JPH05327690A - 通信方法および装置 - Google Patents

通信方法および装置

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JPH05327690A
JPH05327690A JP4128544A JP12854492A JPH05327690A JP H05327690 A JPH05327690 A JP H05327690A JP 4128544 A JP4128544 A JP 4128544A JP 12854492 A JP12854492 A JP 12854492A JP H05327690 A JPH05327690 A JP H05327690A
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JP
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communication
bit string
photon
bit
error
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Application number
JP4128544A
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English (en)
Inventor
Ippei Doi
一平 土井
Shiro Kanbara
史朗 蒲原
Shigeo Ihara
茂男 井原
Hitoshi Matsuo
仁司 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通信の傍受を確実に検出し、傍受者による通
信文の解読を不可能にし、かつ、通信文を誤りなく伝え
る。 【構成】 光子送信装置1008と光子受信装置101
3により、光子信号の伝達が行なわれ、光子信号に対応
するビット列が、発信側の記憶装置1009と受信側の
記憶装置1014に格納され、並べ替え回路1010と
誤り率算出回路1011により、発信側と受信側の光子
信号ビット列の一部の照合が行なわれ、受信ビット列中
の誤り率が推定され、その推定値に基づいて通信を続行
するか否かが判定され、通信を続行する場合には、符号
化回路1012により、記憶装置1007に格納された
通信文のビット列と記憶装置1009のビット列から送
信用の符号が生成され、復号装置1015は、この符号
を受け取ると、記憶装置1014のビット列を用いて、
通信文を復元し、この復号処理において、記憶装置10
04のビット列中の誤りが訂正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】通信網の巨大化に伴い、通信内容の機密
保護およびプライバシーの保護は、ますます重大な社会
的課題となってきている。ところが、従来、通信信号
は、文字、電波などの古典物理学的な手段で送信される
ため、原理的には検知されることなく傍受することが可
能である。そのため、高度の機密保持が要求される場合
には、暗号方式による通信がなされる。現在、最も実用
的な暗号方式は、非公開鍵鍵暗号方式とよばれるもので
ある。この方式では、送信者と受信者以外の第三者には
秘密にされた鍵とよばれるコードにより、通信文を暗号
化して発信し、受信者は、暗号を受信すると、同じ鍵を
用いて暗号を解読して、元の通信文を再現する。秘密鍵
を入手しない限り、暗号文全てを傍受しても、第三者は
通信文そのものを再現することはできない。従って、こ
の通信方式の保守性は、秘密鍵の機密性よって成り立つ
ものであり、秘密鍵は、傍受のおそれのない安全な通信
路により伝達されなければならない。
【0003】アイ ビー エム テクニカル ディスク
ロージャー ブリティン、第28巻-7、3153頁、
1985年12月(IBM Technical Disclosure Bulleti
n, Vol.28, No.7, P3153, Dec. 1985 )において、量子
力学的な実体を信号として用いることにより、原理的に
傍受の検知を免れることを不可能とする、秘密鍵の伝達
方法が開示されている。これは、傍受のための観測によ
り量子状態が不可逆的に変化することを利用して、発信
側と受信側の量子信号に差異が有るかどうかを調べるこ
とにより、途中で傍受が有ったかどうかを検出するもの
である。
【0004】量子信号に対する傍受が行なわれた場合、
受信者が受け取った量子信号には、一般に誤りが生じて
いるため、そのままでは秘密鍵として用いることはでき
ない。そこで、前記文献では、量子信号の送受信の後、
通常の通信によって、発信信号と受信信号に関する情報
を交換することにより、量子信号の伝送誤りを訂正する
手続きが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記文献に開示されて
いる通信方法おいては、量子信号がランダムなビット列
しか伝送できないため、そのビット列は非公開鍵暗号方
式における秘密鍵としてしか利用できない。従って、意
味のある通信文を送受信したい場合には、通信文を秘密
鍵により暗号化して送信し、受信した暗号を秘密鍵によ
り解読するという手続きを、別途行なう必要があった。
【0006】また、量子信号の伝送誤りの訂正手続きに
際して、量子信号の情報の多くが漏洩されるか、また
は、誤り訂正を完遂するために、送受信者が何度も訂正
手続きを繰り替えさなければならないものであった。
【0007】そこで、本発明の目的は、通信文を送信で
きる処理を備え、かつ、この処理が、量子信号の伝送誤
りを訂正する処理を兼ねている、通信方法および装置を
提供することにある。
【0008】また、この場合に、通信文の内容が第三者
の漏洩する確率を実用上無視でき、かつ、一回の通信処
理により、確実に量子信号の伝送誤りが訂正されるよう
な通信方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の通信方法および
装置は、一つの量子状態に1ビットを担わせて、ランダ
ムなビット列の送信および受信を行う手続きを少なくと
も一度行う第一の通信処理と、第一の通信処理における
ビット列の伝送の誤りを訂正し、かつ、通信文の送受信
を行なう第二の通信処理を有するものである。
【0010】この場合に、前記第二の通信処理におい
て、発信者と受信者は、誤り符号系を選択し、発信側
は、この誤り訂正符号系の符号化手続きにより、通信文
を符号化し、この符号と前記第一の通信処理で送信した
ビット列とのビットごとの第一の排他的論理和を送信
し、受信者は、この第一の排他的論理和と前記第一の通
信処理で受信したビット列とのビットごとの第二の排他
的論理和をとり、この第二の排他的論理和に、前記誤り
訂正符号系の復号処理を施すことにより、通信文の送受
信を行ない、同時に、前記第一の通信処理におけるビッ
ト列の伝送誤りを訂正するものである。
【0011】また、この場合に、前記第二の通信処理に
先だって、第一の通信処理におけるビット列の伝送誤り
率の推定値を与え、かつ、この推定値に従って前記第二
の通信処理を続行するか否かを判定する第三の通信処理
を有するものである。
【0012】
【作用】前記した通信方法および装置によれば、通信文
の送受信処理において、同時に、量子信号の誤り訂正を
行なうことができる。即ち、発信者は選択した誤り訂正
符号系の符号化手続きにより、通信文を符号化し、この
符号と量子信号によって送信したビット列との、ビット
ごとの第一の排他的論理和をとり、その値を送信する。
そして、受信者は、受信した第一の排他的論理和と受信
した量子信号のビット列との第二の排他的論理和をと
り、この第二の排他的論理和に、誤り訂正符号系の復号
手続きを施すことにより、通信文を復元することができ
ると同時に、受信した量子信号中の誤りを訂正すること
ができる。
【0013】この場合に、前記の通信文送受信および量
子信号の誤り訂正処理に先だって、量子信号の伝送誤り
率推定処理を行ない、推定値があらかじめ選択してある
誤り訂正符号系が訂正できる誤り率以下である場合にの
み、通信文送受信および量子信号の誤り訂正処理を行な
うことにすることにより、一回の処理で信号の訂正が完
全に行われ、通信文が誤りなく伝わるようにすることが
できる。
【0014】更に、この場合に、前記量子信号はランダ
ムなビット列なので、前記第一の排他的論理和もランダ
ムなビットの列となり、傍受者は、量子信号の内容その
ものについてあらかじめ何らかの情報を持っていない限
り、前記第一の排他的論理和の値をすべて傍受しても、
通信文の内容について情報を得ることはできない。従っ
て、傍受者が、通信文の内容を知るためには、量子信号
を傍受する必要があるが、前記誤り率推定処理により、
送信者と受信者はどの程度量子信号が傍受されたか、言
い換えると、傍受者が通信文の内容を特定できる確率を
知ることができる。そこで、この確率があらかじめ定め
てある基準値以内の場合にのみ、通信文の送信を行なう
ことにすることにより、傍受者による通信文の解読を実
質的に不可能にすることができる。
【0015】また、前記誤り率推定処理と前記通信文送
受信および誤り訂正処理により、受信側の量子信号中の
誤りが必ず検出されるので、これにより、確実に通信の
傍受を検知することができる。
【0016】以上の作用により、傍受を確実に検知し、
第三者に漏洩することなく、かつ、伝送の誤りなく、通
信文を伝達することができる。
【0017】
【実施例】本発明の第一の実施例は、図1に示される量
子信号通信処理101と、処理101における信号伝送
の誤り率を評価するための、図2に示される処理201
と、図3に示される、通信文送受信処理および量子信号
伝送時の誤り訂正処理を行なう処理301とからなる通
信方法である。
【0018】本実施例の作用を簡単に説明すると次のよ
うになる。
【0019】処理101では、一個の量子の量子状態に
1ビットを担わせて、ビット列が送信される。それに引
き続いて、処理201では、通常の(古典的な)通信手
段により、処理101における送信ビット列と受信ビッ
ト列の部分的な照合が行なわれ、受信ビット列中の誤り
率が推定され、この推定値に基づいて、あらかじめ選択
してある誤り訂正符号系が確実に受信ビット中の誤りを
訂正でき、かつ、第3者が通信文を特定できる確率が実
質的に無視できるほど小さいと判断した場合に限り、通
信を続行する判定が下される。通信が続行される場合に
は、処理301において、通常の通信手段により、通信
文が送信され、同時に、処理101の量子信号伝送時に
生じた受信ビット列中の誤りビットが訂正される。
【0020】次に各処理の内容を詳細に説明する。光子
の偏光状態を用いてビットを伝送する場合を例にとり、
図1により、量子通信処理101の内容を説明する。一
個の光子は、任意の方向に偏光した状態を取りうる。そ
こで、水平偏光(0度偏光)、垂直偏光(90度偏
光)、45度偏光、135度偏光の4状態を通信に利用
する。あらかじめ、送信者と受信者は、0度および45
度偏光状態をビット0に、90度および135度偏光状
態をビット1に対応させるものと取り決めておく。
【0021】これら4つの偏光状態は、すべてが互いに
独立な状態になれるわけではない。実際、45度偏光お
よび135度偏光状態は、0度および90度偏光状態を
等しい重みで重ね合わせたものであり、逆も同様であ
る。そこで、0度および90度偏光の光子を測定できる
装置で、45度または135度偏光の光子を観測する
と、偏光が0度または90度であるという観測結果のど
ちらかが、それぞれ確率1/2で生ずる。逆に、45度
および135度偏光の光子を測定する装置で、0度偏光
または90度偏光の光子を観測すると、観測結果は、そ
れぞれ確率1/2で45度偏光か135度偏光の光子が
測定される。言い換えれば、光子の偏光状態と適合して
いない測定装置を用いると、測定結果は完全にランダム
になる。
【0022】処理102に於て、発信者は、光子の偏光
状態を、4つの状態のうちからランダムに選択して、一
連の光子を受信者に送り、各光子の偏光状態と、それに
対応するビットの列を保存する。量子力学の不確定性原
理によれば、一つの光子に対して、0度および90度偏
光の測定装置と、45度および135度偏光の測定装置
との両方による同時測定はできない。そこで、受信者
は、1つ1つの光子に対して、どちらの測定装置を用い
るのかをランダムに選択しながら送られてきた光子列を
測定し、選択した測定装置の種類と、測定結果に対応す
るビットの列を保存する。
【0023】本実施例においては、光子の送受信は処理
102、103においてのみ行なわれる。以下の全ての
処理における通信は、文字、電波、電気信号など古典的
な信号により伝えられる。古典的な信号は、原理的に検
知されることなく傍受することが可能なので、以下のす
べての通信は、いつでも傍受されている可能性があるも
のとする。そこで、以下の通信は、その全ての内容を傍
受したとしても、処理102において送信された光子を
傍受しない限り、傍受者には何の情報も与えないような
方式で行なわれる。従って、傍受者が、通信文を解読し
ようとする場合には、どうしても、処理102において
送信された光子を傍受せざるを得ない。
【0024】処理103に引き続き、発信者による光子
の偏光状態の選択と受信者による測定装置の選択の照合
が行なわれる。即ち、処理104において、受信者は、
各光子についてどちらの装置を用いて測定したのかを送
信する。但し、測定の結果そのものは送信しない。処理
105において、発信者は、受信者による測定装置の選
択が、送信者による偏光状態の選択と合致していたか否
かを受信者に伝える。処理106および107におい
て、発信者および受信者は、それぞれが保存しているビ
ット列から、受信者が誤った測定装置の選択をした光子
に対応するビットを捨てる。これにより、もし、処理1
02および103における光子列の送受信時に、傍受に
よる光子列の撹乱がなければ、発信者と受信者が持って
いるビット列は完全に一致する。
【0025】処理102における光子列の送信時に、光
子列の傍受が行われていた場合に、傍受により、処理1
01後の受信ビット列にどのような影響が現われるかを
考えてみる。不確定性原理により、傍受者も、どちらか
一つの測定装置を選択しなければならない。傍受者は、
傍受が検知されないように、光子を測定し終わると、測
定結果と同じ偏光をもつ光子を1つ作って、受信者に向
けて発信する。さもないと、発信した光子の数が受信さ
れた光子の数と合わないので、傍受が直ちにばれてしま
う。しかし、こうしても次の理由により、傍受の検知は
免れられない。即ち、傍受者は1/2の確率で発信者が
選択した偏光と適合しない装置を選択する。この場合に
は、傍受者による測定結果はランダムになってしまう。
従って、発信者による偏光の選択と受信者による測定装
置の選択が合致している光子であるにもかかわらず、受
信者の測定結果が、発信者の選択した偏光状態と異なる
という状況が確率1/2で起こりうる。つまり、1つの
光子が傍受されたとき、その光子に対応する、発信者と
受信者のビットが異なっている確率は1/4である。逆
にビットが一致する確率は3/4となる。これにより、
処理101の後、送信者と受信者のもつビット列の差異
を検出することにより、傍受を検知できることになる。
【0026】そこで、本実施例においては、2つの処理
において、ビット列の差異を検出する。まず、処理20
1では、通常の(古典的な)通信手段により、処理10
1における送信ビット列と受信ビット列の部分的な照合
が行なわれ、受信ビット列中の誤り率が推定され、この
推定値に基づいて、通信を続行するか否かが判定され
る。通信が続行される場合には、処理301において、
誤り訂正符号系の符号化および復号の手続きにより、処
理101で生じた受信ビット列中の誤りが検出、訂正さ
れる。
【0027】次に、図2により、処理201の内容を説
明する。発信者は、処理202において、ビット列をラ
ンダムに並べ替え、その並べ替えの順序を送信する。処
理203において、受信者は、送信者の指示に従って、
ビット列を並べ替える。ビットの並べ替え処理202お
よび203は、局所的に集中する誤りビットを平均的に
分散させるための前処理である。
【0028】処理202、203のランダムな並べ替え
処理は、例えば図4に示すような一連の処理により実現
される。まず、処理401で、カウンタIにビット列の
長さNをセットする。次に、処理402で、0から1の
間の値をとる一様乱数rを発生し、J=[rI]+1とおく。こ
こで、実数xに対して[x]は、xを越えない最大の整数を
表わす。そして、処理403で、ビット列のI番目のビ
ットとJ番目のビットを入れ替える。処理404で、こ
の入れ替えの指示を受信者に伝え、受信者もビットの入
れ替えを行なう。処理405で、カウンタを1だけデク
リメントし、判断処理406によりカウンタの値が1で
あれば、並べ替え処理を終了し、そうでなければ、処理
402に戻る。
【0029】次に、処理204において受信者は、照合
用に、ビット列の一部のビットを送信し、送信したビッ
トを捨てる。ここでは、ビット列の先頭の100個を送
信するものとする。発信者は、処理205において自分
のビット列の先頭の100個のビットと受信者から送ら
れてきた100個のビットを照合して、受信者の100
個のビットの中の誤り率Rを計算し、ビット列から先頭
の100個を捨てる。そして、処理206において、発
信者は、Rの値に基づいて、受信者のビット列全体のな
かの誤り率Pを推定する。即ち、区間推定法により、Pの
最大値は99%の確率で{(nR-2)+3√(nR(1-R)+1)}/(n+
4) と見積られるのでP={(nR-2)+3√(nR(1-R)+1)}/(n+4)
とおく。ここで、nは照合用に用いられたビットの数で
あり、今の場合n=100である。そして、処理207にお
いて、P>P0であるか、またはP>(k-10)/3(k+m)であれ
ば、処理208に分岐して、通信を中止する。ここで、
kおよびmは、それぞれ、以後の処理で用いる誤り訂正符
号系の情報信号長および検査信号長であり、P0はこの誤
り訂正符号系により訂正できる1ビット当たりの誤り率
の最大値である。P>P0であれば、この誤り訂正符号系
は、受信ビット列の誤りを訂正する能力を持たない可能
性が大きいので、通信の中止は当然である。これに加え
て、P>(k-10)/3(k+m)の場合にも通信を中止する理由は
以下の通りである。
【0030】傍受者は、処理104および105の通信
を傍受することにより、傍受の際に自分が選択した測定
装置が、傍受した光子の偏光状態と適合していたかどう
かを知ることができる。もし、適合していれば、傍受者
は、その光子の偏光を確実に知ることができる。適合し
ていなければ、測定結果は役に立たないので、確率1/
2の当て推量を行なうしかない。結局、傍受者は、1つ
の光子を傍受することにより、その光子の正しい偏光を
知ることができる確率は平均で3/4となる。ところ
で、傍受が入った時、その光子に対応する受信者のビッ
トが送信者のものと異なっている確率は1/4であっ
た。従って、受信者のビット列中の誤り率を1ビットに
付き平均でPとすると、傍受者は、1ビットに付き平均
で3Pの確率でビットの正しい値を知っていることにな
る。誤り訂正符号系を用いる場合、k+mビットのブロッ
クを単位として通信が行なわれるので、1ブロック当た
り平均して3P(k+m)ビットを知っているものと考えられ
る。1ブロックの情報量は、情報信号の情報量であるk
ビットなので、傍受者にとっての1ブロック当たりの不
定ビットは平均でk-3P(k+m)となる。不定ビットが少な
すぎると、傍受者は総当たりで意味のある通信文を再現
できる可能性が生ずる。そこで、本実施例では、k-3p(k
+m)≧10、即ち、P≦(k-10)/3(k+m)の場合にのみ、通信
を続けるものとした。これにより、傍受者にとって、通
信文の不定さは、1ブロック当たり少なくとも10ビッ
トある、言い換えれば、傍受者にとって、そのブロック
の正しい値の候補は210=1024個以上になる。従っ
て、ある程度の長さの通信文に対しては、総当たり法に
よる通信文の解読は事実上不可能になる。
【0031】P≦P0かつP≦(k-10)/3(k+m)であれば、引
き続いて、誤り訂正および通信文伝達を行なう処理30
1が行なわれる。
【0032】処理301について説明する前に、図5に
より、森北出版、1973年発行、情報工学ハンドブッ
クP68-P87に記載されている、いわゆるブロック型
の線形誤り訂正符号系による、誤り訂正のための符号化
と復号の手続きを簡単に説明する。発信者は、送信した
い情報信号と、それから一意に決まる検査信号を一つの
ブロックとして送信する。情報信号および検査信号をそ
れぞれx,yとし、これらの長さをそれぞれとk,mとする。
即ち、x,yは0または1を要素とするk,m行の行ベクトル
である。線形の訂正符号系では、k行m列の生成行列Cに
より、y=xCと書ける。ここで、ベクトルxと行列Cの乗算
は、2を法として行なわれる。発信者は、処理501
で、xに対してxCを計算し、処理502で、xとxCをつな
いで、長さk+mのビット列y=(x,xC)をつくる。このよう
に、情報信号と検査信号をつないだブロックを、符号語
とよぶ。処理502で、発信者は、この符号語yを送信
する。符号語が、雑音のある伝送路によって伝えられる
ものとすると、処理503における受信信号y'は発信信
号yとは異なっている可能性がある。そこで、受信者
は、次のような復号手続きにより、元の情報信号を再現
する。即ち、まず、処理504において(k+m)行m列の検
査行列Hを用いて、s=y'Hを計算する。そして、処理50
5において、eH=sを満たし、ビット1の数が最小のビッ
ト列eを求める。通常、このようなeは全てのsに対し
て、あらかじめ計算してテーブル化しておく。eの中の
ビット1は、その位置においてyとy'のビット値が食い
違っていることを示しているので、eを誤りベクトルと
呼ぶ。s=0であれば、信号伝送に誤りがなかったことを
示しているが、その場合はe=0とおけばよい。そして、
処理506で、このeと受信信号y'とのビットごとの排
他的論理和をとることにより、yが復元できる。そこ
で、処理507で、この排他的論理和の先頭のkビット
を取りだし、元の情報信号xが復元される。
【0033】そこで、次に、図3により、処理301の
内容を説明する。処理302において、選択された誤り
訂正符号系に従って、発信者は、通信文と量子信号ビッ
ト列を、それぞれ、長さkおよび長さk+mのブロックに分
割する。i番目のブロックをそれぞれx(i)とa(i)とす
る。処理303において、受信者も、自分の量子信号ビ
ット列を長さk+mのブロックに分割する。i番目のブロッ
クをb(i)とする。処理304において、発信者は、通信
文のブロックから、検査信号x(i)Cを求め、符号語(x
(i),x(i)C)を構成する。そして、排他的論理和w(i)=(x
(i),x(i)C)+a(i)を計算し、処理305で、w(i)を送信
する。
【0034】ここで、排他的論理和w(i)+b(i)を考える
と、a(i)とb(i)とが完全に一致していれば、この排他的
論理和w(i)+b(i)は符号語(x(i),x(i)C)に等しい。ま
た、a(i)とb(i)が異なるビットを有していれば、丁度そ
のビットの位置で、w(i)+b(i)と(x(i),x(i)C)は食い違
っている。この食い違いは、各ブロックに対し、以下の
処理306を施すことにより訂正できる。即ち、処理3
07において、s=(w(i)+b(i))Hを計算し、処理308に
おいて、eH=sを満たし、かつ、最もビット1の数が少な
いビット列eを求める。このとき、eは、(x(i),x(i)C)と
w(i)+b(i)とのずれを表している、即ち、(x(i),x(i)C)=
w(i)+b(i)+eである。従って、処理309で、w(i)+b(i)
+eを求めることにより、元の符号語(x(i),x(i)C)が復元
されるので、先頭のkビットを取り出して、通信文のブ
ロックx(i)が復元される。また、a(i)=b(i)+eとして、
発信側の量子信号のブロックa(i)も復元される。この処
理306を全てのブロックに対して繰り返すことによ
り、受信側で通信文全体が復元される。
【0035】以上の通信処理101、201および30
1により、通信文を、その機密性を失わしめることな
く、確実に伝えることができる。
【0036】図6は、本発明の通信方法および装置の第
2の実施例である通信装置を示す概略構成図である。本
実施例は、実施例1に開示された通信方法を装置で実現
するものである。
【0037】まず、図6により本実施例の通信装置の構
成の概略を説明する。本実施例の通信装置1001は、
発信装置1002と受信装置1003と、信号の伝送路
1004および1005とから構成されている。発信装
置1002は、通信文の入力端末1006と通信文の記
憶装置1007と光子送信装置1008と光子信号の記
憶装置1009と並べ替え回路1010と誤り率算出回
路1011と符号化回路1012とからなる。受信装置
1003は、光子受信装置1013と光子信号の記憶装
置1014と復号回路1015と受信した通信文表示用
の出力端末1016とからなる。伝送路1004は、光
子信号用の伝送路であり、非旋光性の光ファイバーなど
で作られている。伝送路1005は、電気信号など通常
の信号を伝える。
【0038】本実施例の作用を、簡単に説明すると次の
ようになる。まず光子送信装置1008と光子受信装置
1013により、光子信号の伝達が行なわれ、光子信号
に対応するビット列が、記憶装置1009および101
4に格納される。次に、並べ替え回路1010と誤り率
算出回路1011により、受信ビット列中の誤り率の推
定値が算出される。そして、その推定値に基づいて、符
号化回路1012および復号回路1015に組み込んで
ある誤り訂正符号系が確実に受信ビット列中の誤りを訂
正でき、かつ、第3者が通信文を特定できる確率が実質
的に無視できるほど小さいと判断した場合に限り、通信
を続行する判定が下される。通信が続行される場合に
は、符号化回路1012により、入力端末1006より
入力され記憶装置1007に格納されている通信文のビ
ット列と記憶装置1009に格納されているビット列よ
り、送信用の符号が生成される。復号装置1015は、
符号を受け取ると、この符号と記憶装置1014中のビ
ット列より通信文を復元する。この、符号化および復号
の手続きは誤り訂正符号系に従って行なわれ、光子信号
の伝送誤りが生じていたとしても、通信文が正しく復元
される。
【0039】次に、第一の実施例の通信方法における処
理101、201および301に対応させて、本実施例
の作用について詳述する。まず、図7を用いて、第一の
実施例の処理101に対応する作用について説明する。
【0040】入力端末1006は、入力された通信文
を、0または1からなるビット列に変換し、記憶装置1
007に格納する。同時に、その長さをNとして、値N+1
00を、光子送信装置1008内のカウンター1101に
セットする。
【0041】そして、カウンタの値が0になるまで、以
下の光子送受信処理が繰り返される。まず、カウンタ1
101の値が0でない場合、判断器1102は、乱数発
生器1103に、0か1か2か3のいづれかをランダム
に発生させ、かつ、伝送路1005を通して、受信側の
乱数発生器1107に指示を送り、0か1のいづれかを
ランダムに発生させる。乱数発生器1103が発生した
乱数は、電流変換器1104に入力される。電流変換器
1104は、入力された乱数の値に比例して、ファラデ
ー回転子1105に流れる電流量を四段階で切り替え
る。これにより、ファラデー回転子1105を通過する
光子は、その偏光面を、電流量に比例して、0度、45
度、90度、135度回転するようになっている。電流
変換器1104が電流量の切り替えを終えると、レーザ
ー1106より光子が1個放出される。レーザー110
6は、常に、0度偏光の光子を放出するように調整され
ている。従って、レーザー1106より発信され、ファ
ラデー回転子1105を通過した光子の偏光は、発生し
た乱数が0、1、2、3のそれぞれの場合に応じて、0
度偏光、45度偏光、90度偏光、135度偏光とな
る。この光子は、光伝送路1004を通じて、光子受信
装置1013に送信される。
【0042】受信側も、受信側の乱数発生器1107の
出力を、電流変換器1108に入力する。受信側の電流
変換器1108は、発生した乱数が0、1のそれぞれの
場合に応じて、ファラデー回転子1109を通過する光
子の偏光を0度、―45度だけ回転させるように電流量
を変える。そして、送信された光子は、ファラデー回転
子1109を通過して、偏光ビームスプリッター111
0に入る。この偏光ビームスプリッター1110は、任
意の方向に偏光した光子を、0度偏光成分と90度偏光
成分に分離する。そして、分離された0度および90度
の偏光成分は、それぞれ、光検出器1111および11
12により検出される。そして、光検出器1111より
光子が検出されればビット0が、光検出器1112より
検出されればビット1が、レジスタ1114に記憶され
る。
【0043】発信側の乱数が偶数、即ち、0か2であれ
ば、発信光子は0度偏光か90度偏光である。受信者の
乱数も偶数、即ち、0であれば、ファラデー回転子11
09を通過しても、光子は偏光の向きを変えない。従っ
て、発信光子が0度偏光であれば、光検出器1111に
おいて光子が必ず検出され、光検出器1112には決し
て検出されない。同様に発信光子が90度偏光であれ
ば、光検出器1112において光子が必ず検出され、光
検出器1111には決して検出されない。これに対し、
受信側の乱数が、奇数すなわち1であれば、ファラデー
回転子1109を通過した光子は、偏光が―45度回転
してしまうので、45度または135度偏光の光子にな
る。これらの偏光の光子は、0度偏光成分と90度偏光
成分を等しい重みで含んでいるので、検出の結果、確率
1/2で、光検出器1111または1112のどちらか
で、光子が検出される。
【0044】同様に、発進側の乱数が奇数である場合
に、受信側の乱数も奇数であれば、45度偏光の発信光
子は、必ず光検出器1111で検出され、135度偏光
の光子は必ず光検出器1112で検出される。これに対
し、受信側の乱数が偶数であれば、発信光子の偏光が4
5度でも135度でも、どちらの光検出器からも1/2
の確率で光子が検出される。
【0045】従って、発信側の乱数と受信側の乱数の偶
奇性が一致していれば、偏光の種類に応じて、発信光子
がかならず一方の光検出器でのみ検出され、他方の光検
出器では決して検出されないという意味で受信の結果が
確定している。これに対し、送信側の乱数と受信側の乱
数の偶奇性が異なる場合には、発信光子の偏光状態にか
かわらず、どちらの光検出器からも、確率1/2で光子
が検出される可能性があるという意味で、受信の結果は
完全にランダムである。即ち、実施例1の光子信号通信
処理101に対応させていえば、発信側の乱数と受信側
の乱数の偶奇性の一致、不一致は、発信側の偏光状態の
選択と受信側の測定装置の選択との一致、不一致と対応
している。
【0046】そこで、発信側と受信側は、それぞれが発
生した乱数の偶奇性の照合を行なう。即ち、発信側の乱
数発生器1103によって発生した乱数は、判断器11
13に入力され、また、受信側の乱数発生器1107が
発生した乱数も、伝送路1005を通じて、判断器11
13に入力され、偶奇性の一致、不一致が判定される。
偶奇性が一致していなければ、判断器1113は、それ
が判断器1102に伝えられ、光子の送受信が再び始め
られる。偶奇性が一致していれば、判断器1113は、
発信した光子の偏光に対応するビットを記憶装置100
9に格納する。即ち、乱数発生器1103の発生した乱
数が0、1、2、3であるのに応じて、発信光子の偏光
は、それぞれ、0度、45度、90度、135度となる
ので、乱数が0、1であればビット0が格納され、2、
3であればビット1が格納される。伝送路1005を通
じて、受信側のレジスター1114にも、一致の判定が
送信され、レジスタ1114の内容が記憶装置1016
に格納される。そして、判断器1113は、減算器11
15にカウンタ1101の値を1だけデクリメントさ
せ、次の光子の送受信処理に移る。以上の、光子送受信
処理が、カウンタ1101の値が0になるまで繰り返さ
れる。カウンタ1101の値が0になると、処理は並べ
変え回路1010に移される。
【0047】次に、光子伝送の誤り率を推定し、通信を
続行するか否かを判定する処理201に対応する作用に
ついて、図8および9を用いて説明する。
【0048】まず、図8の並べ替え回路1010によ
り、発信側および受信側の記憶装置1009および10
14内のビット列の並べ替えが行なわれる。まず、カウ
ンタ1201に記憶装置1009内のビットの総数N+10
0がセットされる。そして、カウンタ1201にセット
された値が1になるまで、以下の処理が繰り返される。
カウンタ1201の値が1でない場合、判断器1202
は、乱数発生器1203に0と1の間の一様乱数rを一
つ発生させる。整数化器1204では、乱数rとカウン
ター1201の値Iとから、整数J=[rI]+1を出力する。
カウンター1201の値Iと整数化器1204の出力J
は、発信側の記憶装置1009と伝送路1005に送ら
れる。そして、記憶装置1009は、I番目とJ番目のア
ドレスに格納されているビットを交換する。同様に、I
とJの値は伝送路1005を通じて、受信側の記憶装置
1014にも伝えられ、ビットの交換が行なわれる。そ
して、減算器1205により、カウンタ1201の値が
1だけデクリメントされる。カウンタ1201の値が1
になると、判断器1205は、以上の繰り返し処理を終
了させ、誤り率算出回路1011に処理が移される。
【0049】図9の誤り率算出回路1011の内部で
は、比較照合器1301が、発信側の記憶装置1009
から、また、伝送路1005を通じて、受信側の記憶装
置1014から、順に1ビットずつ100個のビット列
を取りだし、ビットごとに比較をおこなう。比較の結
果、異なっていたビットの総数が誤り計数器1302に
より計数される。誤り計数器1302の出力より、誤り
率算出器1303は、受信側の記憶装置内1014内の
全ビット中の誤り率の推定値Pを出力する。即ち、nを照
合に用いたビット数100、n1を誤り計数器の出力とする
と、R=n1/100としてP={(nR-2)+3√(nR(1-R)+1)}/(n+4)
を出力する。P≦P0かつP≦(k-10)/3(k+m)であれば、判
断器1304により、符号化回路1012に処理が移さ
れる。P>P0またはP>(k-10)/3(k+m)であれば、判断器1
202より、通信中止のメッセージが、入力端末100
6のスクリーン上に、また、伝送路1005を通じて、
出力端末1016のスクリーン上に出力され、送信者と
受信者は通信を中止する。
【0050】次に、通信文送受信および光子信号伝送時
の誤り訂正を行なう処理301に対応する作用につい
て、図10および11を用いて説明する。
【0051】図10の符号化回路1012において、通
信文のビット列を格納している記憶装置1007より、
長さkのビット列xが取り出され、乗算器1401に入力
され、xと生成行列Cの積である、長さmのビット列xCが
出力される。そして、ビット列連結器1402が、xとx
Cをつないで得られるビット列(x,xC)を生成する。つぎ
に、記憶装置1009より、長さk+mのビット列aが取り
出されて、排他的論理和演算器1403により、(x,xC)
とaとのビットごとの排他的論理和wが計算される。この
排他的論理和wの値は、伝送路1005を通じて、受信
側の復号回路1015に送信される。
【0052】図11の復号回路は1015は、伝送路1
005を通じて、wを受信すると、記憶装置1014よ
り、長さk+mのビット列bを取りだし、排他的論理和演算
器1501により、wとbのビットごとの排他的論理和w+
bを計算する。そして、その値w+bを乗算器1502に入
力し、検査行列Hとの積s=(w+b)Hを出力する。記憶装置
1503には、すべてのsのパターンに対して、eH=sを
満たし、且つ、1の数が最も少ないビット列eが格納さ
れている。記憶装置1503は、乗算器1502の出力
sを受け取ると、それに対するeを出力する。eと排他的
論理和演算器1501の出力w+bとは排他的論理和演算
器1504に入力される。部分ビット取り出し器150
5により、出力の先頭のkビットが取り出される。これ
により、通信文のブロックが復元されたので、これを出
力端末1016のスクリーンに表示する。
【0053】以上の符号化および復号の手続きを、通信
文の各ブロックに対して繰り返して、通信文全体が伝達
される。
【0054】本実施例においては、説明を簡潔にするた
め、発信装置から受信装置に通信文が送信される場合に
ついて述べたが、発信側および受信側それぞれが、発信
装置および受信装置の両方を有することにより、もちろ
ん双方向通信が可能である。
【0055】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとうりである。
【0056】(1) 通信文の送受信処理において、同
時に、量子信号伝送時の誤り訂正を行なうことができ
る。即ち、発信者は選択した誤り訂正符号系の符号化手
続きにより、通信文を符号化し、この符号と量子信号に
よって送信したビット列との、ビットごとの第一の排他
的論理和をとり、その値を送信する。そして、受信者
は、受信した第一の排他的論理和と受信した量子信号の
ビット列との第二の排他的論理和をとり、この第二の排
他的論理和に、誤り訂正符号系の復号手続きを施すこと
により、通信文を復元することができると同時に、受信
した量子信号中の誤りを訂正することができる。
【0057】(2) 前記(1)における通信文送受信
および量子信号の誤り訂正処理に先だって、量子信号の
伝送誤り率推定処理を行ない、推定値があらかじめ選択
してある誤り訂正符号系が訂正できる誤り率以下である
場合にのみ、通信文送受信および量子信号の誤り訂正処
理を行なうことにすることにより、一回の処理で誤り訂
正が完全に行われ、通信文が誤りなく伝わるようにする
ことができる。
【0058】(3) 前記(1)および(2)により、
通信文の内容を第3者に漏洩することなく伝達できる。
即ち、前記量子信号はランダムなビット列なので、前記
第一の排他的論理和もランダムなビットの列となり、傍
受者は、量子信号の内容そのものについてあらかじめ何
らかの情報を持っていない限り、前記第一の排他的論理
和の値をすべて傍受しても、通信文の内容について情報
を得ることはできない。従って、傍受者が、通信文の内
容を知るためには、量子信号を傍受する必要があるが、
前記(2)の誤り率推定処理により、送信者と受信者は
どの程度量子信号が傍受されたか、言い換えると、傍受
者が通信文の内容を特定できる確率を評価することがで
きる。そこで、この確率があらかじめ定めてある基準値
以内の場合にのみ、通信文の送信を行なうことにするこ
とにより、傍受者による通信文の解読を実質的に不可能
にすることができる。
【0059】(4) 前記(1)および(2)により、
受信側の量子信号中の誤りが必ず検出されるので、これ
により、確実に量子信号伝送時の傍受を検知することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信方法および装置の実施例1である
通信方法における、光子信号の送受信処理の内容を説明
する説明図である。
【図2】本発明の通信方法および装置の実施例1である
通信方法における、光子信号伝送の誤り率算出処理の内
容を説明する説明図である。
【図3】本発明の通信方法および装置の実施例1である
通信方法における、通信文の送受信および光子信号の伝
送誤り訂正処理の内容を説明する説明図である。
【図4】本発明の通信方法および装置の実施例1である
通信方法における、光子信号ビット列の並べ替え処理の
内容を説明する説明図である。
【図5】ブロック型線形誤り訂正符号系による符号化お
よび復号処理の内容を説明する説明図である。
【図6】本発明の通信方法および装置の実施例2である
通信装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明の通信方法および装置の実施例2である
通信装置における、光子発信装置および光子受信装置を
示す概略構成図である。
【図8】本発明の通信方法および装置の実施例2である
通信装置の発信装置における、光子信号ビット列の並べ
替え回路を示す概略構成図である。
【図9】本発明の通信方法および装置の実施例2である
通信装置の発信装置における、光子信号伝送の誤り率算
出回路を示す概略構成図である。
【図10】本発明の通信方法および装置の実施例2であ
る通信装置の発信装置における、符号化回路を示す概略
構成図である。
【図11】本発明の通信方法および装置の実施例2であ
る通信装置の受信装置における、復号回路を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1002 発信装置 1003 受信装置 1004 光子信号伝送路 1005 伝送路 1007 通信文記憶装置 1008 光子送信装置 1009 発信側光子信号用記憶装置 1010 光子信号並べ替え回路 1011 光子信号伝送誤り率算出回路 1012 符号化回路 1013 光子受信装置 1014 受信側光子信号用記憶装置 1015 復号回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 13/00 351 Z 7368−5B G09C 1/00 9194−5L (72)発明者 松尾 仁司 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの量子状態に1ビットを担わせて、ラ
    ンダムなビット列の送信を行う手続きを少なくとも一度
    行う第一のステップと、前記第一のステップにおけるビ
    ット列の伝送の誤りを訂正し、通信文の送受信を行なう
    第二のステップを有することを特徴とする通信方法。
  2. 【請求項2】一つの量子状態に1ビットを担わせて、ラ
    ンダムなビット列の送信を行う手続きを少なくとも一度
    行う第一の通信手段と、前記第一の通信手段からのビッ
    ト列の伝送の誤りを訂正し、通信文の送受信を行なう第
    二の通信手段を有することを特徴とする通信装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の通信方法において、発信者
    と受信者は、誤り符号系を選択し、発信側は、この誤り
    訂正符号系の符号化手続きにより、通信文を符号化し、
    この符号と前記第一の通信処理で送信したビット列との
    ビットごとの第一の排他的論理和を送信し、受信者は、
    前記第一の排他的論理和と前記第一のステップで受信し
    たビット列とのビットごとの第二の排他的論理和をと
    り、前記第二の排他的論理和に、前記誤り訂正符号系の
    復号処理を施すことにより、前記第一のステップにおけ
    るビット列の伝送の誤りを訂正し、通信文の送受信を行
    なうことを特徴とする通信方法。
  4. 【請求項4】前記第二のステップに先だって、前記第一
    のステップにおけるビット列の伝送誤り率の推定値を与
    え、この推定値に従って前記第二のステップを続行する
    か否かを判定する第三のステップを有することを特徴と
    する請求項1に記載の通信方法。
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