JPH05213955A - (n−ピリジニウムフェニル)−カルバペネム - Google Patents

(n−ピリジニウムフェニル)−カルバペネム

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JPH05213955A
JPH05213955A JP4306044A JP30604492A JPH05213955A JP H05213955 A JPH05213955 A JP H05213955A JP 4306044 A JP4306044 A JP 4306044A JP 30604492 A JP30604492 A JP 30604492A JP H05213955 A JPH05213955 A JP H05213955A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式: 〔式中、RはH又はCH、R及びRはH、CH
−、CHCH−など、RはH、−CF、ハロゲ
ン原子など、Mは水素、製薬上許容可能なエステル化
基、除去可能なカルボキシル保護基などを示す〕のカル
バペネム抗菌剤及びそれを製造するための中間体。 【効果】 上記の抗菌剤は細菌感染の治療及び殺菌剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2位置側鎖が、以下で
さらに詳細に説明されるように、種々の陽イオン性及び
中性置換基により置換されるN−ピリジニウムフェニル
部分を特徴とするカルバペネム種の抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】チエナマイシンは広抗菌範囲を有する初
期カルバペネム抗菌剤であって、以下の式を有する:
【0003】
【化8】 後に、N−ホルミミドイルチエナマイシンが発見された
が、それは次式を有する:
【0004】
【化9】 本発明の2−(N−ピリジニウムフェニル)−カルバペ
ネムは、チエナマイシン又はN−ホルミミドイルチエナ
マイシンの場合のような広抗菌範囲に関して興味深いだ
けではない。むしろ、特に興味のあるそれらの活性範囲
は、グラム陽性微生物、特にメチシリン耐性黄色ブドウ
球菌Staphylococcus aureus(M
RSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌Staphy
lococcus epidermis(MRSE)、
及びメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌Sta
phylococci(MRCNS)に対してである。
したがって、本発明の抗菌化合物は、病原体を制御する
のが難しいこれらの治療に対する重要な貢献をする。さ
らに、同時に安全な、即ち望ましくない毒性副作用を持
たないこのような病原体(MRSA/MRCNS)に対
して有効な薬剤に対する必要性が漸増している。これら
の要件を満たすβ−ラクタム抗菌剤は未だ見出されてい
ない。そして、選り抜かれた最新の薬剤である、糖ペプ
チド抗菌剤のバンコマイシンに対しては、MRSA/M
RCNS病原体がその耐性量を目下増大しつつある。
【0005】さらに近年、例えばアミノメチル及び置換
アミノメチルにより任意に置換されるアリール部分であ
る2−置換基を有するカルバペネム抗菌剤が開示され
た。これらの薬剤は、米国特許第4,543,257号
及び第4,260,627号に記載されており、次式を
有する:
【0006】
【化10】 しかしながら、本発明の化合物を特徴づけるようなN−
ピリジニウムフェニル2−置換基についての、そして本
発明の化合物の驚くほど良好な抗MRSA/MRCNS
活性についての記載も示唆もない。
【0007】米国特許第4,978,659号は、次
式:
【0008】
【化11】 の特定の種類の化合物を記載するが、しかしこの限定さ
れた教示は、いかなる点においても本発明のまったく異
なる化合物、又は本発明の化合物の驚くほど良好な抗M
RSA/MRCNS活性を示唆していない。
【0009】
【本発明の要約】本発明は、下式の新規カルバペネム化
合物を提供する。
【0010】
【化12】 {式中、RはH又はCH3 であり;R1 及びR2 は互い
に独立に、H、CH3 −、CH3 CH2 −、(CH3
2CH−、HOCH2 −、CH3 CH(OH)−、(C
3 2 C(OH)−、FCH2 CH(OH)−、F2
CHCH(OH)−、F3 CCH(OH)−、CH3
H(F)−、CH3 CF2 −、又は(CH3 2
(F)−であり;Ra は、水素、並びに下記の基から成
る群から互いに独立に選択され: a)トリフルオロメチル基:−CF3 ; b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−F、又は−I; c)C1 〜C4 アルコキシ基:−OC1-4 アルキル[こ
の場合、アルキルはRq [ここで、Rq は、−OH、−
OCH3 、−CN、−C(O)NH2 、−OC(O)N
2 、CHO、−OC(O)N(CH3 2 、−SO2
NH2 、−SO2 N(CH3 2 、−SOCH3 、−S
2 CH3 、−F、−CF3 、−COOMa (ここで、
a は水素、アルカリ金属、メチル、又はフェニルであ
る)、テトラゾリル(この場合、付着点はテトラゾール
環の炭素原子であり窒素原子の1つは上記のMa により
一置換される)、及び−SO3 b (Mb はハロゲン又
はアルカリ金属である)から成る群から選択される一員
である]により任意に一置換される]; d)ヒドロキシ基:−OH; e)カルボニルオキシ基:−O(C=O)RS (ここで
S はC1-4 アルキル又はフェニルであり、この各々は
任意に上記のRq により一置換されるか、又は−Fで三
置換される); f)カルバモイルオキシ基:−O(C=O)N(Ry
z [ここで、Ry 及びRz は互いに独立にH、C1-4
アルキル(上記のRq により任意に一置換される)であ
り、同時に3−〜5−員化アルキリデン基で環(この場
合、環は上記のRq で任意に一置換される)を形成する
か、あるいは同時に2−〜4−員化アルキリデン基であ
って、−O−、−S−、−S(O)−、又は−S(O)
2 −に中断されて、環(この場合、環は上記のRq で任
意に一置換される)を形成する]; g)イオウ基:−S(O)n −Rs (ここで、n=0〜
2であり、Rs は上記と同様である); h)スルファモイル基:−SO2 N(Ry )Rz (ここ
でRy 及びRz は上記と同様である); i)アジド:N3 ; j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=O)H(ここ
で、Rt はH又はC1-4 アルキルであり、そのアルキル
は上記と同様のRq により任意に一置換される); k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
(Rt )(C=O)C1-4 アルキル(ここで、Rt は上
記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq により
任意に一置換される); l)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルアミノ基:−
N(Rt )(C=O)OC1-4 アルキル(式中、Rt
上記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq によ
り任意に一置換される); m)ウレイド基:−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
z (ここでRt 、Ry、及びRz は上記と同様であ
る); n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2 s (ここ
で、Rs 及びRt は上記と同様である); o)シアノ基:−CN; p)ホルミル又はアセタール化ホルミル基:−(C=
O)H又は−CH(OCH3 2 ; q)(C1 〜C4 アルキル)カルボニル基(ここで、カ
ルボニルはアセタール化される):−C(OCH3 2
1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様にRq
により任意に一置換される); r)カルボニル基:−(C=O)Rs (ここで、Rs
上記と同様である); s)ヒドロキシミノメチル基(この場合、酸素又は炭素
原子はC1 〜C4 アルキル基により任意に置換され
る):−(C=NORz )Ry (ここで、Ry 及びRz
は上記と同様であるが、但しそれらは環を形成するため
に一緒に結合しない); t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニル基:−(C=
O)OC1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様
にRq により任意に一置換される); u)カルバモイル基:−(C=O)N(Ry )Rz (こ
こで、Ry 及びRz は上記と同様である); v)N−ヒドロキシカルバモイル又はN(C1 〜C4
ルコキシ)カルバモイル基(この場合、窒素原子はC1
〜C4 アルキル基により不可的に置換される):−(C
=O)−N(ORy )Rz (ここで、Ry 及びRz は上
記と同様であるが、但しそれらは環を形成するために一
緒に結合しない); w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )(R
z )(ここで、Ry 及びRz は上記と同様である); x)カルボキシル:−COOMb (ここで、Mb は上記
と同様である); y)チオシアネート:−SCN; z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3 ; aa)テトラゾリル(この場合、付着点はテトラゾール
環の炭素原子であって、窒素原子の1つは水素、アルカ
リ金属又は上記のようにRq により任意に置換されるC
1 〜C4 アルキルにより一置換される); ab)以下のものから成る群から選択される陰イオン官
能基:ホスホノ[P=O(OMb 2 ];アルキルホス
ホノ{P=O(OMb )−[O(C1 〜C4アルキ
ル)]};アルキルホスフィニル[P=O(OMb )−
(C1 〜C4 アルキル)];ホスホラミド[P=O(O
b )N(Ry )Rz 及びP=O(OMb)NH
x ];スルフィノ(SO2 b );スルホ(SO3
b );構造式CONMb SO2 x 、CONMb SO2
N(Ry )Rz 、SO2 NMb CON(Ry )Rz 、及
びSO2 NMb CNから選択されるアシルスルホンアミ
ド[ここで、Rx はフェニル又はヘテロアリール(ここ
で、ヘテロアリールは5又は6個の環原子を有する一環
式芳香族炭化水素基であって、この場合、炭素原子が付
着点であり、炭素原子の1つが窒素原子により置換され
ていて、1個の別の炭素原子がO又はSから選択される
異種原子により任意に置換され、1〜2個の別の炭素原
子が窒素異種原子により任意に置換され、フェニル及び
ヘテロアリールが上記と同様にRq により任意に一置換
される)であり;Mb は上記と同様であり;並びにRy
及びRz は上記と同様である]; ac)C5 〜C7 シクロアルキル基(この場合、環中の
炭素原子はO、S、NH又はN(C1 〜C4 アルキル)
から選択される異種原子により置換され、別の1個の炭
素原子はNH又はN(C1 〜C4 アルキル)により置換
されてよく、各々の窒素異種原子に隣接する少なくとも
1個の炭素原子が、1個の酸素により置換されるその付
着水素原子の両方を有して、したがってカルボニル部分
を形成し、1つ又は2つのカルボニル部分が環中に存在
する); ad)上記の置換基a)〜ac)及び上記と同様にRq
により任意に置換されるフェニルの1つにより任意に一
置換されるC2 〜C4 アルケニル基; ae)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
置換されるC2 〜C4 アルキニル基; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
置換されるC1 〜C 4 アルキル; ah)2−オキサゾリジノニル部分[この場合、付着点
はオキサゾリジノン環の窒素原子であり、環酸素原子
は、−S−及びNRt (ここで、Rt は上記と同様であ
る)から選択される異種原子により任意に置換され、並
びにオキサゾリジノン環の飽和炭素原子の1つが上記の
置換基a)〜ag)の1つにより任意に一置換され
る];並びにMは: i)水素; ii)製薬上許容可能なエステル化基又は除去可能なカ
ルボキシル保護基; iii)アルカリ金属又はその他の製薬上許容可能な陽
イオン;あるいは iv)なし。COO- を残す; から選択される)}。
【0011】本発明はさらに、式:
【0012】
【化13】 (式中、Rが、H又はCH3 であり;Ra は上記と同様
であるが、但し、Ra はさらにMe3 Snを含有し、R
q はさらにOP’(ここで、P’は以下で説明する)を
含有し、Rq のMa 及びMbはともにMを含有し、d)
型ヒドロキシ置換基はさらに保護ヒドロキシOP’であ
り得る);δ- は、対イオンであり;P’は、ヒドロキ
シ又は水素の、除去可能な保護基であり;Mは、カルボ
キシの、除去可能な保護基である)の新規のカルバペネ
ム中間生成物質を提供する。
【0013】好ましい中間生成物質は、式:
【0014】
【化14】 (式中、Rは、H又はCH3 であり;δ- は、対イオン
であり;P’は、ヒドロキシ又は水素の、除去可能な保
護基であり;Mは、カルボキシの、除去可能な保護基で
あり;Ra は、H、OP’、Cl、Br、I、SC
3 、CN、CHO、SOCH3、SO2 CH3 、CO
2 M、CH2 OP’、Sn(Me)3 、又はCONH2
から成る群から選択されるが;但し、−(CH2 1-3
−OH置換基はN−ピリジニウムフェニルの3“−又は
4”−位置にあり、任意に存在しない)を有する。
【0015】
【実施態様】I式の化合物の製造は、3段階合成計画、
及びその後の、任意の保護基を除去させる最終工程で実
施し得る。第一合成段階の目的は、I式のカルバペネム
の2位置置換基に転換され得る塩基性N−ピリジニウム
フェニル化合物を生成することである。第二合成段階の
目的は、塩基性N−ピリジニウムフェニルをカルバペネ
ムに付着させることである。最後に、第三合成段階の目
的は、所望のRa を導入することである。この第三合成
段階は、種々のRa の性質により、任意の時点で実施し
てもよい。
【0016】工程図A及びBは、提案された第一段階合
成を示す。工程図Cは、工程図A及びBの生成物質を利
用し得る第二段階合成を示す。第三合成は、選択するR
a によって変わる。工程図Dは、上記の提案された計画
における変法を示す。
【0017】工程図Aの提案された第一合成は一般に、
Zincke交換反応として説明される。この反応にお
いては、式:
【0018】
【化15】 (式中、Ra は上記と同様であるか、又はその前駆体置
換基である)のZincke試薬を用いて、中間生成物
質 C1を生成する。Zincke試薬は、1−クロロ
−2,4−ジニトロベンゼンと、式:
【0019】
【化16】 のピリジン化合物とを反応させて調製し得る。
【0020】もちろん、ある種のRa は、この反応に適
合性であるが、他は保護基又は好適な前駆体置換基を要
する。好適な置換ピリジン Z2及びそれらの製造は、
当業者には十分公知である。
【0021】Zincke試薬 Z1は、以下の工程図
Aに従ってZincke反応において塩基性N−ピリジ
ニウムフェニル C1を生成するために用いる: 工程図A
【0022】
【化17】 この場合も、Ra は上記と同様であるか又はその前駆体
置換基である。工程図Aのこの反応は一般に、約20〜
120 Cの範囲の温度で、約30分〜2時間の時間、
適切な有機溶媒、例えばメタノール又はジオキサンに溶
解した好適な塩基、例えばトリエチルアミン又はナトリ
ウムメトキシドの存在下で、実施する。明らかに、この
Zincke反応に適したRa は、Zincke試薬の
生成に適したRa と比較した場合、変わり得る。試薬の
生成において安定であった保護基における、前駆体置換
基における、又はRa における修正を要する。Zinc
ke反応は当業界で十分公知であって、さらにZinc
ke,et al.,Annalen,1904,33
3,296;Lette’,Annalen,195
3,579,123;Keijzer,et al.,
Heterocycles,Vol.16,No.1
0,1981,1687に記載されている。
【0023】工程図AのZincke反応に従って、N
−ピリジニウムフェニル A1をトリメチルスタニル−
N−ピリジニウムフェニル C1に転換する。これは、
スタナン C1を提供するために、0.25〜24時
間、25〜110℃で、トルエンのような不活性溶媒に
溶解したテトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジ
ウム(O)のようなパラジウム(O)触媒の存在下で、
N−ピリジニウムフェニル A1をヘキサメチルニスズ
と反応させて達成し得る。
【0024】工程図Aにおける好ましい修正は、工程図
A中のアニリンの3位置臭素をまずスタニル化すること
により、アリールスタナン C1を直接生成する。スタ
ニル化は、ヘキサメチルニスズをパラジウム触媒ととも
に用いて達成し得る。この修正においては、Ra は臭素
であって、ヘキサメチルニスズの計算量を制御して3−
トリメチルスタニル−5−ブロモアニリンを生成するの
が便利である。
【0025】工程図Bの提案された第一合成は、概括的
にいえば、アリーリウム塩をフルオロボレート又はフル
オロホスフェート陰イオンとともに用いて、N−ピリジ
ニウム C1を生成する。工程図Bに示すように、この
アプローチには2つの経路を取り得る。
【0026】工程図B
【0027】
【化18】 工程図Bの1つの経路では、ジフェニルヨードニウム塩
を用いて適切なピリジンをアリール化して、B1を生成
する。あるいは、単離ジアゾニウ塩を同様に用いて、B
1を生成する。その後、A1をスタニル化するための上
記の方法により、B1をC1にスタニル化する。
【0028】工程図Bに関する出発物質は、当業者に公
知である。ジアゾニウム塩は、別の方法で好適に置換さ
れたm−ブロモアニリンから調製し得る。クロロスルホ
ン酸でまず処理して可溶性スルファミド酸を生成し、次
いでHNO2 及びHClで処理して、包括的にいえば、
ArNN+ Cl- 塩化ジアゾニウム塩を生成することに
より、m−ブロモアニリンをジアゾ化する。テトラフル
オロホウ酸ナトリウム又はヘキサフルオロリン酸ナトリ
ウムを添加して、テトラフルオロボレート又はヘキサフ
ルオロホスフェート塩を沈殿させる。これも塩素でジア
ゾニウムに転換されるm−ブロモアニリンを用いて、ジ
フェニルヨードニウム塩を生成する。しかしながら、こ
の場合の塩化物塩は、Sandmeyer反応において
CuIと反応させて、1−ヨード−3−ブロモフェニル
を生成し、これをさらにジアゾニウム塩と反応させて塩
化ジフェニルヨードニウムを生成する。これを、テトラ
フルオロホウ酸ナトリウム又はヘキサフルオロリン酸ナ
トリウムと反応させて、テトラフルオロホウ酸塩又はヘ
キサフルオロリン酸塩に転換する。
【0029】工程図A及びBの対象化合物は、本明細書
中に教示されるカルバペネム化合物の2位置置換の核を
形成する。このように、置換されたRa が示される。し
かしながら、上記のある種のRa は、C1への中間生成
物質において置換される場合は、残存もしないし、化合
物 C1への合成も可能にしないのは明らかだ。したが
って、ある種のRa が所望され、このRa は、C1を生
成するための本合成計画に適合しないとき、適合性前駆
体置換基が合成を通じて用いられる。
【0030】使用する前駆体置換基の本性は、それがC
1への合成を妨害しない限り、及びその後より望ましい
置換基に変換される限り、重要ではない。Ra に対して
好ましい前駆体置換基は、メチル、ヒドロキシメチル、
及び保護化ヒドロキシメチルである。
【0031】したがって、化合物 C1上のRa 置換基
に関しては、それは化合物 C1を生成する条件に対し
て安定な、並びにその後カルバペネムにC1を添加する
条件に安定な保護基を伴うこともあるRa であってよ
い。あるいは、それは、C1製造条件に対して安定し
た、カルバペネムにC1を添加する条件に対して安定し
た、並びに所望のRa に、又は別の前駆体置換基に転換
可能である安定前駆体置換基であり得る。
【0032】上記のように、第二段階合成は、塩基性N
−ピリジニウムフェニル C1をカルバペネムの2位置
に付着させることである。この合成は、カルバペネムト
リフレートと好適な置換アリールスタナン間のパラジウ
ム触媒交差カップリング反応を包含し、この工程は19
91年2月4日に提出された米国特許出願第650,0
11号に記載されており、その記載内容は参照により本
明細書中に含めるものとする。工程図Cを参照して、テ
トラヒドロフラン又は塩化メチレンのような極性非プロ
トン性溶媒に溶解した有機窒素塩基、例えばトリエチル
アミン、ジイソプロピルアミン等の存在下で、2−オキ
ソカルバペネムを好適なトリフルオロメタンスルホニル
供給源、例えば無水トリフルオロメタンスルホン酸と反
応させる。任意に、有機窒素塩基、例えばトリエチルア
ミン等を次に反応溶液に添加し、その後シリル化剤、例
えばトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸塩
を添加して、中間物質 C2を提供する。非プロトン性
極性配位溶媒、例えばDMF、1−メチル−2−ピロリ
ジノン等を任意に添加する。この後、パラジウム化合
物、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジ
ウム−クロロホルム、酢酸パラジウム等、任意に好適に
置換されたフェニルホスフィン、例えばトリス(4−メ
トキシフェニル)−ホスフィン、トリス(2,4,6−
トリメトキシフェニル)ホスフィン等、並びにスタナン
C3を添加する。ハロゲン化物供給源、例えば塩化リ
チウム、塩化亜鉛、又は塩化テトラアルキルアンモニウ
ム等を添加し、反応溶液を暖めて、好適な温度、例えば
0〜50℃で、2,3分〜48時間攪拌する。当業界に
公知の慣用的単離/生成法により、カルバペネム C4
が得られる。
【0033】概して、工程図Cに示す合成のより温和な
条件は、その次に示す工程図Dに示される合成より広範
囲の官能基Ra を存在させる。しかしながら、ある場合
には、スタナン C1のRa 置換基が保護化又は先行形
態で導入されるのが有益である。前駆体置換基、例えば
ヨウ化物又はヒドロキシメチルからのRa の最終的合成
は、カルバペネム中間生成物質 C4において達成し得
る。次に、ヒドロキシル及びカルボキシル保護基の除去
が、I式の最終化合物を提供する。このような最終合成
及び脱保護化は、以下でさらに詳細に説明する。
【0034】荷電N−ピリジニウムフェニルが示され又
は考察される各々の場合には、必要に迫られて、対イオ
ンδ- が存在することは明らかである。したがって、中
間生成物質 Z1、A1、B1、及び上記の好ましい中
間生成物質、並びに活性化合物は、荷電N−ピリジニウ
ムフェニルに対する対イオンを有する。対イオンの本性
は、少なくとも初期には、ピリジニウムの付着に用いら
れる脱離基に依る。例えば、本明細書中では、δ- はZ
incke試薬の調製から得られる塩素、あるいは工程
図Bで示唆されるようなフルオロボレート又はフルオロ
ホスフェート陰イオンである。もちろん、対イオンは、
対イオン形成と結びつかない種々の対イオンにより容易
に置換される。例えば塩素は高度反応性脱離基ではない
が、しかしCl- の場合、それは好適な置換対イオンと
して容易に役に立つ。
【0035】工程図C
【0036】
【化19】 アリール部分がカルバペネムの2位置に付着される場
合、グリニャール反応を用いてClと等価のグリニャー
ル試薬をD2型のアゼチジノンに付着させることは、一
般に公知である。しかしながら、本明細書においては、
第四化窒素の存在のために、グリニャール反応はN−ピ
リジニウムフェニル化合物に適合しないと考えられる。
したがって、グリニャール反応が本明細書のカルバペネ
ムを生成するのに有用であることが立証される場合は、
N−ピリジニウム部分を形成する前にグリニャール反応
を実施するような方法で2−位置置換基を収集する必要
がある。したがって、安定なRa 又はそのための好適な
前駆体置換基を用いて、工程図Dに示すようなグリニャ
ール反応において、適切なフェニル化合物をアゼチジン
−2−オン D2に添加し得る。適切なフェニルは、A
MINのほかに、安定なRa 、保護化アミン、又はグリ
ニャール反応後にアミンに転換されるそのための安定な
前駆体置換基を含有するものである。アミンは、その
後、D3で環を閉じる前にあるいはD4で環を閉鎖後に
ピリジニウムを添加するためにZincke反応に有用
である。グリニャール反応は、例えば、20〜60℃で
マグネシウム及びTHFに溶解した1,2−ジブロモエ
タンと反応させることによりD1がグリニャール試薬に
転換することが必要であり、その後、グリニャール試薬
としてD1を、−70〜約20℃でTHFに溶解したD
2に接触させて、アゼチジン−2−オン D3を生成す
る。あるいは、D1は、−78〜−50℃でTHFに溶
解したt−ブチル−リチウム、n−ブチルリチウム等と
反応させ、その後臭化マグネシウムを添加して、同一グ
リニャール試薬を生成し得る。D2のRi は、実際には
ピリド−2−イルであるが、しかし芳香族及び複素環式
芳香族置換基を含めた種々の置換基であり得ることは明
らかである。さらに、Ri は、例えばフェニル、2−ピ
リミジニル、又は2−チアゾリルであってもよい。
【0037】アゼチジン−2−オン D3は、カルバペ
ネムに閉鎖される環である中間生成物質である。Ra
は前駆体置換基が修飾されるのはこの中間物質において
であって、この場合、このような修飾はカルバペネム核
に適合しない。
【0038】化合物 D3は、不活性大気中で約1〜2
時間、微量のp−ヒドロキノンを有するキシレン中で還
流することによりカルバペネム D4に閉鎖される環で
ある。前駆体置換基、例えばヒドロキシメチルからのR
a の最終合成が達成されるのはこの中間生成物質におい
てである。その後、カルボキシル及びヒドロキシル保護
基の除去が、I式の最終化合物を提供する。このような
最終合成及び脱保護化は、以下でさらに詳細に説明す
る。
【0039】工程図D
【0040】
【化20】 アゼチジン−2−オン E2、ピリジル−チオエステル
は、カルバペネムの生成において十分公知の化合物であ
る。E2を製造するのに有用な種々の合成計画は、当業
者には想像に難くない。本発明に特に有用なのは、以下
の工程図Eにさらに記載される合成計画であって、この
場合、略号Rは上記と同様である。中間生成物質E2の
製造工程は、例えば米国特許第4,260,627号及
び第4,543,257号;L.D.Cama et
al.,Tetrahedron39,2531(19
83);R.N.Guthikonda et a
l.,J.Med.Chem.30,871(198
7)に記載された手順と同様であって、これらの記載内
容は参照により本明細書中に含めるものとする。
【0041】工程図E
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】 工程図Cの2−オキソカルバペネム中間生成物質の製造
工程は当業界では十分公知であって、D.G.Meli
llo et al.,Tetrahedron Le
tt.,1980,21,2783、T.Salzma
nn et al.,J.Am.Chem.Soc.,
1980,102,6161、及びL.M.Fuent
es,I.Shinkai,and T.N.Salz
mann,J.Am.Chem.Soc.,1986,
108,4675により十分詳細に説明されている。そ
の合成も、米国特許第4,269,772号、米国特許
第4,350,631号、米国特許第4,383,94
6号及び米国特許第4,414,155号(これらはす
べて、Merck and Companyに帰属す
る)に開示されており、その記載内容は、参照により本
明細書中に含めるものとする。
【0044】工程図中で上記に引用した一般的合成の説
明は、カルバペネムの6位置における保護化1−ヒドロ
キシエチル置換を示す。ある場合には、示されているよ
うに、この置換基を保護する必要はない。非保護化ヒド
ロキシ置換基が工程図Cのカップリング、及びその後の
a の処置を残すのが、その場合である。当業者は、保
護基が必要な場合を確定し得る。
【0045】最終的脱保護化後に1−ヒドロキシエチル
置換基が得られるが、これが最も好ましい場合である。
しかしながら、ある種の2−側鎖を選択した場合、分子
全体の特性の好ましい最終的均衡は、代わりに6−(1
−フルオロエチル)部分を選択することにより改善され
るということが判明した。本発明の範囲内の6−フルオ
ロアルキル化合物の製造は、カルバペネム抗菌化合物製
造の当業界で十分公知の方法を用いて、簡単な方法で実
施する。例えば、J.G.deVries et a
l.,Heterocycles,1985,23,1
951;BE 900 718A(Sandoz)、及
び特開昭第60−163882号(Sanraku O
cean)を参照されたい。
【0046】I式の好ましい化合物において、R1 は水
素である。さらに好ましくは、R1は水素であり、R2
は(R)−CH3 CH(OH)−又は(R)−CH3
H(F)−である。最も好ましい場合においては、R1
は水素であり、R2 は(R)−CH3 CH(OH)−で
ある。R=Hが通常は好ましいが、しかしR=CH3
化学的安定性、水溶解性、又は薬物動態的作用の改良を
提供し得る場合がある。置換基R=CH3 は、いずれか
の立体配置、即ちα又はβ−立体異性体のものである。
さらに、好ましい化合物においては、N−ピリジニウム
フェニルの少なくとも5’−位置のRa は水素以外であ
る。最も好ましい化合物においては、全体で、1つ又は
2つのRa 置換基は水素以外である。
【0047】好適なRa は、I式に関連して本文に上記
されている。好ましいRa としては、ヒドロキシで一置
換されるC1-4 アルキル、例えばヒドロキシメチル、又
は3−ヒドロキシプロピル;ホルミル;アルコキシカル
ボニル、例えば−COOCH3 ;カルバモイル、例えば
−CONH2 ;ヒドロキシイミノメチル、例えば−CH
=NOH;ヨード;あるいはシアノが挙げられる。
【0048】この好ましい置換に関しては、ヒドロキシ
メチル又は3−ヒドロキシプロピルは、標準手法によ
り、工程図Bための出発物質である、あるいは工程図A
のアニリン環 Z1上で置換される。次に、これらの置
換基を次に合成のために適切に保護化する。
【0049】N−ピリジニウムフェニル上での好ましい
ホルミル置換は、Swern酸化により、Ra の場合
に、ヒドロキシメチル置換からのC4において得られ
る。例えば、C4を、塩化オキサリル−ジメチルスルホ
キシドを、その後活性剤としてトリエチルアミンを用い
て、−70℃〜室温で、塩化メチレン中で酸化する。明
らかに、その結果生じるホルミル置換の位置は、C4に
おけるヒドロキシメチル置換の位置に依る。
【0050】N−ピリジニウムフェニル上の好ましい−
CH=NOH置換は、記載したばかりのホルミル置換か
ら得るのが便利である。これは、ホルミル置換化合物
を、室温で適切な溶媒に溶解したヒドロキシアミンに暴
露することにより、簡単に達成される。
【0051】好ましいヨード置換は、トリメチルスタニ
ル置換 C1から得られるが、この生成は、化合物4と
して実施例1に例示されてる。5’−トリメチルスタニ
ル置換基を、C1をカップリング後に、クロロホルムに
溶解し、わずかに余分な量のヨウ素で処理して、カルバ
ペネムに転換する。
【0052】N−ピリジニウムフェニル上での好ましい
シアノ置換は、工程図A(R9 は臭素である)から、又
はZ2(R9 は臭素である)から得られるかもしれな
い。臭素置換化合物は、N−メチルピロリド−2−オン
中の銅(I)と反応させる(3時間、180℃)。
【0053】N−ピリジニウムフェニル上の−COOC
3 置換は、メチル置換A1、B3、C1、又はC4か
ら得られる。メチル置換基を三酸化クロム又はn Bu4
NMnO4 で酸化して、カルボキシを生成する。
【0054】N−ピリジニウムフェニル上の好ましいカ
ルバモイル置換は、上記に記載したばかりのカルボン酸
置換を伴うC4から得られる。このカルボン酸置換基
を、順次、室温で有機溶媒に溶解した塩酸1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミ
ド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、及びアンモニ
アと接触させることにより、カルボキサミド基 −CO
NH2 に転換する。置換アミドは、もちろん、対応する
置換アミンでアンモニアを置換することにより得られ
る。あるいは、カルバモイル置換は、上記のシアノ置換
基のニトリルの加水分解により得られる。
【0055】上記の好ましい方法においては、カルバペ
ネムの3位置のカルボキシル基、場合によっては8位置
のヒドロキシル基は、終わりから2番目の生成物質が調
製されるまで、保護基にブロックされたままである。好
適なヒドロキシル保護基 P’は、シリル基、例えばト
リアルキルシリル、アリール(アルキル)アルコキシシ
リル、アルコキシジアリールシリル、及びジアリールア
ルキルシリル、並びにカルボネート基、例えばアルキル
オキシカルボニル、置換アルキルオキシカルボニル、ベ
ンジルオキシカルボニル、置換ベンジルオキシカルボニ
ル、アリルオキシカルボニル、及び置換アリルオキシカ
ルボニルである。本工程図に示されたもの以外の、又は
それを含めた好適な保護基は、t−ブチルメトキシフェ
ニルシリル、t−ブトキシジフェニルシリル、トリメチ
ルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル、t−ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリク
ロロエチルオキシカルボニル、及びアリルオキシカルボ
ニルである。本工程図に示したもの以外の又はそれを含
めた好適なカルボキシル保護基 Mは、本明細書に後述
する。
【0056】脱ブロッキングは、慣用的方法で実施し得
る。工程図Dに従って調製した化合物に関しては、脱保
護化は、2−エチルヘキサン酸カリウム及び2−エチル
ヘキサン酸を、あるいは別の好適な求核性物質を含有す
る溶液中でのパラジウム触媒反応において実施し得る。
あるいは、工程図Cにより調製されるものに関しては、
脱保護化は、連続的に実施する。したがって、化合物
C4を、8位置のヒドロキシが保護されている場合に
は、まず、2,3分〜数時間、0℃〜室温で、水性酸性
条件で、即ちテトラヒドロフランのような有機溶媒に溶
解した酢酸、又は希塩酸などに暴露する。その結果生じ
た脱シリル化カルバペネムを、慣用的技術により単離す
るが、しかし最終的脱保護化工程に入るのがより便利で
ある。したがって、NaHCO3 又はKHCO3 のよう
な無機塩基、及び10%Pd/C又は5%Rh/Al2
3 のような触媒を添加し、その後水素添加すると、p
−ニトロベンジル保護基が除去され、I式の最終化合物
が生成される。
【0057】上記の定義を参照すると、”アルキル”と
いう用語は、直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素基を意味す
る。
【0058】“異種原子”という用語は、互いに独立に
選択されるN、S、又はOを意味する。
【0059】“ヘテロアリール”という用語は、本明細
書中では、Rx 基に関連して、一環式であるという特定
及び限定された意味を有するものと、定義されている。
一環式ヘテロアリールは、少なくとも1個の窒素原子を
有することが必要である。ほとんど1個だけの別の酸素
又はイオウ異種原子が存在してもよい。この種のヘテロ
アリールは、ピロール及びピリジン(1 N);並びに
オキサゾール、チアゾール、又はオキサジン(1 N+
1 O又は1 S)である。別の窒素原子が最初の窒
素、及び酸素又はイオウと一緒に存在して、例えばチア
ジアゾール(2N+1 S)を生じる一方、好ましいヘ
テロアリールは1個より多く存在する場合は窒素異種原
子のみが存在するものである。これらの典型は、ピラゾ
ール、イミダゾール、ピリミジン、及びピラジン(2
N)、並びにトリアジン(3 N)である。
【0060】Rx のヘテロアリール基は常に、上記のよ
うにRq により任意に一置換され、置換は炭素原子の1
個又は異種原子の1個においてであるが、しかし異種原
子の場合には、ある種の置換基選択は適切でない。
【0061】表I及びIIに、本発明の特定の化合物を
列挙する。
【0062】表I
【0063】
【化23】 (式中、R”はF又はOHであり、RはH又はMeであ
り、Ra は下記のものである:
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
【表9】
【0067】
【表10】 表II
【0068】
【化24】 (式中、R”はF又はOHであり、RはH又はMeであ
り、Ra は下記のものである:
【0069】
【表11】 本発明のカルバペネム化合物は、動物及びヒト被験者に
おける細菌感染の治療に、それ自体、並びにその製薬上
許容可能な塩及びエステル形態で有用である。“製薬上
許容可能なエステル又は塩”という用語は、製剤化学者
には明らかな本発明の化合物、即ち非毒性で、上記の化
合物の薬物動態的特性、つまりそれらの味の良さ、吸
収、分布、代謝及び排出に好都合に影響を及ぼすも化合
物の、塩及びエステル形態を示す。選択に重要な、実際
に役立つ他の因子は、原料費、結晶化の容易さ、収量、
安定性、吸湿性、及びその結果生じる大量の薬剤の流動
性である。製剤組成物は、製薬上許容可能な担体と組み
合わせて活性成分から調製するのが便利である。したが
って、本発明はさらに、活性成分として新規の本発明の
カルバペネム化合物を用いて細菌感染を治療する製剤組
成物及び方法に関する。
【0070】上記の製薬上許容可能な塩は、−COOM
形態をとる。Mは、ナトリウム又はカリウムのようなア
ルカリ金属陽イオンである。Mとしての他の製薬上許容
可能な陽イオンは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、
アンモニウム、又はアルキルアンモニウム陽イオン、例
えばテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニ
ウム、コリン、トリエチルヒドロアンモニウム、メグル
ミン、トリエタノールヒドロアンモニウム等である。
【0071】本発明の新規のカルバペネム化合物の製薬
上許容可能なエステルは薬剤化学者には容易に明らかに
なるようなものであって、その例としては、例えば米国
特許第4,309,438号第9欄の61行〜第12欄
の51行に詳細に記載されているものが挙げられるが、
その記載内容は参照により本発明に含めるものとする。
このような製薬上許容可能なエステルに含まれるもの
は、生理学的条件下で加水分解されるもの、例えばピバ
ロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、
インダニル、及びメトキシメチル、並びに米国特許第
4,479,947号(その記載内容は参照により本発
明に含めるものとする)に詳細に記載されているもので
ある。
【0072】本発明の新規のカルバペネム化合物は、C
OOM(ここで、Mは容易に除去可能なカルボキシル保
護基である)の形態をとる。このような慣用的ブロック
基は、上記の合成手順中にカルボキシル基を保護的にブ
ロックするために用いられる公知のエステル基から成
る。これらの慣用的ブロック基は、容易に除去できる。
即ち、所望により、分子の残りの部分の開裂又はその他
の分裂を引き起こさない手法によって、それらを除去し
得る。このような手法としては、化学的及び酵素的加水
分解、緩和条件下での化学的還元剤又は酸化剤による処
理、遷移金属触媒及び求核剤による処理、並びに接触水
素化が挙げられる。概括的にいえば、このようなエステ
ル保護基としては、アルキル、置換アルキル、ベンジ
ル、置換ベンジル、アリール、置換アリール、アリル、
置換アリル、及びトリオルガノシリルが挙げられる。こ
のようなエステル保護基の特定の例としては、ベンズヒ
ドリル、p−ニトロベンジル、2−ナフチルメチル、ア
リル、2−クロロアリル、ベンジル、2,2,2−トリ
クロロエチル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチル
ジフェニルシリル、トリメチルシリル、2−(トリメチ
ル)シリルエチル、フェナシル、p−メトキシベンジ
ル、アセトニル、o−ニトロベンジル、4−ピリジルメ
チル、及びt−ブチルが挙げられる。
【0073】本発明の化合物は、種々のグラム陽性細菌
に、そしてそれより低度にではあるがグラム陰性細菌に
対して活性な有益な抗菌剤であって、したがってヒト医
学及び獣医学において有用である。本発明の抗菌剤は、
薬物としての効用に限定されない;それらは全種類の産
業に、例えば、動物飼料の添加物、食品の防腐剤、消毒
薬、及び細菌増殖の制御が望ましい他の産業系に用い得
る。例えば、医療及び歯科設備上での有害な細菌の増殖
を撲滅する又は阻止するために、並びに工業的用途に、
例えば有害な細菌の増殖を阻止するために水ベースのペ
イント中にそして抄紙機の白水中の殺菌剤として、10
0万部の溶液当たり0.1〜100部の抗菌剤の範囲の
濃度で水性組成物中に用い得る。
【0074】本発明の化合物は、任意の種々の製剤中に
用い得る。それらはカプセル中に、粉末形態で、溶液中
に、又は懸濁液中に用い得る。それらは種々の手段によ
り、その主なものは、例えば注射(静注又は筋注)によ
り局所的に又は非経口的に投与し得る。
【0075】好ましい供給経路である注射用の組成物
は、アンプル中の単位投薬形態で、又は多数回投薬容器
中に調製し得る。本組成物は、懸濁液、溶液、あるいは
油状又は水性ビヒクル中の乳濁液のような形態をとり、
処方剤を含有し得る。あるいは、活性成分は、供給時点
で、滅菌水のような好適なビヒクルで再構成するために
粉末形態である。局所的施用物は、軟膏、クリーム、ロ
ーション、ペイント、又は粉末として疎水性又は親水性
基剤中に処方し得る。
【0076】投与量は、治療中の被験者の症状及び大き
さ、並びに投与の経路及び頻度、一般的感染に好ましい
注射による非経口的経路に大きく依っている。しかしな
がら、このような事がらは、抗菌剤業界で十分公知の治
療の原則によって治療者のルーチンの裁量に任される。
治療中の個体の感染の性質及び固有の同一性の他に、正
確な投薬レジメンに影響を及ぼす別の因子は、本発明の
選定種の分子量である。
【0077】液体であれ固体であれ、単位用量当りのヒ
ト用組成物は、0.1%〜99%の、好ましくは約10
〜60%の範囲の活性物質を含有する。本組成物は一般
に、約15mg〜約1500mgの活性成分を含有す
る;しかしながら、概して、約250mg〜1000m
gの範囲の用量を用いるのが好ましい。非経口的投与で
は、単位投薬は、通常、滅菌水溶液中の、あるいは溶液
の代わりに可溶性粉末の形態での純粋化合物Iである。
【0078】I式の抗菌化合物の投与の好ましい方法
は、i.v.注入、i.v.ボーラス、又はi.m.注
射による非経口投与である。
【0079】成人用としては、5−50mgのI式抗菌
化合物/体重kg/1日2、3、又は4回が好ましい。
好ましい投与は、1日2回(b.i.d.),3回
(t.i.d.)、又は4回(q.i.d.)に既定さ
れた250mg〜1000mgのI式抗菌剤である。さ
らに、軽度感染用には、250mg t.i.d.又は
q.i.d.の用量が推奨される。高度感受性グラム陽
性生物に対する中等度感染用には、500mg t.
i.d.又はq.i.d.の用量が推奨される。抗生物
質に対する感受性の上限での生物に対する重度の致命的
感染用には、1000mgt.i.d.又はq.i.
d.の用量が推奨される。
【0080】小児用としては、5−25mg/体重kg
/1日2、3、又は4回が好ましい。10mg/kg
t.i.d.又はq.i.d.の用量が、通常、推奨さ
れる。
【0081】I式の抗菌化合物は、カルバペネム又は1
−カルバデチアペネムとして公知の広範な種類のもので
ある。天然カルバペネムは、デヒドロペプチダーゼ(D
HP)として公知の腎酵素による侵襲に感受性である。
この侵襲又は分解は、カルバペネム抗菌剤の効能を減少
させる。一方、本発明の化合物は、このような侵襲を受
けることが有意に少なく、したがってDHP阻害剤の使
用を要しない。しかしながら、このような使用は任意で
あって、本発明の一部であると考えられる。DHPの阻
害剤及びカルバペネム抗菌剤を伴うその使用は、従来の
技術に開示されている[1979年7月24日に出願さ
れた欧州特許出願第79102616.4号(欧州特許
第0,007,614号);及び1982年8月9日に
出願された第82107174.3号(欧州特許出願公
開第0,072,014号)を参照]。
【0082】本発明の化合物は、DHP阻害が望ましい
か又は必要な場合、上記の特許又は公開公報に記載され
ているような適切なDHP阻害剤と結合するか又は一緒
に用い得る。したがって、引用した欧州特許出願1.)
は本カルバペネムのDHP感受性を測定するための手法
を規定し、そして2.)は好適な阻害剤、組み合わせ組
成物、及び治療方法を開示する程度まで、それらは参照
により本発明に含めるものとする。組み合わせ組成物中
のI式化合物:DHP阻害剤の好ましい重量比は、約
1:1である。好ましいDHP阻害剤は、7−(L−2
−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)−2−(2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプ
テン酸又はその有用な塩である。
【0083】
【実施例】
実施例1 3−トリメチルスタニル−5−ブロモアニリン 、及
び1,5−ビストリメチルスタニルアニリン
【0084】
【化25】 ジブロモアニリン(4g,16mmol)を、(Ph3
P)4 Pd(1.84g,1.6mmol)及び(Ph
3 )P(0.42g,1.6mmol)を含有するトル
エン(125mL)に溶解して、スタナン及びを調
製した。ヘキサメチリジチン(4.0mL,19mmo
l)を添加し、混合液を真空脱気し、N2 でパージし
た。混合液を還流させて、二臭化物の消費に関してTL
Cにより監視した。SMが消費された時(〜3/4H
R)に、反応混合液を冷却し、CH2Cl2 及び飽和N
4 Cl水溶液中に注ぎ入れた。水性相をCH2 Cl2
で3回抽出し、併合有機相をNH4 Cl水溶液でさらに
2回洗浄した。有機相をNa2SO4 上で脱水し、濾過
して、真空蒸発した。収率41%のモノスタナン及び
収率43%のビス−スタナンが、1.2当量のヘキサメ
チルジチンから得られた。生成物質を、溶離剤として9
5:5のCCl4 :酢酸エチルを用いて、50重量当量
のSiO2 上でクロマトグラフィー処理して精製した。
【0085】モノ−スタナン1 H NMR[200 MHz,CDCl3 ] 6.9
6(m,1H),6.79(m,1H),6.71
(m,1H),3.8(brd,2H),0.28
(m,9H). ビス−スタナン1 H NMR[200 MHz,CDCl3 ] 6.9
8(m,1H),6.8(m,2H),3.6(br
d,2H),0.27(m,9H). 塩化1−(3’−トリメチルスタニル−5’−ブロモフ
ェニル)ピリジニウム
【0086】
【化26】 塩化1−(2’,4’−ジニトロフェニル)ピリジニウ
ム(98mg,0.35mmol)を、スタナン(1
12mg,0.33mmol)、及びジイソプロピルエ
チルアミン(58ml,0.33mmol)を含有する
ジオキサン:水(4:1)に溶解した。混合液を3時
間、43℃に加熱した。反応混合液を真空下に処し、溶
離剤として水に溶解した30%CH3 CNを用いて、L
obarRP−18カラム上でクロマトグラフィー処理
して精製した。一般的に、回収量は少なかった(<50
%)。
【0087】1H NMR[400 MHz,d6アセ
トン] 9.72(dd,2H,1.2,6.8H
z),8.95(t,1H,7.9Hz),8.48
(t,2H,6.8Hz),8.32(d,1H,2H
z),8.27(d,1H,2Hz),8.0(m,1
H),0.41(m,9H). 塩化1−(3’,5’−ビス−トリメチルスタニルフェ
ニル)ピリジニウム
【0088】
【化27】 モノ−スタナン の場合と同様にして、ビス−トリメ
チルスタナンを調製し、精製した。回収量は同様であ
った。
【0089】1H NMR[400 MHz,d6アセ
トン] 9.68(dd,2H,1.3,6.8H
z),8.92(t,1H,7.8Hz),8.48
(t,2H,1.0,6.7Hz),8.13(m,2
H),8.0(m,1H),0.366(m,9H). 塩化p−ニトロベンジル(5R,6S)−2−[3’−
ブロモ−5’−[1”−ピリジニウム]−フェニル]−
6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−
2−エム−3−カルボキシレート
【0090】
【化28】 二環式β−ラクタム(52mg,0.15mmol)を
乾燥CH2 Cl2 (2mL)に溶解し、−78℃に冷却
した。ジイソプロピルエチルアミン(29μL,0.1
6mmol)を添加し、その溶液を5分攪拌した。純粋
なトリフルオロメタンスルホン酸無水物(28μL,
0.16mmol)を滴下し、その結果生じた溶液を−
78℃で45分間攪拌して、無色懸濁液を得た。エノー
ルトリフレートへの転換を、溶離液として98:2 ト
ルエン:酢酸を用いて、E.Merck RP−18分
析TLCプレート上で監視した。スタナン (65m
g,0.15mmol)を乾燥CH2 Cl2 (3mL)
に溶解し、反応混合液に添加し、その後、固体Pd2
BA3 −CHCl3 (15mg,0.15mmol)、
及び固体Et4 NCl−(H2 O)x (25mg,0.
15mmol)を添加した(166g/molで計算し
た)。反応混合液を水浴中で直ちに室温に暖めた。溶液
を、エノールトリフレートが消費されるまで、室温で攪
拌した(SiO2 、又は上記の系上でTLC 70:3
0 酢酸エチル)。ブライン及びH2 O(1:1)の、
及びCH2 Cl2 及びアセトン(1:1)の混合液中に
注ぎ入れて、反応をあおった。水性分画を、CH2 Cl
2 /CH3 CNで数回抽出した。有機抽出物をNa2
4 上で脱水し、濾過して、真空下に処した。脱保護化
後の化合物に関する収率を以下に示す。
【0091】1H NMR[400 MHz,d6アセ
トン] 9.38(dd,2H,1.4,5.5H
z),8.95(t,1H,7.8Hz),8.45
(dt,2H,1.0,6.8Hz),8.2(m,2
H),8.14(d,1H,1.5Hz),8.04
(t,1H,1.5Hz),7.73(m,1H),
7.68(d,2H,9.1Hz),5.37(AB
q,2H,Δν 58Hz,JAB13.9Hz),4.
41(dt,1H,1.8,3.0Hz),4.16
(m,1H),3.51(ABX系のAB,2H,Δν
111Hz,JAB 18.5,JAX10.3,JBX
8.5Hz),3.47(dd,1H,3.1,6.3
Hz),1.26(d,3H,6.3Hz). (5R,6S)−2−[3’−ブロモ−5’−[1”−
ピリジニウム]−フェニル]−6−[(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−カルボキ
シレート
【0092】
【化29】 p−ニトロベンジルエステル (0.15mmolと
仮定)を1:1 THF:エタノール(各2mL)に溶
解した。重炭酸ナトリウム(25mg,0.3mmo
l)をH2 Oに添加し、その後Al2 3 担持5%Rh
(14mg)を添加した。反応容器をH2 で3回真空パ
ージし、攪拌しながら室温に放置した。出発エステルの
消費をTLCで監視した。エステルが完全に消費された
時点で、混合液を、0.45μのアクロディスクを通し
て濾過し、真空下に処して、残留水を凍結乾燥により除
去した。収率は2工程を通じて20%であった。溶離液
として水に溶解した9%CH3 CNを用いて、E.Me
rck Lobar RP−18カラム上でクロマトグ
ラフィー処理して、精製した。
【0093】1H NMR[400 MHz,D2 O]
9.07(dd,2H,6.8,1.2Hz),8.
76(t,1H,7.2Hz),8.26(t,2H,
6.8Hz),7.88(m,2H),7.69(s,
1H),4.36(dt,1H,2.9,10Hz),
4.28(p,1H,6.2Hz),3.58(dd,
1H,2.9,5.9Hz),3.33(ABX系のA
B,2H,Δν 118Hz,JAB 16.9,J
AX9.97,JBX 8.4Hz),1.32(d,3
H,6.5Hz). UV[H2 O,0.1M MOPS pH=7] λ
max =307nm,ε=11775. 実施例2 3−トリメチルスタニルアニリン
【0094】
【化30】 化合物 の場合と同様に、スタナン を調製した。
収率は52%であった。生成物質を、溶離剤として9
5:5のCCl4 :酢酸エチルを用いて、SiO2 上で
クロマトグラフィー処理して精製した。
【0095】1H NMR[200 MHz,CDCl
3 ] 7.16(t,1H,7.3Hz),6.86
(m,2H),6.64(m,1H),3.4(br
d,2H),0.27(m,9H). 塩化1−(3’−トリメチルスタニルフェニル)ピリジ
ニウム
【0096】
【化31】 化合物 の場合と同様に、スタナン を調製し、精
製した。
【0097】1H NMR[400 MHz,CDCl
3 ] 9.35(d,2H,5.6Hz),8.74
(t,1H,7.9Hz),8.51(t,2H,6.
8Hz),7.8(m,1H),7.75(m,2
H),7.60(t,1H,7.9Hz),0.36
(m,9H). 塩化p−ニトロベンジル(5R,6S)−2−[3’−
[1”−ピリジニウム]−フェニル]−6−[(1R)
−1−ヒドロキシエチル]カルバペン−2−エム−3−
カルボキシレート
【0098】
【化32】 化合物 と同様にして、スタナン のカップリング
反応を進めた。脱保護後の化合物 10に関する収率を
以下に示す。
【0099】1H NMR[400 MHz,d6アセ
トン] 9.36(dd,2H,1.3,6.8H
z),8.94(t,1H,7.9Hz),8.45
(t,2H,6.8Hz),8.19(d,2H,8.
9Hz),7.7(m,4H),7.66(d,2H,
8.9Hz),5.37(ABq,2H,Δv 56H
z,JAB14Hz),4.41(m,1H),4.16
(p,1H,6.2Hz),(ABX系のAB,2H,
Δv 109Hz,JAB 18.5,JAX10.2,J
BX 8.5Hz),3.46(m,1H),1.27
(d,3H,6.2Hz). (5R,6S)−2−[3’−[1”−ピリジニウム]
フェニル]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]
カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート10
【0100】
【化33】 化合物 と同様にして、カルバペネム を脱保護化
した。収率は、2工程を通じて40%であった。溶離液
として水に溶解した14%CH3 CNを用いて、E.M
erck Lobar RP−18カラム上でクロマト
グラフィー処理して、精製した。
【0101】1H NMR[400 MHz,D2 O]
9.08(dd,2H,6.8,1.2Hz),8.
73(t,1H,7.9Hz),8.24(t,2H,
7.8Hz),7.67(m,4H),4.34(d
t,1H,2.9,9.9Hz),4.27(p,1
H,6.2Hz),3.55(dd,1H,2.9,
6.0Hz),3.34(ABX系のAB,2H,Δν
131Hz,JAB 17.1,JAX9.9,JBX
8.5Hz),1.31(d,3H,6.4Hz). UV[H2 O,0.1M MOPS pH=7] λ
max =305nm,ε=12051,C=8.6×10
-5
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク・デイニーノ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 08857、オールド・ブリツジ、ベンジヤミ ン・コート・5 (72)発明者 ジエイムズ・ブイ・ヘツク アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07076、スコツチ・プレインズ、ネパウイ ン・レーン・961

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式の化合物。 【化1】 {式中、RはH又はCH3 であり;R1 及びR2 は互い
    に独立に、H、CH3 −、CH3 CH2 −、(CH3
    2CH−、HOCH2 −、CH3 CH(OH)−、(C
    3 2 C(OH)−、FCH2 CH(OH)−、F2
    CHCH(OH)−、F3 CCH(OH)−、CH3
    H(F)−、CH3 CF2 −、又は(CH3 2
    (F)−であり;Ra は、水素、並びに下記の基から成
    る群から互いに独立に選択され: a)トリフルオロメチル基:−CF3 ; b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−F、又は−I; c)C1 〜C4 アルコキシ基:−OC1-4 アルキル[こ
    の場合、アルキルはRq [ここで、Rq は、−OH、−
    OCH3 、−CN、−C(O)NH2 、−OC(O)N
    2 、CHO、−OC(O)N(CH3 2 、−SO2
    NH2 、−SO2 N(CH3 2 、−SOCH3 、−S
    2 CH3 、−F、−CF3 、−COOMa (ここで、
    a は水素、アルカリ金属、メチル、又はフェニルであ
    る)、テトラゾリル(この場合、付着点はテトラゾール
    環の炭素原子であり窒素原子の1つは上記のMa により
    一置換される)、及び−SO3 b (Mb はハロゲン又
    はアルカリ金属である)から成る群から選択される一員
    である]により任意に一置換される]; d)ヒドロキシ基:−OH; e)カルボニルオキシ基:−O(C=O)RS (ここで
    S はC1-4 アルキル又はフェニルであり、この各々は
    任意に上記のRq により一置換されるか、又は−Fで三
    置換される); f)カルバモイルオキシ基:−O(C=O)N(Ry
    z [ここで、Ry 及びRz は互いに独立にH、C1-4
    アルキル(上記のRq により任意に一置換される)であ
    り、同時に3−〜5−員化アルキリデン基で環(この場
    合、環は上記のRq で任意に一置換される)を形成する
    か、あるいは同時に2−〜4−員化アルキリデン基であ
    って、−O−、−S−、−S(O)−、又は−S(O)
    2 −に中断されて、環(この場合、環は上記のRq で任
    意に一置換される)を形成する]; g)イオウ基:−S(O)n −Rs (ここで、n=0〜
    2であり、Rs は上記と同様である); h)スルファモイル基:−SO2 N(Ry )Rz (ここ
    でRy 及びRz は上記と同様である); i)アジド:N3 ; j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=O)H(ここ
    で、Rt はH又はC1-4 アルキルであり、そのアルキル
    は上記と同様のRq により任意に一置換される); k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
    (Rt )(C=O)C1-4 アルキル(ここで、Rt は上
    記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq により
    任意に一置換される); l)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルアミノ基:−
    N(Rt )(C=O)OC1-4 アルキル(式中、Rt
    上記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq によ
    り任意に一置換される); m)ウレイド基:−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
    z (ここでRt 、Ry、及びRz は上記と同様であ
    る); n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2 s (ここ
    で、Rs 及びRt は上記と同様である); o)シアノ基:−CN; p)ホルミル又はアセタール化ホルミル基:−(C=
    O)H又は−CH(OCH3 2 ; q)(C1 〜C4 アルキル)カルボニル基(ここで、カ
    ルボニルはアセタール化される):−C(OCH3 2
    1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様にRq
    により任意に一置換される); r)カルボニル基:−(C=O)Rs (ここで、Rs
    上記と同様である); s)ヒドロキシイミノメチル基(この場合、酸素又は炭
    素原子はC1 〜C4 アルキル基により任意に置換され
    る):−(C=NORz )Ry (ここで、Ry 及びRz
    は上記と同様であるが、但しそれらは環を形成するため
    に一緒に結合しない); t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニル基:−(C=
    O)OC1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様
    にRq により任意に一置換される); u)カルバモイル基:−(C=O)N(Ry )Rz (こ
    こで、Ry 及びRz は上記と同様である); v)N−ヒドロキシカルバモイル又はN(C1 〜C4
    ルコキシ)カルバモイル基(この場合、窒素原子はC1
    〜C4 アルキル基により付加的に置換されてよい):−
    (C=O)−N(ORy )Rz (ここで、Ry 及びRz
    は上記と同様であるが、但しそれらは環を形成するため
    に一緒に結合しない); w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )(R
    z )(ここで、Ry 及びRz は上記と同様である); x)カルボキシル:−COOMb (ここで、Mb は上記
    と同様である); y)チオシアネート:−SCN; z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3 ; aa)テトラゾリル(この場合、付着点はテトラゾール
    環の炭素原子であって、窒素原子の1つは水素、アルカ
    リ金属又は上記のようにRq により任意に置換されるC
    1 〜C4 アルキルにより一置換される); ab)以下のものから成る群から選択される陰イオン官
    能基:ホスホノ[P=O(OMb 2 ];アルキルホス
    ホノ{P=O(OMb )−[O(C1 〜C4アルキ
    ル)]};アルキルホスフィニル[P=O(OMb )−
    (C1 〜C4 アルキル)];ホスホラミド[P=O(O
    b )N(Ry )Rz 及びP=O(OMb )NH
    x ];スルフィノ(SO2 b );スルホ(SO3
    b );構造式CONMb SO2 x 、CONMb SO2
    N(Ry )Rz 、SO2 NMb CON(Ry )Rz、及
    びSO2 NMb CNから選択されるアシルスルホンアミ
    ド[ここで、Rx はフェニル又はヘテロアリール(ここ
    で、ヘテロアリールは5又は6個の環原子を有する一環
    式芳香族炭化水素基であって、この場合、炭素原子が付
    着点であり、炭素原子の1つが窒素原子により置換され
    ていて、1個の別の炭素原子がO又はSから選択される
    異種原子により任意に置換され、1〜2個の別の炭素原
    子が窒素異種原子により任意に置換され、フェニル及び
    ヘテロアリールが上記と同様にRq により任意に一置換
    される)であり;Mb は上記と同様であり;並びにRy
    及びRz は上記と同様である]; ac)C5 〜C7 シクロアルキル基(この場合、環中の
    炭素原子はO、S、NH又はN(C1 〜C4 アルキル)
    から選択される異種原子により置換され、別の1個の炭
    素原子はNH又はN(C1 〜C4 アルキル)により置換
    されてよく、各々の窒素異種原子に隣接する少なくとも
    1個の炭素原子が、1個の酸素により置換されるその付
    着水素原子の両方を有して、したがってカルボニル部分
    を形成し、1つ又は2つのカルボニル部分が環中に存在
    する); ad)上記の置換基a)〜ac)及び上記と同様にRq
    により任意に置換されるフェニルの1つにより任意に一
    置換されるC2 〜C4 アルケニル基; ae)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
    置換されるC2 〜C4 アルキニル基; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
    置換されるC1 〜C4 アルキル; ah)2−オキサゾリジノニル部分[この場合、付着点
    はオキサゾリジノン環の窒素原子であり、環酸素原子
    は、−S−及びNRt (ここで、Rt は上記と同様であ
    る)から選択される異種原子により任意に置換され、並
    びにオキサゾリジノン環の飽和炭素原子の1つが上記の
    置換基a)〜ag)の1つにより任意に一置換され
    る];並びにMは: i)水素; ii)製薬上許容可能なエステル化基又は除去可能なカ
    ルボキシル保護基; iii)アルカリ金属又はその他の製薬上許容可能な陽
    イオン;あるいは iv)なし。COO- を残す;から選択される}
  2. 【請求項2】 R1 が水素であり、R2 が(R)−CH
    3 CH(OH)−、又は(R)−CH3 CH(F)−で
    ある請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 上記N−ピリジニウムフェニルの少なく
    とも5’−位置のRa が水素以外である請求項2記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】 全体で2個までのRa 置換基が水素以外
    である請求項2記載の化合物。
  5. 【請求項5】 水素以外のRa が、以下の: 【表1】 から成る群から選択される請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】 式: 【化2】 【表2】 【表3】 【表4】 【表5】 の化合物。
  7. 【請求項7】 式: 【化3】 【表6】 の化合物。
  8. 【請求項8】 製薬上許容可能な担体及び0.1〜約9
    9重量%の請求項1の活性物質を含有する組成物。
  9. 【請求項9】 さらに阻害的有効量のDHP阻害剤を含
    有する請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 上記DHP阻害剤が7−(L−2−ア
    ミノ−2−カルボキシエチルチオ)−2−(2,2−ジ
    メチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプタン
    酸である請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 以下の: 【化4】 から成る群から選択される化合物。
  12. 【請求項12】 下式の化合物。 【化5】 {式中、RはH又はCH3 であり;Ra は、水素、並び
    に下記の基から成る群から互いに独立に選択され: a)トリフルオロメチル基:−CF3 ; b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−F、又は−I; c)C1 〜C4 アルコキシ基:−OC1-4 アルキル[こ
    の場合、アルキルはRq [ここで、Rq は、OP′、−
    OH、−OCH3 、−CN、−C(O)NH2、−OC
    (O)NH2 、CHO、−OC(O)N(CH3 2
    −SO2 NH2、−SO2 N(CH3 2 、−SOCH
    3 、−SO2 CH3 、−F、−CF3 、−COOM
    a (ここで、Ma は水素、アルカリ金属、メチル、又は
    フェニルである)、テトラゾリル(この場合、付着点は
    テトラゾール環の炭素原子であり窒素原子の1つは上記
    のMa により一置換される)、及び−SO3 b (Mb
    はM,ハロゲン又はアルカリ金属である)から成る群か
    ら選択される一員である]により任意に一置換され
    る]; d)ヒドロキシ基又は保護ヒドロキシ基:−OH及びO
    P′; e)カルボニルオキシ基:−O(C=O)RS (ここで
    S はC1-4 アルキル又はフェニルであり、この各々は
    任意に上記のRq により一置換されるか、又は−Fで三
    置換される); f)カルバモイルオキシ基:−O(C=O)N(Ry
    z [ここで、Ry 及びRz は互いに独立にH、C1-4
    アルキル(上記のRq により任意に一置換される)であ
    り、3−〜5−員化アルキリデン基と共に環(この場
    合、環は上記のRq で任意に一置換される)を形成する
    か、あるいは、−O−、−S−、−S(O)−、又は−
    S(O)2 −に中断されて、2−〜4−員化アルキリデ
    ン基と共に、環(この場合、環は上記のRq で任意に一
    置換される)を形成するz] g)イオウ基:−S(O)n −Rs (ここで、n=0〜
    2であり、Rs は上記と同様である); h)スルファモイル基:−SO2 N(Ry )Rz (ここ
    でRy 及びRz は上記と同様である); i)アジド:N3 ; j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=O)H(ここ
    で、Rt はH又はC1-4 アルキルであり、そのアルキル
    は上記と同様のRq により任意に一置換される); k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
    (Rt )(C=O)C1-4 アルキル(ここで、Rt は上
    記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq により
    任意に一置換される); l)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルアミノ基:−
    N(Rt )(C=O)OC1-4 アルキル(式中、Rt
    上記と同様であり、アルキル基も上記と同様にRq によ
    り任意に一置換される); m)ウレイド基:−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
    z (ここでRt 、Ry、及びRz は上記と同様であ
    る); n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2 s (ここ
    で、Rs 及びRt は上記と同様である); o)シアノ基:−CN; p)ホルミル又はアセタール化ホルミル基:−(C=
    O)H又は−CH(OCH3 2 ; q)(C1 〜C4 アルキル)カルボニル基(ここで、カ
    ルボニルはアセタール化される):−C(OCH3 2
    1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様にRq
    により任意に一置換される); r)カルボニル基:−(C=O)Rs (ここで、Rs
    上記と同様である); s)ヒドロキシイミノメチル基(この場合、酸素又は炭
    素原子はC1 〜C4 アルキル基により任意に置換され
    る):−(C=NORz )Ry (ここで、Ry 及びRz
    は上記と同様であるが、但しそれらは環を形成するため
    に一緒に結合しない); t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニル基:−(C=
    O)OC1-4 アルキル(ここで、アルキルは上記と同様
    にRq により任意に一置換されてよい); u)カルバモイル基:−(C=O)N(Ry )Rz (こ
    こで、Ry 及びRz は上記と同様である); v)N−ヒドロキシカルバモイル又はN(C1 〜C4
    ルコキシ)カルバモイル基(この場合、窒素原子はC1
    〜C4 アルキル基により付加的に置換されてよい):−
    (C=O)−N(ORy )Rz (ここで、Ry 及びRz
    は上記と同様であるが、但しそれらは環を形成するため
    に一緒に結合しない); w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )(R
    z )(ここで、Ry 及びRz は上記と同様である); x)カルボキシル:−COOMb (ここで、Mb は上記
    と同様である); y)チオシアネート:−SCN; z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3 ; aa)テトラゾリル(この場合、付着点はテトラゾール
    環の炭素原子であって、窒素原子の1つは水素、アルカ
    リ金属又は上記のようにRq により任意に置換されるC
    1 〜C4 アルキルにより一置換される); ab)以下のものから成る群から選択される陰イオン官
    能基:ホスホノ[P=O(OMb 2 ];アルキルホス
    ホノ{P=O(OMb )−[O(C1 〜C4アルキ
    ル)]};アルキルホスフィニル[P=O(OMb )−
    (C1 〜C4 アルキル)];ホスホラミド[P=O(O
    b )N(Ry )Rz 及びP=O(OMb)NH
    x ];スルフィノ(SO2 b );スルホ(SO3
    b );構造式CONMb SO2 x 、CONMb SO2
    N(Ry )Rz 、SO2 NMb CON(Ry )Rz 、及
    びSO2 NMb CNから選択されるアシルスルホンアミ
    ド[ここで、Rx はフェニル又はヘテロアリール(ここ
    で、ヘテロアリールは5又は6個の環原子を有する一環
    式芳香族炭化水素基であって、この場合、炭素原子が付
    着点であり、炭素原子の1つが窒素原子により置換され
    ていて、1個の別の炭素原子がO又はSから選択される
    異種原子により任意に置換され、1〜2個の別の炭素原
    子が窒素異種原子により任意に置換され、フェニル及び
    ヘテロアリールが上記と同様にRq により一置換され
    る)であり;Mb は上記と同様であり;並びにRy 及び
    z は上記と同様である]; ac)C5 〜C7 シクロアルキル基(この場合、環中の
    炭素原子はO、S、NH又はN(C1 〜C4 アルキル)
    から選択される異種原子により置換され、別の1個の炭
    素原子はNH又はN(C1 〜C4 アルキル)により置換
    されてよく、各々の窒素異種原子に隣接する少なくとも
    1個の炭素原子が、1個の酸素により置換されるその付
    着水素原子の両方を有して、したがってカルボニル部分
    を形成し、1つ又は2つのカルボニル部分が環中に存在
    する); ad)上記の置換基a)〜ac)及び上記と同様にRq
    により任意に置換されるフェニルの1つにより任意に一
    置換されるC2 〜C4 アルケニル基; ae)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
    置換されるC2 〜C4 アルキニル基; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記の置換基a)〜ac)の1つにより任意に一
    置換されるC1 〜C4 アルキル; ah)2−オキサゾリジノニル部分[この場合、付着点
    はオキサゾリジノン環の窒素原子であり、環酸素原子
    は、−S−及びNRt (ここで、Rt は上記と同様であ
    る)から選択される異種原子により任意に置換され、並
    びにオキサゾリジノン環の飽和炭素原子の1つが上記の
    置換基a)〜ag)の1つにより任意に一置換され
    る];並びにδ- は、対イオンであり;P’は、ヒドロ
    キシ又は水素の、除去可能な保護基であり;Mは、カル
    ボキシの、除去可能な保護基である}
  13. 【請求項13】 式: 【化6】 (式中、Rは、H又はCH3 であり;P’は、ヒドロキ
    シ又は水素の、除去可能な保護基であり;δ- は、対イ
    オンであり;Mは、カルボキシの、除去可能な保護基で
    あり;Ra は、H、OP’、Cl、Br、I、SC
    3 、CN、CHO、SOCH3、SO2 CH3 、CO
    2 M、CH2 OP’、Sn(Me)3 、又はCONH2
    から成る群から選択されるが;但し、−(CH2 1-3
    −OH置換基はN−ピリジニウムフェニルの3”−又は
    4”−位置にあり、存在しなくてもよい)の化合物。
  14. 【請求項14】 P’が、水素、t−ブチルメトキシフ
    ェニルシリル、t−ブトキシジフェニルシリル、トリメ
    チルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシ
    リル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニト
    ロベンジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
    ル、t−ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリク
    ロロエチルオキシカルボニル、及びアリルオキシカルボ
    ニルから成る群から選択される請求項12又は13記載
    の化合物。
  15. 【請求項15】 Mが、ベンズヒドリル、p−ニトロベ
    ンジル、2−ナフチルメチル、アリル、2−クロロアリ
    ル、ベンジル、t−ブチル、2,2,2−トリクロロエ
    チル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニ
    ルシリル、トリメチルシリル、2−(トリメチル)シリ
    ルエチル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセト
    ニル、o−ニトロベンジル、及び4−ピリジルメチルか
    ら成る群から選択される請求項12又は13記載の化合
    物。
  16. 【請求項16】 δ- が塩化物又はヨウ化物、あるいは
    メシレート、トシレート、又はトリフレートの残基であ
    る請求項12又は13記載の化合物。
  17. 【請求項17】 以下の: 【化7】 から成る群から選択される化合物。
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JPH01197483A (ja) * 1987-02-02 1989-08-09 Merck & Co Inc 2−(ヘテロアリーリウムアルキル)フエニルカルバペネム抗菌剤

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US5025006A (en) * 1990-06-26 1991-06-18 Merck & Co., Inc. 2-biphenyl-carbapenem antibacterial agents

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