JPH05265492A - コード励振線形予測符号化器及び復号化器 - Google Patents

コード励振線形予測符号化器及び復号化器

Info

Publication number
JPH05265492A
JPH05265492A JP3062906A JP6290691A JPH05265492A JP H05265492 A JPH05265492 A JP H05265492A JP 3062906 A JP3062906 A JP 3062906A JP 6290691 A JP6290691 A JP 6290691A JP H05265492 A JPH05265492 A JP H05265492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
code
band
linear predictive
vocal tract
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3062906A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Fukazawa
敦司 深沢
Yumi Takizawa
由美 瀧澤
Hiroshi Katsuragawa
浩 桂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP3062906A priority Critical patent/JPH05265492A/ja
Publication of JPH05265492A publication Critical patent/JPH05265492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低符号化レートであっても高品質を実現する
ことができるコード励振線形予測符号化器及び復号化器
を実現する。 【構成】 帯域分割器301 は音声信号を複数の帯域に分
割して帯域別のコード励振線形予測符号化部302,303 に
与える。各符号化部は、瞬時化MEM法を利用した声道
パラメータ予測器302a,303a を内蔵し、帯域別の音声信
号を符号化してマルチプレクサ304 に与える。マルチプ
レクサは各帯域の符号化音声信号を多重して出力する。
デマルチプレクサ351 は、符号化音声信号を帯域別の符
号化音声信号に分離して帯域別のコード励振線形予測復
号化部352,353 に与える。各復号化部は、帯域別の符号
化音声信号を復号化して逆帯域分割器354 に与える。逆
帯域分割器は、帯域別の復号化音声信号を合成して出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号をデジタル符
号に圧縮符号化するコード励振線形予測符号化器及び圧
縮符号を復号化するコード励振線形予測復号化器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】音声信号を低符号化レートで符号化する
方式として、従来、下記文献1に記載されているコード
励振線形予測符号化方式が提案されている。
【0003】文献1『”CODE-EXCITED LINEAR PREDICTI
ON(CELP):HIGH-QUALITY SPEECH AT VERY LOW BIT RATE
”,Manfred R.Schroeder & Bishunu S.Atal,ICASP-8
5,pp.937-940,(1985)』 図2は、入力音声信号自体から声道予測係数を得るフォ
ワード型のコード励振線形予測符号化方式の従来の符号
化器の機能ブロック構成を示すものである。
【0004】この図2に示すように、コード励振線形予
測符号化器100は、声道パラメータ予測器101と、
マルチプレクサ102と、ターゲット信号合成器103
と、声道合成器104と、適応コード選択器105と、
適応コードブック106と、加算器107と、統計コー
ドブック108と、統計コード選択器109とから構成
されている。
【0005】アナログ音声信号は、図示しないアナログ
/デジタル変換器によってデジタル信号に変換された
後、所定サンプル数でなるフレームにまとめられて音声
ベクトルS1として声道パラメータ予測器101に与え
られる。例えば、8kHzでアナログ音声信号をサンプ
リングし、40サンプルが1フレームの入力音声ベクト
ルS1を声道パラメータ予測器101に入力する。声道
パラメータ予測器101は、入力音声ベクトルS1に対
してLPC分析を行ない、声道パラメータ(LPC係数
ベクトル)S2を得る。このようにして得られた声道パ
ラメータS2は、量子化されて声道パラメータ符号S3
に変換されてマルチプレクサ102に与えられる。
【0006】マルチプレクサ102は、声道パラメータ
符号S3、後述するように得られた適応コード符号(適
応コードインデックス)S4、及び、後述するように得
られた統計コード符号(統計コードインデックス)S5
を多重して符号化音声信号S11として出力する。この
符号化音声信号S11は、記録されたり伝送されたりす
る。
【0007】適応コード符号S4及び統計コード符号S
5は、以下のような処理によって順次決定される。
【0008】適応コード符号S4の決定時には、ターゲ
ット信号合成器103、声道合成器104、適応コード
選択器105、適応コードブック106及び加算器10
7が有効に機能する。
【0009】声道合成器104には、直前フレームで決
定された励振コードベクトル(適応コードベクトルS7
及び統計コードベクトルS8を加算したベクトル)S6
が与えられている。声道合成器104は、この直前フレ
ームの励振コードベクトルS6に対して、現フレームの
声道パラメータS2を用いて合成し、得られた合成音声
ベクトルS9をターゲット信号合成器103に与える。
【0010】ターゲット信号合成器103には、この合
成音声ベクトルS9に加えて、上述した入力音声ベクト
ルS1及び声道パラメータS2が与えられている。ター
ゲット信号合成器103は、まず、入力音声ベクトルS
1及び声道パラメータS2からLPC残差信号を得た
後、LPC残差信号から音声信号ベクトルを求め、この
際聴覚特性を考慮して重み付けを施す。次いで、後述す
る適応コード選択器105の処理の際に、直前フレーム
の影響が生じるので、この影響分を合成音声ベクトルS
9及び声道パラメータS2から生成しておき、上述のよ
うに求めた音声信号ベクトルから除去してターゲット信
号(ベクトル)S10とする。
【0011】このターゲット信号S10は、適応コード
選択器105に与えられる。適応コード選択器105
は、このターゲット信号S10をターゲットとして、適
応コードブック106に格納されている候補の複数の適
応コードベクトルの中から最適な適応コードベクトルS
7を決定する。適応コードブック106には、直前の複
数フレームの励振コードベクトルS6に基づいて形成さ
れた複数の適応コードベクトルが、それぞれインデック
スを付されて格納されており、全ての適応コードベクト
ルが時系列的に又は同時に適応コード選択器105に与
えられる。適応コード選択器105は、全ての適応コー
ドベクトルに対して声道パラメータを適用してそれぞれ
合成音声ベクトルに変換する。この際にも重み付け処理
を行なう。次に、得られた複数の合成音声ベクトルのそ
れぞれについて、ターゲット信号S10との各成分の差
分を得てその差分の2乗平均を得る。そして、このよう
な2乗平均が最小の適応コードベクトルを最適な適応コ
ードベクトルとして定め、最適コードベクトルのインデ
ックスを適応コード符号S4としてマルチプレクサ10
2に与える。
【0012】次に、統計コード符号S5の決定処理が行
なわれる。最適な適応コードベクトルS7を用いて生じ
る誤差を一段と小さくするため、統計コード符号S5の
出力も行なうようになされている。
【0013】最適な適応コードベクトルS7は、加算器
107を介して声道合成器104にそのまま与えられ
る。すなわち、このときには、統計コード選択器109
から統計コードベクトルは出力されていない。声道合成
器104は、最適な適応コードベクトルS7(S6)に
対する合成処理を行ない、ターゲット信号合成器103
は、得られた合成音声ベクトルS9に基づいてターゲッ
ト信号S10を更新する。このようなターゲット信号S
10が、統計コード選択器109に与えられる。
【0014】統計コード選択器109は、このターゲッ
ト信号S10をターゲットとして、統計コードブック1
08に格納されている複数の統計コードベクトルから最
適な統計コードベクトルS8を決定する。統計コードブ
ック108には、多くの音声信号に対して統計処理して
得られた統計コードベクトルが、それぞれインデックス
を付されて固定的に格納されており、全ての統計コード
ベクトルが時系列的に又は同時に統計コード選択器10
9に与えられる。統計コード選択器109は、全ての統
計コードベクトルに対して声道パラメータS2を適用し
てそれぞれ合成音声ベクトルに変換する。この際にも重
み付け処理を行なう。次に、得られた複数の合成音声ベ
クトルのそれぞれについて、ターゲット信号S10との
各成分の差分を得てその差分の2乗平均を得る。そし
て、このような2乗平均が最小の統計コードベクトルを
最適な統計コードベクトルS8として定め、最適統計コ
ードベクトルS8のインデックスを統計コード符号S5
としてマルチプレクサ102に与える。
【0015】最適な適応コードベクトルS7及び最適な
統計コードベクトルS8は、加算器107によって加算
されて、励振コードベクトルS6として声道合成器10
4及び適応コードブック106に与えられる。
【0016】声道合成器104は、これを次フレームで
利用する。適応コードブック106は、この励振コード
ベクトルS6を取込んで、この励振コードベクトルS6
を含めた最新の所定数のフレームの励振コードベクトル
の各成分から適応コードベクトルを形成し直す。
【0017】図3は、図2のコード励振線形予測符号化
器100に対応した従来のコード励振線形予測復号化器
200の機能ブロック構成を示すものである。
【0018】コード励振線形予測復号化器200は、デ
マルチプレクサ201、声道合成器202、適応コード
検索部203、統計コード検索部204、適応コードブ
ロック205、加算器206及び統計コードブック20
7から構成されている。
【0019】符号化音声信号S15(上述した信号S1
1に対応)は、デマルチプレクサ201に与えられる。
デマルチプレクサ201は、符号化音声信号S15を、
声道パラメータ符号S16、適応コード符号S17、統
計コード符号S18に分離し、それぞれ、声道合成器2
02、適応コード検索部203、統計コード検索部20
4に与える。
【0020】適応コード検索器203は、適応コード符
号(インデックス)S17に従って、直前数フレームの
励振コードベクトルに基づいて形成されて格納されてい
る複数の適応コードベクトルからそのインデックスに対
応した適応コードベクトルS19を取り出して加算器2
06に与える。他方、統計コード検索器204は、符号
化器100の統計コードブック108と同一内容の統計
コードブック207から、統計コード符号(インデック
ス)S18が指示する統計コードベクトルS20を取り
出して加算器206に与える。かくして、加算器206
からこのフレームでの励振コードベクトルS21が得ら
れ、これが声道合成器202及び適応コードブック20
5に与えられる。
【0021】声道合成器202は、声道パラメータ符号
S16を声道パラメータに復号し、与えられた励振コー
ドベクトルS21に対して声道パメータを用いて合成
し、入力音声ベクトルS1に対応した再生音声ベクトル
S22を得て出力する。
【0022】適応コードブック205は、符号化器10
0の適応コードブック106と同様な適応コードベクト
ルの更新処理を行ない、次フレームに備える。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、デジ
タル自動車電話等のように、低い符号化レートを要求す
るものがある。例えば、4kbps程度の符号化レート
の要求がある。しかしながら、上述した従来の符号化方
式は、低符号化レートを考慮したものであるが、実際
上、実現可能な符号化レートとしては6〜7kbpsが
限界であり、上述した要求を満たすことはできない。こ
れは、音声信号の全ての帯域を区別することなく、扱っ
ているため、低ビットレートにした場合に重要な帯域の
情報が軽減されて音声品質を低下させるためと考えられ
る。
【0024】そのため、低い符号化レートを実現するた
めには、新しい要素に着目した発明が必要である。
【0025】ところで、従来も帯域を考慮した符号化方
式は存在する。人間の音声は帯域の低域側のパワーが多
く高域側のパワーが少ない。この点に着目して低域側に
ビット数を多く高域側にビット数を少なく与えることに
より合計のビット数を削減する方法が、帯域分割ADP
CM等で用いられている。しかし、この方法は波形のパ
ワーのビット数削減であって、コード励振線形予測符号
化方式のようなパラメトリック符号化方式には適用でき
ず、仮に適用したとしても、声道予測パラメータやイン
デックス等のビット数の削減を行なうことができない。
【0026】なお、低符号化レートで高品質を得難いと
いう問題は、合成音声信号から声道パラメータを得るい
わゆるバックワード型のコード励振線形予測符号化器及
び復号化器についても同様に生じる。
【0027】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、低符号化レートであっても高品質を実現する
ことができるコード励振線形予測符号化器及び復号化器
を提供しようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明においては、コード励振線形予測符号
化器を以下の手段で構成した。
【0029】すなわち、入力音声信号を複数の帯域に分
割する帯域分割手段と、声道パラメータ予測器として瞬
時化最大エントロピー法を利用したものを内蔵する、分
割された各帯域毎に設けられた複数の帯域別フォワード
型コード励振線形予測符号化手段と、各帯域別コード励
振線形予測符号化手段からの符号化音声信号を多重して
出力する符号化音声信号を得る多重手段とで構成した。
【0030】また、第2の本発明においては、第1の本
発明に対応するコード励振線形予測復号化器を以下の手
段で構成した。
【0031】すなわち、入力された符号化音声信号を帯
域別の符号化音声信号に多重分離する多重分離手段と、
分離された各帯域別の符号化音声信号を復号化する複数
の帯域別フォワード型コード励振線形予測復号化手段
と、各帯域別コード励振線形予測復号化手段からの復号
化音声信号を合成する帯域合成手段とで構成した。
【0032】第3の本発明においては、コード励振線形
予測符号化器を以下の手段で構成した。
【0033】すなわち、入力音声信号を複数の帯域に分
割する帯域分割手段と、声道パラメータ予測器として瞬
時化最大エントロピー法を利用したものを内蔵する、分
割された各帯域毎に設けられた複数の帯域別バックワー
ド型コード励振線形予測符号化手段と、各帯域別コード
励振線形予測符号化手段からの符号化音声信号を多重し
て出力する符号化音声信号を得る多重手段とで構成し
た。
【0034】また、第4の本発明においては、第3の本
発明に対応するコード励振線形予測復号化器を以下の手
段で構成した。
【0035】すなわち、入力された符号化音声信号を帯
域別の符号化音声信号に多重分離する多重分離手段と、
声道パラメータ予測器として瞬時化最大エントロピー法
を利用したものを内蔵する、分離された各帯域別の符号
化音声信号を復号化する複数の帯域別バックワード型コ
ード励振線形予測復号化手段と、各帯域別コード励振線
形予測復号化手段からの復号化音声信号を合成する帯域
合成手段とで構成した。
【0036】
【作用】第1の本発明のコード励振線形予測符号化器に
おいて、帯域分割手段は入力音声信号を複数の帯域に分
割して帯域別のフォワード型コード励振線形予測符号化
手段に与える。帯域別の各コード励振線形予測符号化手
段は、声道パラメータ予測器として瞬時化最大エントロ
ピー法を利用したものを内蔵しており、割り当てられて
いる帯域の入力音声信号を符号化して多重手段に与え
る。多重手段は各帯域別コード励振線形予測符号化手段
からの符号化音声信号(声道パラメータ及びインデック
ス)を多重して最終的な符号化音声信号を得る。
【0037】また、第2の本発明のコード励振線形予測
復号化器において、多重分離手段は入力された符号化音
声信号を帯域別の符号化音声信号に多重分離して帯域別
のフォワード型コード励振線形予測復号化手段に与え
る。帯域別の各コード励振線形予測復号化手段は、割り
当てられている帯域の符号化音声信号を復号化して帯域
合成手段に与える。帯域合成手段は、帯域別の各コード
励振線形予測復号化手段からの復号化音声信号を合成し
て出力する。
【0038】第3の本発明のコード励振線形予測符号化
器において、帯域分割手段は入力音声信号を複数の帯域
に分割して帯域別のバックワード型コード励振線形予測
符号化手段に与える。帯域別の各コード励振線形予測符
号化手段は、声道パラメータ予測器として瞬時化最大エ
ントロピー法を利用したものを内蔵しており、割り当て
られている帯域の入力音声信号を符号化して多重手段に
与える。多重手段は各帯域別コード励振線形予測符号化
手段からの符号化音声信号(インデックス)を多重して
最終的な符号化音声信号を得る。
【0039】また、第4の本発明のコード励振線形予測
復号化器において、多重分離手段は入力された符号化音
声信号を帯域別の符号化音声信号に多重分離して帯域別
のバックワード型コード励振線形予測復号化手段に与え
る。帯域別の各コード励振線形予測復号化手段は、声道
パラメータ予測器として瞬時化最大エントロピー法を利
用したものを内蔵しており、割り当てられている帯域の
符号化音声信号を復号化して帯域合成手段に与える。帯
域合成手段は、帯域別の各コード励振線形予測復号化手
段からの復号化音声信号を合成して出力する。
【0040】ここで、帯域を分けて符号化及び復号化処
理するようにしたのは以下の理由による。音声は、低域
側では周波数の聴覚感度が高く高域側では低いという特
性を有する。従って、声道パラメータの分解能を低域側
で精度良く(高ビット)、高域側で粗く(低ビット)表
現すれば、品質をできるだけ低下させずに効果的にビッ
ト数を削減できる。そこで、本発明では帯域分割した後
に符号化を行なうこととした。
【0041】しかし、ビット数を低減した場合におい
て、高品質音声を実現するためには音声予測構成を従来
より高性能化しなければならない。瞬時化最大エントロ
ピー法は、予測を瞬時化することにより非定常な音声の
予測利得を向上できる。そこで、各帯域毎のコード励振
線形予測符号化手段又はコード励振線形予測復号化手段
(第4の本発明の場合)が内蔵する声道パラメータ予測
器として瞬時化最大エントロピー法を利用したものを適
用することとした。
【0042】すなわち、本発明は、符号化すべき入力音
声信号を複数の帯域に分割し、それぞれの帯域毎に、そ
の帯域の信号に対してコード励振線形予測音声符号化を
適用することにより、重要な帯域により多くの情報量を
割り当てることを可能とすることで、効果的に圧縮符号
化を行ない、また、分割された信号に対しても、追従性
の高い声道パラメータを求めるために瞬時化最大エント
ロピー法を用いることで、復号して得られる音声の品質
を向上しようとしたものである。
【0043】
【実施例】
(A)コード励振線形予測符号化器の第1実施例 まず、本発明によるコード励振線形予測符号化器の第1
実施例を図面を参照しながら詳述する。なお、この第1
実施例は、いわゆるフォワード型のコード励振線形予測
符号化器である。ここで、図1(A)は、この実施例の
全体構成を示すものであり、図4は、その低域用又は高
域用コード励振線形予測符号化部の詳細構成を示すもの
である。
【0044】入力音声信号S30は帯域分割器301に
入力される。帯域分割器301は、例えばミラーフィル
タから構成されており、入力音声信号S30を2個の周
波数帯域に分割する。例えば、音声信号のサンプリング
周波数が8kHzの場合には、0〜2kHzの帯域と2
〜4kHzの帯域とに分割する。分割されて得られた低
域音声信号S31は低域用コード励振線形予測符号化部
302に与えられ、分割されて得られた高域音声信号S
32は高域用コード励振線形予測符号化部303に与え
られる。
【0045】この実施例の場合、これら低域用及び高域
用コード励振線形予測符号化部302及び303は共に
図4に示すような構成を有するものであり、それぞれ、
低域音声信号S31、高域音声信号S32を低域符号化
音声信号S33、高域符号化音声信号S34に変換して
マルチプレクサ304に与える。なお、入力音声信号S
30の帯域を等分して各符号化器302、303に入力
しているが、低域符号化音声信号S33の方が高域符号
化音声信号S34よりビット数が多くなるように、各符
号化器302、303を構成している。
【0046】また、各符号化器302、303は、大き
くは、声道パラメータ予測器302a、303aと、励
振源選択器302b、303bと、マルチプレクサ30
2c、303cとからなっている。すなわち、各帯域の
音声信号から声道パラメータ予測器302a、303a
が声道パラメータを予測し、また、励振源選択器302
b、303bが各帯域の音声信号及びこの声道パラメー
タを用いて最適な励振源(この実施例の場合適応励振コ
ード及び統計励振コード)を選択し、マルチプレクサ3
02c、303cがこれら情報を多重して、各帯域の符
号化音声信号S33、S34を出力するものである。
【0047】ここで、声道パラメータ予測器302a、
303aとして瞬時化最大エントロピー法(文献2『”
瞬時化最大エントロピー法に基づく非定常過程のスペク
トル推定法”,瀧澤由美,電子情報通信学会誌A,Vol.
1,J73-A,No.6,pp.1083-1093,(1990)』及び特願平1−1
21871号明細書及び図面参照)を利用したものを採
用している。
【0048】マルチプレクサ304は、これら低域符号
化音声信号S33及び高域符号化音声信号S34を多重
して最終的な符号化音声信号S35を得て出力する。
【0049】ここで、音声信号を高帯域及び低帯域を分
けて符号化するようにしたのは、以下の理由による。低
符号化レートを期した場合、冗長な情報をできるだけ少
なくすることが求められる。ところで、音声は、低域側
では周波数の聴覚感度が高く高域側では周波数の聴覚感
度が低いという特徴を有する。そのため、冗長な情報を
排除して音声品質を高めるには、高域側に比べて低域側
で精度良く(高ビット)符号化することが好ましい。す
なわち、音声品質を考慮すると、音声信号の全帯域を一
律に取り扱うより低域と高域とを区別して取り扱うこと
が好ましく、そこで、上述のように、帯域別に符号化す
ることとした。
【0050】また、声道パラメータ予測器302a及び
303aに瞬時化最大エントロピー法(以下、IMEM
法と呼ぶ)を適用するようにしたのは、以下の理由によ
る。低符号化レートを期し、しかも、帯域毎にコード励
振線形予測符号化部302及び303を設けたので、各
符号化部302、303に割り当てられるビット数は少
なくなる。このように少ないビット数で高品質音声を実
現するためには各符号化部302、303は、従来の単
独のコード励振線形予測符号化器より高性能であること
が求められる。ところで、音声信号は極めて非定常性が
強い。しかし、従来の符号化器で用いられていた声道パ
ラメータ予測器は短時間の定常を仮定しているものであ
る。そのため、予測利得が不完全となる。従って、高性
能化が求められる帯域毎のコード励振線形予測符号化部
302、303には不向きである。上述したIMEM法
は、予測を瞬時化することによって非定常な音声の予測
利得の向上を実現することができる。そこで、IMEM
法に従う声道パラメータ予測器302a及び303aを
用いることとした。なお、IMEM法に従う声道パラメ
ータ予測器302a及び303aの詳細については後述
する。
【0051】次に、各帯域用のコード励振線形予測符号
化部400(302又は303)を図4を参照しながら
詳述する。
【0052】帯域分割された音声信号(デジタル信号)
は、所定サンプル数でなるフレームにまとめられて音声
ベクトルS41としてIMEM声道パラメータ予測器4
01(302a又は303a)に与えられる。IMEM
声道パラメータ予測器401は、図5に示す詳細構成を
有し、入力音声ベクトルS41に対してIMEM法に基
づいた分析を行ない、声道パラメータS42を得る。
【0053】ここで、IMEM声道パラメータ予測器4
01について説明する(詳しくは上述した文献2及び先
願参照)。IMEM声道パラメータ予測器401は、信
号積計算部501と、歪除去フィルタ502と、反射係
数計算部503と、予測係数計算部504とから構成さ
れている。
【0054】入力音声ベクトルS41は時系列信号x
(n)として信号積計算部501に与えられる。信号積
計算部501は信号x(n)とそれより時間(ラグ)τ
だけ前の信号x(n−τ)との信号積υ(τ,n)を求
めて歪除去フィルタ502に与える。歪除去フィルタ5
02は、信号積υ(τ,n)をフィルタリングして高周
波数成分(歪成分)を除去した瞬時共分散ψ(i,j;
n)(但しτ=j−iの関係がある)を得て反射係数計
算部503に与える。反射係数計算部503は、瞬時共
分散ψ(i,j;n)と予測係数計算部504から与え
られるm−1次の予測係数am-1,i (n)(iは予測係
数の何番目かを示す)とから反射係数γm(n)を得て
予測係数計算部504に与える。予測係数計算部504
は、m次の反射係数γm からm次の予測係数am,i
(n)を計算する。
【0055】このようにして得られた予測係数が、声道
伝達関数を表す声道予測パラメータS42となる。声道
パラメータS42は、量子化されて声道パラメータ符号
S43に変換されてマルチプレクサ402(302c又
は303c)に与えられる。マルチプレクサ402は、
声道パラメータ符号S43、後述する適応コード符号S
44、及び、後述する統計コード符号S45を多重して
符号化音声信号S51(S33又はS34)として上述
したマルチプレクサ304に出力する。
【0056】適応コード符号S44は、従来と同様に、
以下のような処理によって決定される。
【0057】声道合成器404には、直前フレームで決
定された励振コードベクトルS46が与えられており、
この励振コードベクトルS46に対して、現フレームの
声道パラメータS42を用いて合成し、合成音声ベクト
ルS49をターゲット信号合成器403に与える。ター
ゲット信号合成器403には、上述した入力音声ベクト
ルS41及び声道パラメータS42も与えられている。
ターゲット信号合成器403は、まず、入力音声ベクト
ルS41及び声道パラメータS42からLPC残差信号
を得た後、LPC残差信号から音声信号ベクトルを求
め、この際聴覚特性を考慮して重み付けを施す。次い
で、適応コード選択器405の処理の際に、直前フレー
ムの影響が生じるので、この影響分を合成音声ベクトル
S49及び声道パラメータS42から生成しておき、上
述のように求めた音声信号ベクトルから除去してターゲ
ット信号(ベクトル)S50とする。
【0058】ターゲット信号S50は適応コード選択器
405に与えられる。適応コード選択器405は、ター
ゲット信号S50をターゲットとして、適応コードブッ
ク406に格納されている候補の複数の適応コードベク
トルの中から最適な適応コードベクトルS47を決定す
る。適応コードブック406には、直前の複数フレーム
の励振コードベクトルS46に基づいて形成された複数
の適応コードベクトルが、それぞれインデックスを付さ
れて格納されている。適応コード選択器405は、全て
の適応コードベクトルに対して声道パラメータS42を
適用してそれぞれ合成音声ベクトルに変換する。次に、
得られた複数の合成音声ベクトルのそれぞれについて、
ターゲット信号S50との各成分の差分を得、聴覚特性
に応じた重み付けを施した後差分成分の2乗平均を得
る。そして、このような2乗平均が最小の適応コードベ
クトルを最適な適応コードベクトルとして定め、そのイ
ンデックスを適応コード符号S44としてマルチプレク
サ402に与える。
【0059】次に、統計コード符号S45の決定処理が
行なわれる。最適な適応コードベクトルS47は、加算
器407を介して声道合成器404にそのまま与えられ
る。声道合成器404は、最適な適応コードベクトルS
47(S46)に対する合成処理を行ない、ターゲット
信号合成器403は、得られた合成音声ベクトルS49
に基づいてターゲット信号S50を更新する。このよう
なターゲット信号S50が統計コード選択器409に与
えられる。
【0060】統計コード選択器409は、ターゲット信
号S50をターゲットとして、統計コードブック408
に格納されている複数の統計コードベクトルから最適な
統計コードベクトルS48を決定する。統計コードブッ
ク408には、多くの音声信号に対して統計処理して得
られた統計コードベクトルが、それぞれインデックスを
付されて固定的に格納されている。統計コード選択器4
09は、全ての統計コードベクトルに対して声道パラメ
ータS42を適用してそれぞれ合成音声ベクトルに変換
する。次に、得られた複数の合成音声ベクトルのそれぞ
れについて、ターゲット信号S50との各成分の差分を
得てその差分の2乗平均を得る。そして、2乗平均が最
小の統計コードベクトルを最適な統計コードベクトルS
48として定め、そのインデックスを統計コード符号S
45としてマルチプレクサ402に与える。
【0061】最適な適応コードベクトルS47及び最適
な統計コードベクトルS48は、加算器407によって
加算されて、励振コードベクトルS46として声道合成
器404及び適応コードブック406に与えられる。
【0062】声道合成器404は、このベクトルS46
を次フレームで利用する。適応コードブック406は、
このベクトルS46を取込んで適応コードベクトルを形
成し直す。
【0063】以上の選択動作で明らかなように、ターゲ
ット信号合成器403、声道合成器404、適応コード
選択器405、適応コードブック406、加算器40
7、統計コードブック408及び統計コード選択器40
9が上述した励振源選択器302b又は303bを構成
する。
【0064】なお、符号化部400内の各構成要素を、
デジタルシグナルプロセッサ(DSP)によって構成し
ても良く、また、非巡回型フィルタや巡回型フィルタを
用いた個別の演算回路によって構成しても良い。
【0065】低域用コード励振線形予測符号化部302
及び高域用コード励振線形予測符号化部303は共に、
図4に示す構成を有するものであるが、以下の点が異な
っている。用意しておく適応コードベクトル及び統計コ
ードベクトルの数が低域用コード励振線形予測符号化部
302の方が多い。予測係数(声道パラメータ)の総次
数が低域用コード励振線形予測符号化部302の方が多
い。これにより、聴覚特性上重要である低域に多くのビ
ット数を割いている。
【0066】従って、上記第1実施例のコード励振線形
予測符号化器によれば、帯域分割してそれぞれの音声信
号をIMEM法を用いてコード励振線形符号化し、各符
号化音声信号を多重して最終的な符号化音声信号を得る
ようにしたので、低符号化レートでも高品質を実現でき
る符号化音声信号を得ることができる。
【0067】(B)コード励振線形予測符号化器の第2
実施例 次に、本発明によるコード励振線形予測符号化器の第2
実施例を図面を参照しながら詳述する。なお、この実施
例は、いわゆるバックワード型のコード励振線形予測符
号化器である。ここで、図6(A)が、この実施例の全
体構成を示すものであり、図7は、その低域用又は高域
用コード励振線形予測符号化部の詳細構成を示すもので
ある。
【0068】入力音声信号S60は帯域分割器601に
入力される。帯域分割器601は、例えばミラーフィル
タから構成されており、入力音声信号S60を2個の周
波数帯域に分割する。例えば、音声信号のサンプリング
周波数が8kHzの場合には、0〜2kHzの帯域と2
〜4kHzの帯域とに分割する。分割されて得られた低
域音声信号S61は低域用コード励振線形予測符号化部
602に与えられ、分割されて得られた高域音声信号S
62は高域用コード励振線形予測符号化部603に与え
られる。
【0069】この第2実施例の場合、これら低域用及び
高域用コード励振線形予測符号化部602及び603は
共に図7に示すようなバックワード型の構成を有するも
のであり、それぞれ、低域音声信号S61、高域音声信
号S62を低域符号化音声信号S63、高域符号化音声
信号S64に変換してマルチプレクサ604に与える。
マルチプレクサ604は、これら符号化音声信号S63
及びS64を多重して最終的な符号化音声信号S65を
得て出力する。なお、入力音声信号S60の帯域を等分
して各符号化器602、603に入力しているが、低域
符号化音声信号S63の方が高域符号化音声信号S64
よりビット数が多くなるように、各符号化器602、6
03を構成している。
【0070】また、各符号化器602、603は、大き
くは、声道パラメータ予測器602a、603aと、励
振源選択器602b、603bとからなっている。すな
わち、各帯域の過去の合成音声信号から声道パラメータ
予測器602a、603aが声道パラメータを予測し、
また、励振源選択器602b、603bが各帯域の入力
音声信号及びこの声道パラメータを用いて最適な励振源
(適応励振コード及び又は統計励振コード)を選択して
そのインデックスを符号化音声信号S63、S64とし
てマルチプレクサ604に与える。
【0071】この第2実施例でも、声道パラメータ予測
器602a、603aとしてIMEM法を利用したもの
を採用している。採用理由は、上記第1実施例と同様で
ある。なお、バックワード型の方が過去の合成音声信号
を利用して声道パラメータを得ている分品質低下が起こ
り易いので、IMEM法を適用する利点はこの意味から
も存在する。
【0072】各帯域のコード励振線形予測符号化部70
0(602又は603)について、図7のブロック図を
参照して説明する。
【0073】図7において、この符号化部700から出
力される情報は、励振コードブック701に格納されて
いるいずれかの励振コード(最適励振コード)ベクトル
のインデックスだけである。このような最適なインデッ
クスは、以下のように決定される。
【0074】励振コードブック701に格納されている
励振コードベクトルは、ゲインコードと波形形状コード
とからなっており、最適な励振コードの探索時には、格
納されている各励振コードベクトルが候補として時間順
次に(又は同時に)出力される。この際には、波形形状
コードがゲインコードが指示しているゲインでゲイン処
理されて出力される。
【0075】このようにして励振コードブック701か
ら出力された候補としての励振コードベクトルS71は
ゲイン回路702に与えられ、このゲイン回路702に
よって所定倍されて加算器703に与えられる。ゲイン
回路702はゲイン係数可変形のものであり、ゲイン係
数適応回路704によってゲイン係数が変更される。ゲ
イン係数適応回路704は、過去のゲイン係数列から線
形予測分析(LPC分析)してゲイン係数を予測してゲ
イン回路702に与える。
【0076】加算器703には声道合成器705からの
出力ベクトルS73も与えられており、ゲイン回路70
2からの候補の励振コードベクトルS72と声道合成器
705からの出力ベクトルS73とを加算し、その候補
の励振コードベクトルを用いた場合の局部再生の合成音
声ベクトルS74を得て減算器706に与える。
【0077】声道合成器705が用いる声道パラメータ
S75は声道パラメータ予測器707から与えられる。
声道合成器705は、過去の最適励振コードベクトルに
対する局部再生の合成音声ベクトルに対して、声道パラ
メータ予測器707から与えられた声道パラメータS7
5を適用して予測合成処理を行ない、その出力ベクトル
S74を上述したように加算器703に与える。声道パ
ラメータ予測器707は、上述したIMEM法に従うも
のであり、過去の最適励振コードベクトルに対する再生
合成音声ベクトルから声道パラメータS75を得て声道
合成器705に与える。
【0078】上述した減算器706には、帯域分割され
た入力音声ベクトルS76(S61又はS62)も与え
られており、減算器706は、入力音声ベクトルS76
から候補の励振コードベクトルを用いた場合の局部再生
の合成音声ベクトルS74を減算し、得られた差分ベク
トルS77を知覚重み付けフィルタ回路708を介し
て、知覚(聴覚)特性に応じた重み付けを行なった後、
最小2乗誤差検出回路709に与える。このようにして
最適励振コードベクトルの探索時においては、最小2乗
誤差検出回路709に、全ての励振コードベクトルにつ
いての重み付け処理後の差分ベクトルS78が与えられ
る。
【0079】最小2乗誤差検出回路709は、各差分ベ
クトルについてその成分の2乗和を計算し、2乗和が最
小となる差分ベクトルに対応する励振コードベクトルを
最適な励振コードベクトルとして検出してそのインデッ
クスS79を励振コードブック701に与える。
【0080】これにより、励振コードブック701は、
上述したように最適なインデックスS79を符号化音声
信号(S63又はS64)としてマルチプレクサ604
に出力する。また、励振コードブック701は、検出さ
れた最適な励振コードベクトルを再度ゲイン回路702
側に出力して、ゲイン係数の更新や声道パラメータの更
新や次のフレーム処理時にその励振コードベクトルにつ
いての局部再生の合成音声ベクトルを利用できるように
しておく。
【0081】従って、上記第2実施例のコード励振線形
予測符号化器によっても、帯域分割してそれぞれの音声
信号をIMEM法を用いてコード励振線形符号化し、各
符号化音声信号を多重して最終的な符号化音声信号を得
るようにしたので、低符号化レートでも高品質を実現で
きる符号化音声信号を得ることができる。
【0082】(C)コード励振線形予測復号化器の第1
実施例 次に、本発明によるコード励振線形予測復号化器の第1
実施例を図面を参照しながら詳述する。なお、この第1
実施例は上述した符号化器の第1実施例に対応するもの
である。ここで、図1(B)はこの実施例の全体構成を
示すものであり、図8はその低域用又は高域用コード励
振線形予測復号化部の詳細構成を示すものである。
【0083】入力された符号化音声信号S80(S3
5)はデマルチプレクサ351に与えられる。デマルチ
プレクサ351は、この符号化音声信号S80を低域及
び高域の符号化音声信号S81及びS82に分離し、そ
れぞれ低域用コード励振線形予測復号化部352及び高
域用コード励振線形予測復号化部353に与える。
【0084】この第1実施例の場合、これら低域用及び
高域用コード励振線形予測復号化部352及び353は
共に図8に示すような構成を有するものであり、それぞ
れ、低域符号化音声信号S81、符号化高域音声信号S
82から低域音声信号S83、高域音声信号S84を復
元して逆帯域分割器354に与える。
【0085】逆帯域分割器354は、復元された低域音
声信号S83及び高域音声信号S84を多重して最終的
な再生音声信号S85を得て出力する。
【0086】次に、各帯域用のコード励振線形予測復号
化部800(352又は353)を図8を参照しながら
詳述する。
【0087】各帯域の符号化音声信号S90は、デマル
チプレクサ801に与えられる。デマルチプレクサ80
1は、符号化音声信号S90を、声道パラメータ符号S
91、適応コード符号S92、統計コード符号S93に
分離し、それぞれ、声道合成器802、適応コード検索
部803、統計コード検索部804に与える。
【0088】適応コード検索器803は、適応コード符
号(インデックス)S92に従って、直前数フレームの
励振コードベクトルに基づいて形成されて適応コードブ
ック805に格納されている複数の適応コードベクトル
からそのインデックスに対応した適応コードベクトルS
94を取り出して加算器806に与える。他方、統計コ
ード検索器804は、符号化部400の統計コードブッ
ク408と同一内容の統計コードブック807から、統
計コード符号(インデックス)S93が指示する統計コ
ードベクトルS95を取り出して加算器806に与え
る。かくして、加算器806からこのフレームでの励振
コードベクトルS96が得られ、これが声道合成器80
2及び適応コードブック805に与えられる。
【0089】声道合成器802は、声道パラメータ符号
S66を声道パラメータに復号し、与えられた励振コー
ドベクトルS71に対してこの声道パメータを用いて合
成し、この帯域の再生音声ベクトルS72を得て上述し
た逆帯域分割器354に出力する。
【0090】適応コードブック805は、符号化部40
0の適応コードブック406と同様な適応コードベクト
ルの更新処理を行ない、次フレームに備える。
【0091】なお、復号化部800内の各構成要素を、
デジタルシグナルプロセッサ(DSP)によって構成し
ても良く、また、非巡回型フィルタや巡回型フィルタを
用いた個別の演算回路によって構成しても良い。
【0092】従って、この第1実施例のコード励振線形
予測復号化器によれば、上記第1実施例のフォワード型
コード励振線形予測符号化器によって符号化された符号
化音声信号を適切に再生することができ、低符号化レー
トでも高品質の再生音声信号を得ることができる。
【0093】(D)コード励振線形予測復号化器の第2
実施例 次に、本発明によるコード励振線形予測復号化器の第2
実施例を図面を参照しながら詳述する。なお、この第2
実施例は上述した符号化器の第2実施例に対応するもの
である。ここで、図6(B)はこの実施例の全体構成を
示すものであり、図9はその低域用又は高域用コード励
振線形予測復号化部の詳細構成を示すものである。
【0094】入力された符号化音声信号S100(S6
5)はデマルチプレクサ651に与えられる。デマルチ
プレクサ651は、この符号化音声信号S100を低域
及び高域の符号化音声信号S101及びS102に分離
し、それぞれバックワード型の低域用コード励振線形予
測復号化部652及び高域用コード励振線形予測復号化
部653に与える。
【0095】この実施例の場合、これら低域用及び高域
用コード励振線形予測復号化部652及び653は共に
図9に示すような構成を有するものであり、それぞれ、
低域符号化音声信号S101、符号化高域音声信号S1
02から低域音声信号S103、高域音声信号S104
を復元して逆帯域分割器654に与える。
【0096】逆帯域分割器654は、復元された低域音
声信号S103及び高域音声信号S104を多重して最
終的な再生音声信号S105を得て出力する。
【0097】各復号化部652、653は、大きくは、
声道パラメータ予測器652a、653aと、励振源検
索器652b、653bとからなっている。すなわち、
各帯域の過去の合成音声信号から声道パラメータ予測器
652a、653aが声道パラメータを予測し、また、
励振源検索器652b、653bが各帯域の符号化音声
信号(インデックス)から最適な励振源(適応励振コー
ド及び又は統計励振コード)を選択し、これに声道パラ
メータを適用して各帯域の復号化音声信号S103、S
104を出力するものである。
【0098】この第2実施例でも、声道パラメータ予測
器652a、653aとしてIMEM法を利用したもの
を採用している。これは符号化部の構成に対応するため
である。
【0099】次に、各帯域のコード励振線形予測復号化
部900(652又は653)の構成を図9を参照しな
がら詳述する。帯域別に分けられたインデックスS11
0(S101又はS102)は、励振コードブック90
1に与えられる。励振コードブック901は、そのイン
デックスS110が指示する励振コードベクトルS11
1をゲイン回路902に出力される。ゲイン回路902
は、ゲイン係数適応回路903が過去のゲイン係数列か
ら線形予測分析して得たゲイン係数を用いて、この励振
コードベクトルS111の各成分を所定倍してゲイン係
数適応回路903及び加算器904に与える。ゲイン係
数適応回路903は、このゲイン処理後の励振コードベ
クトルS112のゲインをゲイン係数の更新のために取
込む。声道合成器905は、IMEM法に従う声道パラ
メータ予測器906から与えられた声道パラメータS1
13を用いて、過去の再生された合成音声ベクトルS1
14列に対して予測合成処理を行ない、その出力ベクト
ルS115を加算器904に与える。加算器904は、
ゲイン回路902からのベクトルS112と声道合成器
905からのベクトルS115を加算することで、再生
合成ベクトルS114(S103又はS104)を得て
上述した逆帯域分割器654に出力すると共に、声道パ
ラメータ予測器906に与える。声道パラメータ予測器
906は、この再生合成ベクトルS114を以降の声道
パラメータの予測に用いる。
【0100】従って、この第2実施例のコード励振線形
予測復号化器によれば、上記第2実施例のバックワード
型コード励振線形予測符号化器によって符号化された符
号化音声信号を適切に再生することができ、低符号化レ
ートでも高品質の再生音声信号を得ることができる。
【0101】(E)他の実施例 なお、上記実施例では、入力音声信号の帯域を2分割す
るものを示したが、分割数はこれに限定されるものでは
ない。例えば、0〜1000Hz、1000〜2000
Hz、2000〜3000Hz及び3000〜4000
Hzのように4分割するようにしても良い。
【0102】また、上記符号化器及び複号化器の第1実
施例では、コードブックとして適応コードブック及び統
計コードブックの双方を有するものを示したが、少なく
とも統計コードブックを備えていれば良い。
【0103】さらに、符号化器の第1実施例について、
各帯域用のコード励振線形予測符号化部302、303
内のマルチプレクサ302c、303cと、各帯域用の
コード励振線形予測符号化部302、303からの帯域
別符号化音声信号を多重するマルチプレクサ304とを
1個にまとめるようにしても良い。
【0104】また、第2実施例のバックワード型の符号
化部及び復号化部に適応コードブックを用いる場合、最
適励振コードベクトルを補間回路を介して補間して適応
コードブックに与え、適応コードブックから取り出した
適応コードベクトルを間引き回路を介して間引いて次の
回路に与えるようにしても良い。
【0105】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、音声信
号を複数の帯域に分けてそれぞれコード励振線形予測符
号化すると共に、声道パラメータ予測器に瞬時化最大エ
ントロピー法に従うものを用いるようにしたので、低符
号化レートであっても高品質を実現することができるコ
ード励振線形予測符号化器及びコード励振線形予測復号
化器を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のコード励振線形予測符号化器及び
復号化器を示すブロック図であり、図1(A)が符号化
器の構成を示し、図1(B)が復号化器の構成を示して
いる。
【図2】従来のコード励振線形予測符号化器を示すブロ
ック図である。
【図3】従来のコード励振線形予測復号化器を示すブロ
ック図である。
【図4】第1実施例の各帯域用のコード励振線形予測符
号化部の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】瞬時化最大エントロピー法を用いた声道パラメ
ータ予測器の構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施例のコード励振線形予測符号化器及び
復号化器を示すブロック図であり、図6(A)が符号化
器の構成を示し、図6(B)が復号化器の構成を示して
いる。
【図7】第2実施例の各帯域用のコード励振線形予測符
号化部の詳細構成を示すブロック図である。
【図8】第1実施例の各帯域用のコード励振線形予測復
号化部の詳細構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施例の各帯域用のコード励振線形予測復
号化部の詳細構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
301…帯域分割器、302…低域用コード励振線形予
測符号化部、303…高域用コード励振線形予測符号化
部、302a、303a…瞬時化最大エントロピー法を
用いた声道パラメータ予測器、304…マルチプレク
サ、351…デマルチプレクサ、352…低域用コード
励振線形予測復号化部、353…高域用コード励振線形
予測復号化部、354…逆帯域分割器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音声信号を複数の帯域に分割する帯
    域分割手段と、 声道パラメータ予測器として瞬時化最大エントロピー法
    を利用したものを内蔵する、分割された各帯域毎に設け
    られた複数の帯域別フォワード型コード励振線形予測符
    号化手段と、 上記各帯域別コード励振線形予測符号化手段からの符号
    化音声信号を多重して、出力する符号化音声信号を得る
    多重手段とからなることを特徴とするコード励振線形予
    測符号化器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコード励振線形予測符
    号化器が出力した符号化音声信号を復号化するコード励
    振線形予測復号化器において、 入力された符号化音声信号を帯域別の符号化音声信号に
    多重分離する多重分離手段と、 分離された各帯域別の符号化音声信号を復号化する複数
    の帯域別フォワード型コード励振線形予測復号化手段
    と、 上記各帯域別コード励振線形予測復号化手段からの復号
    化音声信号を合成する帯域合成手段とからなることを特
    徴とするコード励振線形予測復号化器。
  3. 【請求項3】 入力音声信号を複数の帯域に分割する帯
    域分割手段と、 声道パラメータ予測器として瞬時化最大エントロピー法
    を利用したものを内蔵する、分割された各帯域毎に設け
    られた複数の帯域別バックワード型コード励振線形予測
    符号化手段と、 上記各帯域別コード励振線形予測符号化手段からの符号
    化音声信号を多重して、出力する符号化音声信号を得る
    多重手段とからなることを特徴とするコード励振線形予
    測符号化器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のコード励振線形予測符
    号化器が出力した符号化音声信号を復号化するコード励
    振線形予測復号化器において、 入力された符号化音声信号を帯域別の符号化音声信号に
    多重分離する多重分離手段と、 声道パラメータ予測器として瞬時化最大エントロピー法
    を利用したものを内蔵する、分離された各帯域別の符号
    化音声信号を復号化する複数の帯域別バックワード型コ
    ード励振線形予測復号化手段と、 上記各帯域別コード励振線形予測復号化手段からの復号
    化音声信号を合成する帯域合成手段とからなることを特
    徴とするコード励振線形予測復号化器。
JP3062906A 1991-03-27 1991-03-27 コード励振線形予測符号化器及び復号化器 Pending JPH05265492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3062906A JPH05265492A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 コード励振線形予測符号化器及び復号化器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3062906A JPH05265492A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 コード励振線形予測符号化器及び復号化器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05265492A true JPH05265492A (ja) 1993-10-15

Family

ID=13213768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3062906A Pending JPH05265492A (ja) 1991-03-27 1991-03-27 コード励振線形予測符号化器及び復号化器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05265492A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999066497A1 (fr) * 1998-06-15 1999-12-23 Nec Corporation Codeur et decodeur de signaux musicaux/vocaux
JP2001525079A (ja) * 1997-05-15 2001-12-04 ヒューレット・パッカード・カンパニー 音声符号化システム及び方法
JP2003228399A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 符号化装置、復号化装置および音響データ配信システム
JP2008502022A (ja) * 2004-06-08 2008-01-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオ符号化

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001525079A (ja) * 1997-05-15 2001-12-04 ヒューレット・パッカード・カンパニー 音声符号化システム及び方法
WO1999066497A1 (fr) * 1998-06-15 1999-12-23 Nec Corporation Codeur et decodeur de signaux musicaux/vocaux
US6865534B1 (en) 1998-06-15 2005-03-08 Nec Corporation Speech and music signal coder/decoder
JP2003228399A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 符号化装置、復号化装置および音響データ配信システム
JP2008502022A (ja) * 2004-06-08 2008-01-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオ符号化

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101363793B1 (ko) 부호화 장치, 복호 장치 및 그 방법
JP4662673B2 (ja) 広帯域音声及びオーディオ信号復号器における利得平滑化
CA2524243C (en) Speech coding apparatus including enhancement layer performing long term prediction
EP1764923B1 (en) Multi-channel signal encoding method, decoding method, device thereof, program, and recording medium thereof
EP1262956A2 (en) Signal encoding method and apparatus
JP4583093B2 (ja) ビット率拡張音声符号化及び復号化装置とその方法
TWI547941B (zh) A sound decoding apparatus, a speech coding apparatus, a voice decoding method, a speech coding method, a speech decoding program, and a speech coding program
JP5340261B2 (ja) ステレオ信号符号化装置、ステレオ信号復号装置およびこれらの方法
KR20090117890A (ko) 부호화 장치 및 부호화 방법
CA2091754C (en) Method of, and system for, coding analogue signals
JPH06250697A (ja) 音声符号化方法及び音声符号化装置並びに音声復号化方法及び音声復号化装置
US5926785A (en) Speech encoding method and apparatus including a codebook storing a plurality of code vectors for encoding a speech signal
JP3765171B2 (ja) 音声符号化復号方式
CA2440820A1 (en) Sound encoding apparatus and method, and sound decoding apparatus and method
JP5313967B2 (ja) ビット率拡張音声符号化及び復号化装置とその方法
JPH09319398A (ja) 信号符号化装置
JP3888097B2 (ja) ピッチ周期探索範囲設定装置、ピッチ周期探索装置、復号化適応音源ベクトル生成装置、音声符号化装置、音声復号化装置、音声信号送信装置、音声信号受信装置、移動局装置、及び基地局装置
JPH05265492A (ja) コード励振線形予測符号化器及び復号化器
JP2008139447A (ja) 音声符号化装置及び音声復号装置
JP4578145B2 (ja) 音声符号化装置、音声復号化装置及びこれらの方法
JPH09127987A (ja) 信号符号化方法及び装置
EP0405548B1 (en) System for speech coding and apparatus for the same
JP3088204B2 (ja) コード励振線形予測符号化装置及び復号化装置
JP2001147700A (ja) 音声信号の後処理方法および装置並びにプログラムを記録した記録媒体
JPH04301900A (ja) 音声符号化装置