JPH05277350A - 無菌回転容積式バッチャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は予備殺菌が容易な連続作用の無菌バ
ッチャーを提供する。 【構成】 バッチャーは無菌外気が保持された殻体１の
中に収容され、容積式ポンプ３と充填ヘッド４とが固定
された回転タンク２を具備し、充填ヘッド４を通って、
容積式ポンプ３により回転タンク２から吸引された生産
物が排出し、最後に容器５に導入される。バッチャー内
の、生産物が横断するバッチャーの全領域からなる内部
空間が、外気に対し密封され、かつ所定の高圧に耐える
壁によって区画形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は無菌回転容積式バッチャ
ー（計量混合機）に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転容積式バッチャーは高生産性によっ
て特徴づけられる連続詰め込みプラントに用いられる。
これらの機械は回転タンクを具備し、この回転タンクか
ら入口導管を通って入ってくる生産物が一連の充填ヘッ
ドにより容器の中に導入され、これら充填ヘッドは、タ
ンクと一体に回転し、またこのタンクと一体に回転する
容積式ポンプにより材料が供給されるようになってい
る。

【０００３】支持台が各充填ヘッドの下側に設けられ、
これらの支持台もまたタンクと一体回転し、支持台上に
種々の充填段階の間容器が置かれ、これらの機械はバッ
チャーに空の容器を供給する入口星形部材と、充填され
た容器をバッチャーから引き出す出口星形部材とを具備
している。

【０００４】これら機械のうち大部分の機械において
は、シャッター、攪拌機その他のような機械的装置がタ
ンクの内部に収容されている。

【０００５】無菌状態で作動することができるようにす
るため、前記バッチャーは、大気圧よりわずかに高い圧
力に保たれた無菌ガスが内部に保持されている殻体の中
で密閉され、この高い圧力は生産物と外側大気との間の
接触を避けることができるようにする。

【０００６】この型の機械が同一出願人のヨーロッパ特
許第７２３５４号（米国特許第４４８９７６９号に対応
する）に記載されている。

【０００７】タンク内部のこれらの機械的装置が、この
型の機械において運動中に生産物が停滞し摩耗する可能
性を生じるという様々な問題とは別に、この機械自体の
予備的な殺菌作用が極めて長時間にわたりかつ複雑であ
り、特に完全な殺菌を保証する目的のためには、殺菌用
化学物質を用いるのを必要とすることが多いが、その作
用は、特に前記化学物質が生産物自体が横断する部分に
用いられる時は、生産者にとっては決して一般的なもの
ではない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的
は、予備殺菌作用が極めて容易かつ確実でしかも生産物
が横切る部分に殺菌化学物質を用いることを要しない、
連続作用の無菌バッチャーを提供することにより、上記
の欠点を解消することである。

【０００９】本発明の他の目的は、内部に生産物の停滞
が生じないバッチャーを提供することである。

【００１０】本発明の利点はバッチャータンクの内部
に、固定された機械的な部分又はこれらの中で動く部分
を有しないことである。

【００１１】本発明の他の利点は容器の正確な充填が可
能となることである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の目的及び利点は全
て、本発明によれば、特許請求の範囲において特徴とさ
れているように、無菌状態が保持される殻体の中で密閉
されたバッチャーであって、回転タンクを具備し、この
回転タンクに対して容積式ポンプと充填ヘッドとが一体
に固定されており、容積式ポンプによりタンクから取出
された生産物が最終の容器に導入されるようバッチャー
から排出し、前記バッチャーにおいて、生産物が横切る
バッチャーの全領域からなる内部空間が、外側大気に対
し密封されまた所定の圧力に耐えるような壁によって区
画形成されている、バッチャーによって、達成される。

【００１３】

【実施例】本発明のさらなる利点と特徴は限定されない
実例の形式で図示された好適な実施態様を示す添付図面
を参照する以下の詳細な記載から、さらに明らかとなる
であろう。

【００１４】本発明のバッチャーは、ピニオン（図示し
ない）と噛み合う歯車２１により、固定された基台２２
に対し回転するよう配置された支柱２０を具備してい
る。回転タンク２が支柱２０に固く連結されこの支柱と
共に回転し、計量区分けされるべき生産物が入口導管６
を通って回転タンク２の中に入る。複数の容積式ポンプ
３と複数の充填ヘッド４とが支柱２０としたがってまた
回転タンク２と一体となっており、前記充填ヘッド４は
各容積式ポンプ３に連結されている。

【００１５】各充填ヘッド４には分配弁７が設けられ、
半径方向に配設された出口導管８により回転タンク２の
内部に連結されており、さらに各充填ヘッド−容積式ポ
ンプ群に対し輸送導管９が設けられ、この輸送導管９は
分配弁７を関連の容積式ポンプ３の室に連結する。

【００１６】各充填ヘッド４はさらに、関連分配弁７の
滑子１２と一体で摺動可能なシャッター１１により、そ
の開放と閉鎖が作動される出口１０を具備し、前記滑子
１２がどのような位置にあっても、この出口１０が常時
関連の輸送導管９と連通するようにしている。

【００１７】公知の型式の指令手段２６によって命令さ
れた滑子１２の軸方向運動にしたがって、各分配弁７
は、シャッター１１が出口１０を閉じ出口導管８が輸送
導管９と連通する第１の位置と、シャッター１１が出口
１０を開き出口導管８が輸送導管９とは連通しない第２
の位置とをとることができる。

【００１８】容積式ポンプ３のピストンのポンプ運動
は、公知の型式の機械におけるように、それぞれがポン
プの軸桿と一体で垂直方向に摺動する複数の車輪２７が
走行する、固定された傾斜角案内２３により得られ、公
知の型式の機械におけるように、案内２３の傾斜は、容
積式ポンプ３の衝程としたがって容量とを変えることが
できるように可変である。

【００１９】支持体２８が各充填ヘッド４の下方に設け
られ、この支持体２８に、機械の入口領域で空の容器５
が入口星形部材３０により挿入され、そしてこの支持体
から機械の出口領域で充填された容器５が出口星形部材
３１により取出される。各支持体２８は関連充填ヘッド
４に近づき又は離れるように軸方向に摺動することがで
き、この運動は、固定されたフレーム２４上に形成され
たカム２５の上を機械の回転中に転動する車輪２９が一
体に取付けられている図示しない軸桿の上昇により達成
される。

【００２０】スチーム障壁が容積式ポンプ３の衝程に関
係する領域と滑子１２の衝程に関係する領域とに設けら
れ、容器への詰め込みの無菌性を保証するようにしてい
る。

【００２１】回転タンク２は高い内圧に耐えるため厚板
スチールで構成され、さらにその底壁は凸面とされその
凸面が回転タンク自体の内側に向けられるようになって
いる。

【００２２】回転タンク２に対し半径方向に配設された
全ての出口導管８はタンク２の底壁の接線方向で終って
おり、全ての輸送導管９は出口導管８の下側でしたがっ
て回転タンク２の外側で穴あけされ、さらに充填ヘッド
４と容積式ポンプ３とはタンク２の外部で機械加工され
る。

【００２３】さらに生産物により横断されるバッチャー
の全領域、すなわち、入口導管６、回転タンク２の内
部、出口導管８と輸送導管９、充填ヘッド４の内部、及
び容積式ポンプ３の室からなる内部空間は、周囲の領域
に対し密封され、この事実は特に以下のことについて関
連がある。

【００２４】生産物の容器への詰め込みに関係するバッ
チャーの全領域は、公知型式の多くの他の機械で起きる
ように、内部で殺菌ガスの圧力がわずかに通常より高く
保持されている殻体１の中で密閉される。

【００２５】バッチャーの作用を理解するためには、案
内２３とカム２５と分配弁７の作動装置とが、種々の装
置が支柱したがって回転タンク２の回転に対して所定の
段階の運動を生じるように、作られていることを念頭に
おくのがよい。

【００２６】タンク２の回転にしたがって、多数の充填
ヘッド４が、容積式ポンプ３が分配を行う機械の円弧部
分Ａと、容積式ポンプ３が吸引を行う機械の円弧部分Ｂ
とに到達する。円弧部分Ｂにおいて充填ヘッド４の出口
１０はシャッター１１により閉鎖され、出口導管８と輸
送導管９が相互に連通し、この円弧部分で容積式ポンプ
３が吸入衝程にありタンク２から入ってくる生産物で満
たされる。

【００２７】ヘッドが機械の円弧部分Ａに入った時、充
填作用が行われ、指令手段２６が滑子１２を持ち上げ出
口導管８と輸送導管９との間の連通を遮断し出口１０を
開放し、同時に関連容積式ポンプの分配段階が発動さ
れ、生産物を出口１０を通って下方に位置する容器５の
中に送り込む。

【００２８】本発明のバッチャーの利点の１つは、容器
はその底部が関連充填ヘッド４の出口１０の高さになる
まで持ち上げられるということによって示され、これら
の状態で充填作用が底部から生じそれにより生産物の内
部にガスの泡を閉じ込めるのが回避される。

【００２９】指令手段２６は容器５が存在している場合
にのみ分配弁７の滑子１２に作用することが注目される
べきであり、容器の存在しない場合はシャッター１１は
持ち上げられず、分配段階の生産物は連通したままであ
る出口導管８と輸送導管９とを通って回転タンク２に再
度入る。

【００３０】回転タンク２の内部がいかなる機械的装置
によっても占有されないという事実は生産物の逆流又は
停滞の生じることがないようにし、タンクの底部の凸面
形状は出口導管８の特殊な配置構造と相俟って生産物の
いかなる停滞をもなくする。

【００３１】本発明の機械は、この機械の全ての作業サ
イクルが始まる前に必要な清掃と殺菌の最初の操作を非
常に簡単かつ安全なものとする。

【００３２】実際、生産物によって横断される機械の領
域は周囲の外気に対して密封されまた機械が高圧に耐え
るように作られているため、この領域に殺菌流体、すな
わち高温（したがって高圧）のスチームを導入すること
ができる。上記の機械は例えば６バールより高い圧力に
耐えることができるように作られる。

【００３３】高圧高温のスチームを用いることができる
（１６０℃より高い温度のスチームを用いることができ
る）という事実により殺菌が生産物によって横断される
機械の領域で達成されることが絶対的に確実となる。

【００３４】この殺菌段階は“動力学的”条件で行わ
れ、機械は導入されたスチームが生産物を表わすのを装
うように作動される。これらの条件において、充填作用
の間生産物に接触するようになる機械の全ての部分がま
た“動力学的”殺菌の段階で高温のスチームに接触する
ようになり、したがって完全な殺菌が達成される。

【００３５】さらに清掃作用が動力学的条件のもとで行
われ、タンクの特殊の構造がこの作用の最後に清掃流体
が完全に排出されるのを保証する。

【００３６】生産物と接触することがなく殻体１の中で
密閉されるバッチャーの外側部分は各サイクルの開始時
に普通の方法にしたがい、例えば過酸化水素溶液を用い
て殺菌される。

【００３７】上記の最初の洗浄と殺菌の作用は、極めて
簡単かつ迅速な方法で、作業サイクルの最後に、入口導
管６を共通の偏流弁（図示しない）により加圧されたス
チーム又は清掃流体の源に連結することで足りるように
して、行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバッチャーの垂直断面図である。

【図２】図１のバッチャーにおける容器の運動を上方か
ら見た概略図である。

【符号の説明】

１…殻体 ２…回転タンク ３…容積式ポンプ ４…充填ヘッド ５…容器 ６…入口導管 ７…分配弁 ８…出口導管 ９…輸送導管 １０…出口 １１…シャッター １２…滑子 ２８…支持体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無菌状態が保持されている殻体（１）の
   中で密閉され、区分けされるべき生産物が入口導管
   （６）を通って中に入る回転タンク（２）を具備し、該
   回転タンク（２）に複数の容積式ポンプ（３）と複数の
   充填ヘッド（４）が固定され、該充填ヘッド（４）の各
   々を通って回転タンク（２）から前記容積式ポンプ
   （３）により取出された生産物が排出されて最後に容器
   （５）に導入されるようにする、無菌回転容積式バッチ
   ャーにおいて、生産物により横断されるバッチャーの全
   領域を構成する内部空間が、外側大気に対して密封され
   かつ所定圧力に耐えるようにされた壁によって区画形成
   されていることを特徴とする無菌回転容積式バッチャ
   ー。
2. 【請求項２】 複数の分配弁（７）を具備し、該分配弁
   （７）の滑子（１２）がそれぞれ充填ヘッド（４）に挿
   入され、複数の出口導管（８）を具備し、該導管の各々
   が回転タンク（２）を前記分配弁（７）の１つに連結
   し、複数の輸送導管（９）を具備し、該導管の各々が分
   配弁（７）を関連容積式ポンプ（３）に連結し、各充填
   ヘッド（４）が出口（１０）を具備し、該出口（１０）
   の開放及び閉鎖が関連分配弁（７）の滑子（１２）と一
   体に摺動するシャッター（１１）により行われ、該分配
   弁（７）が常時輸送導管（９）に連通し、各分配弁
   （７）が、指令により、シャッター（１１）が出口（１
   ０）を閉鎖し出口導管（８）が輸送導管（９）に連通す
   る第１の位置と、シャッター（１１）が出口（１０）を
   開放し出口導管（８）が輸送導管（９）に連通しない第
   ２の位置とを、とることができるようにしていることを
   特徴とする請求項１に記載のバッチャー。
3. 【請求項３】 内部に障害物が全くない前記回転タンク
   （２）の底壁が、回転タンク（２）の内側上方に向けら
   れた凸面の凸面形状とされ、前記出口導管（８）が回転
   タンク（２）に対し半径方向に配設されかつ回転タンク
   （２）の底壁に対し接線方向で終っていることを特徴と
   する請求項２に記載のバッチャー。
4. 【請求項４】 生産物によって横断されるバッチャーの
   領域の全てを構成する内部空間を区画形成する壁が、６
   バールより高い流体（スチーム）の内圧に耐えるように
   なっていることを特徴とする請求項１に記載のバッチャ
   ー。
5. 【請求項５】 それぞれが各充填ヘッド（４）の下方に
   配設された前記容器（５）のための複数の支持体（２
   ８）を具備する型のバッチャーであって、前記支持体
   （２８）上に載る容器（５）の底が関連充填ヘッド
   （４）の出口の近くに位置するまで、公知の型式の手段
   が各支持体（２８）を持ち上げるよう設けられているこ
   とを特徴とする請求項１に記載のバッチャー。