JPH0525562A - Ni−Zn合金の製造方法 - Google Patents
Ni−Zn合金の製造方法Info
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- JPH0525562A JPH0525562A JP20456591A JP20456591A JPH0525562A JP H0525562 A JPH0525562 A JP H0525562A JP 20456591 A JP20456591 A JP 20456591A JP 20456591 A JP20456591 A JP 20456591A JP H0525562 A JPH0525562 A JP H0525562A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、例えば電気Ni−Zn系合金めっ
き用の陽極、またはNi−Zn合金めっき浴へのNi,
Znの溶解原料としてのNi−Zn合金の製造法に関す
るものである。 【構成】 2〜50wt%Ni−Zn合金を製造する方
法においてフラックスとして700℃以下の融点を有す
る溶融塩形成剤例えばKCl,NaClおよびNa2B4
O7,Na2CO3を用いて溶製するNi−Zn合金の製
造方法。 【効果】 (1)高品位2〜50wt%Ni−Zn合金
の溶製が極めて効率的に行うことができる。(2)溶製
温度がZnの沸点以上の温度となっても、突沸もなく高
品位Ni−Zn合金の溶製ができる。
き用の陽極、またはNi−Zn合金めっき浴へのNi,
Znの溶解原料としてのNi−Zn合金の製造法に関す
るものである。 【構成】 2〜50wt%Ni−Zn合金を製造する方
法においてフラックスとして700℃以下の融点を有す
る溶融塩形成剤例えばKCl,NaClおよびNa2B4
O7,Na2CO3を用いて溶製するNi−Zn合金の製
造方法。 【効果】 (1)高品位2〜50wt%Ni−Zn合金
の溶製が極めて効率的に行うことができる。(2)溶製
温度がZnの沸点以上の温度となっても、突沸もなく高
品位Ni−Zn合金の溶製ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、電気Ni−Z
n系合金めっき用の可溶性陽極、またはNi−Znめっ
き浴へのNi2+,Zn2+イオンの補給原料等としてのN
i−Zn合金の製造法に関するものである。
n系合金めっき用の可溶性陽極、またはNi−Znめっ
き浴へのNi2+,Zn2+イオンの補給原料等としてのN
i−Zn合金の製造法に関するものである。
【0002】
【従来技術】Ni−Zn合金を製造する方法として、
(1)金属Znと金属Niを溶解してNi−Zn合金を
製造する方法。 (2)金属Znに塩化ニッケル等の塩を加えてNi−Z
n合金を製造する方法等がある。
製造する方法。 (2)金属Znに塩化ニッケル等の塩を加えてNi−Z
n合金を製造する方法等がある。
【0003】Ni−Zn合金の製造法において、2wt
%以下のNi−Zn合金の融点は、約600℃程度であ
るために、フラックスを用いることなく溶製することが
できる。しかしながら、2wt%以上のNi−Zn合金
を溶製するには、Ni−Zn合金の状態図から読み取れ
るように、融点が高くなるために、高Ni−Zn合金を
溶製する際の溶解温度はZnの沸点を超える温度となっ
てしまうため溶解することが極めて難しい。すなわち、
Ni−Zn浴の表面温度が750℃を超えると、Znの
蒸発及び酸化反応が激しくなるために、着火し燃焼する
と言う現象を生じ、更にはNi−Zn合金湯の突沸とい
う現象をも生ずることから、高Ni−Zn合金の製造は
困難とされていた。(2)の方法においてもNi−Zn
合金を製造するには高温を必要とし、ニッケル塩等を用
いるためコスト高となり必ずしも良い方法ではなかっ
た。
%以下のNi−Zn合金の融点は、約600℃程度であ
るために、フラックスを用いることなく溶製することが
できる。しかしながら、2wt%以上のNi−Zn合金
を溶製するには、Ni−Zn合金の状態図から読み取れ
るように、融点が高くなるために、高Ni−Zn合金を
溶製する際の溶解温度はZnの沸点を超える温度となっ
てしまうため溶解することが極めて難しい。すなわち、
Ni−Zn浴の表面温度が750℃を超えると、Znの
蒸発及び酸化反応が激しくなるために、着火し燃焼する
と言う現象を生じ、更にはNi−Zn合金湯の突沸とい
う現象をも生ずることから、高Ni−Zn合金の製造は
困難とされていた。(2)の方法においてもNi−Zn
合金を製造するには高温を必要とし、ニッケル塩等を用
いるためコスト高となり必ずしも良い方法ではなかっ
た。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決したもので、本発明の目的は、2〜50wt%N
i−Zn合金を製造し、これを電気Ni−Znめっき用
の可溶性陽極、またはめっき浴へのNi2+イオン、Zn
2+イオンの補給原料等としてのNi−Zn合金の製造方
法を提供するものである。
を解決したもので、本発明の目的は、2〜50wt%N
i−Zn合金を製造し、これを電気Ni−Znめっき用
の可溶性陽極、またはめっき浴へのNi2+イオン、Zn
2+イオンの補給原料等としてのNi−Zn合金の製造方
法を提供するものである。
【0005】
【発明の構成】本発明は、(1)2〜50wt%Ni−
Zn合金を製造する方法において、700℃以下の融点
を有する溶融塩形成剤およびNa2B4O7,Na2CO3
からなるフラックスを用いNi−Zn合金を溶製するこ
とを特徴とするNi−Zn合金の製造方法。
Zn合金を製造する方法において、700℃以下の融点
を有する溶融塩形成剤およびNa2B4O7,Na2CO3
からなるフラックスを用いNi−Zn合金を溶製するこ
とを特徴とするNi−Zn合金の製造方法。
【0006】(2)2〜50wt%Ni−Zn合金を製
造する方法において、30〜70wt%NaCl残部K
Clと10〜30wt%Na2B4O7残部Na2CO3と
の比率を、前記NaClおよびKClからなるものを3
〜20wt%とし、残部を前記Na2B4O7およびNa2
CO3としたフラックスを用いたことを特徴とするNi
−Zn合金の製造方法。に関する。
造する方法において、30〜70wt%NaCl残部K
Clと10〜30wt%Na2B4O7残部Na2CO3と
の比率を、前記NaClおよびKClからなるものを3
〜20wt%とし、残部を前記Na2B4O7およびNa2
CO3としたフラックスを用いたことを特徴とするNi
−Zn合金の製造方法。に関する。
【0007】
【発明の具体的説明】本発明の理解を容易とするため
に、具体的かつ詳細に説明する。本発明は、高温下で2
wt%Ni以上の合金を製造する際に、Ni−Zn合金
湯表面の酸化及び亜鉛の蒸発と、溶湯の燃焼を防止する
フラックス組成と溶湯の突沸を防止する溶解方法を見い
出したものである。
に、具体的かつ詳細に説明する。本発明は、高温下で2
wt%Ni以上の合金を製造する際に、Ni−Zn合金
湯表面の酸化及び亜鉛の蒸発と、溶湯の燃焼を防止する
フラックス組成と溶湯の突沸を防止する溶解方法を見い
出したものである。
【0008】本発明で用いるフラックスは700℃以下
の融点を有する溶融塩形成剤およびNa2B4O7、Na2
CO3である。700℃以下の融点を有する溶融塩形成
剤としては、NaCl、KCl等を用いる。特にNaC
l30から70wt%と残部KClからなるものが好ま
しい。この範囲が700℃以下の融点を有し、気化する
Znの着火を防止できZn−Ni合金の溶解用のフラッ
クスとして好ましいためである。またNa2B4O7およ
びNa2CO3の比率は、Na2B4O7を10から30w
t%として残部をNa2CO3とすることが好ましい。こ
の範囲であると800℃以上で溶融し、ZnO,NiO
等の酸化物を吸収しやすいためである。
の融点を有する溶融塩形成剤およびNa2B4O7、Na2
CO3である。700℃以下の融点を有する溶融塩形成
剤としては、NaCl、KCl等を用いる。特にNaC
l30から70wt%と残部KClからなるものが好ま
しい。この範囲が700℃以下の融点を有し、気化する
Znの着火を防止できZn−Ni合金の溶解用のフラッ
クスとして好ましいためである。またNa2B4O7およ
びNa2CO3の比率は、Na2B4O7を10から30w
t%として残部をNa2CO3とすることが好ましい。こ
の範囲であると800℃以上で溶融し、ZnO,NiO
等の酸化物を吸収しやすいためである。
【0009】またNaClとKClおよびNa2B4O7
とNa2CO3からなる上記比率のフラックスを用いる場
合は、NaClとKClからなるものを3〜20wt%
とすることが好ましい。この範囲であれば、昇温過程で
気化するZnの着火を充分防止できるからである。
とNa2CO3からなる上記比率のフラックスを用いる場
合は、NaClとKClからなるものを3〜20wt%
とすることが好ましい。この範囲であれば、昇温過程で
気化するZnの着火を充分防止できるからである。
【0010】Znを溶解して、これに金属ニッケルを加
えて、溶製する際に、溶湯表面に、このフラックスを散
布すると、先ず650℃程度で、700℃以下の融点を
有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl系が溶融し
て、溶湯表面を覆い、溶湯と空気との接触が遮断され
る。その結果、Znの蒸発によるZnロス及び発火、そ
れに伴うZnの燃焼が起こらない。しかし、この700
℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaClとK
Clの溶融塩は、Ni−Zn浴表面に僅かに生成したZ
nO,NiO等の酸化物を吸収することもないために、
これらの酸化物を含有した融液となる。700℃以下の
融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl系の
みのフラックスでは、特に800℃以上になると、これ
ら酸化物の量の増大に伴って、溶融状態でNi−Zn浴
表面を覆うことが困難となり、遂には溶湯と空気との接
触を遮蔽する効力を失い、Znの蒸発が活発となり着
火、燃焼するに至る。
えて、溶製する際に、溶湯表面に、このフラックスを散
布すると、先ず650℃程度で、700℃以下の融点を
有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl系が溶融し
て、溶湯表面を覆い、溶湯と空気との接触が遮断され
る。その結果、Znの蒸発によるZnロス及び発火、そ
れに伴うZnの燃焼が起こらない。しかし、この700
℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaClとK
Clの溶融塩は、Ni−Zn浴表面に僅かに生成したZ
nO,NiO等の酸化物を吸収することもないために、
これらの酸化物を含有した融液となる。700℃以下の
融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl系の
みのフラックスでは、特に800℃以上になると、これ
ら酸化物の量の増大に伴って、溶融状態でNi−Zn浴
表面を覆うことが困難となり、遂には溶湯と空気との接
触を遮蔽する効力を失い、Znの蒸発が活発となり着
火、燃焼するに至る。
【0011】本発明によるフラックスは700℃以下の
融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl,お
よびNa2B4O7、Na2CO3で構成されているので、
700℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaC
l,KCl系が溶融し、溶湯表面を被覆する。この状態
で、更に溶湯温度を800℃程度まで昇温すると、Na
2B4O7、Na2CO3系が溶融する。このNa2B4O7、
Na2CO3の溶融塩はZnO,NiO等の酸化物を吸収
(溶解)するので、結局、Ni−Zn溶湯表面は700
℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,K
Cl,およびNa2B4O7,Na2CO3,ZnO,Ni
O等酸化物の溶融塩で覆われることになる。
融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,KCl,お
よびNa2B4O7、Na2CO3で構成されているので、
700℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaC
l,KCl系が溶融し、溶湯表面を被覆する。この状態
で、更に溶湯温度を800℃程度まで昇温すると、Na
2B4O7、Na2CO3系が溶融する。このNa2B4O7、
Na2CO3の溶融塩はZnO,NiO等の酸化物を吸収
(溶解)するので、結局、Ni−Zn溶湯表面は700
℃以下の融点を有する溶融塩形成剤例えばNaCl,K
Cl,およびNa2B4O7,Na2CO3,ZnO,Ni
O等酸化物の溶融塩で覆われることになる。
【00012】この溶融塩は1300℃程度まで、溶湯
表面を安定に被覆し、しかも蒸気圧が低いので損耗する
こともない。この結果、本発明によるフラックスを使用
することにより、高温下で、酸化されたZn,Niの酸
化物を吸収しながら、溶湯表面からのZnの蒸発を抑制
し、かつ空気との接触が遮蔽されるために溶湯の発火燃
焼が生じることがなく、安定に高温下で高Ni品位のZ
n合金を製造することができる。
表面を安定に被覆し、しかも蒸気圧が低いので損耗する
こともない。この結果、本発明によるフラックスを使用
することにより、高温下で、酸化されたZn,Niの酸
化物を吸収しながら、溶湯表面からのZnの蒸発を抑制
し、かつ空気との接触が遮蔽されるために溶湯の発火燃
焼が生じることがなく、安定に高温下で高Ni品位のZ
n合金を製造することができる。
【0013】このように700℃以下の融点を有する溶
融塩形成剤例えばNaCl,KCl,およびNa2B4O
7、Na2CO3のフラックスは溶湯と空気との遮蔽効果
と、1部生じたZnO,NiOの吸収効果の2つの効果
を同時に満足させることができる。そして高温下でも安
定に存在して溶湯表面を被覆するので、特に、溶解温度
が高い2〜50wt%Ni−Znを溶製する際のフラッ
クスとして非常に効果的である。2wt%よりNiが少
ない場合は、融点が低く他の方法でも簡便に行うことが
でき、Ni50wt%より多い場合は、あまりに融点が
高くなるため本発明の対象とすることは、好ましくな
い。
融塩形成剤例えばNaCl,KCl,およびNa2B4O
7、Na2CO3のフラックスは溶湯と空気との遮蔽効果
と、1部生じたZnO,NiOの吸収効果の2つの効果
を同時に満足させることができる。そして高温下でも安
定に存在して溶湯表面を被覆するので、特に、溶解温度
が高い2〜50wt%Ni−Znを溶製する際のフラッ
クスとして非常に効果的である。2wt%よりNiが少
ない場合は、融点が低く他の方法でも簡便に行うことが
でき、Ni50wt%より多い場合は、あまりに融点が
高くなるため本発明の対象とすることは、好ましくな
い。
【0014】本発明によるNi−Zn合金の溶製方法の
特徴について述べる。Ni−Zn合金を溶製する場合
は、Zn浴中にNiを添加して、所定のNi品位とする
が、徐々にZn浴中のNi品位を高めることが望まし
く、そのZn浴中のNi品位に対応して溶製温度を高め
るような溶解方法が好ましい方法である。その理由は、
所定量の全量を一時にZn浴中に添加して、昇温する
と、Niが溶解して合金化する過程では吸熱反応である
が、Niの全量が溶解すると、Ni−Zn合金浴は、急
激に昇温されるので突沸(Znの沸点は902℃)し、
フラックスの被覆が破れて、着火、燃焼する。
特徴について述べる。Ni−Zn合金を溶製する場合
は、Zn浴中にNiを添加して、所定のNi品位とする
が、徐々にZn浴中のNi品位を高めることが望まし
く、そのZn浴中のNi品位に対応して溶製温度を高め
るような溶解方法が好ましい方法である。その理由は、
所定量の全量を一時にZn浴中に添加して、昇温する
と、Niが溶解して合金化する過程では吸熱反応である
が、Niの全量が溶解すると、Ni−Zn合金浴は、急
激に昇温されるので突沸(Znの沸点は902℃)し、
フラックスの被覆が破れて、着火、燃焼する。
【0015】前述のように、徐々にZn浴中のNi品位
を高めながら、そのZn浴中のNi品位に対応して、溶
製温度を高める方法を採用することによって溶湯の突沸
を抑え、しかもZnの沸点を超える1100℃まで溶解
温度を高めることができるものである。
を高めながら、そのZn浴中のNi品位に対応して、溶
製温度を高める方法を採用することによって溶湯の突沸
を抑え、しかもZnの沸点を超える1100℃まで溶解
温度を高めることができるものである。
【0016】このようにして溶製したNi−Zn合金は
鋳型に鋳込んで鋳造することができる。また水中等に滴
下して任意の粒径とすることもできる。アトマイズ処理
で粉末とすることもできる。10wt%Ni品位以上の
Ni−Zn合金は粉砕して、粉末とすることもできるも
のである。
鋳型に鋳込んで鋳造することができる。また水中等に滴
下して任意の粒径とすることもできる。アトマイズ処理
で粉末とすることもできる。10wt%Ni品位以上の
Ni−Zn合金は粉砕して、粉末とすることもできるも
のである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】
【実施例1】50wt%Ni−Zn合金を6kg溶製し
た。先ずZnを3kg秤取して、黒鉛ルツボに入れ、加
熱溶解した。
た。先ずZnを3kg秤取して、黒鉛ルツボに入れ、加
熱溶解した。
【0019】NaCl(50g),KCl(50g),
Na2B4O7(250g),Na2CO3(650g)こ
れらを乳鉢で混合してフラックスとした。Zn浴の温度
が450℃程度となった時点で、フラックスを約100
g秤取して溶湯表面に散布した。溶湯温度を上昇させる
と、650℃でまずNaClおよびKClの混合塩が溶
融して、溶湯表面を覆った。この状態におけるNa2B4
O7およびNa2CO3の混合塩は、半溶融状態にある。
Na2B4O7(250g),Na2CO3(650g)こ
れらを乳鉢で混合してフラックスとした。Zn浴の温度
が450℃程度となった時点で、フラックスを約100
g秤取して溶湯表面に散布した。溶湯温度を上昇させる
と、650℃でまずNaClおよびKClの混合塩が溶
融して、溶湯表面を覆った。この状態におけるNa2B4
O7およびNa2CO3の混合塩は、半溶融状態にある。
【0020】金属Niの溶製方法は、まず溶湯温度が7
00℃となった時点でNiショットを62.5g加え
て、全量溶解させて2wt%Ni−Zn合金とし、更に
溶湯温度を850℃としてから、再びNiショットを6
2.5g加えて全量を溶解させて4wt%Ni−Znと
した。この様に、所定のNi−Zn合金の融点よりも5
0〜100℃溶湯温度を高めながら、Niショットを添
加して、溶湯温度をZnの沸点を超える1100℃まで
加熱して、3kgのNiの全量を溶解して、50wt%
Ni−Znの合金を溶製した。尚Na2B4O7およびN
a2CO3の混合塩は、800℃前後で溶融して、結局N
aCl、KCl、Na2B4O7およびNa2CO3混合溶
融塩として、若干のZnO,NiOを吸収して溶湯表面
を覆い、Znロス及びZn蒸気の燃焼等は認められなか
った。
00℃となった時点でNiショットを62.5g加え
て、全量溶解させて2wt%Ni−Zn合金とし、更に
溶湯温度を850℃としてから、再びNiショットを6
2.5g加えて全量を溶解させて4wt%Ni−Znと
した。この様に、所定のNi−Zn合金の融点よりも5
0〜100℃溶湯温度を高めながら、Niショットを添
加して、溶湯温度をZnの沸点を超える1100℃まで
加熱して、3kgのNiの全量を溶解して、50wt%
Ni−Znの合金を溶製した。尚Na2B4O7およびN
a2CO3の混合塩は、800℃前後で溶融して、結局N
aCl、KCl、Na2B4O7およびNa2CO3混合溶
融塩として、若干のZnO,NiOを吸収して溶湯表面
を覆い、Znロス及びZn蒸気の燃焼等は認められなか
った。
【0021】このようにして溶製した50wt%Ni−
Zn合金を鋳型に鋳込むと鋳型と同一形状の鋳造品が得
られた。
Zn合金を鋳型に鋳込むと鋳型と同一形状の鋳造品が得
られた。
【0022】また溶製した50wt%Ni−Zn合金を
水中に滴下すると、任意粒径の球状のショットが得られ
た。
水中に滴下すると、任意粒径の球状のショットが得られ
た。
【0023】鋳造品を、振動ミルで粉砕すると325メ
ッシュ(43μm)以下の粒径の粉砕品が得られた。鋳
造品のNi品位は49.9%、残部Znであった。
ッシュ(43μm)以下の粒径の粉砕品が得られた。鋳
造品のNi品位は49.9%、残部Znであった。
【0024】
【実施例2】実施例1と同じように、溶湯温度を高めな
がら、最終的に溶湯温度をZnの沸点以上の950℃と
して、3kgのZnに、Niを448g溶解させて13
wt%Ni−Zn合金を溶製した。
がら、最終的に溶湯温度をZnの沸点以上の950℃と
して、3kgのZnに、Niを448g溶解させて13
wt%Ni−Zn合金を溶製した。
【0025】13wt%Ni−Zn合金も、鋳型の形状
通りに鋳造が出きる。また、水中に滴下すれば任意粒径
のショットができるし、また粉砕すれば325メッシュ
(43μm)以下の粒径とすることができた。鋳造品の
Ni品位は12.8%、残部Znであった。
通りに鋳造が出きる。また、水中に滴下すれば任意粒径
のショットができるし、また粉砕すれば325メッシュ
(43μm)以下の粒径とすることができた。鋳造品の
Ni品位は12.8%、残部Znであった。
【0026】
【実施例3】実施例1と同様に溶湯温度を高めながら、
Znの沸点の直下の850℃とすることによって、3k
gのZnに、Niを125g溶解させて、4wt%Ni
−Zn合金を溶製した。Ni品位は3.9%、残部Zn
であった。4wt%Ni−Zn合金も鋳型に鋳造ができ
る。そして水中に滴下すれば任意の粒径のショットとす
ることができる。
Znの沸点の直下の850℃とすることによって、3k
gのZnに、Niを125g溶解させて、4wt%Ni
−Zn合金を溶製した。Ni品位は3.9%、残部Zn
であった。4wt%Ni−Zn合金も鋳型に鋳造ができ
る。そして水中に滴下すれば任意の粒径のショットとす
ることができる。
【0027】
【実施例4】実施例1〜3で溶製したNi−Zn合金
は、通常のZnと同様にアトマイズ処理することによっ
て325メッシュ(43μm)以下の粒径とすることが
できた。
は、通常のZnと同様にアトマイズ処理することによっ
て325メッシュ(43μm)以下の粒径とすることが
できた。
【0028】
【比較例1】フラックスを用いずに4wt%Ni−Zn
合金を溶製しようとして、溶湯温度を4wt%Ni−Z
n合金の融点(約700℃)よりも100℃程度上昇さ
せようとしたところ、600℃程度から溶湯表面のZn
が酸化しはじめ、750℃を超えるとZnの蒸発が活発
となり、着火してZnが激しく燃焼したために、4wt
%Ni−Zn合金を溶製することができなかった。
合金を溶製しようとして、溶湯温度を4wt%Ni−Z
n合金の融点(約700℃)よりも100℃程度上昇さ
せようとしたところ、600℃程度から溶湯表面のZn
が酸化しはじめ、750℃を超えるとZnの蒸発が活発
となり、着火してZnが激しく燃焼したために、4wt
%Ni−Zn合金を溶製することができなかった。
【0029】
【比較例2】KClとNaClを夫々50g秤取して、
乳鉢で混合してフラックスとした。4wt%Ni−Zn
合金を溶製しようとして、溶湯温度が450℃の時点で
フラックスを100g、溶湯表面に散布した。650℃
程度でフラックスは溶融して、溶湯表面を覆った。更に
昇温して800℃程度になると、このフラックスは、1
部酸化されたZn,Niを吸収する働きがないために、
溶体に固体のZnO,NiOが混在する状況となり、溶
体として溶湯表面を被覆する機能が阻害され、結果とし
てZnの蒸発が活発となり、着火してZnが激しく燃焼
した。
乳鉢で混合してフラックスとした。4wt%Ni−Zn
合金を溶製しようとして、溶湯温度が450℃の時点で
フラックスを100g、溶湯表面に散布した。650℃
程度でフラックスは溶融して、溶湯表面を覆った。更に
昇温して800℃程度になると、このフラックスは、1
部酸化されたZn,Niを吸収する働きがないために、
溶体に固体のZnO,NiOが混在する状況となり、溶
体として溶湯表面を被覆する機能が阻害され、結果とし
てZnの蒸発が活発となり、着火してZnが激しく燃焼
した。
【0030】NaClおよびKClのフラックスでは、
このような現象が生じるために4wt%Ni−Zn合金
の溶製ができなかった。
このような現象が生じるために4wt%Ni−Zn合金
の溶製ができなかった。
【0031】
【比較例3】Na2B4O7を250g、Na2CO3を6
50g秤取して、乳鉢で混合してフラックスとした。4
wt%Ni−Zn合金を溶製しようとして、溶湯温度が
450℃の時点で、フラックスを100g溶湯表面に散
布した。このフラックス成分では600℃程度の温度で
は半溶融状であった。このフラックスの融点は800℃
程度であるために、4wt%Ni−Zn合金の溶製温度
850℃に至る間に、Zn蒸気の発生が激しく、着火と
いう現象が生じた。
50g秤取して、乳鉢で混合してフラックスとした。4
wt%Ni−Zn合金を溶製しようとして、溶湯温度が
450℃の時点で、フラックスを100g溶湯表面に散
布した。このフラックス成分では600℃程度の温度で
は半溶融状であった。このフラックスの融点は800℃
程度であるために、4wt%Ni−Zn合金の溶製温度
850℃に至る間に、Zn蒸気の発生が激しく、着火と
いう現象が生じた。
【0032】Na2B4O7およびNa2CO3のフラック
スでは、このフラックスの融点に至る間でのZnの着
火、燃焼が生じるために、4wt%Ni−Zn合金の溶
製ができなかった。
スでは、このフラックスの融点に至る間でのZnの着
火、燃焼が生じるために、4wt%Ni−Zn合金の溶
製ができなかった。
【0033】
【発明の効果】(1)高品位2〜50wt%Ni−Zn
合金の溶製が極めて効率的に行うことができる。 (2)溶製温度がZnの沸点以上の温度となっても突沸
もなく、高品位Ni−Zn合金の溶製ができる。
合金の溶製が極めて効率的に行うことができる。 (2)溶製温度がZnの沸点以上の温度となっても突沸
もなく、高品位Ni−Zn合金の溶製ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 2〜50wt%Ni−Zn合金を製造す
る方法において、700℃以下の融点を有する溶融塩形
成剤およびNa2B4O7,Na2CO3からなるフラック
スを用いNi−Zn合金を溶製することを特徴とするN
i−Zn合金の製造方法。 - 【請求項2】 2〜50wt%Ni−Zn合金を製造す
る方法において、30〜70wt%NaCl残部KCl
と10〜30wt%Na2B4O7残部Na2CO3との比
率を、前記NaClおよびKClからなるものを3〜2
0wt%とし、残部を前記Na2B4O7およびNa2CO
3からなるフラックスを用いたことを特徴とするNi−
Zn合金の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204565A JP2991540B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | Ni−Zn合金の製造方法 |
TW081107245A TW284790B (ja) | 1991-07-22 | 1992-09-15 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204565A JP2991540B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | Ni−Zn合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525562A true JPH0525562A (ja) | 1993-02-02 |
JP2991540B2 JP2991540B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=16492578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3204565A Expired - Fee Related JP2991540B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | Ni−Zn合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2991540B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111495269A (zh) * | 2020-04-22 | 2020-08-07 | 东莞理工学院 | 一种阶梯式合金熔体成分的高通量配置装置和配置方法 |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP3204565A patent/JP2991540B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111495269A (zh) * | 2020-04-22 | 2020-08-07 | 东莞理工学院 | 一种阶梯式合金熔体成分的高通量配置装置和配置方法 |
CN111495269B (zh) * | 2020-04-22 | 2021-12-17 | 东莞理工学院 | 一种阶梯式合金熔体成分的高通量配置装置和配置方法 |
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Publication number | Publication date |
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JP2991540B2 (ja) | 1999-12-20 |
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