JPH05201395A - 宇宙機システム - Google Patents

宇宙機システム

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JPH05201395A
JPH05201395A JP4295645A JP29564592A JPH05201395A JP H05201395 A JPH05201395 A JP H05201395A JP 4295645 A JP4295645 A JP 4295645A JP 29564592 A JP29564592 A JP 29564592A JP H05201395 A JPH05201395 A JP H05201395A
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space
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廣一 井原
Masaya Yamamoto
雅也 山本
Kohei Kato
公平 加藤
Shizuhiro Tomita
鎭弘 冨田
Mitsuharu Tadauchi
允晴 多々内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数の機能を有する宇宙機を組合せ互いに協調
的動作、作用を実行することで、多様な機能を実現でき
る宇宙機システムを提供することにある。 【構成】それぞれ独自の機能を有する複数の宇宙機1
a,1b,1c……にそれぞれ通信制御部2a,2b,
2c……を設け、お互いに情報を交換して、一定の機能
を果たす宇宙機システムを構成する。また、種々の機能
を有する宇宙機ブロックをシステムドックに格納し、任
意のブロックの組合せを指示することで、所望のシステ
ムを構築する。 【効果】発展性、保守性に優れ、かつ実現の容易な宇宙
機システムを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は宇宙機に関するものであ
り、特に複数の宇宙機が一定の機能を発揮するような宇
宙機システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、宇宙機については、特開昭56−
99899号公報、特開昭61−268599号公報、
特開平2−24073号公報、及び第31回宇宙科学技
術連合講演会、3G2「宇宙における近接作業システム
の検討」等の文献において論じられている。
【0003】上記公開公報や文献では、一つの宇宙機を
物理的に二つに区分したものである。即ち運動する部分
と静止すべき部分等を区分し、互いに目的を容易に達成
せんとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、単に
一つの機能を有する宇宙機を区分して動作させることを
目的としたもので、従来の大型衛星の概念を出るもので
はない。
【0005】本発明の目的は、複数の宇宙機にそれぞれ
特有のミッションを持たせて、それぞれの宇宙機が互い
に通信しながらそれぞれのミッションを実行することに
より合理的に宇宙設備の建設および修復作業を行うこと
ができる宇宙機システムを提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、耐用年数を過ぎた宇
宙機を再利用することができ、宇宙環境を良好に維持す
ることができる宇宙機システムを提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、複数の宇宙機を組み
合わせることにより、種々のミッションを実行すること
ができる宇宙機システムを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、故障した宇宙機をと
り除いて組み合わせることにより、ミッションを実行す
ることが可能な宇宙機システムを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、一つ一つの宇宙機が
自律的な動作をすることにより、より大きなシステムを
組み上げることが可能な宇宙機システムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、各宇宙機にそれぞれ通信制御部をもうけ、互いの情
報を交換あるいは通信することにより、自らの動作を決
定するメカニズムを有するようにしたものである。
【0011】また、上記動作を決定するに当り、自らの
有する処理機能で実現するばかりでなく、他の処理部
(他の宇宙機、あるいは地上の設備等)で決定された動
作を確実に実行する機能を有するものである。
【0012】
【作用】自らの動作を自ら決めるためには、他の宇宙機
からの情報により他の宇宙機の動作をシミュレ−トする
ことのより目的とする動作が可能となる。このような処
理をお互いの宇宙機がそれぞれ実施し、その情報を確認
しあうことによって誤りのない動作を実行することが可
能である。
【0013】また、一つのセントラル宇宙機、あるいは
地上のセントラル設備のみで、上記のシミュレ−ション
を実行し他の宇宙機はその結果を受けて動作を実行する
のみといった場合も当然ありうる。この場合でも各宇宙
機の情報は少なくともセントラル宇宙機あるいはセント
ラル設備に伝達されなくては、正確な動作は確保できな
い。
【0014】
【実施例】本発明の特徴は、宇宙機が少なくとも通信装
置と、少なくとも一つの作業機能を有するミッション装
置とを有し、ミッション対象は宇宙機と共に大気圏外を
浮遊してミッション装置により組み合わせられ、そし
て、中央管制装置は通信装置を通して宇宙機およびミッ
ション装置を操作することである。
【0015】ところで、一つのミッションとは一つの使
命に相当するものである。宇宙機のミッションとは、そ
の宇宙機に与えられた特有の使命を指すもので、そのた
めの機能,性能が宇宙機には必須である。但し同じ機
能,構成でも異なるミッションを遂行することが可能で
ある。
【0016】宇宙機は通信装置を介して中央管制装置と
通信するが、中央管制装置から宇宙中継機を通して通信
することもできる。
【0017】中央管制装置は宇宙空間あるいは地球等の
惑星上等に設置することができる。
【0018】ミッション装置は作業機能毎に、また宇宙
機から分離可能な複数のユニットに分けられてシステム
・ドックに格納されており、この複数のユニットの例と
してはロボットと、通信ユニットと、姿勢制御ユニット
と、推進ユニットと、データ処理ユニットなどがある。
【0019】このうちロボットはマニピュレータを有
し、少なくとも通信部と、ロボット自体を推進させる推
進部と、マニピュレータを駆動する駆動部とを含むもの
である。
【0020】ミッション対象としては、太陽エネルギを
受ける受電部と、受電部で変換された電力を地上に送電
する送電部と、受電部および送電部を組みつけるための
構造物とを有する太陽発電設備であったり、宇宙ステー
ションに使用する構造物、装置、材料等を含む。また、
ミッション対象はシステム・ドックに格納されている複
数のユニットが宇宙機から分離された後のロボット、通
信ユニット、姿勢制御ユニット、推進ユニット、データ
処理ユニット等を含む。さらに、ミッション対象は耐用
年数を過ぎた宇宙機も含む。
【0021】中央管制装置は、地上管制局でもよいし、
宇宙管制局であってもよい。
【0022】ロボットは、中央管制装置および宇宙機か
らの指令により宇宙機から分離された少なくとも通信ユ
ニット、姿勢制御ユニット、推進ユニット、データ処理
ユニットのいずれかを互いに組みつけるために使用す
る。さらにロボットは、中央管制装置および宇宙機から
の指令により宇宙機から分離された少なくとも通信ユニ
ット、姿勢制御ユニット、推進ユニット、データ処理ユ
ニットのうちのいずれかと、太陽発電設備や構造物、装
置、材料等とを組み合わせるために使用する。
【0023】また、ロボットは、このロボットが格納さ
れていた宇宙機の指令に応じて他の宇宙機のロボットと
協働し、ミッション対象を組み立てるために使用する。
【0024】上記のような構成にしたがって、複数の宇
宙機はそれぞれ特有のミッションを実行することによ
り、宇宙ステーション、通信衛星、監視衛星等の組み立
てが合理的に行われる。また、耐用年数を過ぎた通信衛
星等を回収して、再利用の可能なものは部品を取り外す
なり、また、一部の部品を交換することにより無駄な宇
宙の浮遊物を除去することができ、宇宙の環境を良好に
維持することができる。
【0025】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の宇宙機システムの一実施例を示
す。図1において、1a,1b,1cはそれぞれミッシ
ョン1,2,3を有する分散形の宇宙機である。2a,
2b,2cはそれぞれ宇宙機1a,1b,1cが有する
通信制御部である。図2は従来の分割型の宇宙機3を示
す。3aは中央処理部であり、3b,3c,3dはミッ
ション1,2,3を有するミッションブロックである。
図1に示す分散型の宇宙機1a,1b,1cは、互いに
通信を行い、あるいは図示しないが地上管制局または宇
宙管制局と通信を行い、宇宙機1a,1b,1cのそれ
ぞれが自律した宇宙機を構成しており、ミッション1,
2,3をそれぞれが実行するものである。地上管制局に
はオペレ−タ(通常は人間)が存在し、すべての指令は
オペレ−タによってなされるのが通常である。但し、オ
ペレ−タ指令と行ってもレベルは様々である。オペレ−
タの指令が一つの目的を示すのみで、後は宇宙機が全て
自動的に行う場合から一つ一つの動作まですべてオペレ
−タによって出されるものまで指令のレベルは様々であ
るが、本発明については全てのレベルを含むものとす
る。またオペレ−タは宇宙機の動作の全てを監視するも
のとし、異状が発生した場合は緊急停止等非常処理を実
行する権利と責任を有する。これに対して従来の分割型
の宇宙機3は一体であるため複数のミッション1,2,
3は自律したものとなっておらず、一つ一つ経時的に実
行される。図3は分散型の宇宙機1a,1b,1cと分
割型の宇宙機3とを比較した説明図である。ここで発展
性とは、次々と新しい宇宙機システムを作り上げ得る可
能性を示すもので、分散型では新しい宇宙機を打上げる
ことにより、もとからの宇宙機と組み合わせ新しいミッ
ションを実行することができる。分割型では新しいミッ
ションを実行することは困難である。保守性に関して
は、部品交換等により耐故障性が、分散型の方がよいこ
とを示している。
【0026】ところが、実際に分散型宇宙機を運用する
場合、もし完全に自律動作ができている宇宙機であれ
ば、運用命令を出すだけで十分に機能をはたすが、自律
性が不十分で、人手によって運用する場合を考えると、
操作が複雑になる。また、自律動作を完成させるには、
多くの開発要素を含むことになる。
【0027】運用の継続性に関しては、部品交換が容易
な分散型が優れている。
【0028】大型構造物、例えば太陽発電衛星等を考え
た場合、分散型で構築すれば、順次組み上げることが可
能になり運用開始はより小さなシステムから(早い時期
に)実施できる。以上のように分割型の宇宙機3では運
用性に優れているが、発展性、保守性、運用の継続性、
実現性に乏しいものとなっている。一方、分散型の宇宙
機1a,1b,1cでは運用の容易性には難点はある
が、他の用件は満たしている。また、ミッションの部分
的な運用の実現性は非常に高い。このことを実現する一
例として以下に太陽発電衛星について説明する。
【0029】図4は従来の分割型太陽発電衛星(Solar
Power Satellite)システムの例を示す。11は太陽電池
アレ−とそこで発電された電力を送電するための送電ア
ンテナを含む軌道上の太陽発電衛星である。図4におい
ては4は太陽電池アレー、5は送電アンテナ、6は地上
受電アンテナ、そして7は地球でそれぞれ機能は分割さ
れている。太陽電池アレー4には姿勢制御装置4aが取
り付けられて、太陽光を最も効率よく受けるように姿勢
を制御するようにしている。太陽電池アレー4と送電ア
ンテナ5とは超電導力集電回路網4bで接続されて、送
電アンテナ5に送電するようになっている。送電アンテ
ナ5には姿勢制御装置4aや冷凍装置4c等が取り付け
られている。送電アンテナ5からはマイクロ波が地上受
電アンテナ6に送信される。
【0030】図4の太陽発電衛星はグレーザ博士により
提案されて以来、送電システムとしていろいろな角度か
ら検討されているが、本発明では太陽発電衛星の建設に
ついて具体的な検討をする。
【0031】太陽発電衛星の建設および保守は主要な技
術課題の一つである。地上で組み立てた装置を打ち上げ
た後、これを軌道に配置することは不可能であるため、
資材を打ち上げてから軌道上で組み立てることになる。
しかし、宇宙飛行士が宇宙機から離れて宇宙空間で活動
することは、危険性、コスト効率、建設期間等の面から
かなり無理がある。このことから、無人宇宙機による宇
宙活動の開発が考えられる。即ち、太陽発電衛星を構成
するユニット自体が宇宙機となって、それぞれのユニッ
トが指令を受けてそれぞれ連結したり、また、人間に代
わって宇宙ロボット(Orbital Space Worker)が太陽発電
衛星を構成するユニットの組み合わせを実行することで
ある。以下に太陽発電衛星の建設の基礎技術の開発につ
いて図5,6,7,8に基づいて説明する。
【0032】図5Aは、図4で従来の太陽発電衛星11
の概略を説明したが、太陽発電衛星11の本発明による
例を示している。即ち、太陽発電衛星11を構成する資
材が宇宙ロケットにより大気圏外に打ち上げられた後、
軌道上で自律的に組み立てられたものを示している。軌
道上での太陽発電衛星11の組み立て作業については後
で説明する。図5Aにおいて、本発明による太陽電池ア
レー4および送電アンテナ5は、それぞれ矩形をなすも
のであり、丸で囲んだ部分の拡大詳細を図5Bに示して
いる。図5Bにおいて、太陽電池アレー4は複数の発電
ユニット9からなり、これらの発電ユニット9は構造体
ユニット8により支持されている。構造体ユニット8に
は発電ユニット9で発生した電力のレベルを制御するよ
うに電力制御ユニット13が取り付けられ、また、発電
ユニット9の監視や太陽光を効率よく受けるように太陽
光に対する太陽電池アレー4の角度等を監視するコマン
ド部12が取り付けられている。送電アンテナ5は複数
の送電アンテナユニット10からなり、これらの送電ア
ンテナユニット10は構造体ユニット8で支持されてい
る。なお、図5Aおよび図5Bには示されていないが、
図1で説明した宇宙機1a,1b,1cからの指令を受
ける通信ユニット等も取り付けられている。図6は図5
Aおよび図5Bに示す太陽電池アレー4および送電アン
テナ5の構造体ユニット8の詳細を示す側面の例であ
る。構造体ユニット8には発電ユニット9が取り付けら
れるように発電ユニット接続部9aが取り付けられて軌
道上で発電ユニット9を簡単に取り付けられるようにな
っている。構造体ユニット8の一端には他の構造体ユニ
ット8と連結できるようにドッキングモジュール8aが
取り付けられ、さらに、構造体ユニット8が移動できる
ようにスラスタ8bが取り付けられている。構造体ユニ
ット8の他端には同じようにスラスタ8bが取り付けら
れ、そして、打ち上げ時に構造体ユニット8の進展部を
収縮しているコアビークル8cが取り付けられている。
図6に示す構造は太陽電池アレー4の一つの運用単位で
あり、コアビークル8cは運用単位毎に一つ取り付けら
れている。この太陽電池アレー4の運用単位が中心とな
って複数の太陽電池アレー4の組み立てが行われる。図
7は発電ユニットの平面図であり、太陽電池アレー4の
一つの運用単位である。発電ユニット9は複数のソーラ
アレイ9bからなるものである。図6に示した構造体ユ
ニット8は、スラスタ8bやコアビークル8c、ドッキ
ングモジュール8aを有することによって一つの宇宙機
を構成している。即ち、構造体ユニット8は自律した宇
宙機を構成しており、これは前述したように分散型の宇
宙機を構成していることを意味する。
【0033】以上述べた構造体ユニット8、発電ユニッ
ト9は軌道上に打ち上げられた後、中央管制局からの指
令を各ユニット内に組み込まれた通信制御部に受ける。
例えば、まず構造体ユニット8、及び発電ユニット9は
構造体の展開動作を実施し、図6,7に示すような形状
を完成させる。次に両ユニットはドッキング可能な位置
にまで接近し、引き続きドッキングを開始する。次々と
ドッキングを行っていくのであるが、それぞれのユニッ
トが自らのミッションを可能とするように動作する。例
えば発電ユニットは接続された別のユニットを考慮して
(接続されていることを条件として)太陽光に当たる角
度を90度に近づける。また太陽電池アレ−4はある単
位ごと(一定数の各ユニットごと)のコマンドユニット
12の指令(中央管制装置からの指令あるいは自律的に
太陽光方向を検知して発する指令)により上記単位内の
各ユニットの姿勢等を制御する。
【0034】このように、ここで言う各ユニットはある
一定のミッションを有する独立した宇宙機とみなし、こ
れを有機的に関係づけることにより、太陽発電衛星11
を組み上げることが可能になる。上記したようにして構
成されるシステムは図1の本発明を具体化したものであ
る。
【0035】上記のような太陽発電衛星11を組み立て
るために必要とする資材および装置の構成を整理すると
図8のようになる。即ち、上記した装置としてのコマン
ドユニット12、発電ユニット9、送電アンテナユニッ
ト10、構造体ユニット8、電力制御ユニット13、こ
れらに加えて宇宙ロボット14、資材倉庫15、推薬デ
イポット16を必要とする。これらのうち、構造体ユニ
ット8および発電ユニット9については、図6および図
7に基づいて既に説明したが、他のユニットについても
同じように通信部および推進部等を装備しており、自律
した宇宙機を構成している。したがって、図5Aおよび
図5Bに示す太陽電池アレー4および送電アンテナ5の
うちの送電アンテナユニット10、コマンドユニット1
2、電力制御ユニット13は、構造体ユニット8,発電
ユニット9と同じようにそれぞれ自律した宇宙機を構成
している。即ち、分散型の宇宙機を構成している。これ
らのユニットはまとめ,あるいは順次地上から大気圏外
に打ち上げられて軌道上に投入される。
【0036】上記のように太陽発電衛星11を組み立て
るために必要なユニットのうち、コマンドユニット12
は地上管制局または宇宙管制局の指令を受けて、図7に
示すように太陽発電衛星11の一つの運用単位が他の運
用単位と連結されるようにスラスタ8b等の駆動を指示
する。図8に示す複数のユニットは主なものを示してお
り、図8に示す複数のユニットを一つのシステムドック
とすると、このシステムドックは200個程度のユニッ
トで構成されている。システムドッグは太陽発電衛星1
1を実用化するための一つの単位である。したがって、
太陽発電衛星11の建設が実行されるときはシステムド
ック単位で進められる。
【0037】一つのシステムドック内にあるそれぞれの
ユニットは、図示していないがコマンドリーダを有し、
それぞれのユニットのコマンドリーダは中央管制装置等
からの指令を受けて互いに連結を実行する。コマンドリ
−ダはコマンドユニット12のうちの任意の一つをコマ
ンドリ−ダとして指定することも可能である。ユニット
のうち後述する宇宙ロボット14は例えば、10個のシ
ステムドック当たり1機が配備される。この宇宙ロボッ
ト14は1機または複数機により共同作業を実行する。
資材倉庫15は太陽発電衛星11に必要な物資を貯蔵す
るものであり、推薬デイポット16は推進のための燃料
を貯蔵するものである。
【0038】次に、宇宙ロボット14について説明す
る。太陽電池衛星11を構成する上記の各ユニットは一
つの宇宙機を構成しており、それぞれはコマンドユニッ
ト12の指令に基づいてランデブやドッキングをするよ
うになっているが、宇宙ロボット14は人間に代わるよ
うな高度な作業を実行するものである。宇宙ロボット1
4は建設および保守作業を実行するもので、地上管制局
または宇宙管制局からの指令を受けて軌道上を自由に動
くことができるものである。
【0039】図9は宇宙ロボット14の一例を示す。宇
宙ロボット14は作業実行部21と管理/制御部22と
から構成されている。作業実行部21と管理/制御部2
2はそれぞれドッキングボード100、110を有し、
打ち上げ時あるいは移動時等の場合は、通常ドッキング
ボード100、110が互いに連結している。宇宙ロボ
ット14が軌道上に投入された後、作業開始時には両者
はドッキングポート100、110が外れて図9に示す
ように離れることになる。宇宙ロボット14は、システ
ムドック内にある一つのユニットであるから少なくとも
コマンドユニット12の一つであるコマンドリーダから
の指令を受ける場合もあるが、一方、地上管制局または
宇宙管制局からの指令を受けるために宇宙ロボット14
の内部にコマンドユニットと同じ機能を有する。このコ
マンドユニットに対応するものが管理/制御部22であ
る。管理/制御部22は、地上管制局または宇宙管制局
からの指令を受けるようにアンテナ24と、指令を所定
のレベルに増幅する遠距離通信部115と、遠距離通信
部115からの信号を受けて信号の判別をするデータ処
理部112と、処理された信号を作業実行部21に伝送
する近距離通信部111およびアンテナ24と、この他
に高性能計算機113と、大容量バッテリ117と、大
容量バッテリ117に太陽電池パドル119からの電力
を充電するための電源部114、燃料タンク116を有
するものである。燃料タンク116は管理/制御部22
が他のユニット(推薬ディポット16等)に連結して、
燃料供給を受けることができる。また、管理/制御部2
2には他のユニットと同様にスラスタ8bが取り付けら
れている。一方、作業実行部21は、管理/制御部22
からの指令を受けるようにアンテナ24と、受けた指令
を中継するトランスポンダ101と、トランスポンダ1
01からの指令を解読するコマンドデコーダ102と、
解読された指令に応じてアーム23を駆動する駆動制御
部106とを有する。さらに、アーム23の動作を駆動
制御部106を通して検出するセンサ回路105と、駆
動制御部106にアーム23が所定の動作をするように
制御するリアクションコントロールサブシステム(RC
S)107と、バッテリ104と、そしてスラスタ8b
に燃料を供給する推薬タンク103とを有する。作業実
行部21にも管理/制御部22と同様にスラスタ8bが
取り付けられている。図10は管理/制御部22と作業
実行部21の外観を示している。
【0040】このような宇宙ロボット14は次のような
機能を備えている。
【0041】・母船と建設中の太陽発電衛星11との間
の資材輸送の際の軌道の変更や資材の曵航。
【0042】・太陽発電衛星11のうちの目標位置への
接近。
【0043】・他のユニットとのドッキングやバーシン
グ。
【0044】・ユニットの組立や保守作業。
【0045】・太陽発電衛星自体、ユニット、およびユ
ニットの部品の検査や試験。
【0046】・太陽発電衛星の診断および整備、また、
他の太陽発電衛星の診断および整備。
【0047】・飛行士との協調 図11は宇宙ロボット14の作業状態を示しており、こ
の場合、1機の管理/制御部22からの指令を受けて2
機の作業実行部21が構造体ユニット8を輸送・展開し
ている。
【0048】図9、10の本発明の一実施例で示した宇
宙ロボット14は、管理/制御部22と作業実行部21
とで構成した。本構成は他に種々考えられる。最も筒準
なものは作業実行部21のみでは、例えば宇宙ステーシ
ョンから人間が直接オペレーションする場合もある。ま
た、管理/制御部22と作業実行部21のみでは、作業
実施が不可能な場合、例えば通信できない場所には通信
制御部が必要である。また、通信遅延時間が長く、中央
管制局等からの作業指示がむづかしい場合には、より高
度な信号処理機能を有する宇宙機を近傍に配慮し、自律
的な動作を行うことも可能である。
【0049】このように宇宙ロボット14は分散型の構
成をとっており、次に説明するが、このような構成方法
はバーチャルコネックテッド宇宙機システムの一例であ
る。
【0050】このようなバ−チャルコネクテッド宇宙機
システムでは故障した場合、ユニット(宇宙機)ごとの
交換により大きなシステムのメンテナンスが可能であ
る。
【0051】以上述べてきたように、分散形の宇宙機で
はそれぞれのユニットが自律した機能を持つので運用は
複雑となるが発展性、保守性、実現性の面で優れてい
る。即ち、建設された部分についての段階的な運転が可
能であり、建設開始から運転開始までの期間を短くする
ことができる。また、ユニット単位での追加、変更が可
能なので建設のやり直し、保守等が容易である。
【0052】これまで図5ないし図11に基づいて説明
してきた太陽発電衛星11を構成する各ユニットは各機
能がそれぞれ独立して投入される。このような状態で各
ユニットが連結されていく作業順序をバーチャルコネク
テッド宇宙機システムと呼ぶこととする。
【0053】次に、上記したように各ユニットの機能が
独立して投入されるバーチャルコネクテッド宇宙機シス
テムに対して、各ユニットの機能を従属的に並べるよう
に投入するトランスフォーム宇宙機システムについて説
明する。このトランスフォーム宇宙機システムに基づく
宇宙ロボット14として図12、図13、図14に示
す。
【0054】図12において、ドック25は母船等に格
納されているものであり、さらに、このドック25には
複数のユニットが格納されている。各ユニットは宇宙ロ
ボット14を組立てるときに軌道上にドック25から任
意のユニットを組み合わせて、ミッションに合った宇宙
ロボット14を形成する。ユニットの主なものとして
は、コマンドユニット12、通信ユニット25a、姿勢
制御ユニット25b、推進ユニット25c、ロボット本
体14a、データ処理ユニット25eがある。これらの
ユニットは軌道上にてドック25から、運用コンフィギ
ュレーション26として従属的に連結される。図12で
は推進ユニット25c等を除いて各ユニットが連結され
ている。この各ユニットの連結はコマンドユニット12
から各ユニットへの指令によりなされる。これらのユニ
ットを組み合わせることにより宇宙ロボット14が作成
される。
【0055】バ−チャルコネクテッド宇宙機システムに
おいては、各ユニットが一つのミッションをもち、それ
ぞれが分散宇宙機を構成する。これに対してトランスフ
ォ−ム宇宙機システムの各ユニットは各機能ごとに分散
される場合が多いと考えられる。例えば通信機器ユニッ
ト、姿勢制御ユニット、推進系ユニットのように区分さ
れる。このうちミッションに最適な各ユニット内の部品
を組み合わせて一つの宇宙機を構成し運用するのがトラ
ンスフォ−ム宇宙機システムである。このように考える
と一つの運用目的に対応したトランスフォ−ム宇宙機が
分散形の宇宙機の一,つとなり、これが組み合わさって
バ−チャルコネクテッド宇宙機システムを構成する場合
もある。また当然のことながら各ユニットそのものを分
散形の宇宙機と考えれば、各ユニット間で通信を実行し
ながら運用目的に応じた宇宙機を再構成することが、本
発明の分散形宇宙機を構成することに他ならない。この
場合の効果としては再構成された宇宙機が故障した場
合、部品交換により、必要に修復することができること
があげられる。
【0056】図13は宇宙ロボット14を作成するため
のシステムドック25に格納されている複数のユニット
の例を示す。これらのユニットはロボット繁留トラスユ
ニット200と、推薬タンクおよびリアクション・コン
トロール・サブシステム(RCS),スラスタを含む推
進ユニット201と、アンテナ、トランスボンダ、デー
タ処理部、電源部、バッテリを含むコアユニット202
と、パドル119、電力制御部、大型バッテリを含む拡
張電源ユニット203と、アンテナ24、トランスポン
ダ、データ処理/制御部、センサ回路、ステレオカメラ
を含むロボット制御ユニット204と、アーム23、ア
ーム制御部、センサ回路を含むロボットアームユニット
205と、ドッキングポートを含むドッキングユニット
206と、大型推薬タンクを含む拡張推薬タンクユニッ
ト207とから構成されている。
【0057】図14A、図14B、図14Cは、各ユニ
ットを従属的に連結した状態を示している。各ユニット
を従属的に連結するのは宇宙ロボット14によってなさ
れる。即ち、宇宙ロボット自体は複数のユニットの集合
であり、連結されてできあがった宇宙ロボット14が連
結作業を実行することになる。図14Aはロボット繁留
トラスブロック200、ロボット制御ブロック204、
拡張電源ブロック203が従属的に連結された宇宙ロボ
ットの一部を示している。図14Bは推進ユニット20
1、コアユニット202、拡張電源ユニット203、ロ
ボット制御ユニット204、ロボットアームユニット2
05等が従属的に連結されて、これ自体が宇宙ロボット
14であることを示している。図14Cは推進ユニット
201、コアユニット202、ロボットアームユニット
205、ドッキングユニット206を従属的に連結した
小型の宇宙ロボット14を示している。
【0058】上記のようなトランスフォーム宇宙機シス
テムによって、例えば上記したように複数のユニットを
組み合わせることにより必要に応じていろいろな機能を
有する宇宙ロボットを実現することができるので、効率
の良い宇宙機システムを達成することができる。トラン
スフォーム宇宙機システムは次のような利点がある。即
ち、 ・ユニットの故障時の補修および交換が容易である。
【0059】・ミッションに応じて最適な宇宙機のコン
フィギュレーションを選択することができる。
【0060】・燃料や資材等の消費を最少限にすること
ができる。
【0061】なお、上記のトランスフォーム宇宙機シス
テムの考え方は、開発が待たれている非常に小さい宇宙
用マイクロロボットの実現にも適用できるものである。
【0062】次に、もう一つの本発明の一実施例とし
て、より実現性の高いトランスフォーム宇宙機システム
について考察する。
【0063】図15および図16は本発明による他の一
実施例として試験用のトランスフォーム宇宙機システム
のユニット構成を示している。図15は複数のユニット
を示し、これらのユニットは、中央管制装置等からの指
令を受けて他のユニットに指示を与えるコマンドユニッ
ト31、軌道上の移動や目標位置へ接近するための2機
のスラスタ8bを有する推進ユニット32および33、
バックアップ用の拡張電源ユニット34、コマンドユニ
ット31が受けた指令の判別を行うデ−タ処理ユニット
35、ア−ム等を有するロボット36から構成されてい
る。これらのユニットは例えば一体となって地球から大
気圏外の軌道上に打ち上げられる。図16は軌道上に打
ち上げられた宇宙機30を示している。宇宙機30は、
図14に示すような本格的なトランスフォ−ム宇宙機シ
ステムを構成するためのテストを行なうことができる。
宇宙機30はユニット化された小型衛星で構成すること
ができる。このような宇宙機30を用いて、例えれば次
のようなテストを行う。
【0064】・ユニットの変更。
【0065】・ロボット36によるマニピュレ−タ作
業。
【0066】・ユニットのドッキングとバ−シング。
【0067】・ペイロ−ドの曳航。
【0068】上記のトランスフォ−ム宇宙機システムの
テスト例を図17に基づいて説明する。まず、宇宙機3
0はロケットにより大気圏外に打ち上げられ、パドルや
アンテナ等が開いて軌道上を回る。これは展開テストと
して実行される。一方、構造体ユニット30aがロケッ
トで軌道上に打ち上げられ、この構造体ユニット30a
は展開構造になっているので所定の大きさに拡張され
る。これも展開テストとして実行される。その後、宇宙
機30と構造体ユニット30aとは共にランデブ−をす
る。このランデブ−のテストの後タイミングを見計らっ
て宇宙機30が四つの部分に分離されて構造体30aと
ドッキングされる。即ち、宇宙機30のユニットは、推
進ユニット32および33、拡張電源ユニット34、コ
マンドユニット31およびデ−タ処理ユニット35、そ
して推進ユニット32、33およびロボット36の四つ
の部分に分離された後、構造体ユニット30aの一方に
拡張電源ユニット34が、構造体ユニット30aの他方
にコマンドユニット31とデ−タ処理ユニット35が、
そして、構造体ユニット30aの中間に推進ユニット3
2、33、そしてロボット36が組み込まれる。この組
み合わされたものを宇宙機30bと呼ぶことにする。推
進ユニット32および33は分離されたままである。こ
れは分離、リコンフィギュレ−ション、およびドッキン
グのテストとして実行される。この後、宇宙機30bは
推進ユニット32および33により曵航されて曵航テス
トが実行される。
【0069】曵航テストが終了すると、宇宙機30bか
ら推進ユニット32及び33と、ロボット36を分離し
て、分離およびリコンフィギュレーションのテストが実
行される。この後、ロボット36により、拡張電源ユニ
ット34、コマンドユニット31およびデータ処理ユニ
ット35を構造体ユニット30aから切り離し、拡張電
源ユニット34、コマンドユニット31、データ処理ユ
ニット35、推進ユニット32、33を一体に従属的に
組み合わせ、マニピュレーションテストが実行される。
この時、ロボット36も同じように組み込まれる。この
ように組み合わされたものを宇宙機30cと呼ぶことに
する。いわゆるトランスフォーム宇宙機システムのテス
トが実行される。この後、宇宙機30cと構造体ユニッ
ト30aとの間でバーシングテストが実行され、かつ、
宇宙機30cによる構造体ユニット30aの曵航テスト
が実行される。なお、宇宙機30cを組み立てたときの
残留物体は、構造体ユニット30aと共に移動する。
【0070】以上の動作の指令は通常中央管制装置を操
作するオペレ−タによって発せられる。もちろんオペレ
−タを管理するシステムも存在すると考えられるが、指
令信号はオペレ−タによって発せられる。この指令信号
は分散された各宇宙機の通信制御部に入力され、これを
理解することによって動作を開始する。
【0071】次に、バーチャルコネクテッド宇宙機シス
テムのテストについて説明する。図18は、図10に示
す宇宙ロボット14として説明したものである。図18
に示す宇宙ロボット14は管理/制御部22と作業実行
部21とからなるものである。管理/制御部22は基本
的に図9に示す構成と同じであり、アンテナ24やパド
ル119が本体から延びている。一方、作業実行部21
も図9に示す構成と基本的に同じであり、アーム23が
本体から延びている。図18の宇宙機ロボット14が図
10のと異なる点はユニット化された小型衛星によって
各宇宙機を安価に構成することができることである。こ
のような宇宙ロボット14を用いて次のテストを行う。
【0072】・宇宙ロボット14の運転技術の確認 ・推薬補給技術の確認 ・バッテリの充電技術の確認 上記のテストの他にさらに、次のテストも行う。
【0073】・柔軟構造物の姿勢制御 ・柔軟構造物の軌道制御 ・柔軟構造物のランデブおよびドッキング ・宇宙機の協調制御 ・宇宙機の協調運転 ・大型展開構造物の取扱い バーチャルコネクテッド宇宙機システムのテストを図1
9に基づいて説明する。一体となった管理/制御部22
と作業実行部21とがロケットで大気圏外の軌道上に打
ち上げられる。そして、まずパドル119等が開くよう
に展開テストが実行される。その後、作業実行部21の
アーム23やスラスタ8b等の動作テストが実行され
る。そして、作業実行部21と管理/制御部22とが分
離されるテストが行われ、作業実行部21の機動性や操
作性がテストされる。次に、作業実行部21を構造体ユ
ニット8に接近させてアーム23等のマニピュレータ遠
隔操作テストが実行される。その後、作業実行部21が
管理/制御部22とドッキングするテストが実行された
後、推薬補給およびバッテリ充電の各テストされる。最
後に作業実行部21と管理/制御部22の詳細な機能が
テストされる。
【0074】図20,21は図6,7に対応するもの
で、小型衛星で構成した一例を示すものである。小型の
太陽発電衛星に関する実験を目的とする。構造体ユニッ
ト8は軸方向にドッキング可能で一直線に伸ばすことが
可能である。この展開型構造体ユニット8には発電ユニ
ット9の接続部9aが取り付けられ、図21に示す発電
ユニット9がドッキングできる。発電ユニット9及び構
造体ユニット8は柔軟構造物で柔軟構造物どうしのラン
デブドッキングの試験を実施することができる。
【0075】図22は図20,21に示す発電ユニット
9と構造体ユニット8によるテスト例を示しており、こ
のテストについて説明する。発電ユニット9は収縮した
形でロケットにより大気圏外の軌道上に打ち上げられ
る。そして展開テストが実行される。一方、構造体ユニ
ット8も収縮した形でロケットにより軌道上に打ち出さ
れ、展開テストが行われる。発電ユニット9と構造体ユ
ニット8はランデブーテストを終えた後、両者を組み合
わせるドッキングテストが行われる。このテストは発電
ユニット9のドッキングモジュ−ル8aが構造体ユニッ
ト8の所定の箇所に連結するものである。このドッキン
グテストは太陽発電衛星の建設等に欠かせないテストで
ある。次に、発電ユニット9を構造体ユニット8から分
離するテストが行われ、さらに、連結させるというドッ
キングテストが行われる。この後、発電ユニット9がド
ッキングモジュ−ル8aを中心にして回転することをテ
ストする。そして、発電ユニット9の面が例えば太陽の
方向に直角方向となるようにポインテイングテストが行
われる。このようなテストは発電ユニット9が展開アレ
ーのようなものの場合重要なテストである。
【0076】次に、フォローオンミッションと呼ばれる
宇宙機システムについて説明する。フォローオンミッシ
ョンとは前述したようにテストのために使用した宇宙機
等が宇宙を浮遊して宇宙環境を乱さないように、また、
耐用年数を過ぎた通信衛星等の宇宙機が宇宙を浮遊し
て、他の宇宙機の邪魔にならないようにこれらの宇宙機
を有効利用するというものである。このようなフォロー
オンミッションのうち図18,19,20,21等で示
した小型衛星を用いた実験用の宇宙機で、一定のミッシ
ョンを備えた宇宙機を利用した無人宇宙実験基地が考え
られる。例えば図23に無人宇宙実験基地40の主なユ
ニットの構成を示す。これらのユニットのうち発電ユニ
ット9,構造体ユニット8,ロボット14は太陽発電衛
星の残留物の中から選択したものであり、新しく回収カ
プセル42、実験用の材料41及び実験時の温度を制御
するための展開ラジエ−タ43は無人宇宙実験基地40
の追加ユニットとして地球から大気圏外の軌道上に打ち
上げられる。図24Aおよび図24Bは建設された無人
宇宙実験基地40を示す。宇宙ロボット14は無人宇宙
実験基地40の建設と保守のために利用される。
【0077】図25は無人宇宙実験基地40の建設の一
例を示している。即ち、前述したように図22に基づい
て説明したようにバーチャルコネクテッド宇宙機システ
ムのテストに使用した発電ユニット9、構造体ユニット
8の組み合わせと、宇宙用ロボット14と、さらに軌道
上に打ち上げられた追加ユニットとを組み合わせて無人
宇宙実験基地40が建設される状態を示している。さら
に、図26は宇宙実験基地40が建設された後、回収カ
プセル42が軌道上に打ち上げられて実験により発生し
た製造物を回収する状態を示している。即ち、宇宙ロボ
ット14が製造物を貯蔵している回収カプセル42を宇
宙実験基地40から切り離して、回収カプセル42を地
上で回収する状態を示している。このようにして発展
性、保守性、かつ実現性の可能性のある宇宙機システム
が構成できる。
【0078】
【発明の効果】本発明では、それぞれのユニットが自律
した機能を持つことにより、建設された部分についての
段階的な運転が可能となり、建設開始から運転開始まで
の期間を短くすることができる。また、ユニット単位で
の追加、変更が可能なので建設のやり直し、保守等が容
易となる。
【0079】また、トランスフォーム宇宙機システムで
は、複数のユニットを組み合わせることにより必要に応
じていろいろな機能を有する宇宙ロボットを実現するこ
とができるので、効率の良い宇宙機システムを達成する
ことができる。すなわち本発明によれば、発展性、保守
性に優れ、かつ実現性の容易な宇宙機システムを構成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散形の宇宙機システムの原理を示す
説明図である。
【図2】従来の分割形の宇宙機システムを示す説明図で
ある。
【図3】分散形の宇宙機システムと分割形の宇宙機シス
テムとを比較した説明図である。
【図4】太陽発電衛星の一例を示す説明図である。
【図5】太陽発電衛星の他の例を示す平面図および詳細
を示す拡大詳細図である。
【図6】構造体ユニットを示す側面図である。
【図7】発電ユニットの平面図である。
【図8】バーチャルコネクテッド宇宙機システムに基づ
く太陽発電衛星の主な構成を示す説明図である。
【図9】宇宙ロボットの構成を示すブロック図である。
【図10】宇宙ロボットの宇宙での状態を示す斜視図で
ある。
【図11】複数の宇宙ロボットの宇宙での状態を示す斜
視図である。
【図12】トランスフォーム宇宙機システムに基づく宇
宙ロボットの構成を示す説明図である。
【図13】各ユニットが組み合わされて作成された宇宙
ロボットの構成を示す説明図である。
【図14】図14A、図14B、図14Cは図13に示
すユニットが組み合わされて作成された宇宙ロボットの
例を示す斜視図である。
【図15】トランスフォーム宇宙機システムに基づく宇
宙ロボットの他の構成を示す説明図である。
【図16】図15に示す構成の宇宙ロボットの斜視図で
ある。
【図17】トランスフォーム宇宙機システムのテストの
状態を示す説明図である。
【図18】バーチャルコネクテッド宇宙機システムのテ
ストに使用する宇宙ロボットを示す斜視図である。
【図19】バーチャルコネクテッド宇宙機システムのテ
ストの状態を示す説明図である。
【図20】宇宙ロボットのうち管理/制御部と作業実行
部が協働して構造体ユニットを輸送している例を示す斜
視図である。
【図21】柔軟構造物を輸送している例を示す斜視図で
ある。
【図22】柔軟構造物を構造体ユニットに組みつけるテ
ストの状態を示す説明図である。
【図23】無人宇宙実験基地の主なユニットの構成を示
す説明図である。
【図24】無人宇宙実験基地および宇宙ロボットの例を
示す斜視図である。
【図25】無人宇宙実験基地の建設の一例を示す斜視図
である。
【図26】宇宙実験装置から廃棄物を回収する状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c:宇宙機 2a,2b,2c:通信制御部 8:構造体ユニット 9:発電ユニット 10:発電アンテナユニット 11:太陽発電衛星(SPS) 14:宇宙ロボット(OSW) 21:作業実行部 22:管理/制御部 23:ア−ム 24:アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 鎭弘 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地株式 会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 多々内 允晴 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地株式 会社日立製作所情報通信事業部内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】宇宙機を大気圏外に打ち出して前記宇宙機
    が有する役目を実行する宇宙機システムにおいて、少な
    くとも、通信手段と、少なくとも一つのミッション手段
    とを有する複数の宇宙機と、大気圏外を浮遊して前記ミ
    ッション手段にしたがって取り扱われるミッション対象
    と前記通信手段を通して前記宇宙機、および前記ミッシ
    ョン手段を操作する中央管制手段とを備えた少なくとも
    一つのミッション実行する宇宙機システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、複数の前記宇宙機はそれぞれ特有のミッション手段
    を有し、前記中央管制手段からの指令に基づき前記通信
    手段を通して互いに情報を交換しながら前記推進手段を
    作動させて前記ミッション手段のうちのいずれかにした
    がって前記ミッション対象を協働して取り扱うことを実
    行している。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記ミッション対象は、建築材料、電気材料、機械
    材料、化学材料、廃棄物、生活物資、研究資料等を含
    む。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記宇宙機は宇宙ロボットを含む。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記宇宙機と通信する宇宙中継機を含む。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、宇宙機は前記ミッション手段を実施するために、作
    業機能毎に、かつ前記宇宙機から分離可能な複数のユニ
    ットからなる。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記複数のユニットは、少なくともコマンドユニッ
    トと、発電ユニットと、構造体ユニットと、宇宙ロボッ
    トと、通信ユニットと、姿勢制御ユニットと、推進ユニ
    ットと、デ−タ処理ユニットと、資材倉庫と、推薬デイ
    ポットと、拡張電源ユニットと回収カプセルの一つ以上
    による組合せのものを含む。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記宇宙ロボットはマニピュレータを有し、少なく
    とも通信部と、ロボット自体を推進させる推進部と、前
    記マニピュレータを駆動する駆動部とを含む。
  9. 【請求項9】請求項3に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記ミッション対象は、太陽エネルギを受ける受電
    部と、前記受電部で変換された電力を地上に送電する送
    電部と、前記受電部および送電部を組みつけるための構
    造物とを有する太陽発電設備を含む。
  10. 【請求項10】請求項3に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記ミッション対象は、無人宇宙実験基地および宇
    宙実験装置に使用する構造物、装置、資材等を含む。
  11. 【請求項11】請求項3に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記ミッション対象は、前記ミッション手段に含ま
    れる複数の前記ユニットが前記宇宙機から分離された後
    の少なくとも前記ロボット本体、前記通信ユニット、前
    記姿勢制御ユニット、前記推進ユニット、前記データ処
    理ユニットを含む。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の宇宙機システムにお
    いて、前記ミッション対象に含まれる複数の前記ユニッ
    トを組み合わせることにより宇宙ロボットが作成され
    る。
  13. 【請求項13】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記ミッション対象は、耐用年数を過ぎた宇宙機を
    含む。
  14. 【請求項14】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記中央管制手段は、地上管制局を含む。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の宇宙機システムにおい
    て、前記中央管制手段は、宇宙管制局を含む。
  16. 【請求項16】請求項12に記載の宇宙機システムにお
    いて、前記宇宙ロボットは、前記中央管制手段および前
    記宇宙機からの指令に応じて前記宇宙機から分離された
    少なくともコマンドユニット、発電ユニット、構造体ユ
    ニット、資材倉庫、推薬デイポットユニット、拡張電源
    ユニット、姿勢制御ユニット、推進ユニット、デ−タ処
    理ユニットを互いに組みつけるために使用する。
  17. 【請求項17】請求項12に記載の宇宙機システムにお
    いて、前記宇宙ロボットは、前記中央管制手段および前
    記宇宙機からの指令により前記宇宙機から分離された少
    なくとも通信ユニット、姿勢制御ユニット、推進ユニッ
    ト、デ−タ処理ユニットを前記ミッション対象と組み合
    わせるために使用する。
  18. 【請求項18】請求項12に記載の宇宙機システムにお
    いて、前記宇宙ロボットは、この宇宙ロボットが格納さ
    れていた前記宇宙機の指令に応じて他の宇宙機の宇宙ロ
    ボットと協働して前記ミッション対象を組み立てるため
    に使用する。独自の機能を有する複数の宇宙機にそれぞ
    れ通信制御部および独自のミッションを設け、互いに情
    報を交換して一定の作業を果たす宇宙機システムを構成
    する。また、特定の機能を有する複数のユニットをドッ
    クに格納してこれらのユニットを任意に組み合わせるこ
    とにより用途に応じた宇宙機を構成することができる。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130137512A (ko) * 2012-06-07 2013-12-17 한국전자통신연구원 정지 궤도 위성 제어 장치 및 방법
WO2020261397A1 (ja) * 2019-06-25 2020-12-30 三菱電機株式会社 デブリ回収制御装置、デブリ回収衛星、捕獲用インタフェース機器、接続装置、デブリ回収システム、デブリ回収方法、および、デブリ回収プログラム
CN115352659A (zh) * 2022-08-22 2022-11-18 哈尔滨工业大学(深圳) 一种基于子母航天器的在轨建造系统

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