JPH05264777A - 減速材中硼酸濃度評価方法 - Google Patents

減速材中硼酸濃度評価方法

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JPH05264777A
JPH05264777A JP4063846A JP6384692A JPH05264777A JP H05264777 A JPH05264777 A JP H05264777A JP 4063846 A JP4063846 A JP 4063846A JP 6384692 A JP6384692 A JP 6384692A JP H05264777 A JPH05264777 A JP H05264777A
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JP
Japan
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concentration
boric acid
poison
moderator
amount
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Application number
JP4063846A
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English (en)
Inventor
Yoshitake Shiratori
芳武 白鳥
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Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
Original Assignee
Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉の減速材中の硼酸濃度を安価、正確、
かつ迅速に知ることができる減速材中硼酸濃度評価方法
を得る。 【構成】 ポイズン溶解槽35は原子炉31の減速材た
る重水中にポイズンを注入し、ポイズン除去塔36は重
水中のポイズンを強塩基性陰イオン交換樹脂により吸着
し、重水浄化塔37は重水中の不純物を弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂により吸着する。重水中のポイズン濃度と制
御棒位置により核分裂反応を制御する。炉心での中性子
吸収によるポイズン燃焼に伴うポイズン濃度の低下量
と、ポイズン溶解槽35からの注入によるポイズン濃度
の増加量と、ポイズン除去塔36における吸着に伴うポ
イズン濃度の低下量とを求めるとともに、重水浄化塔3
7内の弱塩基性陰イオン交換樹脂中のポイズン吸着に寄
与する強塩基性陰イオン交換樹脂成分の量を求めてこれ
による吸着に伴うポイズン濃度の低下量を求め、これら
の各変化量を考慮して原子炉内のポイズン濃度を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉の運転に係わり、
特に重水炉等における減速材中に含まれる硼酸の濃度を
得るための減速材中硼酸濃度評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子炉には、減速材として重水
を使用する重水炉、減速材として軽水を使用する軽水
炉、あるいは減速材を用いない高速増殖炉等の種類があ
る。この減速材とは、一般に、重水炉や軽水炉等の熱中
性子炉において核分裂で生じた高速中性子を熱エネルギ
の程度まで減速して燃料に吸収されやすくするために用
いる物質であり、上記した重水や軽水等が用いられる。
【0003】重水炉の代表的なものとしては、例えば新
型転換炉(ATR:Advanced Thermal Reactor) やキャ
ンドゥー炉(CANDO:Canadian Deutrium Uranium
Reactor)等の種類があり、また、軽水炉としては加圧水
炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水炉
(BWR:Boiling Water Reactor)等の種類がある。
【0004】一般に、原子炉においては、炉心の核分裂
反応度を制御するのにいわゆる制御棒を用いるようにな
っているが、上記した重水炉や軽水炉においては、制御
棒の他、減速材中に熱中性子吸収用のボロン(B:硼
素)を溶解させ、その濃度により補助的に反応度の制御
を行うようになっている。
【0005】以下、その具体例として、新型転換炉の原
型炉である「ふげん」の構造及びその反応度制御につき
簡単に説明する。
【0006】図8は、新型転換炉「ふげん」の原子炉断
面を表したものである。この図に示すように、カランド
リアタンク11は減速材15で満たされ、この中に22
4チャネルのカランドリア管12が設けられている。各
カランドリア管12には、図9に示すように、圧力管1
3が所定の隙間をもって同心状に間隔挿入されている。
この隙間には熱遮蔽用の炭酸ガスが封入されている。圧
力管13内には、多数の燃料棒からなる燃料集合体14
が挿入され、燃料棒間を冷却材16が流れるようになっ
ている。冷却材16としては軽水が用いられ、核分裂に
より発生した熱エネルギを外部に取り出してタービンを
回すのに用いられるとともに、炉心を冷却する役割を果
たすようになっている。
【0007】減速材15としては、熱中性子吸収材(以
下、ポイズンと呼ぶ)であるボロンを溶かし込んだ重水
が用いられる。なお、天然ボロンは約20%を占める10
Bと約80%を占める同位体11Bからなる。11Bは中性
子を吸収しないので、上記ATRにおいては、ポイズン
として、10Bが90%を占める濃縮ボロンを使用する。
但し、ボロンは、硼酸(B2 3 )の形で濃縮されたも
のを使用する。
【0008】減速材15中のポイズン濃度は、図示しな
いポイズン注入塔、ポイズン除去塔等により調整される
ようになっている。
【0009】制御棒18は、原子炉の起動、停止、出力
制御を行うためのもので、その内部には通常天然の硼酸
の粉末が詰め込まれている。この制御棒15は、図示し
ない挿入位置制御装置により、各カランドリア管12の
間の減速材15中に抜き差し自在に微小制御できるよう
になっている。
【0010】このような構造を有する「ふげん」の核分
裂反応度制御は、以下に示すような2つの方法を併用し
て行われる。
【0011】その第1の方法は制御棒の挿入量の制御に
よる方法である。原子炉停止時においては、制御棒18
は燃料集合体の間(各カランドリア管の間)に全挿入さ
れている。これを徐々に引き抜いていくと、核分裂の連
鎖反応が始まり、発生した中性子がさらに次の核分裂を
引き起こすことにより、連鎖反応が持続的に行われる。
【0012】制御棒18をさらに引き抜くと、制御棒内
のボロンによる中性子の吸収量が少なくなるため、核分
裂反応が増大し、出力が上昇する。そして、出力が所定
レベルとなるように挿入量を調整する。また、万一、出
力が異常となった場合には、制御棒をすべて挿入するこ
とにより核分裂反応を停止させることができる。従っ
て、制御棒によればその挿入量により反応度制御を迅速
に行うことができる。
【0013】このように、第1の方法は、原子炉起動時
の出力制御や定格運転時の自動制御等の主に短期の反応
度制御に用いられる。
【0014】第2の方法は、減速材中に溶解したポイズ
ンの濃度調整による方法である。すなわち、ポイズン濃
度を高くすれば中性子の吸収量が多くなって核分裂反応
が抑制される一方、ポイズン濃度を低くすれば反応が助
長される。そして、第2の方法は、主に燃料の燃焼に必
要な余剰反応度の制御のように、比較的長期の反応度制
御に用いられる。また、原子炉出力レベルの変更時の制
御等に用いられることもある。
【0015】原子炉起動時において、出力が約40%に
達するまでは、制御棒を微小量ずつ引き抜くことにより
出力を徐々に上昇させる。
【0016】タービンの起動は約20%出力の時点で行
われ、発電が開始される。運転開始から約40%出力時
点までは各種の外乱等を考慮する必要があるため、応答
性のよい制御棒による制御が行われる。
【0017】出力が約40%に達した後は、制御棒は必
要最小限の挿入量を残して引き抜かれ、これに代わって
ポイズンが制御の主体となる。そして、これ以降はポイ
ズン濃度を徐々に低くすることにより出力を上昇させて
いく。そして、出力が100%になって、一定時間経過
した後、制御棒による自動出力制御を行う。
【0018】定格運転中は、ポイズンの燃焼によりポイ
ズン濃度が徐々に低下する。ここに、ポイズンの燃焼と
は、次の(1)式に示すように、ポイズンが、核分裂に
より生まれた中性子(n)を吸収してリチウム( 7
i)とヘリウム(α線)に変化することをいう。
【0019】 10B+n= 7Li+α ……(1) ポイズンの燃焼によりポイズン濃度が減少し中性子の吸
収量が減少するため、結果として正の反応度の投入にな
るが、その変化は極めて緩やかなものである。ここに、
正の反応度の投入とは、ポイズンの除去または燃焼、あ
るいは制御棒を抜くことにより核分裂反応を促進するこ
とをいう。反対に、負の反応度の投入とは、燃料の燃焼
による発生中性子の減少、あるいはポイズン濃度を高く
するか制御棒を挿入することにより核分裂反応を抑制す
ることをいう。
【0020】実際には、このようなポイズンの燃焼によ
る正の反応度投入を補償するため、後述するように、定
格運転中も制御棒位置の微小制御が必要となる。
【0021】以上のように、原子炉の核分裂反応度の制
御は、制御棒とポイズン濃度の相補的な制御により行わ
れるため、運転管理上、ポイズン濃度を正確に把握して
管理するのは重要である。また、炉心寿命の評価や最大
過剰反応度の評価のためにも濃度の正確な把握は必要不
可欠である。
【0022】このようなポイズン濃度の測定は、従来、
同位体希釈による質量分析法やプラズマ分光法等の物理
化学的方法により行われていた。これらの方法によれ
ば、表1に示すように、約0.1ppmの精度でポイズ
ン濃度の測定が可能であった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は以下のような欠点を有していた。すなわち、次
の表1に示すように、同位体希釈による質量分析法で
は、10Bと11Bの分離測定は可能であるが、放射能の除
去という前処理が必要なため約2週間という長期間を要
し、また、測定に多大の手間と費用がかかっていた。
【0024】
【表1】 一方、プラズマ分光法では、測定の所要時間は約2時間
と比較的短く費用もかからないが、10Bと11Bの合計の
全ボロンの濃度しか測定できず、10Bの濃度のみを分離
測定できなかった。
【0025】従って、これらの方法では、本来要求され
る精度と迅速性を共に満たすことができないという問題
があった。
【0026】この発明は、かかる課題を解決するために
なされたもので、減速材中の硼酸濃度を安価、正確、か
つ迅速に知ることができる減速材中硼酸濃度評価方法を
得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る減速材中硼酸濃度評価方法は、減速材中に中性子吸収
用の硼酸を溶解して、この硼酸濃度と制御棒位置により
核分裂反応を制御する原子炉において、炉心での中性子
吸収による硼酸の燃焼に伴う減速材中硼酸濃度の低下量
と、硼酸の注入による減速材中硼酸濃度の増加量と、硼
酸の除去による減速材中硼酸濃度の低下量とを求め、こ
れらの各変化量を考慮して原子炉内の減速材中硼酸濃度
を求めるようにしたものである。
【0028】請求項2記載の発明に係る減速材中硼酸濃
度評価方法は、減速材中に硼酸を注入する硼酸溶解槽
と、減速材中の硼酸を強塩基性陰イオン交換樹脂により
吸着する硼酸除去塔と、減速材中の不純物を弱塩基性陰
イオン交換樹脂により吸着する減速材浄化塔とを有し、
減速材中の硼酸濃度と制御棒位置により核分裂反応を制
御する原子炉において、炉心での中性子吸収による硼酸
の燃焼に伴う減速材中硼酸濃度の低下量と、硼酸溶解槽
からの硼酸注入による減速材中硼酸濃度の増加量と、硼
酸除去塔における硼酸吸着に伴う減速材中硼酸濃度の低
下量とを求めるとともに、減速材浄化塔内の弱塩基性陰
イオン交換樹脂中の硼酸吸着に寄与する強塩基性陰イオ
ン交換樹脂成分の量を求めてこれによる硼酸吸着に伴う
減速材中硼酸濃度の低下量を求め、これらの各変化量を
考慮して原子炉内の減速材中硼酸濃度を求めるようにし
たものである。
【0029】
【作用】請求項1記載の発明に係る減速材中硼酸濃度評
価方法では、硼酸の燃焼、硼酸の注入、及び硼酸の除去
による硼酸濃度の変化量を求め、これらを基に原子炉内
の減速材中硼酸濃度が求められる。
【0030】請求項2記載の発明に係る減速材中硼酸濃
度評価方法では、硼酸の燃焼、硼酸の注入、及び硼酸の
除去による硼酸濃度の変化量のほかに、減速材浄化塔内
の推定強塩基性陰イオン交換樹脂成分の量から求めた硼
酸濃度の変化量を求め、これらを基に、原子炉内の減速
材中硼酸濃度が求められる。
【0031】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
【0032】図1は、本発明の一実施例における減速材
中硼酸濃度評価方法を適用するための原子炉及び重水処
理システムを表したものであり、例えば新型転換原型炉
「ふげん」等が対象となる。
【0033】この図で、原子炉31は図8に示したよう
な構造を有し、減速材として重水を用いている。この重
水は、原子炉31のカランドリアタンク(図8)内で核
反応の影響により約60〜約62℃程度まで温められる
と原子炉31から流出し、一旦重水ダンプタンク32に
溜められる。その後、重水循環ポンプ33により重水冷
却器34に送られ、約49℃程度まで冷却されたのち、
再び原子炉31に戻るようになっている。
【0034】このシステムでは、上記した重水ループに
付随してポイズン溶解槽35、ポイズン除去塔36、及
び重水浄化塔37が設けられている。重水冷却器34か
ら流出する重水の流量は約1320m3 /hであるが、
このうち約20m3 /hは、それぞれバルブ38、39
を介してポイズン除去塔36、及び重水浄化塔37へと
送られるようになっている。また、ポイズン溶解槽3
5、ポイズン除去塔36、及び重水浄化塔37の出口側
は、それぞれバルブ41〜43を介して重水ダンプタン
ク32に接続されている。これらについての構成及び機
能は以下のようになっている。
【0035】(1)ポイズン溶解槽35:約500〜2
000ppmの濃縮ボロン(10B)が備蓄され、必要に
応じバルブ41を開けると、高濃度のボロンが重水ダン
プタンク32に一旦流れ込んでから原子炉31内に流入
し、全体に希釈される。
【0036】(2)ポイズン除去塔36:強塩基性陰イ
オン交換樹脂が充填され、バルブ38、42を開けて通
水することにより重水中に陰イオンで溶解しているボロ
ンを吸着する。これにより、ボロン濃度の低くなった重
水は、重水ダンプタンク32に一旦流れ込んでから原子
炉31内に流入する。
【0037】(3)重水浄化塔37:弱塩基性陰イオン
交換樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂が充填されてい
る。このうち、弱塩基性陰イオン交換樹脂は、ボロン以
外の不純物陰イオンの吸着を目的とし、本来ボロンは吸
着しないものである。一方、強酸性陽イオン交換樹脂は
不純物陽イオンの吸着を目的としている。なお、ここで
不純物とは、原子炉31内で放射線分解によって生じる
物質、及び上記した(1)式により生じたリチウム等で
ある。
【0038】次に、以上のような構成のシステムにおけ
る減速材中硼酸濃度の評価方法を図2を基に説明する。
本実施例では、ポイズン溶解槽35でのポイズン注入に
よるポイズン濃度増加、ポイズン除去塔36でのポイズ
ン吸着によるポイズン濃度低下、及び中性子吸収による
ポイズン燃焼に伴うポイズン濃度低下のほか、重水浄化
塔37内におけるポイズン吸着によるポイズン濃度低下
をも考慮して計算を行う。
【0039】まず、以下の計算で必要な各種のデータを
入力し(ステップS101)、計算開始の日時“YMD
H”をセットする(ステップS102)。
【0040】ここで、ポイズン溶解槽35(図1)から
重水系へのボロンの注入操作が行われる場合は(ステッ
プS103;Y)、その注入量を計算し(ステップS1
04)、10B及び11Bの濃度修正を行う(ステップS1
05)。
【0041】一方、ボロンの注入操作が行われず(ステ
ップS103;N)、逆にポイズン除去塔36により重
水系からのボロン除去操作が行われたときは(ステップ
S106)、その除去量を計算し(ステップS10
7)、10B及び11Bの濃度修正を行う(ステップS10
8)。
【0042】ボロンの注入操作、及びボロン除去操作の
いずれも行われない場合は(ステップS106;N)、
次のステップS109に進む。
【0043】ここで、重水浄化塔37への通水操作が行
われたときには(ステップS109;Y)、重水浄化塔
37では本来行われないはずのボロンの吸着による除去
量を計算し(ステップS110)、10B及び11Bの濃度
修正を行う(ステップS111)。
【0044】次に、ポイズン燃焼を計算し、最終的なボ
ロン濃度を求める(ステップS112)。
【0045】ここで、上記した日時“YMDH”に1時
間を加える日数計算を行い(ステップS113)、この
値が所望の日時に達するまで(ステップS114;
Y)、ステップS103〜S113の処理を行う。
【0046】そして、ステップS113の値が所望の日
時に達すると(ステップS115)、結果を出力する
(ステップS115)。
【0047】次に、以上の説明中における各計算工程の
内容を以下に詳述する。
【0048】(i) ポイズン溶解槽35からの注入による
ポイズン濃度変化量(ステップS104、S105):
ポイズン注入によって増加したポイズン濃度の変化量
は、ポイズン溶解槽35の水位差と溶解槽内のポイズン
濃度から求められる。上記したように、ボロンには10
及び11Bが含まれ、10Bは中性子吸収により燃焼するた
め、重水中の10Bと11Bの比(同位体比)は燃焼ととも
に変化する。従って、10Bと11Bを別々に計算する必要
がある。
【0049】ポイズン注入前後の重水系内の10Bと11
の濃度変化量DPI10、DPI11(ppm)は、そ
れぞれ次の(2)、(3)式により求められる。
【0050】 DPI10=(DLP×CH1×CH2)/CH4 ……(2) DPI11=DPI10/CH3 ……(3) ここに、DLPはポイズン溶解槽の水位変化量(m
m)、CH1はポイズン溶解槽の水位1mm当たりの容
量(m3 /mm)、CH2はポイズン溶解槽内の10Bの
濃度、CH4は重水系の保有水量(m3 )を示す。ま
た、CH3はポイズン溶解槽内の同位体比、すなわち10
B濃度/11B濃度である。
【0051】(ii)ポイズン除去塔36での吸着によるポ
イズン濃度変化量(ステップS107、S108):ポ
イズン除去塔に炉心内の重水をDi(m3 )通水した場
合、ポイズン除去(v) の炉内のポイズン濃度Bnew
(ppm)、減少幅ΔB(ppm)は、次の(4)、
(5)式で表される。
【0052】 Bnew=C+(Bold−C)×exp(−Di/D) ……(4) ΔB=Bold−Bnew =(Bold−C)×〔1−exp(−Di/D)〕 ……(5) ここに、Boldはポイズン除去前の炉内のポイズン濃
度(ppm)、Dは重水系のインベントリ(m3 )、C
はポイズン除去塔出口濃度、すなわち後述する平衡濃度
(ppm)である。
【0053】ここで、(Di/D)<<1の場合、
(4),(5)式よりBnew(ppm)、ΔBは次の
(6)、(7)式のようになる。
【0054】 Bnew=〔Di×C+(D−Di)×Bold〕/D ……(6) ΔB=(Bold−C)×(Di/D) ……(7) なお、ポイズン除去塔出口濃度Cは、ポイズン除去塔3
6内の樹脂の平衡濃度に等しく、樹脂のボロン吸着量の
増加とともに増加する。この関係は、次の(8)式で示
される。
【0055】 Q=〔SKC/(1+KC)〕+kC ……(8) ここに、Qは樹脂1リットル当たりのボロンの平衡吸着
量(g/l・Resin)、Sはラングミュアーの飽和吸着量
(g/l・Resin)、Cはボロンの平衡濃度(ppm)を
示す。また、Kはラングミュアーの吸着係数(l/
g)、kはフロイントリッヒの吸着係数(l/l・Resi
n)であり、次の(9)、(10)式で表される。なお、
Tは重水温度(°K)を示す。
【0056】 K=exp〔(4.23×103 /T)−3.65〕 ……(9) k=exp〔(2.0×103 /T)−2.9〕 ……(10) (8)式に示した平衡吸着量Qと平衡濃度Cとの関係
は、図3のようになる。この図に示すように、平衡吸着
量に対し平衡濃度は指数関数的に増加する関係にある。
また、平衡濃度は温度依存性が大きく、ポイズン除去中
に温度が上がった場合には、吸着されていたボロンを吐
きだす可能性がある。従って、樹脂の使用に関しては、
重水温度を出来るだけ一定にする必要があり、また、温
度は低い方がポイズン除去効率が高くなる。
【0057】なお、10Bと11Bの化学的性質は同じなの
で、同一の割合で吸着され、ポイズン除去によって炉内
での同位体比(10B/11B)が変化することはない。従
って、ポイズン除去の計算は全ボロン(10B+11B)の
形で行い、ポイズン除去後は除去前の同位体比から新た
10Bと11Bの濃度を算出するようにする。
【0058】以下、ポイズン除去操作後のボロンからボ
ロン同位体への換算を説明する。
【0059】ポイズン除去操作後の硼酸から硼酸同位体
への換算 前提として次の(11)式の関係がある。
【0060】 Bold =10Bold +11Bold ……(11) ここに、10Bold ,11Bold は除去前の炉内10B,11
濃度(ppm)を示し、Bold は、硼酸濃度、全ボロン
(ppm)を示す。
【0061】(7),(11)式により除去後の10Bne
w ,11Bnew を求める。
【0062】 10Bnew =10Bold ・Bnew /Bold ……(12) 11Bnew =11Bold ・Bnew /Bold ……(13)10 Bnew ,11Bnew :除去後の炉内10B,11B濃度(p
pm)ポイズン除去によって、除去塔内樹脂の硼酸吸着
量が増加するので、この増分を求めポイズン除去前の値
に加える必要がある。
【0063】ポイズン除去による除去塔内樹脂の硼酸吸
着量の変化△Qは ΔQ={Di×(Bold −C)}/V ……(14) で示されるのでポイズン除去後の硼酸吸着量Qnew は、 Qnew =Q+ΔQ ……(15) となる。
【0064】ΔQ:ポイズン除去操作前後の硼酸吸着量
の変化量(g−B/リットル−resin ) Qold ,Qnew :ポイズン除去操作前後の硼酸吸着量 (g−B/リットル−resin ) V:ポイズン除去塔内樹脂量(800リットル) 硼酸吸着量の増加に伴い、(8)式に示される式に従っ
て樹脂の平衡濃度が増加することになる。
【0065】(iii) 重水浄化塔37での吸着によるポイ
ズン濃度変化量(ステップS110、S111):上記
したように、重水浄化塔37内には、ボロン以外の不純
物の除去を目的として本来ボロンを吸着しないはずの弱
塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているが、実測の結
果、わずかにボロンが吸着されていることが明らかにな
った。そこで、重水浄化塔37内に一部強塩基性陰イオ
ン交換樹脂の成分が存在するものと仮定し、その量を推
定することにより重水浄化塔37内におけるポイズン吸
脱着を模擬的に求めるようにしている。この仮定によ
り、(8)をそのまま使用することができる。
【0066】重水浄化塔37内の強塩基性陰イオン交換
樹脂の成分の推定は、以下のようにして行う。
【0067】重水浄化塔37内の樹脂は毎年定期点検時
に再生しており、原子炉起動後の通水時におけるポイズ
ンの吸脱着量をできるだけ少なくするために、各サイク
ルの原子炉起動前に予め定格運転時のポイズン濃度に近
い濃度でボロン飽和を行っている。この時の、ポイズン
濃度低下幅から、次の(16)式に基づき強塩基性陰イ
オン交換樹脂の成分の推定量(以下、推定強塩基性陰イ
オン交換樹脂量と呼ぶ)を求める。
【0068】 y=0.079x ……(16) ここに、yはポイズン濃度の低下幅(ppm)、xは重
水浄化塔中の推定強塩基性陰イオン交換樹脂量である。
【0069】例えば、ボロン飽和の際、5ppmのポイ
ズン濃度の重水を通水した結果、重水系のポイズン濃度
が4.8ppmになったとすると、図4に示すように、
その濃度低下幅yは0.2ppmであるから、(16)
式より、x=2.53(リットル)となる。
【0070】なお、(16)式は、原子炉31が停止し
てポイズン燃焼がなく、かつポイズン溶解槽35及びポ
イズン除去塔36によるポイズン吸着脱着を行わない状
態を想定し、重水浄化塔37内の推定強塩基性陰イオン
交換樹脂量を各値に設定したときの重水系のポイズン濃
度低下量を予め計算により求めたものである。
【0071】(iv)ポイズン燃焼よる濃度変化量の計算
(ステップS112):反応度制御材として使用してい
るポイズン(10B)は、(1)式に示したように、熱中
性子を吸収してLi に変化する。
【0072】このようなポイズンの燃焼は炉内に正の反
応度を投入するが、その変化は極めてゆるやかなもので
ある。ポイズン燃焼の計算は次の(17)〜(20)式
を用いて行うことができる。これらの式では、計算タイ
ムメッシュ間の積算炉心熱出力から積算熱中性子束fl
ux・ftime(nvt)を求め、これに10Bのミク
ロ吸収断面積を乗じてポイズンの燃焼を計算している。
【0073】 CB=CBo×exp(TM) ……(17) TM=−SAB10×FNN×C2×HW×FKK×10-3 …(18) C2=B4/(B5+B6×TE+B7×TE2 ) ……(19) FKK=B1+B2×CBo+B3×CBo2 ……(20) ここで、各変数及び係数の内容は、以下に示す通りであ
る。
【0074】CBo,CB:燃焼計算前・後の炉内ポイ
ズン濃度(ppm) SAB10:10Bのミクロ吸収断面積,σt(b) FNN:(重水領域中性子束)/(炉心平均中性子束) HW:計算タイムメッシュ間の積算熱出力(MWh) TE:炉心平均燃焼度(MWd/t) C2:積算炉心熱出力を炉心平均のflux-time に変換す
る係数(1021nvt/MWh) B1〜B3:反射体、ダンプタンク内重水等を考慮する
ための因子のポイズン濃度に関するフィッティング係数 B4〜b7:積算炉心熱出力を炉心平均のflux time に
変換するフィッティング係数 図5は、以上のようにして求められたポイズン濃度の推
定値と運転実績値との比較を表したものである。ここで
は、「ふげん」の第11サイクルにおけるポイズン(10
B)濃度変化を縦軸に、炉心平均燃焼度を横軸にとって
その変化を示している。ここで、炉心平均燃焼度の単位
は、ギガワット日/燃料トンである。
【0075】実線51は、上述したように重水浄化塔3
7によるポイズン吸着を考慮した場合の計算結果、実線
52は重水浄化塔37によるポイズン吸着を考慮しない
場合の計算結果を示す。また、○印は約月1回の頻度で
行った質量分析法による測定値をプロットしたものであ
る。
【0076】この図に示すように、重水浄化塔を考慮し
ない場合の計算値(実線52)と質量分析法によるプロ
ット点とは、初期において約0.25ppmずれている
が、重水浄化塔を考慮した場合の計算値(実線51)は
プロット点とほぼ一致している。
【0077】図6は、第8サイクル運転中における計算
値と測定値を表したものである。この図に示すように、
運転初期、中期、後期の全域にわたって両者は約0.1
ppm程度の精度で一致している。
【0078】さらに、上記運転の各期間についての濃度
変化を比較すると、初期段階では図7(a)に示すよう
に鋸状、中期段階では同図(b)に示すように直線状、
末期段階では同図(c)に示すように階段状に変化して
いることがわかる。
【0079】初期段階では、ポイズンの燃焼によって投
入される正の反応度の方が、燃料の燃焼による負の反応
度より大きいため、制御棒は挿入傾向にある。しかし、
制御棒位置は60〜70%の範囲内に保持する必要があ
るため、適当な時点(例えば点53等)でポイズン注入
を行うことにより制御棒を引き抜くようにしている。▽
中期段階では、ポイズンの燃焼による正の反応度と燃料
の燃焼による負の反応度のバランスがとれているため、
ポイズン注入・除去は行われず、また、制御棒位置もほ
とんど変化しない。
【0080】末期段階では、燃料の燃焼の方が大きいた
め、制御棒は引抜傾向にあるが、制御棒位置の制限か
ら、適当な時点(例えば点54等)でポイズン除去を行
うことにより制御棒を挿入するようにしている。
【0081】このように、ポイズン注入、除去、ポイズ
ン燃焼等に伴うポイズン濃度の細かい変化を忠実に把握
することができる。
【0082】なお、本実施例で説明した方法によれば、
表1に示したように、データ入力を含めて約20分と極
めて短い時間でポイズン濃度を求めることができ、しか
も同位体10B、11Bを分離して約0.1ppmの精度で
ポイズン濃度を求めることができる。
【0083】また、必要な運転データを基に、オンライ
ンで自動的に計算で求めることも可能である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
硼酸の燃焼、硼酸の注入、及び硼酸の除去による硼酸濃
度の変化量のほかに、減速材浄化塔内の強塩基性陰イオ
ン交換樹脂成分の量から求めた硼酸濃度の変化量を求
め、これらを基に原子炉内の減速材中硼酸濃度を求める
こととしたので、実測値と高精度で一致する濃度推定を
行うことができる。従って、分析器や測定器等の機械を
使用せずに、減速材中硼酸濃度を短時間に求めることが
でき、分析、測定の費用の削減、測定に要する工数を削
減しつつ、原子炉の運転実績を把握することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における減速材中硼酸濃度評
価方法を適用する原子炉系を示すブロック図である。
【図2】この減速材中硼酸濃度評価方法を説明するため
の流れ図である。
【図3】ポイズン除去塔における平衡吸着量と平衡濃度
との関係を示す説明図である。
【図4】ボロン飽和時のポイズン濃度低下幅と推定強塩
基性陰イオン交換樹脂量との関係を示す説明図である。
【図5】この減速材中硼酸濃度評価方法により求めたポ
イズン濃度変化の一例を示す説明図である。
【図6】この減速材中硼酸濃度評価方法により求めたポ
イズン濃度変化の他の例を示す説明図である。
【図7】図6中のポイズン濃度変化の詳細を示す説明図
である。
【図8】原子炉の構造を示す断面図である。
【図9】カランドリア管及び燃料棒の構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
14 燃料集合体 15 減速材 18 制御棒 31 原子炉 35 ポイズン溶解槽 36 ポイズン除去塔 37 重水浄化塔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減速材中に中性子吸収用の硼酸を溶解し
    て、この硼酸濃度と制御棒位置により核分裂反応を制御
    する原子炉において、 炉心での中性子吸収による硼酸の燃焼に伴う減速材中硼
    酸濃度の低下量と、 硼酸の注入による減速材中硼酸濃度の増加量と、 硼酸の除去による減速材中硼酸濃度の低下量とを求め、 これらの各変化量を考慮して原子炉内の減速材中硼酸濃
    度を求めることを特徴とする減速材中硼酸濃度評価方
    法。
  2. 【請求項2】 減速材中に硼酸を注入する硼酸溶解槽
    と、減速材中の硼酸を強塩基性陰イオン交換樹脂により
    吸着する硼酸除去塔と、減速材中の不純物を弱塩基性陰
    イオン交換樹脂により吸着する減速材浄化塔とを有し、
    減速材中の硼酸濃度と制御棒位置により核分裂反応を制
    御する原子炉において、 炉心での中性子吸収による硼酸の燃焼に伴う減速材中硼
    酸濃度の低下量と、 前記硼酸溶解槽からの硼酸注入による減速材中硼酸濃度
    の増加量と、 前記硼酸除去塔における硼酸吸着に伴う減速材中硼酸濃
    度の低下量とを求めるとともに、 前記減速材浄化塔内の弱塩基性陰イオン交換樹脂中の硼
    酸吸着に寄与する強塩基性陰イオン交換樹脂成分の量を
    求めてこれによる硼酸吸着に伴う減速材中硼酸濃度の低
    下量を求め、 これらの各変化量を考慮して原子炉内の減速材中硼酸濃
    度を求めることを特徴とする減速材中硼酸濃度評価方
    法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109473185A (zh) * 2018-11-13 2019-03-15 中国核动力研究设计院 一种自动化学停堆系统的测试装置及其测试方法
CN112712909A (zh) * 2020-11-20 2021-04-27 中国核电工程有限公司 可溶中子毒物的加料装置

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