JPH05184290A - 植物体の鮮度保持方法 - Google Patents

植物体の鮮度保持方法

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JPH05184290A
JPH05184290A JP374892A JP374892A JPH05184290A JP H05184290 A JPH05184290 A JP H05184290A JP 374892 A JP374892 A JP 374892A JP 374892 A JP374892 A JP 374892A JP H05184290 A JPH05184290 A JP H05184290A
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plant
freshness
cut
aqueous solution
substance
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JP374892A
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Hitoshi Hatamoto
均 畑本
Taisuke Iwasaki
泰介 岩崎
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カット野菜等の裁断植物体の鮮度低下を抑制
する。 【構成】 収穫後の植物体を水洗、分割、非食部除去、
裁断の後、植物生理活性剤(サイトカイニン活性を有す
る物質)を含有した洗浄用溶液に浸漬し、脱水後、減圧
包装で冷蔵保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収穫後に裁断され流通
される野菜類、果実類等の植物体の鮮度を保持する技術
に関し、特に、店頭における裁断野菜類のシェルフライ
フを延長し得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】植物性食品である裁断植物体として最も
代表的なものは、生食用のいわゆるカット野菜と称せら
れ、広く市場に流通されている。
【0003】カット野菜の需要は、女性の社会進出、単
身赴任の増加、核家族化の進行、また外食産業の急速な
伸びを背景に年々増加しているのが現状である。
【0004】しかし、スーパー、量販店、コンビニエン
スストアー等で売られているカット野菜は、品質保持
上、適正な加工・流通手段に付されているとはいえず、
このため野菜の切断面の褐変、異臭、腐敗、萎凋などに
よる品質の低下(商品の Shelflife は3〜4日程度)
が日常的問題として招来している。
【0005】品質低下を生じ易い一つの理由は、カット
野菜の品質に影響を与える要因が単一でなく画一的対処
が困難であることによる。これまでに知られている品質
低下要因としては、 ・切断刃の切れ味 ・切断幅 ・洗浄方法(化学薬品処理を含む) ・脱水方法 ・包装の種類と形態 ・保存温度 等が挙げられる。
【0006】これら個々の要因については、詳細に検討
されている。最適条件として一例を挙げると鋭利な刃に
よる切断、冷却水(5〜8℃)による洗浄、バスケット
型遠心分離機(φ52cm、1000rpm)で30秒
脱水、60ミクロンのポリエチレン袋の充填後、脱気
(150mmHg)包装、1〜5℃での保存(H.Oota,
W.Sugawara, Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol.3
4, No.7, 439 〜442,(1987))の組み合せにより7日間
品質保持が可能であるとの知見があるが、7日間生食に
耐えられる程度の品質をたもてるかは疑問である。
【0007】また、洗浄剤、化学薬品処理についても検
討されているが、次亜塩素酸ナトリウム、アスコルビン
酸には顕著な効果がないことが知られている(H.Oota,
W.Sugawara, Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol.3
4, No.7, 439 〜442,(1987))。その他、二酸化硫黄、
塩素水、リン酸塩を適用した実験(H.R.Bolin et al.,
J.Food Science,42,1319〜(1977))、アスコルビン酸、
ソルビン酸等をミックスサラダに適用した実験(P.E.Pr
iepke et al., J.Food Science,41,379〜(1976))があ
るが、いずれも高い効果は認められない。効果が確認さ
れた例としては、1%の食塩水の褐変防止効果(カット
キャベツ)が挙げられる(河野澄夫「カット野菜の鮮度
保持」、食品の鮮度保持と保存技術I 工業技術会 19
88)程度しか知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の実情に鑑み、洗浄処理等の操作自体を複雑化する
ことなく、特定の洗浄剤を用いることで、カット野菜等
の裁断植物体の鮮度低下を有効に抑制する方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的は次に示す手
段により達成される。即ち、本発明は、収穫後に裁断さ
れた植物体を、植物生長物質を含有する水溶液に浸漬す
るかあるいは該水溶液で洗浄することにより、裁断植物
体の鮮度低下を抑制することを特徴とする植物体の鮮度
保持方法であり、又、収穫後に裁断された植物体を、植
物生長物質を含有する水溶液に浸漬するかあるいは該水
溶液で洗浄した後、植物体に付着した余剰水分を除去
し、ガスバリア性のあるプラスチック袋に収納し軽度に
減圧包装後、冷蔵保存することにより、裁断植物体の鮮
度低下を抑制することを特徴とする植物体の鮮度保持方
法である。
【0010】本発明によれば、処理工程を何ら複雑化す
ることなく、裁断植物体の褐変、異臭などの品質劣化を
有効に抑えることができ、一週間以上のシェルフライフ
を確保することが可能となる。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】まず、本発明において対象とする植物体と
は、植物性食品としての葉菜類、茎菜類、根菜類及び果
菜類等の野菜類、および果実類等をいう。葉菜類として
はハクサイ、キャベツ、レタス、ホウレンソウ等、主と
して葉の部分を食用とするもの、茎菜類としてはタマネ
ギ、タケノコ、アスパラガス、セロリー、シイタケ等、
主として茎や茎相当部分を食用とするもの、根菜類とし
てはサツマイモ、ゴボウ、レンコン、ダイコン、ニンジ
ン等、根や根相当部分を食用とするもの、果菜類として
は、カボチャ、キュウリ等、実を食用とするものをそれ
ぞれ挙げることができる。又、果実類としては、リン
ゴ、イチゴ、カキ等を挙げることができる。 本発明に
おいて特に対象とするのは、上記したような植物体のう
ち収穫後に裁断された形で需要者に提供されるものであ
る。裁断された裁断端面である切り口は特に酵素的褐変
を受け易く、未処理状態に放置すれば速やかに酵素的褐
変現象を生じ品質が劣化するからである。これは、チロ
シン、クロロゲン酸、カテキン等のフェノール類がポリ
フェノールオキシダーゼの作用で酸化し、キノンを生
じ、最終的にメラニンを生ずる反応に基づいている。
【0013】これら酵素反応はもちろん加熱処理により
酵素を失活させれば抑えることが可能であるが、生食用
の植物体にあっては、加熱処理できないので、加熱以外
の手段で上記酵素反応を抑える必要がある。その一例と
しては、従来技術で述べたように、アスコルビン酸の添
加によりアスコルビン酸自身をフェノール化合物の代り
に酸化させ、酸化による褐変を抑える方法が知られてい
るが、この方法ではアスコルビン酸が全て酸化されてし
まえば、もはや褐変を防止できないため、不充分であ
る。又、うすい食塩水に裁断植物体を浸漬することによ
りポリオキシダーゼの活性を阻害し褐変を防ぐ方法も周
知であるが、その防止効果は充分とはいいがたい。
【0014】このように、裁断した植物体であって、特
に生食に供するものでは、切り口部分の酸化による褐変
が重大な問題となる一方、その対策に充分なものがない
のが実情である。又、例え生食用のものでなくとも、流
通過程では生の状態であるのが普通であるので、流通過
程を含めた鮮度保持対策を講ずる必要がある。
【0015】裁断植物体の代表例は、従来技術で述べた
ようにカット野菜類である。カット野菜類ではほとんど
の野菜が数mm幅の短冊状に切断されているため、切り
口部分の占める割合が比較的多く、酸化による褐変作用
を受け易い。前述に例示例挙したもののなかでは、レタ
ス、キャベツ、タマネギ、セロリ、ダイコン、ニンジ
ン、キュウリ等がカット野菜として用いられることが多
く、この意味で、これら野菜類が本発明の好適な対象と
いえる。
【0016】更に、カット野菜類では微生物の影響も大
きく、シェルフライフを決定する一つの重大な要素とな
っている。即ち、カット野菜類は、通常、プラスチック
袋に充填され、内部は常にウェットな状態であり、微生
物の増殖を招きやすく、又、袋に充填する前のカット野
菜の微生物汚染を完全に排除することはできない。この
結果、前述、酸化による褐変反応と相まって切り口部か
らの異臭発生を生じ易い。この点においても、本発明の
方法は極めて有効である。
【0017】なお、本発明において、「収穫後」とは、
土耕、水耕における生育中の植物体は対象とせず、収穫
した後の植物体のみを対象とする意味であり、又、「裁
断」とは、流通過程にのせる前後等、時期を問わず植物
体を所定の大きさに裁断することをいい、裁断の手段、
大きさは特に限定されない。カット野菜類の場合は、通
常数mm〜数十mm程度の短冊状が一般的である。
【0018】収穫から裁断までの工程は植物体の用途に
応じ適宜選定され、特に限定されないが、カット野菜類
等では通常は、収穫、水洗(前処理洗浄)、分割、不要
部除去、裁断の工程をとるのが一般的である。
【0019】収穫から裁断までの加工は、なるべく短期
間で実施するのがよく、好ましくは収穫後3日以内に水
洗工程に付し、それ以降は連続的に処理を行うのがよ
い。裁断までの時間が長くかかれば、酵素反応、微生物
増殖、乾燥等の影響を受け植物体の老化が促進される。
老化がある程度以上進行すれば、それ以降、いかなる手
段を講じても鮮度が回復することはないので、初期の植
物体鮮度は重要である。特に、本発明による鮮度低下抑
制手段の適用には、初期の植物体鮮度がそれほど低下し
ていないことが好ましい。
【0020】水洗は、植物体に付着する土等を洗い落す
ことが目的であり、常法に従い実施すればよい。
【0021】分割、不要部分の除去は、不可食部分の除
去及び裁断処理上の便宜のために実施するが、常法に基
き実施できる。
【0022】裁断は、好ましくは鋭利な刃を用いて実施
するが、これにより裁断端面の細胞破壊の程度を小さく
し、浸出してくる有機酸や各種の加水分解酸素の量を少
なくすることにより、裁断によって生成してくるエチレ
ン量を抑えることができ、かつ酸化の影響も受けにくく
することができる。鋭利な刃を用いた裁断手段として
は、フードスライサーを用いた方法、ステンレス製の包
丁を用いた方法等が挙げられる。
【0023】次に、本発明に係る洗浄工程について説明
する。本発明においては、洗浄工程で植物生長物質を含
有する水溶液を用いる。植物生長物質とは、植物の形態
形成をひき起す要素のうち、栄養的な要素以外の物質の
総称をいい、植物ホルモン又は植物生理活性物質とも称
されているものの他、植物の代謝に関与するアミノ酸等
を含む。植物生長物質にはオーキシン、ジベレリン、サ
イトカイニン、アブシジン酸、エチレン等が知られてい
るが、個々の物質で作用効果が異なるが、いずれも、専
ら生育中の植物体における作用効果であり、収穫後であ
って裁断工程後の洗浄処理での作用効果はほとんど知ら
れていない。換言すれば、植物の形態形成の制御と裁断
後の鮮度保持とは全く異なる技術である。一般に植物生
長剤として利用される物質は、組織培養に用いる場合を
除き、生育中の植物体の主に根から吸収され、効果を奏
するが、このものを洗浄剤として用いる場合では作用メ
カニズムが相当に相違していると考えられる。
【0024】生育中以外の植物体への植物生長物質の影
響もいくつかすでに知られている。例えばエチレンは植
物細胞におけるセルラーゼなど細胞壁多糖類を分解する
酵素の生成を引き起し、収穫後の老化や熟成を促進する
ので、エチレンガスを除去することで鮮度の保持を図る
ものであるが、これは、発生したエチレンガスを除去す
るという消極的な手段であり、例えば、果実など収穫後
もエチレンガスを発するものには有効でも、裁断され洗
浄されたカット野菜等では効果がさほど大きくない。
又、ジベレリンやサイトカイニンを葉の切片に与えると
葉の老化が阻害されることも知られているが、これは切
り取った直後の葉に対する効果であり、かつ該葉に常に
浸漬した場合の効果である。従って、収穫後、水洗、分
割、裁断、洗浄等の工程を経た裁断植物体の洗浄処理に
おいての植物生長物質の使用が鮮度低下を有効に抑制す
ることができるという知見は全く知られていなかったも
のである。
【0025】本発明において用いることのできる植物生
長物質としては、前述オーキシン、ジベレリン、サイト
カイニン、アブシジン酸等の合成体、単離体を挙げるこ
とができるが、好ましくはサイトカイニン活性を有する
物質である。サイトカイニン活性を有する物質とは、サ
イトカイニンの単離体に限らず、同様の活性を呈する物
質を包含するものであり、具体的に化学構造が特定され
ていなくともよい。サイトカイニン活性を有する物質を
サイトカイニン様物質と以下称する。サイトカイニン様
物質としては、上市されている植物生理活性剤のうち、
サイトカイニン様物質を含有するものを用いることがで
きる。このようなサイトカイニン様物質は、例えば公知
のバイオテクノロジー技術の応用により菌体抽出物とし
て回収することができる。
【0026】又、上市の植物生理活性剤には各種アミノ
酸や糖類、ビタミン等を含有しているものが多いが、本
発明における植物生長物質には代謝系に関与する各種の
アミノ酸も含まれ、この他、タンパク質系のアミノ酸、
糖類等、栄養成分となり得る物質が併存していてもよ
い。
【0027】洗浄処理に用いる水溶液中に含有させる植
物生長物質の濃度は0.01〜2mg/l程度である。
濃度が小さければ鮮度保持効果が小さく、又、濃度が高
ければ効果は大きいが、高すぎても効果の向上は認めら
れない。上市の植物生理活性剤はその内容成分が不明の
ものも多く、この場合は何の量をもって植物生長物質の
濃度とするかは問題であるが、植物生理活性剤として調
製された製剤にあっては、概ね、該製剤濃度が0.01
%〜2%程度で鮮度保持効果があるといえる。換言すれ
ば、生育中の植物体の生理活性を促進する製剤を、裁断
後の植物体の洗浄工程に提供することができ実用的であ
る。
【0028】植物生長物質を含有する水溶液には更に、
NaClやアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム
等、公知の鮮度劣化抑制物質を含有させてもよく、又、
含有させることで植物生長物質との相乗効果が得られ
る。この相乗効果も、従来技術からは予測できない今ま
で知られていなかったものである。
【0029】水溶液中に添加できるNaClは0〜4%
程度、アスコルビン酸ナトリウムでは0〜7%程度がよ
い。NaClは添加量が多くなれば溶液の浸透圧が大き
くなり、植物組織が脱水を起すことがある。又、アスコ
ルビン酸ナトリウムの濃度が高くなると褐変防止には明
確な効果が現われるが、pHの低下や浸度圧の上昇によ
って植物組織に悪影響が生じ、結果的に品質が劣化す
る。この他にも、アミノ酸や糖等を必要により添加し得
る。
【0030】ここで、植物生長物質が洗浄用の溶液の形
態で植物体の鮮度低下抑制効果を発揮する理由は、何ら
かのメカニズムでエチレンの生成を抑えることによって
セルラーゼ活性を低下させるためと考えられるが、かな
らずしも明らかではない。又、NaCl、アスコルビン
酸等との相乗効果の理由もはっきりしていない。
【0031】実際の洗浄処理は以下の如く実施できる。
裁断後の植物体は、裁断後できるだけ早く、例えば30
分以内に洗浄処理にかけるとよい。長時間裁断した状態
で放置すれば、鮮度は時間とともに劣化が増大するから
である。
【0032】洗浄処理の方法は大別して2通りである。
1つは前記水溶液中に植物体を浸漬する方法、他方は、
前記水溶液を用いて洗浄する方法である。浸漬による方
が裁断植物体と溶液との接触を確実とすることができ、
又、操作も簡便であることから好ましい。該水溶液を用
いて洗浄する場合は、スプレー方式、シャワー方法等に
より実施できる。浸漬による場合は、裁断植物体が充分
浸漬できる量の前記水溶液に数秒間〜数十分間、好まし
くは数分間浸漬するとよい。浸漬時間が長くなると栄養
分が流出し、品質が変化する。水溶液の温度は鮮度に影
響するため、一般的に0〜10℃、好ましくは0〜5℃
がよいが、青果物によって異なる。洗浄後は常法に基づ
き取扱うことができるが、鮮度保持の観点からは以下に
述べる処理を施すことが好ましい。
【0033】即ち、洗浄工程後、まず余剰水分を除去す
る。余剰水分の除去は、例えばバケット型遠心分離機
(φ52cm、1000rpm程度)で30秒程度脱水
すればよいが、裁断植物体を袋に収納した場合、放置し
ても袋の底に水がたまらない程度まで脱水されていれば
手段を問わない。
【0034】脱水後は、ポリエチレン袋等のプラスチッ
ク袋に収納し、減圧包装するとよい。
【0035】脱気は50mmHg〜300mmHg程度
がよい。裁断植物体は無菌でないため、高度に脱気すれ
ば裁断植物体上にわずかに存在する微生物によって嫌気
発酵が起こり、腐敗の原因となる。
【0036】プラスチック袋は減圧状態を維持できるよ
う40〜60ミクロンのポリエチレン袋等が好ましい
が、特に制限はない。又、遠赤外線発生袋やエチレン吸
収性袋等も使用でき、鮮度低下をより一層効果的に実現
することができる。包装後は植物体が凍結しない10℃
以下で保存することが望ましい。
【0037】このようにして処理された裁断植物体は、
褐変や異臭の発生が有効に抑止され、袋に充填後、最低
7日間程度は生食に耐えられる鮮度を保持することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0039】植物生長物質として植物生理活性剤である
スノーグローエース(商品名:雪印種苗株式会社、サイ
トカイニン様物質、アミノ酸類、糖類を主成物とする菌
体抽出物)を用いたが、これと同等の他の植物生理活性
剤も用い得る。又、植物体としては、収穫後2日目の栃
木県産のレタス(Lacluca satiba L. )及び収穫後3日
目の栃木県産のキャベツ(Brassica cleracea L.)を用
いた。実施例1〜4及び比較例1〜4 レタスを分割、外葉、芯を除去し、鋭利な刃で幅約3m
mの短冊状に切断した。水道水で充分に汚れを落とし、
ただちに下記の洗浄液(4〜5℃)に3分間浸漬し洗浄
した。
【0040】 実施例1 0.1%スノーグローエース 〃 2 3%アスコルビン酸ナトリウム、0.1%スノーグローエース 〃 3 1%NaCl、0.1%スノーグローエース 〃 4 1%NaCl、3%アスコルビン酸ナトリウム、 0.1%スノーグローエース 比較例1 1%NaCl 〃 2 3%アスコルビン酸ナトリウム 〃 3 3%アスコルビン酸ナトリウム、1%NaCl 〃 4 水道水 余分な水分を除去するため、洗濯機で90秒脱水した。
60ミクロンのポリエチレンの袋にカットレタスを50
g入れ、150mmHg程度に真空包装し、5℃で所定
期間保存した。
【0041】各洗浄条件で処理したカットレタスの褐変
および異臭の程度、ならびに総合の3項目について次の
基準に従って、5段階評価を行った。なお、この評価法
で生食できる限界は4点である。
【0042】 総合評価結果を表1に示す。表中の数値は、前記の実験
を2回繰り返し行い、評価者5人の点数の平均値であ
る。
【0043】
【表1】 表から明らかなように、植物生理活性剤含有溶液を用い
た実施例ではいずれも比較例より鮮度が長く保持されて
いた。又、植物生理活性剤単独使用よりも、アスコルビ
ン酸ナトリウム、NaClとの併用がより長い鮮度保持
が実現できた。 実施例5〜8及び比較例5〜8 キャベツを分割、外葉、芯を除去し、鋭利な刃で幅約1
〜2mmの短冊状に切断した。水道水で充分に汚れを落
とし、すぐに下記の洗浄液(4〜5℃)に3分間浸漬し
洗浄した。
【0044】 実施例1 0.1%スノーグローエース 〃 2 3%アスコルビン酸ナトリウム、0.1%スノーグローエース 〃 3 1%NaCl、0.1%スノーグローエース 〃 4 1%NaCl、3%アスコルビン酸ナトリウム、 0.1%スノーグローエース 比較例1 1%NaCl 〃 2 3%アスコルビン酸ナトリウム 〃 3 3%アスコルビン酸ナトリウム、1%NaCl 〃 4 水道水 余分な水分を除去するため、洗濯機で90秒脱水した。
60ミクロンのポリエチレンの袋にカットレタスを50
g入れ、150mmHg程度に真空包装し、5℃で所定
期間保存した。
【0045】各洗浄条件で処理したカットキャベツの褐
変および異臭の程度、ならびに総合の3項目について次
の基準に従って、5段階評価を行った。なお、この評価
法で生食できる限界は4点である。
【0046】 総合評価結果を表2に示す。表中の数値は、前記の実験
を2回繰り返し行い、評価者5人の点数の平均値であ
る。
【0047】
【表2】 表から明らかなように、植物生理活性剤含有溶液を用い
た実施例ではいずれ比較例より鮮度が長く保持されてい
た。又、植物生理活性剤単独使用よりも、アスコルビン
酸ナトリウム、NaClとの併用がより長い鮮度保持が
実現できた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、植物生長物質を裁
断植物体の洗浄処理に用いることにより、簡単な操作で
植物体の鮮度低下を有効に抑制し、シェルフライフをよ
り長く保持できる。特に、本発明はカット野菜の鮮度保
持に有効であり、保存形態、保存方法の適正化により更
に長期の鮮度保持が可能である。又、植物生長物質とN
aCl、アスコルビン酸ナトリウム等との併用によれば
より高い効果が得られ、本発明は食品の保存技術として
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23B 7/148 9281−4B 7/157 B65D 85/50 C 7445−3E 9281−4B A23B 7/04 9281−4B 7/148

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収穫後に裁断された植物体を、植物生長
    物質を含有する水溶液に浸漬するかあるいは該水溶液で
    洗浄することにより、裁断植物体の鮮度低下を抑制する
    ことを特徴とする植物体の鮮度保持方法。
  2. 【請求項2】 収穫後に裁断された植物体を、植物生長
    物質を含有する水溶液に浸漬するかあるいは該水溶液で
    洗浄した後、植物体に付着した余剰水分を除去し、ガス
    バリア性のあるプラスチック袋に収納し減圧包装後、冷
    蔵保存することにより、裁断植物体の鮮度低下を抑制す
    ることを特徴とする植物体の鮮度保持方法。
  3. 【請求項3】 植物生長物質がサイトカイニン活性を有
    する物質である請求項1又は2に記載の鮮度保持方法。
  4. 【請求項4】 水溶液が、植物生長物質の他にNaCl
    及び/又はアスコルビン酸ナトリウムを含有する請求項
    1又は2に記載の鮮度保持方法。
  5. 【請求項5】 水溶液中の植物生長物質が植物生理活性
    剤の濃度として0.01%〜2%含有されている請求項
    1又は2に記載の鮮度保持方法。
  6. 【請求項6】 植物体が、カット野菜類用のものである
    請求項1又は2に記載の鮮度保持方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112889916A (zh) * 2021-03-17 2021-06-04 云南省农业科学院农产品加工研究所 一种生菜抗褐变保鲜剂及其制备方法和应用

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CN112889916A (zh) * 2021-03-17 2021-06-04 云南省农业科学院农产品加工研究所 一种生菜抗褐变保鲜剂及其制备方法和应用

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