JPH05300889A - アーチファクト除去システム、アーチファクト除去方法およびこれらを用いた心電図用信号処理装置 - Google Patents
アーチファクト除去システム、アーチファクト除去方法およびこれらを用いた心電図用信号処理装置Info
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- JPH05300889A JPH05300889A JP4107832A JP10783292A JPH05300889A JP H05300889 A JPH05300889 A JP H05300889A JP 4107832 A JP4107832 A JP 4107832A JP 10783292 A JP10783292 A JP 10783292A JP H05300889 A JPH05300889 A JP H05300889A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 所望の原信号からアーチファクトおよび他の
ノイズを除去するためのシステムを提供する。 【構成】 ノード１０は合成波形を含む電気信号を受信
して複数の信号に分岐する。アナログ遅延回路２０は複
数の信号のうち最低１つを遅延させる。位相検出器４０
は、遅延した信号と遅延していない信号からアーチファ
クト成分を分離する。加算ノード６５は遅延した信号と
遅延していない信号とを加算する。さらに、数学的増幅
器７０において加算して得られた信号からアーチファク
ト成分を減算し、アーチファクトを含まない信号を得
る。
ノイズを除去するためのシステムを提供する。 【構成】 ノード１０は合成波形を含む電気信号を受信
して複数の信号に分岐する。アナログ遅延回路２０は複
数の信号のうち最低１つを遅延させる。位相検出器４０
は、遅延した信号と遅延していない信号からアーチファ
クト成分を分離する。加算ノード６５は遅延した信号と
遅延していない信号とを加算する。さらに、数学的増幅
器７０において加算して得られた信号からアーチファク
ト成分を減算し、アーチファクトを含まない信号を得
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電気信号エンハンスメン
ト用システムに関し、特に、反復性合成波形の電気信号
からノイズやアーチファクトを除去するための装置およ
び方法に関する。
ト用システムに関し、特に、反復性合成波形の電気信号
からノイズやアーチファクトを除去するための装置およ
び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】信号処理用の回路を設計する際に重要な
事項に、ノイズの除去および低減がある。処理に必要な
原信号や、これらの信号に固有のノイズが極めて多種多
様であるため、このようなノイズを減らすために多数の
システムが開発されている。従来のシステムは、簡単な
フィルタからプログラムを用いて制御する信号エンハン
スメント用コンピュータまで多岐にわたる。このような
従来のノイズ除去システムの多くは、有意な合成成分を
含む非反復性波形信号を用いて目的の信号からノイズを
除去するということに焦点をあてている。一例として、
テープ電源またはＬＰからのオーディオトラックの除去
が挙げられる。オーディオ信号源は基本的に、所望の信
号および固有ノイズとなる多くの異なる周波数成分を有
する非反復性波形を形成している。ノイズ成分を減らす
ために、回路を用いてオーディオ信号のセグメントを広
げたり短くしたりすることで、最もノイズの影響を受け
た周波数を選択して弱めている。しかしながら、このよ
うな方法では電源信号の一部も弱められたり除去された
りしてしまい、ノイズを除去すると同時に出力の質も低
下させることになる。
事項に、ノイズの除去および低減がある。処理に必要な
原信号や、これらの信号に固有のノイズが極めて多種多
様であるため、このようなノイズを減らすために多数の
システムが開発されている。従来のシステムは、簡単な
フィルタからプログラムを用いて制御する信号エンハン
スメント用コンピュータまで多岐にわたる。このような
従来のノイズ除去システムの多くは、有意な合成成分を
含む非反復性波形信号を用いて目的の信号からノイズを
除去するということに焦点をあてている。一例として、
テープ電源またはＬＰからのオーディオトラックの除去
が挙げられる。オーディオ信号源は基本的に、所望の信
号および固有ノイズとなる多くの異なる周波数成分を有
する非反復性波形を形成している。ノイズ成分を減らす
ために、回路を用いてオーディオ信号のセグメントを広
げたり短くしたりすることで、最もノイズの影響を受け
た周波数を選択して弱めている。しかしながら、このよ
うな方法では電源信号の一部も弱められたり除去された
りしてしまい、ノイズを除去すると同時に出力の質も低
下させることになる。
【０００３】反復性の合成波形を有する原信号には重要
なものがある。例えば、医学分野において、心臓病専門
医は血液の拍出動作時に心筋によって発生する電気信号
に対して高い関心を持っている。この信号は心電図すな
わち「ＥＣＧ」として知られており、心臓の拍動に関連
した反復性の合成波形を有している。このような合成波
形については、心臓病専門医らによる多くの研究がなさ
れており、重要な部分ごとに波形を区分化して詳細な研
究が行われている。様々な波形の変化は心臓の機能と関
連しているということが既に知られている。事実、波形
の特定の区分が変化することから心臓の障害を予測でき
る場合が多いため、このような変化は心臓病の診断や防
止には極めて重要なのである。
なものがある。例えば、医学分野において、心臓病専門
医は血液の拍出動作時に心筋によって発生する電気信号
に対して高い関心を持っている。この信号は心電図すな
わち「ＥＣＧ」として知られており、心臓の拍動に関連
した反復性の合成波形を有している。このような合成波
形については、心臓病専門医らによる多くの研究がなさ
れており、重要な部分ごとに波形を区分化して詳細な研
究が行われている。様々な波形の変化は心臓の機能と関
連しているということが既に知られている。事実、波形
の特定の区分が変化することから心臓の障害を予測でき
る場合が多いため、このような変化は心臓病の診断や防
止には極めて重要なのである。
【０００４】心臓の状態をモニタリングするという面で
ＥＣＧが重要であることは言うまでもない。現在では、
被検者のＥＣＧの査読は心臓病専門医にとって日常的に
なっており、専門医のいる病医院内で行われることも多
い。心臓病専門医が心電図を査読する場合、通常はオシ
ロスコープまたはこれに類似の装置を用いてＥＣＧ波形
を直接表示するとともに、経時的グラフを記録紙に記録
する。心臓病専門医はＥＣＧを記録した用紙を調べて異
常箇所を探す。また、心臓病専門医は最新のＥＣＧ記録
を過去に行った査読結果と比較する。２つのＥＣＧ信号
が異なっている場合の多くは、身体に何らかの異常があ
るということを示している。例えば、ＥＣＧのＳＴ部が
延長したり短縮されたりする場合は、心臓弁膜が異常で
あるということが考えられる。ＳＴ部の重要性について
は米国特許第４，５４６，７７６号に詳細に記載されて
いる。
ＥＣＧが重要であることは言うまでもない。現在では、
被検者のＥＣＧの査読は心臓病専門医にとって日常的に
なっており、専門医のいる病医院内で行われることも多
い。心臓病専門医が心電図を査読する場合、通常はオシ
ロスコープまたはこれに類似の装置を用いてＥＣＧ波形
を直接表示するとともに、経時的グラフを記録紙に記録
する。心臓病専門医はＥＣＧを記録した用紙を調べて異
常箇所を探す。また、心臓病専門医は最新のＥＣＧ記録
を過去に行った査読結果と比較する。２つのＥＣＧ信号
が異なっている場合の多くは、身体に何らかの異常があ
るということを示している。例えば、ＥＣＧのＳＴ部が
延長したり短縮されたりする場合は、心臓弁膜が異常で
あるということが考えられる。ＳＴ部の重要性について
は米国特許第４，５４６，７７６号に詳細に記載されて
いる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述の米国特許におい
て述べられているように、ＥＣＧ波形の変化を人間の目
で見分けるのは困難な場合もある。さらに、適切な診断
を下すためには不可欠な信号を変化させるノイズの原因
となり得るものも多くある。このようなノイズ源には、
被検者の動きによって生じる信号のアーチファクトの
他、心臓機能には関係がない電気的放電や診察室の電源
（例：蛍光灯）によるもの、すべての電気的回路に固有
のノイズなども含まれる。
て述べられているように、ＥＣＧ波形の変化を人間の目
で見分けるのは困難な場合もある。さらに、適切な診断
を下すためには不可欠な信号を変化させるノイズの原因
となり得るものも多くある。このようなノイズ源には、
被検者の動きによって生じる信号のアーチファクトの
他、心臓機能には関係がない電気的放電や診察室の電源
（例：蛍光灯）によるもの、すべての電気的回路に固有
のノイズなども含まれる。
【０００６】ＥＣＧにおけるノイズの原因となるアーチ
ファクトが生じると、心臓病専門医は正確に査読を行う
ことができず、致命的な状態の誤診にもつながる。本発
明はこのような問題を解決すべく開発されたものであ
る。
ファクトが生じると、心臓病専門医は正確に査読を行う
ことができず、致命的な状態の誤診にもつながる。本発
明はこのような問題を解決すべく開発されたものであ
る。
【０００７】本発明の目的は、反復性の合成波形を有す
る信号からアーチファクトやその他のノイズを除去また
は実質的に減らすためのシステムを提供することにあ
る。
る信号からアーチファクトやその他のノイズを除去また
は実質的に減らすためのシステムを提供することにあ
る。
【０００８】本発明の他の目的は、合成波形を乱すこと
なく反復性信号のノイズを減らすための装置を提供する
ことにある。
なく反復性信号のノイズを減らすための装置を提供する
ことにある。
【０００９】本発明のさらに他の目的は、ＥＣＧ信号か
らノイズおよび他のアーチファクトを除去するための方
法を提供することにある。
らノイズおよび他のアーチファクトを除去するための方
法を提供することにある。
【００１０】本発明の他の目的は、異なる時刻に抽出し
た２つ以上の合成波形を組み合わせることにより、合成
波形から非反復性ノイズおよびアーチファクトを分離す
るためのシステムを提供することにある。
た２つ以上の合成波形を組み合わせることにより、合成
波形から非反復性ノイズおよびアーチファクトを分離す
るためのシステムを提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的お
よび他の目的は、入力されるＥＣＧ信号を受信して最低
２つの信号に分岐する特に図示する回路によって実現で
きる。一方の信号は合成波形周期の整数倍に等しい時間
だけ遅延されている。
よび他の目的は、入力されるＥＣＧ信号を受信して最低
２つの信号に分岐する特に図示する回路によって実現で
きる。一方の信号は合成波形周期の整数倍に等しい時間
だけ遅延されている。
【００１２】位相検出器は、位相を維持するとともに信
号からノイズを分離する機能も有する。結合した入力信
号から分離後のノイズを減算し、アーチファクトが存在
しない出力を得る。
号からノイズを分離する機能も有する。結合した入力信
号から分離後のノイズを減算し、アーチファクトが存在
しない出力を得る。
【００１３】本発明の第２の態様によれば、時間的な遅
延は行わず、リアルタイム信号と同期させたＥＣＧ信号
をメモリから取り出してノイズを分離し、リアルタイム
信号の位相を検出する。さらに、リアルタイム信号およ
び記憶してある信号から分離したノイズを減算する。
延は行わず、リアルタイム信号と同期させたＥＣＧ信号
をメモリから取り出してノイズを分離し、リアルタイム
信号の位相を検出する。さらに、リアルタイム信号およ
び記憶してある信号から分離したノイズを減算する。
【００１４】
【実施例】本発明の基本的な態様を概略的にみると、ノ
イズやアーチファクトは本質的に所望の原波形とは異な
る周期で繰返すかまたは繰返しが見られないということ
を利用して、反復性の合成波形からノイズおよびアーチ
ファクトを除去する。反復性合成波形は、非反復性波形
の信号区分（ノイズおよびアーチファクト）を分離する
ようにフェーズロックされている。分離したアーチファ
クトを以下において詳述する結合合成波形から除去し、
ほとんどアーチファクトが含まれないＥＣＧ信号を得
る。
イズやアーチファクトは本質的に所望の原波形とは異な
る周期で繰返すかまたは繰返しが見られないということ
を利用して、反復性の合成波形からノイズおよびアーチ
ファクトを除去する。反復性合成波形は、非反復性波形
の信号区分（ノイズおよびアーチファクト）を分離する
ようにフェーズロックされている。分離したアーチファ
クトを以下において詳述する結合合成波形から除去し、
ほとんどアーチファクトが含まれないＥＣＧ信号を得
る。
【００１５】以上のことを考慮に入れ、図１において代
表的な心電図すなわちＥＣＧ信号を詳細に示す。図にお
いて、一心拍動作に対応する信号部分のみについて示し
てあるが、本発明による信号処理の対象となる反復性合
成波形を表すものとする。図１において示されるよう
に、ＥＣＧを概念的に区切って特性区分のシーケンスと
し、各区分の和が図１に示す合成波形となる。上述した
ように、医療上適切な診断を下すためには、このような
特性区分のわずかな変化も鮮明に示す画像が必要とされ
る。心臓病専門医にとっては個々の区分が最も重要であ
るが、本発明は各区分ではなく合成波形全体を扱うもの
である。
表的な心電図すなわちＥＣＧ信号を詳細に示す。図にお
いて、一心拍動作に対応する信号部分のみについて示し
てあるが、本発明による信号処理の対象となる反復性合
成波形を表すものとする。図１において示されるよう
に、ＥＣＧを概念的に区切って特性区分のシーケンスと
し、各区分の和が図１に示す合成波形となる。上述した
ように、医療上適切な診断を下すためには、このような
特性区分のわずかな変化も鮮明に示す画像が必要とされ
る。心臓病専門医にとっては個々の区分が最も重要であ
るが、本発明は各区分ではなく合成波形全体を扱うもの
である。
【００１６】図２において、本発明を動作可能にするシ
ステムの概略ブロック図を示す。図２を参照すると、Ｅ
ＣＧ入力信号は、心拍センサまたは類似の装置（図示せ
ず）によって検出され、ノード１０への入力となる。こ
の入力信号を２つの別々の信号に分岐し、検出したＥＣ
Ｇについての２つのリアルタイムキャリアを得る。第１
の遅延回路２０はＥＣＧのリアルタイム信号を一心拍分
に相当する時間、すなわち図１に示す合成波形の一周期
分だけ遅延させられる。本実施例では一周期分の遅延と
しているが、これに限定されるものではない。事実、回
路２０による遅延をこの周期の整数倍に等しくなるよう
にすることも可能であるが、いずれの場合も遅延した信
号に信号の遅延していない部分と同相になるように時間
的な遅延を行う必要がある。これについては、以下にお
いて詳述する。回路２０によって生じた信号は、ノード
３０において２つに分岐される。図２の（Ａ）で示す点
において抽出した信号の波形を図４ａに示す。
ステムの概略ブロック図を示す。図２を参照すると、Ｅ
ＣＧ入力信号は、心拍センサまたは類似の装置（図示せ
ず）によって検出され、ノード１０への入力となる。こ
の入力信号を２つの別々の信号に分岐し、検出したＥＣ
Ｇについての２つのリアルタイムキャリアを得る。第１
の遅延回路２０はＥＣＧのリアルタイム信号を一心拍分
に相当する時間、すなわち図１に示す合成波形の一周期
分だけ遅延させられる。本実施例では一周期分の遅延と
しているが、これに限定されるものではない。事実、回
路２０による遅延をこの周期の整数倍に等しくなるよう
にすることも可能であるが、いずれの場合も遅延した信
号に信号の遅延していない部分と同相になるように時間
的な遅延を行う必要がある。これについては、以下にお
いて詳述する。回路２０によって生じた信号は、ノード
３０において２つに分岐される。図２の（Ａ）で示す点
において抽出した信号の波形を図４ａに示す。
【００１７】ＥＣＧのリアルタイム信号は、図２に示す
ノード３５においてさらに分岐される。２つに分岐した
信号は、それぞれ位相検出器４０および加算ノード６５
に送られる。図２の（Ｂ）で示す点において抽出したリ
アルタイム信号の波形を図４ｂに示すが、このようなリ
アルタイム信号は検出器４０において遅延された信号と
結合され、ノード５０への出力（Ｃ）となる。ここでは
リアルタイム信号を用いたが、これは単に図示だけのた
めのものであり、システムでは検出器４０に信号を送る
ノード３０および３５からの２つの信号が適切な動作の
ために時間的に変位していて同相になっていればよい。
ノード３５においてさらに分岐される。２つに分岐した
信号は、それぞれ位相検出器４０および加算ノード６５
に送られる。図２の（Ｂ）で示す点において抽出したリ
アルタイム信号の波形を図４ｂに示すが、このようなリ
アルタイム信号は検出器４０において遅延された信号と
結合され、ノード５０への出力（Ｃ）となる。ここでは
リアルタイム信号を用いたが、これは単に図示だけのた
めのものであり、システムでは検出器４０に信号を送る
ノード３０および３５からの２つの信号が適切な動作の
ために時間的に変位していて同相になっていればよい。
【００１８】位相検出器４０の同相動作が行われている
間、ノード５０からの出力には、位相検出器に与えられ
る２つの入力から取り出したアーチファクトのみが含ま
れる。これらのアーチファクトは主に高周波数信号であ
り、高域通過フィルタ６０を通過する。フィルタ６０の
通過帯域は、処理すべきアーチファクトに応じて調節す
ることが可能である。フィルタ６０からの出力は、数学
的増幅器７０の負の端子に入力される。
間、ノード５０からの出力には、位相検出器に与えられ
る２つの入力から取り出したアーチファクトのみが含ま
れる。これらのアーチファクトは主に高周波数信号であ
り、高域通過フィルタ６０を通過する。フィルタ６０の
通過帯域は、処理すべきアーチファクトに応じて調節す
ることが可能である。フィルタ６０からの出力は、数学
的増幅器７０の負の端子に入力される。
【００１９】ノード３５から分岐するリアルタイム信号
とノード３０から分岐する遅延信号とを加算ノード６５
で加算する。これにより、数学的増幅器７０の正の端子
への入力を得る。数学的増幅器の正の端子への入力の
（Ｄ）で示す点において抽出した波形を図４ｄに示す。
これは図４ａおよびｂに示す波形を合成したものとな
る。数学的増幅器７０からの出力は、アーチファクトを
含まないＥＣＧ波形となっている。この出力を増幅器７
５において緩衝し、ディスプレイ９０において表示する
ための最終的なＥＣＧの鮮明画像とする。
とノード３０から分岐する遅延信号とを加算ノード６５
で加算する。これにより、数学的増幅器７０の正の端子
への入力を得る。数学的増幅器の正の端子への入力の
（Ｄ）で示す点において抽出した波形を図４ｄに示す。
これは図４ａおよびｂに示す波形を合成したものとな
る。数学的増幅器７０からの出力は、アーチファクトを
含まないＥＣＧ波形となっている。この出力を増幅器７
５において緩衝し、ディスプレイ９０において表示する
ための最終的なＥＣＧの鮮明画像とする。
【００２０】上述の説明は同相動作を仮定しているが、
このような同相動作は以下のようにして達成される。ノ
ード５０は、検出器４０の出力を低域通過フィルタまで
送るためのものである。この信号は、さらに電圧制御発
振器８５に送られる。同相動作がなされている間、信号
（Ｃ）には高周波ノイズのみが含まれるが、このノイズ
は低域通過フィルタ８０を通すことによって除去でき
る。遅延した信号および遅延を行っていない信号によっ
て位相がドリフトアウトされた場合、位相検出器４０は
低周波数成分を持つ出力を発生し、位相状態がよくない
ことが示される。この成分はフィルタ８０を通過して電
圧制御発振器（ＶＣＯ）８５を起動し、さらに遅延回路
２０への補正拍動周波数を発生する。この際、それぞれ
の信号の位相を回復する。また、ＶＣＯは心拍周波数の
数倍のタイミングで定義されており、シリアルカウンタ
（分周器）８８および８９によって処理され、ディスプ
レイ９１に表示する心拍数を示す信号を出力する。
このような同相動作は以下のようにして達成される。ノ
ード５０は、検出器４０の出力を低域通過フィルタまで
送るためのものである。この信号は、さらに電圧制御発
振器８５に送られる。同相動作がなされている間、信号
（Ｃ）には高周波ノイズのみが含まれるが、このノイズ
は低域通過フィルタ８０を通すことによって除去でき
る。遅延した信号および遅延を行っていない信号によっ
て位相がドリフトアウトされた場合、位相検出器４０は
低周波数成分を持つ出力を発生し、位相状態がよくない
ことが示される。この成分はフィルタ８０を通過して電
圧制御発振器（ＶＣＯ）８５を起動し、さらに遅延回路
２０への補正拍動周波数を発生する。この際、それぞれ
の信号の位相を回復する。また、ＶＣＯは心拍周波数の
数倍のタイミングで定義されており、シリアルカウンタ
（分周器）８８および８９によって処理され、ディスプ
レイ９１に表示する心拍数を示す信号を出力する。
【００２１】本発明による第２の実施例では、ＥＣＧ波
形を遅延させる代わりにＥＣＧ波形を記憶する。より詳
細に言えば、図３において、アナログ遅延回路の代わり
に、システムには個々の被検者についてのＥＣＧ波形を
記憶するメモリ１１１が用いられている。メモリ１１１
からの出力は、測定した最新のＥＣＧ波形と同相で、記
憶されているＥＣＧ合成信号の繰り返しである連続した
信号である。同相動作は、検出器１４０によって位相の
相違を検出した後、メモリ１１１の出力を制御するよう
に動作するＶＣＯ１８５によって維持される。記憶され
たＥＣＧ信号は受信したＥＣＧ信号と同相であり、信号
処理は上述したように行われる。
形を遅延させる代わりにＥＣＧ波形を記憶する。より詳
細に言えば、図３において、アナログ遅延回路の代わり
に、システムには個々の被検者についてのＥＣＧ波形を
記憶するメモリ１１１が用いられている。メモリ１１１
からの出力は、測定した最新のＥＣＧ波形と同相で、記
憶されているＥＣＧ合成信号の繰り返しである連続した
信号である。同相動作は、検出器１４０によって位相の
相違を検出した後、メモリ１１１の出力を制御するよう
に動作するＶＣＯ１８５によって維持される。記憶され
たＥＣＧ信号は受信したＥＣＧ信号と同相であり、信号
処理は上述したように行われる。
【００２２】本発明は、従来のセンサおよび信号処理装
置を用いて動作させることができる。例えば、図４を参
照すると、遅延した信号４ａにはＥＣＧの特性波形の他
にアーチファクト１００および１１０が含まれている。
２つ目のＥＣＧリアルタイム信号にも同じ特性波形が含
まれるが、アーチファクトは１２０のようになってい
る。これらの２つの波形を検出器１４０において同相状
態で結合すると、特性波形を消去することができ、図４
ｃに示すようなアーチファクト１００、１１０、および
１２０のみが残る。
置を用いて動作させることができる。例えば、図４を参
照すると、遅延した信号４ａにはＥＣＧの特性波形の他
にアーチファクト１００および１１０が含まれている。
２つ目のＥＣＧリアルタイム信号にも同じ特性波形が含
まれるが、アーチファクトは１２０のようになってい
る。これらの２つの波形を検出器１４０において同相状
態で結合すると、特性波形を消去することができ、図４
ｃに示すようなアーチファクト１００、１１０、および
１２０のみが残る。
【００２３】これと同時に、すべてのアーチファクトを
含む遅延した信号および遅延していない信号を加算ノー
ド１６５において加算し、図４ｄに示すようなアーチフ
ァクトを含む拡張増幅信号を得る。このアーチファクト
は図４ｃに示す信号を図４ｄに示す信号と結合させるこ
とによって消去することができ、その結果として図４ｅ
に示すようなアーチファクトを含まないＥＣＧを数学的
増幅器１７０への出力として得る。
含む遅延した信号および遅延していない信号を加算ノー
ド１６５において加算し、図４ｄに示すようなアーチフ
ァクトを含む拡張増幅信号を得る。このアーチファクト
は図４ｃに示す信号を図４ｄに示す信号と結合させるこ
とによって消去することができ、その結果として図４ｅ
に示すようなアーチファクトを含まないＥＣＧを数学的
増幅器１７０への出力として得る。
【００２４】上述した構成は本発明の原理を示すための
ものにすぎず、本発明の趣旨および範囲を逸脱すること
なく多くの修正および変更が当業者によって可能である
ということは容易に理解できよう。
ものにすぎず、本発明の趣旨および範囲を逸脱すること
なく多くの修正および変更が当業者によって可能である
ということは容易に理解できよう。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反復性の合成波形を有する信号から、合成波形を乱すこ
となく反復性信号のノイズおよびアーチファクトを除去
することができるという効果がある。
反復性の合成波形を有する信号から、合成波形を乱すこ
となく反復性信号のノイズおよびアーチファクトを除去
することができるという効果がある。
【図１】リアルタイムＥＣＧ信号を示す図である。
【図２】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図３】本発明の第２の実施例を示すブロック図であ
る。
る。
【図４】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）、および
（ｅ）は、図２に示すシステムの（Ａ）、（Ｂ）、
（Ｃ）、（Ｄ）、（Ｅ）において抽出したＥＣＧ信号波
形を示す図である。
（ｅ）は、図２に示すシステムの（Ａ）、（Ｂ）、
（Ｃ）、（Ｄ）、（Ｅ）において抽出したＥＣＧ信号波
形を示す図である。
１０ ノード ２０ アナログ遅延回路 ３０、３５ ノード ４０ 位相検出器 ５０ ノード ６０ 高域通過フィルタ ６５ 加算ノード ７０ 増幅器 ７５ バッファ ８０ 低域通過フィルタ ８５ 電圧制御発振器 ８８、８９ 分周器（カウンタ） ９０、９１ ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハワード ティー．ベリン アメリカ合衆国，ニューヨーク 10017, ニューヨーク，イースト フォーティーセ ブンス ストリート 240 (72)発明者 ロバート ピー．ディングウォール アメリカ合衆国，ニューヨーク 12514, クリントン コーナーズ，ウィロウブルッ ク ロード 469エイ
Claims (12)
- 【請求項１】 反復性の合成波形からアーチファクトを
除去するためのシステムであって、前記合成波形を含む
電気信号を受信し、該電気信号を複数の信号に分ける信
号入力・分岐手段と；前記複数の信号のうち最低１つを
遅延させるための手段であって、遅延した信号が前記合
成波形の整数倍と実質的に等しくなるように遅延させる
ための信号遅延手段と；前記遅延した信号および第２の
信号からアーチファクトを含む成分を分離するアーチフ
ァクト分離手段であって、前記第２の信号が前記遅延し
た信号から時間的に変位したものとなるアーチファクト
分離手段と；前記遅延した信号を前記第２の信号のうち
の最低１つと加算することによって形成される合成信号
から、前記分離したアーチファクトを含む成分を減算
し、これによって実質的にアーチファクトを含まない信
号を得るためのアーチファクト除去手段と；前記アーチ
ファクトを含まない信号を出力装置に転送するための出
力手段と；を備えることを特徴とするアーチファクト除
去システム。 - 【請求項２】 前記信号遅延手段が、電圧制御発振器に
よってフィードバック制御されるアナログ遅延回路であ
る請求項１記載のアーチファクト除去システム。 - 【請求項３】 前記電圧制御発振器は位相検出回路から
の信号を受信する請求項２記載のアーチファクト除去シ
ステム。 - 【請求項４】 前記位相検出回路が、低域通過フィルタ
手段を有し、前記第２の信号の位相がずれた際に位相制
御出力を発生する請求項３記載のアーチファクト除去シ
ステム。 - 【請求項５】 前記アーチファクト分離手段が、高域通
過フィルタ手段に接続された位相検出回路を有する請求
項１記載のアーチファクト除去システム。 - 【請求項６】 合成波形周波数検出手段および出力手段
を有する請求項１記載のアーチファクト除去システム。 - 【請求項７】 心電図（ＥＣＧ）からアーチファクトを
除去するための方法であって、 ＥＣＧ入力を受信して最低２つの信号に分岐するステッ
プと；前記信号のうちの最低１つを、一心拍に対応する
時間と実質的に等しい長さだけ遅延するステップと；前
記遅延した信号および前記遅延した信号から時間的に変
位した第２の信号から前記アーチファクトを分離するス
テップと；前記アーチファクトを分離する対象となる前
記信号を結合するステップと；前記結合した信号から前
記分離したアーチファクトを減算するステップと；前記
ＥＣＧに対応しているが、実質的にアーチファクトを含
まない信号を出力するステップと；を含むアーチファク
ト除去方法。 - 【請求項８】 前記遅延するステップが、前記遅延した
信号と前記第２の信号との間の位相を維持する手段を有
する請求項７記載のアーチファクト除去方法。 - 【請求項９】 心拍周波数を表す信号を出力するステッ
プを含む請求項８記載のアーチファクト除去方法。 - 【請求項１０】 被検者のＥＣＧを表す信号を受信する
手段と；前記受信した信号の一心拍を表す部分を記憶す
る手段と；リアルタイムＥＣＧ信号および前記記憶した
ＥＣＧ信号からアーチファクトを分離する手段と；前記
リアルタイムＥＣＧ信号と前記記憶したＥＣＧ信号との
間の位相を維持する手段と；前記リアルタイムＥＣＧ信
号と前記記憶したＥＣＧ信号とを結合する加算手段と；
前記分離したアーチファクトを前記結合した信号から除
去する減算手段と；実質的にアーチファクトを含まない
ＥＣＧ信号を出力する出力手段と；を有する心電図用信
号処理装置。 - 【請求項１１】 前記リアルタイムＥＣＧ信号から心拍
数を判定するための周波数検出手段を有する請求項１０
記載の心電図用信号処理装置。 - 【請求項１２】 前記位相維持手段が、位相検出手段
と、低域通過フィルタ手段と、前記記憶手段に接続さ
れ、前記記憶手段の出力を制御する電圧制御発振器と、
を有する請求項１０記載の心電図用信号処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4107832A JPH05300889A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アーチファクト除去システム、アーチファクト除去方法およびこれらを用いた心電図用信号処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4107832A JPH05300889A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アーチファクト除去システム、アーチファクト除去方法およびこれらを用いた心電図用信号処理装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05300889A true JPH05300889A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=14469173
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4107832A Withdrawn JPH05300889A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アーチファクト除去システム、アーチファクト除去方法およびこれらを用いた心電図用信号処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05300889A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016083367A (ja) * | 2014-10-28 | 2016-05-19 | サルーステック株式会社 | 検体情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
| US10631832B2 (en) | 2015-09-09 | 2020-04-28 | Seiko Epson Corporation | Ultrasonic module, ultrasonic apparatus, and method of controlling ultrasonic module |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP4107832A patent/JPH05300889A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016083367A (ja) * | 2014-10-28 | 2016-05-19 | サルーステック株式会社 | 検体情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
| US10631832B2 (en) | 2015-09-09 | 2020-04-28 | Seiko Epson Corporation | Ultrasonic module, ultrasonic apparatus, and method of controlling ultrasonic module |
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