JPH05281336A - 複数チャンネル・システムの校正 - Google Patents

複数チャンネル・システムの校正

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JPH05281336A
JPH05281336A JP4025602A JP2560292A JPH05281336A JP H05281336 A JPH05281336 A JP H05281336A JP 4025602 A JP4025602 A JP 4025602A JP 2560292 A JP2560292 A JP 2560292A JP H05281336 A JPH05281336 A JP H05281336A
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signal
phase
channel
calibration
phase shift
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R Lopez Alfred
アール ロペツ アルフレッド
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の信号搬送チャンネルを有するシステム
を校正する装置と方法を提供することである。 【構成】 複数のチャンネル信号の搬送システムの各チ
ャンネルから信号サンプルを取り出す手段、およびこれ
らの信号サンプルを合計して基準信号を発生するステッ
プを有する装置を有し、これらのチャンネルの各1個が
同時に選択され基準信号に対する校正が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査アレイ・アンテナ
のような複数の信号搬送チャンネルを有するシステムに
関し、更に詳しくは、このシステムの校正部品の障害を
テストし、かつ合焦ビームを形成するために走査を行う
前にアレイ・アンテナの始動位相を測定して調整する方
法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のチャンネル・システムは、並列に
並べた多数の信号搬送チャンネルによってしばしば構成
される。このようなシステムの例は電気通信で見られる
ものであり、これには異なったメッセージを並列するチ
ャンネルに沿って送信する遠隔送信装置、ラウドネス特
性を補正するために信号を別個のスペクトルの通過帯域
に分割する場合の音の増幅および記録装置、および放射
した信号電波をある方向に導くために複数のチャンネル
によって種々の時間遅れおよび(または)位相シフトが
行われる場合のアレイ・アンテナが含まれる。
【0003】上述した複数チャンネルのシステムのいず
れの場合にも、このシステムの最適の動作は、それぞれ
のチャンネルの設計特性が保持されている場合に得るこ
とができる。このような特性には、これらのチャンネル
を通って伝わる信号のための予め設定した時間遅れ、予
め設定した位相シフト、および予め設定した増幅因子が
含まれる。最適の動作を行うため、校正プロセスと装置
を使用する。
【0004】非常に関心のある1つの分野には、空港の
滑走路に着陸する航空機を誘導するために使用するマイ
クロウェーブ着陸システム(MLS)がある。グライド
・スロープ信号電波または計器着陸支援方式用の信号電
波を形成するためのMLSでは、アレイ・アンテナを使
用するのが有利である。信号電波の方向とパターンは、
それぞれのラジエータに結合された個々の信号搬送チャ
ンネルのアレイのこれらのラジエータに加えられる位相
シフト(および恐らくは振幅のシェーデング因子)によ
って決まる。MLS位相の校正を行ってMLSアレイの
各チャンネルの挿入位相を測定する。構成情報を使用し
てアレイ内の各要素の始動位相を調整し、製造過程、許
容誤差および構成部品の枯化に起因する挿入位相のエラ
ーを補償する。MLSの位相の校正を適切に行う結果、
副ローブが低い十分合焦した信号電波が得られ、枯化の
影響を補正するためにこの校正を周期的に実行しなけれ
ばならない。熱膨張によってシステムのチャンネル内で
誘起される全ての差動的な位相シフトを補正するため、
このような校正を自動的かつ十分短い間隔で行うことが
有利であるが、このような膨張は、例えば、空港の滑走
路に設置され直接太陽光線の照射されるフェーズド・ア
レイ・アンテナに発生するものである。信号電波が適性
に形成され、航空機が安全に着陸するために正しい方向
に発射されていることを補償するため、アレイ・アンテ
ナの校正は重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したシステムの校
正では、非常に複雑な装置と時間のかかるプロセスを必
要とする点で問題が生ずる。例えば、フェーズド・アレ
イ・アンテナの場合、このようなプロセスは、テスト用
の信号を注入し、これに続いてコンピュータで複雑なア
ルゴリズムを使用して同相の成分および直交成分を測定
する。この問題は、部分的には、アレイ内の全ての他の
チャンネルによって「妨害される」こと無く1つのチャ
ンネルを測定することの困難さに起因している。複数の
信号搬送チャンネルを有するシステムを自動的に校正す
ることによってこの問題を解決する試みは、1985年
5月28日にR.F.フレージアの名前で付与されたヘ
ーゼルタイン社、すなわち本出願の譲受人に譲渡された
米国特許第4,520,361号に開示されている。フレー
ジアの特許の場合、導波管用のマニホールドを使用して
アレイ・アンテナの複数のラジエータの各々からマイク
ロウェーブ信号のサンプルを取出し、これらのサンプル
を基準信号と比較する。連続的にインクリメントした位
相シフトをテスト中のチャンネルと基準信号との間に導
き、これらの2つの信号の間でその結果得られる周波数
のシフトによって一方の信号を他方の信号に対してセロ
ダイン処理する。これらの2つの信号をミックスする
と、うなり周波信号が得られ、ここで位相シフトは挿入
位相シフトおよび遅延のような成分のパラメータによっ
て決まる。セロダイン処理で使用する位相シフトパター
ンに対するこのうなり周波信号の遅延を測定することに
より、補償位相シフトの正しい値が求められ、テスト中
のチャンネルの位相シフトのプリセット値として挿入さ
れる。この手順は各チャンネルに対して繰り返され、そ
の結果、差動的位相シフトを最小にして放射された送信
信号電波の形成を改善することができる。フレージアの
特許のシステムは適切に機能するが、このフレージアの
特許のシステムでは、別の信号チャンネルによって基準
信号が作られ、この基準信号自身が他のチャンネルの校
正する場合エラーを発生するため、上述した問題を完全
には解決していない。
【0006】従って、本発明の目的は、複数の信号搬送
チャンネルを有するシステムを校正する新規で改良され
た装置と方法を提供することである。本発明は、種々の
種類のシステムを校正する場合に理想的に適用すること
のできるものであるが、本発明はマイクロウェーブ着陸
システム(MLS)で使用する種類のフェーズド・アレ
イ・アンテナで使用する校正装置の場合について説明す
る。本発明の構成で使用する部品の物理的な構造は、ア
ンテナ自身の構造の複雑性の増加を最小にしてフェーズ
ド・アレイ・アンテナに結合することが可能なものであ
る。また、本発明の電子回路は、MLSを動作させる回
路と組み合わせて容易に動作するものである。
【0007】アンテナの個々のラジエータは、別個の信
号搬送チャンネルによって付勢され、これらのチャンネ
ルの各々は位相シフタを有し、これらの位相シフタは今
度は電力分周器を介して共通送信機に接続される。位相
シフタは信号電波誘導装置によって供給される命令信号
によって個別に動作され、ここで個々の位相シフトはこ
れらの信号に加えられ、これらの信号は個々のラジェー
タを付勢し、ラジェータのアレイによって供給され、そ
の結果得られる放射された信号電波を整形してその方向
を定める。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
チャンネル信号の搬送システムの各チャンネルから信号
サンプルを取出す手段、およびこれらの信号サンプルを
合計して基準信号を発生するステップを有する装置が提
供される。これらのチャンネルの各1個が同時に選択さ
れ、基準信号に対する校正が行われ、この基準信号は全
ての他のチャンネルの信号を複合したものである。選択
したチャンネルでは位相シフタが動作してインクリメン
トした位相シフトを連続的に与える。この連続的にイン
クリメントした位相シフトの結果、選択したチャネル信
号と基準信号の間で周波数のオフセットが行われる。位
相のインクリメントによるこのような周波数のオフセッ
トは「セロダイン処理」と呼ぶ。位相は、セロダイン位
相パターンと呼ぶ予め設定された位相シフトのパターン
に従ってインクリメントされる。
【0009】本発明の他の特徴によれば、それぞれのチ
ャンネルからの信号サンプルの取り出しはMLSアレイ
・アンテナの各ラジエータに接続された導波管マニホー
ルドを使用することによって行われる。このマニホール
ドの出力ポートは、基準信号と選択したチャンネルのセ
ロダイン信号によって構成される複合信号を搬送する。
この複合信号の2つの成分がダイオード・ブリッジ回路
のような非直線電気回路に加えられ、セロダイン信号と
基準信号との混合を行う。セロダイン処理された信号は
基準信号の周波数からオフセットされた信号を有してい
るので、これらの2つの信号を混合することにより、う
なり周波信号が発生される。本発明の好適な実施例で使
用している信号周波数の例によれば、うなり周波信号は
7.8125KHz(キロヘルツ)であり、一方基準信号
の周波数は約5GHz(ギガヘルツ)であり約2.25イ
ンチの波長を有している。
【0010】本発明は、選択したチャンネルの信号に与
えられた位相シフトを位相のインクリメントのテスト・
パターンと同期させる。位相のインクリメントのパター
ンは、選択したチャンネルの位相シフタに加えられる命
令信号によって与えられる。うなり信号の場合、ゼロク
ロスはセロダイン位相パターンと同期される。うなり信
号のゼロクロスの時刻を測定することにより、挿入位相
シフトの値と、システムの構成部品の熱膨張の結果生じ
る遅延を含むこのシステムの校正部品内の信号遅延の結
果生じるシフトを判定する。うなり信号内の測定された
位相シフトを補償するため位相シフトの固定値を次に選
択したチャンネルの位相シフタに加え、これによって選
択したチャンネルを校正する。全ての信号チャンネルを
校正する迄、この手順は次に第2、第3およびその他の
信号チャンネルに対して反復される。
【0011】本発明の好適な実施例の各チャンネルで使
用されている位相シフタはディジタルシフタであり、こ
こで位相の変更は固定した最小位相インクリメントの倍
数としてのみ行うことができる。基準信号は、同じ周波
数を有する多くの信号の合計であるが種々の方向を向い
たベクトルによって表されるものと考えることができ、
このベクトルの方向は個々の信号の位相である。全ての
位相はモジュロ360°で測定される。後続の信号チャ
ンネルをそれぞれ校正する校正プロセスをそれぞれ反復
すると、基準信号は変化する。この変化は、成分である
信号ベクトルの1つを取り除き、他の信号ベクトルの位
相を変更することによって発生するものである。信号ベ
クトルの除去は選択したチャンネルの信号周波数をシフ
トすることによって行われるが、その理由は、周波数が
等しいチャンネルの信号のみが協働して基準信号を発生
するように、システムの応答時間が設定されているから
である。前に選択したチャンネルの位相シフタが位相シ
フトの固定した補償値によってプリセットされる毎に、
信号ベクトルの位相角の変更が行われる。その結果、全
てのチャンネルの校正作業の間、基準信号が変化するこ
とは明らかである。従って、これらのチャンネルが正し
く校正されていることを保証するためには、校正作業を
1回以上反復する必要がある。
【0012】本発明の重要な特徴は、基準信号の変更、
および位相シフトの量子化された値の実行を校正プロセ
スの安定性を保証するような方法で行わなければならな
いことを認識していることである。連続して行われる校
正作業の間、補償位相シフト値を一定の補償値に集中さ
せることにより、安定性を達成することができる。不安
定性は、校正値が連続的に行われる校正作業に対して1
組の固定された所望の値を取らないことによって表され
る。混合動作で、帯域フイルタを使用してうなり周波信
号を取り出すことによって校正プロセスに遅延が生じる
と考えられ、この遅延はシステムの不安定性の原因であ
る。フイルタの遅延は、安定化手順によって補償され
る。この安定化手順では、うなり信号のゼロクロスを測
定する時間上の基準点を測定し、フイルタの遅延と近似
する値の範囲でこの基準点を前進または後退させる。校
正のシーケンスが安定している場合には、連続する校正
作業の間でフェーサの設定値の変化がゼロになる。フイ
ルタの遅延を補償すると、安定したシーケンスが得ら
れ、これは校正プロセスの安定した動作を示す。
【0013】他の目的と共に本発明を更によく理解する
ため、添付図と組み合わせて以下の説明を参照するが、
本発明の範囲は上記の特許請求の範囲で示されるものと
する。
【0014】
【実施例】図1は、マイクロウェーブ着陸システム(M
LS)20の一部を示し、このシステムは、フェーズド
・アレイ・アンテナ22とアンテナ22の個々のラジェ
ータ26に信号を供給する1組の信号搬送チャンネル2
4によって構成される。アンテナ22は多数のラジェー
タ26によって構成することができるが、図を簡単にす
るため、図1では3個のラジェータのみを示す。これら
のラジェータ26の各々は溝の付いた導波管であり、典
型的な溝28をラジェータ26の1つの切断部に示す。
これらの組のラジェータ26は、対応するチャンネル2
4からのそれぞれの信号によって付勢されると、航空機
(図示せず)を誘導するのに適した信号電波30を発生
する。
【0015】チャンネル24には、発生器32によって
供給され、電力分周器34を介してこれらのチャンネル
24の入力端子に接続される信号が供給される。チャン
ネル24の出力端子は、同軸ケーブル36を介してそれ
ぞれのラジェータに接続される。チャンネル24の各々
は、リード線44によって供給される信号電波誘導装置
46からの信号によって制御される位相シフト回路38
によって構成される。
【0016】図1のブロック図に示す信号電波誘導装置
46は従来の設計のものであり、読取り専用メモリ(R
OM)48とアドレス発生器50を有し、このアドレス
発生器50はROM48をアドレスして線44に適当な
組のインクリメント命令信号を発生し、信号電波30を
特定の位置に位置決めすると共にこの信号電波の走査を
行う。システム20には、プリセット発生器52を有す
る中央処理装置(CPU)が含まれ、このプリセット発
生器52はデータ・バス54を介してプリセット信号を
各チャンネル24内の位相シフト回路38に出力する。
信号電波30の最初の特定の方向は、バス54を介して
位相シフタに供給されるプリセット命令信号によって設
定する。これと共に、線44の命令信号とバス54のプ
リセット信号がチャンネル24内の位相シフト回路38
を制御し、選択された位相シフトをソース32からこれ
らの信号に付与し、これによって特定の方向に信号電波
30を位置決めすると共に固定した時間シーケンスとパ
ターンでこの信号電波を走査する。もし希望すれば、チ
ャンネル24は、増幅器および利得制御回路のような回
路(図示せず)を有し、ケーブル36を介して個々のラ
ジェータ26に供給される信号に対して振幅のシェーデ
ィングを行い、信号電波30のパターンを更に限定して
もよい。
【0017】本発明によれば、システム20は更に導波
管マニホールド56によって構成され、この導波管マニ
ホールド56は、各々のラジエータ26に結合されてそ
れぞれのチャンネル24の出力信号のサンプルを取出
す。これらの出力サンプルはリード線58に現れる。マ
ニホールド56は、それぞれのラジエータ26の溝28
を有する前面と反対側の裏面に接続される。ラジエータ
26に対するマニホールド56の接続はアパチャ60に
よって行われ、このようなアパチャ60の1つをマニホ
ールド56の切断部分に示す。マニホールド56の適当
な構造は、「共振導波管アパチャ・マニホールド」に対
してアルフレッドR.ロペツの名前で付与された米国特
許番号第4,554,550 および「非対称共振導波管アパチャ
・マニホールド」に対するリチャードF.フレージアの
米国特許出願番号第497,350号に開示され、これら
はいずれもヘーゼルタイン社すなわち本願の譲受人に譲
渡され、これらの開示は参考としてここに含まれてい
る。アパチャー60によってリード線58のマニホール
ドの出力に接続される電力の量は、それぞれのラジエー
タ26によって転送される電力の小部分であり、30d
B未満であるが、これは、アンテナ22からの電磁エネ
ルギーの放射の影響を最小限に止どめるためである。
【0018】本発明は更に非直線装置62を有し、この
装置はマニホールド56からリード線58に出力される
周波数の異なった信号成分用のミキサーとして機能す
る。また本発明は、帯域フィルタ64、信号処理装置6
6、およびアドレス発生器68を有し、このアドレス発
生器68によってROM48にテスト機能用のアドレス
が供給される。クロック72によって、両方のアドレス
発生器50および68とCPUが駆動される。ミキサー
62が動作する結果、うなり周波信号が発生され、この
信号は、リード線58の2つの信号成分、すなわち、以
下で説明するように、基準周波数信号とオフセットされ
たテスト周波数信号の間の周波数の差に等しい。このう
なり周波信号は、帯域フィルタ64によってミキサーの
出力の残りの部分から分離される。
【0019】フィルタ64は、リード線72を介して信
号処理装置66にうなり周波信号を供給する。引き続い
て更に詳細に説明するように、発生器68はROM48
をアドレスしてそれぞれの位相シフト回路38をセロダ
イン処理するための位相シフト命令の所定のパターンを
発生し、その結果、フィルタ64の出力にうなり周波信
号が現れる。セロダイン処理で使用する基準位相命令パ
ターンの開始を示す時間基準信号は、CPUによってリ
ード線74を介して信号処理装置66に供給される。リ
ード線72のうなり周波信号と共同してリード線74の
タイミング信号は、信号処理装置66がうなり周波信号
のゼロクロスと線74のタイミング信号の間の時間遅れ
を測定することを可能にする。チャンネル24内の信号
をセロダイン処理することによって出力されたテスト信
号のマニホールド56内で発生した基準信号に対する位
相シフトを判定するために、この時間遅れの測定を使用
する。
【0020】図2は、チャンネル24とその中の位相シ
フト回路38をより詳細に示す。位相シフト回路38
は、カウンタ76と位相シフタ80A〜80Dのアセン
ブリ78を有する。位相トフタ78は直列に接続され、
カウンタ76の対応する出力線によってアドレスされ
る。各位相シフタ80は周知のダイオード・タイプであ
る。1つの例として、このようなダイオード位相シフタ
は、1組のスタブによってチューニングした送信機によ
って構成され、これらの送信機はダイオードを付勢する
と短絡し、これによってスタブ送信機の電気的長さを変
更する。従って、2つの位相シフタの状態があり、すな
わち、これは、ダイオードが消勢された場合のゼロ位相
シフトとこれらのダイオードを付勢した場合の45°の
ような固定された位相シフトである。
【0021】これらの位相シフタ80の各々は、アセン
ブリ78内で他の位相シフタとは独立して動作し、カウ
ンタ76の対応する段からの出力信号に応答する。従っ
て、各位相シフタ80は他の位相シフタによって発生さ
れる位相の増分とは独立した位相の増分を発生すること
が可能であり、これらの位相の増分を合計してアセンブ
リ78に対する合計の位相シフトを発生する。位相シフ
タ80A〜80Dは位相シフトを発生すると共に22.5
°、45°、90°、および180°の増分をそれぞれ
発生する。例として、位相シフタ80B(45°)と8
0C(90°)を付勢し、一方位相シフタ80Aと80
Dを消勢することにより、135°の位相シフトを得る
ことができる。カウンタ76の段が位相シフタ80に対
して出力する信号はディジタル信号であり、これらのデ
ィジタル信号は、位相シフタ80を付勢するための比較
的高い値(論理1)を有している場合と、位相シフタを
消勢するための比較的低い値(論理0)を有している場
合がある。カウンタ76の4つの段の複合出力は、位相
シフトの合計量を示すディジタル・ワードを表す。ディ
ジタル・フォーマットのカウンタ76の代表的な出力カ
ウントをリード線82の近くに示すが、このリード線8
2はカウンタ76の出力段を位相シフタ80と相互に接
続するものである。個々のカウントの数字は、位相シフ
タ80のアドレスとして機能する。
【0022】本発明の特徴に従って、カウンタ76の出
力リード線82をそれぞれの位相シフタ80に上述のよ
うに接続することは、システム20の校正モードの場合
にセロダイン処理を行うことと航空機を誘導するために
アンテナ22を使用している間、信号電波の方向を定め
るために適正な位相を選択することの両方に役立つ。リ
ード線44の1本の命令信号はクロック・パルス信号に
よって構成され、これらの信号はカウンタ76に供給さ
れてこのカウンタのカウントを実行する。カウントをイ
ンクリメントする前に、カウンタ76はプリセット発生
器52からバス54を介して供給されるカウントによっ
てプリセットされる(図1)。位相シフト回路38を動
作させて信号電波30を形成する場合、発生器52がカ
ウンタ76をアクセスして最初の値を設定し、その後ク
ロック・パルスを加えてカウンタ76を進めることによ
り、位相シフタ80のアセンプリ78からの位相シフト
の必要不可欠の量をアドレスする。図2に示すアセンブ
リ78では、例として、4個の位相シフタ80によって
このアセンブリを構成しているが、これ以外の数の位相
シフタをアセンブリ78に使用することも可能である。
図2に示す4段のカウンタ76の場合、リード線44の
命令信号のクロック・パルスによってカウンタ76をイ
ンクリメントする間、このカウンタ76は16迄カウン
トを行うと同じカウントを繰り返す。
【0023】本発明の構成モードを使用することによ
り、十分範囲を限定された信号電波を形成するため、ア
レイの始動位相を測定して調整する。このことは特定の
値にカウンタ76をリセットすることによって行われ、
その後、リード線44の命令信号からカウンタ76にク
ロック・パルスを加えることによって、信号電波30走
査を行う。カウンタはモジュロ−16によってカウント
を行い、位相シフトは22.25°乃至360°の増分で
増加し、この点でアセンブリ78はゼロ度の位相シフト
を発生する。クロック・パルスがカウンタ76に供給さ
れている限り、位相シフトのインクリメントは、校正モ
ードの間および信号電波の走査の間、モジュロ360°
迄継続する。
【0024】信号電波の走査は信号電波アドレス発生器
50を使用して実行され、この発生器はROM48をア
ドレスしてリード線44に連続パルス列を出力し、各回
路38の位相シフトを更新する。テスト機能アドレス発
生器66は、校正モードの間、ROM48をアドレスし
てカウンタ76をインクリメントし、各回路38に所望
量の位相シフトを導入することを命令すると共に所定の
速度で位相をインクリメントし、マニホールド56によ
って供給された基準信号に対して選択したチャンネルの
信号をセロダイン処理する。CPUは発生器50と68
に命令信号を与えて構成モードの間に校正すべきチャネ
ル24を選択し、位相シフトを進めて航空機を誘導する
間に信号電波の掃引を行う。
【0025】図3を参照して、信号処理装置66は、ゼ
ロクロス検出器84、クロック86、リセット90を有
するカウンタ88、ピーク検出器92、ウインド比較器
94およびランプ76のような指示装置によって構成さ
れる。セロダインが存在する場合、リード線58のテス
ト・チャンネル信号の出力サンプルとこれもまたリード
線58に現れる基準信号の間の上述の周波数のシフトの
結果、リード線72に正弦波形を有するうなり周波信号
が発生する。リード線72の正弦信号はゼロクロス検出
器84に供給され、この正弦信号のゼロクロスを検出す
ると、この検出器は出力パルスを発生し、これによって
クロック86が停止する。クロック86は、CPUから
のリード線74に対するタイミング信号によって最初に
スタートする。リード線74の信号は時間基準または位
相基準として機能し、チャンネル24の挿入位相はこれ
に対して測定されるものである。
【0026】従って、校正モードでCPUの命令に基づ
いてROM48と発生器68によって図2のカウンタ7
6をリセットすると、CPUはリード線74に同時に時
間基準信号を送り、図3の信号処理装置66のクロック
86をスタートする。カウンタ88は、そこでクロック
86のパルスをカウントする。リード線72の信号に次
のゼロクロスが発生してクロック86を停止すると、こ
れによってカウンタ88がカウントを行うが、このカウ
ントはテスト信号と基準信号の間の信号伝送遅延の尺度
である。カウンタ88のカウントはCPUに加えられ、
チャンネル24の各々で位相シフタ・アセンブリ78を
プリセットする場合に使用する位相シフトの補償値を発
生する場合に使用する。
【0027】リード線72の信号はまたピーク検出器9
2に加えられ、このピーク検出器92はリード線72の
信号の最大振幅すなわちピーク値を測定し、うなり周波
信号の振幅と比例する信号をウインド比較器94に供給
する。比較器94は検出器92の出力信号を測定し、信
号が比較器94内に予め設定された値の特定の範囲内に
収まっているかどうかを判定する。うなり周波信号のピ
ーク値が比較器94のウインド内に収まっている場合、
この比較器は信号を発生し、これによってランプ96が
点灯し、リード線72のうなり周波信号の振幅が許容範
囲の値内にあることを示す。比較器94の出力した信号
はまたCPUに供給される。
【0028】動作する場合、また図4のグラフを参照し
て、システム20はアンテナ22のラジェータ26によ
って信号電波30を形成し、この信号電波30を滑走路
に対して所望の方向に向ける。信号電波30を形成して
その方向を定めるために行われる位相シフトの適切な値
の選択は、アドレス発生器50がROM48をアドレス
することによって行われる。カウンタ76のプリセット
動作とクロック動作は、「校正負荷」として知られるス
テップの間プリセット発生器52によって行われる。校
正負荷の間、各カウンタ76をプリセットして位相シフ
タ80のアセンブリ78から位相シフトの特定の値をア
ドレスし、これによってそれぞれの校正うなり周波信号
を開始する。リード線74の時間基準信号はCPUによ
って供給され、信号処理装置66のクロック86をスタ
ートさせる。校正モードの間、アドレス発生器68とR
OM48の動作により、リード線44に命令信号が発生
される。
【0029】図4の第1グラフに示すように、位相シフ
タ80によって供給される位相シフトは、位相の連続か
つ直線的な増加に対して段階的に近似させることによっ
て実行される。位相シフトはモジロ360°で供給され
るため、このグラフはのこぎり波形の形態を取る。時間
に対する上述の直線位相近似の勾配はうなり周波数に等
しい。これらの階段状の増分はうなり周波数よりも実質
的に高い周波数であり、これらの階段のより高い周波数
はフィルタ64によってブロックされ、その結果、リー
ド線72には円滑な波形が現れる。図4の第2グラフ
は、マニホールド56の出力した基準信号、および選択
したチャンネル24の信号をセロダイン処理した結果得
られるオフセット・テスト信号を示す。基準周波数信号
の波形は実線で示し、オフセット周波数テスト信号の波
形は点線で示す。これらの2つのグラフの周波数の差
は、セロダイン処理による周波数のシフトをより容易に
示すため、誇張して示されている。校正されている(点
線で示す)チャンネル24の出力サンプルは、図4の第
1グラフののこぎり波形と時間的に同期していることに
留意のこと。図4の1番下のグラフには、第2グラフの
2つの信号の間の周波数の差を示す。この1番下のグラ
フの信号は、比較的低いうなり周波信号である。のこぎ
り位相の増分によってうなり周波信号を発生する場合、
およびリード線74のタイミング基準を使用して位相と
遅延を測定する場合の特定の特徴は、共通クロック、す
なわちクロック70を使用して、うなり周波信号の発生
とこのうなり周波信号の時間遅れと位相シフトの測定の
間の位相ロックを保証することである。従って、信号処
理装置66のカウンタ88によってカウントを行うこと
により、校正プロセスの間に各チャンネル24の挿入位
相が正確に測定される。
【0030】本発明の動作を図5〜8を参照して更に説
明する。本発明の特徴は、校正中のチャンネルを除い
て、全てのチャンネル24の信号を結合することによっ
て基準信号を発生することである。全てのチャンネルの
信号は同じソース、すなわち、送信機32から発生し、
従って、校正中のチャンネルを除いて同じ周波数を有
し、この場合この信号周波数はセロダイン処理によって
オフセットされる。周波数が等しいこれらの信号はマニ
ホールド56内で共に合計されて1つの正弦信号、すな
わち、基準信号を発生し、この信号は個々のチャンネル
信号の位相角と振幅によって決まる位相角を有してい
る。各信号をベクトルで示し、これらのベクトルを合計
してその結果基準信号を示すベクトルを発生することに
より、これらのチャンネル信号のこの合計を容易に示す
ことができる。
【0031】マニホールド56によって出力された信号
は、上で留意するように、2つの成分、すなわち、基準
周波数の基準信号と校正中のチャンネルのセロダイン処
理された信号によって構成される。セロダイン処理され
た信号の周波数は基準周波数からオフセットされる。マ
ニホールド56からミキサー62の非直線回路に2つの
成分信号を供給する結果、合計および差異周波数成分が
得られる。フィルタ64は、ミキサーの出力からこの差
異、すなわちうなり周波数の成分を取出す。図5の数式
に示すように、うなり周波信号は、セロダイン処理した
信号の位相と基準信号の位相の間の差に等しい位相角を
有し、フイルタ64の信号−応答時間の遅延の結果生じ
るうなり周波信号に対する位相シフトの更に別の成分が
存在する。
【0032】図5には、チャンネル信号を有するリード
線と共に信号波形を示すグラフが付け加えられている。
送信機32の出力はゼロの位相シフトを有するものとし
て示される。このシステムはN個のチャンネルを有する
ものとして図示され、ここで第3チャンネルがセロダイ
処理された位相シフトを受け取って校正される。これら
のチャンネルの各々の出力信号は遅延した最初のゼロク
ロスを有する正弦波形として図示され、この遅延の量は
各チャンネルで異なっている。このような遅延は挿入遅
延であり、アンテナ・システムを組み立てているマイク
ロウェーブの構成部品の熱膨張のために変動する遅延の
成分を含んでいる。システムを安定化させる目的のた
め、システムの遅延に主として貢献しているのはフイル
タ64の応答時間の遅延Tであり、このシステムの遅延
に貢献する他の要素は無視できる程度に小さく従って、
この場合の評価では考慮する必要がないと仮定する。フ
イルタの遅延を含まないシステムの成分によって導かれ
る位相シフトはθで示され、添字のrとsは、基準信号
の位相とセロダイン処理した信号の位相をそれぞれ識別
する。送信機32によって出力され基準信号内に存在す
る周波数は、Fa で表す。第3チャンネルのセロダイン
処理による周波数のオフセットはFb で示され、このオ
フセット周波数は、また図5に示すようにミキサー62
によって出力された差の周波数すなわちうなり周波数の
大きさである。オフセット周波数Fb が存在することに
よって、信号チャンネルをテストすることが可能にな
り、このチャンネルに加えられるべき位相シフトの固定
した補償値の選択を可能にするために、基準信号に対し
てその中に存在する位相シフトの量を決定し、これによ
ってこのチャンネルの校正を行う。
【0033】図6は、1組のチャンネル信号を共に合計
を行うための合計要素としてマニホールド56を使用す
ることを更に示し、ここでこれらのチャンネルの出力す
る信号を各々ベクトルで示す。これらのベクトルを合計
すると、結果として得られる信号のベクトル、すなわ
ち、基準信号のベクトルが得られ、このベクトルをミキ
サー62に供給する。
【0034】校正すべきチャンネルを選択した後、CP
Uはセロダイン位相シフト・パターン(図4の第1グラ
フ)をこの選択したチャンネルの位相シフタに加えるこ
とを命令する。セロダイン周波数のオフセットは送信機
32のC−帯域信号よりも非常に小さいので、うなり周
波信号は殆ど瞬間的に現れ、フイルタ64の入力に図7
に示す波形を有している。フイルタの過渡的な影響を抑
制するため、信号処理装置66はうなり信号の2サイク
ル分だけ遅延され、フイルタ62の応答がこのうなり信
号の均一な出力に落ち着くことを可能にする。その後、
うなり信号の最初の立ち上がりのゼロクロスに対する遅
延を測定するが、この遅延は、実際のゼロクロス時間T
o にフィルタの遅延Tをプラスしたものに等しい。従っ
て、図7に示す測定した間隔の合計Τm は、落ち着くの
に必要な時間、プラスこのゼロクロス時間、プラスフイ
ルタの遅延である。
【0035】図3を参照して前に説明したように、クロ
ック86の動作はセロダイン位相パターンの開始によっ
て始まり(図4の一番上のグラフのリード線74の信
号)、図7に示すように、リード線72にうなり信号の
立ち上がりのゼロクロスが発生することによって停止さ
れる。セロダイン・チャンネルの位相シフタに加えるべ
き補償位相シフトθは下記の式によって与えられ、この
チャンネルと基準信号がセロダイン・プロセスの開始時
点で同相であることが、この補償位相シフトによって保
証される。
【0036】 θ=360/128(TM −T−352)度 TM とΤはマイクロ秒で測定。 図8〜11は、その中に含まれる信号を合計して基準信
号を発生するチャンネルに対してその後に行われる校正
に対する基準信号のベクトルの依存性を示す。図8は、
チャンネル24の7内3つのみ使用するシステムの簡単
な例を示す。図8は番号1、2、および3によって識別
される3つのベクトルを示し、これらのベクトルの各々
は、これらの3つのチャンネルのいずれか1つを校正す
る前のこれらのチャンネルのそれぞれに対応する信号を
示す。図8〜11の例の場合、チャンネル#1は最初に
校正されるべきものであり、次にチャンネル#2が校正
され、その次にチャンネル#3が校正される。従って、
チャンネル#1の信号をセロダイン処理する結果、この
チャンネル#1がオフセットされ、その結果、チャンネ
ル#2と#3の信号のみが合計されて基準信号を形成す
る。その結果得られる基準信号は、図9に示すように、
ベクトル2と3のベクトル合計に等しい。信号処理装置
66を動作させることにより(図1および3)、時間遅
れの測定がカウンタ88によってCPUに出力され、こ
のCPUは、次に補償位相シフトを第1チャンネルの位
相シフタに供給することを命令する。この補償位相シフ
トは、プリセット発生器52(図1)によって第11チ
ャンネルの位相シフト回路38に供給される。この補償
位相シフトを供給する結果、図9に示すように、ベクト
ル1が回転し、このベクトル1の位置を基準信号ベクト
ルの位置と実質的に合わせる。この位置合わせは近似的
なものであるが、これは位相シフタ80のディジタル位
相シフトによる補償位相シフトの量子化によるものであ
る(図2)。
【0037】この校正手順は、新しい基準ベクトルを発
生し、チャンネル2のベクトルを回転させてこの新しい
基準ベクトルと位置合わせすることによって、図10に
進む。この新しい基準ベクトルは、ベクトル1とベクト
ル3を組み合わせたものである。しかし、図9と関連し
て説明したように、ベクトル1は既にその最初の方向か
ら回転されている。従って、新しい基準信号ベクトルは
最初のベクトル3と回転したベクトル1の合計に等し
い。信号処理装置66を動作させて第2チャンネルのう
なり信号の遅延を測定し、プリセット発生器52を動作
させると、図10に示すように、ベクトル2は新しい基
準信号ベクトルと畧位置合せされる。
【0038】図11で、校正手順は、基準信号ベクトル
の他の値に対して第3チャンネルの信号をテストするこ
とによって継続される。ここで、この基準信号ベクトル
は、回転したベクトル2と回転したベクトル1を組み合
わせたものである。信号処理装置66を動作させてチャ
ンネル#2のうなり信号の立ち上がりのゼロクロスが発
生する時刻を判定し、リセット発生装置52を動作させ
て補償位相シフトを発生すると、ベクトル3は、回転し
たベクトル2と回転したベクトル1とを合計することに
よって得られる基準ベクトルと実質的に位置合せされ
る。
【0039】信号チャンネルを各々校正する毎に、異な
った値の基準信号を使用することに留意しなければなら
ない。図8と11のベクトル図を検討すると、校正プロ
セスの結果として、全てのベクトルは図8の場合よりも
図11の場合の方がより緊密に位置合せされていること
が明らかとなる。しかし、本発明の実際の動作では、各
チャンネルの校正を行うその後の校正作業で十分位置の
合っていない1組のチャンネル信号のベクトルが発生す
ることは十分可能性があり、従って、これはシステムの
不安定性を示すものである。このような不安定性は、補
償位相シフトの量子化とこの補償位相シフトを発生する
場合に適正なフィルタの遅延Tの値を導入しないこと
(図5の数式を参照すること)の結果生じるものであ
る。このような不安定性の1つの解決策は、フイルタ6
4の時間遅延を測定することであり、これによってその
結果得られるフイルタの時間遅延と関連する位相シフト
を取り除くことが可能であり、この場合、補償位相シフ
トは直接θによって与えられる。本発明の好適な実施例
で使用する他の手順は、校正作業を数回反復し、各作業
を真のフイルタ遅延のTの異なった推定値で実行するこ
とである。
【0040】図12は、フィルタ遅延の適当な値を識別
する目的のために行われる校正作業のシーケンスの結果
を示し、これによって本発明のシステムを安定化させ
る。例えば、フィルタ遅延の値が約4マイクロ秒である
ことが分かっていると仮定すれば、第1回の作業は0マ
イクロ秒の推定時間遅延値を使用し、最後の校正作業で
は8マイクロ秒の推定時間遅延値を使用して、校正作業
のシーケンスを実行する。図12の表は、16個のチャ
ンネルを使用するシステムについて作成したものであ
る。補償位相シフトの値が位相シフトの適正な値に集中
しない不安定なシステムの場合、殆ど全てのチャンネル
は各校正作業毎に位相シフトを変更することを要求す
る。このことは図12の第1行から明らかであり、この
場合、16個のフェーザの内13個は状態を変化させて
いる。うなり周波信号が128マイクロ秒の持続期間を
有する場合、1マイクロ秒の測定エラーは2.81°の位
相シフトエラーに相当する。この位相シフト・エラーは
図12の中央の欄に示されている。図12の第2行に示
すように、推定時間遅延を1マイクロ秒に減らすことに
よって時間遅延の不正確補正しようとすれば、位相エラ
ーは−8.44°に過ぎず、状態を変更するフェーザの数
は8個のフェーザに減少する。時間遅延の推定値を更に
小さくすることによって時間遅延を更に補正すると、0
°の位相位相シフト・エラーは4マイクロ秒の遅延で達
成される。時間遅延の推定値を更に小さくする結果、補
正が過剰に行われることにより、位相シフト・エラーの
値が増加し、状態を変更するフェーザの数が増加する。
位相エラーが+3°ないし−3°の範囲にある場合に安
定したシステムの動作が得られることに留意するのは興
味のあることであり、この場合1つの校正作業から次の
校正作業に移っても、フェーザの状態は変化しない。従
って、このシステムはフィルタの時間遅延の補正値に対
して安定であり、この安定性はフィルタの時間遅延の推
定値にわずかな誤差がある場合でも保持される。また留
意すべきことは、校正作業の間、チャンネル信号用の1
組のベクトルがゼロに近いベクトルを結果として発生す
る可能性のあることであり、この場合基準信号が小さ過
ぎてミキサー62で混合プロセスを実行することができ
ない。しかし、このシステムは次のチャンネルに進む必
要があるだけであるため、このことは問題を生じず、こ
の場合、基準信号ベクトルの値は、必要不可欠な基準信
号を発生するように変化する。
【0041】図13は、校正ステップのシーケンスを開
始して実行し、校正作業を達成するためのCPUの動作
のプログラムのステップのフローチャートである。校正
シーケンスは、ブロック100で開始される。ブロック
106で、チャンネルの内の1つを選択して校正する。
次に、ブロック108で、選択したチャンネルの位相シ
フタ(図1および2)はセロダイン処理した位相シフト
・パターン(図4の一番上のグラフ)を受け取り、選択
したチャンネルの信号のセロダイン処理を行う。
【0042】うなり信号が実際に存在するかどうかをブ
ロック112で判定する。上で留意したように、基準信
号が小さ過ぎる場合、うなり信号を発生するための十分
な混合動作が行われない可能性がある。うなり信号が存
在しない場合、動作はブロック106に戻り、このブロ
ック106で他の信号チャンネルを選択する。もしうな
り信号が存在すれば、動作はブロック114に進み、う
なり信号とセロダイン処理された位相パターンとの間の
位相の偏差を測定する。次にブロック116で、補償位
相シフトが、選択されたチャンネルの位相シフタ80に
プリセット発生器52によって供給され、選択した信号
のうなり信号とセロダイン処理された位相パターンの間
の位相の偏差を補償する。ブロック118で、CPUは
次に全てのチャンネルが校正されたかどうかを判定す
る。もし校正すべき別のチャンネルがあれば、プログラ
ムはブロック106に戻って次のチャンネルの校正を行
う。校正すべきチャンネルが無くなれば、プログラムは
ブロック120で終了する。
【0043】図14では、CPUは、図13に示すよう
に、校正作業の安定化を行うためのステップのシーケン
スを実行する。図14では、プログラムはブロック12
2における安定化シーケンスの開始によって始まり、次
にCPUはブロック124で1組の遅延値を選択してフ
ィルタ遅延に近似させる。このことは図12の表に示す
代表的な遅延値に従って行われる。プログラムはブロッ
ク126に進み、ここで校正のシーケンスは、図13の
プログラムに従って、各チャンネルに対して実行され、
このシーケンスばブロック124で参照した各遅延値に
対して繰り返される。次にブロック128で、ブロック
126で実行した校正シーケンスの各々の実行中に状態
を変更したフェーザの数を観察する。これは図12の表
の右側の段に従って行われる。
【0044】ブロック130で、いずれの校正シーケン
スの場合に状態を変化させたフェーザの数が最も少なく
なったかを観察する。状態を変化させたフェーザの数が
最も少い場合の遅延値を記録する。これは図12の表の
中央の行に相当する。次に、ブロック132で、その後
に行う校正シーケンスでは記録したフィルタの遅延値を
使用する。この記録したフィルタ遅延の値によって、本
発明のシステムの動作を安定して行うことができる。例
として、本発明をマイクロウェーブ着陸システムに使用
する場合、太陽光線によって加熱されることに起因する
マイクロウェーブの構成部品の熱膨張に関連する位相の
偏差を補正するため、信号チャンネルを短い間隔で再校
正することが望ましい。
【0045】従って、本発明は、追加回路を最小の数に
止どめ、システムの物理的構造の複雑性の増加を最小限
にして、多重信号搬送チャンネルを有するシステム内で
校正プロセスを実行するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路を有する多重チャンネル位相シフ
タ回路と接続されたMLS用のフェーズド・アレイ・ア
ンテナを示し、この図は一部が斜視図であり、一部がブ
ロック図である。
【図2】図1のチャンネルの1つの位相シフタ・アセン
ブリのブロック図である。
【図3】図1の信号処理装置のブロック図である。
【図4】図1のシステムの動作を説明するのに有用な相
互に時間で表示した1組のグラフである。
【図5】基準信号とこの基準信号から周波数をオフセッ
トしたセロダイン処理信号を発生する場合に行う図1の
種々のチャンネルの信号組み合わせ、およびうなり周波
信号を得るためのこれらの2つの信号の混合を模式的に
示す。
【図6】チャンネル信号を組み合わせて基準信号を発生
する合計器として使用する図1のマニホールドの動作を
説明するのに有用な信号のベクトル構造を示す。
【図7】図3の信号処理装置の形成した測定値の測定時
間を示すグラフである。
【図8】1組の3つのベクトルを個別に連続して回転さ
せてこれら3つのベクトルの間に実質的に等しい位相シ
フトを達成する場合のベクトル構造の1つの段階を示
し、これによって、それぞれの信号チャンネルの位相シ
フトを等しくする本発明の校正プロセスを示す。
【図9】1組の3つのベクトルを個別に連続して回転さ
せてこれら3つのベクトルの間に実質的に等しい位相シ
フトを達成する場合のベクトル構造の1つの段階を示
し、これによって、それぞれの信号チャンネルの位相シ
フトを等しくする本発明の校正プロセスを示す。
【図10】1組の3つのベクトルを個別に連続して回転
させてこれら3つのベクトルの間に実質的に等しい位相
シフトを達成する場合のベクトル構造の1つの段階を示
し、これによって、それぞれの信号チャンネルの位相シ
フトを等しくする本発明の校正プロセスを示す。
【図11】1組の3つのベクトルを個別に連続して回転
させてこれら3つのベクトルの間に実質的に等しい位相
シフトを達成する場合のベクトル構造の1つの段階を示
し、これによって、それぞれの信号チャンネルの位相シ
フトを等しくする本発明の校正プロセスを示す。
【図12】図1で使用する推定フィルタ遅延の周囲に中
心を有する10個の校正作業の安定化シーケンスの結果
を表で示し、16チャンネルのフェーズド・アレイ・ア
ンテナの場合、この遅延は4マイクロ秒(120位相遅
延)を有する。
【図13】校正シーケンスを実行する場合の図1の中央
演算装置(CPU)の動作のプログラムのフローチャー
トである。
【図14】校正作業の安定化シーケンスを動作するため
の図1のCPUのプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
20 マイクロウェーブ着陸システム(MLS) 22 フェーズド・アレイ・アンテナ 24 信号搬送チャンネル 26 ラジエータ 28 溝 30 信号電波 32 発生器 34 電力分周器 36 同軸ケーブル 38 位相シフト回路 44 リード線 46 信号電波誘導装置 48 ROM 50 アドレス発生器 52 プリセット発生器 54 バス 56 マニホールド 60 アパチャ 62 非直線装置(ミキサ) 64 帯域フィルタ 66 信号処理装置 68 アドレス発生器 70 クロック 58、72、74 リード線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重信号チャンネルを有するシステムに
    おいて位相シフトを校正する方法において、上記の方法
    は、 各チャンネルから上記のチャンネルによって搬送された
    信号のサンプルを取り出すステップ;それぞれのチャン
    ネルの信号サンプルを共に合計するステップ;校正すべ
    き第1チャンネルを選択するステップであって、上記の
    チャンネルは第1信号を搬送する上記のステップ;所定
    の速度で単調に連続する位相の変動の中で上記の第1信
    号の位相をインクリメントすることによって位相シフト
    のテスト・パターンを上記の第1信号に付加し、これに
    よって、他のチャンネルによって搬送された信号の周波
    数に対して上記の第1信号の周波数をオフセットするス
    テップであって、上記の他のチャンネルの全ての搬送さ
    れた信号は同じ周波数を有し、上記の他のチャンネルの
    信号の合計は基準信号として機能する上記のステップ;
    上記の第1信号を上記に基準信号と混合してうなり周波
    信号を得るステップ;上記のうなり周波信号と上記のテ
    スト・パターンの間の位相の偏差を測定するステップ;
    上記の第1信号と上記のテスト・パターンを上記の位相
    偏差と等しい値の固定量の校正位相と置換するステッ
    プ;および上記の他のチャンネルによって搬送される信
    号の各々に対して上述のステップを反復し、これによっ
    て各チャンネルを一度校正する校正シーケンスを実行す
    るステップ;によって構成されることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 上記の測定ステップにおいて、上記の位
    相の偏差は、上記のテスト・パターンの開始から予め設
    定した遅延に対する上記のうなり周波信号のゼロクロス
    の発生するタイミングを調べることによって測定される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記の校正シーケンスを安定化させるス
    テップによって更に構成され、上記の安定化ステップ
    は:上記の校正ステップを反復するステップ;上記の校
    正ステップの各々を反復する間に上記の測定ステップの
    上記の遅延値を変更するステップ;上記の校正シーケン
    スの各サイクルの間の各8個のチャンネルの位相の偏差
    の値を記録するステップ;および上記の位相偏差の値を
    最小にする上記の遅延値を選択するステップ;によって
    構成されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記の置換ステップにおいて、校正位相
    のインクリメント値はディジタル的に量子化されること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 校正位相のインクリメント値は、ゼロま
    たはディジタル的に発生した位相シフトの最下位ビット
    であることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記の混合ステップは、上記の第1信号
    と上記の基準信号を非直線電気回路に供給するステッ
    プ、および上記の非直線回路の出力信号を濾波して上記
    のうなり周波信号を得るステップによって実行され、上
    記の非直線回路は上記の非直線回路の出力信号の合計周
    波数成分と差周波数成分を発生するように動作し、上記
    の濾波は上記の差周波数成分を選択するように機能する
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 多重信号チャンネルを有するシステムに
    おいて位相シフトを校正する装置において、上記の装置
    は、 各チャンネルから上記のチャンネルによって搬送された
    信号のサンプルを取り出す手段;それぞれのチャンネル
    の信号サンプルを共に合計する手段;上記のチャンネル
    の内の第1チャンネルで搬送された信号に位相シフト・
    テスト・パターンを付加する手段であって、上記のテス
    ト・パターンは所定の速度で上記の第1チャンネルの信
    号の位相をインクリメントし、上記の位相をインクリメ
    ントすることによって上記の第1チャンネルの信号が上
    記の他のチャンネルによって搬送された信号の周波数に
    対してオフセットされ、上記の他のチャンネルによって
    搬送された信号の周波数は等しく、上記の他のチャンネ
    ルの信号の合計は基準信号として機能する上記の手段;
    上記の第1チャンネルの信号を上記の基準信号と混合し
    てうなり周波信号を得る手段;上記のうなり周波信号と
    上記のテスト・パターンの間の位相の偏差を測定する手
    段;および上記の付加手段を動作させる手段であって、
    上記の第1チャンネルの信号の上記の位相シフトのテス
    ト・パターンを上記の位相偏差と等しい値の固定量の校
    正位相と置換する上記の手段;上記の動作手段は、次に
    上記の他のチャンネルの信号に基づいて上記の付加手段
    を動作させ、各チャンネルを一回校正する校正シーケン
    スにおいて上記の他のチャンネルの校正を行なうことを
    特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 上記の測定手段は、上記のテスト・パタ
    ーンの開始から予め設定した遅延に対する上記のうなり
    周波信号のゼロクロスの発生するタイミングを調べるこ
    とによって位相の偏差を測定するように動作することを
    特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 上記の動作手段は、上記の校正シーケン
    スを安定させるように動作し、上記の動作手段は複数の
    校正シーケンスにおいて上記の位相シフト付加手段を動
    作させ、各々の校正シーケンスは上記の位相の偏差を測
    定する場合に使用する遅延の量だけ前の校正シーケンス
    と異なり、上記の動作手段は、校正シーケンスが上記の
    校正位相の量を最小にする遅延の値によって得られる校
    正位相の量を選択することを特徴とする請求項8記載の
    装置。
  10. 【請求項10】 上記の位相シフト付加手段は、ディジ
    タル的に量子化された位相の増分によってディジタル的
    に動作することを特徴とする請求項7記載の装置。
  11. 【請求項11】 校正位相のインクリメント値は、ゼロ
    またはディジタル的に発生した位相シフトの最下位ビッ
    トであることを特徴とする請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】 上記の混合手段は非直線回路を有し、
    上記の第1チャンネルの信号と上記の基準信号を上記の
    非直線回路に供給するように動作し、かつ上記の非直線
    回路の出力信号を濾波して上記のうなり周波信号を取得
    し、上記の非直線回路は上記の非直線回路の出力信号の
    合計周波数成分と差周波数成分を発生するように動作
    し、上記の濾波によって上記の差周波数成分を選択する
    ことを特徴とする請求項7記載の装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0915324A (ja) * 1995-06-30 1997-01-17 Tech Res & Dev Inst Of Japan Def Agency レーダ・ターゲット波模擬装置
CN103336287A (zh) * 2013-06-28 2013-10-02 浙江大学 非等量采样方法
US10274585B2 (en) 2016-04-01 2019-04-30 Fujitsu Limited Electronic circuit, radar apparatus, and method of correcting radar transmission channels
CN109917363A (zh) * 2019-03-19 2019-06-21 西安电子工程研究所 多通道宽带发射信号均衡方法

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