガスと接していることとした請求項2に記載の爆
    轟圧力による水クラスター分解装置。
  4. 【請求項4】 最小通路断面積部と圧力媒体上面位置と
    を一致させるためのドレーン手段を有していることとし
    た請求項2に記載の爆轟圧力による水クラスター分解装
    置。
  5. 【請求項5】 最小通路断面積部から下流における壁面
    は、断面積が連続的に増加もしくは一定であることとし
    た請求項2に記載の爆轟圧力による水クラスター分解装
    置。
  6. 【請求項6】 圧力室内の圧力媒体が膜体を介して処理
    水と接していることとした請求項2に記載の爆轟圧力に
    よる水クラスター分解装置。
  7. 【請求項7】 処理水を連続的又は間欠的に処理室に導
    入及び排出させるための供給・排出装置を備え、かつ該
    装置と着火装置とが連動して上記溶液を連続的に処理で
    きるように配設されていることとした請求項2に記載の
    爆轟圧力による水クラスター分解装置。
JP17886992A 1992-06-15 1992-06-15 爆轟圧力による水クラスター分解方法及び装置 Expired - Lifetime JP2626419B2 (ja)

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JPH06254531A (ja) * 1993-03-08 1994-09-13 Power Fuiirudo:Kk 小クラスター水
WO2019088046A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 株式会社Fig 活性処理水、活性処理水の製造方法、活性処理媒体の製造方法、活性処理水の製造装置、食品保存方法、及び、活性処理媒体

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