JPH0534503A - 耐薬反射防止膜 - Google Patents

耐薬反射防止膜

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JPH0534503A
JPH0534503A JP3217896A JP21789691A JPH0534503A JP H0534503 A JPH0534503 A JP H0534503A JP 3217896 A JP3217896 A JP 3217896A JP 21789691 A JP21789691 A JP 21789691A JP H0534503 A JPH0534503 A JP H0534503A
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JP
Japan
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layer
film
antireflection film
chemical
zro
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Withdrawn
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JP3217896A
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Inventor
Toshiaki Oimizu
利明 生水
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 内視鏡等の医療機器に用いる光学ガラスレン
ズに適用できるように、洗浄液,消毒液に対しての耐久
性を得る。 [構成] 基板側の第1層、第3層および第5層にZr
2 ,Ta2 5 ,ZrO2 とTa2 5 との混合物ま
たはZrO2 とTiO2 との混合物を積層し、第2層お
よび第4層にMgF2 を積層し、化学的に安定で、充填
率の高い膜材料、充填率を高められる手法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄液,消毒液に対し
て耐久性を有する耐薬反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化学部品は様々な分野において使
用されるようになってきている。その中でも医療機器に
用いられるレンズ,プリズム等は、医療機器に必要とさ
れる各種の洗浄液,消毒液にさらされても最低限の化学
性能を維持することが要求される。特に、医療用内視鏡
は、生体器官等からの分泌物などがレンズ表面に付着す
るために頻繁に洗浄をする必要がある。
【0003】通常使用される洗浄液,消毒液は、酸性か
らアルカリ性までの幅広い薬品で構成されている。この
ために、従来、内視鏡の先端部等の直接洗浄液にさらさ
れる部分のレンズには、化学的に安定したガラス硝材を
用いるのが一般的であった。一方、通常の反射防止膜
は、例えば特開昭60−130703号公報に開示され
るように、空気と接する最表層を低屈折率材料であるM
gF2 やSiO2 により形成している。ところが、医療
機器に用いられるレンズ等では、MgF2 は膜の密度が
低いこと、SiO2 はアルカリ性に弱いことから、洗浄
液,消毒液に侵されて膜がはげ落ちるとともに、一般に
使われている真空蒸着では膜の充填率(密度)が低く水
分や溶液が膜中を浸透し、膜の界面や基板との間で化学
反応を起こすという問題があったために、反射防止膜は
施されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、少しでも光
学系を細くして小型化を図りたい内視鏡においては、反
射防止膜をレンズに施すことができれば透過光量を増や
すことが可能になり、設計上大いに有利に働く。しか
し、従来は、上述のように内視鏡レンズの先端部分には
反射防止膜が施されておらず、光学性能上や機能上から
の問題があった。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、医療用機器、特に内視鏡に用いられる光
学ガラスレンズに適用でき、洗浄液,消毒液に対して耐
久性を有する耐薬反射防止膜を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】空気と接する最表層をM
gF2 やSiO2 に形成した一般的な反射防止膜が、洗
浄液,消毒液に侵されて膜が剥離する現象は、膜と膜と
の界面またはガラス基板表面と膜との界面に起因してい
ることが研究の結果判明した。そして、この現象は、ポ
ーラス(密度が低い)な膜の場合に、洗浄液である酸,
アルカリ溶液が膜中を浸透して、膜界面の不純物を溶融
するため、またガラスの主成分である酸化珪素と反応し
てガラス基板表面と膜との界面でガラスが溶融するため
に生じていることがわかった。このことは、同じ条件で
同じ膜を酸化珪素の含有率の異なるガラス基板に成膜し
て比較したところ、明らかに酸化珪素の含有率の少ない
ガラス硝材ほど薬品に対する耐久性が高いこと、および
化学的に安定している蒸着材料でも膜密度が低い物ほど
耐久性が低いことを検討した実験の結果確かめられた。
【0007】そこで、上記目的を達成するために、本発
明は、基板側の第1層,第3層および第5層にZr
2 ,Ta2 5 ,ZrO2 とTa2 5 との混合物ま
たはZrO2 とTiO2 との混合物を積層し、第2層お
よび第4層にMgF2 を積層している。
【0008】
【作用】上記構成では、空気と接する層に化学的に安定
で、充填率(膜の密度)の高い膜材料、充填率を高めら
れる手法を用い、空気と接する最表層および中間層に
は、化学的に安定しているZrO2 ,Ta2 5,Ti
2 またはこれらの混合物を用い、充填率を高められる
蒸着手法であるイオン銃を用いたイオンビーム・アシス
ト蒸着(IAD)を使って成膜することで、洗浄液,消
毒液が膜表面からその下の膜やさらにはガラス基板に浸
透するのを防ぐことができる。
【0009】また、高屈折率材料(ZrO2 ,Ta2
5 ,TiO2 )と低屈折率材料(MgF2 ,SiO2
からなる5層構造の多層膜とすることにより可視光の広
い波長領域での反射防止が可能となっている。
【0010】
【実施例1】図2は本発明に使用される真空蒸着装置を
示し、真空チャンバー1内に回転ドーム2が矢印方向に
回転するように設けられており、回転ドーム2には耐薬
反射防止膜を形成するための基板3が保持されている。
この回転ドーム2に対向する下方には、上面に蒸着材料
4がセットされた電子銃5が設けられると共に、ガス導
入バルブ7を有したイオン銃8が設けられている。ま
た、真空チャンバー1は真空排気系6により、内部が減
圧状態に保持されるようになっている。
【0011】このような真空蒸着装置の回転ドーム2に
BKガラス基板をセットし、基板温度を300℃に設定
して排気を開始した。真空度が1×10-5Torrに達
したとき、装置内にO2 ガスを導入して真空度を3×1
-5Torrとした。そして、O2 イオンビームを80
0V(イオン電流100mA)で発生させて成膜前に3
分間照射し、O2 イオンビームを基板に照射しながら第
1層のZrO2 を電子銃により表1に示す膜厚となるま
で蒸着した。第2層の成膜はO2 ガスの導入を停止し、
電子銃を使った通常の真空蒸着でMgF2 を表1に示す
膜厚となるまで蒸着させることにより行った。以下、同
様な手段により表1に示す膜厚となるまで第3層のZr
2 層、第4層のMgF2 ,第5層のZrO2 層を順に
蒸着した。
【0012】
【表1】
【0013】次に、このようにして成膜した試料をステ
リハイドL(丸石製薬(株)製)、ソナサイド(Aye
st Laboratories INC製)、イソジ
ン(明治製薬(株)製),ウエスコダイン(AMSCO
MEDICALPRODUCT製)、サイデックス
(ジョンソン・アンド・ジョンソン(株)製)の各洗浄
液に浸漬して耐薬試験を行った。結果を表2に示すが、
本実施例の耐薬反射防止膜はいずれの洗浄液に対しても
全く変化が見られなかった。
【0014】
【表2】
【0015】また、本実施例の耐薬反射防止膜の反射率
特性を図1に示した。図1は縦軸に反射率を、横軸に波
長をそれぞれとったもので、本実施例の耐薬反射防止膜
は良好な反射率特性を有していた。
【0016】
【実施例2】BKガラス基板を図2に示す真空蒸着装置
にセットし、基板温度を300℃に設定して排気を開始
した。真空度が1×10-5Torrに達したとき、装置
内にO2 ガスを導入して真空度を3×10-5Torrと
した。そして、O2 イオンビームを800V(イオン電
流100mA)で発生させて成膜前に3分間照射し、O
2 イオンビームを基板に照射しながら第1層のTa2
5 を電子銃により表1に示す膜圧となるまで蒸着した。
第2層の成膜はO2 ガスの導入を停止し、電子銃を使っ
た通常の真空蒸着でMgF2 を表1に示す膜厚となるま
で蒸着させることにより行った。以下、同様な手段によ
り表1に示す膜厚となるまで第3層のTa2 5 層、第
4層のMgF2 、第5層のTa2 5 層を順に蒸着し
た。
【0017】このようにして成膜した本実施例の反射防
止膜を5種類の洗浄液に浸漬した結果を表2に示した。
表2から判るように、本実施例の反射防止膜は、5種類
の洗浄液に対して全く変化が見られなかった。また、本
実施例の反射防止膜は、実施例1と同様に図1に示すよ
うな良好な反射率特性を有していた。
【0018】
【実施例3】BK7ガラス基板を図2に示す真空蒸着装
置にセットし、基板温度を300℃に設定して排気を開
始した。真空度が1×10-5Torrに達したとき、装
置内にO2 ガスを導入して真空度を3×10-5Torr
とした。そして、O2 イオンビームを800V(イオン
電流100mA)で発生させて成膜前に3分間照射し、
2 イオンビームを基板に照射しながらZrO2 とTa
2 5 を重量比で8:2に混合した材料を電子銃により
表1に示す膜厚となるまで蒸着して第1層のZrO2
Ta2 5 との混合層を成膜した。第2層の成膜はO2
ガスの導入を停止し、電子銃を使った通常の真空蒸着で
MgF2 を表1に示す膜厚となるまで蒸着させることに
より行った。以下、同様な手段により表1に示す膜厚と
なるまで第3層のZrO2 とTa2 5 の混合層、第4
層のMgF2 、第5層のZrO2 とTa2 5 の混合層
を順に蒸着した。
【0019】このようにして成膜した本実施例の耐薬反
射防止膜を5種類の洗浄液に浸漬した結果を表2に示し
た。表2から判るように、本実施例の耐薬反射防止膜
は、5種類の洗浄液に対して全く変化が見られなかっ
た。また、本実施例の耐薬反射防止膜は、実施例1と同
様に図1に示すような良好な反射率特性を有していた。
【0020】
【実施例4】BK7ガラス基板を図2に示す真空蒸着装
置にセットし、基板温度を300℃に設定して排気を開
始した。真空度が1×10-5Torrに達したとき、装
置内にO2 ガスを導入して真空度を3×10-5Torr
とした。そして、O2 イオンビームを800V(イオン
電流100mA)で発生させて成膜前に3分間照射し、
2 イオンビームを基板に照射しながらZrO2 とTi
2 を重量比で9:1で混合した材料を電子銃により表
1に示す膜厚となるまで蒸着して第1層のZrO2 とT
iO2 の混合層を成膜した。第2層の成膜はO2 ガスの
導入を停止し、電子銃を使った通常の真空蒸着でMgF
2 を表1に示す膜厚となるまで蒸着させることにより行
った。以下、同様な手段により表1に示す膜厚となるま
で第3層のZrO2 とTiO2 の混合層、第4層のMg
2 、第5層のZrO2 とTiO2 の混合層を順に蒸着
した。
【0021】このようにして成膜した本実施例の耐薬反
射防止膜を5種類の洗浄液に浸漬した結果を表2に示し
た。表2から判るように、本実施例の耐薬反射防止膜
は、5種類の洗浄液に対して全く変化が見られなかっ
た。また、本実施例の耐薬反射防止膜は、実施例1と同
様に図1に示すような良好な反射率特性を有していた。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐薬反射防止膜
によれば、洗浄液,消毒液に対して耐久性を有し、膜剥
離を生じることがない。したがって、内視鏡先端レンズ
に反射防止膜を施すことができ、内視鏡画面のコントラ
スト向上、透過光量増加による光学系の精細化による内
視鏡本体の外径の縮小化に大きな効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜4の多層反射防止膜の反射
率特性を示すグラフである。
【図2】本発明の製造に使用される真空蒸着装置の断面
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板側の第1層,第3層および第5層に
    ZrO2 ,Ta2 5 ,ZrO2 とTa2 5 との混合
    物またはZrO2 とTiO2 との混合物を積層し、第2
    層および第4層にMgF2 を積層したことを特徴とする
    耐薬反射防止膜。
JP3217896A 1991-08-02 1991-08-02 耐薬反射防止膜 Withdrawn JPH0534503A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006047924A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Olympus Corp 反射防止膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006047924A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Olympus Corp 反射防止膜

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981112