JPH0518931A - バイオセンサ - Google Patents
バイオセンサInfo
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- JPH0518931A JPH0518931A JP3197388A JP19738891A JPH0518931A JP H0518931 A JPH0518931 A JP H0518931A JP 3197388 A JP3197388 A JP 3197388A JP 19738891 A JP19738891 A JP 19738891A JP H0518931 A JPH0518931 A JP H0518931A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- suction
- substrate
- hydrogen peroxide
- sensor
- glucose
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 分子識別部による測定対象側の化学物理的変
化、例えば消費または生成物を効果的にセンサ感応部へ
引き寄せることによって検出感度を向上し、引いては高
性能化に寄与することにある。 【構成】 質特異性を有する酵素などを固定化した分子
識別部16を、分子識別部16による測定対象側の化学
物理的変化を感知して電気信号に変える検出手段に組み
合わせたバイオセンサにおいて、前記検出手段は、被感
知物を検出手段のセンサ感応部12,13へ引き寄せる
応答促進用の吸引機構14を備えた。
化、例えば消費または生成物を効果的にセンサ感応部へ
引き寄せることによって検出感度を向上し、引いては高
性能化に寄与することにある。 【構成】 質特異性を有する酵素などを固定化した分子
識別部16を、分子識別部16による測定対象側の化学
物理的変化を感知して電気信号に変える検出手段に組み
合わせたバイオセンサにおいて、前記検出手段は、被感
知物を検出手段のセンサ感応部12,13へ引き寄せる
応答促進用の吸引機構14を備えた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオセンサに関し、
特にバイオセンサの高感度化を図るための改良技術に関
するものである。
特にバイオセンサの高感度化を図るための改良技術に関
するものである。
【0002】
【従来技術】バイオセンサは分子識別機能をもつ生体材
料を各種の検出手段に組み合せたものである。生体材料
は例えば酵素、微生物、オルガネラ、細胞であり、これ
らを担体結合法、架橋重合法、ゲル包括法などの手段で
固定して分子識別部に形成される。検出手段は分子識別
部が基質に作用して生ずる物理的または化学的な変化を
電気信号に変換するもので一般にトランスデュサと称さ
れ、各種の電極、サーミスタ、フォトカウンタ、ISF
ET(イオン感応性電界効果型トランジスタ)などが主
体となる。分子識別部とトランスデュサとの具体的な組
み合せにより多種多用なバイオセンサが製作される。こ
れら各種のバイオセンサが本発明の対象となる。図4は
バイオセンサの原理を説明する模式図である。符号1は
分子識別部、2は検出手段を示す。分子識別部1は測定
対象溶液と接触しており、固定化された酵素3などが測
定対象溶液中の基質4と反応する。この反応で物理的ま
たは化学的に測定可能な例えば溶液中の酸素が消費され
たり、分解などによる生成物5,6がある場合、これを
検出手段2のセンサ感応部で感知し電気信号に変換する
のである。
料を各種の検出手段に組み合せたものである。生体材料
は例えば酵素、微生物、オルガネラ、細胞であり、これ
らを担体結合法、架橋重合法、ゲル包括法などの手段で
固定して分子識別部に形成される。検出手段は分子識別
部が基質に作用して生ずる物理的または化学的な変化を
電気信号に変換するもので一般にトランスデュサと称さ
れ、各種の電極、サーミスタ、フォトカウンタ、ISF
ET(イオン感応性電界効果型トランジスタ)などが主
体となる。分子識別部とトランスデュサとの具体的な組
み合せにより多種多用なバイオセンサが製作される。こ
れら各種のバイオセンサが本発明の対象となる。図4は
バイオセンサの原理を説明する模式図である。符号1は
分子識別部、2は検出手段を示す。分子識別部1は測定
対象溶液と接触しており、固定化された酵素3などが測
定対象溶液中の基質4と反応する。この反応で物理的ま
たは化学的に測定可能な例えば溶液中の酸素が消費され
たり、分解などによる生成物5,6がある場合、これを
検出手段2のセンサ感応部で感知し電気信号に変換する
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のバイ
オセンサにあっては、検出手段のセンサ感応部に対し、
反応による変化の到達を自然拡散にまかせていることか
ら、その自然拡散に応じた感度しか得られないものとな
っている。換言すると、検出手段のセンサ感応部では測
定対象溶液中の接触溶液部が専ら感知対象となり、この
接触溶液部に生成物などが反応と同時に到達するとはい
えず、自然拡散に応じた時間を経て感知していると推察
される。これはまた、センサ感応部で感知している生成
物は生成された全体のごく一部に過ぎず、例えば微小電
極やISFETなどを用いたマイクロバイオセンサにお
いて感度の低下が著しいことと符合する。
オセンサにあっては、検出手段のセンサ感応部に対し、
反応による変化の到達を自然拡散にまかせていることか
ら、その自然拡散に応じた感度しか得られないものとな
っている。換言すると、検出手段のセンサ感応部では測
定対象溶液中の接触溶液部が専ら感知対象となり、この
接触溶液部に生成物などが反応と同時に到達するとはい
えず、自然拡散に応じた時間を経て感知していると推察
される。これはまた、センサ感応部で感知している生成
物は生成された全体のごく一部に過ぎず、例えば微小電
極やISFETなどを用いたマイクロバイオセンサにお
いて感度の低下が著しいことと符合する。
【0005】本発明は、以上の背景から検討を積み重ね
てきた過程で得られたもので、分子識別部による測定対
象側の物理的または化学的な変化、例えば消費または生
成物を効果的にセンサ感応部へ引き寄せることによって
検出感度を向上し、引いては高性能化に寄与できるバイ
オセンサを提供するを目的としている。
てきた過程で得られたもので、分子識別部による測定対
象側の物理的または化学的な変化、例えば消費または生
成物を効果的にセンサ感応部へ引き寄せることによって
検出感度を向上し、引いては高性能化に寄与できるバイ
オセンサを提供するを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、基質特異性を有する酵素などを固定化した分
子識別部を、分子識別部による測定対象側の物理的また
は化学的な変化を感知して電気信号に変える検出手段に
組み合わせたバイオセンサにおいて、前記検出手段は、
被感知物を検出手段のセンサ感応部へ引き寄せる応答促
進用の吸引機構を備えたことを要旨とする。
本発明は、基質特異性を有する酵素などを固定化した分
子識別部を、分子識別部による測定対象側の物理的また
は化学的な変化を感知して電気信号に変える検出手段に
組み合わせたバイオセンサにおいて、前記検出手段は、
被感知物を検出手段のセンサ感応部へ引き寄せる応答促
進用の吸引機構を備えたことを要旨とする。
【0007】
【作用】以上の構成によれば、測定に際しては吸引機構
を作動する。すると、分子識別部による測定対象側の物
理的または化学的な変化、例えば消費または生成物など
が検出手段のセンサ感応部に引き寄せられるので、検出
感度が吸引程度に応じ向上する。前記吸引機構は、例え
ば、吸引ポンプなどで構成することが可能である。この
場合、検出手段の基板裏面側に吸引ポンプ自体を付設し
たり、吸引ポンプの吸込部を付設し、同時にポンプ吸込
部に通じる小孔を基板に設けたり、ミリポアフィルタな
どの多孔性材で基板自体を構成するなどして基板表面側
と連通する。無論、センサ感応部自身に小孔を設けた
り、多孔質で構成することも可能である。
を作動する。すると、分子識別部による測定対象側の物
理的または化学的な変化、例えば消費または生成物など
が検出手段のセンサ感応部に引き寄せられるので、検出
感度が吸引程度に応じ向上する。前記吸引機構は、例え
ば、吸引ポンプなどで構成することが可能である。この
場合、検出手段の基板裏面側に吸引ポンプ自体を付設し
たり、吸引ポンプの吸込部を付設し、同時にポンプ吸込
部に通じる小孔を基板に設けたり、ミリポアフィルタな
どの多孔性材で基板自体を構成するなどして基板表面側
と連通する。無論、センサ感応部自身に小孔を設けた
り、多孔質で構成することも可能である。
【0008】なお、以下の実施例は、本発明をグルコー
スセンサに適用し、吸引機構の作動有無によりグルコー
スセンサの検出感度を比較したときの例である。ここ
で、グルコース(D−グルコース)は、これを酸化する
グルコースオキシダーゼ(以下、GODと称する)の作
用により、次式(1)のようにグルコン酸(D−グルコ
ノ−δ−ラクトン)という化合物に変えられる。この反
応で溶液中の酸素が使われ、過酸化水素が生成される。 グルコース+O2−−(GOD)−−−>グルコン酸+H2O2 (1) 酸素と過酸化水素は電極で測定することが可能であり、
グルコースセンサはGODを固定した分子識別部を酸素
電極、または過酸化水素電極に組み合わせて構成され
る。実施例では過酸化水素電極により、生成した過酸化
水素を測定してこれからグルコースを定量するとき、そ
の測定過程での検出感度を調べることにした。過酸化水
素は0.8V程度の電圧で分解し、電流をだす。 H2O2−−−−−−−>2H++O2+2e-(アノード) 2e-+2H++1/2O2−−−−−>H2O(カソード) よって、過酸化水素をアノード上で分解する過酸化水素
電極について、基板上に2つの金電極を設けることによ
り作製した。
スセンサに適用し、吸引機構の作動有無によりグルコー
スセンサの検出感度を比較したときの例である。ここ
で、グルコース(D−グルコース)は、これを酸化する
グルコースオキシダーゼ(以下、GODと称する)の作
用により、次式(1)のようにグルコン酸(D−グルコ
ノ−δ−ラクトン)という化合物に変えられる。この反
応で溶液中の酸素が使われ、過酸化水素が生成される。 グルコース+O2−−(GOD)−−−>グルコン酸+H2O2 (1) 酸素と過酸化水素は電極で測定することが可能であり、
グルコースセンサはGODを固定した分子識別部を酸素
電極、または過酸化水素電極に組み合わせて構成され
る。実施例では過酸化水素電極により、生成した過酸化
水素を測定してこれからグルコースを定量するとき、そ
の測定過程での検出感度を調べることにした。過酸化水
素は0.8V程度の電圧で分解し、電流をだす。 H2O2−−−−−−−>2H++O2+2e-(アノード) 2e-+2H++1/2O2−−−−−>H2O(カソード) よって、過酸化水素をアノード上で分解する過酸化水素
電極について、基板上に2つの金電極を設けることによ
り作製した。
【0009】
【実施例】図1,図2は過酸化水素電極に分子識別部を
組み合わせ、吸引機構を付設した本発明品を模式的に示
しており、以下、同図を参照しながら本発明の要部を詳
述する。グルコースセンサ10は、基板11上にセンサ
感応部としての金電極12,13を設けた過酸化水素電
極が主体となり、吸引機構である吸引ポンプ14の吸込
部15が基板11の裏面に付設される一方、金電極12
上にGODを固定化した分子識別部16を備えている。
この過酸化水素電極は、過酸化水素の分解電流を、金電
極12,13で応答電流として測定するものである。基
板11は8×40×0.5tmmのガラス板が用いら
れ、電極形成周囲部に形成された複数個の小孔11aを
有している。基板11の表面には金電極12,13が設
けられている。金電極12,13は蒸着により設けら
れ、各々10mm2の大きさとなっている。金電極1
2,13にはリード線17がそれぞれ接続され、またリ
ード線17はエポキシ系の接着剤およびシール剤18に
より覆われて、基板11上に固定されている。基板11
の裏面には小孔11aを覆うように吸込部15が設けら
れている。この吸込部15は、そのハウジングの取付用
フランジ部を介して基板11に対して水密に装着され、
基板11上に固定される吸引管19を通じて吸引ポンプ
14と接続している。吸引ポンプ14の駆動により、吸
込部15内が負圧となって、小孔11aを通して基板表
面側から基板裏面側への流れを形成する。
組み合わせ、吸引機構を付設した本発明品を模式的に示
しており、以下、同図を参照しながら本発明の要部を詳
述する。グルコースセンサ10は、基板11上にセンサ
感応部としての金電極12,13を設けた過酸化水素電
極が主体となり、吸引機構である吸引ポンプ14の吸込
部15が基板11の裏面に付設される一方、金電極12
上にGODを固定化した分子識別部16を備えている。
この過酸化水素電極は、過酸化水素の分解電流を、金電
極12,13で応答電流として測定するものである。基
板11は8×40×0.5tmmのガラス板が用いら
れ、電極形成周囲部に形成された複数個の小孔11aを
有している。基板11の表面には金電極12,13が設
けられている。金電極12,13は蒸着により設けら
れ、各々10mm2の大きさとなっている。金電極1
2,13にはリード線17がそれぞれ接続され、またリ
ード線17はエポキシ系の接着剤およびシール剤18に
より覆われて、基板11上に固定されている。基板11
の裏面には小孔11aを覆うように吸込部15が設けら
れている。この吸込部15は、そのハウジングの取付用
フランジ部を介して基板11に対して水密に装着され、
基板11上に固定される吸引管19を通じて吸引ポンプ
14と接続している。吸引ポンプ14の駆動により、吸
込部15内が負圧となって、小孔11aを通して基板表
面側から基板裏面側への流れを形成する。
【0010】なお、作製した過酸化水素電極の性能を調
べた結果を図4に示した。この性能確認は、1センチ角
セルに1.2mlの緩衝液(0.01Mの燐酸緩衝液で
pH7.0を用いた)を入れ、電極基板をセットした
後、500mlの過酸化水素溶液(緩衝液で、30%
過酸化水素水を希釈したもの)を加え、1分後の応答電
流(nA)を求めたものである。印加電圧は8Vであ
る。この過酸化水素電極は同図から明かな如く、良好な
直線性が得られ、濃度30μg・dl-1以下の過酸化水
素を充分に定量できることが確認された。
べた結果を図4に示した。この性能確認は、1センチ角
セルに1.2mlの緩衝液(0.01Mの燐酸緩衝液で
pH7.0を用いた)を入れ、電極基板をセットした
後、500mlの過酸化水素溶液(緩衝液で、30%
過酸化水素水を希釈したもの)を加え、1分後の応答電
流(nA)を求めたものである。印加電圧は8Vであ
る。この過酸化水素電極は同図から明かな如く、良好な
直線性が得られ、濃度30μg・dl-1以下の過酸化水
素を充分に定量できることが確認された。
【0011】前記過酸化水素電極は、分子識別部16を
金電極12(アノード側)に設けることにより、グルー
スセンサとなる。分子識別部16については、脂肪酸単
分子膜にGODを吸着させてGOD単分子膜複合体とし
たものが用いられ、これを清浄化処理した金電極12上
に2層に累積して一体化した。具体的には、フロムヘル
ツ型タラフを用いて、単分子掃引法によりある区画にG
OD単分子膜を形成しておき、そこに別の区画で形成し
た脂肪酸単分子膜を移動して吸着させ、それを異なる区
画で金電極12に累積するようにした。
金電極12(アノード側)に設けることにより、グルー
スセンサとなる。分子識別部16については、脂肪酸単
分子膜にGODを吸着させてGOD単分子膜複合体とし
たものが用いられ、これを清浄化処理した金電極12上
に2層に累積して一体化した。具体的には、フロムヘル
ツ型タラフを用いて、単分子掃引法によりある区画にG
OD単分子膜を形成しておき、そこに別の区画で形成し
た脂肪酸単分子膜を移動して吸着させ、それを異なる区
画で金電極12に累積するようにした。
【0012】以上のグルコースセンサ10を用いて、式
(1)で生成する過酸化水素を測定してグルコースを定
量するのである。作製されたグルコースセンサ10は、
濃度10mg・dl-1のグルコースに対し、1nAの応
答電流を示すことが確認された。そして、この場合、吸
引ポンプ14の駆動の有無により、応答時間に与える影
響を試験した。この試験結果からは、吸引ポンプ14の
吸引力によっても相違するが、吸引ポンプ14を駆動し
ないとき(測定に最適な応答電流値が平均的に1分経過
後であった)に対して、相対的に早く応答(平均的に
0.3から0.7分後)することが認められ、検出感度
が良好であった。また、吸引ポンプ14による吸引力の
大きさを変えた場合には、吸引力が極端に強すぎると応
答が不安定になることもあったが、全体的には応答が優
れたものとなり、高感度化が図られることが確認でき
た。これは、生成される過酸化水素が適度の吸引力によ
りセンサ感応部である金電極に引き寄せられるからと推
測される。
(1)で生成する過酸化水素を測定してグルコースを定
量するのである。作製されたグルコースセンサ10は、
濃度10mg・dl-1のグルコースに対し、1nAの応
答電流を示すことが確認された。そして、この場合、吸
引ポンプ14の駆動の有無により、応答時間に与える影
響を試験した。この試験結果からは、吸引ポンプ14の
吸引力によっても相違するが、吸引ポンプ14を駆動し
ないとき(測定に最適な応答電流値が平均的に1分経過
後であった)に対して、相対的に早く応答(平均的に
0.3から0.7分後)することが認められ、検出感度
が良好であった。また、吸引ポンプ14による吸引力の
大きさを変えた場合には、吸引力が極端に強すぎると応
答が不安定になることもあったが、全体的には応答が優
れたものとなり、高感度化が図られることが確認でき
た。これは、生成される過酸化水素が適度の吸引力によ
りセンサ感応部である金電極に引き寄せられるからと推
測される。
【0013】なお、本発明者らは、生成される過酸化水
素に対し、実際にセンサ感応部で感知している量がどの
程度の割合であるかを次のような試験を通して調べた。
グルコースセンサ10は濃度10mg・dl-1のグルコ
ースに対し、1nAの応答電流を示した。一方、用いた
過酸化水素電極は濃度2.4μg・dl-1の過酸化水素
に対し、1nAの応答電流を示した。この結果から次の
ように推定することができる。即ち、式(1)からグル
コース1モル当量に対し、生成される過酸化水素は1モ
ル当量である。使用している2極電極は同じなので、生
成した過酸化水素がもれなく検出されていれば、グルコ
ースと過酸化水素は同モル当量濃度となるはずである。
ここで、過酸化水素の分子量は34、グルコースの分子
量は180であるから、2.4μg・dl-1の過酸化水
素と同モル当量濃度のグルコースは次式から求められ
る。 2.4μg・dl-1×180÷34=12.7μg・dl-1 ところが、実際の測定においては、同じ応答電流を得る
のに10mg・dl-1のグルコースが必要であった。よ
って、作製されたグルコースセンサ10で検出されてい
るのは、12.7μg・dl-1÷10,000μg・d
l-1×100となり、約0.1%程度となる。以上のこ
とからも、本発明の如く吸引機構を付設することによ
り、生成される過酸化水素などの被感知物が金電極など
のセンサ感応部に効果的に引き寄せられ、自然拡散が多
少なりとも阻止されて、検出感度を上昇できるものとい
える。
素に対し、実際にセンサ感応部で感知している量がどの
程度の割合であるかを次のような試験を通して調べた。
グルコースセンサ10は濃度10mg・dl-1のグルコ
ースに対し、1nAの応答電流を示した。一方、用いた
過酸化水素電極は濃度2.4μg・dl-1の過酸化水素
に対し、1nAの応答電流を示した。この結果から次の
ように推定することができる。即ち、式(1)からグル
コース1モル当量に対し、生成される過酸化水素は1モ
ル当量である。使用している2極電極は同じなので、生
成した過酸化水素がもれなく検出されていれば、グルコ
ースと過酸化水素は同モル当量濃度となるはずである。
ここで、過酸化水素の分子量は34、グルコースの分子
量は180であるから、2.4μg・dl-1の過酸化水
素と同モル当量濃度のグルコースは次式から求められ
る。 2.4μg・dl-1×180÷34=12.7μg・dl-1 ところが、実際の測定においては、同じ応答電流を得る
のに10mg・dl-1のグルコースが必要であった。よ
って、作製されたグルコースセンサ10で検出されてい
るのは、12.7μg・dl-1÷10,000μg・d
l-1×100となり、約0.1%程度となる。以上のこ
とからも、本発明の如く吸引機構を付設することによ
り、生成される過酸化水素などの被感知物が金電極など
のセンサ感応部に効果的に引き寄せられ、自然拡散が多
少なりとも阻止されて、検出感度を上昇できるものとい
える。
【0014】なお、本発明は、各種のバイオセンサに適
用する際して、最適な吸引力の範囲を予め試験しておく
ことにより、感知性能をより的確に向上できる。また、
本発明は、各種のバイオセンサに適用可能なことはいう
までもないが、特に微小電極やISFETなどを用いた
マイクロバイオセンサでは感度低下を生ずるので有効と
なる。
用する際して、最適な吸引力の範囲を予め試験しておく
ことにより、感知性能をより的確に向上できる。また、
本発明は、各種のバイオセンサに適用可能なことはいう
までもないが、特に微小電極やISFETなどを用いた
マイクロバイオセンサでは感度低下を生ずるので有効と
なる。
【0015】
【発明の効果】以上の実施例から明かなように、本発明
のバイオセンサは、応答促進用の吸引機構を作動するこ
とにより、分子識別部による測定対象側の化学物理的変
化(例えば消費または生成物)が検出手段のセンサ感応
部に引き寄せられるので、自然拡散を前提とする従来セ
ンサに対して検出感度が大きく向上し、高性能化に寄与
できる。
のバイオセンサは、応答促進用の吸引機構を作動するこ
とにより、分子識別部による測定対象側の化学物理的変
化(例えば消費または生成物)が検出手段のセンサ感応
部に引き寄せられるので、自然拡散を前提とする従来セ
ンサに対して検出感度が大きく向上し、高性能化に寄与
できる。
【図1】本発明の実施例として示すグルコースセンサの
平面図である。
平面図である。
【図2】前記グルコースセンサの側面図である。
【図3】前記グルコースセンサの過酸化水素電極の性能
を示した図である。
を示した図である。
【図4】バイオセンサの原理を示す模式図である。
10 グルコースセンサ 11 基板 11a 小孔 12,13 金電極 16 分子識別部 14 吸引ポンプ(吸引機構)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基質特異性を有する酵素などを固定化し
た分子識別部を、分子識別部による測定対象側の物理的
または化学的な変化を感知して電気信号に変える検出手
段に組み合わせたバイオセンサにおいて、前記検出手段
は、被感知物を検出手段のセンサ感応部へ引き寄せる応
答促進用の吸引機構を備えたことを特徴とするバイオセ
ンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3197388A JPH0518931A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | バイオセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3197388A JPH0518931A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | バイオセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0518931A true JPH0518931A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16373683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3197388A Pending JPH0518931A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | バイオセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0518931A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001025472A1 (en) * | 1999-10-05 | 2001-04-12 | Bioett Ab | Biosensor and its use to indicate the status of a product |
WO2012011479A1 (ja) | 2010-07-22 | 2012-01-26 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 検出デバイス及びバイオセンサ |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP3197388A patent/JPH0518931A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6642016B1 (en) | 1999-10-05 | 2003-11-04 | Bioett Ab | Biosensor and its use to indicate the status of a product |
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