JPH05150078A - 沸騰水型原子炉 - Google Patents

沸騰水型原子炉

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Publication number
JPH05150078A
JPH05150078A JP3312629A JP31262991A JPH05150078A JP H05150078 A JPH05150078 A JP H05150078A JP 3312629 A JP3312629 A JP 3312629A JP 31262991 A JP31262991 A JP 31262991A JP H05150078 A JPH05150078 A JP H05150078A
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JP
Japan
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core
shroud
pump
pressure vessel
reactor pressure
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Application number
JP3312629A
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English (en)
Inventor
Atsuji Hirukawa
厚治 蛭川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉圧力容器内の無駄な空間を有効に利用
し、インターナルポンプによる炉心流量を精度良く測定
できる。 【構成】炉心1aを内部に配置した原子炉圧力容器5の
内壁に沿ってポンプシュラウド管41を立設し、このポン
プシュラウド管41内にインペラー38を配置する。インペ
ラー38はインターナルポンプの回転軸に取り付けられて
いる。炉心1aの上部を覆うシュラウドヘッド30aのシ
ュラウドデッキ54にはポンプシュラウド管41の上端と連
通するシュラウドデッキ開口部41aが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインターナルポンプとシ
ュラウドとの構造を改良した沸騰水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉では炉心から熱を有効に
とり出し蒸気を発生し易くするため、冷却材を炉心内に
強制循環させている。改良型沸騰水型原子炉では10台
のインターナルポンプを使用して冷却材を炉心内に強制
循環させている。
【0003】図8および図9により従来のインターナル
ポンプを内蔵した沸騰水型原子炉について説明する。な
お、図9および図8におけるE−E矢視方向を切断し拡
大して示す横断面図である。
【0004】図8中符号1は炉心を示しており、この炉
心1は図9に示したように多数の燃料集合体2,2aと
制御棒3とからなっており、制御棒3の下部は制御棒案
内管4内に挿入される。炉心1内には燃料集合体2,2
aが624体、制御棒3が145体装荷されている。
【0005】符号5は原子炉圧力容器を示しており、こ
の原子炉圧力容器5内には前記炉心1が収納される。炉
心1の外周はシュラウド支持脚20に固定された炉心シュ
ラウド6で包囲されており、炉心シュラウド6と原子炉
圧力容器5との間の下部にはポンプデッキ23を介してイ
ンターナルポンプ7が取り付けられている。
【0006】符号8はCRDハウジングで、9は下部プ
レナムを示している。10は原子炉圧力容器5の上部開口
を覆う蒸気ドームで、この蒸気ドーム10内の下部に気水
分離器11と蒸気乾燥器12が配置され、蒸気乾燥器12の出
口側の原子炉圧力容器5の側面に蒸気出口ノズル13が接
続されている。また、原子炉圧力容器5内に冷却水を供
給するための給水ノズル14が原子炉圧力容器5の側面に
接続し、給水ノズル14は給水スパージャー18に接続され
ている。
【0007】符号15は炉心支持板で炉心1を支持し、炉
心1の上方には炉心上部格子板16が設けられ、炉心支持
板15と炉心上部格子板16との間に核計装管17が配設され
ている。核計装管17は炉内核計装案内管22内に挿入され
て案内される。炉内核計装案内管22の下部は炉内核計装
ハウジング21に接続している。炉心上部格子板16より上
方は上部プレナム19で、この上部プレナム19より上方に
シュラウドヘッド30が設けられている。
【0008】図中符号25は高圧炉心注水ノズルで高圧炉
心注水配管26に接続し、高圧炉心注水配管26は高圧炉心
注水スパージャー27に接続している。符号28は低圧給水
ノズルで低圧給水スパージャー29に接続している。31は
原子炉圧力容器5の支持スカート、32は原子炉圧力容器
5のフランジで上蓋35をスタッド34により接続してい
る。
【0009】このようにインターナルポンプを備えた沸
騰水型原子炉は原子炉圧力容器5内に炉心シュラウド6
で囲まれた炉心1が配置しており、炉心1は炉心支持板
15と炉心上部格子板16によって燃料集合体2を保持して
いる。4体の燃料集合体2で囲まれた位置に配設された
十字形の制御棒3が炉心1の下部から挿入され上下に駆
動される。
【0010】この駆動は炉心1の下方にあって燃料集合
体2の重量を受け、炉心1から制御棒3を下方に引き抜
いた時、制御棒を収容する制御棒案内管4の内部を貫通
する駆動軸を作動させる制御棒駆動機構(制御棒駆動機
構ハウジング8内に収容されている)によってなされ
る。炉心シュラウド6と原子炉圧力容器5の内壁との間
隙(ダウンカマー)の下部にはインターナルポンプ7が
複数(10〜12台)配置されている。
【0011】復水器から流出した冷却水は加熱器で加熱
後、給水ポンプで原子炉圧力容器の給水ノズル14を経て
給水スパージャー18から注入される。冷却水は炉心1か
ら出た蒸気、水の二相流を気水分離器11及び蒸気乾燥器
12によって蒸気と分離された高温水と混合されてダウン
カマー(原子炉圧力容器5とシュラウド6の間の環状
部)を下降しインターナルポンプ7によって加圧され下
部プレナム9へ入る。
【0012】下部プレナム9に入った冷却水は制御棒案
内管4の上部の開口と燃料支持金具(図6中省略)の冷
却材入り口(オリフィス)を通り、燃料集合体2の下部
タイプレートの燃料棒支持部に設けられた貫通口を通っ
て燃料棒の間のチャンネルボックスで囲まれた冷却水流
路に導かれる。冷却水の一部は下部タイプレートに設け
られたリーク孔からバイパス流路(チャンネルボックス
の外側の冷却水流路)へ流れる。
【0013】このチャンネルボックスで囲まれた冷却水
流路の冷却水は燃料棒の発熱により沸騰し、燃料集合体
の流路を上昇して上部プレナム19でバイパス流と混合す
る。上部プレナム19の二相流はスタンドパイプを経て気
水分離器11に入り蒸気と水に分離され、分離された水は
給水と混合する。気水分離器11を流出した蒸気は更に蒸
気乾燥器12により湿分が除かれ蒸気出口ノズル13からタ
ービンへ向かう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の改良
型沸騰水型原子炉ではインターナルポンプ7を炉心シュ
ラウド6と原子炉圧力容器5に挾まれた狭いダウンカマ
ー下部に配置しているため、インペラーの口径は比較的
小さく約50cmである。この小口径のインターナルポン
プを環状に離散的に配置している結果、インターナルポ
ンプ同士の間には大きな空間が出来ている。
【0015】原子炉圧力容器5の内部空間の有効利用
(原子炉圧力容器への高速中性子照射の低減するための
30cm程度の反射体領域を原子炉圧力容器の内壁近傍に
確保して、圧力容器の内部にできるだけ多くの燃料集合
体を配置する事)の点からは無駄空間が多い事になる。
【0016】また、インターナルポンプ7を狭い空間に
配置する関係で、インペラーの口径を小さくしており、
ポンプ効率の低い事と、慣性が小さくポンプ停止時に短
時間に炉心流量が急速に低下し過ぎる問題点がある。さ
らに、インターナルポンプのインペラーの間隙が小さい
事からジェットポンプを採用している型のBWRと比較
して炉心の自然循環能力の低下の原因になっている。
【0017】そのほかにダウンカマーを炉心外周部に設
けている関係から、冷却水と炉心から流出した蒸気、水
の二相流を蒸気セパレータ及び蒸気乾燥器によって蒸気
と分離された高温水と混合された冷却水を下部プレナム
に導くダウンカマー部と炉心部を区画するための炉心シ
ュラウド6が炉内の相当大きな構造材となっている。特
に炉心シュラウド6は径が大きく、横方向の荷重を原子
炉圧力容器に伝える為の強度、炉心上部格子板の荷重に
対する強度、シュラウド内外差圧に対する強度上の要求
から相当の厚さ(約5cm)の円筒管でつくられている。
【0018】上述したことから明らかなように改良型沸
騰水型原子炉では原子炉圧力容器内の燃料集合体装荷量
の点で無駄な空間が多く、かつインターナルポンプの外
径が小さく自然循環流量,ポンプ慣性が小さい課題があ
る。また、炉心流量の計測が炉心支持板上下差圧でなさ
れ、精度良く炉心流量を測定できない課題がある。
【0019】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、原子炉圧力容器の径を余り大きくする事無
く、原子炉圧力容器内の空間を有効活用して、上記イン
ターナルポンプの低慣性の問題等の改善を図ることがで
きる沸騰水型原子炉を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は炉心を内部に配
置した原子炉圧力容器と、この原子炉圧力容器内に該原
子炉圧力容器の内壁に沿って立設したポンプシュラウド
管と、このシュラウド管内に配置されたインペラーと、
このインペラーに取り付けられた回転軸を有するインタ
ーナルポンプとを備えた沸騰水型原子炉において、前記
炉心の上部を覆うシュラウドヘッドのシュラウドデッキ
は前記ポンプシュラウド管の上端と連通するシュラウド
デッキ開口部を有することを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明によれば従来の炉心シュラウド外の空き
スペースが削減されて、原子炉圧力容器の径をそれほど
増加させなくても原子炉圧力容器内の装荷燃料集合体数
が格段に増加する。また、ポンプシュラウド管にかかる
圧力は外部から内部への圧力であり、圧縮応力がかかる
事になる。従って、シュラウド管径が小さくなる事に相
俟って、従来の炉心シュラウドに比較して肉厚を著しく
薄く出来る。
【0022】さらに、従来より大型のインターナルポン
プを採用する事によって、インペラー間隙が大きく出来
るので、自然循環能力が向上する。そのほか、ポンプシ
ュラウド管の高さ方向の中程に流量計測用の着脱式計測
器、例えばフローノズルを設置する事により炉心流量を
従来のポンプデッキ差圧または炉心支持板の上下差圧に
よる計測より精度よく計測できる。
【0023】
【実施例】図1から図6を参照しながら本発明に係る沸
騰水型原子炉の一実施例を説明する。図中、図8および
図9と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説
明は省略する。図1は本実施例の全体構成を示す縦断面
図、図2は図1の要部を拡大して示す斜視図、図3は図
1のA−A矢視方向切断の横断面図、図4は図1のB−
B矢視方向切断の横断面図、図5は図1のC−C矢視方
向切断の横断面図、図6は図1のD−D矢視方向切断の
横断面図である。
【0024】本実施例が従来例と異なる部分は炉心1a
は原子炉圧力容器5と、炉心1aの周辺部に原子炉圧力
容器5の内壁に沿って離散的に配置された円筒状ポンプ
シュラウド管41とで囲まれた周辺部の一部が切り欠かれ
た円柱状の領域であり、炉心内を上昇する冷却材の流れ
とポンプシュラウド管41内を下降する冷却材の流れを分
離する構造になっている。
【0025】このポンプシュラウド管41は、原子炉圧力
容器5の内壁に取り付けられた炉心支持板フランジ51に
リークタイトにボルトナットで固定され、ポンプシュラ
ウド管41の下端は炉心支持板フランジ51を貫通して下部
プレナム9に開口する。ポンプシュラウド管41内の下部
のポンプデッキ45には従来の約1.5倍の径の大型のイ
ンターナルホンプ7aを設置する。インターナルポンプ
7aのモーターは原子炉圧力容器5の下鏡に取り付けら
れたモーターケーシングに内蔵され、シャフトを介して
インターナルポンプインペラーケーシング39内のインペ
ラー38を駆動する。インペラーケーシングはデフューザ
ーの役割をする。
【0026】前記ポンプシュラウド管41の上端は炉心上
部格子板16aを貫通して、シュラウドデッキ支持フラン
ジ53にボルト固定されたシュラウドデッキ54のデッキ部
54bに固定される。図2ではポンプシュラウド管41の上
端はデッキ部54bに溶接された構造であるが、フランジ
接続でもよい。フローノズル47をポンプシュラウド管41
のほぼ中央に設置する。
【0027】炉心1aを構成する燃料集合体2は4体を
1組として、炉心支持板15aの穴15bにはめ込まれた制
御棒案内管4の頂部にもうける燃料支持金具(図1中で
は省略、図2では燃料集合体、制御棒、燃料支持金具、
制御棒案内管を省略。)によって支える。また、個々の
制御棒案内管4は原子炉圧力容器5の底部に取り付けた
制御棒駆動機構ハウジング8で支持する。
【0028】制御棒案内管4のないところの燃料集合体
は炉心支持板の上にある燃料支持金具によって支え、さ
らにこの炉心支持板15aは原子炉圧力容器5の下部内壁
に設けられた炉心支持フランジ51にボルト接合され荷重
を支えられるとともに、下部プレナム9から炉心1aの
バイパス領域に直接冷却材が多量に洩れないようフラン
ジ接合により抑制する。
【0029】燃料集合体2の頂部の横方向の支持のため
に上部格子板16aがあり、これは原子炉圧力容器5の内
壁の上部格子板支持ブラケット52によって支える。十字
形の制御棒3は炉心1aの下部の制御棒案内管4を通し
て炉心1aに挿入、引き抜きし、各制御棒はカップリン
グを介して駆動機構本体に接続する。一方、駆動機構本
体は原子炉圧力容器5の底部に溶接する制御棒駆動機構
ハウジング8中にフランジ接合により完全に内蔵する。
【0030】炉心に装荷される燃料集合体の一例として
は角筒状のチャンネルボックス内に燃料束を収容してい
る。このような燃料集合体を840体,制御棒185体
を炉心1a内に装荷している。
【0031】炉心の外周部は最外周に燃料集合体冷却材
流量をオリフィスによって絞られた周辺部燃料集合体2
aを配置し、更にその外側には原子炉圧力容器との間に
中性子束の反射及び高速中性子の減衰を狙って30cm以
上の非沸騰水の領域を設ける。この領域に高速中性子の
減衰を促進するためにステンレス鋼板で出来た遮蔽材55
を最外周の燃料から若干の水の層(約10〜15cm)を
確保して設置する。この遮蔽材55は炉心支持板はステン
レス鋼−水のサンドイッチ構造の板構造、ステンレス鋼
棒をバンドで結束して、壁状にし内部に水の間隙を持た
せた様な構造でも良い。
【0032】炉心1aの上方には原子炉圧力容器内壁の
シュラウドデッキ支持フランジ53にボルト固定したシュ
ラウドデッキ54を設ける。更に、気水分離器11につなが
るスタンドパイプ36を上に有した半球状のシュラウドヘ
ッド30a(外周部はポンプシュラウド管の位置で窪んで
いる)をシュラウドデッキ54のシュラウドヘッド取り付
けフランジ部54aにフランジ接合で被せ、炉心1aから
でてきた二相流と、ポンプシュラウド管41内へ流れ込む
給水と気水分離器及び蒸気乾燥器から分離された高温水
の混合流を分離する。
【0033】つぎに上記実施例の作用を説明する。復水
器から流出した冷却水は給水加熱器で加熱後、給水ポン
プで原子炉圧力容器の給水ノズル14を経て給水スパージ
ャー18から注入される。冷却水は炉心1aから流出した
蒸気、水の二相流を気水分離器11及び蒸気乾燥器12によ
って蒸気と分離された高温水と混合されてシュラウドデ
ッキ54の開口部41aからポンプシュラウド管41内を通っ
て下降しインターナル再循環ポンプ7aのインペラー38
によって加圧され炉心下部プレナム9へ入る。
【0034】炉心下部プレナム9に入った冷却水は炉心
下部プレナムを通過する間に流れの分布が調整され、制
御棒案内管4の上部の開口に露出している燃料支持金具
(図1中省略)のオリフィスで、炉心の周辺部燃料(炉
心の最外周部)及び中央部燃料への流量を所要の割合に
調整した後、燃料集合体へ導かれる。
【0035】そして、燃料集合体2の下部タイプレート
の燃料棒支持部に設けられた貫通口を通って燃料棒間の
チャンネルボックスで囲まれた冷却水流路に導かれる。
この冷却水流路の水は燃料棒の発熱により沸騰し、燃料
集合体の流路を気水二相流となって上昇して上部プレナ
ム19に入る。冷却水の一部はバイパス流路(チャンネル
ボックスの外側の冷却材流路)へ流れ、上部プレナム19
でチャンネルボックス内の流路の二相流と混合する。
【0036】上部プレナム19は燃料集合体ごとに別々に
流出してきた気水混合流を気水分離器のスタンドパイプ
36に入る前に均一に混合する為のものである。気水分離
器11に送られた気水混合流は遠心分離効果によって蒸気
と水に分離される。蒸気はさらに蒸気乾燥器12に入って
最終的に蒸気中の湿分が取り除かれた後、原子炉圧力容
器5の複数の蒸気出口ノズル13から容器外へ出て、ター
ビンへ向かう。
【0037】気水分離器11及び蒸気乾燥器12で分離され
た水はスタンドパイプ36の外側で給水スパージャー18か
ら原子炉圧力容器内に流入してくる冷却水と合流してポ
ンプシュラウド管41内を下降してインターナルポンプに
入る。この下降流はポンプシュラウド管41のほぼ中央に
設けられたフローノズル47により個々のポンプシュラウ
ド管41の流量が計測され、全ポンプシュラウド管分の流
量に合算されて炉心流量が計測される。
【0038】このフローノズル47はポンプシュラウド管
41の高さ方向のほぼ中間に設置され流れが乱れていない
ので、計測精度上都合が良い。なお、フローノズル47の
近傍に温度計測センサーが設けられていると炉心の質量
流量をより正確に測定できる。また流量計としてはフロ
ーノズルの例を示したが、ベンチュリー管タイプ、オリ
フィスタイプでも良いが、できるだけ圧損の小さい自然
循環流量の抵抗にならない形式が良い。
【0039】従来の原子炉ではインターナル再循環ポン
プを炉心シュラウドと原子炉圧力容器に挾まれた狭いダ
ウンカマー下部に配置しているため、インペラーの口径
は比較的小さく約50cmである。この小口径のポンプを
環状に離散的に配置している結果、インターナルポンプ
同士の間には大きな空間が出来ており、原子炉圧力容器
の内部空間の有効利用(原子炉圧力容器への高速中性子
照射の低減の為の30cm程度の反射体領域を原子炉圧力
容器の内壁近傍に確保して、原子炉圧力容器の内部にで
きるだけ多くの燃料集合体を配置する事)の点からは無
駄空間が多い事になる。
【0040】本実施例によれば従来のシュラウド外の空
きスペースが削減されて原子炉圧力容器の径をそれほど
増加させなくても原子炉圧力容器の装荷燃料集合体数が
格段に増加する。例えば、図8および図9のような従来
の炉心シュラウド6を用いた炉心では原子炉圧力容器の
内径が約7.3mで燃料集合体ピッチが約19cmの場
合、624体の燃料集合体しか炉心に配置できなかった
ものが、本実施例によればインターナルポンプを採用す
ることによって、図5に示す様に同一径の原子炉圧力容
器内に840体の燃料集合体を配置できる。
【0041】この結果、原子炉の大容量化の要請に対し
て原子炉圧力容器のそれほどの内径の拡大を伴わずに、
原子炉の大容量化が図れることになる。原子炉圧力容器
の内径の拡大は、必然的に原子炉圧力容器の肉厚増加を
伴い原子炉圧力容器の大口径化は一体鍛造による原子炉
圧力容器の円筒部の製造が不可能になり、長手方向(軸
方向)溶接による原子炉圧力容器円筒部の製造法を使用
することになる。
【0042】これは高速中性子の照射による原子炉圧力
容器劣化を特に溶接部の劣化を使用中点検するための対
策部分が増加することになる。本実施例によれば原子炉
圧力容器製造コストを低減し、定期検査中に行うべき原
子炉圧力容器溶接部検査の工数低減に役立つことにな
る。
【0043】従来、ダウンカマーを炉心外周部に設けて
いる関係から、冷却水と炉心から流出した蒸気、水の二
相流を蒸気セパレータ及び蒸気乾燥器によって蒸気と分
離された高温水と混合された冷却水を下部プレナムに導
くダウンカマー部と炉心部を区画するための炉心シュラ
ウドが炉内の相当大きな構造材となっており、特に炉心
シュラウドは径が大きく(約6〜7m)内外差圧に対す
る強度上の要求、上部格子板の荷重を支える為、及び炉
心を横方向に支えて圧力容器にその荷重を伝える為に相
当の厚さ(約5cm)のステンレス製円筒管でつくられて
いる。
【0044】これに対して本実施例では外径80cm程度
の円筒管に置き変わる。本実施例のポンプシュラウド管
にかかる圧力は外部から内部への圧力であり、圧縮応力
がかかる事になり、ポンプシュラウド管径が小さくなる
事と相俟って肉厚を著しく薄くすることが出来る。
【0045】なお、たとえば特開昭62−273487
号公報および特開昭63−63992号公報には原子炉
圧力容器の有効利用の為、炉心シュラウドの胴部をイン
ターナルポンプの位置する部分だけ原子炉内部に窪ませ
た提案が出されている。しかし、この案では炉心シュラ
ウド胴部の構造が複雑になり、窪み部分と円筒との接続
部分に応力集中が発生しこの部分の肉厚を更に増す必要
がある。これに対して本実施例のように円筒のポンプシ
ュラウド管に外圧がかかる方が極めて単純な構造であ
る。
【0046】更に、従来はインターナルポンプを狭い空
間に配置する関係で、インペラーの口径を約50cmと小
さくしている。そのため、ポンプ効率が低い事と、慣性
が小さくポンプ停止時に短時間に炉心流量が急速に低下
し過ぎ燃料の除熱が悪くなる問題点がある。この対策の
ためインターナポンプの小数台故障停止の場合は少数の
制御棒を挿入して炉心出力を下げ、さらに一定数以上の
インターナルポンプ停止時には制御棒の急速挿入(スク
ラム)をかける必要があった。また、インターナルポン
プのインペラーの間隙が小さい事からジェットポンプを
採用している型のBWRと比較して炉心の自然循環能力
の低下の原因になっている。
【0047】これに対して本実施例では、従来の1.5
倍の約75cm径の大型のインターナルポンプを採用す
る。大型ポンプでは従来よりもポンプ回転数を減じて、
インペラーのひねり角を大きくし、且つ翼長方向にひね
り角を変えてインペラー形状を最適形状にする事が出
来、その結果、ポンプ効率が向上する。
【0048】また、大型化で慣性が大きくなってポンプ
故障停止時の炉心流量の低下時定数が長くなることによ
って除熱能力の低下が改善される。その結果、従来の原
子炉で必要であったMGセットが不要になる。またイン
ペラー間隙が大きくできて、自然循環能力が向上する。
【0049】従来のインターナルポンプ内蔵型沸騰水型
原子炉において、ポンプモーターの慣性が小さい事の対
策としてポンプモーターにフライホイールを付加して慣
性を増加する事が考えられているが、ポンプモーターの
能力改善につながらない単なるデットウエィトの増加に
よる対策であり、本実施例の方が優れている。
【0050】また、本実施例によれば原子炉圧力容器の
内側に炉心を囲む様な形のシュラウドが無いので、事故
時に炉心に冷却水を注入するための配管が簡潔になる。
例えば従来は図8において高圧炉心注水はシュラウド6
を貫通して配管する必要から、高圧炉心注水ノズル25か
ら入った配管は配管26の様にシュラウドと原子炉圧力容
器の伸びの差を吸収するため応力を緩和する配管をして
いる。
【0051】しかし、本実施例の場合は図1に示すよう
に高圧炉心注水ノズル25とシュラウドデッキのデッキ部
54bとの距離が小さいので伸びの差も極めて小さくその
ような応力緩和の配管は不要となり、デッキ部54bを下
方に貫通するL字形の簡単な配管でよい。
【0052】また、ポンプシュラウド管の中の流れの乱
れの少ない場所に流量計測器(フローノズル)を設置し
ているので、従来のポンプデッキ上下差圧や炉心支持板
上下差圧より精度の高い炉心流量計測ができる。特に炉
心シュラウドを有するタイプの原子炉ではダウンカマー
部の流れが3次元的で円筒管内の流れの様な単純な流れ
でないため、本実施例のような流量計測器をポンプ吸い
込み側流路に設置して、精度良く流量を計測出来なかっ
た。
【0053】つぎに本発明の第2の実施例を図7により
説明する。図7は第2の実施例の要部のみを示してお
り、図2と対比したもので、図2と同一部分には同一符
号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0054】すなわち、第2の実施例では原子炉の中央
に大型のポンプシュラウド管41を設けて、その下部41に
大型のポンプインペラーケーシング39を設置することを
特徴としている。このポンプシュラウド管41の内部にフ
ローノズル47を取り付けて、炉心流量をより正確に計測
する事が提案されている。本実施例でも図1にフローノ
ズル47をポンプシュラウド管41のほぼ中央に設置してい
る。
【0055】ところで、インターナルポンプは軸受け、
電動機、ポンプインペラー等の点検、ポンプ故障の修理
等の為に定期検査時に、分解する場合がある。その場
合、構造上インペラーはポンプシュラウド管41内を上方
に引き抜く事となる。そのためには前記流量計測センサ
ーは着脱可能なまた着脱容易な構造が良い。
【0056】図7は着脱可能なフローノズル47を有した
ポンプシュラウド管41の構造例である。この例ではフロ
ーノズル47とそのセンシングライン48を有した円筒管46
の上端フランジ部をシュラウドデッキに固定して、ポン
プシュラウド管41内に吊るす構造である。
【0057】センシングライン48はシュラウドデッキ54
のタップ57に接続して圧力容器内の固定配管と接続さ
れ、圧力容器のセンシングライン取り出しフランジ58か
ら外へ取り出される。円筒管46には上端に取り扱い用ハ
ンドル等を設け、センシングライン接続タップも遠隔操
作によって着脱可能な構造となっている。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、改良型沸騰水型原子炉
の原子炉圧力容器の径を余り大きくすることなく原子炉
圧力容器内の空間を有効活用して、従来のインターナル
ポンプの低慣性の問題の改善を図りつつ実現できる。特
に原子炉の大容量化要求に対して原子炉圧力容器の大口
径化、肉厚化が技術的に難しくなってきており、その対
策が求められているが、本発明はそれに対して極めて効
果的な対策である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る沸騰水型原子炉の第1の実施例を
示す縦断面図。
【図2】図1における要部を拡大して示す斜視図。
【図3】図1におけるA−A矢視方向を切断して示す横
断面図。
【図4】図1におけるB−B矢視方向を切断して示す横
断面図。
【図5】図1におけるC−C矢視方向を切断して示す横
断面図。
【図6】図1におけるD−D矢視方向を切断して示す横
断面図。
【図7】本発明に係る沸騰水型原子炉の第2の実施例の
要部を示す縦断面図。
【図8】従来の沸騰水型原子炉を示す縦断面図。
【図9】図8におけるE−E矢視方向を切断して示す横
断面図。
【符号の説明】
1…炉心、1a…炉心、2…燃料集合体、2a…周辺部
燃料集合体、3…制御棒、4…制御棒案内管、5…原子
炉圧力容器、6…炉心シュラウド、7…インターナルポ
ンプ、7a…インターナルポンプ、8…制御棒駆動機構
ハウジング、9…下部プレナム、10…蒸気ドーム、11…
気水分離器、12…蒸気乾燥器、13…蒸気出口ノズル、14
…給水ノズル、15…炉心支持板、15a…炉心支持板、15
b…炉心支持板穴、16…上部格子板、16a…上部格子
板、16b…上部格子板格子部梁材、17…核計装管、18…
給水スパージャー、19…上部プレナム、20…シュラウド
支持脚、21…炉内核計装ハウジング、22…炉内核計装案
内管、23…ポンプデッキ、25…高圧炉心注水ノズル、26
…高圧炉心注水配管、27…高圧炉心注水スパージャー、
28…低圧注水ノズル、29…低圧注水スパージャー、30…
シュラウドヘッド、30a…シュラウドヘッド、30b…シ
ュラウドヘッドフランジ部、31…原子炉圧力容器支持ス
カート、32…フランジ、33…ナット、34…スタッド、35
…原子炉圧力容器上蓋、36…スタンドパイプ、38…イン
ペラー、39…インターナルポンプインペラーケーシン
グ、41…ポンプシュラウド管、41a…シュラウドデッキ
開口部、43…インペラーケーシング、44…ポンプシャフ
トケーシング、45…ポンプデッキ、46…円筒管、47…フ
ローノズル、48…センシングライン、49…シュラウドヘ
ッド支持フランジ、51…炉心支持板フランジ、52…上部
格子板支持ブラケット、53…シュラウドデッキ支持フラ
ンジ、54…シュラウドデッキ、54a…フランジ部、54b
…デッキ部、55…高速中性子遮蔽材、56…水、57…タッ
プ、58…センシングライン取り出しフランジ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心を内部に配置した原子炉圧力容器
    と、この原子炉圧力容器内に該原子炉圧力容器の内壁に
    沿って立設したポンプシュラウド管と、このシュラウド
    管内に配置されたインペラーと、このインペラーに取り
    付けられた回転軸を有するインターナルポンプとを備え
    た沸騰水型原子炉において、前記炉心の上部を覆うシュ
    ラウドヘッドのシュラウドデッキは前記ポンプシュラウ
    ド管の上端と連通するシュラウドデッキ開口部を有する
    ことを特徴とする沸騰水型原子炉。
JP3312629A 1991-11-27 1991-11-27 沸騰水型原子炉 Pending JPH05150078A (ja)

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