JPH05264397A - 流線観測方法と、その観測用風洞 - Google Patents

流線観測方法と、その観測用風洞

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JPH05264397A
JPH05264397A JP8924692A JP8924692A JPH05264397A JP H05264397 A JPH05264397 A JP H05264397A JP 8924692 A JP8924692 A JP 8924692A JP 8924692 A JP8924692 A JP 8924692A JP H05264397 A JPH05264397 A JP H05264397A
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tube
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Yasuyoshi Nakayama
泰熹 中山
Makoto Toda
誠 戸田
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MIRAI GIJUTSU KENKYUSHO KK
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MIRAI GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形風洞を横切る細線に、昇温により発煙す
る液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、
流線を可視化する流線観測。 【構成】 上記細線として発煙細管5を用いる。この細
管5に通電し、発煙用液を送ると、管軸方向に設けたす
り割り細隙又は微小穴群から発煙して流線を作り、観測
室2で観測できる。また気体供給部1に加熱装置4を設
け、供給気体の密度を煙の密度にほゞ等しくする事によ
り、煙が自力で浮上せず、低速流線を正確に可視化でき
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は流線観測方法と、その
観測用風洞に関する。
【0002】
【従来の技術】流線観測を最も手軽に行う方法に、スモ
ークワイヤ法と称するものがある。それは観測した気流
中に金属細線を張り、その外周に油を塗布して通電加熱
する。通電により細線が昇温すると白煙を生じ、その白
煙が気流に流されて、流線を可視化する。上記白煙は空
気より軽く、その上昇速度は5cm/s程度で、これに
よってスモークワイヤ法適用風速の下限が決められる。
通常上限は5cm/s程度であるが特殊な工夫で、30
m/s程度までは観測可能といわれている。
【0003】発煙量は供給電力、細線直径、温度、油の
種類(沸点、密度、表面張力)、油膜の厚さ等により、
ほゞ規定される。通電方法はコンデンサに充電して瞬間
放電させる方法と、直流を短時間(長くて1秒程度)流
す方法とがある。短時間通電で発生した煙の流線が、対
象物に当たって曲折する瞬時をカメラで撮影する。従っ
て観測というより映像化である。油は一回ごとに筆で細
線に塗布するのが一般であるが、自動塗布法としては、
発煙用細線の上端に送油管から油を滴下させる。この自
動塗布では、大きな油滴が細線を次々と流下する合い間
を見はからって、瞬間通電で発煙させないと均一な流線
を得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は気体の流
線観測を小、中学校の実験室でも行えるようにしたい、
と考えた。それには大がかりな風洞は使えない。安あが
りなスモークワイヤ法は前述のとおり、使いこなすのが
難しく、利用範囲も限定される。そこで、この発明はス
モークワイヤ法をもっと簡易化し、さらにその利用範囲
も広げる事を課題として捕らえた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の流線観測方法
の第1項は、風洞を横切る細線に、昇温により発煙する
液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、流
線を可視化する流線観測方法において、上記細線とし
て、細径管に管軸方向のすり割り細隙、又は微小穴群を
設けたものを用い、その細径管内に上記発煙用液を流し
つゝ管を通電加熱することを特徴とする。
【0006】この発明の流線観測方法の第2項は風洞を
横切る細線に、昇温により発煙する液をつけ、上記細線
を通電加熱して生じた煙により、流線を可視化する流線
観測方法において、風洞の入口側に、吸引された気体を
均等加熱する加熱装置を設け、この加熱装置により、流
入した気体の温度を、その気体の密度が上記煙の密度と
等しいか、これに近い値になるまで、上昇させることを
特徴とする。
【0007】この発明の小形風洞は、風洞を横切る細線
に、昇温により発煙する液をつけ、上記細線を通電加熱
して生じた煙により、流線を可視化する流線観測用風洞
において、気体供給部と観測室と吸引部の三者からな
り、気体供給部は流入する気体通路の全断面を均熱する
加熱装置を備え、観測室には、その入口付近を横切るよ
うに設けた細径管であって、その管壁に管軸方向のすり
割り細隙、又は微小穴群を有し、管内へ上記発煙用液を
流しつゝ通電加熱できるようにした発煙細管を備えるこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】従来のスモークワイヤ法は、直径0.1〜0.
2mmのニクロム線等の細線を垂直に立て、これに油
(流動パラフィン等)を塗布すると、余分な油は流下し
て、一定な厚みで再現性のよい塗膜が得られ、従って一
様な発煙分布を得られる点で優れている。しかし、その
塗膜は一回ごとに塗り直さねばならない。本発明方法の
第1項は内径0.1〜0.5mm程度の細径管に、管軸
方向のすり割り細隙又は微小穴群を設けて、管内に発煙
用液を流すから、液はすり割り細隙又は微小穴群に均等
に浸透し、通電加熱により一様に発煙する。細径管内が
液の補給部で、細隙又は微小穴が発煙部になる。その発
煙部が管軸方向に伸びている。
【0009】この発明方法の第2項は、加熱装置により
流入気体の密度を煙の密度にほゞ等しくするから、煙自
身の浮力による動きが無く、流線が正しく気流の動きそ
のまゝに可視化される。この発明の風洞は、気体供給部
に加熱装置、観測室入口付近に上記すり割り細隙又は微
小穴群をもつ発煙細管を設けたから、前述のように観測
室内で発生した煙が浮力で上昇して、流線を不確実にす
ることなく、発煙用液は常に細径管とその細隙、微細穴
を満たしているから、通電加熱を続ければ発煙を続け、
断続させれば断続発煙する。従って流線、流脈、流跡、
タイムライン等のいずれも観測可能である。
【0010】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の流線観測用風洞
を示す。その1は気体供給部、2は観測室、3は吸引部
で、外観的には従来のものと変わりない。変わっている
のは気体供給部1の気体流入通路の全断面を均熱する加
熱装置4を備える事と、観測室2の入口付近を横切る従
来の細線が、発煙細管5に替わっている事である。
【0011】図1では観測室2を上から下へ貫通した発
煙細管5の上端と、給油管8だけを画いたが、、その詳
細は図2,3に示す。観測室2を上下に貫通した細管5
は、図2ではすり割り細隙6を有し、図3では微小穴群
7を管軸方向に設けている。いずれも細管5を通電加熱
するため、上下端に絶縁板9、電極10を付けている。
図4,5に示したように、気流の向きを示す矢印に対
し、細隙6、穴群7の向きを直角にしている。細管5の
流路5aが発煙用液の補給部で、細隙6又は穴群7が発
煙部になる。
【0012】さて、図1の加熱装置4、吸引部風車3
a、それぞれのコンセント11に給電し、給油管8によ
り発煙細管5へ発煙用液を送り、その上下電極10を直
流に接続すると、細管5が昇温し、その熱で、細隙6又
は微小穴群7内に滞留した液が発煙する。発煙で減った
分は直ちに管内通路から補給されるから、連続的にも断
続的にも発煙させられる。従って目視も映像化も自由で
ある。図4,5のように細隙6、穴群7を気流の流れに
直角に開口させると、煙が流れに乗って流れるが、開口
位置を変えて実験する事もできる。なお細管5の通電加
熱に直流を使ったのは、制御が容易だから、という従来
技術を受け継いだのであるが、この発明の場合、観測目
的に応じて直流、交流パルス電流を使えばよい。気体供
給部1の加熱装置4は公知技術によるから説明を略す。
【0013】以上、一実施例について説明したが、この
発明の実施態様は発明の要旨を変えることなく、多様に
変化、応用し得ることは言うまでもない。例えば発煙細
管の断面形を円形でなく、流線形その他、変形断面にす
るとか、上下に観測室を貫通するほか、横や斜めにする
とか、丸めて円筒形流線を作るとか、縦、横、複数本を
同時発煙させる等、従来技術では全く考えられなかった
実験に使い得る。
【0014】
【発明の効果】この発明はスモークワイヤ法による流線
可視化に画期的進歩をもたらした。すなわち、手数と熟
練を要した細線への油塗布、瞬間撮影の必要を無くし、
発煙細管に発煙液を送給すれば、連続でも断続でも自由
に発煙させられるようにした。その発煙細管は縦でも横
でも、曲がっていても、数本組み合わせても使えるか
ら、三次元観測その他、多様な実験を可能にした。
【0015】またこの発明は風洞へ供給する気体を均熱
して、その密度を煙の密度とほゞ等しくする事により、
流速が毎秒5〜10cmの遅い気流でも、煙の浮上で乱
される事なく、きれいに可視化できる実験結果を得てい
る。この発明の小形風洞は、上記発煙細管の採用によ
り、小学生でも自分で自由に肉眼で気流を見る実験を行
えるようにし、上記加熱装置の採用により、流速が極度
に小さな、いわゆるツインボルテックス、カルマンボル
テックスの流線観測も可能な、高級設備なみの性能を得
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の流線観測用風洞の一実施例の斜視
図。
【図2】図1の発煙細管の拡大立面図。
【図3】発煙細管の他の実施例の立面図。
【図4】図2の発煙細管の断面図。
【図5】図3の発煙細管の断面図。
【符号の説明】
4 加熱装置 5 発煙細管 6 すり割り細隙 7 微小穴群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞を横切る細線に、昇温により発煙す
    る液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、
    流線を可視化する流線観測方法において、 上記細線として、細径管に管軸方向のすり割り細隙、又
    は微小穴群を設けたものを用い、その細径管内に上記発
    煙用液を流しつゝ管を通電加熱することを特徴とする流
    線観測方法。
  2. 【請求項2】 風洞を横切る細線に、昇温により発煙す
    る液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、
    流線を可視化する流線観測方法において、 風洞の入口側に、吸引された気体を均等加熱する加熱装
    置を設け、この加熱装置により、流入した気体の温度
    を、その気体の密度が上記煙の密度と等しいか、これに
    近い値になるまで、上昇させることを特徴とする流線観
    測方法。
  3. 【請求項3】 風洞を横切る細線に、昇温により発煙す
    る液をつけ、上記細線を通電加熱して生じた煙により、
    流線を可視化する流線観測用風洞において、 気体供給部と観測室と吸引部の三者からなり、 気体供給部は流入する気体通路の全断面を均熱する加熱
    装置を備え、 観測室には、その入口付近を横切るように設けた細径管
    であって、その管壁に管軸方向のすり割り細隙、又は微
    小穴群を有し、管内へ上記発煙用液を流しつゝ通電加熱
    できるようにした発煙細管を備える、 ことを特徴とする風洞。
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