JPH0534144A - 原子間力顕微鏡 - Google Patents

原子間力顕微鏡

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JPH0534144A
JPH0534144A JP3190197A JP19019791A JPH0534144A JP H0534144 A JPH0534144 A JP H0534144A JP 3190197 A JP3190197 A JP 3190197A JP 19019791 A JP19019791 A JP 19019791A JP H0534144 A JPH0534144 A JP H0534144A
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JP
Japan
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cantilever
sample
force microscope
atomic
force
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JP3190197A
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Inventor
Nobuhiro Motoma
信弘 源間
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大気中において安定に原子像を得ることがで
き、さらには試料表面の化学的状態を評価できる原子間
力顕微鏡を提供する。 【構成】大気中においてカンチレバー先端と試料表面と
を接近させて原子間力を検出する原子間力顕微鏡におい
て、カンチレバー5の表面にステアリン酸のLB膜13
を偶数層形成し、水に対して疎水的な表面にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子間力顕微鏡に関し、
特にカンチレバーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】STM(走査型トンネル顕微鏡)および
AFM(原子間力顕微鏡)の進展により、様々な物質に
関して、表面の原子1個1個の像を観察することが可能
となってきた。
【0003】STMが金属半導体など導電性材料の観察
に適しているのに対して、AFMは試料の導電性に対す
る制限がない。このため、AFMは、導電性材料だけで
なくSTMでは評価が不可能な絶縁性材料をも評価の対
象にできることから、大きな関心を集めている。実際に
AFMにより、BN(窒化ホウ素)、NaClなどの絶
縁体の表面の原子配列の明瞭な像が得られている(T.
R.Albrechtand C.F.Quate,
J.Appl.Phys.,62,2599(198
7);G.Meyer and N.M.Amer,A
ppl.Phys.Lett.,56,2100(19
90))。
【0004】AFMでは、主に大気中または水中におい
て、カンチレバーと試料表面とを接近させ、カンチレバ
ー先端の原子と試料表面原子との間に働く斥力が一定と
なるような条件で走査させるという方法により原子像を
得ている。したがって、この手法で原子像を安定に得る
ためには、カンチレバー/試料表面間の距離と力との関
係(以下、フォースカーブという)が一義的に決定さ
れ、かつ距離を近づけたり遠ざけたりする間にこの関係
が変化せず一定に保たれる、つまりヒステリシスが現れ
ないということが重要になる。
【0005】この点に関して、カリフォルニア大学サン
タバーバラのWeisenholmらによる、大気中お
よび水中の各々におけるフォースカーブの測定結果が注
目される(A.L.Weisenholm et a
l.,Appl.Phys.Lett.,54,265
1(1989))。その結果によれば、水中で測定され
たフォースカーブには5×10-9Nのヒステリシスしか
現れないのに対して、大気中で測定されたフォースカー
ブには4×10-7Nもの大きな値のヒステリシスが現れ
る。大気中で原子像を得るためには、ヒステリシス以上
の大きさの斥力が働くまでカンチレバーを接近させた状
態で走査させる必要があり、この場合試料を破壊するお
それがある。このため、現状では大気中でのAFM測定
で安定な動作は得られていない。
【0006】大気中で測定されたフォースカーブに現れ
る大きなヒステリシスの原因は、カンチレバー先端と試
料表面との間に水滴が存在し、その水滴に起因した表面
張力が働くためであると考えられている(R.Erla
ndson etal.,J.Vac.Sci.Tec
nol.,A6(2),266(1988))。したが
って、大気中で原子像を安定して得るためには、水滴に
由来する表面張力を低減させることが不可欠な課題とな
っている。
【0007】また、現在までのところAFMの主な目的
は表面原子像を得ることにあるが、将来的には前述した
フォースカーブを精度よく測定することにより試料表面
に関する化学的情報を得ることが期待されている。すな
わち、カンチレバーと試料表面との間の距離が約0.3
nm程度の領域では電子間の交換相互作用に起因する斥
力が働く。この斥力はカンチレバー/試料表面間距離が
離れるにしたがって指数関数的に減少し、両者の距離が
0.4nm以上離れた領域ではほとんど無視できる大き
さになる。カンチレバー/試料表面間に働く力として
は、ファンデルワールス相互作用、双極子−双極子相互
作用、双極子−電荷相互作用、電荷−電荷相互作用など
がある。このうちどのような機構の力が働くかは、カン
チレバー表面および試料表面の化学状態に依存する。と
ころが、前述した水滴に起因する表面張力は、カンチレ
バー/試料表面間の距離が10〜100nm離れた領域
から起こるため、カンチレバーおよび試料の表面の化学
状態に起因する力は隠されてしまう。したがって、水滴
に起因する表面張力の影響を除外し、フォースカーブに
カンチレバーおよび試料の表面の化学状態に本質的に起
因する力だけが現れるような測定状況を設定できれば、
フォースカーブの形状から未知の試料表面の化学状態を
識別することもできる。しかし、現状ではこのような目
的を達成することはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、大気中で動作さ
せるAFMでは、カンチレバーと試料表面との間に存在
する水滴に起因する表面張力が働く結果、フォースカー
ブにヒステリシスが現れていた。そして、大気中で原子
像を得るためには、ヒステリシスの値よりも大きな斥力
が働くような、いいかえれば試料破壊をもたらすような
条件で動作させなければならないという欠点があった。
また、試料表面の四重極双極子、電荷などの化学的状態
に起因する力を評価できないという欠点があった。本発
明の目的は、大気中において安定に原子像を得ることが
でき、さらには試料表面の化学的状態を評価できる原子
間力顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の原子間力顕微鏡
は、大気中においてカンチレバー先端と試料表面とを接
近させて原子間力を検出する原子間力顕微鏡において、
前記カンチレバーの表面を水に対して疎水的な表面にし
たことを特徴とするものである。
【0010】本発明において、カンチレバーの母材は、
Au、Pt、Fe、Co、Ni、Mn、W、Pt−Ir
などの金属もしくは合金、Si、GaAsなどの半導
体、またはSiO2 、Si3 4 などの絶縁体のいずれ
でもよい。
【0011】本発明において、カンチレバーの表面が水
に対して疎水的であるとは、カンチレバーの水との接触
角が60〜180°であることをいう。カンチレバー表
面を疎水的にするためには、カンチレバー表面を、末端
に例えば次式で表される疎水性の原子団を有する分子で
被覆する方法が挙げられる。これらの末端を有する分子
の表面密度は1014cm-2以上であることが好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】より具体的には、例えばラングミュア・ブ
ロジェット法により、カンチレバー表面に疎水性末端が
露出するように両親媒性分子の薄膜を被覆する方法が挙
げられる。この方法で用いられる分子としては、ステア
リン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸カドミウ
ム、アラキジン酸などが挙げられる。また、蒸着法また
は吸着法により、カンチレバー表面を、疎水性の原子団
を有する分子で被覆してもよい。
【0014】
【作用】本発明の原子間力顕微鏡では、水に対して疎水
的な表面を有するカンチレバーを用いているので、カン
チレバー表面への水の吸着が著しく抑制される。この結
果、フォースカーブには水の表面張力に由来する成分が
現れず、カンチレバーと試料とを接近させたときと離し
たときとでヒステリシスが現れなくなる。したがって、
本発明の原子間力顕微鏡は1×10-9Nという従来より
も小さい斥力が働くような条件で動作させることがで
き、試料表面の原子像を容易に得ることができる。ま
た、カンチレバー/試料表面間で働くファンデルワール
ス相互作用、双極子−双極子相互作用など、カンチレバ
ーおよび試料の表面の化学状態に起因する力の測定も可
能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の実施例における原子間力顕微鏡の
構成図である。図2はこの原子間力顕微鏡を構成するカ
ンチレバーの断面図である。
【0016】図1に示すように、防震台1上に微動/粗
動機構2が設置され、その上に試料3が載せられる。試
料3は微動/粗動機構2により垂直方向および水平方向
に移動される。試料3上方にはカンチレバーホルダ4が
固定され、このカンチレバーホルダ4の下面にはカンチ
レバー5が固定される。カンチレバー5の変位は、半導
体レーザー、ミラー、レンズ、フォトダイオードなどか
ら構成されるカンチレバー変位検出光学系6によりフォ
トダイオードの出力として検出される。すなわち、カン
チレバー5の背面にレーザー光が照射され、その反射光
がフォトダイオードで検出されるように構成されてお
り、カンチレバー5の変位がフォトダイオードの出力変
動として検出され、記録計7に記録される。微動/粗動
機構2はコントロールユニット8により制御される。
【0017】カンチレバー5としては図2に示すものが
用いられている。このカンチレバー5は以下のようにし
て作製された。SiNからなるカンチレバー母材11を
ヘキサメチルジシラザン気相中に24時間放置した後、
100℃でベーキングすることにより、ヘキサメチルジ
シラザンの吸着層12を形成した。次に、LB膜形成装
置のトラフにステアリン酸CH3 (CH2 16COOH
の単分子膜を形成し、吸着層12の上に偶数層のステア
リン酸のLB膜13を形成した。LB膜の層数を偶数層
にすれば、カンチレバー5の表面にはメチレン鎖末端の
メチル基が露出して疎水的になる。本発明の原子間力顕
微鏡によりフォースカーブを測定した結果を図3に示
す。
【0018】比較のために、従来のSiNからなるカン
チレバー(図2のカンチレバー母材11のみからなるも
の)を用いた原子間力顕微鏡によりフォースカーブを測
定した結果を図4に示す。
【0019】図4では、試料をカンチレバーに接近させ
たときに小さい引力が、離したときに大きい引力が働い
ていることがわかる。また、図4では、大きいヒステリ
シスが現れている。これらの原因は、カンチレバー表面
に吸着された水滴の表面張力によるものであると考えら
れる。一方、図3では、図4における水滴の表面張力に
起因すると考えられる引力はほとんど観測されず、ヒス
テリシスもほとんどなくなっている。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の原子間力顕
微鏡を用いれば、大気中において安定に原子像を得るこ
とができ、ひいては試料表面の化学的状態を評価でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における原子間力顕微鏡の構成
図。
【図2】本発明の実施例における原子間力顕微鏡に用い
られるカンチレバーの断面図。
【図3】本発明に係る原子間力顕微鏡を用いて測定され
たフォースカーブを示す図。
【図4】従来の原子間力顕微鏡を用いて測定されたフォ
ースカーブを示す図。
【符号の説明】
1…防震台、2…微動/粗動機構、3…試料、4…カン
チレバーホルダ、5…カンチレバー、6…カンチレバー
変位検出光学系、7…コントロールユニット、8…記録
計。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 大気中においてカンチレバー先端と試料
    表面とを接近させて原子間力を検出する原子間力顕微鏡
    において、前記カンチレバーの表面を水に対して疎水的
    な表面にしたことを特徴とする原子間力顕微鏡。
JP3190197A 1991-07-30 1991-07-30 原子間力顕微鏡 Pending JPH0534144A (ja)

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JP3190197A JPH0534144A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 原子間力顕微鏡

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JP3190197A JPH0534144A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 原子間力顕微鏡

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JPH0534144A true JPH0534144A (ja) 1993-02-09

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003534141A (ja) * 2000-05-26 2003-11-18 ノースウエスタン ユニバーシティ 走査プローブ顕微鏡チップの使用方法及び該使用方法を実施するための製品又は該使用方法によって製造される製品
JP2008111735A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Sii Nanotechnology Inc 試料操作装置
JP2009216490A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd パターン寸法形状測定方法
US8247032B2 (en) 1999-01-07 2012-08-21 Northwestern University Methods utilizing scanning probe microscope tips and products therefor or produced thereby

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JP2003534141A (ja) * 2000-05-26 2003-11-18 ノースウエスタン ユニバーシティ 走査プローブ顕微鏡チップの使用方法及び該使用方法を実施するための製品又は該使用方法によって製造される製品
JP2008111735A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Sii Nanotechnology Inc 試料操作装置
JP2009216490A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd パターン寸法形状測定方法

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