JPH0516192U - 野菜類の裁断器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、料理の素人でも野菜類を簡単に、
しかも、裁断寸法を正確に揃えて裁断できる上、素人で
も繰返し美麗に、所定の模様等を形成しつつ裁断できる
ようにした野菜類の裁断器を提供するものである。 【構成】 本考案は、台板(１)と、該台板(１)に垂直揺
動可能に支持された輪切り用刃物(２)と、上記台板(１)
上で輪切り用刃物(２)から所定の間隔を置いた位置で、
台板(１)に対して立設するように取付けられる断面型切
り用刃物(３)とを備えることを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、野菜類の裁断器に関し、特に、料理の素人でも野菜類を簡単に、し かも、裁断寸法を正確に揃えて裁断したり、所定の模様等を簡単に形成し得るよ うにした野菜類の裁断器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

野菜類を料理する場合、下ごしらえとして野菜類が包丁で裁断される。この野 菜類の切り方には、料理の用途、野菜の性質、種類によって幾多の方法があり、 一般的に日本で用いられている切り方としては、輪切り、小口切り、薄切り、斜 め切り、半月切り、イチョウ切り、拍子木切り(算木切り)、短ざく切り、色紙切 り、さいの目切り(あられ切り、鹿の子切り)、線(繊又は千)切り(繊六本、千六 本)、針切り、みじん切り、ささがき、乱切り、回し切り、えぼし切り(駒のつめ )、かつらむき、糸切り、面とり、筆ショウガ、菊花切り、花形等が挙げられる 。

【０００３】 これらの切り方のうち、半月切り、イチョウ切り、拍子木切り、短ざく切り、 色紙切り、さいの目切り、線切り、針切り、菊花切り、花形切り等の切り方では 、例えば小口切りと輪切りとによって、所定の断面形状と長さ(或いは厚さ)を有 する形に裁断される。このような切り方では、その裁断寸法を正確に揃えること により、調理具合のばらつきを少なくできるとともに、盛りつけをより美しくす ることができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、包丁を使用して、野菜類の裁断寸法を正確に揃えるには高度の 熟練が必要であり、素人には、繰返し美麗に切ることが困難であり、特に所定の 模様等を形成するには一層の熟練を要し、素人では到底できないのである。

【０００５】 本考案は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、料理の素人でも野菜類を 簡単に、しかも、裁断寸法を正確に揃えて裁断できる上、素人でも繰返し美麗に 、所定の模様等を形成しつつ裁断できるようにした野菜類の裁断器を提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案を係る野菜類の裁断器は、上記目的を達成するために、台板と、該台板 に垂直揺動可能に支持された輪切り用刃物と、上記台板上で輪切り用刃物から所 定の間隔を置いた位置で、台板に対して立設するように固定される断面型切り用 刃物とを備えることを特徴としている。 本考案において、台板の形状は、特に限定されず、例えば平板状に形成してあ ればよい。

【０００７】 本考案において、輪切り用刃物はその揺動平面が断面型切り用刃物の裁断方向 に対して直交するように配置してもよく、また、その揺動平面と断面型切り用刃 物の裁断方向との交差角度を調整可能に構成して斜め切りができるようにしても よい。

【０００８】 本考案において、上記輪切り用刃物と断面型切り用刃物との間隔は一定間隔に 固定してもよいが、野菜類の裁断長さを変更できるようにするため、輪切り用刃 物及び断面型切り用刃物或いはこれらのうちの一方をその他方に向かって進退移 動可能に台板に支持させることにより、輪切り用刃物と断面型切り用刃物との間 隔を調節可能に構成することが有利である。

【０００９】 本考案において、輪切り用刃物及び断面型切り用刃物により裁断される野菜類 を断面型切り用刃物の裁断方向に案内する案内部を設ける場合には、裁断される 野菜類を真っ直ぐに裁断することができるので一層有利である。

【００１０】 この案内部は、台板或いは断面型切り用刃物と一体に形成したり、台板或いは 断面型切り用刃物に着脱可能に設けたりすることができる。

【００１１】 本考案において、例えば台板を輪切り用刃物から断面型切り用刃物の反対側に 延長し、その延長部に輪切り用刃物により裁断する野菜類の長さを設定する裁断 長さ設定具を設け、野菜類の先端をこの裁断長さ設定具に合わせて輪切り用刃物 を操作することにより、断面型切り用刃物の裁断方向への裁断長さを揃えること ができる。

【００１２】 この裁断長さ設定具と輪切り用刃物との間隔は、裁断長さ設定具を台板、輪切 り用刃物、或いは断面型切り用刃物と一体に設けることにより一定値に固定する ことも可能であるが、輪切り用刃物に対して裁断長さ設定具を移動可能に台板、 輪切り用刃物或いは断面型切り用刃物に支持させることによりこの間隔を調整間 隔に構成すると、野菜類の裁断長さを調節することができるので一層有利になる 。

【００１３】 この場合、裁断長さ設定具を伸縮自在に構成し、この裁断長さ設定具を伸縮す ることによって、野菜類の裁断長さを任意に、しかも至極簡単に調節することが できるので一層簡便で至極有利になる。

【００１４】 本考案において、断面型切り用刃物３が正面視格子状、正面視花形、正面視花 びら様状、正面視星型、正面視動物型、三日月型、文字型又は記号型に形成され ていることにより、所望の模様が、素人でも簡単に形成しうるのである。

【００１５】 本考案の野菜類の裁断器において、上記台板に対して立設するように取付られ る断面型切り用刃物が交換可能に構成されていることにより、野菜類の種類や調 理人等の好みに応じて、素人でも、所望の模様の調理が任意に、選択して形成で きるので至極有益である。

【００１６】

【作用】

本考案の野菜類の裁断器においては、丸い野菜類を例えば断面型切り用刃物に 輪切り用刃物の反対側から押し込むことにより、野菜類が所定の断面形状に裁断 されて断面型切り用刃物から輪切り用刃物側に押し出される。この後、野菜類の 先端を輪切り用刃物の断面型切り用刃物と反対側に所定量押し出してから輪切り 用刃物を揺動させて野菜類を押し切ることにより、野菜類が所定の断面形状及び 長さに裁断されることになる。

【００１７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明するが、本考案はこれに限定 されるものではない。 図１に示す、本考案の一実施例に係る野菜類の裁断器は、平板状に形成した台 板(１)と、該台板(１)の一端部に垂直揺動可能に支持された輪切り用刃物(２)と 、上記台板(１)上で輪切り用刃物(２)から所定の間隔を置いた位置で、台板(１) に対して立設するように固定される断面型切り用刃物(３)とを備える。

【００１８】 この実施例では、上記輪切り用刃物(２)の揺動平面は断面型切り用刃物(３)の 裁断方向に対して直交させてあるが、この輪切り用刃物(２)の揺動平面と断面型 切り用刃物(３)の裁断方向との交差角度を調整可能に構成することもできる。

【００１９】 上記輪切り用刃物(２)の揺動平面を断面型切り用刃物(３)の裁断方向に対して 交差する方向に設定する場合には、斜め切りをすることができる。

【００２０】 上記断面型切り用刃物(３)の切刃は、輪切り用刃物(２)と反対側に設けてあり 、野菜類を輪切り用刃物(２)と反対側から断面型切り用刃物(３)に押し込むこと により、その刃先の分布形状によって例えば長方形、正方形、菊花等の花形等、 任意の断面形状に裁断された野菜類が輪切り用刃物(２)側に押し出される。

【００２１】 この実施例では、断面型切り用刃物(３)の刃先を縦長格子形状に分布させてあ るので、縦横の小口切りが行なわれる場合と同様の縦長の長方形に裁断された野 菜類が輪切り用刃物(２)側に押し出されることになる。

【００２２】 上記台板(１)の上面には断面型切り用刃物(３)の裁断方向に延びる一対の逆Ｔ 字形溝(１a)・(１b)が形成され、各逆Ｔ字形溝(１a)・(１b)にはそれぞれボルト (１c)の頭部が摺動可能に挿入される。

【００２３】 この場合、各ボルト(１c)の脚部は逆Ｔ字形溝(１a)・(１b)の狭隘部を通って 台板(１)の上方に突出し、断面型切り用刃物(３)の脚部(３a)に挿通され、更に その先端側に固定ナット(１d)が螺合される。そして、この固定ナット(１d)を緩 めることにより断面型切り用刃物(３)を輪切り用刃物(２)に向かって進退させて 輪切り用刃物(２)と断面型切り用刃物(３)との間隔を調整し、任意の位置で固定 ナット(１d)を締め込むことにより断面型切り用刃物(３)を台板(１)に固定でき るようにしている。

【００２４】 この野菜類の裁断器によれば、予め輪切り用刃物(２)と断面型切り用刃物(３) との間隔を調整し、断面型切り用刃物(３)を台板(１)に固定した後、丸い野菜類 を断面型切り用刃物(３)に輪切り用刃物(２)の反対側から押し込むことにより、 野菜類が所定の断面形状縦長の長方形に裁断された野菜類が輪切り用刃物(２)側 に押し出される。この後、野菜類を更に輪切り用刃物(２)側に押し込み、野菜類 の先端を輪切り用刃物(２)の断面型切り用刃物(３)と反対側に所定量押し出して から輪切り用刃物(２)を揺動させて野菜類を押し切ることにより、野菜類が所定 の断面形状及び長さの短ざく形に裁断されることになり、料理の素人でも野菜類 の断面形状及び裁断長さを簡単に揃えて裁断できるようになる。

【００２５】 図２に示す、本考案の他の実施例に係る野菜類の裁断器は、台板(１)に固定さ れた断面型切り用刃物(３)と、これと一体に形成され、野菜類を断面型切り用刃 物(３)に案内する円筒状に案内部(４)を備えている。

【００２６】 また、この野菜類の裁断器には、台板(１)に対して断面型切り用刃物(３)の裁 断方向に裁断長さ設定具を備えている。

【００２７】 この裁断長さ設定具(５)は、例えば輪切り用刃物(２)から断面型切り用刃物( ３)と反対側への距離を示す目盛りを有する物差しで構成することも可能である が、ここでは、断面型切り用刃物(３)から押し出された野菜類がばらけることを 防止するため、案内具(４)とほぼ等径で、断面型切り用刃物(３)と同軸心位置に 配置される円筒体で構成している。

【００２８】 この実施例では、断面型切り用刃物(３)で裁断され、裁断長さ設定具(５)に押 し込まれた野菜類の先端を裁断長さ設定具(５)の輪切り用刃物(２)及び断面型切 り用刃物(３)と反対側の先端面(輪切り用刃物(２)及び断面型切り用刃物(３)と 同側の基端面でもよい)に合わせることにより、野菜類の裁断長さが裁断長さ設 定具(５)の先端面(基端面)から輪切り用刃物(２)の揺動平面までの大きさに設定 され、輪切り用刃物(２)で野菜類を押し切ることにより野菜類が設定された長さ に裁断される。

【００２９】 この野菜類の裁断器においては、裁断長さ設定具(５)が台板(１)に固定してあ るが、裁断長さ設定具(５)を断面型切り用刃物(３)の裁断方向に進退可能に設け て、設定される裁断長さを変更できるように構成することは何ら妨げがない。

【００３０】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、断面型切り用刃物によって野菜類を所定の 断面形状に揃えて裁断するとともに、輪切り用刃物でその裁断長さを揃えて裁断 できるので、料理の素人でも野菜類を簡単に、しかも、その裁断寸法を揃えて裁 断することができる。

【００３１】 本考案において、特に、輪切り用刃物の揺動平面を断面型切り用刃物の裁断方 向に直交させる場合には、断面型切り用刃物から押し出された野菜類を輪切りし たり、薄切りしたりすることができる。

【００３２】 また、本考案において、特に、輪切り用刃物の揺動平面と断面型切り用刃物の 裁断方向との交差角度を調整可能に構成する場合には、輪切り用刃物の揺動平面 を断面型切り用刃物の裁断方向に直交させて輪切りや薄切りをすることができる うえ、輪切り用刃物の揺動平面を断面型切り用刃物の裁断方向に対して傾斜させ ることにより斜め切りやえぼし切りをすることもできる。

【００３３】 更に、本考案において、輪切り用刃物と断面型切り用刃物との間隔を調節可能 にする場合には、その間隔を調整することにより野菜類の裁断長さを変更するこ とができ、同じ断面型切り用刃物を用いて、例えば同じ断面形状の拍子木切りと 色紙切りとができるようになる。

【００３４】 また更に、本考案において、断面型切り用刃物及び輪切り用刃物によって裁断 される野菜類を断面型切り用刃物の裁断方向に案内する案内部を設ける場合には 、断面型切り用刃物で野菜類を真っ直ぐ切ることができ、断面形状がばらつくこ とを確実に防止できる。

【００３５】 加えて、本考案において、輪切り用刃物の断面型切り用刃物と反対側に輪切り 用刃物によって裁断される野菜類の長さを設定する裁断長さ設定具を設ける場合 には、裁断長さ設定具で設定された裁断長さに合わせて野菜類を裁断することに より繰り返し裁断される野菜類の長さを揃えることができ、裁断長さがばらつく ことを一層確実に防止できる。

【００３６】 更に加えて、本考案において、裁断長さ設定具を設け、輪切り用刃物と裁断長 さ設定具との間隔を調整できるように構成する場合には、裁断長さを変更するこ とにより同じ断面型切り用刃物を用いて例えば拍子木切り、さいの目切り、色紙 切り等裁断長さの異なる切り方で野菜類を裁断できることになり、バラエティに 富んだ下ごしらえができる。

【００３７】 本考案において、断面型切り用刃物が正面視格子状、正面視花形、正面視花び ら様状、正面視星型、正面視動物型、三日月型、文字型又は記号型に形成されて いることにより、所望の模様が、素人でも簡単に、しかも確実に形成しうる効果 を有するのである。

【００３８】 本考案の野菜類の裁断器において、台板に対して立設するように取付られる断 面型切り用刃物が交換可能に構成されていることにより、野菜類の種類や調理人 等の好みに応じて、素人でも、所望の模様の調理が任意に、選択して形成できる ので至極有益である。

【００３９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る野菜類の裁断器の斜視
図である。

【図２】本考案の他の実施例に係る野菜類の裁断器の斜
視図である。

【００４０】

【符号の説明】

(１) 台板 (２) 輪切り用刃物 (３) 断面型切り用刃物 (４) 案内部 (５) 裁断長さ設定具

Claims (16)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台板(１)と、該台板(１)に垂直揺動可能
   に支持された輪切り用刃物(２)と、上記台板(１)上で輪
   切り用刃物(２)から所定の間隔を置いた位置で、台板
   (１)に対して立設するように取付けられる断面型切り用
   刃物(３)とを備えることを特徴とする野菜類の裁断器。
2. 【請求項２】 輪切り用刃物(２)の揺動平面が断面型切
   り用刃物(３)の裁断方向に対して直交する請求項１に記
   載の野菜類の裁断器。
3. 【請求項３】 輪切り用刃物(２)の揺動平面と断面型切
   り用刃物(３)の裁断方向との交差角度を調整可能に構成
   した請求項１又は２に記載の野菜類の裁断器。
4. 【請求項４】 輪切り用刃物(２)と断面型切り用刃物
   (３)との間隔を調整可能に構成した請求項１ないし３の
   いずれかに記載の野菜類の裁断器。
5. 【請求項５】 輪切り用刃物(２)及び断面型切り用刃物
   (３)により裁断される野菜類を断面型切り用刃物(３)の
   裁断方向に案内する案内部(４)を設けた請求項１ないし
   ４の何れかに記載の野菜類の裁断器。
6. 【請求項６】 輪切り用刃物(２)の断面型切り用刃物
   (３)と反対側に、輪切り用刃物(２)により裁断する野菜
   類の長さを設定する裁断長さ設定具(５)を設けたことを
   特徴とする請求項１ないし５のいずかに記載の野菜類の
   裁断器。
7. 【請求項７】 裁断長さ設定具(５)が伸縮自在に構成さ
   れている請求項６に記載の野菜類の裁断器。
8. 【請求項８】 輪切り用刃物(２)と裁断長さ設定具(５)
   の間隔を調整可能に構成した請求項６に記載の野菜類の
   裁断器。
9. 【請求項９】 断面型切り用刃物(３)が正面視格子状に
   形成されている請求項１ないし８のいずれかに記載の野
   菜類の裁断器。
10. 【請求項１０】 断面型切り用刃物(３)が正面視花形に
    形成されている請求項１ないし８のいずれかに記載の野
    菜類の裁断器。
11. 【請求項１１】 断面型切り用刃物(３)が正面視花びら
    様状に形成されている請求項１ないし８のいずれかに記
    載の野菜類の裁断器。
12. 【請求項１２】 断面型切り用刃物(３)が正面視星型に
    形成されている請求項１ないし８のいずれかに記載の野
    菜類の裁断器。
13. 【請求項１３】 断面型切り用刃物(３)が正面視動物型
    に形成されている請求項１ないし８のいずれかに記載の
    野菜類の裁断器。
14. 【請求項１４】 断面型切り用刃物(３)が三日月型に形
    成されている請求項１ないし８のいずれかに記載の野菜
    類の裁断器。
15. 【請求項１５】 断面型切り用刃物(３)が文字型又は記
    号型に形成されている請求項１ないし８のいずれかに記
    載の野菜類の裁断器。
16. 【請求項１６】 請求項１ないし１５のいずれかに記載
    の野菜類の裁断器において、台板(１)に対して立設する
    ように取付られる断面型切り用刃物(３)が交換可能に構
    成されている野菜類の裁断器。 【０００１】