JPH0515557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、シリンダヘツドの上部に設けら
れ、ロツカシヤフト、ロツカアームおよび点火プ
ラグ等を覆うエンジンのロツカカバー構造に関す
る。

（従来の技術） 第４図はシリンダヘツドを示すもので、１はシ
リンダヘツド本体である。このシリンダヘツド本
体１にはロツカシヤフト２，２が並設され、これ
らロツカシヤフト２，２には複数個のロツカアー
ム３，３が回動自在に軸支されている。これらロ
ツカアーム３，３はカム４によつて回動し、この
回動運動はインテークバルブ５およびエキゾース
トバルブ６に伝動するようになつている。前記イ
ンテークバルブ５とエキゾーストバルブ６との間
には燃焼室７に突出する点火プラグ（図示しな
い）が設けられ、これらはロツカカバー本体８に
よつて覆われている。

このロツカカバー本体８は合成樹脂材料によつ
て一体成形されていて、この下縁８ａが前記シリ
ンダヘツド本体１の上端面に当接している。さら
に、ロツカカバー本体８の上面には凹陥部９が設
けられ、この凹陥部９はその両側に凸部１０，１
０が設けられている。そして、前記凹陥部９には
前記点火プラグと接続するケーブル１１の挿通穴
１２が設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前述のように、ロツカカバー本
体８の凹陥部９に複数本のケーブル１１を通した
場合、そのケーブル１１…の中途部をクランプす
る手段が必要となるとともに、ロツカカバー本体
８を合成樹脂材料によつて一体成形した場合、ロ
ツカカバー本体の成形後の変形および熱変形がま
ぬがれない。すなわち、ロツカカバー本体８の両
側壁８ｂ，８ｂが矢印ａ方向に広がる方向に変形
する。そこで、従来においては、ロツカカバー本
体８の内部における角部および前記凹陥部９の角
部に斜めのリブ１３…を一体に設け、ロツカカバ
ー本体８の変形を抑制している。しかし、ロツカ
カバー本体８の変形を抑制するためには多数のリ
ブ１３…を設ける必要があり、構造的に複雑とな
るという問題がある。

この考案は前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、ロツカカバー本体
の変形を防止することができるとともに、ケーブ
ルの中途部を確実にクランプすることができるエ
ンジンのロツカカバー構造を提供することにあ
る。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、ロツカカバー本体の上面の凹陥部
に、この凹陥部の両側に突出する凸部間を連結す
る複数のリブを前記ロツカカバー本体と一体に成
形し、これらリブにケーブルをクランプするケー
ブルクランプ溝を設け、リブによつてロツカカバ
ー本体の変形を防止すると同時にケーブルクラン
プができるようにしたことにある。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を第１図乃至第３図
に基づいて説明する。２１はロツカカバー本体
で、これは合成樹脂材料によつて一体に成形され
ている。このロツカカバー２１は上面にはたとえ
ばＴ字状の凹陥部２２が設けられ、この凹陥部２
２の両側には凸部２３…が設けられている。前記
凹陥部２２には従来と同様に点火プラグに接続す
るためのケーブル挿通穴２４…が穿設され、これ
らケーブル挿通穴２４…にはケーブル通路２５に
配線されたケーブル２６…が挿入されている。さ
らに、前記凹陥部２２にはケーブル通路２５と直
交する方向にリブ２７…が前記ロツカカバー本体
２１と一体に設けられている。これらリブ２７…
は長方形で、この両端が前記凸部２３，２３と結
合され、下縁が凹陥部２２の底面と結合されてい
る。そして、これらリブ２７…によつてロツカカ
バー本体２１の成形後の変形および熱変形を防止
すると同時にロツカカバー本体２１の剛性をアツ
プさせている。

さらに、前記リブ２７…の上縁部には所定間隔
を存して複数個のケーブルクランプ溝２８…が設
けられている。これらケーブルクランプ溝２８…
はリブ２７に切り溝を設けることにより形成さ
れ、前記ケーブル２６の中途部を挟み込むことが
でき、リブ２７はロツカカバー本体２１の変形防
止とケーブルクランプとを兼ねることができる。

なお、２９はロツカカバー本体２１に設けた補
強リブであり、この補強リブ２９は従来と同様に
ロツカカバー本体２１の外部と内部に設けられる
が、その数は従来に比較して大幅に少なくするこ
とかができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、ロツ
カカバー本体の凹陥部にリブを設け、このリブに
ケーブルクランプ溝を設けたから、リブがロツカ
カバー本体の変形防止とケーブルクランプとを兼
ねることができ、補強リブの数を減少して構造の
簡素化と強度アツプを図ることができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図はロツカカバー本体の斜視図、第
２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図は
リブの斜視図、第４図は一般的なシリンダヘツド
の縦断正面図である。 ２１……ロツカカバー本体、２２……凹陥部、
２３……凸部、２５……ケーブル通路、２６……
ケーブル、２７……リブ、２８……ケーブルクラ
ンプ溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘツドの上部に設けられ、ロツカシヤ
   フト、ロツカアームおよび点火プラグ等を覆うと
   ともに、上面に前記点火プラグと接続するケーブ
   ルのケーブル通路を凹陥部によつて形成した合成
   樹脂製のロツカカバー構造において、ロツカカバ
   ー本体の上面の凹陥部に、この凹陥部の両側に突
   出する凸部間を連結する複数のリブを前記ロツカ
   カバー本体と一体に成形し、これらリブに前記ケ
   ーブルをクランプするケーブルクランプ溝を設け
   たことを特徴とするエンジンのロツカカバー構
   造。