JPH05154164A - 超音波研削装置、及びその装置に使用する研削チップ - Google Patents

超音波研削装置、及びその装置に使用する研削チップ

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JPH05154164A
JPH05154164A JP31763091A JP31763091A JPH05154164A JP H05154164 A JPH05154164 A JP H05154164A JP 31763091 A JP31763091 A JP 31763091A JP 31763091 A JP31763091 A JP 31763091A JP H05154164 A JPH05154164 A JP H05154164A
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宏 姫野
Kazuko Himeno
和子 姫野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研削チップを、軟組織には損傷を与えること
のない極微小パワーで振動させる一方、硬組織に対して
はスケーリングやルートプレーニング等を効率よく、し
かも安全且つ確実に行う。 【構成】 チップ先端部が所要の形状に湾曲して形成さ
れ、所定の固有振動数を有する研削チップ(30)をハンド
ピース(20)の振動素子(25)に接続し、起振信号発生手段
(120,130) に起振信号を発生させてこれを振動素子(25)
に出力させる一方、操作者が周波数調整手段(131) を操
作して起振信号発生手段(120,130) が発生させる起振信
号の発生周波数を、必要に応じて周波数表示手段(135)
に表示させながら変化させ、研削チップ(30)の振動に好
適な振動数、好ましくは研削チップの固有振動数に確実
に合致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科、或いは医科の研
磨又は切削作業に好適に使用される超音波研削装置、お
よびその装置に使用する研削チップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯石やプラークの除去(スケーリ
ング)、クラウン、ブリッジ、ピンの除去、アマルガム
のコンデンセーション等に、超音波振動を利用した歯科
用超音波装置およびその装置に使用されるチップが、例
えば、米国特許3,076,904 号公報、3,956,826 号公報、
3,654,540 号公報、特許公告公報昭57-52059号等により
知られている。これらの従来の装置は、振動素子とし
て、例えば電磁コイルや水晶等の圧電素子を使用し、チ
ップを振動素子に接続して、これを超音波域で振動させ
る。そして、例えば、チップ先端を歯表面に付着した歯
石等に押し当ててこれを除去したり、根管内の治療や、
クラウン、ブリッジ、ピンに振動を加えてこれを取り外
す等の目的で使用されている。このような従来の歯科用
超音波装置は、歯石、歯垢の除去や、根管内の治療、ク
ラウン、ブリッジ、ピンの除去等の、歯肉より外方に出
ている歯の表面の治療等に使用され、チップを振動させ
る起振源として大きなパワーのものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、歯周
治療の中でも極めて重要な処置の一つとしての歯根面の
スケーリングや、壊死セメント質の除去し、根面の無毒
化を図り、結果として歯根面を滑沢にするルートプレー
ニングには、手用のキュレットスケーラを用いて行われ
ているが、歯根の複雑さと合わせて直視出来ないため
に、ポケットが深くなればなる程、処理時間が長く掛か
り、術者の体力的負担は極めて大きく、確実な処置が難
しかった。
【0004】このような歯根面のスケーリングやルート
プレーニングに上述した超音波装置の使用が渇望されて
いる。しかしながら、従来の歯科用超音波装置は、チッ
プを振動させるパワーが大きく、チップを指で摘んで保
持すると、指を損傷してしまう程のパワーを有してい
る。このため、歯肉より外方に出ている歯面の歯石の除
去等には威力を発揮するが、歯肉に埋もれた歯根の治療
に、フラップを行わなわずに閉鎖形で上述した超音波装
置を使用すると軟組織を損傷させてしまうので、極めて
危険である。そこで、超音波装置のパワーを落としてこ
れを歯根面の治療に用いようとしても、従来のチップで
はパワーが小さすぎて効率のよい治療が行えなかった。
【0005】本発明は、軟組織には何らの損傷も与え
ず、安全確実に、しかも短時間に硬組織のスケーリング
やプレーニングを行うことができ、研磨作業のみならず
切削作業にも使用できる超音波研削装置およびその装置
に使用する研削チップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、チップ先端部が所要の形状
に湾曲して形成された研削チップ、この研削チップの基
端部が着脱自在に接続され、研削チップを、その基端部
の軸方向に超音波域の周波数で振動させる振動素子(例
えば圧電素子)を備えたハンドピース、および前記振動
素子に起振信号を発生させてこれに出力する起振信号発
生手段と、操作者の調整操作に応じて前記起振信号発生
手段が発生させる起振信号の発生周波数を変化させ、前
記研削チップの振動に好適な振動数、好ましくは所定固
有振動数に合致させる周波数調整手段とを備えた発振回
路装置を含んでなることを特徴とする超音波研削装置が
提供される。
【0007】また、ハンドピースの圧電素子に着脱自在
に接続され、圧電素子に、圧電素子の所定固有振動数近
傍の周波数を有する交番電圧を印加することにより超音
波域の周波数で振動させられる、超音波研削装置の研削
チップにおいて、前記圧電素子の所定固有振動数と略等
しい固有振動数を有することを特徴とする研削チップが
提供される。
【0008】好ましくは、前記振動素子は、圧電素子で
あり、発振回路装置には、圧電素子の所定固有振動数近
傍の周波数で交番電圧を発生させ、前記電極手段に出力
する起振信号発生手段と、操作者の調整操作に応じて前
記起振信号発生手段が発生させる交番電圧の周波数を変
化させ、該交番電圧の周波数を前記研削チップの所定固
有振動数に合致させる周波数調整手段とが備えられ、研
削チップの所定固有振動数を、圧電素子の固有振動数に
略一致させる。
【0009】更に好ましくは、周波数調整手段が変化さ
せた交番電圧の周波数を表示させる周波数表示手段や操
作者の調整操作に応じて前記起振信号発生手段が発生さ
せる交番電圧の電圧値を変化させる電圧調整手段、電圧
調整手段が調節した電圧値を表示する電圧表示手段を備
えることが望ましい。更に又、チップ基端部の軸線方向
の振幅を3μm以下、チップ先端部の、前記軸線に直交
する方向の振幅を10μm以下の範囲で振動させること
が望ましい。
【0010】
【作用】本発明の超音波研削装置は周波数調整手段を備
えており、この周波数調整手段により起振信号の発生周
波数を変化させて研削チップをその所定固有振動数で振
動させ、極めて小さなパワーで研削チップの先端振幅を
大きくすることができる。そして、好ましくは、研削チ
ップの振幅が、チップ基端部において3μm以下、チッ
プ先端部において10μm以下の範囲に抑えられる。こ
れらの振幅は、軟組織に対してはこれを損傷させるだけ
の大きさを有しないけれど、硬組織に対してはこれを研
磨や切削するに十分な大きさである。振動素子が圧電素
子である場合、研削チップの形状等を調整して研削チッ
プの固有振動数を圧電素子の固有振動数に合致させる
と、小さい印加電圧で作業に適した振幅が得られる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明に係る超音波研削装置の
概略構成図であり、装置本体10、ハンドピース20、
研削チップ30等から構成されている。先ず、ハンドピ
ース20から説明すると、ハンドピース20は、装置本
体10とケーブル32を介して接続されている。ハンド
ピース20は、術者が指で持って操作し易い大きさと重
量を有していなければならず、グリップ20aは適宜形
状の樹脂製のものが採用される。そして、グリップ20
aの内部に振動素子である圧電素子組立体25が組み込
まれている。
【0012】圧電素子組立体25は、数枚(実施例では
3枚)の圧電素子25aと、各圧電素子25aの両端面
に形成させた正電極25bおよび負電極25cとで構成
され、これらが一体に積層されている。圧電素子25a
としては特に限定されないが、例えば圧電効果の大き
い、適宜厚みを有するPZTセラミックスが好適に使用
される。正および負の各電極25b,25cはリード線
25e,25fを介して装置本体10の出力端子10
a,10bにそれぞれ接続されている。なお、負電極側
のリード線25fにはジャンパー線25gの一端が接続
され、その他端は装置本体10の出力端子10cに接続
されている。
【0013】圧電素子組立体25は、その一端面が絶縁
層25dを介して基端側の銅パイプ21に、他端面が先
端側の銅パイプ22に挟み込まれるように接続されてい
る。基端側の銅パイプ21には、フィッテイグ21aが
固設され、このフィッテング21aには、可撓チューブ
33が接続される。一方、先端側の銅パイプ22には、
細径の先端パイプ23が固設されており、これらの銅パ
イプ21、圧電素子組立体25、銅パイプ22および先
端パイプ23は一直線上に延び、これらの軸線に沿って
洗浄水や消毒液が流れる貫通孔33aが形成されてい
る。先端パイプ23の先端外周面には雄ねじ23aが螺
刻されており、後述する研削チップ30が取り付けられ
る。なお、チューブ33および前述してリード線25e
〜25gは前述したケーブル32内に組み込まれてい
る。
【0014】研削チップは、歯の治療の目的に応じた種
々の形状を有しているが、図2に示す研削チップ30
は、歯周組織、特に歯肉下の歯根面の治療に好適な形状
を有するものである。この研削チップ30は、耐蝕性に
優れ、ばね性の高い鋼材、例えばステンレススチール等
により作製される。チップ30の基端30aは、軸線に
沿って直線状に延び、中間部30cは、基端30aに対
して一方向に屈曲し、先端部30bは中間部30cに対
して更に屈曲すると共に、複雑な根面、直視できない根
分岐部内や根管内に良好に適合するために繊細、且つ、
前後、左右に複雑に湾曲しており、チップ30は全体と
して3次元的に湾曲して基端30aから先端部30bに
向かって先細りに形成されている。基端30aには、前
述した先端パイプ23のねじ23aが螺合する雌ねじが
形成されており、この基端側から中間部30cの開口3
0eまで軸線に沿って洗浄水通路33dが形成されてい
る。この通路33dを介して供給される洗浄水は前述の
開口30eから先端部30bに向けて噴射あるいは噴霧
される。
【0015】先端部30bには、その湾曲内側面に刃部
30fが形成されている。この刃部30fは、歯根面に
堆積した歯垢や歯石等の沈着物、病変により壊死した歯
根面の硬組織、病変により壊死した歯肉ポケット内の病
変軟組織などを除去、廓清、洗浄、研磨、滑沢化に好適
な、鋭利な刃が形成されている。刃部30fは、目的に
応じて種々の形態のものが考えられ、匙型、鎌型、やす
り型、鍬型、のみ型等の適宜形状に形成される。また、
刃部30fには、ダイヤモンド等の砥粒を適宜なバイン
ダで結着させ、砥粒層を形成させるようにしてもよい。
【0016】本発明の研削チップ30は、前述した圧電
素子組立体25の固有振動数(例えば、30KHz)に
略等しい固有振動数を有している。研削チップ30の固
有振動数は、チップの形状、使用する鋼材の種類等によ
り決定されるが、このチップ30を圧電素子組立体25
に結合させて振動させたとき、圧電素子組立体25の固
有振動数からのずれが所定許容範囲(例えば、±5KH
z)内であるように調整することが必要である。固有振
動数のずれがこれより大きいと、後述する周波数調整が
困難になる。研削チップ30の固有振動数の調整は、チ
ップ30の基端30aの一部を削ったり、上述した洗浄
水通路33dの断面形状を偏平等に調整することが有効
であり、先端刃部30fの振動方向、振幅等を考慮して
基端30aの削る位置等を決定するとよい。このように
基端部30aの形状調整は、チップ全体の形状、すなわ
ち作業目的に必要な形状に影響を与えずにチップの固有
振動数の調整を行うことができる。
【0017】次に、図1および図3を参照しながら装置
本体10の説明をすると、装置本体10は、安定して一
定電圧を発生させる定電圧回路110、ハンドピース2
0の圧電素子組立体25に供給する交番電圧を発生する
出力トランス120、この出力トランス120の入力側
に定電圧回路110の一定電圧を所望の周波数で印加さ
せる発振回路130、発振回路130の発振周波数を分
析してバンド毎にその出力分布を表示する周波数アナラ
イザ(周波数表示手段)135、洗浄水の供給を制御す
る電磁バルブ140等から構成されている。
【0018】定電圧回路110は、商用100V交流電
源50を電源として出力側に直流の一定電圧(例えば、
24V)を発生させるもので、その回路構成は特に限定
されない。この定電圧回路110は、メインスイッチ4
0を閉じることにより電源50から電力が供給され、更
にフットスイッチ41を操作者が足で踏み込むことによ
り作動してその出力側に上述した一定電圧が発生するよ
うに構成されている。定電圧回路110は、出力電圧を
調整するための可変抵抗111を備えており、この可変
抵抗111の抵抗値調整により出力トランス120の交
番電圧の出力電圧値を変化させることができる。可変抵
抗111の抵抗値は、装置本体10の筐体100の前面
パネルに取りつけられたパワー調整用摘み112を操作
者が操作して適宜値に設定され、可変抵抗111とこの
摘み112とで電圧調整手段を構成する。
【0019】発振回路130はLC回路による自己帰還
型のもので、可変コイル131のインダクタンスLを調
整することによりトランジスタTrのスイッチング周波
数を所望値に設定することができる。可変コイル131
のインダクタンス値Lは、筐体100の前面パネルに取
りつけた共振周波数調整摘み132を操作者が操作して
適宜値に設定され、この摘み132、可変コイル131
等により周波数調整手段を構成する。発振回路130に
より発生させる交番電圧の周波数は、この実施例では上
述の圧電素子組立体25の固有振動数(例えば、30K
Hz)を中心に、前後±5KHzの範囲で調整可能であ
る。
【0020】周波数アナライザ135は、上述した通り
出力トランス120に発生する交番電圧の周波数を分析
するためのもので、図示しない多数のバンドパスフィル
タから構成され、各バンドパスフィルタの出力パワーを
検出することにより周波数分析を可能にする公知のもの
である。各周波数帯の出力パワーの大きさは、例えばL
EDで構成されるバーグラフ表示装置136に表示させ
ることができる。出力端子10a,10b間の出力電圧
の大きさは、電圧計138で検出することができ、検出
値はこれもLED等のバーグラフで表示することができ
る。バーグラフ表示装置136および電圧計138も筐
体100の前面パネルにそれぞれ取りつけられる。な
お、バーグラフ表示装置136や電圧計138に代え
て、CRTや指針計等により周波数分布や電圧値を表示
することもできる。
【0021】筐体100の背面には、図示しないウオー
タポンプや水道からの洗浄水が供給される洗浄水ポート
10dが備えられ、このポートには前述した可撓チュー
ブ33が接続される。可撓チューブ33の途中には電磁
弁140と水量調整用のバルブ141とが配設されてい
る。水量調整用バルブ141は、操作者の操作により洗
浄水の水量を所望量に調整するものであり、電磁バルブ
140は操作者が前述したフットスイッチ41を踏み込
んだときに付勢されて開弁し、ウオータポンプから圧送
される洗浄水を流通させる。水量調整用バルブ141の
摘みは筐体100の前面パネルに配設される。
【0022】以上のように構成される超音波研削装置の
作用を次に説明する。先ず、ハンドピース20から研削
チップ30を取り外した状態でスイッチ40および41
をオンにして圧電素子25を振動させる。このとき、電
圧計138を監視しながらパワー調整用摘み112を操
作して出力電圧値を適宜値に設定しておく。次に、バー
グラフ表示装置136と電圧計138を監視しながら共
振周波数調整摘み132を操作して圧電素子25の電極
25b,25cに印加される交番電圧の周波数を圧電素
子25の共振周波数に調整する。圧電素子25が共振周
波数で振動すると、圧電素子25に印加する電圧値が最
小値を示すので共振周波数に調整できたか否かは電圧計
138の電圧値の変化から判定することができる。この
ときの電圧値は記憶しておく。
【0023】次に、ハンドピース20に研削チップ30
を取りつけ、電源をオンにしてチップ30を振動させ
る。このとき、洗浄水の水量を水量調整用バルブ141
の摘みを操作して適宜量に調整しておく。圧電素子25
に研削チップ30を取りつけたことにより、圧電素子2
5の共振周波数は僅かにシフトしてしまい、同じ周波数
で交番電圧を印加しても、電圧計138の指示値は記憶
した電圧値より高い値を示す。そこで、電圧計138を
監視しながら再び共振周波数調整摘み132を操作して
研削チップ30の固有振動数と圧電素子25の共振周波
数とが合致する振動数を探す。共振周波数が合致すると
電圧値の低下が観察されること、また、バーグラフ表示
装置136に表示される出力パワー分布が共振周波数位
置でピーク値を示すことから調整の可否を判別すること
ができる。研削チップ30はその先端部30bが使用に
より消耗したり、研削により短くなってもその固有振動
数を変化させる。共振周波数調整摘みはこのような場合
にも発振周波数を変化させることにより研削チップをそ
の固有周波数位置で振動させることができる。なお、研
削チップ30の固有振動数が圧電素子25の共振振動数
より掛け離れた値を有するものである場合には、そのチ
ップ30は使用せず別のチップを使用したほうがよい。
【0024】次いで、パワー調整用摘み112を操作し
て出力電圧値を治療に最適な値に設定する。歯周や歯根
の治療には、チップ基端部30aにおいて、軸方向の振
幅が3μm以下、チップ先端部30bにおいて基端軸線
に直交する方向に10μm以下に調整するのがよい。チ
ップ先端部30bにおける振幅は、パワーを上昇させて
いき、チップ先端部30bを指で摘んで耐えることがで
きる最大出力のとき、略10μm程度であるからこれを
目安に出力電圧の設定を行えばよい。指で摘んで耐える
ことのできるチップ先端部30bの振幅は、歯周や歯根
に隣接する軟組織に損傷を与えない安全なパワーである
ことを意味する。軟組織に損傷を与える心配がなければ
パワーを適宜目的に応じて増減すればよい。
【0025】上述のように調整が終われば、研削チップ
30の先端部30bを歯周ポケットに差し入れて歯根面
の治療を行う。このとき、術者はフットスイッチ41を
オンオフさせて病巣の除去等の作業を実際に行うときに
のみ、装置を作動させればよい。図4は、分岐部の歯根
面治療時の研削チップ30の使用態様を示す。本発明の
超音波研削装置に依ると、研削チップ30の基端軸線方
向(図中、X方向)の振幅は3μm以下であり、従来知
られているこの種の歯科用超音波装置のチップを振動さ
せる出力パワーより極めて小さい値で使用される。一
方、研削チップ30を固有振動数近傍で振動させるか
ら、研削チップ30は、圧電素子25の振動に共振して
基端軸線方向に対して直交する方向(図中、Y方向)に
も大きく振動することになる。すなわち、小さいパワー
でチップ先端の振幅は大きく設定することができ、この
振動が歯根面治療に有利に作用するのである。
【0026】なお、上述の実施例では、振動素子として
圧電素子を用いた超音波研削装置について説明したが、
振動素子としては特に限定されず、電磁コイルを用いた
もの等であってもよい。また、研削チップ30は歯根の
病巣の除去等、硬組織の研磨に使用されるが、このチッ
プを病巣の切削用に使用してもよいし、別の切削チップ
を使用し、組織の切開を行うようにしてもよい。要する
に、本発明の研削チップには、歯科用や医科用に使用さ
れる研磨チップおよび切削、切除チップが含まれる。
【0027】更に、上述の実施例では、共振周波数調整
摘み132を操作して研削チップ30の固有振動数と圧
電素子25の共振周波数とが合致する振動数を探して研
削チップ30をその振動数で振動させるようにしたが、
研削チップ30は必ずしも固有振動数で振動させる必要
はなく、歯根等の治療に最適な振動数で振動させればよ
い。
【0028】更にまた、従来の歯科用超音波装置におい
ても、発振回路の交番電圧の周波数を圧電素子の共振振
動数に調整するチューニングコイルと呼ばれるコイルを
備えているものがあるが、このコイルは、装置の工場出
荷時における調整が終了するとペイント等で固定され、
しかも筐体内部に隠され、術者が実際にこの装置を使用
する際にチューニングコイルを操作することは出来ない
ようになっている。本発明装置の共振周波数調整摘み1
32は、筐体100の前面パネルに配置され、使用する
研削チップに応じてインダクタンスLを術者自身が調整
して発振回路の交番電圧の周波数を変化させることがで
きるのである。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
装置および研削チップに依れば、チップ先端部が所要の
形状に湾曲して形成され、所定の固有振動数を有する研
削チップをハンドピースの振動素子に接続し、起振信号
発生手段に起振信号を発生させてこれを振動素子に出力
させる一方、操作者が周波数調整手段を操作して起振信
号発生手段が発生させる起振信号の発生周波数を、必要
に応じて周波数表示手段に表示させながら変化させ、研
削チップの振動に好適な振動数、好ましくは研削チップ
の固有振動数に確実に合致させるようにしたので、研削
チップを、軟組織には損傷を与えることのない極微小パ
ワーで振動させる一方、硬組織に対してはスケーリング
やルートプレーニング等を効率よく、しかも安全且つ確
実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波研削装置の外観を示す正面
図である。
【図2】本発明に係る研削チップを取りつけた状態のハ
ンドピースの内部構成を示す図である。
【図3】図1の装置本体10の内部構成を示す回路図で
ある。
【図4】本発明に係る研削チップを使用して直視出来な
い複雑な歯根面の治療を実施している様子を示す使用態
様図である。
【符号の説明】
10 装置本体 20 ハンドピース 25 圧電素子(振動素子) 30 研削チップ 33d 洗浄水通路 30e 開口 110 定電圧回路 111 可変抵抗(電圧調整手段) 120 出力トランス(起振信号発生手段) 130 発振回路 131 可変コイル(周波数調整手段) 135 周波数アナライザ(周波数表示手段) 136 バーグラフ表示装置(周波数表示手段) 138 電圧計(電圧表示手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ先端部が所要の形状に湾曲して形
    成された研削チップ、この研削チップの基端部が着脱自
    在に接続され、研削チップを、その基端部の軸方向に超
    音波域の周波数で振動させる振動素子を備えたハンドピ
    ース、および前記振動素子に起振信号を発生させてこれ
    に出力する起振信号発生手段と、操作者の調整操作に応
    じて前記起振信号発生手段が発生させる起振信号の発生
    周波数を変化させ、前記研削チップの振動に好適な振動
    数に合致させる周波数調整手段とを備えた発振回路装置
    を含んでなることを特徴とする超音波研削装置。
  2. 【請求項2】 チップ先端部が所要の形状に湾曲して形
    成され、所定の固有振動数を有する研削チップ、この研
    削チップの基端部が着脱自在に接続され、研削チップ
    を、その基端部の軸方向に超音波域の周波数で振動させ
    る圧電素子と、この圧電素子に交番電圧を印加する電極
    手段とを備えたハンドピース、および圧電素子の所定固
    有振動数近傍の周波数で交番電圧を発生させ、前記電極
    手段に出力する起振信号発生手段と、操作者の調整操作
    に応じて前記起振信号発生手段が発生させる交番電圧の
    周波数を変化させ、該交番電圧の周波数を前記研削チッ
    プの所定固有振動数に合致させる周波数調整手段とを備
    えた発振回路装置を含んでなることを特徴とする超音波
    研削装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数調整手段が変化させた交番電
    圧の周波数を表示させる周波数表示手段を備えることを
    特徴とする、請求項2記載の超音波研削装置。
  4. 【請求項4】 前記研削チップの所定固有振動数は、前
    記圧電素子の固有振動数に略一致することを特徴とす
    る、請求項2記載の超音波研削装置。
  5. 【請求項5】 前記発振回路装置は、操作者の調整操作
    に応じて前記起振信号発生手段が発生させる交番電圧の
    電圧値を、前記チップ基端部における振幅が所定値以下
    の範囲で変化させる電圧調整手段を備えることを特徴と
    する、請求項2または3記載の超音波研削装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧調整手段が調節した電圧値を表
    示する電圧表示手段を備えることを特徴とする、請求項
    5記載の超音波研削装置。
  7. 【請求項7】 前記チップ基端部の軸線方向の振幅を3
    μm以下、チップ先端部の、前記軸線に直交する方向の
    振幅を10μm以下の範囲で振動させることを特徴とす
    る、請求項2ないし6の何れか記載の超音波研削装置。
  8. 【請求項8】 前記研削チップには洗浄水をチップ先端
    に向けて噴射させる洗浄水通路が形成され、洗浄水を前
    記研削チップの洗浄水通路に供給する洗浄水供給装置を
    備えることを特徴とする、請求項2ないし7の何れか記
    載の超音波研削装置。
  9. 【請求項9】 ハンドピースの圧電素子に着脱自在に接
    続され、圧電素子に、圧電素子の所定固有振動数近傍の
    周波数を有する交番電圧を印加することにより超音波域
    の周波数で振動させられる、超音波研削装置の研削チッ
    プにおいて、前記圧電素子の所定固有振動数と略等しい
    固有振動数を有することを特徴とする研削チップ。
  10. 【請求項10】 チップ先端部が、歯根形状に合致する
    ように3次元に湾曲する形状を有することを特徴とす
    る、請求項9記載の研削チップ。
  11. 【請求項11】 チップ先端部にダイヤモンド砥粒層が
    形成されていることを特徴とする、請求項9記載の研削
    チップ。
  12. 【請求項12】 チップ中間部に開口し、チップ基端部
    から中間部に亘り中心線に沿って形成され、洗浄水をチ
    ップ先端部に向けて噴射させる洗浄水通路が形成されて
    いることを特徴とする、請求項9ないし11の何れか記
    載の研削チップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5754016A (en) * 1996-09-18 1998-05-19 Dentsply Research & Development Corp Method of continuous control of tip vibration in a dental scalar system
WO2011070782A1 (en) 2009-12-10 2011-06-16 Yugen Kaisha Siesta Ultrasonic scaler tip
JP2019181085A (ja) * 2018-03-31 2019-10-24 計芳 鈴木 やすり紙用の電動やすり及びやすり紙付きの電動やすり

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