JPH0517485U - 生ごみ乾燥器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】悪臭、ハエ等の徘徊による不快感、不潔感を一
掃し、ごみ廃棄時の取扱い易さ、設備の経済性、焼却処
理場における燃料の節約等、簡便で安価な生ごみ乾燥機
を提供する。 【構成】通気性を有する内側収納体とこれを取り囲むよ
うに設けられた外側収納体との間に隙間を設け、該隙間
に気流の入口と出口を設けて気流を流すようにし、好ま
しくは前記出口に通気性の臭気吸着材を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家庭用としても採用し得るより安価で、操作の簡単な生ごみ乾燥器 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、廃棄物処理が大きな社会問題となっており、産業廃棄物のみならず家庭 廃棄物においても、その処理に関して大きくクローズアップされて来ている。特 に生ごみに関しては収集場所での悪臭、カラス、ネズミ、ゴキブリ等の出没の苦 情や、焼却時に多量の燃料を消費する等、自治体への負担も増大し大きな問題と なっている。家庭内においても同様な状況であり、収集日までの数日間、ビニー ル袋やポリバケツに密封保管する手段によりこれらの問題を対処しているのが現 状である。

【０００３】 かかる問題を解決するために、最近では種々な家庭用生ごみ処理技術が考案 されてきている。例えば、マイクロ波による乾燥、生ごみの冷凍技術、或いは家 庭用焼却機等々が考案され一応の効果は認められるようになった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、その設備費用、設置場所、操作の煩雑さ等の点から、一般家庭に普 及するには至っていないのが実情であり、より安価で、操作の簡単な家庭用生ご み処理器の提案が望まれている。 本考案の目的はこの要望に応えることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案者らは種々の生ごみ処理手法について鋭意検討した結果、気流を用いた 簡便な方法により、生ごみを乾燥させ、腐敗、カビ、ゴキブリ等に関する様々な 問題を解決し得る見通しを得て、本考案を提案するに至った。

【０００６】 すなわち、本考案は通気性を有する内側収納体とこれを取り囲むように設けら れた外側収納体とからなり、該両収納体間には隙間が設けられており、該隙間間 に気流を流すようにしてなることを特徴とした生ごみ乾燥器を主要な構成として いる。

【０００７】

【作用】

内側収納体内に投入された生ごみに含まれる水の一部は、内側収納体の多数の 孔より滴下し下水溝あるいは浄化槽へと導かれる。しかし生ごみには未だに充分 な水分が含まれており、内側収納体及び外側収納体の内部はかなりの高湿度状態 となっているが、外側収納体に設けられた気流入口から気流を導入することによ り、該導入気流と内外両収納体内に滞留する高湿度空気や臭気等が攪拌されなが ら出口より排出され、両収納体内の湿度を順次低下せしめる。この湿度低下作用 は両収納体内の湿度と導入される気流の湿度とが同程度となるまで繰り返され、 ついには乾燥ごみを得ることが出来る。そして気流の出口通路上に備えられた臭 気吸着材により生ごみの臭気をなくし、それらの臭気による不快感や不潔感を除 去する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の代表的な実施例を図面に従って具体的に説明する。図１は本考 案に係る生ごみ乾燥器の一例を示す概略断面図である。

【０００９】 内側収納体１は、通気性を得る多数の孔２を有しており、該内側収納体１とこ れを取り囲むように設けられた外側収納体３とは、外側収納体３の上部内面に設 けられた係止部１０と内側収納体１の上端に設けられたフランジ部１１により適 当な隙間を持って保持されている。外側収納体３の上端には開閉蓋８が取り付け られ、側面の一部には気流を導入するための入口４と通気性を有する臭気吸着材 ６を備えた気流の出口５が設けられており、また底面には図示せぬ下水溝或いは 浄化槽へと導かれる排水口７が設けられている。

【００１０】 開閉蓋８の開閉により、内側収納体１内へ投入された生ごみ９に含まれた水の 一部は多数の孔２より滴下し排水口７から下水溝あるいは浄化槽へと導かれる。 しかし生ごみ９には未だに充分な水分が含まれており、内側収納体１及び外側収 納体３の内部はかなりの高湿度状態となっており、従来はこの状態で保管するの が普通であった。

【００１１】 しかしながら、本考案によれば外側収納体３に設けられた入口４から、気流を 導入することにより、該導入気流と両収納体１，３内に滞留する高湿度空気や臭 気等が攪拌されながら出口５より排出され、両収納体１，３内の湿度を順次低下 せしめるものである。この湿度低下作用は両収納体１，３内の湿度と導入される 気流の湿度とが同程度となるまで繰り返され、ついには乾燥ごみを得ることが出 来ることとなる。更には出口５に備えられた臭気吸着材６により、生ごみ臭によ る不快感、不潔感を除去することが出来る。

【００１２】 入口４から導入される気流には、自然大気気流、気流発生装置による気流等が 考えられるが、少なくとも両収納体１，３内より低湿度な気流であれば、いかな る手法、手段によって得られても構わない。

【００１３】 気流発生装置として除湿器を用いた場合には、除湿器の空気吹出口と気流入口 ４を、また除湿器の吸込口と気流出口５をそれぞれ連通させて環状に循環させる ことで、高湿度空気、臭気の飛散を防ぐことが出来る。また、このとき臭気吸着 材６は外側収納体３ではなく、除湿器に備えられていても、あるいは双方に備え られていても構わない。更には該臭気吸着材に殺菌、除菌等の機能を具備させる ことも考えられる。

【００１４】 内側収納体１は湿度を含んだ気流の通気性と生ごみを保持し得る強度を有して おればよいが、生ごみ９を流出させない程度の通水性を有しているのが望ましい 。またその素材形態も、たとえば、パンチングメタル、金属メッシュ、あるいは 同様の加工が施されたプラスチック、繊維袋等が考えられるが、市販の各種水切 り袋を内側収納体としても構わない。

【００１５】 図２は本考案を流し台キャビネット２０に一体化した例を示し、流し台シンク ２１の側部空間に本考案の生ごみ乾燥器を設置したものである。この例の場合、 生ごみ乾燥器の排水口７を流し台シンク２１の排水口２２に接続してあり、生ご み乾燥器の気流入口４および出口５を流し台キャビネット２０の側面に開口させ て形成してある。

【００１６】 図３は本考案をシステムキッチンの一ユニットとして構成した例を示し、同図 中、符号２０は流し台キャビネット、２１は流し台シンク、３０は本考案に係る 生ごみ乾燥器キャビネット、４０はコンロ台キャビネット、５０は調理台キャビ ネットを示している。これらのキャビネットのうち、本考案に係る生ごみ乾燥器 キャビネット３０以外のキャビネットは従来の構造を有し、格別に変わるところ がない。本考案の生ごみ乾燥器は内外両収納体１，３が上部に配され、気流発生 装置１５を下部に配して、全体がキャビネット内に収納されて一ユニットを構成 している。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く本考案によれば、通気性を有する内側収納体と、 これを取り囲むようにして設けられた外側収納体とからなり、両収納体の間に設 けられた隙間に気流を導入することによって、容易に乾燥ごみを得ることを可能 としたものである。かかる構成をもつ本考案は簡便で安価な装置であり、従来は 高湿度な環境下で数時間乃至数日間放置されていたがために発生していた生ごみ の腐敗やカビ等による悪臭、ゴキブリ、ハエ等の徘徊による不快感、不潔感を一 掃し、ごみ廃棄時の取扱い易さ、設備の経済性、更には乾燥ごみとして廃棄され るための焼却処理場における燃料の節約等、家庭内のみならず、社会的にも大き く寄与出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例を示す概略断面図である。

【図２】本考案を流し台キャビネットに一体化した一例
を示す概略断面図である。

【図３】本考案をシステムキッチンの一構成ユニットと
した一例を示す概略斜視外観図である。

【符号の説明】

１ 内側収納体 ３ 外側収納体 ４ 気流入口 ５ 気流出口 ６ 臭気吸着材 ７ 排水口 ８ 開閉蓋 ９ 生ごみ 10 係止部 11 フランジ部 15 気流発生装置 20 流し台キャビネット 21 流し台シンク 22 （流し台シンクの）排水口 30 （システムキッチンの一ユニットである）生ごみ
乾燥機キャビネット 40 （システムキッチンの一ユニットである）コンロ
台キャビネット 50 （システムキッチンの一ユニットである）調理台
キャビネット

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 通気性を有する内側収納体とこれを取り
   囲むように設けられた外側収納体とからなり、該両収納
   体間には隙間が設けられており、該隙間に気流を流すよ
   うにしてなることを特徴とする生ごみ乾燥器。
2. 【請求項２】 前記隙間に気流を流すための入口及び出
   口を有し、該出口の通路には通気性の臭気吸着材を備え
   てなる請求項１記載の生ごみ乾燥器。
3. 【請求項３】 前記入口及び出口を通気路で結び、気流
   を循環させる請求項２記載の生ごみ乾燥器。
4. 【請求項４】 前記入口に気流発生装置を設けてなる請
   求項２記載の生ごみ乾燥器。
5. 【請求項５】 システムキッチンの一ユニットとして構
   成される請求項１〜４のいずれかに記載の生ごみ乾燥
   器。