JPH05264014A - 循環式流動床ボイラのサイクロンのスカートを支持及び案内するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 スカートを耐火性材料に直接支持せずに１部
材スカートを支持及び案内するための装置を提供する。 【構成】 サイクロン本体２を貫通し且つスカート１の
上部を支持する端部を有する少なくとも３つのシュー３
エレメントを備える。このように構成することにより、
スカート１をその周囲で保持することができ、こうして
スカートの変形を制限することができる。好ましくは、
シューの内側端部はスカート１に設けられた水平環状フ
ランジを介してスカート１の上部を支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に循環式流動床ボイ
ラのサイクロンスカートを支持及び案内するための装置
に関する。

【０００２】

【従来技術】循環式流動床ボイラにおいて、灰、砂、石
炭等のような粒子を含むガスはサイクロンに注入され、
截頭円錐形のシリンダであるスカートの周囲を流れる。
ガスはその後、スカートの周囲を循環し、粒子はサイク
ロン本体の底部に落下し、ガスはスカートから排出され
る。サイクロンの内側の温度は約９００℃に達し、スカ
ートは直径約４メートル及び重量約４トン（メートル
法）であり得る。

【０００３】現在、ある種の構成によるとサイクロンス
カートは単に、サイクロン本体の上部に形成され且つ耐
火性材料から作成される肩上に環状フランジを介して配
置されている。

【０００４】スカートに加えられる力と、サイクロン中
で優勢な可変であり得る高温とにより、スカート、特に
その支持フランジは変形する傾向があり、スカートの重
量は支持耐火性材料に均等に伝達されなくなる。耐火性
材料はこうして過度に強い力を受けると亀裂を生じ、や
がて割れ、スカートの位置は不良な傾斜状態になり、極
端な場合はスカートが落下しさえする。

【０００５】英国特許第２１２４９３２号はスカートの
取り外しと熱応力による変形との問題を解決するように
設計されたサイクロンスカート装置を開示している。該
文献によると、このために、スカートはサイクロンの壁
に溶接された部材により又は直接ボルト接合によりその
上部に取り外し可能に支持された個々のセグメントに分
割されている。

【０００６】本発明の目的は、スカートを耐火性材料に
直接支持せずに１部材スカートを支持及び案内するため
の装置を提供することにより、これらの問題を解決する
ことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このために、本発明は特
に循環式流動床ボイラのサイクロンのスカートを支持及
び案内するための装置を提供するものであり、該装置は
サイクロン本体を貫通し且つ水平面内でサイクロン本体
の周囲に均等に分配された少なくとも３つの金属「シュ
ー」エレメントを備えており、該シューがスカートに設
けられ且つシューに支承される水平環状フランジにより
スカートの上部を支持する内側端部を有することを特徴
とする。

【０００８】このように構成することにより、装置はス
カートをその周囲で保持することができ、スカートの変
形を制限することができる。

【０００９】こうしてリング状に配置された十分な数の
シューは、スカートの上部をその周囲で保持するように
機能する。このために、少なくとも３個のシューが配置
される。

【００１０】好適態様によると、シューは引込み可能で
ある。さらに、各シューをサイクロンに挿入することが
可能な深さは調節可能であり得る。したがって、スカー
トの軸の位置を調節することができる。

【００１１】このために、各シューはサイクロン本体の
金属ケーシングに固定されたスリーブの内側に配置され
得る。

【００１２】こうして、スカートを除去又は交換するた
めにシューを引込め、こうして、スカートを引き上げる
ことができる。

【００１３】特定の態様によると、シューの内側端部は
スカートの上部に設けられたハウジングに挿入される。
各シューはスカートの上部に設けられたハウジングに対
応するので、こうしてスカートを正確に配置することが
できる。

【００１４】スカートの上部に設けられたハウジングは
スカートの上部に設けられた第２の水平環状フランジ
と、２つのフランジの間に配置された鉛直スペーサとに
より形成される。

【００１５】これらのハウジングにより、ハウジング内
でシューに所定量のクリアランスを与えながら、スカー
トを比較的正確に位置決めすることができる。

【００１６】好ましくは、各シューは内壁により強化さ
れた中空構造を有する。内壁はじゃま板として構成され
得、各シューは冷却流体を通過できるように設計された
入口及び出口オリフィスを有する。好ましくは、冷却流
体は空気又は水のいずれかである。

【００１７】内壁の機能はシューが十分な支持特性を有
するようにシューを強化及び補強することである。

【００１８】スカートとサイクロン本体の耐火性材料と
の間を密封するために、スカートの上部フランジに固定
され且つサイクロン本体に収容された耐火性材料製パッ
キングに挿入されたリングセグメントにより構成される
密封装置を備えてもよい。

【００１９】

【実施例】以下、添付図面に関して本発明の１実施例を
説明する。

【００２０】図１は、スカート１、サイクロン本体２及
びスカートを支持するための好ましくは金属製の２つの
支持エレメント３を示す。支持エレメント（以下、「シ
ュー」と呼称する）はサイクロン本体の壁を貫通し、ス
カート１の上部に設けられた２つの環状フランジの間に
収容される。シュー３は後述するように引込み可能であ
る。

【００２１】図２はスカート１の周囲に均等に分配され
た３つのシュー３の配置を示す水平方向断面図である。
好ましくは、シュー３は３個であるが、４個以上のシュ
ー３を設けてもよい。

【００２２】図３及び図４は、シュー３とサイクロン本
体２及びスカート１の対応配置とを示す詳細図である。

【００２３】スカート１の上部は２つの環状フランジを
有しており、一方は上部フランジ４であり、他方のフラ
ンジ５は上部フランジの下に配置されている。２つのフ
ランジ４，５の間には鉛直スペーサ６が配置され、シュ
ー３の内側端部７を受容するように設計されたハウジン
グを画定する。当然のことながら、このようなハウジン
グはシュー３の位置に対応する位置に設けられ、シュー
と同一数である。

【００２４】もっと簡単な装置（図示せず）では、スペ
ーサはシュー３に支承される上部環状フランジ４のみを
有する。

【００２５】シュー３は中空金属部材により構成され、
除去し易くするために断面積の漸減するテーパ状壁を有
する。

【００２６】シュー３はサイクロン本体の金属ケーシン
グ２０に固定された好ましくは金属製のスリーブ１０に
より支持及び案内される。シュー３はしたがって、スリ
ーブ１０の底部に当接する。

【００２７】サイクロンの内側のスリーブ１０の端部に
は密封エレメント８，９，１１が設けられる。エレメン
ト８，９，１１は可撓性絶縁耐火性材料から製造され
る。

【００２８】上部パッキング１１のレベルにおいて、ス
カート１とサイクロン本体の耐火性材料１２との間の密
封は、並置されたリングセグメント１３により得られ
る。リングセグメント１３は好ましくは耐火性ファイバ
から作成され、パッキング１１に挿入され、スカート１
の上部フランジ４に固定される。リングセグメントは好
ましくは、強化部材１４を介在させてリングセグメント
をフランジ４にボルト接合することにより固定される。

【００２９】スリーブ１０の外側端部の全周には金属フ
ランジ１５が好ましくは溶接により固定されている。こ
のフランジ１５はシュー３の周囲に好ましくは溶接によ
り固定されたフランジ１６に介在ガスケットを介して衝
止するように機能する。フランジ１５及び１６の衝止は
スカート１に設けられたハウジングにシュー３が完全に
挿入される位置を限定する。この位置において、シュー
３はフランジ１５及び１６を相互にボルト締めすること
によりスリーブ１０に固定される。

【００３０】フランジ１５及び１６のボルトを緩めるこ
とにより、シュー３はスリーブ１０から解放され、シュ
ー３を矢印２１の方向に除去することができる。

【００３１】全部のシュー３を除去し、ボルトを緩めて
リングセグメント１３を取り外すと、ホイスト又は別の
システムによりスカート１を引き上げて除去又は交換す
ることができる。

【００３２】フランジ１５及び１６の間にスペーサを介
在させることにより、種々のシュー３が挿入される程度
を変更することができる。こうして、スカートの位置、
特にスカートの軸の位置を調節することができる。種々
のシューを操作することにより、スカートをほぼ完全に
中心に配置することができる。必要に応じてスカートを
中心からずらすように調節することもできる。

【００３３】シュー３の内部構造を図４に明示する。

【００３４】中空金属シューの内側には鉛直壁１７がじ
ゃま板として配置されている。

【００３５】これらの壁１７は２つの機能を有する。該
壁はシュー３の内側に冷却流体を輸送するように設計さ
れたじゃま板回路を画定する。

【００３６】このために、シュー３の外側端部は２つの
入口オリフィス１８と１つの出口オリフィス１９とを含
む適当な数（図例では３つ）のオリフィスを有する。し
たがって、冷却流体は加圧下にオリフィス１８から流入
し、オリフィス１９から流出する。

【００３７】冷却流体は例えば冷空気又は水であり得
る。乾燥空気を使用する場合、この空気は場合によりサ
イクロンに注入され得る。

【００３８】壁１７はさらに、補強リブを形成すること
によりシュー３の構造を強化する機能も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスカート支持装置を概略的に示す図２
のＩ−Ｉにおける鉛直方向断面図である。

【図２】本発明の装置を概略的に示すＩＩ−ＩＩにおけ
る水平方向断面図である。

【図３】本発明の装置の詳細を示すＩＩＩ−ＩＩＩにお
ける鉛直方向断面図である。

【図４】本発明の装置の同一の詳細を示すＩＶ−ＩＶに
おける水平方向断面図である。

【符号の説明】

１ スカート ２ サイクロン本体 ３ シュー ４，５ フランジ ６ スペーサ １０ スリーブ １２ 耐火性材料 １３ リングセグメント １７ 内壁 １８，１９ オリフィス ２０ 金属ケーシング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヤン−ポール・テシエ フランス国、75015・パリ、リユ・ドウ・ レグリーズ、51

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 特に循環式流動床ボイラのサイクロンの
   スカートを支持及び案内するための装置であって、該装
   置がサイクロン本体を貫通し且つ水平面内でサイクロン
   本体の周囲に均等に分配された少なくとも３つの金属
   「シュー」エレメントを備えており、該シューがスカー
   トに設けられ且つシューに支承される水平環状フランジ
   によりスカートの上部を支持する内側端部を有すること
   を特徴とする装置。
2. 【請求項２】 シューが引込み可能であることを特徴と
   する請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 各シューをサイクロンに挿入することが
   可能な深さが調節可能であること特徴とする請求項１に
   記載の装置。
4. 【請求項４】 各シューがサイクロン本体の金属ケーシ
   ングに固定されたスリーブの内側に配置されていること
   特徴とする請求項２に記載の装置。
5. 【請求項５】 シューの端部がスカートの上部に設けら
   れたハウジングに挿入されることを特徴とする請求項１
   に記載の装置。
6. 【請求項６】 スカートの上部に設けられたハウジング
   が、スカートの上部に設けられた第２の水平環状フラン
   ジと、２つのフランジの間に配置された鉛直スペーサと
   により形成されることを特徴とする請求項５に記載の装
   置。
7. 【請求項７】 各シューが内壁により強化された中空構
   造を有することを特徴とする請求項１に記載の装置。
8. 【請求項８】 内壁がじゃま板として構成され、各シュ
   ーが冷却流体を通過できるように設計された入口及び出
   口オリフィスを有することを特徴とする請求項７に記載
   の装置。
9. 【請求項９】 スカートとサイクロン本体の耐火性材料
   との間の密封装置を備えることを特徴とする請求項１に
   記載の装置。
10. 【請求項１０】 密封装置が、スカートの上部フランジ
    に固定され且つサイクロン本体に収容された耐火性材料
    製パッキングに挿入されたリングセグメントにより構成
    されることを特徴とする請求項９に記載の装置。
11. 【請求項１１】 リングセグメントが耐火性材料から製
    造されることを特徴とする請求項１０に記載の装置。