JPH05260981A - ヘムに調節される真核細胞開始因子2αキナーゼをコードするDNA - Google Patents

ヘムに調節される真核細胞開始因子2αキナーゼをコードするDNA

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JPH05260981A
JPH05260981A JP4081664A JP8166492A JPH05260981A JP H05260981 A JPH05260981 A JP H05260981A JP 4081664 A JP4081664 A JP 4081664A JP 8166492 A JP8166492 A JP 8166492A JP H05260981 A JPH05260981 A JP H05260981A
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eif
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チェン ジェイン−ジェイン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ウサギ網状赤血球のλZapIIcDNAライ
ブラリーからクローン化された、ヘムに調節されるeI
F−2αキナーゼ(HRI)をコードするcDNA、そ
のヘム非感受性の欠失変異体および種特異性が低くなる
ように改変された変異体。 【効果】 HRIはタンパク合成の阻害剤であるので、
本質的に抗増殖作用を有する。さらに、細胞分裂の調節
に関与する3種のプロテインキナーゼとHRIとの相同
性が極めて高いことは、HRIが細胞分裂において直接
的な役割を果たしていることを示唆する。タンパク合成
の調節は細胞の成長および分化のために必須であるの
で、このcDNAを細胞に挿入して増殖および分化を操
作すること、特に、ある種の癌のような、制御されない
状態で増殖する細胞または分化の停止を特徴とする細胞
において、増殖および分化を操作することが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】米国政府は本発明において、国立衛生研究
所から(DK 16272およびGM 42504)および国立科学財団
から(DMB-890538)の補助金に基づく権利を有する。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はヘムに調節される真核細
胞の開始因子(initiation factor)2αキナーゼをコ
ードする、単離された核酸配列、およびそれを細胞増殖
の阻害に使用する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ヘムは網状赤血球におけるタンパク合成
を調節する。ヘム欠乏症においては、ポリリボソームの
解離とともにタンパク合成の開始が抑制される。タンパ
ク合成の開始を阻害する主要なメカニズムは、真核細胞
の開始因子2のαサブユニット、すなわちeIF−2α
のリン酸化である。ヘム欠乏症に加えて、酸化型グルタ
チオン(GSSG)および低濃度の二本鎖RNAが、e
IF−2αのリン酸化を促進することによって開始を阻
害する。
【0004】真核細胞ではmRNAの翻訳は細胞質で行
われる。開始の最初のステップにおいて、遊離の80S
リボソームはその40Sおよび60Sサブユニットとの
平衡状態にある。eIF−3の存在下で、40Sサブユ
ニットはeIF−3およびeIF−4Cと結合して43
Sリボソーム複合体を形成する。eIF−3およびeI
F−4Cの40Sサブユニットへの結合は、60Sサブ
ユニットの40Sサブユニットへの会合を阻害する。
【0005】次のステップでは、eIF−2がGTPお
よびイニシエーターtRNA、すなわちMet−tRN
fと結合して三元複合体となる。eIF−2による結
合は、グアニンヌクレオチドおよびMet−tRNAf
の両方に対して特異的である。三元複合体は今度は43
Sリボソーム複合体と結合して、43Sプレ開始複合体
を形成する。43Sプレ開始複合体は、eIF−4A、
eIF−4BおよびeIF−4FがmRNAとの複合体
を形成するATP依存性の反応によって、mRNAと結
合する。mRNAの43S構造に対する結合生成物はリ
ボソームと強く結合している。このときAUG開始コド
ンはキャップ構造の下流に位置する。
【0006】48S開始前複合体と60Sサブユニット
との会合は、リボソーム依存性GTPアーゼ活性を有す
るeIF−5が触媒する。この結合反応に伴って開始因
子eIF−3、eIF−4CおよびeIF−2が遊離す
る。eIF−2は60Sサブユニット複合体に、eIF
2−GDPとして移る。結合反応の生成物は80S開始
複合体である。活性な80S開始複合体の形成がタンパ
ク合成の開始の最後のステップである。Met−tRN
fがリボソームのP(ペプチジル)部位に位置して、
ポリペプチドの伸長の出発点となる。
【0007】タンパク合成の開始のプロセスにおける一
連のステップのうちいくつかが、プロセスの調節の機会
を与える。それらには、eIF−2がeIF−2−GD
Pとして遊離した後の再利用;三元複合体の形成;およ
び、mRNA翻訳の相対速度を決定する、mRNAのe
IF−2およびeIF−4A、−4B、および−4Fに
対する親和性が含まれる。
【0008】図1に真核細胞でのタンパク合成の開始の
概略を示す。ヘム欠乏症によるタンパク合成の開始の阻
害は、短期間の対照直線合成、およびその後の合成速度
の突然の低下およびポリリボソームの解離を特徴とし、
これはeIF−2−Met−tRNAf−GTP三元複
合体および40S−eIF−2−Met−tRNAf
GTP43S開始複合体の形成量の減少を伴う。この阻
害の基本的なメカニズムは、eIF−2の38kDaの
αサブユニット(eIF−2α)を特異的にリン酸化す
るcAMP非依存性プロテインキナーゼの活性化であ
る。阻害されているヘム欠乏の溶解産物にヘミンを添加
すると、eIF−2αの脱リン酸化と同時にタンパク合
成が再開する。
【0009】ヘムに調節される真核細胞の開始因子2α
(eIF−2α)キナーゼは、ヘムに調節される阻害因
子(HRI)とも呼ばれ、このプロセスにおいて主要な
役割を果たす。HRIは真核細胞の開始因子2(eIF
−2)のαサブユニット(eIF−2α)を特異的にリ
ン酸化するcAMP非依存性プロテインキナーゼであ
る。網状赤血球の溶解物中でのeIF−2αのリン酸化
は、転換因子RFとの結合と、RF−eIF−2(α
P)複合体中へのRFの隔離をもたらす。RFはグアニ
ンヌクレオチド交換因子、またはeIF−2Bとも呼ば
れる。eIF−2の再利用におけるGDPのGTPへの
交換、およびeIF−2−Met−tRNAf−GTP
三元複合体の形成に必要なRFが利用できないことで、
結果としてタンパク合成の開始が停止する。
【0010】HRIによるタンパク合成の調節のメカニ
ズムは詳しく研究されているが、HRI自体の構造およ
び調節についてはほとんど知られていない。Chen, J.-
J.ら(Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88, 315-319 (19
91))は以前に、ヘム可逆性HRIの3種のトリプシン
消化ペプチドのアミノ酸配列を報告した。HRIペプチ
ドのP−52はAsp−Phe−Glyの配列を含む。
この配列は、Hanks, QuinnおよびHunter(Science, 24
1, 42-52 (1988))が示したように、プロテインキナー
ゼの保存されたドメインVIIにおいて最も高度に保存さ
れた短ストレッチである。HRIペプチドのP−74の
N末端側の14個のアミノ酸は、キナーゼに関連した転
換タンパクの保存されたドメインIXと、50−60%の
同一性を示す。これらの知見は、HRIが自己キナーゼ
活性およびeIF−2αキナーゼ活性を有することと矛
盾しない。Palら(Biochem. 30, 2555-2562 (1991))が
報告したように、このタンパクは赤血球に特異的であ
り、また異なる種では抗原性が異なるらしい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】HRIの活性および細
胞の変化に関与する他のタンパクに対する関係を考慮す
ると、HRIをコードする核酸配列を明らかにすること
は利点がある。しかし、この遺伝子はごく限られた期
間、すなわち赤血球の分化の間だけ、しかも極めて微量
に発現されるものであるので、その核酸配列の解明は容
易なプロセスではなかった。さらに、トリプシン消化に
より単離された3種のペプチドの配列が決定されている
とはいえ、これらがHRIに由来するかHRIの調製の
際の汚染物に由来するかは明らかではなかった。HRI
cDNAの全長を含むライブラリーを得ることもまた
困難である。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って本発明の目的は、
HRIをコードするcDNA配列を提供することにあ
る。
【0013】本発明のさらなる目的は、哺乳類細胞中で
HRIを発現させる方法を提供することにある。
【0014】本発明のさらに別の目的は、特に形質転換
細胞および乾癬などの疾患において、タンパク合成の阻
害によって細胞増殖を阻害するための、HRIをコード
する単離されたDNA配列の使用の方法を提供すること
にある。
【0015】本発明の別の目的は、細胞分化の誘導のた
め、および分化の休止を伴う癌の治療のための、HRI
およびdsIをコードする配列の使用の方法を提供する
ことにある。
【0016】ヘムに調節されるeIF−2αキナーゼ
(HRI)をコードするcDNAをクローン化した。H
RIのcDNAを、ウサギ網状赤血球のλZapIIcD
NAライブラリーからクローン化した。このcDNAは
2729個のヌクレオチドを含み、626個のアミノ酸
をコードする。HRIのcDNAから転写されたHRI
のmRNAのインビトロでの翻訳は、eIF−2αキナ
ーゼ活性を有する90kDaのポリペプチドを生じる。
この90kDaのポリペプチドは、抗HRIモノクロー
ナル抗体によって認識される。これらの性質はHRIに
固有の特徴である。
【0017】HRIはタンパク合成の阻害剤となり得る
ので、本質的に抗増殖作用を有する。さらに、細胞分裂
の調節に関与する3種のプロテインキナーゼとHRIと
の相同性が極めて高いことは、HRIが細胞分裂におい
て直接的な役割を果たしていることを示唆する。HRI
のcDNAが入手できることは、HRIの調節および構
造と機能との関係を研究するための手段を提供する。さ
らに、タンパク合成の調節は細胞の成長および分化のた
めに必須であるので、このcDNAを細胞に挿入して増
殖および分化を操作することが可能である。特に、ある
種の癌のような、非調節状態で増殖する細胞または分化
の休止を特徴とする細胞において、増殖および分化を操
作することが可能である。
【0018】タンパク合成の開始はまた、二本鎖RNA
により活性化される他のeIF−2αキナーゼ(ds
I)によっても調節され得る。HRIおよびdsIはい
ずれもeIF−2αの同一の部位をリン酸化する。しか
し、dsIはインターフェロンによって誘導され、ウイ
ルス感染に対してインターフェロンに媒介される反応を
発現する。HRIおよびdsIはeIF−2αキナーゼ
であるので、本質的に両者は抗ウイルス性であるが、ウ
イルスによるdsIの不活性化のメカニズムはHRIの
活性には影響しないはずである。従って、適切な標的に
導入されれば、HRIの抗ウイルス作用はdsIと同程
度かまたはより強力なはずである。
【0019】ヘムの調節に対して非感受性の、HRIの
cDNAの欠失変異株をつくることができる。このヘム
−非感受性HRIの抗ウイルス作用および抗増殖作用
は、元のHRIよりもより効果的なはずである。
【0020】
【実施例】HRIのcDNAを、ウサギ網状赤血球のλ
ZapIIcDNAライブラリーからクローン化した。こ
のcDNAは2729個のヌクレオチドを含み、626
個のアミノ酸をコードする。この核酸配列は遺伝子バン
クのデータベース(承認No.M69035)に寄託した。HR
IのcDNAから転写されたHRIのmRNAのインビ
トロでの翻訳は、eIF−2αキナーゼ活性を有する9
0kDaのポリペプチドを生じる。この90kDaのポ
リペプチドは、抗HRIモノクローナル抗体によって認
識される。この性質はHRIに固有の特徴である。
【0021】HRIのcDNAのオープンリーディング
フレーム配列は、プロテインキナーゼの11個の触媒ド
メインをすべて含有する。セリン/スレオニンプロテイ
ンキナーゼのコンセンサス配列が、保存された触媒ドメ
インVIおよびVIIIに見られる。HRIのcDNAはま
た、触媒ドメインVとVIとの間に約140個のアミノ酸
からなる挿入部分を含有する。HRIのcDNAをコー
ドする配列は、S.cerevisiaeのGCN2プロテインキナ
ーゼおよびヒト二本鎖RNA依存性eIF−2αキナー
ゼと高い相同性を有する。従って、GCN2プロテイン
キナーゼはイーストのeIF−2αキナーゼであり得る
と考えられる。さらにHRIは、細胞周期の調節に関与
する3種のプロテインキナーゼ、NimA、Weelお
よびCDC2と極めて高い相同性を有する。
【0022】〔HRIをコードするcDNAのウサギ網
状赤血球からの単離および配列決定〕P−52とP−74との間のHRIのcDNAのPCR
増幅 Frohman, M. A.,Dush, M. V.およびMartin, G. R.の方
法(Proc. Natl. Acad.Sci. USA, 85, 8998-9002 (198
8)))に従って、PolyA+mRNA(1mg)を逆
転写し、一本鎖cDNAを得た。Lathe, R.による好ま
しいコドンの使用(J. Mol. Biol., 183, 1-12 (198
5))に基づいて推測した、P−52のセンス鎖オリゴデ
オキシヌクレオチドおよびP−74のアンチセンス鎖オ
リゴデオキシヌクレオチドをプライマーとして用いた。
PCR反応を、一本鎖cDNAテンプレートおよび各プ
ライマー(1μM)の存在下で40サイクル行った(9
4℃ x1min、47℃ x 2minおよび72℃ x 3
min)。
【0023】ウサギ網状赤血球のλZapIIcDNAラ
イブラリーの調製およびHRIのcDNAの単離 ウサギ網状赤血球のcDNAをファルマシア製cDNA
合成キットを用いて調製した。500bpより大きいc
DNAをプールし、λZapIIベクターに連結させた
(Stratagene)。得られたcDNAライブラリーの組み
換え効率は95%である。このcDNAライブラリー
を、42℃で一晩、5X Denhardt溶液、6X SSP
E、サケ精子DNA(500mg/ml)、tRNA
(1.7mg/ml)、0.4%SDSおよび熱変性ニ
ックトランスレーテッド[32P]−HRIcDNAプロ
ーブ(106cpm/ml)を含む溶液中でハイブリダ
イゼーションさせた。(1X SSPE=0.18M N
aCl/10mM リン酸ナトリウム/1mM EDTA
pH7.4;1X Denhardt溶液=0.02%ポリビニ
ルピロリドン/0.02%フィコール/0.02%BS
A)。次にニトロセルロースを6X SSPEおよび
0.1%SDSで室温で5分ずつ3回洗浄し、その後同
じ塩条件で50℃で10分ずつ2回洗浄した。Stratage
neの記載に従って、組み換えλZapIIからのインビボ
での切り出しにより、HRIのcDNAを、pBlue
Scriptプラスミドにサブクローン化した。Sange
rらのジデオキシヌクレオチドチェインターミネーター
法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463-5467 (199
0))のFawcettおよびBarlettによる変法(BioTechnique
s, 9,46-48)を用いて、HRIのcDNAのDNA配列
を決定した。
【0024】P−52、P−56またはP−74を単独
で用いてライブラリーをスクリーニングすることは不可
能であった。実際、これらのペプチドのうちノーザンブ
ロット法で使えるものは1つしかなかった。完全な長さ
のクローンを引き出す上で有効なプローブを開発するた
めには、2つのペプチドを結合させて多くの可能な配向
の1つとすることを必要とした。
【0025】HRIのトリプシン消化ペプチドP−52
およびP−74のアミノ酸配列と、プロテインキナーゼ
の保存されたドメインVIIおよびIXとの相同性から、P
−52がP−74のN末端側にあることが予測できた。
この情報を用いて、部分的なHRIcDNAのPCR増
幅のためのプライマーをデザインした。これら2つのプ
ライマーを用いて、長さ約230bpの2種の増幅され
たcDNA断片が得られた。
【0026】このcDNA断片をサブクローン化して、
配列を決定した。どちらのプライマーにも存在する15
bpのEcoR1制限部位を除くと、残りの219bp
の配列は73アミノ酸のオープンリーディングフレーム
をコードする。このcDNA配列から推測して新たに得
られたHRIの38個のアミノ酸の配列は、保存された
ドメインVIIIに位置するセリン/スレオニンプロテイン
キナーゼのコンセンサス配列(Gly−Thr/Ser
−X−X−Tyr/Phe−X−Ala/Ser−Pr
o−Glu)を含有する。この結果は、HRIがeIF
−2αをセリン−51の位置でリン酸化するというPath
akらの知見(Mol. Cell. Biol., 8, 993-995.(1988))
と一致する。さらに、保存されたドメインVII、VIIIお
よびIXの間のHRIのアミノ酸配列は、HRIに特有で
ある。
【0027】HRIの234bpのプローブを用いて、
150、000の組み換えクローンをスクリーニングした。一
次スクリーニングでの12個の陽性クローンのうち、5
個が完全な長さを有し、約2700bpのcDNA挿入
部を含有していた。HRIcDNAの2729個のヌク
レオチド配列を下に示す。最初のATGよりも前に11
2個のヌクレオチドがある。この最初のATG(nt 11
3)から出発して1990番目のヌクレオチドまで、6
26個のアミノ酸をコードするオープンリーディングフ
レームが続き、その後に739個のヌクレオチドからな
る3’非翻訳領域内に複数の終止コドンがある。HRI
cDNAの最初の250ntがGC含量に極めて富む
(80%)ことは注目すべきである。HRIcDNAの
この範囲のヌクレオチド配列は、最終的にターミナルデ
オキシトランスフェラーゼおよびピロフォスファターゼ
を用いることによって得られた。AATAAAポリアデ
ニル化シグナルの重なり合う繰り返しが、ポリAテール
から11ヌクレオチド離れた2689−2698のヌク
レオチドに存在する。HRIcDNAの推測されたアミ
ノ酸配列は、以前にミクロシークエンシング法によって
得られた3種のトリプシン消化ペプチドと同一のアミノ
酸配列を含有する。P−52はドメインVIIに、P−5
6はドメインIに、そしてP−74はドメインIXに位置
している。
【0028】HRIcDNAのデオキシヌクレオチド配
列および推測されたアミノ酸配列を下に示す。左側の数
字はヌクレオチドの位置を、右側の番号はアミノ酸の位
置を示す。*アステリスクは最初の終止コドンを示す。
推測されたアミノ酸配列の中の、HRIのトリプシン消
化ペプチド(P−52、P−56およびP−74)と一
致する部分を下線を引いて示した。同一のアミノ酸配列
を含有する。3’−UTRのポリアデニル化シグナル、
AATAAAの重なり合う繰り返しに下線を引いた。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】〔単離cDNAからのHRIの発現および特徴付
け〕HRI cDNAの5'非翻訳リーダー配列をPCRを用いて置
き換えて、開始メチオニン(nt113)のところに単一のNco
I部位(CCATGG)を導入した後、このコーディング配列
を、タバコモザイクウイルス(TMV)の非翻訳リーダー配
列を含有するベクターにライゲートした。このリーダー
配列は開始メチオニンおよび3'-末端NcoI部位の両方を
備えるように遺伝子操作されたものである。NcoI部位の
導入は、HRIの二番目のアミノ酸をロイシンからバリン
に換える。これは保存された置換を構成する。 直線化
されたHRI cDNAはT7ポリメラーゼを用いて転写した。イ
ンビトロでのHRI mRNA (40mg/ml)の翻訳は、ヌクレアー
ゼ処理された網状赤血球溶解物またはコムギ胚抽出物を
用いて、Promegaに記載のように[35S]メチオニンの存
在下で行った。プロテインキナーゼのアッセイは10mCi
の[γ-32P]ATP(3,000Ci/mmol)、1.5μlの翻訳混合液
および指定量の精製ウサギeIF-2(1μg)を含む40μlの反
応液中で、30℃(網状赤血球溶解物)または25℃(コムギ
胚抽出物)で10分間、Chen, J. -J.ら, (1989) J. Biol.
Chem., 264, 9559-9564の記載に従って行った。
【0032】インビトロでの転写および翻訳は、HRI cD
NAのコードするタンパクの見かけの分子サイズを決定
し、およびプロテインキナーゼ活性を試験するために行
った。ヌクレアーゼ処理したウサギ網状赤血球溶解物で
の5個のHRIクローンmRNAの翻訳はいづれも、SDS-PAGEで
観察して主要な90kDa生成物を生じた。
【0033】ヌクレオチド配列データは、5'非翻訳リー
ダー配列が非常にG-Cに富んでおり、顕著な二次構造を
形成する可能性があることを示した。mRNAの5'末端の二
次構造はmRNAの翻訳効率を減弱させることが知られてい
る。HRI mRNAはコムギ胚抽出物では翻訳できなかった。
網状赤血球溶解物とは異なり、コムギ胚抽出物は内因性
HRI酵素を含有しない;従って、コムギ胚の系でのHRIタ
ンパクの発現は、HRI翻訳産物のキナーゼ活性の分析を
しやすくするはずである。Galleiら, (1987b)Nucl. Aci
ds Res., 15, 8693-8711、およびGehrke, L.およびJobl
ing, S. A., (1990) In:McCarthy, JEG Post-Transcrip
tional Regulation of Gene Expression, Series H: Ce
ll Biology, Tuite, M.編 (Springer Verlag, Berlin),
Vol. 49, pp. 389-398によってシスに働くことが知ら
れているTMVのようなある種の植物ウイルスのRNAの非翻
訳リーダー配列の使用によって、mRNA転写物の翻訳効率
は増加し得る。従って、G-Cに富むHRIの非翻訳リーダー
配列をTMVのものと置き換えた。このキメラのTMV-HRI m
RNAは、網状赤血球溶解物では、HRI mRNAよりもおよそ1
0倍高い効率で翻訳され、コムギ胚抽出物でも翻訳が明
確に見られた。全ての場合に、HRI mRNAの翻訳生成物
は、SDSゲル電気泳動で、真正の精製リン酸化HRIよりも
僅かに早く移動した。この移動度の僅かな相違は、翻訳
生成物のリン酸化レベルが低いことが、最も考えられる
原因である。
【0034】HRI cDNAのmRNAから生じた翻訳生成物がeI
F-2αキナーゼであるかどうかを決定するために、全翻
訳混合物の一部を、プロテインキナーゼアッセイ条件下
でヘミンの添加なしに、精製ウサギ網状赤血球のeIF-2
および[γ-32P]ATPと共にインキュベートして、SDSゲ
ル電気泳動によって分析した。
【0035】その結果は、HRI 2AおよびHRI 2BのmRNAの
翻訳生成物は、mRNAを添加しない、コントロールと比較
して、eIF-2αキナーゼ活性が高いことを示している。
キナーゼアッセイ条件下(ヘミンの最終濃度0.75μM)
では、新しく合成されたHRIの活性は、ヌクレアーゼ処
理された細胞溶解物中で既につくられていた内因性のHR
Iの低い活性を上回り、このことがeIF-2αの促進された
リン酸化の検出を可能にすることを強調すべきである。
精製ウサギeIF-2を添加しないと、eIF-2α領域の微かな
リン酸化のみが観察される。さらに、コムギ胚抽出物で
合成されたHRIポリペプチドは、精製HRIと同様にeIF-2
αキナーゼ活性を示す。コムギ胚抽出物には哺乳類のeI
F-2αキナーゼ活性がないこと、および、精製網状赤血
球HRIは精製コムギ胚eIF-2αを非常に悪い効率でしかリ
ン酸化しないことに注目すべきである。さらに、HRI cD
NAから発現した90kDaポリペプチドはHRIに対するモノク
ローナル抗体によって免疫沈澱された。
【0036】〔他の哺乳動物種のHRIをコードするcDNA
の単離〕DNAヌクレオチド配列のデータの一部は、マサ
チューセッツ州ケンブリッジのGenetic Technology Cor
porationの提供するマッキントッシュTMコンピューター
用のCAD GeneTMソフトウェアを用いて分析した。ウサギ
およびヒトでdsRNA依存性eIF-2αキナーゼ(dsI)のアミ
ノ酸配列は、83%が類似しており76%が同一である。開始
因子(eIF-2α,eIF-2β,eIF-4A, eIF-4E, EF-1a)では、
ヒトとウサギとの間で同程度またはより高度の相同性が
示されている。ヒトとウサギとの間で予想されるHRIの
相同性は、80%よりも大きい。従って、ヒトまたは他の
種におけるHRIをコードする配列は、他の種の網状赤血
球から調製されたライブラリーから、例えばManiatis
ら, (第2版 1989) のMolecular Cloning. A Laborator
y Manualに概略が示されているような、標準条件下での
ハイブリダイゼーションによって単離し得る。単離され
た配列は次に、ウサギ網状赤血球から単離されたHRI cD
NAの場合と同様にして発現し得る。
【0037】〔HRIと他のプロテインキナーゼとの間の
高度の相同性〕精製された非組換えHRIは、ヘムに調節
される自己リン酸化およびeIF-2αリン酸化を示す。多
くのプロテインキナーゼの自己リン酸化部位は、触媒ド
メインVIII中の保存されたAla/Ser-Pro-Glu配列からな
る20個のアミノ酸の中に位置している(例えばcAMP依存
性プロテインキナーゼのThr-197)。cAMP依存性プロテイ
ンキナーゼのThr-197に等価なHRIのアミノ酸はThr-483
である。さらに、Thr-483の近辺には2個のセリンおよび
更に3個のスレオニン残基が存在する。HRIはインビトロ
で複数のリン酸化を受け得るので、HRI cDNAの利用が可
能になったことは、HRIの活性化時の自己リン酸化部位
およびその役割についての研究をさらに促進する。
【0038】HRIとdsIおよびGCN2プロテインキナーゼの
比較 cDNAから推定されるHRIおよびdsIのアミノ酸配列の比較
は、図4Aに示すように、キナーゼの保存ドメインでの一
般的相同性に加えて、ドメインIXおよびXの周囲に両方
のeIF-2αキナーゼ間の非常に顕著な相同性を示す(HRI
アミノ酸511位-540位)。
【0039】これらのアミノ酸はeIF-2の結合およびeIF
-2αのリン酸化に関与することが考えられる。さらに、
HRIの、ドメインIXの周囲に帰属される合成ペプチドP-7
4は、HRIおよびdsIの両方のeIF-2αキナーゼ活性を阻害
する。
【0040】cDNAから推定されるHRIのアミノ酸配列
の、他のタンパク配列に対する相同性について、遺伝子
バンクを調べた。高いスコアを示す10個のタンパクのう
ち(表I)、9個はSer/Thrプロテインキナーゼであり、そ
のうち3個は細胞周期の調節に関与している(Nim A、Wee
lおよびCDC2)。
【0041】イーストのGCN2プロテインキナーゼが、他
の周知のeIF-2αキナーゼであるdsIが示すよりも、高い
相同性をHRIに対して示すことは特に注目に値する(表
I)。HRIのGCN2およびdsIに対する相同性のスコアは、他
のプロテインキナーゼに対するよりも顕著に高い(表
I)。ヒトdsIのcDNAは最近、Meursら(1990), Cell, 62,
379-390によってクローニングされた。HRIとdsIとのコ
ーディング配列のドットマトリックス相同性分析を図4A
に、HRIとGCN2のキナーゼ部分とのコーディング配列の
同様の分析を図4Bに示す。これらのドットマトリックス
プロットは、HRIが長いキナーゼ挿入配列を有している
ドメインVを除く、プロテインキナーゼ触媒ドメインIか
らXまでにおける、これらの3個のタンパクの優れた相同
性を明かにしている。ドメインIXおよびXの相同性はHR
I、dsIおよびGCN2でのみ見られ、高いスコアを示す他の
8個のプロテインキナーゼでは見られなかった。これら
の領域の顕著な相同性は、これらのアミノ酸がeIF-2の
結合およびリン酸化に関与し得ることを示唆し、またGC
N2プロテインキナーゼがイーストでのeIF-2αキナーゼ
であり得る可能性を高めている。
【0042】
【表1】
【0043】イーストのGCN2プロテインキナーゼは、特
に、eIF-2αキナーゼでのみ高い相同性が見られるドメ
インIXおよびXで、HRIに対する非常に顕著な相同性を示
す(表Iおよび図4B)。GCN2プロテインキナーゼは、アミ
ノ酸飢餓の条件下で、アミノ酸生合成遺伝子群の転写活
性化因子であるGCN4を脱抑制することにより、これらの
遺伝子群の発現を刺激する。GCN2プロテインキナーゼに
よるGCN4の脱抑制は、GCN4 mRNAの翻訳の段階で起き
る。GCN4 mRNAの翻訳の活性化は、eIF-2依存性43Sプレ
翻訳開始複合体形成の段階での、一般的なポリペプチド
鎖の開始速度の、減少と同時に生じる。その上、GCN2プ
ロテインキナーゼを過剰に発現するイースト株はタンパ
ク合成速度が低いことが報告されている。従って、タン
パク合成に対するGCN2プロテインキナーゼの効果はHRI
のそれに非常によく似ている。Ciganら, (1989) Proc.
Natl. Acad. Sci., USA, 86, 2784-2788によるイースト
eIF-2αの分子クローニングは、そのアミノ酸配列が、E
rnstら, (1987) J. Biol. Chem., 262, 1206-1212の報
告による、ヒトeIF-2αに対して58%の相同性を有するこ
とを明らかにしている。さらに、コンセンサスなリン酸
化部位Ser-51がイーストeIF-2αで保存されており、イ
ーストeIF-2αのリン酸化がCiganらによって実証されて
いる。GCN2プロテインキナーゼがeIF-2をリン酸化し得
る可能性は、Ciganら、およびTzamariasら(1989) Cell,
57, 947-954によって提案された。HRIおよびGCN2のア
ミノ酸配列を並べると、GCN2のキナーゼ部分に52%の類
似性および28%の同一性が示される。HRIおよびGCN2のこ
の優れた相同性は、GCN2がイーストのeIF-2αキナーゼ
であり得るという見解をさらに支持する。
【0044】独特の挿入配列の比較 図4に示すように、HRI cDNAは触媒ドメインVとVIとの
間に約140個のアミノ酸からなる挿入を含有する(アミノ
酸276位から413位)。同様の大きな挿入が、キナーゼド
メインが100個もの主として疎水性のアミノ酸残基の挿
入によって2つに分かれている、PDGFレセプター、CSF-1
レセプターおよびc-kit癌原遺伝子産物を包含するサブ
クラスIIIおよびIVレセプターチロシンキナーゼについ
て、報告されている。このことはUllrich, A. およびSc
hlessing, J., (1990) Cell, 61, 203-212に総説があ
る。キナーゼ挿入配列は各々の特異的レセプターについ
て、種間で高度に保存されているので、キナーゼの挿入
はレセプターキナーゼの作用において重要な役割を果た
し得る。実際、PDGFレセプターキナーゼの挿入は自己リ
ン酸化部位(Tyr-751)を含み、Tyr-751からPheまたはGly
までの変異は、PDGFレセプターのホスファチジルイノシ
トールキナーゼおよび3種の他の細胞質タンパクとの会
合をブロックする。HRIの場合は、ヘムはHRIに結合して
そのキナーゼ活性を調節する。HRIのこのキナーゼ挿入
配列は、ヘムの結合、ならびに自己キナーゼ活性および
eIF-2αキナーゼ活性の調節に関与すると考えられてい
る。
【0045】HRIと、細胞周期に関与するプロテインキ
ナーゼとの比較 HRIと、細胞周期に関与するいくつかのプロテインキナ
ーゼとの間にも、高い相同性が存在する。
【0046】Hanks, QuinnおよびHunter(1988) Scienc
e, 241, 42-52,は65個の異なるプロテインキナーゼのタ
ンパク配列を並べて比較した。彼らは各ドメイン内で変
化の無いアミノ酸残基を有する、プロテインキナーゼの
11個のドメインを同定した。HRIの配列を、セリン/スレ
オニンプロテインキナーゼ(Ca++/カルモジュリンプロテ
インキナーゼ)およびチロシンプロテインキナーゼ(Sr
c)の配列と並べたものを図3に示す。HRI cDNAは不変の
アミノ酸残基を有する触媒ドメインの11個をすべて含ん
でおり、このことは図4にも示されている。コンセンサ
スATP結合配列Gly-X-Gly-X-X-Gly、およびGly-X-Gly-X-
X-Glyの2個下流にある不変のバリン残基は、HRIで保存
されている。ドメインIIでは、不変のLys残基は必要欠
くべからざるものであり、プロテインキナーゼのリン酸
転移活性に関与することが示されている。HRIではこの
不変の残基はLys-199である。ドメインVIはSer/Thrプロ
テインキナーゼであるかTyrプロテインキナーゼである
かを特定するコンセンサス配列を含有する。HRIはSer/T
hrプロテインキナーゼに特徴的なAsp-Leu-Lys-Pro-Arg-
AsnをドメインVIに有する。ドメインVIIに位置するAsp-
Phe-Glyは、プロテインキナーゼの触媒ドメインで最も
保存されている短ストレッチであり、おそらくATPの結
合に関与している。これはHRI中でAsp(-456)-Phe(-457)
-Gly(-458)として見いだされる。ドメインVIIIでは、プ
ロテインキナーゼの触媒活性に必須のAla/Ser-Pro-Glu
コンセンサス配列もまたHRIに見いだされる。HRIのドメ
インVIIIは、Ser/Thrプロテインキナーゼの他のコンセ
ンサス配列であるGly-Thr-Cys-Leu-Tyrを含有する。ド
メインIXでの保存されたアミノ酸配列もまたHRIに見い
だされる。このように、HRI cDNAの推定アミノ酸配列
の、他のSer/Thrプロテインキナーゼの保存ドメインに
対する相同性は、HRI cDNAがSer/Thrプロテインキナー
ゼをコードするという確実な証拠を提供する。
【0047】〔HRIまたはdsIを用いた、細胞増殖および
分化およびウイルス活性の抑制〕HRIはタンパク合成の
強力な阻害因子であるので、性質上、抗増殖性であり、
制御されない細胞増殖を持続する様々な癌、例えば慢性
骨髄性白血病、の治療に有用であり得る。HRIは他の増
殖性疾患、例えば乾癬の治療にも用い得る。
【0048】タンパク合成の開始はまた、二本鎖RNA(ds
I)に活性化される他のeIF-2αキナーゼによっても調節
され得る。HRIおよびdsIは共にeIF-2αの同一部位をリ
ン酸化する。しかし、HRIおよびdsIは異なる分子であ
る。dsIはインターフェロンにより誘導され、ウイルス
感染に対するインターフェロンを介する応答を発現す
る。しかし、dsIを不活性化する機構が、dsIの抗ウイル
ス作用を防止するために様々なウイルスで進化した。HR
IおよびdsIは両方ともeIF-2αキナーゼであるので、性
質上、両方が抗ウイルス性でなければならない。しか
し、dsIによるウイルスの不活化機構は同様にHRI活性は
動かし得ない。従って、適切な標的細胞に導入される場
合、HRIは抗ウイルス剤としてdsIと同様にまたはそれ以
上に強力であり得る。
【0049】上述のように、CDC2、Wee 1およびNim Aは
セリン/スレオニンプロテインキナーゼのコンセンサス
配列を含有する。これらは最初に遺伝的手段でイースト
で同定された。しかし、CDC2およびWee 1はまたヒト細
胞でも単離され特徴付けられた。CDC2遺伝子産物は、S
相および有糸分裂の両方に必要である。Wee 1遺伝子産
物は有糸分裂の阻害因子である。Nim A遺伝子産物は有
糸分裂の活性化因子である。Nim AおよびWee 1の両方の
遺伝子産物が、有糸分裂促進因子の一部をなすCDC2キナ
ーゼの調節を介して、細胞周期を調節する。これらの細
胞周期タンパクキナーゼに対するHRIの異常に高い相同
性は、HRIが細胞周期の調節に直接作用し得ることを示
唆する。このHRIの作用は、抗増殖性でもあり得る。さ
らに、細胞増殖の休止は細胞分化のための必要条件であ
るので、HRIは分化も誘導し得る。Petryshyn, R.ら, J.
Bio. Chem., 259, 14736-14742(1984)に報告されてい
るように、dsIの発現は脂肪の分化に相関することが、
示されている。多くのタイプの癌は分化の休止を特徴と
する。HRIはまた、分化を誘導し、それにより移入され
た細胞の増殖を制限するために、これらの細胞に導入し
得る。
【0050】HRIは細胞質でおよび、赤血球の分化の特
定の時期に、通常、非常に少量しか発現しないので、少
量のタンパク量でタンパク合成の阻害、分化の誘導、お
よびウイルスおよび寄生虫の感染の阻害に有効であるこ
とが期待される。
【0051】cDNAから発現された、好ましくは治療しよ
うとする細胞と同じ種のは、HRI注射により局所的に、
あるいは治療しようとする細胞または患者に埋め込ん
で、投与し得る。適切な製剤組成物およびその投与方法
および使用は、当業者によく知られている。HRIは任意
の好適な哺乳類の発現系で、周知の技術を用いて適切な
エンハンサーおよびプロモーターの制御下に、発現し得
る。
【0052】あるいは、治療しようとする細胞はHRIを
コードする配列で「感染」させられる。好ましい実施態
様では、これはレトロウイルスのベクターにHRI配列を
挿入し、次にこのベクターで細胞を感染させることによ
り達成される。例えば、HRIcDNAの遺伝子移入および発
現のためのレトロウイルスベクターは、MillerおよびRo
sman(Miller, A. D.,およびRosman, G. J. (1989) BioT
echniques 7, 980-990)に記載されたLNCXベクターをレ
トロウイルスベクターの骨格として用いて構築し得る。
これはヒトサイトメガロウイルス(CMV)の直接初期遺伝
子プロモーターおよひエンハンサーを含む。TMVのリー
ダー配列を含有するHRI cDNAは、CMVプロモーターから
下流のポリリンカー領域を介して、LNCXベクターに導入
される。
【0053】 〔ヘムに非感受性の、低い種特異性の、または過剰発現
する、HRI cDNAの欠失変異体の構築〕ヘムの結合する領
域が170個のN末端アミノ酸からなる上述のHRI特異的挿
入物に存在するという予測に基づき、ヘムの調節に感受
性でない、HRI cDNAの欠失変異体を構築し得る。このヘ
ムに非感受性のHRIは、その抗ウイルスおよび抗増殖作
用が、天然のHRIよりも効果的であり得る。
【0054】種特異性の低いHRI cDNAの欠失変異体もま
た、構築し得る。種の間には80%よりも高い相同性があ
る(ヒトおよびウサギのdsIの間では86%)。種間の変化の
主要な領域はドメインVである。これらの変異体を構築
しスクリーニングするための方法は当業者に知られてい
る。
【0055】本発明のHRIをコードするcDNA、およびそ
れらを用いた方法の修飾および変異は、上述の詳細な説
明から当業者には自明である。このような修飾および変
動は以下の請求の範囲の範囲内にはいることが意図され
る。
【0056】〔要約書〕ヘムに調節されるeIF−2α
キナーゼ(HRI)をコードするcDNAが、ウサギ網
状赤血球のλZapIIcDNAライブラリーからクロー
ン化された。このcDNAは2729個のヌクレオチド
を含み、626個のアミノ酸をコードする。HRIのc
DNAから転写されたHRIのmRNAのインビトロで
の翻訳は、eIF−2αキナーゼ活性を有する90kD
aのポリペプチドを生じる。HRIはタンパク合成の阻
害剤であるので、本質的に抗増殖作用を有する。さら
に、細胞分裂の調節に関与する3種のプロテインキナー
ゼとHRIとの相同性が極めて高いことは、HRIが細
胞分裂において直接的な役割を果たしていることを示唆
する。タンパク合成の調節は細胞の成長および分化のた
めに必須であるので、このcDNAを細胞に挿入して増
殖および分化を操作することが可能である。特に、ある
種の癌のような、調節されない状態で増殖する細胞また
は分化の停止を特徴とする細胞において、増殖および分
化を操作することが可能である。タンパク合成の開始は
また、二本鎖RNAにより活性化される他のeIF−2
αキナーゼ(dsI)によっても調節され得る。このd
sIはウイルス感染に対するインターフェロンを介する
応答を発現する。ヘムの調節に対して非感受性の、HR
IのcDNAの欠失変異株をつくることができる。この
変異株の抗ウイルス作用および抗増殖作用は、元のHR
Iよりもより効果的なはずである。
【0057】
【配列表】
【0058】
【配列番号:1】 配列の長さ:2729 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源: 生物名:ウサギ 細胞の種類:網状赤血球 配列 CGCACGGCGC TCGCGACCCG GACGCGCGAG GAGGCGGTCC CGGAGTCGGG GAGCTGGCGG 60 GTGGGCTGTG GTCCCCGCAT TTGCGCGCGC GGGCGCCCGC GCGTGACCGG CGATGCTGGG 120 GGGCAGCGCC GGGACCCGCG GGGGCGAAGC CGAGGGCGAC GGGGCGGGGG CGGTGGGGGC 180 GGTGGCCCCG CCGCCCGCCA TCGACTTCCC CGCTGAGGTG TCGGATCCCA AGTATGACGA 240 GTCGGATGTC CCGGCAGAGC TGCAGGTGCT GAAGGAGCCG CTGCAGCAGC CAGCCTTCCC 300 CTTCGCCGTC GCCAACCAGC TGCTGCTCGT CTCCCTGCTG GAGCACCTGA GTCATGTGCA 360 CGAGCCAAAC CCGCTTCGCT CCAGACAGGT GTTTAAACTG CTCTGTCAGA CCTTCATCAA 420 AATGGGGCTG CTGTCTTCCT TCACCTGCAG CGACGAGTTT AGCTCATTGA GGCTGCATCA 480 CAACAGAGCT ATTACGCATC TGATGAGGTC CGCCAGAGAG AGAGTTCGGC AGGATCCCTG 540 TGCTGATAAT TCTCATATCC AGAAAATCAG GTCGCGAGAA GTTGCCTTGG AAGCACAGAC 600 CTCACGATAC TTGAATGAGT TTGAAGAGCT CTCCATCCTG GGGAAAGGTG GCTATGGCCG 660 AGTGTACAAG GTCAGGAATA AATTAGATGG CCAGTATTAT GCAATTAAAA AAATTCTGAT 720 TAAAGGTGCA ACTAAAACAG ATTGCATGAA GGTATTACGA GAAGTGAAAG TGCTGGCGGG 780 CCTCCAGCAC CCTAATATCG TAGGCTATCA CACCGCGTGG ATAGAGCATG TCCACGTTCA 840 CGTTCAAGCA GACAGAGTTC CGATTCAGTT GCCTTCTCTG GAAGTGCTCT CTGACCAGGA 900 AGAAGACAGA GATCAATATG GTGTTAAAAA TGATGCAAGC AGCAGCTCAT CCATTATTTT 960 CGCTGAGTTC TCCCCAGAAA AAGAAAAATC CTCTGACGAA TGTGCCGTTG AGAGTCAGAA 1020 TAACAAACTG GTGAACTACA CCACCAACTT AGTGGTGAGG GACACCGGTG AGTTTGAATC 1080 GTCCACGGAG CGCCAAGAGA ACGGCTCGAT CGTGGAGCGT CAGCTACTGT TCGGGCATAA 1140 CTCAGACGTA GAAGAGGATT TCACGTCCGC GGAGGAATCT TCTGAGGAAG ACTTAAGCGC 1200 GTTGCGGCAC ACAGAGGTGC AGTACCACCT GATGCTGCAT ATCCAGATGC AGCTGTGCGA 1260 GCTGTCCCTG TGGGACTGGA TCGCCGAGAG GAACAGGCGG AGCCGAGAGT GCGTGGACGA 1320 ATCTGCCTGT CCTTATGTTA TGGTCAGTGT TGCAACAAAA ATTTTTCAAG AACTGGTGGA 1380 AGGTGTGTTT TACATACATA ACATGGGCAT CGTGCACAGA GACCTGAAGC CTAGAAATAT 1440 TTTTCTTCAT GGTCCTGATC AACAAGTGAA AATAGGAGAC TTTGGTCTGG CCTGCGCCGA 1500 CATCATCCAG AAGAATGCGG CCCGGACCAG CAGAAACGGG GAGAGAGCAC CCACACACAC 1560 TTCCCGAGTG GGCACCTGTC TGTACGCCTC GCCCGAGCAG TTGGAAGGAT CGGAGTATGA 1620 TGCCAAGTCA GACATGTACA GCGTCGGCGT GATCCTGCTG GAGCTCTTCC AGCCCTTCGG 1680 GACAGAGATG GAGCGGGCAG AGGTCCTGAC GGGCGTGCGA GCTGGCCGCA TACCCGACTC 1740 CCTCAGTAAG AGGTGCCCGG CGCAGGCCAA GTACGTCCAG CTGCTGACCA GGAGGAACGC 1800 GTCCCAGCGG CCGTCCGCCC TTCAGCTGCT GCAGAGTGAG CTCTTCCAGA ACTCCGCGCA 1860 TGTTAACCTC ACCCTACAGA TGAAGATAAT AGAGCAGGAA AGAGAAATCG AGGAACTCAA 1920 GAAGCAGCTG AGCCTCCTCT CCCAGGCCCG AGGGGTGAGG AGTGACAGGC GAGACGGAGA 1980 GCTCCCTGCC TAGCCGTCAC TCGGCCACGT CACAGGGGAA CGTGGACTTG CACTTGCAGC 2040 AGTCAACTGG AATGGACAAT TTCAAGCCTC CTGAGGTTCA GGCGGCATAA TCCTCACTTG 2100 GAATCACTCA GCCCGCATGA CTCTCCCCTC ATGCTGCTCT TCCCGGAGGT ACCTCCTGGT 2160 GACCTCCTGG TGACTGCTCC CAATTAAACT TACGCTTTTC CCTTTCCTAT TCCGCAAGTC 2220 CCATTCCTGA GCCTCCTACC TAAGCATTAA CTAAATCTTA GGTATCGGTC TCCATTCTTT 2280 CTCCTTTGAA TCCTGGCCAC CTCGCTCCTT TAGAAGCACA CTCACTGCCC CGCCACCACC 2340 CAAGGCCAGG CCTGCACCCT GGCGCAACAG CTGCCAGTCT TAGTCCTTAG CTGCTGCTGC 2400 TGTTGCCAGA GACACCTGCT CCGTTCACTC CCTCCAGGGT GGAAGCTCAG CCTGTGAGCA 2460 GCGCCTCTGC TCTCCCCGGC TGCAGCCCAG CGCCACTCGG GCAGGCTTCA CACGCTCACC 2520 CCAGGTGGCC TCGGAACAGC TGCGACAGCA TCTCCCCGCA CCCTTCTGCC TTCTCAGCAC 2580 TTGGCTCTCC AGCCAGCCTC TCCACTCACT CGTTTTTGTT TCCCGGAGCT GTCTGCCACA 2640 ATGTTGGCAG TCTTCATGGA CTACTGTACG TGATTCTGCT GAATTTTAAA TAAATAAACC 2700 CTGCAAATCA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 2729
【0059】
【配列番号:2】 配列の長さ:626 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No フラグメント型:N−ターミナル 起源 生物名:ウサギ 細胞の種類:網状赤血球 配列の特徴 特徴を表す記号:P−56 存在位置:166..178 配列の特徴 特徴を表す記号:P−52 存在位置:454..467 配列の特徴 特徴を表す記号:P−74 存在位置:506..525 配列 Met Leu Gly Gly Ser Ala Gly Thr Arg Gly Gly Glu Ala Glu Gly Asp 1 5 10 15 Gly Ala Gly Ala Val Gly Ala Val Ala Pro Pro Pro Ala Ile Asp Phe 20 25 30 Pro Ala Glu Val Ser Asp Pro Lys Tyr Asp Glu Ser Asp Val Pro Ala 35 40 45 Glu Leu Gln Val Leu Lys Glu Pro Leu Gln Gln Pro Ala Phe Pro Phe 50 55 60 Ala Val Ala Asn Gln Leu Leu Leu Val Ser Leu Leu Glu His Leu Ser 65 70 75 80 His Val His Glu Pro Asn Pro Leu Arg Ser Arg Gln Val Phe Lys Leu 85 90 95 Leu Cys Gln Thr Phe Ile Lys Met Gly Leu Leu Ser Ser Phe Thr Cys 100 105 110 Ser Asp Glu Phe Ser Ser Leu Arg Leu His His Asn Arg Ala Ile Thr 115 120 125 His Leu Met Arg Ser Ala Arg Glu Arg Val Arg Gln Asp Pro Cys Ala 130 135 140 Asp Asn Ser His Ile Gln Lys Ile Arg Ser Arg Glu Val Ala Leu Glu 145 150 155 160 Ala Gln Thr Ser Arg Tyr Leu Asn Glu Phe Glu Glu Leu Ser Ile Leu 165 170 175 Gly Lys Gly Gly Tyr Gly Arg Val Tyr Lys Val Arg Asn Lys Leu Asp 180 185 190 Gly Gln Tyr Tyr Ala Ile Lys Lys Ile Leu Ile Lys Gly Ala Thr Lys 195 200 205 Thr Asp Cys Met Lys Val Leu Arg Glu Val Lys Val Leu Ala Gly Leu 210 215 220 Gln His Pro Asn Ile Val Gly Tyr His Thr Ala Trp Ile Glu His Val 225 230 235 240 His Val His Val Gln Ala Asp Arg Val Pro Ile Gln Leu Pro Ser Leu 245 250 255 Glu Val Leu Ser Asp Gln Glu Glu Asp Arg Asp Gln Tyr Gly Val Lys 260 265 270 Asn Asp Ala Ser Ser Ser Ser Ser Ile Ile Phe Ala Glu Phe Ser Pro 275 280 285 Glu Lys Glu Lys Ser Ser Asp Glu Cys Ala Val Glu Ser Gln Asn Asn 290 295 300 Lys Leu Val Asn Tyr Thr Thr Asn Leu Val Val Arg Asp Thr Gly Glu 305 310 315 320 Phe Glu Ser Ser Thr Glu Arg Gln Glu Asn Gly Ser Ile Val Glu Arg 325 330 335 Gln Leu Leu Phe Gly His Asn Ser Asp Val Glu Glu Asp Phe Thr Ser 340 345 350 Ala Glu Glu Ser Ser Glu Glu Asp Leu Ser Ala Leu Arg His Thr Glu 355 360 365 Val Gln Tyr His Leu Met Leu His Ile Gln Met Gln Leu Cys Glu Leu 370 375 380 Ser Leu Trp Asp Trp Ile Ala Glu Arg Asn Arg Arg Ser Arg Glu Cys 385 390 395 400 Val Asp Glu Ser Ala Cys Pro Tyr Val Met Val Ser Val Ala Thr Lys 405 410 415 Ile Phe Gln Glu Leu Val Glu Gly Val Phe Tyr Ile His Asn Met Gly 420 425 430 Ile Val His Arg Asp Leu Lys Pro Arg Asn Ile Phe Leu His Gly Pro 435 440 445 Asp Gln Gln Val Lys Ile Gly Asp Phe Gly Leu Ala Cys Ala Asp Ile 450 455 460 Ile Gln Lys Asn Ala Ala Arg Thr Ser Arg Asn Gly Glu Arg Ala Pro 465 470 475 480 Thr His Thr Ser Arg Val Gly Thr Cys Leu Tyr Ala Ser Pro Glu Gln 485 490 495 Leu Glu Gly Ser Glu Tyr Asp Ala Lys Ser Asp Met Tyr Ser Val Gly 500 505 510 Val Ile Leu Leu Glu Leu Phe Gln Pro Phe Gly Thr Glu Met Glu Arg 515 520 525 Ala Glu Val Leu Thr Gly Val Arg Ala Gly Arg Ile Pro Asp Ser Leu 530 535 540 Ser Lys Arg Cys Pro Ala Gln Ala Lys Tyr Val Gln Leu Leu Thr Arg 545 550 555 560 Arg Asn Ala Ser Gln Arg Pro Ser Ala Leu Gln Leu Leu Gln Ser Glu 565 570 575 Leu Phe Gln Asn Ser Ala His Val Asn Leu Thr Leu Gln Met Lys Ile 580 585 590 Ile Glu Gln Glu Arg Glu Ile Glu Glu Leu Lys Lys Gln Leu Ser Leu 595 600 605 Leu Ser Gln Ala Arg Gly Val Arg Ser Asp Arg Arg Asp Gly Glu Leu 610 615 620 Pro Ala 625
【図面の簡単な説明】
【図1】真核細胞におけるタンパク合成の開始を示す。
円内の数字は真核細胞の開始因子の種類を表す。
【図2】HRIのcDNAにおける、11個のドメイン
の位置、ヘムへの挿入領域、および既に配列が決定され
HRIに固有のペプチドと同定された3種のペプチド:
プロテインキナーゼの触媒ドメインVIIにおいて最も高
度に保存された短配列であるAsp−Phe−Glyを
含み、アミノ酸454−459に対応するP−52;プ
ロテインキナーゼの触媒ドメインIXに存在する、保存さ
れたアミノ酸残基群Asp−(Met)-Tyr−Se
r−(Val)−Gly−Valを含み、アミノ酸50
6−510に対応するP−74、およびアミノ酸166
−170に対応するP−56を示す。
【図3】HRIの保存された触媒ドメインを、他のプロ
テインキナーゼと並列させたもの。保存された触媒ドメ
インをローマ数字(IからXI)で示す。保存された不変
のアミノ酸残基を黒い四角に白文字で示す。類似構造を
有する半保存アミノ酸残基を白い四角で示す。小さなギ
ャップを点(・・・・)で示す。HRIにあるドメインVお
よびVIの間の138個のアミノ酸の挿入を{138}で
示す。保存されたドメイン以外の付加的なアミノ酸の数
を、NおよびC末端の両方に示す。アミノ酸の一字記号
を用いた。
【図4】AおよびBは相同性を示すドット−マトリック
ス分析である。(A)HRIおよびGCN2のアミノ酸
配列のドット−マトリックス分析。(B)HRIおよび
dsIのアミノ酸配列のドット−マトリックス分析。ド
ット−マトリックスはMaizel, J. V., Jr.およびLenk,
R. P.の比較プログラム(Proc. Natl. Acad. Sci., US
A, 78, 7665-7669 (1981))を用いて、30のウインド
ウおよび15のストリンジェンシーで行った。プロテイ
ンキナーゼの保存された触媒ドメインの位置を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アーヴィング エム. ロンドン アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02138,ケンブリッジ,フレッシュ ポン ド レイン 41

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘムに調節される真核細胞開始因子2αキ
    ナーゼをコードする単離されたDNA配列。
  2. 【請求項2】以下の配列のヌクレオチドの113番から199
    0番までに対して80%より高い相同性を有する、請求項1
    に記載の配列。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】哺乳類細胞発現系での発現のための、プロ
    モーターおよびエンハンサーをさらに含有する請求項1
    の配列。
  4. 【請求項4】ヘムによる調節を減衰するように改変され
    た、請求項1に記載の配列。
  5. 【請求項5】種特異性が低くなるように改変された、請
    求項1に記載の配列。
  6. 【請求項6】ヒトHRIをコードする、請求項2に記載の
    配列。
  7. 【請求項7】ヘムに調節される真核細胞開始因子2αキ
    ナーゼを、細胞への投与に好適な製剤キャリアーに組合
    せて含有する、医薬組成物。
  8. 【請求項8】処理しようとする細胞に、ヘムに調節され
    る真核細胞開始因子2αキナーゼの有効量を、該細胞へ
    の投与に好適な製剤キャリアーと組合せて投与すること
    を包含する、タンパク合成の阻害、細胞分化の誘導およ
    び感染の防止のための方法。
  9. 【請求項9】前記HRIが、以下の配列のヌクレオチドの1
    13番から1990番までにに対して80%より高い相同性を有
    する核酸配列から発現される、請求項8に記載の方法。 【化3】 【化4】
  10. 【請求項10】前記HRIが、その細胞種にしては異常に
    早い増殖で特徴付けられる細胞に投与される、請求項8
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記細胞が癌である、請求項10に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】前記細胞が、乾癬にかかっている患者内
    にある、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記細胞がウイルスに感染しているか、
    または感染の危険に曝されている、請求項8に記載の方
    法。
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