JPH0527401Y2 -

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、輪転機の折機内に刷本受け渡しのた
めに設置される針の改良に関するものである。

（従来の技術）従来、この種の針は第２図で示されるように、
折機内に埋設される基部１とその基部１から突出
する円錐形の針部２とからなつている。

この針部２で刷本の端を突き刺して、折機内の
一つの胴から他の胴に刷本を受け渡している。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、近年の輪転機の高速化に伴い、針抜
けを生じ易くなつている。

すなわち、刷本が受け渡しの途中で風圧等の影
響で針から抜け落ちてしまうのである。

針の寿命は通常７日程度であるが、針の摩耗が
進むと７日に至る前に、そのような事故が多く起
こるようになる。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上記問題点を解決するため、輪転機
の折機内に刷本受け渡し用に設置される針におい
て、該針の尖端部の後方が該尖端部の最大形の箇
所よりも細くなつている構成を採用している。

（作用）刷本は針の尖端部により貫かれ、尖端部の後方
の細いところで支えられる。

このため、刷本に風圧等がかかつても、刷本は
尖端部の後ろに引つ掛かり、針から脱落し難くな
る。

また、針の尖端部は摩耗するが、尖端部が膨出
部として存在するので、摩耗にかかわらず刷本は
脱落しにくい。

（実施例）本考案の実施例を第１図に基づいて説明する。

図において、符号３は針の基部であり、符号４
は針部を示す。

該針はその基部３のところで輪転機の折機内の
所定の胴（図示せず）に固定され、刷本受け渡し
に供される。

針部４は円錐形の尖端部５を有し、該尖端部５
の後方は該尖端部の最大径の箇所よりも細くなつ
ている。

このため、該尖端部５は膨出体として存在して
おり、該円錐形は従来の針の尖端よりも尖りの程
度は鈍く、その後ろは円錐台形となつて細部６に
至つている。

なお、尖端部５は円錐形がもつとも好ましい
が、三角錐形、四角錐形等の形状であつてもよ
い。

本考案者の実験によれば、かかる構成を採用す
ることにより、針の寿命を約３ケ月とすることが
できた。また、該針をメツキすることにより更に
寿命を延ばすことができた。

（考案の効果）本考案は、以上のように、輪転機の折機内に刷
本受け渡し用に設置される針において、該針の尖
端部の後方を該尖端部の最大径の箇所よりも細く
形成するので、刷本の針抜けを好適に防止するこ
とができる。

また、摩耗し難くすることができる。

従つて、高速輪転機等において風圧等による針
抜けを防止し、輪転機の停止時間及び回数を減ら
すとともに、損紙の低減を図ることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる折機の針の正面図、第
２図は従来の針の正面図である。４……針部、５……尖端部、６……細部。

【実用新案登録請求の範囲】