JPH05235792A - 適応等化器 - Google Patents

適応等化器

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JPH05235792A
JPH05235792A JP3104992A JP3104992A JPH05235792A JP H05235792 A JPH05235792 A JP H05235792A JP 3104992 A JP3104992 A JP 3104992A JP 3104992 A JP3104992 A JP 3104992A JP H05235792 A JPH05235792 A JP H05235792A
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JP
Japan
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neural network
equalization
characteristic
learning
propagation path
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JP3104992A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Yaginuma
義典 柳沼
Takashi Kimoto
隆 木本
Daiki Masumoto
大器 増本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】適応的に線形歪み及び非線形歪みを等化でき、
且つ実環境上に即して構成でき、しかも現場で容易に調
整することのできる適応等化器を提供する。 【構成】特性検出手段11は、等化すべき等化対象10
への入力信号に対する実際の出力信号から等化対象10
の特性を検出する。等化手段12は、特性検出手段11
で検出された結果を用いて等化対象10の実際の出力信
号を等化する。伝搬路構成手段13は、入力信号から予
め計算により出力信号を作成することで、実際の伝送路
歪みを発生する伝送路系を構成する。伝搬路構成手段1
3が、特性検出手段11の結果,等化手段12の結果の
少なくとも一方を入力してその時の出力信号を作成する
と、少なくとも一方の手段は、伝搬路構成手段13の結
果を用いて学習を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムにおいて
伝送路上での信号の劣化を補償するための等化器に関
し、特に無線及び有線の通信における伝送路の特性を検
出し、その検出結果に基づき受信信号の等化を行なう適
応等化器に関する。
【0002】近年の情報化社会の発展に伴い、国内外で
無線や有線の通信網の整備が行なわれ、通信技術を用い
た情報交換が社会の重要な基盤になってきている。情報
化社会においては、従来のテレビ放送やラジオ放送、電
話などの音声、画像信号のみならず企業間の取引情報や
銀行のオンライン情報などの社会的な影響度の大きい情
報が通信網を用いて伝送されるようになってきた。この
ような情報に対しては、伝送路の特性により受ける誤り
を少なくするような正確な伝送手段の確立が強く要望さ
れていた。
【0003】特に、自動車電話等のデジタル移動通信に
おいては、変動の速いマルチパスフェージングに対する
補償技術が重要な課題になってきている。よって、時々
刻々と変化する伝送路の特性に適応して等化するための
適応等化技術の確立が要望されていた。
【0004】
【従来の技術】一般に、無線伝送路は、送受信フィル
タ、変復調器及び送受信器から構成される無線装置と、
気象条件や送受信器間の建造物等によって変化する伝搬
路から構成される。構成要素の不完全性により、装置か
ら発生する線形、非線形歪みと伝送路から発生する線形
歪みの一種である2波干渉フェージングという伝搬路歪
みがある。移動無線においては、装置等から発生する伝
搬路歪みは時間的に安定であるが、移動局、基地局間の
伝送路で発生する伝搬路歪みは選択的フェージングとな
って時間的に変動する。この変動に適応して伝送路上で
の信号の歪を適応的に等化する必要がある。
【0005】図16は移動体無線の概念図である。図1
6において、移動局1と基地局2との間で移動体通信が
行われる。移動局1と基地局2との間では局の間で直接
に伝搬する直接波とビル、山、大地等の障害物3によっ
て反射される反射波との間でフェージングが発生する。
特に自動車無線のように移動局が高速に移動する場合に
は、直接波と反射波の間の振幅比、伝搬遅延時間、位相
差が高速に変化する。このため、この変化に高速に追従
して適応的に等化する必要が生ずる。
【0006】従来では等化器としては、タップ付き遅延
線とトランスバーサル型等化器を用い、それぞれの係数
を伝搬路や変復調装置内部の歪みの程度に応じて調整す
る等化器が提供されている。
【0007】図17はこの種のトランスバーサル型等化
器の構成ブロック図である。このトランスバーサル型等
化器は、伝送路からの受信信号を復調器4によって復調
した後、復調された信号をタップ付き遅延線5に逐次セ
ットし、各遅延器6からの出力に各係数調整器7によっ
て係数をかけ、これらの出力を加算器8で合成するもの
である。これによれば、係数を伝送路の歪みに応じて調
整することにより歪みを取り除くことができる。
【0008】また、伝搬路の特性を検出し、その特性及
び出力信号から等化回路を構成する手法も、例えばニュ
ーラルネットワークを用いる方法で提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラン
スバーサル型等化器を用いた従来の等化技術は線形歪み
に対しては有効であるが、伝送路に非線形歪みが生じた
場合や復調系に非線形回路を用いた場合には、信号を適
切に等化することができないという問題点があった。
【0010】また、非線形歪みに対応できるフィルタと
して、ニューラルネットワークを用いた等化器が知られ
ているが、学習時間がかかりすぎるため適応的な処理が
困難であり、種々の伝送路特性の変化に対応できなかっ
た。このため、移動通信におけるマルチパスフェージン
グなどのように時間的に伝送路特性が変化する場合に
は、これに対応できないという問題があった。
【0011】本発明の目的は、適応的に線形歪みのみな
らず非線形歪みを等化することができ、且つ実環境上に
即して構成でき、しかも現場で容易に調整することので
きる適応等化器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成すべく次のような構成とした。図1は本発明の原理図
である。等化対象10は、例えば伝達関数であり、本発
明ではこの伝達関数を検出し、その結果に基づき出力信
号を等化する。
【0013】特性検出手段11は、等化すべき等化対象
10への入力信号に対する実際の出力信号から等化対象
10の特性を検出する。等化手段12は、特性検出手段
11で検出された結果を用いて等化対象10の実際の出
力信号を等化する。伝搬路構成手段13は、入力信号か
ら予め計算により出力信号を作成することで、実際の伝
送路歪みを発生する伝送路系を構成する。
【0014】伝搬路構成手段13が、特性検出手段11
で検出された結果または等化手段12で等化された結果
の少なくとも一方を入力してその時の出力信号を作成す
ると、少なくとも一方の手段は、伝搬路構成手段13の
結果を用いて学習を行なう。
【0015】
【作用】本発明によれば、特性検出手段によって等化対
象の時々刻々と変化する伝達関数を適応的に検出し、そ
の検出結果を用いて等化手段により信号の等化を行な
う。従って、時々刻々変化する等化対象の変化に追従し
て出力信号を補償できる。例えば、自動車電話等の移動
体無線で生じるマルチパスフェージングのように伝送路
の特性(つまり、等化対象の伝達関数)が時間的に変化
する場合でも適応的に追従して等化できる。また、伝搬
路構成手段を用いて特性検出手段または等化手段を学習
させることで、実環境上での特性に応じた学習が行え
る。
【0016】よって、シミュレーションで学習のための
データを作成しなくても、実環境で得られたデータに基
づき、特性検出手段と等化手段を学習させることがで
き、より実環境に即して出力信号を高精度に等化でき
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2は本発明にかかる適応等化器の基本構成ブロック図で
ある。図2に示す適応等化器は、例えば自動車電話等の
移動無線を対象に無線伝送路を通過したデジタル信号を
等化するための適応等化器である。適応等化器は、次の
ように構成される。
【0018】特性検出装置21aは、等化対象10に入
力する入力信号と等化対象10から出力する出力信号
(実測値)とを入力して、等化対象10の伝達特性、例
えば伝達関数H(ω)を検出するものであり、等化装置
22aは、特性検出装置21aにより検出された伝達関
数を用いて等化対象10の出力信号を等化するものであ
る。伝搬路構成装置23aは、等化対象10の伝達関数
の実部及び虚部と入力信号(理想的な出力値)とを用い
て実際の伝送路歪みを発生する伝送路系を回路によって
近似的に実現するもので、特性検出装置21aおよび等
化装置22aを実環境に合わせて学習させる時に用い
る。学習部152は、伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23aを学習させるとともに、伝搬路構成ニューラル
ネットワーク23aからの復調信号と復調系28からの
受信信号とに基づき特性検出ニューラルネットワーク2
1a、等化ニューラルネットワーク22aを学習させ
る。
【0019】特性検出装置21a、等化装置22a、伝
搬路構成装置23aは、例えば、階層型ニューラルネッ
トワークである。図3は本発明の具体的な実施例の構成
ブロック図である。等化対象10は、変調系26、伝搬
路27、及び復調系28により構成される。適応等化器
は、図2に示す特性検出装置21aに相当する特性検出
NN(ニューラルネットワーク)21b、等化装置22
aに相当する等化ニューラルネットワーク22b、及び
伝搬路構成装置23aに相当する伝搬路構成ニューラル
ネットワーク23bから構成される。
【0020】特性検出ニューラルネットワーク21b
は、デジタル信号、すなわち送信信号とその信号に対す
る復調系28の復調信号、すなわち受信信号とから変調
系26、伝搬路27、及び復調系28の全体の伝達関数
の実数部X(ω)、及び虚数部Y(ω)を検出する。等
化ニューラルネットワーク22bは、特性検出ニューラ
ルネットワーク21bの検出結果を用いて復調系28か
ら出力される受信信号を等化する。伝搬路構成ニューラ
ルネットワーク23bは、等化対象10の伝達関数の実
数部X(ω)、及び虚数部Y(ω)と送信信号とを用い
て実際の伝送路歪みを発生する伝送路系を回路によって
近似的に実現して復調信号を出力するもので、特性検出
ニューラルネットワーク21bおよび等化ニューラルネ
ットワーク22bを実環境に合わせて学習させる時に用
いる。
【0021】学習収束判定部163bは、伝搬路構成ニ
ューラルネットワーク23bからの復調信号と復調系2
8からの受信信号との差が所定の値に収束するまで特性
検出ニューラルネットワーク21b、等化ニューラルネ
ットワーク22bを学習させる。
【0022】図4はその伝搬路27のモデルを示す図で
ある。一般に見通し内マイクロ波通信においては、直接
波と反射波からなる2波干渉フェージングとして伝搬路
27が記述されるので、本実施例でも2波干渉フェージ
ングモデルを伝搬路モデルとして用いる。
【0023】このときの伝搬路の伝達関数H(ω)は、
(1)式のように記述される。この伝達関数の実部、虚
部はそれぞれ(2)(3)式のように記述される。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、ρは、反射波と直接波の振幅比で
あり、τは反射波と直接波の伝搬遅延時間であり、φは
反射波と直接波の初期位相差である。このとき、変調系
26、伝搬路27、復調系28から構成されるトータル
の伝送系を考えると時間的に変化するのは伝搬路27の
みであり、変調系26、復調系28は時間的に安定であ
ると考えられる。そこで、本実施例では伝搬路27の伝
達関数として、この実部X(ω)と虚部Y(ω)をニュ
ーラルネットワークにより検出することで適応的に動作
する等化器を構成した。
【0026】図5は実施例で対象とした伝送系の変調系
26の概略図である。図5に示す変調系26は、例えば
復調時において受信波から抽出される搬送波成分を基準
信号として用いた時の検波出力に相当するI、及び搬送
波成分の位相をπ/2進ませた信号を基準信号として用
いた時の検波出力に相当するQの2チャンネルの入力信
号を用いる。I、Qの2チャンネルの入力信号をそれぞ
れ変調器26a、26bで直交変調してこれらの出力を
加算器26cで加算した後に、その出力を伝搬路27に
送信信号として送出するものである。
【0027】図6は実施例で対象とした復調系28の概
略図である。復調系28は、受信信号から同期検波(又
は遅延検波)などの検波手段を用いて受信信号を復元す
る。図6において、復調系28において、受信信号から
BPF(バンドパスフィルタ)28aで所定の帯域の周
波数のみが抽出され、リミッタ28bで振幅が制限され
て、遅延検波器28cで遅延検波が行われる。そして、
LPF(ローパスフィルタ)28で低域の周波数のみが
抽出され、AD(アナログデジタル変換器)28eでア
ナログ信号は4倍オーバーサンプリングされデジタル信
号に変換される。
【0028】図7は伝搬路上で伝送されるデータのパケ
ット形式を示す図である。各パケットの先頭には、トレ
ーニングシーケンスと呼ばれる各パケットに共通の既知
のビット列、例えば16ビットが挿入されている。この
ビット列を用いて伝送路の特性を検出することができ
る。情報部が実際に伝送されるデータである。本実施例
ではデジタル自動車電話を対象としているので、信号は
すべて0、1の2値のいずれかの値をとる。SYNCワ
ード、ガードはパケットの先頭と終わりを示す特別な信
号である。
【0029】図8は伝搬路構成ニューラルネットワーク
23bの構成を示す図、図9は階層ネットワーク部15
9の構成を示す図である。伝搬路構成ニューラルネット
ワーク23bは、階層ネットワーク部159と、学習部
152aとから構成される。図9に示すように階層ネッ
トワーク部159は、各層間が完全結合した3層の階層
型ニューラルネットワークである。入力層33の入力ユ
ニット数は18個であり、これらのユニットには、等化
対象10の伝達関数の実部X(ω)と虚部Y(ω)と、
送信信号(理想的な出力値)が入力される。中間層34
のユニット数は12個であり、出力層35のユニット数
は2個であり、I,Q各チャンネルの受信波形に対応し
ている。また、ニューラルネットワークの各層間の重み
値を管理する重み値格納部160が設けられている。
【0030】次に、学習部152aは、学習結果の誤差
量によりバックプロパゲーション法に基づく重み値の更
新を行い、重み値格納部160aへ出力する重み値変更
部161a、等化対象10の入出力関係により定まる入
力信号パターンと出力信号パターンの組からなる学習信
号(学習データ)を格納した学習信号格納部164、学
習指示に従って学習信号格納部164から学習信号を取
り出し入力信号を階層ネットワーク部159の入力に与
えるとともに教師信号を重み値変更部161a及び学習
収束判定部163aへ出力する学習信号提示部162、
階層ネットワーク部159の出力信号と学習信号提示部
162から出力された教師信号とを受けて階層ネットワ
ーク部159のデータ処理機能の誤差が許容範囲に入っ
たか否かを判定してその判定結果を学習信号提示部16
2に通知する学習収束判定部163aを備えている。
【0031】ニューラルネットワーク部159及び学習
部152aで学習して学習後の各層間の結線の重みを変
え、重み値は重み値格納部160aに格納される。図1
0は伝搬路構成ニューラルネットワーク23bの学習デ
ータを示す図である。入力データとしては、4倍でオー
バーサンプリングを行なっている。伝搬路構成ニューラ
ルネットワーク23bには、図10(a)に示すI,Q
各チャンネルの理想値2シンボル分の送信信号8ポイン
トと、伝搬路27の伝達関数の実部X(ω)と虚部Y
(ω)のデータが入力され、これに対してI,Q各チャ
ンネルの受信信号の値、つまり、4倍オーバーサンプリ
ングした送信信号上の幅8のウインドウの中間に対応し
た値を教師信号とする(図10(b)に示す。)。この
入出力対応関係を前述したバックプロパゲーション法等
の学習方法により学習する。
【0032】図11は特性検出ニューラルネットワーク
21bの構成を示す図である。特性検出ニューラルネッ
トワーク21bは、各層間が完全結合した3層の階層型
ニューラルネットワークである。入力層43の入力ユニ
ット数は32個であり、入力ユニットには、理想的な出
力値と復調系28からの実際の受信信号が入力される。
中間層44のユニット数は20個であり、出力層45の
ユニット数は2個であり、2つのユニットは、伝達関数
の実部、虚部に対応している。特性検出ニューラルネッ
トワーク21bは、既知のパケットのトレーニングシー
ケンスと実際の受信信号とを比較することで伝送路の伝
達関数を検出する。なお、図示しないが、特性検出ニュ
ーラルネットワーク21bは、図8に示す重み値格納部
106a及び重み値変更部161aと同一構成の重み値
格納部106b及び重み値変更部161bとを備えてい
る。
【0033】入力データとしては、4倍でオーバーサン
プリングを行なっている、入力ユニットには、I,Q各
チャンネルの各々の理想値と受信信号に対して、もとの
デジタル信号で見たときの2シンボル分の8ポイントの
データが入力され、合計32個になる。出力データは伝
搬路27の伝達関数の実部X(ω)と虚部Y(ω)との
値である。特性検出ニューラルネットワークの学習方法
については後述する。
【0034】図12は等化ニューラルネットワーク22
bの構成を示す図である。同様に、等化ニューラルネッ
トワーク22bは、各層間が完全結合した3層の階層型
ニューラルネットワークである。等化ニューラルネット
ワーク22bは、復調系28の受信信号をニューラルネ
ットワークの非線形処理により等化することで、伝搬路
27、復調系28における非線形歪みを除去し、復調系
28の受信信号を目標値に等化するものである。入力層
53のユニット数は18個であり、これらのユニットに
は、特性検出ニューラルネットワーク21bで検出した
伝達関数と復調系28からの実際の受信信号が入力され
る。中間層ユニット数は12個であり、出力層ユニット
数は2個であり、これは、I,Q各チャンネルに対応し
たものである。なお、図示しないが、等化ニューラルネ
ットワーク22bは、図8に示す重み値格納部106a
及び重み値変更部161aと同一構成の重み値格納部1
06c及び重み値変更部161cとを備えている。
【0035】入力データとしては、4倍でオーバーサン
プリングを行なっている。I,Q各チャンネルの受信信
号に対して、もとのデジタル信号で見たときの2シンボ
ル分の8ポイントのデータが入力され、合計16個であ
る。出力データは、各チャンネルの理想的出力値、つま
り、4倍オーバーサンプリングした受信信号上の幅8の
ウインドウの中間に対応した理想値である。等化ニュー
ラルネットワーク22bの学習方法については後述す
る。
【0036】ところで、各ネットワークの学習のため
に、実環境上より伝送系の伝達関数を正確に求めること
は大変困難である。そこで、実環境上での伝送系の伝達
関数を求めずに、実環境に即した等化器を構成するため
の学習方法を記述する。 (a)まず、伝搬路構成ニューラルネットワーク23b
の学習方法について説明する。
【0037】前述したように、入力データとしては、4
倍でオーバーサンプリングを行なっている。I,Q各チ
ャンネルの理想値2シンボル分の8ポイントと伝搬路2
7の伝達関数の実部X(ω)と虚部Y(ω)のデータを
用い、これに対してI,Q各チャンネルの受信信号の値
を教師信号として、この入出力対応関係をバックプロパ
ゲーション法等の学習方法により学習する。この学習デ
ータの生成方法としては、変調系26、伝搬路27、復
調系28をシミュレートするためのソフトウェアを計算
機上に作成し、シミュレーションを行なう方法を用い
る。
【0038】これにより、伝送路パラメータを変化させ
た復調系28からの波形を生成することができ、受信波
形と伝達関数のパラメータの対応関係と変調系26への
入力波形と復調系28からの出力波形を対応させた学習
データが得られる。 (b)次に特性検出ニューラルネットワーク21bの学
習方法について説明する。
【0039】図13は特性検出ニューラルネットワーク
21bの学習を示す図である。既に学習済みの伝搬路構
成ニューラルネットワーク23bと、未学習の特性検出
ニューラルネットワーク21bとを、図13に示すよう
に接続する。特性検出ニューラルネットワーク21bに
実環境上で得たデジタル信号及び受信信号を入力し、特
性検出ニューラルネットワーク21bで計算された伝達
関数の実部と虚部とを伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23bに入力する。伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23bでは、この伝達関数の値とデジタル信号とから
その時の復調信号を計算する。この受信信号と復調信号
とは、特性検出ニューラルネットワーク21bが正確に
学習されていれば、同じものとなるはずである。そこ
で、学習収束判定部163bにより両者の誤差が所定の
値以下になったどうかを判定し、その出力に基づき前記
重み値変更部161bの重み値を変更して、その重み値
を重み値格納部160bに格納する。このようにして重
み値を変更することで、特性検出ニューラルネットワー
ク21bの学習を行なう。 (c)次に、等化ニューラルネットワーク22bの学習
方法について説明する。
【0040】図14は等化ニューラルネットワーク22
bの学習を示す図である。既に学習済みの伝搬路構成ニ
ューラルネットワーク23bと、特性検出ニューラルネ
ットワーク21bと、未学習の等化ニューラルネットワ
ーク22bとを図14に示すように接続する。等化ニュ
ーラルネットワーク22bには、実環境上で得た受信信
号と特性検出ニューラルネットワーク21bによって計
算された伝達関数の実部及び虚部とが入力される。そし
て、等化ニューラルネットワーク22bによって計算さ
れた等化信号と、特性検出ニューラルネットワーク21
bで計算された伝達関数の値とが伝搬路構成ニューラル
ネットワーク23bに入力される。伝搬路構成ニューラ
ルネットワーク23bでは、これらからその時の復調信
号を計算する。
【0041】ここで、伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23bの等化信号の入力は、4倍でオーバーサンプリ
ングされた2シンボル8ポイントである。これに対応さ
せるために、同じ内部状態をもつ等化ニューラルネット
ワーク22bを8つ用意し、それぞれに1ポイントずつ
ずらした入力を与え、出力させるようにする。受信信号
と復調信号は、等化ニューラルネットワーク22bが正
確に学習されていれば、同じものとなるはずである。そ
こで、学習収束判定部163bにより両者の誤差が所定
の値以下になったどうかを判定し、その出力に基づき前
記重み値変更部161cの重み値を変更して、その重み
値を重み値格納部160cに格納する。このようにして
重み値を変更することで、等化ニューラルネットワーク
22bの学習を行なう。学習は8つの等化ニューラルネ
ットワーク22bにおいて同等にして行なう。
【0042】次に、実際の移動無線における運用では、
本実施例は、以下のように動作することで信号の等化を
行なう。 1)まず、パケットのトレーニングシーケンスを検出す
る。
【0043】2)トレーニングシーケンスに対応した受
信信号を、特性検出ニューラルネットワーク21bの受
信信号を入力するための入力ユニットにセットする。 3)トレーニングシーケンスのビット列は既知なので、
特性検出ニューラルネットワーク21bの理想値を入力
する入力ユニットに、この受信信号に対応したビット列
をセットする。
【0044】4)特性検出ニューラルネットワーク21
bは、これらの入力データに基づき、伝送路特性である
伝達関数の実部X(ω)と虚部Y(ω)の値を検出し、
それを等化ニューラルネットワーク22bの入力ユニッ
トにセットする。
【0045】5)等化ニューラルネットワーク22b
に、パケットの情報部に対応した受信信号を連続して入
力する。等化ニューラルネットワーク22bはそれを連
続的に等化する。
【0046】6)等化結果を適切なしきい値により0、
1のデジタルデータに変換する。所望の送信データの受
信が可能になる。 このように本実施例によれば、特性検出ニューラルネッ
トワークによって等化対象の時々刻々と変化する伝達関
数を適応的に検出し、その検出結果を用いて等化ニュー
ラルネットワークにより信号の等化を行なう。従って、
時々刻々変化する等化対象の変化に追従して出力信号を
補償できる。例えば、自動車電話等の移動体無線で生じ
るマルチパスフェージングのように伝送路の特性(つま
り、等化対象の伝達関数)が時間的に変化する場合でも
適応的に追従して等化できる。
【0047】また、伝搬路構成ニューラルネットワーク
を用いて特性検出ニューラルネットワークと等化ニュー
ラルネットワークとを学習させることで、実環境上での
特性に応じた学習が行える。
【0048】よって、シミュレーションで特性検出ニュ
ーラルネットワークと等化ニューラルネットワークとの
ための学習データを作成しなくても、実環境で得られた
データに基づき、特性検出ニューラルネットワークと等
化ニューラルネットワークを学習させることができ、よ
り実環境に即して出力信号を高精度に等化できる。
【0049】図15は、特性検出ニューラルネットワー
ク21b及び等化ニューラルネットワーク22bの学習
を示す図である。既に学習済みの伝搬路構成ニューラル
ネットワーク23bと、未学習の特性検出ニューラルネ
ットワーク21bと、未学習の等化ニューラルネットワ
ーク22bとを図15に示すように接続する。
【0050】まず、特性検出ニューラルネットワーク2
1bに実環境上で得た送信信号及び受信信号が入力され
ると、ネットワークでその時の伝達関数の実部と虚部と
が計算される。計算された伝達関数は、等化ニューラル
ネットワーク22bと伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23bとに出力される。等化ニューラルネットワーク
22bでは、特性検出ニューラルネットワーク21bか
らの伝達関数の実部と虚部と実環境上で得た受信信号を
入力し、その時の等化信号(送信信号)を計算する。
【0051】伝搬路構成ニューラルネットワーク23b
では、計算された等化信号と特性検出ニューラルネット
ワーク21bからの伝達関数とを入力して復調信号を計
算する。実環境上で得た受信信号と復調信号は、特性検
出ニューラルネットワーク21bと等化ニューラルネッ
トワーク22bとが充分に実環境に即して正確に学習さ
れていれば、同じものとなるはずである。そこで、この
両者の誤差を少なくするように、前述したバックプロパ
ゲーション法などを用いて両者の誤差を伝搬すること
で、特性検出ニューラルネットワーク21bと等化ニュ
ーラルネットワーク22bとの学習を同時に行なう。
【0052】ここで、伝搬路構成ニューラルネットワー
ク23bの入力は、4倍でオーバーサンプリングされた
2シンボル8ポイントである。これに対応させるため
に、同じ内部状態をもつ等化ニューラルネットワーク2
2bを8つ用意し、それぞれに1ポイントずつずらした
入力を与え、出力させるようにする。学習は8つの等化
ニューラルネットワーク22bにおいて同等にして行な
う。
【0053】従って、シミュレーションで特性検出ニュ
ーラルネットワーク21bと等化ニューラルネットワー
ク22bとのための学習データを作成しなくとも、実環
境で得られたデータに基づき、特性検出ニューラルネッ
トワークと等化ニューラルネットワークとを同時に学習
でき、シミュレーションのみを学習した等化器よりも、
実環境に即して高精度に等化できる等化器を容易に構成
できる。
【0054】なお、本出願人は、実施例に類似する特許
出願として特願平3−21005,特願平3−6272
を出願済みである。また、本発明は上述した実施例に限
定されるものではない。本実施例では、階層型ネットワ
ークを用いたが、他のニューラルネットワークモデルを
用いることもできる。例えば、階層型ネットワークの中
間層ユニットから入力層ユニットへの回帰結合を持つネ
ットワークモデル(リカレントネットワークと呼ばれ
る。)を用いても、本実施例と同様に実施することがで
きる。
【0055】さらに、本実施例では、伝送系の特性とし
て伝達関数の実部、虚部の値を用いたが、例えば、伝達
関数の振幅周波数特性A(ω)、包絡線特性D(ω)な
どの他の特性値を用いることもできる。例えば2波モデ
ルの場合の式を以下に示す。 A(ω)=A[1+ρ2+2ρcos(ωτ−φ)] D(ω)=ρτ{ρ+cos(ωτ−φ)}/{1+2ρcos(ωτ−φ)+ρ2 } このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実
施できるのはもちろんである。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、伝送系の伝送特性とし
て例えば伝達関数を検出し、その結果を用いて伝送系の
時間変化に柔軟に追従して信号の等化を行なうことがで
き、また信号の等化を行えるような適応的な等化機能を
持つ等化器を、実環境上の信号に基づき学習することに
よって、実環境に即して構成できる。よって、通信シス
テムにおける伝送特性の向上に寄与するところが大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明にかかる適応等化器の基本構成ブロック
図である。
【図3】本発明の実施例の構成を示す図である。
【図4】実施例の伝搬路のモデルを示す図である。
【図5】本発明の実施例の変調系の構成ブロック図であ
る。
【図6】本発明の実施例の復調系の構成ブロック図であ
る。
【図7】伝送されるデータのパケット形式を示す図であ
る。
【図8】伝搬路構成ニューラルネットワークの構成を示
す図である。
【図9】階層ニューラルネットワーク部の構成を示す図
である。
【図10】伝搬路構成ニューラルネットワークの学習デ
ータを示す図である。
【図11】特性検出ニューラルネットワークの構成を示
す図である。
【図12】等化ニューラルネットワークの構成を示す図
である。
【図13】特性検出ニューラルネットワークの学習を示
す図である。
【図14】等化ニューラルネットワークの学習を示す図
である。
【図15】特性検出ニューラルネットワーク及び等化ニ
ューラルネットワークの学習を示す図である。
【図16】移動体通信の概略を示す図である。
【図17】トランスバーサル型等化器の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1・・移動局 2・・基地局 3・・障害物 10・・等化対象 21a・・特性検出装置 22a・・等化装置 23a・・伝搬路構成装置 21b・・特性検出ニューラルネットワーク 22b・・等化ニューラルネットワーク 23b・・伝搬路構成ニューラルネットワーク 152・・学習部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等化すべき等化対象(10)への入力信
    号に対する実際の出力信号から前記等化対象(10)の
    特性を検出する特性検出手段(11)と、 この特性検出手段(11)で検出された結果を用いて前
    記等化対象(10)の実際の出力信号を等化する等化手
    段(12)と、 前記入力信号から予め計算により前記出力信号を作成す
    ることで、実際の伝送路歪みを発生する伝送路系を構成
    する伝搬路構成手段(13)とを備え、 前記伝搬路構成手段(13)が、前記特性検出手段(1
    1)で検出された結果または前記等化手段(12)で等
    化された結果の少なくとも一方を入力してその時の出力
    信号を作成すると、前記少なくとも一方の手段は、前記
    伝搬路構成手段(13)の結果を用いて学習を行なうこ
    とを特徴とする適応等化器。
  2. 【請求項2】 前記伝搬路構成手段(13)は、ニュー
    ラルネットワークまたは提示された事例の学習により伝
    搬路構成機能を獲得する学習装置からなることを特徴と
    する請求項1記載の適応等化器。
  3. 【請求項3】 前記特性検出手段(11)は、ニューラ
    ルネットワークまたは提示された事例の学習により特性
    検出機能を獲得する学習装置からなることを特徴とする
    請求項1記載の適応等化器。
  4. 【請求項4】 前記等化手段(12)は、ニューラルネ
    ットワークまたは提示された事例の学習により等化機能
    を獲得する学習装置からなることを特徴とする請求項1
    記載の適応等化器。
  5. 【請求項5】 前記特性検出手段(11)は、前記等化
    対象(10)の伝達関数または前記伝達関数の実数部、
    虚数部の値を検出することを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載の適応等化器。
  6. 【請求項6】 前記特性検出手段(11)は、前記等化
    対象(10)の伝達関数の振幅周波数特性、包絡線特性
    の値を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の適応等化器。
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