JPH05143873A - デユアルツイン型検出素子を用いた防犯用センサの侵入物体判定方法 - Google Patents

デユアルツイン型検出素子を用いた防犯用センサの侵入物体判定方法

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JPH05143873A
JPH05143873A JP22881291A JP22881291A JPH05143873A JP H05143873 A JPH05143873 A JP H05143873A JP 22881291 A JP22881291 A JP 22881291A JP 22881291 A JP22881291 A JP 22881291A JP H05143873 A JPH05143873 A JP H05143873A
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Kazuhisa Matsuda
松田和久
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デュアルツイン型検出素子を用いた防犯用セ
ンサにおいて侵入物体をファジー的に判定すること。 【構成】 上部の焦電素子ツインの出力をアナログ値
a、下部の焦電素子ツインの出力をアナログ値bとし、
前提条件として|a|=|b|≠0の場合の|a|又は
|b|が検知下限レベルLL以上であることとし、熱源
体による平時との温度差の情報α、及び熱源体のサイズ
に関する情報βを、それぞれ α=|a|+|b|(但し、温度差∝α) β=|a|−|b|(但し、サイズ∝|1/β|) とした場合において、所定の値以上の温度差、及び所定
の値以上のサイズの種々の組合せにより、熱源体が、人
間と断定できるか又はその可能性があると判断した場合
に、警報を発することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デュアルツイン型検出
素子を用いた防犯用センサの侵入物体判定方法、特に検
出素子より取り出した信号をファジー処理することによ
り、検知した侵入物体を判定する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】検出素子としてツイン型焦電素子を上下
二組配置した、いわゆるデュアルツイン方式において
は、例えば上部素子ツインの検知信号a及び下部焦電素
子ツインの検知信号bをCPUにより下記の通り演算
し、その結果、Xがあるレベル(スレッシホールドレベ
ルL)以上の場合に警報出力を発生するようになってい
る。 X=|a+b|−|a−b|
【0003】このような信号a、bを発生する素子配置
と、これらが検知した侵入物体等(以下「検知物体」と
いう。)との関連を模式的に示したものが図1であり、
図1(A)では検知物体が人体であって、上部素子ツイ
ンa+ 及びa- がその人体上部を検知し、下部素子ツイ
ンb+ 及びb- が人体下部を検知する状態を示してい
る。また、図1(B)において、検知物体はねずみ等の
小動物であり、下部素子ツインb+ 及びb- のみがその
小動物から発せられる遠赤外線を検知する状態を示して
いる。図2(A)及び(B)は上述した図1(A)及び
(B)に対応する素子a、bの信号とそれらの処理信号
XとレベルLとの関係、及びこれに対応する警報の発生
を示す図である。したがって、上記X演算式に従う限
り、デュアルツイン方式によれば、侵入者(人間)と小
動物等との違いを識別し、前者の場合にのみ警報を発す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような通常のデュアルツイン方式においては、検知物体
がサイズ的に人間であるか否かはある程度判断し得る
が、各サイズの検知物体による放射熱(平時背景との温
度差)がどの程度であるかを総合判断し、それが人間で
あると断定し、又は人間らしいという結論を得て警報を
発生する、いわゆるファジー処理的な対応はできなかっ
た。
【0005】本発明の目的は、上下ツイン素子によるa
及びbの信号から監視領域に侵入した物体による平時背
景との温度差の高低、及びサイズ情報を得て、この二つ
の情報をファジー処理することにより、警報出力の判断
を行う信号処理方式を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明の検知物体判定方法においては、水平方向の
熱源体の移動を時差的に検出するための焦電素子のツイ
ン配列を上下2列設けてなるデュアルツイン型防犯用セ
ンサを用い、上部の焦電素子ツインの出力をアナログ値
a、下部の焦電素子ツインの出力をアナログ値bとし、
前提(1)として|a|=|b|≠0の場合の|a|又
は|b|が検知下限レベルLL以上であることとし、熱
源体による平時との温度差の情報α、及び熱源体のサイ
ズに関する情報βを、それぞれ α=|a|+|b|(但し、温度差∝α) β=|a|−|b|(但し、サイズ∝|1/β|) とした場合において、所定の値以上の温度差、及び所定
の値以上のサイズの種々の組合せにより、熱源体が、侵
入した人間である可能性が高いと判断した場合に、警報
を発することを特徴とするものである。
【0007】本発明のより特定された態様においては、
前記温度差の情報αにより、温度差を低、やや低、やや
高、及び高に分類し、前記サイズ関連情報βにより、サ
イズを小、やや小、やや大、及び大に分類し、(1)温
度差が実質的に高く、サイズも実質的に大きい場合は人
間である、(2)温度差が実質的に高く、サイズが小さ
い場合は小動物である、(3)温度差が実質的に低く、
サイズが実質的に大きい場合は人間である可能性が大き
い、(4)温度差が実質的に低く、サイズも実質的に小
さい場合は小動物である可能性が大きい、(5)温度差
が低く、サイズが大きくない場合は外乱である、との規
則において熱源体を判断することを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】上記の構成において、一般に上部及び下部ツイ
ン素子からなる信号a、bが実質的に存在する場合の態
様は、図3の通りであり、下部ツイン素子からの信号b
のみが存在する状態は、図4に示す通りである。各図に
おいて、(A)は信号強度が実質的な大きさを有する場
合であり、(B)は信号強度が弱い場合を示している。
これらの図において、検知物体のサイズが大きく、温度
も高い図3(A)の状態は明らかに侵入者(人間)の存
在として警報を発するべきであるが、サイズは大きい
が、温度差が低い図3(B)の状態においては、どのよ
うに判断するかが問題である。また、検知物体のサイズ
が小さい場合に相当する図4の場合においては、温度差
が大きい(A)の状態及び温度の低い(B)の状態のい
ずれにおいても、警報を発するべきでないことは明らか
である。
【0009】これらの図から明らかな通り、信号a及び
bの絶対値は部分的温度差情報であるから、検知物全体
の温度差αはそれらの和で表わされ、サイズ情報1/β
は、下記の前提においてそれら絶対値の差の絶対値が小
さい場合ほど大きいものとして表わされる。すなわち、 α=|a|+|b| β=|a|−|b| この場合、|a|=|b|=0以外の|a|又は|b|
は前述した検知下限レベルLL以上のアナログ値を有
し、|a|=|b|≦LLにおいてα=0なる場合を無
視するものとする。
【0010】したがって、このようにして得られた温度
差情報α及びサイズに関する情報βより、検知物体が人
間であるとほぼ断定できるか、又はその可能性があると
みなせる場合に、確実に警報を発することができる。
【0011】より特定すれば、温度差情報αを“低”、
“やや低”、“やや高”及び“高”の4段階に分類し、
サイズ関連情報1/βを“小”、“やや小”、“やや
大”及び“大”の4段階に分類することにより、4×4
=16種類の類別要素を用いて、(1)人間である、
(2)小動物である、(3)人間である可能性が大き
い、(4)小動物である可能性が大きい、(5)外乱で
ある、等の判断を行い、より確実な対処(例えば、小動
物の侵入をも防止したい場合には、その侵入を特定して
警報すること等)が可能となる。
【0012】
【実施例】図5は前述した通り、サイズ関連情報1/β
を“小”、“やや小”、“やや大”及び“大”の4段階
に分類し、温度差情報処理を“低”、“やや低”、“や
や高”及び“高”の4段階に分類した場合の判断区分を
示す図表である。すなわち、温度差が“低”でサイズが
“やや大”以下であれば、この領域は外乱と判断され
る。また、温度差が“やや低”でサイズが“小”又は
“やや小”の場合、及びサイズが“やや小”で温度差が
“やや高”及び“高”の場合には、小動物の可能性大の
領域とし、温度差が“やや高”及び“高”においてサイ
ズが“小”である場合には、小動物の侵入と判断する。
【0013】図5における残りの領域において、温度差
が“低”でサイズが“大”である場合、及び温度が“や
や低”でサイズが“やや大”以上であれば、この領域は
人間の可能性が大きいものとし、温度差が“やや高”以
上であって、サイズが“やや大”以上である場合には人
間であると判断される。
【0014】図6及び図7は上記のような類別判断の基
準となるメンバーシップ関数の一例を、それぞれ温度差
の高低及びサイズの大小について示すものである。類別
判断においては、これらのメンバーシップ関数から各要
素の適合度を求める。例えば、入力が図6においてα1
であり、図7においてβ1である場合、温度差は“やや
高”の適合度が“1”となり、サイズは“小”の適合度
が“1”となる。また、他の要素の適合度はゼロである
ことが明らかである。したがって、この状態は、温度差
がやや高くサイズが小さい場合は小動物である、という
図5に示した区分と一致する。
【0015】実際の演算処理においては、各要素の適合
度を求めてから前述した5項目の区分の各々について演
算を行い、その結果をデファジー化することにより、最
終的に警報を出力するか否かを判断するものである。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上の通りに構成されたの
で、デュアルツイン型検出素子を用いた防犯用センサの
設置環境に応じたファジー処理を行い、安全確実なセン
サ機能を補償するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】デュアルツイン型検出素子の配置と検知物体と
の関係を示す模式図である。
【図2】図1の各場合に対応する従来のデュアルツイン
信号処理における信号処理シーケンスを示すシーケンス
波形図である。
【図3】デュアルツイン型素子がサイズの大きい検知物
体を検知した場合の検出波形図である。
【図4】デュアルツイン型素子がサイズの小さい検知物
体を検知した場合の検出波形図である。
【図5】検知物体のサイズ及び温度差を4分類し、その
組合せによって検知情報が何を示しているかを類別判断
するための図表である。
【図6】検出温度差の高低に関するメンバーシップ関数
の一例である。
【図7】検知物体の大小に関するメンバーシップ関数の
一例である。
【符号の説明】
a 上部素子ツインの検出信号 b 下部素子ツインの検出信号 X 従来の処理信号 L 従来の処理信号のスレッシホールドレベル LL 検出下限レベル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の熱源体の移動を時差的に検出
    するための焦電素子のツイン配列を上下2列設けてなる
    デュアルツイン型防犯用センサを用い、上部の焦電素子
    ツインの出力をアナログ値a、下部の焦電素子ツインの
    出力をアナログ値bとし、前提条件として|a|=|b
    |≠0の場合の|a|又は|b|が検知下限レベルLL
    以上であることとし、熱源体による平時との温度差の情
    報α、及び熱源体のサイズに関する情報βを、それぞれ α=|a|+|b|(但し、温度差∝α) β=|a|−|b|(但し、サイズ∝|1/β|) とした場合において、所定の値以上の温度差、及び所定
    の値以上のサイズの種々の組合せにより、熱源体が、侵
    入した人間である可能性が高いと判断した場合に、警報
    を発することを特徴とするデュアルツイン型検出素子を
    用いた防犯用センサの侵入物体判定方法。
  2. 【請求項2】 前記温度差の情報αにより、温度差を
    低、やや低、やや高、及び高に分類し、前記サイズ関連
    情報βにより、サイズを小、やや小、やや大、及び大に
    分類し、(1)温度差が実質的に高く、サイズも実質的
    に大きい場合は人間である、(2)温度差が実質的に高
    く、サイズが小さい場合は小動物である、(3)温度差
    が実質的に低く、サイズが実質的に大きい場合は人間で
    ある可能性が大きい、(4)温度差が実質的に低く、サ
    イズも実質的に小さい場合は小動物である可能性が大き
    い、(5)温度差が低く、サイズが大きくない場合は外
    乱である、との規則において熱源体を判断することを特
    徴とする請求項1記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006162463A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Takenaka Engineering Co Ltd 人体検知器
JP2011043959A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Nec System Technologies Ltd 通報システム、通報装置、通報制御方法、ならびに、プログラム
JP2011113411A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Sogo Keibi Hosho Co Ltd 警備装置およびセンサ反応要因の推定方法

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