JPH0517359A - 制ガン剤 - Google Patents
制ガン剤Info
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- JPH0517359A JPH0517359A JP19703491A JP19703491A JPH0517359A JP H0517359 A JPH0517359 A JP H0517359A JP 19703491 A JP19703491 A JP 19703491A JP 19703491 A JP19703491 A JP 19703491A JP H0517359 A JPH0517359 A JP H0517359A
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- Japan
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- monosaccharide
- oligosaccharide
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 N−ドデシル−β−N’−アセチルグルコサ
ミン等の糖類誘導体を有効成分とする制ガン剤。 【効果】 制ガン活性が高く、生体に対し、重篤な副作
用がなく、製造工程も簡便である。
ミン等の糖類誘導体を有効成分とする制ガン剤。 【効果】 制ガン活性が高く、生体に対し、重篤な副作
用がなく、製造工程も簡便である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制ガン剤に関する。更に
詳しくは、糖類の誘導体を有効成分とする新規な制ガン
剤に関する。
詳しくは、糖類の誘導体を有効成分とする新規な制ガン
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、制ガン剤としては、マイトマイシ
ンC、ブレオマイシン、5−フルオロウラシル、アドリ
アマイシン、メトトレキセ−ト等の化学療法剤やクレス
チン、ピシバニ−ル等の免疫療法剤が開発されている。
ンC、ブレオマイシン、5−フルオロウラシル、アドリ
アマイシン、メトトレキセ−ト等の化学療法剤やクレス
チン、ピシバニ−ル等の免疫療法剤が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者に
おいては、製造工程の複雑さや重篤な副作用の点で、ま
た後者においては、効果の点で各々難点が多く、未だ決
定的な制ガン剤は見いだされていない。本発明は生体に
対し、安全な糖類を原料とすることにより上記のような
重篤な副作用の懸念がなく、製造工程も簡便で、且つ制
ガン活性の高い制ガン剤の開発を目的とするものであ
る。
おいては、製造工程の複雑さや重篤な副作用の点で、ま
た後者においては、効果の点で各々難点が多く、未だ決
定的な制ガン剤は見いだされていない。本発明は生体に
対し、安全な糖類を原料とすることにより上記のような
重篤な副作用の懸念がなく、製造工程も簡便で、且つ制
ガン活性の高い制ガン剤の開発を目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、糖類の誘導体のうち、特
定の範囲のものに抗菌性などの生理活性があることを見
いだし、更に検討を重ねた結果、制ガン活性を有するも
のを得て、本発明に到達した。 即ち本発明は、 一般式 A−X−R1 (1) [式中、Aは単糖類(a)および単糖類1種以上を構成
単位とするオリゴ糖(b)から選ばれる糖類の残基、X
はNH、SまたはO、R1は炭素数6から24の脂肪
族、脂環式または脂環脂肪族炭化水素基を表す]で示さ
れる糖類誘導体を有効成分とする制ガン剤である。
達成すべく鋭意検討した結果、糖類の誘導体のうち、特
定の範囲のものに抗菌性などの生理活性があることを見
いだし、更に検討を重ねた結果、制ガン活性を有するも
のを得て、本発明に到達した。 即ち本発明は、 一般式 A−X−R1 (1) [式中、Aは単糖類(a)および単糖類1種以上を構成
単位とするオリゴ糖(b)から選ばれる糖類の残基、X
はNH、SまたはO、R1は炭素数6から24の脂肪
族、脂環式または脂環脂肪族炭化水素基を表す]で示さ
れる糖類誘導体を有効成分とする制ガン剤である。
【0005】本発明において、単糖類(a)としては、
例えば、下記(a1)〜(a11)が挙げられる。 (a1)トリオース(D−グリセルアルデヒド、L−グ
リセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等) (a2)テトロース(D−エリトロース、L−エリトロ
ース、D−トレオース、L−トレオース、D−エリトル
ロース及びL−エリトルロース等) (a3)ペントース(D−アラビノース、L−アラビノ
ース、D−キシロース、D−リボース、L−リキソー
ス、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロ
ース等) (a4)ヘキソース(L−グルコース、D−グルコー
ス、D−マンノース、D−ガラクトース、L−ガラクト
ース、D−タロース、D−フルクトース、L−ソルボー
ス、D−タガトース、D−プシコース等) (a5)ヘプトース(D−グリセロ−D−ガラクト−ペ
ントース、セドヘプツロース、D−マンノ−ヘプツロー
ス等) (a6)デオキシ糖[2−デオキシ糖(2−デオキシ−
D−リボース、2−デオキシ−D−グルコ−ス等)、6
−デオキシ糖(L−ラムノース、D−フコース、L−フ
コース、D−キノボース等)、D−ジギトキソース、D
−チベロース、D−アベコース、パラトース、コリトー
ス、アスカリロース等] (a7)酸性糖(ウロン酸、ケトアルドン酸等) (a8)分岐糖(アルカノース、グラジノ−ス、ノビオ
ース、L−ミカロ−ス等) (a9)硫黄糖(D−チオグルコ−ス、メチルチオ−D
−リボ−ス等) (a10)−NH2、−NHR2、−N(R2)2及び−NH
COR2(各式中、R2は炭素数1から6の炭化水素基を
表す)から選ばれる(置換)アミノ基を有する単糖類
[天然のアミノ糖(N−アセチル−D−ガラクトサミ
ン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−
D−ムラミン酸、3−アミノ−3−デオキシ−D−リボ
−ス、アモサミン、カノサミン、D−ガラクトサミヌロ
ン酸、D−ガラクトサミン、D−グルコサミン、D−グ
ルコサミヌロン酸、D−グロサミン、D−タロサミン、
デソアミン、ネオサミン−C、ノイモサミン、D−フコ
サミン、L−フコサミン、D−マンノサミヌロン酸、D
−マンノサミン、ミカミノ−ス、ミコサミン、N−メチ
ル−L−グルコサミン、ロドサミン等);アミノ基を有
する天然のアミノ糖に炭素数1〜6のアルキルハライド
または炭素数2〜7のアシルハライドを縮合させて得ら
れる天然アミノ糖の誘導体] (a11)シアル酸(N−アセチルノイラミン酸等)
例えば、下記(a1)〜(a11)が挙げられる。 (a1)トリオース(D−グリセルアルデヒド、L−グ
リセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等) (a2)テトロース(D−エリトロース、L−エリトロ
ース、D−トレオース、L−トレオース、D−エリトル
ロース及びL−エリトルロース等) (a3)ペントース(D−アラビノース、L−アラビノ
ース、D−キシロース、D−リボース、L−リキソー
ス、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロ
ース等) (a4)ヘキソース(L−グルコース、D−グルコー
ス、D−マンノース、D−ガラクトース、L−ガラクト
ース、D−タロース、D−フルクトース、L−ソルボー
ス、D−タガトース、D−プシコース等) (a5)ヘプトース(D−グリセロ−D−ガラクト−ペ
ントース、セドヘプツロース、D−マンノ−ヘプツロー
ス等) (a6)デオキシ糖[2−デオキシ糖(2−デオキシ−
D−リボース、2−デオキシ−D−グルコ−ス等)、6
−デオキシ糖(L−ラムノース、D−フコース、L−フ
コース、D−キノボース等)、D−ジギトキソース、D
−チベロース、D−アベコース、パラトース、コリトー
ス、アスカリロース等] (a7)酸性糖(ウロン酸、ケトアルドン酸等) (a8)分岐糖(アルカノース、グラジノ−ス、ノビオ
ース、L−ミカロ−ス等) (a9)硫黄糖(D−チオグルコ−ス、メチルチオ−D
−リボ−ス等) (a10)−NH2、−NHR2、−N(R2)2及び−NH
COR2(各式中、R2は炭素数1から6の炭化水素基を
表す)から選ばれる(置換)アミノ基を有する単糖類
[天然のアミノ糖(N−アセチル−D−ガラクトサミ
ン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−
D−ムラミン酸、3−アミノ−3−デオキシ−D−リボ
−ス、アモサミン、カノサミン、D−ガラクトサミヌロ
ン酸、D−ガラクトサミン、D−グルコサミン、D−グ
ルコサミヌロン酸、D−グロサミン、D−タロサミン、
デソアミン、ネオサミン−C、ノイモサミン、D−フコ
サミン、L−フコサミン、D−マンノサミヌロン酸、D
−マンノサミン、ミカミノ−ス、ミコサミン、N−メチ
ル−L−グルコサミン、ロドサミン等);アミノ基を有
する天然のアミノ糖に炭素数1〜6のアルキルハライド
または炭素数2〜7のアシルハライドを縮合させて得ら
れる天然アミノ糖の誘導体] (a11)シアル酸(N−アセチルノイラミン酸等)
【0006】本発明において、該オリゴ糖(b)として
は、上記に例示した単糖類(a)一種以上が好ましくは
2〜6個、特に2〜3個グリコシド結合したオリゴ糖が
挙げられる。上記の単糖類一種以上が2個グリコシド結
合した天然のオリゴ糖の例としては、キシロビオ−ス、
マルトース、ソホロ−ス、スクロース、トレハロース、
イヌロビ−ス、ラクトース、セロビオース、メリビオー
ス、ゲンチオビオース、N−アセチルキトビオ−ス、ビ
シアノ−ス、ソラビオ−ス、エピセロビオ−ス、ヒアロ
ビオウロン酸、コンドロシン、トレハロサミン、N−ア
セチルラクトサミン、セロビオウロン酸、6−β−グル
クロノガラクト−ス等が挙げられる。3個グリコシド結
合した天然のオリゴ糖の例としては、ラフィノース、ラ
クト−N−トリオ−スII、N−アセチルキトトリオ−
ス、フコシドラクト−ス等が挙げられる。4〜6個グリ
コシド結合した天然のオリゴ糖の例としては、スタキオ
ース、N−アセチルキトヘキサオ−ス、N−アセチルキ
トペンタオ−ス等が挙げられる。また、(b)は(a)
1種以上を用いて化学合成したオリゴ糖でもよく、オリ
ゴ糖の化学合成は、従来から公知の方法、例えば日本化
学会編「新実験化学講座−有機化合物の合成と反応」P2
469、'78、丸善に記載の方法に準じて合成できる。
は、上記に例示した単糖類(a)一種以上が好ましくは
2〜6個、特に2〜3個グリコシド結合したオリゴ糖が
挙げられる。上記の単糖類一種以上が2個グリコシド結
合した天然のオリゴ糖の例としては、キシロビオ−ス、
マルトース、ソホロ−ス、スクロース、トレハロース、
イヌロビ−ス、ラクトース、セロビオース、メリビオー
ス、ゲンチオビオース、N−アセチルキトビオ−ス、ビ
シアノ−ス、ソラビオ−ス、エピセロビオ−ス、ヒアロ
ビオウロン酸、コンドロシン、トレハロサミン、N−ア
セチルラクトサミン、セロビオウロン酸、6−β−グル
クロノガラクト−ス等が挙げられる。3個グリコシド結
合した天然のオリゴ糖の例としては、ラフィノース、ラ
クト−N−トリオ−スII、N−アセチルキトトリオ−
ス、フコシドラクト−ス等が挙げられる。4〜6個グリ
コシド結合した天然のオリゴ糖の例としては、スタキオ
ース、N−アセチルキトヘキサオ−ス、N−アセチルキ
トペンタオ−ス等が挙げられる。また、(b)は(a)
1種以上を用いて化学合成したオリゴ糖でもよく、オリ
ゴ糖の化学合成は、従来から公知の方法、例えば日本化
学会編「新実験化学講座−有機化合物の合成と反応」P2
469、'78、丸善に記載の方法に準じて合成できる。
【0007】以上糖類として例示したもののうち、好ま
しいものを順位付けすると、下記〜の番号が大きい
程好ましい。単糖類(a)および単糖類1種以上が2
〜6個グリコシド結合したオリゴ糖。単糖類(a)お
よび単糖類1種以上が2〜3個グリコシド結合したオリ
ゴ糖。(a10)および(a10)1種以上を構成単位と
し、単糖類単位が2〜3個グリコシド結合したオリゴ
糖。(a10)のうち(置換)アミノ基を2位に有する
単糖類、およびこの単糖類1種以上を構成単位とし、単
糖類単位が2〜3個グリコシド結合したオリゴ糖。
しいものを順位付けすると、下記〜の番号が大きい
程好ましい。単糖類(a)および単糖類1種以上が2
〜6個グリコシド結合したオリゴ糖。単糖類(a)お
よび単糖類1種以上が2〜3個グリコシド結合したオリ
ゴ糖。(a10)および(a10)1種以上を構成単位と
し、単糖類単位が2〜3個グリコシド結合したオリゴ
糖。(a10)のうち(置換)アミノ基を2位に有する
単糖類、およびこの単糖類1種以上を構成単位とし、単
糖類単位が2〜3個グリコシド結合したオリゴ糖。
【0008】本発明に於て、R1を示す炭素数6から2
4の、脂肪族、脂環式または脂環脂肪族の炭化水素基と
しては、例えば直鎖状飽和脂肪族の炭化水素基(n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノナ
シル基、n−デシル基、n−ウンドデシル基、n−ドデ
シル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−
ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシ
ル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エ
イコシル基、n−ペントエイコシル基、n−ドコシル
基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基);分岐状
飽和脂肪族の炭化水素基(2−メチルペンチル基、3−
エチル−5−メチルドデシル基等)、直鎖状不飽和脂肪
族の炭化水素基(2−ヘキセニル基、2−ヘプテニル
基、3−オクテニル基、3−ノネニル基、4−デセニル
基、2−ウンドデセニル基、4−ドデセニル基、5−ト
リデセニル基、2,6−テトラデカジエニル基、3−ペ
ンタデセニル基、2,5,7−ヘキサデカジエニル基、
5−ヘプタデセニル基、5−オクタデシニル基、5−ノ
ナデセニル基、2−エイコセニル基、3,5−ペントエ
イコサジエニル基、6−ドコセニル基、7−トリコシニ
ル基、9−テトラコセニル基等);分岐状不飽和脂肪族
の炭化水素基(例えば2−メチル−1−ペンテニル基、
3−エチル−5−メチル−1−ドデシニル基等);脂環
式の炭化水素基(シクロヘキシル基、シクロヘキセニル
基等);並びに脂環脂肪族の炭化水素基(3−シクロヘ
キシルデシル基等)が挙げられる。これらのうち好まし
いものは、炭素数6〜24特に、10から14の直鎖状
飽和脂肪族炭化水素基である。炭素数が6未満または2
4を超える場合は制ガン活性が乏しい。
4の、脂肪族、脂環式または脂環脂肪族の炭化水素基と
しては、例えば直鎖状飽和脂肪族の炭化水素基(n−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノナ
シル基、n−デシル基、n−ウンドデシル基、n−ドデ
シル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−
ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシ
ル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エ
イコシル基、n−ペントエイコシル基、n−ドコシル
基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基);分岐状
飽和脂肪族の炭化水素基(2−メチルペンチル基、3−
エチル−5−メチルドデシル基等)、直鎖状不飽和脂肪
族の炭化水素基(2−ヘキセニル基、2−ヘプテニル
基、3−オクテニル基、3−ノネニル基、4−デセニル
基、2−ウンドデセニル基、4−ドデセニル基、5−ト
リデセニル基、2,6−テトラデカジエニル基、3−ペ
ンタデセニル基、2,5,7−ヘキサデカジエニル基、
5−ヘプタデセニル基、5−オクタデシニル基、5−ノ
ナデセニル基、2−エイコセニル基、3,5−ペントエ
イコサジエニル基、6−ドコセニル基、7−トリコシニ
ル基、9−テトラコセニル基等);分岐状不飽和脂肪族
の炭化水素基(例えば2−メチル−1−ペンテニル基、
3−エチル−5−メチル−1−ドデシニル基等);脂環
式の炭化水素基(シクロヘキシル基、シクロヘキセニル
基等);並びに脂環脂肪族の炭化水素基(3−シクロヘ
キシルデシル基等)が挙げられる。これらのうち好まし
いものは、炭素数6〜24特に、10から14の直鎖状
飽和脂肪族炭化水素基である。炭素数が6未満または2
4を超える場合は制ガン活性が乏しい。
【0009】本発明において、Xで示されるNH、Oま
たはSのうち好ましいものは、制ガン活性の点からNH
およびS、特にNHである。
たはSのうち好ましいものは、制ガン活性の点からNH
およびS、特にNHである。
【0010】本発明において該糖類誘導体は前記一般式
(1)で示されるものであるが、好ましいものは、−X
−R1基が単糖類(a)の1位またはオリゴ糖(b)の
片末端を構成する単糖類単位の1位に結合した物であ
る。該糖類誘導体の製法を例示すると、該糖類と、一般
式R1NH2(R1は前記と同様)で示されるアミンとを
従来公知の方法で反応させることにより該糖類誘導体が
得られる。例えば冷却管を付したナス型フラスコに該糖
類、上記アミンおよび溶媒(メタノール、エタノール、
アセトン等)を仕込み、湯浴上で加熱還流することによ
り該糖類誘導体が得られる。この場合、反応が穏やかな
条件(例えば、反応温度50〜65℃)であれば−X−
R1基が(a)の1位または(b)の片末端を構成する
単糖類単位の1位に結合したものが収率よく得られる。
またこれら1位をアセチル基等で保護した後、上記アミ
ンを反応させ、その後アセチル基を例えばアルカリ雰囲
気下で外せば各々の2位、6位等に結合した物を得るこ
ともできる。
(1)で示されるものであるが、好ましいものは、−X
−R1基が単糖類(a)の1位またはオリゴ糖(b)の
片末端を構成する単糖類単位の1位に結合した物であ
る。該糖類誘導体の製法を例示すると、該糖類と、一般
式R1NH2(R1は前記と同様)で示されるアミンとを
従来公知の方法で反応させることにより該糖類誘導体が
得られる。例えば冷却管を付したナス型フラスコに該糖
類、上記アミンおよび溶媒(メタノール、エタノール、
アセトン等)を仕込み、湯浴上で加熱還流することによ
り該糖類誘導体が得られる。この場合、反応が穏やかな
条件(例えば、反応温度50〜65℃)であれば−X−
R1基が(a)の1位または(b)の片末端を構成する
単糖類単位の1位に結合したものが収率よく得られる。
またこれら1位をアセチル基等で保護した後、上記アミ
ンを反応させ、その後アセチル基を例えばアルカリ雰囲
気下で外せば各々の2位、6位等に結合した物を得るこ
ともできる。
【0011】本発明の制ガン剤は、経口及び非経口投与
のいずれも使用可能であり、経口投与する場合は、軟・
硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤として
投与され、非経口する場合は、水溶性懸濁液、油性製剤
などの皮下或は静脈注射剤、点滴剤及び固体状又は懸濁
粘稠液状として持続的な粘膜吸収が維持できるように座
薬のような剤型で投与され得る。該糖類誘導体を有効成
分として用い、製剤化することにより、本発明の制ガン
剤が得られる。この製剤化は界面活性剤、賦形剤、滑沢
剤、佐剤等や腸溶性製剤とする場合必要な皮膜形成物
質、コ−テイング助剤等を用いて適宜行うことができ、
その具体的な方法は特開昭62−56433に記載の方
法に準じて行うことができる。
のいずれも使用可能であり、経口投与する場合は、軟・
硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤として
投与され、非経口する場合は、水溶性懸濁液、油性製剤
などの皮下或は静脈注射剤、点滴剤及び固体状又は懸濁
粘稠液状として持続的な粘膜吸収が維持できるように座
薬のような剤型で投与され得る。該糖類誘導体を有効成
分として用い、製剤化することにより、本発明の制ガン
剤が得られる。この製剤化は界面活性剤、賦形剤、滑沢
剤、佐剤等や腸溶性製剤とする場合必要な皮膜形成物
質、コ−テイング助剤等を用いて適宜行うことができ、
その具体的な方法は特開昭62−56433に記載の方
法に準じて行うことができる。
【0012】本発明の制ガン剤の患者に対する投与量
は、患者の年齢や症状を考慮して決める必要がある。製
剤中の該糖類誘導体に換算した投与量でいうと、例え
ば、成人腫瘍治療に対して経口投与する場合、通常1日
当たり0.01〜500mg/kg体重の範囲でその上
限は好ましくは約300mg/kg体重である。非経口
投与する場合は、通常1日当たり0.002〜400m
g/kg体重の範囲でその上限は好ましくは約250m
g/kg体重である。
は、患者の年齢や症状を考慮して決める必要がある。製
剤中の該糖類誘導体に換算した投与量でいうと、例え
ば、成人腫瘍治療に対して経口投与する場合、通常1日
当たり0.01〜500mg/kg体重の範囲でその上
限は好ましくは約300mg/kg体重である。非経口
投与する場合は、通常1日当たり0.002〜400m
g/kg体重の範囲でその上限は好ましくは約250m
g/kg体重である。
【0013】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中
での略記号は下記の化合物を表す。 (略記号) NC8β−Glc・N'Ac N−オクチル−β−N'−
アセチルグルコサミン NC10β−Glc・N'Ac N−デシル−β−N'−ア
セチルグルコサミン NC12β−Glc・N'Ac N−ラウリル−β−N’
−アセチルグルコサミン NC8β−Mal N−オクチル−β−マル
トシルアミン NC10β−Mal N−デシル−β−マルト
シルアミン NC12β−Mal N−ドデシル−β−マル
トシルアミン NC12β−Mat N−ドデシル−β−マル
トトリオシルアミン
本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中
での略記号は下記の化合物を表す。 (略記号) NC8β−Glc・N'Ac N−オクチル−β−N'−
アセチルグルコサミン NC10β−Glc・N'Ac N−デシル−β−N'−ア
セチルグルコサミン NC12β−Glc・N'Ac N−ラウリル−β−N’
−アセチルグルコサミン NC8β−Mal N−オクチル−β−マル
トシルアミン NC10β−Mal N−デシル−β−マルト
シルアミン NC12β−Mal N−ドデシル−β−マル
トシルアミン NC12β−Mat N−ドデシル−β−マル
トトリオシルアミン
【0014】実施例1
NC8β−Glc・N'Acの製造法
冷却管を付したスリ付ナス型フラスコにN−アセチルグ
ルコサミン2.5gとn−オクチルアミン2.6gを入
れ、メタノ−ル10mlを加えた後、磁気回転子を用い
て、攪拌下30分間湯浴上で加熱還流した。反応終了
後、反応液をロ−タリ−エバポレ−タ−を用いて約5ml
まで減圧濃縮し、攪拌下酢酸エチルにゆっくり適下して
N−オクチル−β−N’−アセチルグルコサミンの粗結
晶を析出させた。この粗結晶を更にメタノ−ルに溶解
し、同様に酢酸エチル中に適下して、本発明の制ガン剤
における有効成分であるN−アセチル−β−N’−アセ
チルグルコサミン(NC8β−Glc−N'Ac)の白色
結晶を得た。
ルコサミン2.5gとn−オクチルアミン2.6gを入
れ、メタノ−ル10mlを加えた後、磁気回転子を用い
て、攪拌下30分間湯浴上で加熱還流した。反応終了
後、反応液をロ−タリ−エバポレ−タ−を用いて約5ml
まで減圧濃縮し、攪拌下酢酸エチルにゆっくり適下して
N−オクチル−β−N’−アセチルグルコサミンの粗結
晶を析出させた。この粗結晶を更にメタノ−ルに溶解
し、同様に酢酸エチル中に適下して、本発明の制ガン剤
における有効成分であるN−アセチル−β−N’−アセ
チルグルコサミン(NC8β−Glc−N'Ac)の白色
結晶を得た。
【0015】実施例2〜7
実施例1におけるN'−アセチルグルコサミンとn−オ
クチルアミンとの組合せに代えて、表1に示す糖及びア
ミンの組合せを用いた以外は実施例1と同様の製造法に
て本発明の制ガン剤における有効成分である糖類誘導体
を得た。
クチルアミンとの組合せに代えて、表1に示す糖及びア
ミンの組合せを用いた以外は実施例1と同様の製造法に
て本発明の制ガン剤における有効成分である糖類誘導体
を得た。
【0016】
【表1】
【0017】実施例8
ザルコ−マS−180に対するNC12β−Glc・N'
Acの制ガン効果一群3匹のICRマウス(メス、6週
令)の腹腔内にS−180細胞1×108を0.1ml
に懸濁させ移植した。移植24時間後より1−5及び7
−11日の10回NC12β−Glc・N'Acを表1に
示す量で腹腔内投与し、、下記式に基づいて延命率を求
めた。 延命率(ILS、%)=(T−C)/C × 100 T:NC12β−Glc・N'Ac投与群の平均生存日数 C:コントロ−ル群の平均生存日数 その結果を表2に示す。
Acの制ガン効果一群3匹のICRマウス(メス、6週
令)の腹腔内にS−180細胞1×108を0.1ml
に懸濁させ移植した。移植24時間後より1−5及び7
−11日の10回NC12β−Glc・N'Acを表1に
示す量で腹腔内投与し、、下記式に基づいて延命率を求
めた。 延命率(ILS、%)=(T−C)/C × 100 T:NC12β−Glc・N'Ac投与群の平均生存日数 C:コントロ−ル群の平均生存日数 その結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】実施例9
生分解性
JIS−K0102に準じて生物化学的酸素消費量(B
OD)を測定することにより求めた。即ち、10、2
0、30倍希釈の試料液を調製し、ブランクと共に溶存
酸素計を用いて15分後の溶存酸素量(DO1)及び2
5℃で5日間放置した後の溶存酸素量(DO2)、ブラ
ンクの溶存酸素(DOb)を測定した。これら測定デー
タの内、下記の式(1)および(2)の条件を満たした
ものに限りデータを採用し、式(3)によって酸素消費
量を算出した。なお式(1)〜(3)における単位は液
1l中の酸素量(mg/l)である。 DO1−DOb≦0.2 (1) 0.4≦(DO1−DO2)/DO1≦0.7 (2) 酸素消費量=(DOb−DO2)× 希釈倍率 (3) この酸素消費量より試料1g当りの5日後のBOD(B
OD5)を決定し、更に計算により試料1gが完全に炭
酸ガスに分解したときの酸素消費量(ThOD)を求
め、BOD5/ThOD (%)を生分解率とした。こ
れらの結果を表3に示す。
OD)を測定することにより求めた。即ち、10、2
0、30倍希釈の試料液を調製し、ブランクと共に溶存
酸素計を用いて15分後の溶存酸素量(DO1)及び2
5℃で5日間放置した後の溶存酸素量(DO2)、ブラ
ンクの溶存酸素(DOb)を測定した。これら測定デー
タの内、下記の式(1)および(2)の条件を満たした
ものに限りデータを採用し、式(3)によって酸素消費
量を算出した。なお式(1)〜(3)における単位は液
1l中の酸素量(mg/l)である。 DO1−DOb≦0.2 (1) 0.4≦(DO1−DO2)/DO1≦0.7 (2) 酸素消費量=(DOb−DO2)× 希釈倍率 (3) この酸素消費量より試料1g当りの5日後のBOD(B
OD5)を決定し、更に計算により試料1gが完全に炭
酸ガスに分解したときの酸素消費量(ThOD)を求
め、BOD5/ThOD (%)を生分解率とした。こ
れらの結果を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明の制ガン剤は次のような顕著な効
果を奏する。 (1)高い制ガン活性を有する。 (2)生体に対して安全な糖類を主要原料としており、
生分解性もよいため、毒性が低い。 (3)製造工程が簡便で、工業化に際して有利である。 (4)水溶性もしくは可溶化しやすい糖類誘導体を有効
成分としているため、経口、非経口の何れも使用可能で
あり、製剤の形態も幅広く選択できる。
果を奏する。 (1)高い制ガン活性を有する。 (2)生体に対して安全な糖類を主要原料としており、
生分解性もよいため、毒性が低い。 (3)製造工程が簡便で、工業化に際して有利である。 (4)水溶性もしくは可溶化しやすい糖類誘導体を有効
成分としているため、経口、非経口の何れも使用可能で
あり、製剤の形態も幅広く選択できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式 A−X−R1 (1) [式中、Aは単糖類(a)および単糖類1種以上を構成
単位とするオリゴ糖(b)から選ばれる糖類の残基、X
はNH、SまたはO、R1は炭素数6から24の脂肪
族、脂環式または脂環脂肪族炭化水素基を表す]で示さ
れる糖類誘導体を有効成分とする制ガン剤。 - 【請求項2】(b)の構成単位が2〜6個である請求項
1記載の制ガン剤。 - 【請求項3】 単糖類(a)および、該オリゴ糖(b)
を構成する単糖類1種以上の各々が、−NH2、−NH
R2、−N(R2)2及び−NHCOR2(各式中、R2は
炭素数1から6の炭化水素基を表す)から選ばれる(置
換)アミノ基を有する単糖類である請求項1または2記
載の制ガン剤。 - 【請求項4】 該(置換)アミノ基を有する単糖類が、
この基を2位に有し、この基を除く部分の炭素数が5〜
7の単糖類である請求項3記載の制ガン剤。 - 【請求項5】 −X−R1基が(a)の1位または
(b)の片末端を構成する単糖類単位の1位に結合して
いる請求項1〜4のいずれか記載の制ガン剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19703491A JPH0517359A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 制ガン剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19703491A JPH0517359A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 制ガン剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517359A true JPH0517359A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16367641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19703491A Pending JPH0517359A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 制ガン剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517359A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999007718A3 (de) * | 1997-08-08 | 1999-09-10 | Hoechst Marion Roussel De Gmbh | Substituierte tetrahydropyranderivate, verfahren zu deren herstellung, deren verwendung als arzneimittel oder diagnostikum sowie sie enthaltendes arzneimittel |
-
1991
- 1991-07-10 JP JP19703491A patent/JPH0517359A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999007718A3 (de) * | 1997-08-08 | 1999-09-10 | Hoechst Marion Roussel De Gmbh | Substituierte tetrahydropyranderivate, verfahren zu deren herstellung, deren verwendung als arzneimittel oder diagnostikum sowie sie enthaltendes arzneimittel |
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