JPH05227527A - インターレース画像符号化方法と装置 - Google Patents

インターレース画像符号化方法と装置

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JPH05227527A
JPH05227527A JP31101492A JP31101492A JPH05227527A JP H05227527 A JPH05227527 A JP H05227527A JP 31101492 A JP31101492 A JP 31101492A JP 31101492 A JP31101492 A JP 31101492A JP H05227527 A JPH05227527 A JP H05227527A
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signal
prediction
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JP31101492A
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Yasuo Katayama
泰男 片山
Masahiro Iwahashi
政宏 岩橋
Toru Chinen
徹 知念
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G C TECHNOL KK
Original Assignee
G C TECHNOL KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インターレース画像の高品質,高効率の符号
化を可能とする。 【構成】 入力画像信号51から予測信号60を減算し
予測誤差信号52を得て、画像中のマクロブロックに含
まれた輝度ブロックの画素を最適に配置替えし(2
1)、量子化された信号53の画素を斜めジグザグ走査
又は垂直ジグザグ走査し(24)、ダイナミック・ハフ
マン符号化器25から可変長符号データ54として出力
する。信号53は逆量子化,逆変換され、ブロックの画
素の配置を元にもどし(33)、量子化誤差信号55を
得て、予測信号60と加算し、復号化信号56を非線形
フィルタ35を介して格納し(38,39)、動き補償
して(42,43)、内挿予測信号66を得、予測信号
60を作成した。 【効果】 フィールド/フレームの適応予測、ブロック
配置替え、ジグザグ走査の方法を最適に選択して目的を
達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインターレース画像信号
の符号化方法と装置に関する。具体的には、インターレ
ース画像信号を予測符号化して伝送する場合に、生じや
すい大きな予測誤差データの値を小さなものにする画像
符号化方法と装置を提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】テレビ電話やテレビ会議などにおいて、
伝送すべき動画像信号は膨大な情報量を有する。そのた
めに、従来より、動画像信号を高能率で符号化して効率
的な画像伝送を図る各種の方法が使われている。この高
能率符号化に用いられるものに、画像信号のピクチャ
(フレームまたはフィールド)間の相関性を利用して、
1つ前あるいは後のピクチャから現在のピクチャを予測
するピクチャ間予測符号化がある。現在のピクチャの画
像信号とたとえば1つ前のピクチャの画像信号との画素
ごとの差分値を予測誤差データとして求め、得られた予
測誤差データのみを符号化して伝送する。これにより、
符号化して伝送すべき画像の情報量が低減される。
【0003】しかし、撮像対象が動きのない、あるいは
動きの小さい場合には、ピクチャ間相関が高いのでピク
チャ間予測符号化は有効な高能率符号化手段となり得る
が、動領域が大きい場合にはピクチャ間相関が低いの
で、大きな予測誤差データを生じ、画質も劣化する欠点
がある。これを是正する手段として用いられているのが
動き補償ピクチャ間予測符号化である。動き補償ピクチ
ャ間符号化では、ピクチャ間の予測誤差データを求める
前に、現在のピクチャと1つ前のピクチャとの間の撮像
対象の移動量である動ベクトルを検出する。動ベクトル
が得られると、1つ前のピクチャにおける動ベクトルに
従ってずらした位置での現在のピクチャとの予測誤差デ
ータを求める。得られた予測誤差データは動ベクトルと
ともに受信側に伝送される。
【0004】ここで、動き補償ピクチャ間予測符号化に
おける動ベクトルについて、図6を用いて説明する。図
6において、100は現在のピクチャであり、ピクチャ
の構成をたとえば1ライン704ドット,480ライン
とすると、現在のピクチャ100をたとえば16×16画素
ごとのブロックに分割する。そこで、ブロック103を
動ベクトルを検出するブロックとすると、このブロック
103と1つ前のピクチャ101内の同位置のブロック
(破線)よりも水平方向および垂直方向のそれぞれの一
方向に8画素、+方向に7画素大きいブロック、すなわ
ち、破線のブロックを中心に含む31×31画素の探索領域
104(1点鎖線)を、ブロック103と最も相関度の
高いブロックを探索する領域とする。そこで、この探索
領域104内において、ブロック103を水平方向およ
び垂直方向に1画素ずつ順次ずらして対応する各画素ご
との差分を求め、得られた差分値からブロック103と
の相関度を判定するための評価値を算出する。評価値と
しては、たとえば、差分値の絶対値の和、あるいは差分
値の2乗の和を用いる。評価値算出の結果、探索領域1
04内においてブロック102が評価値が最小となるブ
ロックとすると、ブロック103と同位置である破線の
ブロックの中心からブロック102の中心に向かうベク
トル109を、ブロック103についての動ベクトルと
する。
【0005】このようにして得られた動ベクトルを用い
て補正したピクチャ間の予測誤差データを符号化して伝
送するならば、伝送情報量は動き補償なしのフレーム間
符号化に比べて大幅に低減される。以上においては、1
つ前(前方)のピクチャ101を用いたが1つ後(後
方)のピクチャを用いても同様の効果を得ることができ
る。
【0006】しかし、シーン・チェンジなどにおけるよ
うに、画面がまったく変わってしまい、ピクチャ間に相
関がない場合にも、ピクチャ間予測符号化を行なうと、
予測誤差データが現在のピクチャのみのデータよりも多
くなってしまう可能性がある。したがって、シーン・チ
ェンジなどにおいては、ピクチャ間予測符号化によらず
に、現在のピクチャのみのデータで符号化するピクチャ
内符号化によるのが望ましい。
【0007】また、動き補償を用いるピクチャ間予測符
号化を行なう場合、画像信号に含まれるノイズの影響で
実際には動き部分がないにもかかわらず動ベクトルが生
じたと判断してしまうことがある。このような場合に
は、動き補償を用いないピクチャ間予測符号化によるほ
うが適切である。
【0008】したがって、より効果的な画像信号の符号
化を実現するためには、符号化する単位ブロックごと
に、用いるべき符号化モードについて、ピクチャ内符号
化,前方(過去)のピクチャとの間のピクチャ間予測符
号化,後方(未来)のピクチャとの間のピクチャ間予測
符号化および前方と後方の両方のピクチャを用いる内挿
予測符号化を判定することが効果的である。
【0009】ここで、内挿予測符号化について図7を用
いて説明する。各ピクチャは、図6において説明したよ
うに、ブロック単位の処理がなされる。Iピクチャ(In
trapicture )では、ピクチャに含まれたすべてのブロッ
クでピクチャ内符号化が行なわれる。Pピクチャ(Pred
ictive picture )ではピクチャ間予測符号化と、ピク
チャ内符号のうちの予測誤差データの小となる方がブロ
ックごとに選択される。予測に使用される画像は、バッ
ファ・メモリに記憶された復号化信号である。
【0010】Bピクチャ(Bidirectional picture )で
は、前方(過去)のIまたはPピクチャを予測誤差デー
タの検出に使用するだけではなく、後方(未来)のIま
たはPピクチャをも予測に使うことができる。後方の
I,Pピクチャを用いる場合には、前方のI,Pピクチ
ャ,Bピクチャ,後方のI,Pピクチャは一旦バッファ
・メモリに記憶した復号化信号が使用される。
【0011】前方と後方のI,Pピクチャを用いて予測
誤差データの検出を行なう内挿予測符号化が選択された
たときには、Bピクチャにおける1つのブロックに対し
て前方と後方の2つのI,Pピクチャを参照して2つの
動ベクトル情報を得ている。この2つの動ベクトル情報
の値は、Bピクチャにおける処理対象ブロックに対し、
前方および後方の参照ピクチャであるI,Pピクチャ内
のそれぞれの探索領域(図6の104参照)内で独立に
求められている。
【0012】前方のI,Pピクチャを参照して得た動ベ
クトルにより動き補償された画像信号をR、後方のI,
Pピクチャを参照して得た動ベクトルにより動き補償さ
れた画像信号をS、前方の参照に使用するI,Pピクチ
ャから目的の現画像であるBピクチャまでのピクチャ間
隔をm(m≧1)、後方の参照に使用するI,Pピクチ
ャから目的のBピクチャまでのピクチャ間隔をn(n≧
1)とすると、目的のBピクチャの予測対象であるブロ
ックの内挿予測符号化用の内分予測信号は、 (nR+mS)/(m+n) となり、2つの画像信号R,Sのm対nの内分によって
得ている。さらに単純化した装置では、m,nの値のい
かんにかかわらず、m,nを1として、 ( R+S)/2 として、目的の現画像であるBピクチャ予測対象である
ブロックの内挿予測符号化用の内分予測信号を得てい
る。
【0013】このような予測信号を用いる動画像符号化
装置は、大きく分けて通信用の動画像符号化装置と、蓄
積メディア用の動画像符号化装置に分けられる。両者に
は動き補償の予測構造において多少の差異が存在する。
通信用の動画像符号化装置は、リアルタイム・エンコー
ド性が重視され、予測に使用する画像は最近の過去の1
枚の再生画像(前方I,Pピクチャ)である。それに対
して、蓄積メディア用の動画像符号化装置では、予測に
使用する参照画像は2枚の再生画像(前方および後方の
I,Pピクチャ)である。2枚の内の1枚(後方I,P
ピクチャ)は、画像の元の順番と処理の順番とを異なる
ようにしたため、画面の順番では未来にあたるものを使
う。
【0014】まず、従来の通信用の動画像符号化の予測
構造の概略を説明後、その拡張としての従来の蓄積メデ
ィア用の動画像符号化の予測構造の概略を説明する。以
下の説明において予測という用語は動ベクトルによる補
償を含んだ予測、すなわち動き補償の意味である。
【0015】1)通信用の動画像符号化の予測構造 通信用の動画像符号化装置は、CCITT (国際電信電話諮
問委員会)H.261 、または、ISO/IEC DIS
11172 (MPEG-1)に規定され、符号化画面は16
×16画素の輝度信号単位に対応するマクロブロックと
いう単位毎に符号化される。1つのマクロブロックには
4個の8×8画素の輝度信号単位の輝度ブロックと、2
個の色差ブロックの合計6個のブロックが含まれてい
る。マクロブロックに含まれた輝度ブロック内の8×8
画素は図8の升に示すような配置であり、升内に数字で
示された順番に従って、斜めジグザグに走査して直交変
換、たとえば離散的コサイン変換され、量子化され、量
子化された値が“0,0,0,…,0”と続いた長さ
(ラン)と“0”でない値(レベル)と、両者の関数と
しての可変長符号(Variable Length Code)の並びとし
て符号化される。これをラン−レベル2次元可変長符号
ともいう(CCITT H.261 参照 )。
【0016】マクロブロックを複数のマクロブロック・
タイプに分類して、マクロブロックのタイプ毎に予測等
の方法を切替える。予測方法でマクロブロック・タイプ
を分類すると、 フレーム内(Intra frame )符号化マクロブロック フレーム間(Inter frame )予測符号化マクロブロック の2種類になる。
【0017】シーン・チェンヂ等過去のピクチャからの
予測誤差が大きくなるようなときにはフレーム内符号化
がマクロブロックの処理に使用され、現ピクチャの信号
はそのまま、たとえば離散的コサイン変換され、さらに
量子化される。
【0018】過去のピクチャに現在のピクチャが似てい
る部分が多い場合には、フレーム間予測符号化が選択さ
れ、そのマクロブロックでは過去のピクチャ上の現在の
マクロブロックの位置から動ベクトルを使用して、ずれ
た場所の画像から予測し、その予測誤差をたとえば離散
的コサイン変換し量子化している。
【0019】2)蓄積メディア用の動画像符号化の予測
構造 蓄積メディア用動画像符号化装置(ISO WG11 VIDEO CD
No. 11172 )の場合、予測に使われる画面は2画面(前
方および後方のI,Pピクチャ)が許される。動画像の
途中からの再生が可能であるように、何枚かの画像のま
とまりを用い、これを画像群(Group of Pictures )と
呼ぶ。画像群内の画面にはつぎの3種類のタイプがあ
る。
【0020】 I画面:フレーム内(Intra frame )符号化画面 P画面:フレーム間(Predictive ) 予測符号化画面 B画面:双方向(Bidirectional) 予測符号化画面
【0021】I画面はすべてのマクロブロックがフレー
ム内(Intra frame )符号化される画面で、画像群内で
予測の基準に使用するために必要であり、これによって
画像群内での処理が可能となるから、画像群の独立性を
保つために、このタイプがある。
【0022】P画面は通信用動画像符号化の機能と同じ
くフレーム内符号化(Intra)と、フレーム間予測符号
化(Inter)がマクロブロック毎に選択できる。
【0023】B画面は蓄積メディア用画像符号化で新た
に設定された特有の画面タイプであり、過去(前方)の
I,P画面を予測に使うだけでなく、未来(後方)の
I,P画面をも予測に使うことができるような画面であ
る。
【0024】後方のI,Pピクチャはすでに処理済であ
り、バッファに格納されており、画面の順番では未来に
あたる。過去(前方)と未来(後方)の2枚の画像を予
測に使うことを双方向予測あるいは内挿予測という。ま
た、過去の再生画像からの予測を前方予測、未来の画像
からの予測を後方予測という。
【0025】画面に含まれた各マクロブロックのタイプ
は前方および後方の両方とも使わないフレーム内符号化
(イントラ)、前方を使う前方予測符号化、後方を使う
後方予測符号化、前方および後方の両方を使う内挿予測
符号化の4種に分類できる。
【0026】この画面の動ベクトルは各マクロブロック
に、フレーム内符号化においては0個、前方または後方
とのフレーム間予測符号化においては1個、前方および
後方の両フレームを使う内挿予測符号化の場合において
は2個付くことになる。このB画面は受動的な内挿だけ
でなく、そこに発生した予測誤差はP画面の場合と同様
に符号化される。
【0027】フレームの処理順序が画面の順序と異な
り、画面順でいくつかのB画面を飛び越して、後方のP
画面を処理したあとに、飛び越されたB画面を処理す
る。蓄積メディア用動画像符号化のこの特有のフレーム
構造は、双方向予測(内挿予測)による予測精度向上が
その目的である。蓄積メディア用の動画像符号化のこの
フレーム構造もI,P画面の周期(M、図7の場合のm
+n)の値の小さな場合は、通信用にも使用可能である
ため、以下、インターレース画像の符号化構造について
は、蓄積メディア用動画像符号化の構造を使用して説明
する。
【0028】3)インターレース画像の符号化構造 通信用、蓄積メディア用に関わらず、動画像はほとんど
インターレースされたフィールドと、そして2枚のフィ
ールドからなるフレームを基本構造に持つ。フィールド
に対するフレームという用語と混同するため、以下の説
明では画像の意味のフレームという用語を避け、それに
はピクチャという用語を使用する。フィールドとは、時
間間隔がフレームの時間間隔の半分で、画像の縦方向の
分解能がフレームの半分である画像である。フィールド
に0から番号を付け隣接するフィールドは偶数フィール
ドと奇数フィールドと呼ぶ。
【0029】フレームとは、隣接する2つのフィールド
画像を水平走査線1本毎に複合(インターレース)した
画像である。そのため、フレームの縦方向の分解能はフ
ィールドの2倍となる。
【0030】インターレースとは、縦方向分解能の1/
2のフィールド画像を時間的に2倍の頻度で走査するこ
とで、画像のちらつき(フリッカー)を減らしつつ、か
つ、縦方向の分解能をも確保しようとする画像走査方法
である。
【0031】通信用および蓄積メディア用に見られるよ
うに、動画像符号化装置は予測能力の向上のためのピク
チャ構造を発達させてきた。インターレースは動画像の
走査に一般に使われており、画像符号化装置は、インタ
ーレースを動画像符号化の予測の構造に有効に適用して
予測精度向上を計る必要があり、インターレース画像に
適した予測の仕組の開発は重要な課題であった。インタ
ーレース画像符号化においては予測構造に4種類があ
り、これについて説明する。
【0032】(1)単純フィールド適用 符号化画像と、予測に使う参照画像(前方および後方の
I,Pピクチャに対応)の両方とも、フィールド画像を
使う場合には、画像のシーケンスはフィールド画像の並
びとして、蓄積メディア動画像符号化の予測構造に適用
する。
【0033】(1.1 )隣合うフィールド画像がインター
レースのために同じ位置の画像ではない(1フィールド
の走査線の幅の2分の1だけずれている)ことに基因し
て、偶数フィールドから奇数フィールドへの予測と、そ
の逆の予測、すなわち、偶奇フィールドにまたがる予測
のときに予測誤差が大きく、静止領域においてもかなり
大きな予測誤差信号が発生してしまうから、それを符号
化した場合の符号量が大きくなっている。そのため、
I,P画面の周期Mの値が奇数のときには、偶数フィー
ルドと奇数フィールドの位置のずれ(1フィールドの走
査線の幅の2分の1のずれ)から、偶奇のフィールドに
またがる予測をもつP画面の符号量が大きくなる。B画
面は前後の参照画像のいずれかに偶奇の同じ側のフィー
ルド画面が存在する(B画面が偶数フィールドのとき前
方または後方画面のどちらかに偶数フィールドが、B画
面が奇数フィールドのときも前方または後方画面のどち
らかに奇数フィールドが存在する)ので、予測の方向が
予測誤差の小さな同じフィールド画面の側に固定される
傾向があった。I,P画面の周期Mの値が偶数のときに
はP画面の予測は、偶偶または奇奇のフィールド間であ
り、上記の偶奇にまたがる予測の誤差はないが、B画面
の予測には偶奇のフィールドにまたがる予測において大
きな誤差データが発生する可能性がある。すなわち、B
画面に1つおきに、前後の予測画面ともに偶奇フィール
ド間予測が発生し、符号量が多いのにS/N(信号対雑
音比)の低い画面が発生していた。
【0034】(1.2 )フィールドを用いて符号化した場
合に静止領域の符号化効率が低下している。これは、1
枚のフレーム画像を2つのフィールド画像に水平の走査
線1本おきに分割されたことによつて符号化効率が低下
していたからである。なお、偶奇のフィールド間予測を
単にフィールド間予測とよび、偶偶または奇奇のフィー
ルド間予測をフレーム間予測とよぶ習慣があるが、ここ
ではさらに明確にするため偶奇フィールド間予測、偶
偶、奇奇フィールド間予測という用語を使用する。
【0035】(2)偶奇フィールド分離適用 フィールドの偶数番目と奇数番目を分離した、2つの独
立したシーケンスにフィールドを適用する場合には、2
つの隣接する偶奇フィールドにある相関を符号化に全く
利用しないため、静止領域の符号化効率が上がらない。
これには、1つの画像群に含まれた片方のフィールドの
I画面を、他方のI画面からの偶奇フィールド間予測を
使用する画面に替えるという改良が可能であり、これで
偶奇フィールド間相関を利用することが可能となってい
るが、1つの画像群に含まれたI画面以外においてはそ
の相関の利用はできていない。予測画像(前方および後
方のI,P画像)および、符号化画像はフィールド画像
であるので、予測画面メモリーは単純フィールドを適用
した場合と同じであるが、現実にシーケンスをデコード
処理するには偶奇の両フィールドの2つのシーケンスを
デコードする必要があり、単純フィールドを適用した場
合の2倍のメモリー容量を必要としていた。
【0036】(3)フィールド適用、両フィールド予測 複数の予測画面(I,P画面)それぞれに、連続する偶
奇の2フィールドを用意し、符号化画像(B画面)をフ
ィールド画像として、偶奇の両方のフィールドからの予
測をマクロブロック毎に切替える方法がある。現在の符
号化画像が偶(奇)フィールドであれば、その切替えに
は、つぎの 奇偶(偶奇)フィールド間予測 偶偶(奇奇)フィールド間予測 の2種類の予測がある。
【0037】符号化画像はフィールド画像であるが、予
測画像メモリー量は2つのフィールド画像を用いるから
単純フィールドを適用した場合の2倍のメモリーを必要
とする。この方法では、偶奇フィールド間相関が強いと
きは偶奇フィールド間予測を行い、偶偶、または奇奇フ
ィールド間(フレーム間)相関が強いときには偶偶、奇
奇フィールド間、すなわちフレーム間の予測を行い、フ
レーム間相関を利用している。すなわち、動領域では偶
奇(奇偶)フィールド間予測を利用し、静止領域では偶
偶(奇奇)フィールド間予測を利用している。
【0038】しかし、符号化画像がフィールド画像のた
め、フレーム画像として空間的にまとめて符号化するこ
とができないため、つぎに説明する単純フレームを適用
した場合に比べて、静止領域の符号化効率は低い。
【0039】(4)単純フレーム適用 符号化画像と、複数の予測に使用する参照画像ともに偶
奇フィールドの走査線1本毎に複合したフレームを1つ
の画像として適用する場合であり、予測画面のメモリー
量は、偶数フィールドおよび奇数フィールドの両方を格
納する必要があるから単純フィールドを適用した場合の
2倍となる。
【0040】フレーム間予測は本来、動ベクトルの縦方
向成分が偶数であるとき、偶偶フィールド間予測または
奇奇フィールド間予測となるので、この方法は、単純フ
ィールドを適用して偶奇フィールド間で予測した場合
に、静止領域においても大きな予測誤差が生ずるという
現象はみられない。
【0041】動ベクトルの縦方向成分が奇数であると
き、偶数と奇数の両フィールド間にまたがることになる
ために偶奇フィールド間予測となる。単純フレームを適
用する場合には、(1.2 ),(2),(3)において述
べた静止領域の符号化効率の低下の現象は発生しない。
【0042】(4.1 )動領域においては、単純フレーム
画像は偶数フィールドおよび 奇数フィールドという別
の時刻のフィールド画像の複合画像であるのに、単一の
画像として扱っているから、フレーム画像の動領域の画
像には、離散的コサイン変換係数の縦方向の空間周波数
の高周波成分が強く発生する。このため通常の離散的コ
サイン変換係数を図8に示した斜めジグザグ走査によっ
て得たのでは、符号化効率が低下する現象が発生してい
る。
【0043】(4.2 )物体の動きがスムーズなものであ
っても、動ベクトルの検出の単位である、マクロブロッ
クは画面上に固定されているため、そこに含まれた各輝
度ブロックが一様な動きをするマクロブロックは数少な
く、偶数および奇数の両方のフィールドで最適な動ベク
トルが異なるものとなる。たとえば、一方が動物体の縁
を、他方が背景をそれぞれのフィールドにもつそれぞれ
のマクロブロックでは、フレーム画像としての予測はほ
とんど不可能である上、フレーム画像は偶数フィールド
および奇数フィールドという別の時刻のフィールド画像
の複合画像であるために、物体の背景の間の輝度差によ
って縦方向の周波数成分の多いフレーム画像となり、符
号化が難しいマクロブロックとなる。
【0044】(4.3 )画像内の動きがスムーズである場
合には、単純フィールドを適用するのが効果的である
が、単純フレームを構成したために符号化画像(B画
像)内の偶数フィールドと奇数フィールドとを別個に扱
うことができないから、一方の偶数フィールドから他方
の奇数フィールドへの予測を利用することができなかっ
た。
【0045】(4.4 )予測を利用しないピクチャ内符号
化において、偶数または奇数のフィールドのうちの一方
のフィールドをフィールド内で符号化し、それを他方の
フィールドへの予測に使うことにより符号化効率が向上
する場合があるが、偶数および奇数の両フィールドが複
合されて1つの画像となってしまっているために、フィ
ールド間符号化予測を利用することができない。
【0046】(4.5 )一般にインターレース画像の動領
域において符号化をする場合に、入力画像だけでなく、
予測誤差信号においても、離散的コサイン変換係数の縦
方向の高周波成分が強く現われる。このため通常の離散
的コサイン変換係数の図8の斜めジグザグ走査による符
号化によるならば、符号化効率が低下したものとなって
しまう。
【0047】(5)可変長符号 従来、ブロック内のある走査順にそって量子化された離
散的コサイン変換係数の符号化を行うのに、ゼロの続い
た長さ(ラン)と非ゼロ係数の値(レベル)とを組合せ
てイベントとしてとらえ、これと、このイベントの終了
を示すエンド・オブ・ブロック( End of Block )イベ
ントと、非常に稀にしか発生しないランとレベルの組合
わせの発生を示す、エスケープ・イベントとを含めて時
間的に変化しない可変長符号に変換していた。
【0048】ダイナミック・ハフマンを用いない固定の
可変長符号を用いると、I,P,Bの各ピクチャにおけ
る、ランとレベルの頻度の分布の差異が原因して、符号
化効率が十分上がってはいない。これは各イベントのエ
ントロピーと平均符号長の違いとなって表われる。
【0049】エントロピーに比べて平均符号長が1割近
く大きいことによって、イベント発生の統計量が可変長
符号の設計と合致していないことがわかっている。これ
を解決するのに、I,P,B各ピクチャ毎にそれぞれ可
変長符号を用意するという方法があるが、これではまだ
固定的で適応性がなく統計量の変化があった場合には、
あまり有効ではなかった。ダイナミック・ハフマンを用
いることによって、基本的な適応性は一応確保される。
【0050】ダイナミック・ハフマンを用いる場合に
は、ダイナミック・ハフマン符号化器が使用されるの
で、その基本構成について説明する。その基本的構成に
ついては、つぎの文献がある。 J.S. Vitter:“Design and analysis of dynamic Huffm
an codes",Journal of the Association for Computing
Machinery, Vol.34,No.4,Oct.1987, pp.825-845. 基本的にはイベントの発生にともなって自動的に可変長
符号(VLC)を変化させていく機構であり、固定のハフ
マン符号化器および復号器と比較して、符号化器と復号
器がイベントを通して同時に変化することによる効率的
向上が期待できる。
【0051】ダイナミック・ハフマンの木を図9に示
し、これを用いてその仕組みを解説すると、可変長符号
の2進符号の最初からの0,1に対応する木を考え、木
の端にイベントが対応するとする。これは一意解読可能
のための接頭語条件を満たす。途中の枝分かれの節(ノ
ード)を同図では*で表わし、A,B,Cの3つのイベ
ントがあるとき、最初、同図(a)のような木であると
し、また、左への枝を0,右への枝を1であるとする
と、A,B,Cに対応する可変長符号は、A:00,
B:01,C:1である。
【0052】これらの木にイベントごとに使用頻度が記
憶されているとする。以下、木の端も節に含めて説明す
る。これらの頻度と木の構造の間につぎのような関係を
規定する。
【0053】 同じ階層どうしの節では右ほど頻度が
大きい。すなわち、正確には右の節の頻度は左の節の頻
度以上である。
【0054】 上の階層ほど頻度が大きい。正確には
上の階層の節は下の階層のすべての節の頻度以上であ
る。
【0055】そうすると、同図(a)の木を満たす頻度
の集合の例としては、A:1,B:1,C:2がある。
ここで図9(a)の状態でイベントAが1つ発生したと
すると、A:2,B:1,C:2であり、AはBより頻
度が高くなるのでAとBを入れ替え、A,Bの親の節は
3という頻度になるのでCの頻度を越えて、A,Bの親
の節とCとは入れ替えられる。こうして木の構造は同図
(b)となり、A:11,B:10,C:0となる。同
図(b)の状態でもう一度イベントAが発生すると、頻
度は、A:3,B:1,C:2であり、AはCと入れ替
えられ同図(c)のような木に変化する。
【0056】このようにして、ダイナミック・ハフマン
の木はイベント発生にもとづく使用頻度に合わせて、可
変長符号をダイナミックに変化させることに特徴があ
る。また、以上の説明から明らかなように、ダイナミッ
ク・ハフマン符号化器には、木の構造を記述する仕組み
と、各イベントの使用頻度の記憶と節のイベント計算が
必要であり、また、広義の節どうしの入れ替えが行われ
る仕組みが必要である。このような仕組みを有するダイ
ナミック・ハフマンを用いることによって基本的な適応
動作は一応確保されるが、
【0057】a)エントリー・ポイントにおけるダイナ
ミック・ハフマンの木の初期化において各イベントに同
一の頻度値をあたえる方法では、初期の段階で発生する
符号量が大きかった。
【0058】b)イベント発生ごとに1回、ダイナミッ
ク・ハフマンの木の形状を変化させるのでは適応が緩慢
であった。
【0059】c)定期的に各イベントの頻度を1/mに
し、再構築する従来のダイナミック・ハフマンの再構築
方法は、適応が緩慢であった。
【0060】(6)エンコーダおよび局部デコーダ エンコーダ(符号化器)に含まれた局部デコーダ(復号
器(31,32,33,34,35,38,39,4
2,43,44,45))により復号された局部復号画
像には、符号化(量子化)に伴い不必要なノイズ成分が
重畳されている。このノイズを残したまま符号化処理を
行っているから符号化効率が著しく低下している。そこ
で、たとえば、ある画素値を近隣の画素との重み付け平
均で置き換えるなど、平滑化処理によってノイズを抑圧
する方法がとられている。しかし、このような線形処理
では、ノイズのみならず、本来、画像データが持ってい
る輪郭線などのテクスチャーまでが除去されてしまって
いた。
【0061】
【発明が解決しようとする課題】i)インターレース画
像の符号化に単純フィールドを適用した場合には、隣り
合うフィールド画像が同じ位置の画像でないために予測
誤差が大きく、静止領域においてさえも大きな誤差デー
タが発生するという解決されるべき課題があった。さら
に、予測の方向が偶奇のうちの同じ側に固定されてしま
い、内挿予測の機能を発揮できないという課題があっ
た。また、B画面のフィールド間予測においては符号量
が多いにもかかわらず信号対雑音比の悪い画面が発生す
るという解決されるべき課題が残されていた(従来の技
術の(1.1 )参照)。また、単純フィールドを適用した
場合には、静止領域においても符号量が多く、符号化効
率を向上することができないという解決されるべき課題
が残されていた(従来の技術の(1.2 )参照)。
【0062】ii)偶奇フィールドを分離して適用した場
合には、隣接する偶奇フィールド間の相関を予測符号化
に利用できず、とくに静止領域の符号化効率が上がらな
いという課題があった。さらに、大きなメモリ容量を必
要とする場合が生ずるという解決されるべき課題が残さ
れていた(従来の技術の(2)参照)。
【0063】iii)連続する偶奇2つのフィールド画像
を予測画像に用い、符号化画像がフィールド画像である
場合には、大きなメモリ容量を必要とし、静止領域にお
ける符号化効率が低いという解決されるべき課題が残さ
れていた(従来の技術の(3)参照)。
【0064】iv)単純フレームを適用した場合には、フ
レーム画像の動領域の画像に離散的コサイン変換係数の
縦方向の空間周波数の高周波成分が強く発生し、斜めジ
グザグ走査では符号化効率が低下するという解決される
べき課題があった(従来の技術の(4.1 )参照)。
【0065】さらに、単純フレームを適用した場合に
は、静止した背景の中に動物体の画像があるような場合
に、マクロブロックでのフレーム画像としての予測はほ
とんど不可能になってしまうという課題があった(従来
の技術の(4.2 )参照)。
【0066】また、単純フレームを適用した場合には、
偶数フィールドと奇数フィールドとを別個に扱うことが
できないから、符号化画像内の偶奇フィールド間の予測
を利用することができないという解決されなければなら
ない課題があった(従来の技術の(4.3 )参照)。
【0067】単純フレームを適用した場合には、偶奇フ
ィールドが複合されてしまっているために、フィールド
間予測により符号化効率が向上するような場合であって
もフィールド間予測を利用できないという課題が残され
ていた(従来の技術の(4.4 )参照)。
【0068】さらに、単純フィールドを適用した場合に
も、単純フレームを適用した場合にも一般にインターレ
ース画像の符号化では、予測誤差信号においても、離散
的コサイン変換係数の縦方向の高周波成分が強く現われ
るために、斜めジグザグ走査を用いた符号化による符号
化効率の低下が生ずるという解決されるべき課題が残さ
れていた(従来の技術の(4.5 )参照)。
【0069】v)固定の可変長符号を用いる場合には、
ランとレベルの発生頻度の差異のために符号化効率が悪
く、ダイナミック・ハフマンの可変長符号を用いる場合
には、符号化の初期段階で発生する符号量が大きく、ダ
イナミック・ハフマンの木の形状を変化させる適応速度
が緩慢であり、ダイナミック・ハフマンの再構築速度が
緩慢であるという解決されるべき課題が残されていた
(従来の技術の(5)参照)。
【0070】vi)従来のエンコーダにおいては、そこに
含まれた局部デコーダで復号された局部復号画像に符号
化(量子化)ノイズが残存しており、符号化効率が著し
く低下し、それを改善するために平滑化処理をすると、
ノイズのみならず輪郭線などのテクスチャーまで除去さ
れるという解決されるべき課題が残されていた(従来の
技術の(6)参照)。
【0071】
【課題を解決するための手段】8×8画素の輝度ブロッ
クを4個含む16×16画素のマクロブロックを処理単
位とした多くのマクロブロックを含む2つのフィールド
により1フレームをなすインターレース画像信号である
入力信号と予測信号との差をとり予測誤差信号を得るた
めの減算器と、予測誤差信号における輝度ブロックの配
置を替えるための第1のブロック配置替器と、ブロック
の配置を替えられた予測誤差信号を離散的コサイン変換
し変換信号を出力するための変換器と、変換信号を量子
化して量子化された信号を得るための量子化器と、輝度
ブロック内の8×8画素信号の走査順序を選択するため
の走査選択器と、走査選択された画素信号から可変長符
号データを得るためのダイナミック・ハフマン符号化器
と、量子化器の出力である量子化された信号を受けて逆
量子化して逆量子化信号を出力するための逆量子化器
と、逆量子化信号を離散的コサイン逆変換して逆変換信
号を出力するための逆変換器と、第1のブロック配置替
器において配置替えされた輝度ブロックの配置をもとの
配置にもどして量子化誤差信号として出力するための第
2のブロック配置替器と、量子化誤差信号と予測信号と
を加算して復号化信号を得るための加算器と、復号化信
号に含まれたノイズを除去するための非線形フィルタ
と、非線形フィルタの出力を画像のフレームに対応して
切替えるための第1の切替スイッチと、第1の切替スイ
ッチの切替に対応して非線形フィルタの出力をそれぞれ
格納するための第1および第2のフレーム・メモリと、
入力信号から得た動ベクトルの指示により第1および第
2フレーム・メモリに格納された信号中から動き補償さ
れたマクロブロックをそれぞれ取り出して第1および第
2の動き補償された信号を出力することのある第1およ
び第2の動き補償回路と、第1および第2の動き補償さ
れた信号を受けて内挿予測信号を得るための内挿回路
と、第1および第2の動き補償された信号と、内挿予測
信号と、無信号のうちの1つを選択するように切替えて
減算器へ印加するための予測信号を出力するための第2
の切替スイッチとを具備するように構成した。
【0072】
【作用】第1のブロック配置替器において、フレーム処
理およびフィールド処理に最適のブロック配置となるよ
うに配置替えする。走査選択器においては輝度ブロック
内の8×8の画素を斜めジグザグ走査あるいは本願発明
による垂直ジグザグ走査のうちの発生符号量を最少にす
る最適の走査を選択する。走査出力はダイナミック・ハ
フマン符号化器により可変長符号データ化されて出力さ
れる。加算出力信号中に含まれたノイズは非線形フィル
タにより除去する。このようにして、前記の多くの解決
課題(発明が解決しようとする課題の i)〜 vi )参
照)を解決した。
【0073】
【実施例】本発明の一実施例の回路構成図を図1に示し
説明する。この実施例ではI,Pピクチャにフィールド
/フレーム処理を実施し、全ピクチャにジグザグ走査変
更機能を実施している。
【0074】50は画像信号の入力端子であり、ここか
ら入力された入力画像信号51は減算器20により予測
信号60を差し引き、予測誤差信号52を得る。予測誤
差信号52はブロック配置替器21を通して変換器22
により直交変換、たとえば離散的コサイン変換され、量
子化器23により量子化されて量子化された信号53を
出力し、それが走査選択器24によって走査の種類が選
択され、可変長符号を出力するダイナミック・ハフマン
符号化器25によってランとレベルの2次元の可変長符
号データ54として送出される。また、量子化された信
号53は逆量子化器31により逆量子化され、逆変換器
32により逆変換され、ブロック配置替器33を通して
量子化誤差信号55を得る。加算器34により量子化誤
差信号55と予測信号60は加算されて、復号化信号5
6が得られる。
【0075】復号化信号56は非線形フィルタ35に印
加され、復号加信号56に含まれたノイズを除去された
信号57を得、これが切替スイッチ36に印加される。
【0076】ノイズを除去された信号57は、切替スイ
ッチ36の端子eまたはfを介してフレーム・メモリ3
8または39に印加され格納される。入力端子50にB
フレームの画像信号が印加されており、切替スイッチ3
6はBピクチャを処理しているときには端子gに接続さ
れ、入力端子50に前方または後方のI,Pピクチャの
画像信号が印加されており、前方または後方のI,Pピ
クチャを処理しているときには切替スイッチ36は端子
eまたはfに接続される。そこで前方または後方のI,
Pピクチャの処理時のノイズを除去された信号57はフ
レーム・メモリ38,39に格納され、動き補償回路4
2,43において入力画像信号51から動ベクトルを検
出する動ベクトル検出器46の出力であるベクトル信号
62,63の指示により、フレーム・メモリ38または
39に格納された前方または後方のI,Pピクチャから
動き補償されたブロックの画像信号を読出して動き補償
された信号64または65を得て、これが内挿回路44
および切替スイッチ45の端子aおよびcに印加され
る。Bピクチャの処理時にはフレーム・メモリ38,3
9には格納されない。
【0077】前方または後方のI,Pピクチャから動き
補償された信号64,65を受けた内挿回路44では、
演算して内挿予測信号66を出力し、これが切替スイッ
チ45の端子bに印加される。
【0078】切替スイッチ45において、端子aまたは
cが選択されたときは、前方または後方のI,Pピクチ
ャから動き補償された信号を選び、それを予測信号60
として出力することになる。端子bが選択されたときに
は、内挿予測信号66が予測信号60として出力され
る。接地された端子dが選択されたときには、“0”が
予測信号60として出力される。切替スイッチ45の切
替は画像内のマクロブロックに含まれた輝度ブロック単
位に最適のモードが選択され図示されてはいない外部か
らの制御信号により切替えられる。
【0079】切替スイッチ45において、端子bが選択
されるのはBピクチャの処理時であり、かつ、マクロブ
ロックに内挿予測を選択したときである。
【0080】前方または後方のI,Pピクチャの処理時
に、切替スイッチ36の端子eまたはfのいずれかが交
互に選択されるが、その様子を図2を用いて説明する。
【0081】図2において、BピクチャはB1,B2,
B3…で表わされ、I,PピクチャはI1,I2,I
3,…で表わされており、BピクチャとIピクチャ
(I,Pピクチャ)が交互に並んでいる場合が示されて
いる。
【0082】I1ピクチャが処理される場合は切替スイ
ッチ36の端子eが選択されて、B1ピクチャの前方の
ピクチャであるI1ピクチャのノイズを除去された信号
57はフレーム・メモリ38に格納される。つぎに切替
スイッチ36は端子fに切替えられてB1ピクチャの後
方のピクチャであるI2ピクチャのノイズを除去された
信号57はフレーム・メモリ39に格納される。そこ
で、B1ピクチャの予測信号60がスイッチ45から得
られる。
【0083】つぎに切替スイッチ36は端子eに切替え
られ、B2ピクチャの後方のピクチャであるI3ピクチ
ャのノイズを除去された信号57がフレーム・メモリ3
8に格納され、これと、すでにピクチャ・メモリ39に
格納されているI2ピクチャをB2ピクチャの前方のピ
クチャとして使用して、B2ピクチャの予測信号60を
スイッチ45から得ている。以下B3ピクチャにおいて
も同様に切替スイッチ36が図示されてはいない制御信
号により切替えられる。
【0084】Iピクチャには2種のマクロブロック・タ
イプMB1,MB2があり、マクロブロック・タイプM
B1のときには切替スイッチ45は端子dの位置にあ
る。MB2のときには前半の偶数ブロック処理では切替
スイッチ45は端子dの位置にあるが、一画面終了後の
後処理で行われる奇数ブロックの処理には、現再生画像
(Iピクチャ)の偶数フィールドから予測するため、切
替スイッチ36が端子eの位置にある場合には切替スイ
ッチ45は端子aに、切替スイッチ36が端子fにある
場合には切替スイッチ45は端子cの位置にあり、現画
像(Iピクチャ)を再生する位置にある。
【0085】Pピクチャではマクロブロック・タイプは
Iピクチャの2種類も含み5種類のマクロブロック・タ
イプMB1〜MB5の中から選択可能であり、マクロブ
ロック・タイプMB3,MB4およびMB5の前半では
予測フレームと再生フレームが別々となるように、切替
スイッチ36が端子eのときは切替スイッチ45は端子
cに、切替スイッチ36が端子fのときは切替スイッチ
45は端子aの位置を選ぶ。
【0086】マクロブロック・タイプMB4では偶奇の
2個づつのブロックでベクトル信号62または63が異
なり、それぞれ別個に予測する。
【0087】マクロブロック・タイプMB5では偶数ブ
ロックはフレーム間予測を行い、一画面終了後の後処理
では奇数ブロックを現再生画像の偶数フィールドから予
測するため、切替スイッチ36が端子eの位置の場合、
切替スイッチ45は端子aに、切替スイッチ36が端子
fの場合に切替スイッチ45は端子cにあって、現画像
(Pピクチャ)を再生する位置にある。
【0088】Bピクチャでは従来の蓄積メディア用符号
化の処理と同じであり、切替スイッチ45は端子dの位
置のときはピクチャ内予測、端子cの位置のときは前方
(または後方)予測、端子bの位置のときは内挿予測、
端子aの位置のときは後方(または前方)予測が選択さ
れる。
【0089】Bピクチャでは従来の蓄積メディア用符号
化の処理と同じ処理がなされ、マクロブロック・タイプ
にはMB6〜MB9の4種類がある。マクロブロック・
タイプにはMB6では切替スイッチ45は端子dの位置
にありピクチャ内予測、マクロブロック・タイプMB7
(MB8)では切替スイッチ20は端子c(a)の位置
にあり前方(後方)予測、マクロブロック・タイプMB
9では切替スイッチ45は端子bの位置にあり内挿予測
を選択することになる。
【0090】以上のマクロブロック・タイプMB1〜M
B9をピクチャ・タイプ,フィールド/フレーム処理,
動ベクトル個数V,符号化の処理別に整理すると、
【0091】Iピクチャでは、 MB1: フレーム処理, V=0,ピクチャ内符号化 MB2: フィールド処理,V=0,偶数ブロックをフ
ィールド内符号化フィールド処理,V=1,奇数ブロッ
クは偶数フィールドから予測
【0092】Pピクチャでは、 MB1: フレーム処理, V=0,ピクチャ内符号化 MB2: フィールド処理,V=0,偶数ブロックをフ
ィールド内符号化 フィールド処理,V=1,奇数ブロックは偶数フィール
ドから予測 MB3: フレーム処理, V=1,フレーム間予測 MB4: フィールド処理,V=1,偶数ブロックはフ
レーム間予測 フィールド処理,V=1,奇数ブロックもフレーム間予
測 MB5: フィールド処理,V=1,偶数ブロックはフ
レーム間予測 フィールド処理,V=1,奇数ブロックは偶数フィール
ドから予測
【0093】Bピクチャでは、 MB6: フレーム処理, V=0,ピクチャ内符号化 MB7: フレーム処理, V=1,前方予測符号化 MB8: フレーム処理, V=1,後方予測符号化 MB9: フレーム処理, V=2,内挿予測符号化 となる。各ピクチャにおいて、予測誤差信号52の値が
最も小さくなるマクロブロック・タイプが選択される。
【0094】図1のブロック配置替器21においては、
予測誤差信号52に含まれた1つのマクロブロックの1
6×16の輝度画素(ピクチャ内予測時)または輝度予
測誤差画素(ピクチャ間予測時)を、図3または図4に
示すように配置替えをする。
【0095】図3においては、フレーム処理時の輝度画
素の配置(フレーム型分割)が示され、1つのマクロブ
ロックに含まれた4個の輝度ブロックのそれぞれに含ま
れた8×8個の輝度画素が、各輝度ブロック別に丸印は
ブロック番号0(偶数ブロック)、3角印はブロック番
号1(偶数ブロック)、4角印はブロック番号2(奇数
ブロック)、6角印はブロック番号3(奇数ブロック)
で輝度画素を表わし、マクロブロックが十字状に4個の
輝度ブロックに分割されている。このような配置を輝度
ブロックの十字状配列と呼ぶ。
【0096】図4においてはフィールド処理時の輝度画
素の配置(フィ−ルド型分割)が示され、1つのマクロ
ブロックに含まれた、4個の輝度ブロックのそれぞれに
含まれた8×8個の輝度画素が、各輝度ブロック別に図
3の場合と同様にして丸印,3角印,4角印,6角印で
表わされている。ここでは丸印で表わされたブロック番
号0(偶数ブロック)の輝度画素と、4角印で表わされ
たブロック番号2(奇数ブロック)の輝度画素が左側半
分において横1列ずつ交互に配列され、3角印で表わさ
れたブロック番号1(偶数ブロック)の輝度画素と、6
角印で表わされたブロック番号3(奇数ブロック)の輝
度画素が右側半分において横1列ずつ交互に配列されて
いる。このような配置を輝度ブロックの交互配列と呼
ぶ。
【0097】ブロック配置替器21は十字状配列および
交互配列の2種類のブロック配置を選択する機構であ
り、その選択は図1には書かれていない制御部からの指
示によってなされる。この制御部からの制御信号によっ
て、2つのブロック配置のいずれか1つのブロック配置
にして、ブロック単位に量子化器23に渡す。
【0098】図示されてはいない制御部の指示でこれら
の2種類のブロック配置を選択するには、以下のような
方法がある。
【0099】 両ブロック配置をとったときの変換器
22、量子化器23、走査選択器24、ダイナミック・
ハフマン符号化器25を一度通してから発生符号量の小
さい方を選択する経験的方法がある。これは、おそらく
最良の結果をもたらす方法であるが、もっとも複雑性が
高いものである。これには、変換器22、量子化器2
3、走査選択器24、ダイナミック・ハフマン符号化器
25を2重に具備して行う方法と、両ブロック配置を時
間的に直列に2回処理を通す方法がある。
【0100】 両ブロック配置をとったときの各ブロ
ックの下式で定義するACパワ−の総和PACklの小さい
方を選択する先験的方法がある。輝度ブロック番号をk
および1で21+kと表わし、各輝度ブロック内の空間
位置をmおよびnとすると、 PACkl=Σ(Bklmn−PAVkl2 ここで、Σは、kl=0,0から1,1の累和を表わ
し、 PAVkl=64-1ΣBklmn であり、このΣは、mn=0,0から7,7の累和を表
わしている。この方法はACパワ−の総和PACklが大き
くなるとき、符号量が大であるという仮定に依っており
計算量は小さいが、最良の結果を与える方法ではない。
【0101】輝度ブロックの十字状配列(図3)および
交互配列(図4)は、マクロブロック内の空間位置をi
(0≦i≦15)およびj(0≦j≦15)とし、Xij
をマクロブロックの輝度画素、輝度ブロック番号をk
(0≦k≦1)およびl(0≦l≦1)で21+kと表
わし、各輝度ブロック内の空間位置をm(0≦m≦7)
およびn(0≦n≦7)とし、Bklmnを4個の輝度ブロ
ックの画素とすると、図3に示したフレーム処理時の輝
度ブロックの十字状配列は、 Bklmn=Xm+8kn+8l と表わすことができる。
【0102】図4に示したフィールド処理時の輝度ブロ
ックの交互配列は、 Bklmn=Xm+8k2n+l と表わすことができる。
【0103】ブロック配列替器33では、ブロック配置
替器21で行った配置替えの逆の配置替えを行い、量子
化誤差信号55の配列を予測誤差信号52の配列にもど
している。
【0104】走査選択器24では、輝度ブロック内の8
×8の輝度画素を図8の升内の数字で示した順序で斜め
ジグザグ走査するか、あるいは、図5に示した8×8の
輝度画素を図5の升内の数字で示した垂直方向にジグザ
グ走査する垂直ジグザグ走査をするか符号量が小さくな
る方を選択して、いずれかの走査をしてその出力をダイ
ナミック・ハフマン符号化器25に印加している。
【0105】走査選択器24(図1)が画素の処理順で
ある斜めジグザグ走査を選択するか、垂直ジグザグ走査
を選択するかは図1には図示のない制御部からの制御信
号によってなされ、これら2つの画素の処理順のいずれ
か一方が選択されて、その処理順にダイナミック・ハフ
マン符号化器25へ画素信号が送られる。
【0106】図示のない制御部が、これら2つの画素の
処理順を選択するのには、つぎの方法がある。制御部の
働きとして、これらの2種類を選択するには以下のよう
な方法がある。
【0107】i) 両処理順を取ったときのダイナミッ
ク・ハフマン符号化器25を通してから発生符号量の小
さい方を選択する経験的方法がある。これは最良の符号
化効率結果をもたらす方法であるが、最も複雑性が高
い。これにはダイナミック・ハフマン符号化器25を2
重に具備して行う方法と、両処理順を時間的に直列に2
回実施する方法がある。
【0108】ii) 両処理順を取ったときの各ブロック
のラン(ゼロラン+1)の総和の小さい方を選択する先
験的方法がある。これはランが大きくなると符号量が大
となるという仮定に依っている。計算量が小さいが最良
の結果を与える方法ではない。
【0109】ダイナミック・ハフマン符号化器25で
は、走査選択器24からの信号が“0,0,…,0”の
続いた長さ(ラン)と“0”ではない非ゼロ係数の値
(レベル)とをイベントとしてとらえ、これと、このイ
ベントの終了を示すエンド・オブ・ブロック・イベント
と、まれにしか発生しないランとレベルの組合せの発生
を示すエスケープ・イベントとを含めて、従来例のよう
に時間的に変化しない可変長符号に変換をするのではな
くて、
【0110】a)エントリー・ポイント毎の初期化にお
いて、初期化に適合したダイナミック・ハフマンの木の
構造を用いて、ある標準的な可変長符号に各イベント用
の符号長が一致するように初期化し、
【0111】b)イベントの発生1回毎にu回(u≧
1)のイベントが発生したとして、ダイナミック・ハフ
マンの木の形状を変化させて適応性の高速化を図り、
【0112】c)ある時間的区間中の各イベントの発生
頻度を(頻度を有限とすると何等かの処理が必要になる
から、)次の区間の初期頻度としてダイナミック・ハフ
マンの木の再構築をして適応性の高速化を図っている。
【0113】このa),b),c)のいずれかの機能を
用いて、従来のダイナミック・ハフマン符号化器の問題
点を改善して、イベントから2次元の可変長符号データ
54に変換している。
【0114】非線形フィルタ35の機能について説明す
る。ここでは、ある輝度画素の値をその近隣の輝度画素
の値により平滑することによりノイズ成分を抑圧してい
る。このとき、画像データが本来持っている輪郭線など
のテクスチャーが除去されないように、あるしきい値e
を設けてテクスチャーとノイズを区別し、テクスチャー
と判定された画素以外の画素値を平滑化に利用する。
【0115】この判定処理方法はp行q列に位置する画
素xp,q に対する処理をE{xp,q}で表わすと、 E{xp,q }=0.5+1/24 Sum{yp,q,i,j } ただし、−2≦i≦2 ,−2≦j≦2である。
【0116】ここで、 zp,q,i,j =xp,q −xp+i,q+i と置くと、 |z|≦e のとき、 yp,q,i,j =zp,q,i,j |z|>eのとき、 yp,q,i,j=0 と表わされる。
【0117】以上の非線形フィルタ35の判定処理機能
を第1次判定処理機能という。
【0118】さらに、第1次判定処理機能によっては判
定できなかった振幅の小さなテクスチャーが存在すると
判断したときは、次に示す第2次判定処理機能によりノ
イズ除去処理を行う。
【0119】すなわち、p行q列に位置する画素xp,q
に対する処理をED{xp,q }で表わすと、 c=1 のとき、 ED{xp,q }=E{xp,q } c≠1 のとき、 ED{xp,q }=xp,q ここで、cは −1≦i≦1で、かつ、−1≦j≦1に
おいて、 |xp,q −xp+i,q+j|≦d を満たす画素の個数である。ここでdはあらかじめ定め
た定数である。
【0120】非線形フィルタ35は復号化信号56にお
けるノイズを除去するために設けられたものであるか
ら、復号化信号56におけるノイズが十分に小さい場合
あるいは無視できる場合には、この非線形フィルタ35
を省略して、復号化信号56を直接切替スイッチ36に
印加することができる。
【0121】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
には以下に示す多くの効果がある。
【0122】(1)符号化画像をフレーム画像とし、フ
レーム間の予測を行ない、予測誤差または入力画像を符
号化する場合に、マクロブロック毎にフレーム処理と、
フィールド処理の予測方法の切替えをしているから、フ
レーム処理においては符号化する画面をフレームとして
空間的にまとめて符号化するためフレーム間相関に利用
したうえに、フィールド間相関をフレームとしてまとめ
ることで利用可能となり、静止領域の符号化効率の低下
という問題点はなくなった。
【0123】従来の単純フィールドを適用する場合、偶
奇フィールドを分離して適用する場合および偶偶(奇
奇)フィールド間を適用する場合はフレーム間予測を行
うが、符号化ブロックはフィールドであり、このために
静止領域において符号量を減少できず符号化効率が低下
すること、予測の方向が偶奇いずれか一方のフィールド
にかたよること、符号量の多さにもかかわらずS/Nが
悪い、といった問題点が含まれていたが、これらの欠点
をなくし、符号化ブロックはフレームとして空間的にま
とめて符号化するため、とくに静止領域において高い符
号化効率を与えることが可能となった。
【0124】これらの利点は本願発明により、フレーム
を基本とする予測構造で、フレーム処理とフィールド処
理の切替えを導入したことにより、はじめて実現可能と
なり、フィールドおよび単純フレームの適用の利点を同
時に具備できた。
【0125】(2)符号化するマクロブロックのタイプ
としてフィールド処理を行うとき、2つの動ベクトルを
偶数および奇数のブロックに別個に持ち、別個に予測
し、別個に符号化することを可能にしたから、動物体の
縁と背景をそれぞれのフィールドにもつマクロブロック
においても効率良く予測することが可能となった。
【0126】(3)符号化するマクロブロックのタイプ
としてフィールド処理を適用したとき、1つまたは2つ
の動ベクトルを偶数および奇数のブロックに別個に持
ち、まず、2個の偶数ブロックをピクチャ内符号化また
は偶数ブロック用動ベクトルを用いてフレーム間予測符
号化し、画面にわたるその処理が終了後、あとで、2個
の奇数ブロックを現在の符号化再生画面の偶数フィール
ドから奇数ブロック用の動ベクトルを用いて予測符号化
することを可能にする手段は、偶数および奇数の一方の
フィールドから他方のフィールドへの予測を可能とした
から、符号化効率の向上が図られることになった。
【0127】(4)符号化するマクロブロックのタイプ
として、新規なジグザグ・スキャンを用意した。すなわ
ち、符号化した離散的コサイン変換ブロックの走査順序
を、通常の斜めジグザグ・スキャン以外に垂直ジグザグ
・スキャンを用意して両者を切替える手段を用意したの
で、従来の斜めジグザグ・スキャンの場合に符号化効率
が低下するという問題点を解決した。
【0128】(5)ブロック内のある走査順にそって量
子化離散的コサイン変換係数の符号化を行うのに、ラン
とレベルを組合せたイベントその他を符号化するダイナ
ミック・ハフマン符号化器を用いることにより、
【0129】a)エントリー・ポイント毎の初期化にお
いて、ある標準的な可変長符号に初期化の時点から、ダ
イナミック・ハフマンの使用が弊害とはならず、符号量
の発生が少なくなる。
【0130】b)イベント発生毎にu回(u≧1)のイ
ベントが発生したとして、ダイナミック・ハフマンの木
の形状を変化させることで適応性の速度がu倍となる。
【0131】c)ある区間中の各イベントの発生頻度を
次の区間の初期頻度としてダイナミック・ハフマンの木
の再構築をすることで、再構築区間を単位とした適応性
が向上する。 という利点が生じた。
【0132】(6)非線形フィルタの採用によりエンコ
ーダにおける局部復号画像に重畳される不必要なノイズ
成分が除去され、符号化効率の低下が回避できる。この
とき、本来、画像データが持っている輪郭線などのテク
スチャーが保存できる。またエンコーダ内に含まれた局
部デコーダにおいても、復号画像に重畳される不必要な
ノイズ成分が除去され、符号化により発生する復号画像
の画質劣化が回避できる。このとき、本来、画像データ
が持っている輪郭線などのテクスチャーが保存できる。
【0133】以上のごとき多くの利点を有すから、本発
明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路構成図である。
【図2】図1の構成要素である2つのフレーム・メモリ
の切替動作を説明するためのピクチャの位置を示すピク
チャ位置図である。
【図3】マクロブロック内における4個のブロックの本
発明のフレーム処理を行う場合のブロック配置図であ
る。
【図4】マクロブロック内における4個の輝度ブロック
の本発明のフィールド処理を行う場合のブロック配置図
である。
【図5】本発明において使用される1つの輝度ブロック
に含まれた8×8画素の処理順を示した処理順序図であ
る。
【図6】従来の動ベクトル検出の動作原理を説明するた
めの原理図である。
【図7】従来の前方および後方ピクチャから動ベクトル
を検出する動作を説明するためのピクチャ位置図であ
る。
【図8】従来の1つの輝度ブロックに含まれた8×8画
素の処理順を示した処理順序図である。
【図9】ダイナミックハフマンの木を示すダイナミック
ハフマンの木図である。
【符号の説明】
20 減算器 21 ブロック配置替器 22 変換器 23 量子化器 24 走査選択器 25 ダイナミック・ハフマン符号化器 31 逆量子化器 32 逆変換器 33 ブロック配置替器 34 加算器 35 非線形フィルタ 36 切替スイッチ 38,39 フレーム・メモリ 42,43 動き補償回路 44 内挿回路 45 切替スイッチ 46 動ベクトル検出器 50 入力端子 51 入力画像信号 52 予測誤差信号 53 量子化された信号 54 可変長符号データ 55 量子化誤差信号 56 復号化信号 57 ノイズを除去された信号 60 予測信号 62,63 ベクトル信号 64,65 動き補償された信号 66 内挿予測信号 100,101 ピクチャ 102,103 ブロック 104 検索領域 m,n ピクチャ間隔
フロントページの続き (72)発明者 知念 徹 東京都港区南青山7丁目1番5号 コラム 南青山 6階 ジー・シー・テクノロジー 株式会社研究開発本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8×8画素の輝度ブロックを4個と複数
    個の色差信号ブロックを含む16×16画素のマクロブ
    ロックを処理単位とした多くのマクロブロックを含む2
    つのフィールドにより1フレームをなすインターレース
    画像信号である入力信号(51)とゼロであり得る予測
    信号(60)との差をとり予測誤差信号(52)を得、 前記予測誤差信号における前記輝度ブロックの画素の配
    置を替えて配置替えした第1の輝度ブロック信号を得
    (21)、 前記第1の輝度ブロック信号を直交変換し(22)、量
    子化して量子化された信号を得(23)、 前記量子化された信号において前記輝度ブロックに含ま
    れた前記8×8画素の走査の種類を選択して走査して走
    査出力を得(24)、 前記走査出力から可変長符号データ(54)を得、 前記量子化された信号を逆量子化し(31)、逆直交変
    換して逆変換信号を得(32)、 前記逆変換信号における前記輝度ブロックの配置を前記
    第1の輝度ブロック信号を得る以前の配置にもどして量
    子化誤差信号(55)を得(33)、 前記誤差信号と前記予測信号とを加算して復号化信号
    (56)を得(34)、 前記復号化信号を格納し(38,39)、動き補償して
    第1および第2の動き補償された信号(64,65)を
    得(42,43,46)、 前記第1および第2の動き補償された信号から内挿予測
    信号(66)を得(44)、 前記第1および第2の動き補償された信号と前記内挿信
    号と無信号とを切替えて前記予測信号(60)を得るイ
    ンターレース画像符号化方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の輝度ブロック信号を得る場合
    に、 前記予測誤差信号における前記輝度ブロックの画素の配
    置を外部からの指示により十字状配列および交互配列に
    選択的に配置替えする(21)請求項1のインターレー
    ス画像符号化方法。
  3. 【請求項3】 前記8×8画素の走査の種類が斜めジグ
    ザグ走査と垂直ジグザグ走査とを含む(24)請求項1
    のインターレース画像符号化方法。
  4. 【請求項4】 前記可変長符号を得る場合に、 前記走査出力をダイナミック・ハフマン符号化により符
    号化する(25)請求項1のインターレース画像符号化
    方法。
  5. 【請求項5】 前記復号化信号(56)を格納する場合
    に、 前記復号化信号をあらかじめ定めたしきい値以下の信号
    レベルに対して抑圧するように動作する非線形フィルタ
    (35)を介して格納するようにした請求項1のインタ
    ーレース画像符号化方法。
  6. 【請求項6】 8×8画素の輝度ブロックを4個と複数
    個の色差信号ブロックを含む16×16画素のマクロブ
    ロックを処理単位とした多くのマクロブロックを含む2
    つのフィールドにより1フレームをなすインターレース
    画像信号である入力信号(51)とゼロであり得る予測
    信号(60)との差をとり予測誤差信号(52)を得る
    ための減算手段(20)と、 前記予測誤差信号における前記輝度ブロックの画素の配
    置を替えて、配置替えした第1の輝度ブロック信号を得
    るための第1のブロック配置替手段(21)と、 前記第1の輝度ブロック信号を直交変換するための変換
    手段(22)と、 前記変換手段において直交変換された信号を量子化して
    量子化された信号(53)を得るための量子化手段(2
    3)と、 前記量子化された信号において前記輝度ブロックに含ま
    れた前記8×8画素の走査の種類を選択して走査して走
    査出力を得るための走査選択手段(24)と、 前記走査出力から可変長符号データ(54)を得るため
    の可変長符号化手段(25)と、 前記量子化された信号を逆量子化するための逆量子化手
    段(31)と、 前記逆量子化手段において逆量子化された信号を逆直交
    変換して逆直交変換信号を得るための逆変換手段(3
    2)と、 前記逆直交変換信号における前記輝度ブロックの配置を
    前記第1の輝度ブロック信号を得る以前の配置にもどし
    て量子化誤差信号(55)を得るための第2のブロック
    配置替手段(33)と、 前記誤差信号と前記予測信号とを加算して復号化信号
    (56)を得るための加算手段(34)と、 前記復号化信号を格納し、動き補償して第1および第2
    の動き補償された信号(64,65)を得るための動き
    補償手段(38,39,42,43,46)と、 前記第1および第2の動き補償された信号から内挿予測
    信号(66)を得るための、内挿予測手段(44)と、 前記第1および第2の動き補償された信号と前記内挿信
    号と無信号とを切替えて前記予測信号(60)を得るた
    めの切替スイッチ手段とを含むインターレース画像符号
    化装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のブロック配置替手段(21)
    が、 前記予測誤差信号における前記輝度ブロックの画素の配
    置を外部からの指示により十字状配列および交互配列に
    選択的に配置替えするように動作する請求項6のインタ
    ーレース画像符号化装置。
  8. 【請求項8】 前記走査選択手段(24)が、 前記8×8画素を斜めジグザグ走査と垂直ジグザグ走査
    とを選択的に実行可能なものである請求項6のインター
    レース画像符号化装置。
  9. 【請求項9】 前記符号化手段(25)が、 ダイナミック・ハフマン符号化器である請求項6のイン
    ターレース画像符号化装置。
  10. 【請求項10】 前記動き補償手段が、 前記復号化信号(56)を格納する場合に、前記復号化
    信号をあらかじめ定めたしきい値以下の信号レベルに対
    して抑圧するように動作する非線形フィルタ手段(3
    5)を介して格納するようにした請求項6のインターレ
    ース画像符号化装置。
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Cited By (2)

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