JPH05142314A - 鉛蓄電池の残存容量推定装置 - Google Patents

鉛蓄電池の残存容量推定装置

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JPH05142314A
JPH05142314A JP3303637A JP30363791A JPH05142314A JP H05142314 A JPH05142314 A JP H05142314A JP 3303637 A JP3303637 A JP 3303637A JP 30363791 A JP30363791 A JP 30363791A JP H05142314 A JPH05142314 A JP H05142314A
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茂憲 松村
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孝夫 丸井
Masamichi Inakura
正道 稲倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池回路を遮断することなく、通電中の電圧
及び電流の測定データから開路電圧を推定し、この推定
開路電圧に基づき鉛蓄電池の残存容量を推定する鉛蓄電
池の残存容量推定装置を提供する。 【構成】 放電中の鉛蓄電池PBから電流Ijと端子電圧
Vjとを実測する検出回路(12a,12b)と、電流
Ijに基づき端子電圧Vjを、第一関係式により推定し、
推定された端子電圧と実測された端子電圧との差を演算
すると共に、その差に基づき推定された端子電圧を実測
された端子電圧に近似させるべく演算し、その結果を鉛
蓄電池PBの開路電圧とみなして出力する第一演算回路1
4と、第一演算回路14により出力された推定開路電圧
に基づき、鉛蓄電池PBの放電初期の残存容量を第二関係
式により推定すると共に、鉛蓄電池PBの放電後期の残存
容量を第三関係式により推定する第二演算回路21とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、電気自動車の電源として使用
される鉛蓄電池の残存容量推定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車用の電源として、鉛蓄
電池が使用されている。
【0003】この鉛蓄電池は、寿命と価格の面で優れて
いる半面、一回の充電における蓄電容量が少ないことか
ら、電気自動車用の電源として使用した場合、走行距離
が短くなってしまう上に、充電場所が限られているので
容易に充電できないのが現状である。
【0004】従って、鉛蓄電池を使用するに際しては、
所望時点において走行可能距離を的確に推定できること
が必要であり、そのために、鉛蓄電池の残存容量を正確
に把握することが重要となる。
【0005】この残存容量の正確な把握のために、鉛蓄
電池の性能を表す指標の一つであり、電池の起電力に対
応している開路電圧が目安として用いられている。
【0006】ところで、鉛蓄電池は、放電による電圧降
下が大きい上に、化学反応及び拡散現象等のため電圧降
下後の電圧回復までに長時間を要することから、開路電
圧を測定するには、電圧降下を止めるために一旦放電を
中止した後、電圧が徐々に回復するまで長時間待つこと
が必要であった。
【0007】そこで、先に電池回路を遮断して、放電中
断後の短時間の端子電圧の変化を測定して開路電圧の推
定を行い、更にその推定結果から鉛蓄電池の残存容量を
推定することが考えられる。
【0008】ところが、測定に際しては、実際に電池回
路を遮断することが必要であり遮断により自動車が停止
してしまうことから、例えば交通量の多い場所では測定
することができない等、測定に際しての制約があった。
【0009】このため、電池回路を遮断せずに開路電圧
の推定ができることが望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電池回
路を遮断しない場合には、放電中の電流の影響により測
定した端子電圧は不規則に変動することが多く、これら
の不規則データから開路電圧を推定するのは困難であ
り、ついては鉛蓄電池の残存容量の推定も困難であると
いう問題点があった。
【0011】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、電池回路を遮断
することなく、通電中の電圧及び電流の測定データから
開路電圧を推定し、この推定開路電圧に基づき鉛蓄電池
の残存容量を推定する鉛蓄電池の残存容量推定装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る鉛蓄電池の残存容量推定装置は、放
電中の鉛蓄電池から電流と端子電圧とを実測する検出手
段と、前記電流に基づき前記端子電圧を、前記鉛蓄電池
の開路電圧に対応する定数項と前記電流に係わる係数項
とを含む第一関係式により推定し、推定された端子電圧
と実測された端子電圧との差を演算すると共に、その差
に基づき推定された端子電圧を実測された端子電圧に近
似させるべく前記係数項を変更して演算し、推定された
端子電圧と実測された端子電圧とが一致し且つ入力電流
がゼロの際の定数分を前記鉛蓄電池の開路電圧とみなし
て出力する第一演算手段と、前記第一演算手段により出
力された推定開路電圧に基づき、前記鉛蓄電池の放電初
期の残存容量を第二関係式により推定すると共に、前記
鉛蓄電池の放電後期の残存容量を第三関係式により推定
する第二演算手段とを有することを特徴としている。
【0013】
【作用】上記構成を有する鉛蓄電池の残存容量推定装置
は、検出手段により放電中の鉛蓄電池から電流と端子電
圧とを実測し、この実測した電流に基づき、第一演算手
段が、鉛蓄電池の開路電圧に対応する定数項と電流に係
わる係数項とを含む第一関係式により端子電圧を推定
し、推定された端子電圧と実測された端子電圧との差を
演算すると共に、その差に基づき推定された端子電圧を
実測された端子電圧に近似させるべく係数項を変更して
演算し、推定された端子電圧と実測された端子電圧とが
一致し且つ入力電流がゼロの際の定数分を鉛蓄電池の開
路電圧とみなして出力する。そして、第二演算手段が、
第一演算手段により出力された推定開路電圧に基づき、
鉛蓄電池の放電初期の残存容量を第二関係式により推定
すると共に、鉛蓄電池の放電後期の残存容量を第三関係
式により推定する。
【0014】
【実施例】以下に、この発明に係る鉛蓄電池の残存容量
推定装置の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0015】図14に示す鉛蓄電池の残存容量推定装置
20は、図1に示す鉛蓄電池の開路電圧推定装置10に
より得られた開路電圧に基づき、鉛蓄電池の残存容量を
推定するものである。
【0016】図1に示す鉛蓄電池の開路電圧推定装置1
0は、適応ディジタルフィルタ(以下、ADFと略記す
る)11を適用して鉛蓄電池PBの開路電圧を推定する。
【0017】その図1において、Rは負荷であり、この
負荷Rには、電気自動車に搭載される電動機等の各種の
電気部品が対応しているが、ここでは電気自動車の代わ
りに等価モデルを用いて説明することにする。
【0018】図2は、その等価モデルによる実験システ
ムの主要構成を示すものである。
【0019】(実験システムの概要)実験システムは、
走行抵抗を模擬負荷とする試験装置であり、パーソナル
コンピュータを介した制御・計測装置を有している。こ
こでは、鉛蓄電池PBを10個直列に接続したものを試験装
置の駆動用電源(以後EV駆動テスタと呼ぶ)としてお
り、EV駆動テスタは、電動機Mの発電機運転による発電
機の負荷で走行抵抗を模擬している。
【0020】電動機Mは、二台の直流電動機(DCM)M1,
M2と一台の交流電動機(ACM)M3が備えられており、各
々の電動機M1,M2,M3は、ダイレクトディジタルコントロ
ール装置(DDC)を介して、ユニバーサルFAシステム(U
FAS)によりそれぞれ制御されている。Tはトルクメー
タである。
【0021】この実験において想定した車両モデル及び
走行パターンを、以下に示す。
【0022】車両モデル:重量が1000kgの普通乗用車ク
ラスの電気自動車で、電動機M四台を搭載した車輌の1/
4モデルである。
【0023】走行パターン:市街地走行を代表する走行
パターンを基準とした以下のパターンを繰り返し用いて
いる。
【0024】加速域 加速度は4km/h/sとする。
【0025】定速域 走行速度は10,20,…,60km/hの値
から適宜選び、走行時間は30秒とする。
【0026】減速域 2km/h/sの割合で減速する。
【0027】停止期間 走行と走行との間に30秒間停止
する。
【0028】(適応ディジタルフィルタの概要)次に、
適応ディジタルフィルタの基本モデルを、図3に示す。
【0029】図3において、xj,yjはADF11の入出
力信号、ejは目標値djとの誤差信号を示し、jは時間
添字を表している。ここで用いられるのは、(1)式で与
えられる非巡回形(non-recursive)モデルである。
【0030】
【数1】
【0031】ここで、Nはフィルタの次数、bk,jは時
間ステップjにおけるフィルタの重み係数である。係数
の推定は、次式で与えられるFeintuchのアルゴリズムを
用いる。
【0032】
【数2】
【0033】ここで、vは十分小さい正の定数であり、
最急勾配法におけるステップ幅を示している。
【0034】従って、ADF11の計算アルゴリズムは、
以下のようなStep1〜7で与えられる。
【0035】 Step1.v,bk,0(k=0,…,N)の初期設定 Step2.j=0(初期時刻の設定) Step3.xj,djの読み込み Step4.yj=b0,j・xj+b1,j・xj-1+…+bN,j・
xj-N(予測値の計算) Step5.ej=dj−yj(誤差の計算) Step6.bk,j+1=bk,j+v・ej・xj-k(パラメータ
の更新) Step7.j=j+1,Step3へ戻る。
【0036】(ADFによる開路電圧予測モデル)図4及
び図5に示すように、鉛蓄電池PBの電流IjをADF11の
入力デジタル値xj、端子電圧VjをADF11の目標デジ
タル値yjとする。なお、走行条件に応じて電流Ijが変
動すると共に端子電圧Vjが変動する。
【0037】図4は、EV駆動テスタに電源として使用す
る鉛蓄電池PBの等価回路を示しており、rは鉛蓄電池PB
の内部抵抗、Eは起電力である。図5は、ADF11によ
る鉛蓄電池モデルの同定の説明に使用するチャートであ
り、xjは、ここでは入力電流Ijのデジタル情報であ
る。
【0038】図6は、このときの電流Ijと鉛蓄電池PB
一個当りの端子電圧Vjの実測例であり、電気自動車の
加速、定速、減速、停止の各走行局面に対応する、電流
が増加、一定、減少、0値の場合の様相がそれぞれ示さ
れている。ここで、鉛蓄電池PBの内部抵抗r等の影響に
より、端子電圧Vjが電流の増減とは逆の様相で変動し
ていることが分かる。
【0039】但し、Ij=I(jT)及びVj=V(jT)と
し、サンプリング間隔Tは、T=0.756秒である。
【0040】上述のように、電流Ijと電圧VjをADF1
1の入力及び目標値として、電流Ijと電圧Vjに関する
ADFモデルを次式のように構成する。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】
【数5】
【0044】但し、ej=Vj−Vj´とし、Vj´はVj
の予測値を示す。
【0045】なお、この実施例においては、電圧及び電
流の平均値が0でないことを考慮して、(1)式に定数項
Cjを新たに加えることとする。但し、wはCjに対する
ステップ幅を示す。
【0046】Cjは、(3)式から分かるように、電流I=
0のときの電圧値、即ち時刻jTにおける鉛蓄電池PBの開
路電圧の推定値に相当している。以後、このCjを推定
開路電圧と見なすこととする。
【0047】次に、モデルの次数Nを決めるため、鉛蓄
電池PBの放電が62サイクル目のデータを用いて分散及び
AICを計算し、その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】なお、AICは赤池情報量規範を示してお
り、AIC=DN・log(分散)+2・(次数)で表さ
れる。DNはデータ数であり、分散はΣej2/DN、次
数はNでそれぞれ表される。
【0050】ここで、放電が一サイクルであるとは、電
気自動車の作動による放電によって、鉛蓄電池PBを電源
として使用することが困難になるまでのプロセスを意味
している。特に62サイクル目のデータを選んだ理由は、
種々の実験データ中でこのサイクルの放電電流がかなり
大きい値を示し、ADF11の予測精度を検証するのが容
易なためである。
【0051】表1から分かるように、次数N=2の場合
が分散とAICが何れも最小となるので、(6)式(第一関係
式)で与えられる二次モデルを採用する。
【0052】
【数6】
【0053】つまり、ある時刻jの推定端子電圧値であ
る予測値Vj´は、時刻j-2における電流値Ij-2、時刻j
-1における電流値Ij-1、時刻jにおける電流値Ijに基
づき演算される。
【0054】但し、Cjの初期値は、実測可能である開
路電圧の初期値(12.598V)とし、v=0.0001,w=0.0
007と設定した。
【0055】このモデルにより端子電圧Vjを予測した
場合の係数bk,j及び定数項Cjの推移を、図7に示す。
また、その推定値と推定誤差を、それぞれ図8(a)
(0〜100秒間の結果),(b)(900〜1000秒間の結果)
に示す。
【0056】これらの図から、係数は若干の変動がある
ものの、ADFモデルは端子電圧を精度良く推定している
ことが分かる。
【0057】(ADFによる開路電圧の推定)(6)式の定数
項Cjが推定開路電圧として妥当であることを、放電62
サイクル目のデータを用いて検証する。
【0058】図9は、推定開路電圧Cjを、放電中の実
測した端子電圧と共に、その時間推移に従って示したも
のである。ここに、●は300ステップ内における実測端
子電圧の最大値を、○は300ステップ毎の推定開路電圧
をそれぞれ示している。
【0059】推定開路電圧は、放電時間の経過と共に測
定電圧より高いレベルで単調に減少しており、一般に言
われている放電に伴う開路電圧の推移傾向と充分合致し
ている。
【0060】また、放電62サイクル目における最終の開
路電圧の測定値と計算値との比較は、表1の最終開路電
圧の欄に示す通りであり、実測値が12.101Vであること
から略一致していることが分かる。
【0061】このように、ADF11を適用して鉛蓄電池P
Bの性能を表す指標となる開路電圧を推定し、更に、実
験データを用いて、それらの有効性を定量的に検証し
た。
【0062】その結果、ADF11を用いることにより、
鉛蓄電池PBの放電を中断することなく開路電圧の推定が
できることが判明した。
【0063】次に、上記ADFによる開路電圧予測モデル
に基づく鉛蓄電池の開路電圧推定装置10の実施例を、
具体的構成により説明する。
【0064】鉛蓄電池の開路電圧推定装置10は、ADF
11と、ADF11への入力情報としての鉛蓄電池PBの放
電データを検出する検出回路を有している。
【0065】検出回路は、電動機Mを作動させて放電中
の鉛蓄電池PBから放電データを実測しており、電流Ij
を検出する電流検出回路12aと端子電圧Vjを検出す
る電圧検出回路12bとを有している。
【0066】電流検出回路12aにより検出された電流
Ijは、A/Dコンバータ13aを介してデジタル変換され
た後、ADF11へと出力され、電圧検出回路12bによ
り検出された端子電圧Vjは、A/Dコンバータ13bを介
してデジタル変換された後、ADF11へと出力される。
【0067】ADF11は、第一演算回路(第一演算手
段)14、比較回路15、判断回路16及びメモリ17
a,17bを有している。
【0068】ADF11へと出力された放電データの内、A
/Dコンバータ13aから出力された電流Ijに基づく電
流情報は、メモリ17bを経て入力信号xjとして第一
演算回路14へと入力される。
【0069】一方、A/Dコンバータ13bから出力され
た電圧情報は、メモリ17aを経て目標値djとして比
較回路15へと入力される。
【0070】第一演算回路14は、入力信号xjに基づ
き、鉛蓄電池PBの開路電圧に対応する定数項と電流Ij
に係わる係数項とを含む第一関係式(上述の(6)式)に
より端子電圧を推定する。推定された端子電圧は、第一
演算回路14の出力信号yjとして比較回路15へと出
力される。
【0071】比較回路15は、第一演算回路14の出力
信号yjであり推定された端子電圧である予測値Vj´
と、実測された端子電圧である目標値djとを比較し、
その差である誤差信号ejを判断回路16及び第一演算
回路14へと出力する。
【0072】第一演算回路14へとフィードバックされ
た誤差信号ejに基づき、第一演算回路14は、予測値
Vj´を目標値djに近似させるべく係数項を変更して演
算し、予測値Vj´は、第一演算回路14の出力信号yj
として比較回路15へと出力される。
【0073】また、入力された誤差信号ejに基づき、
判断回路16は、予測値Vj´と目標値djとが一致する
か否かを判断する。
【0074】そして、比較回路15から第一演算回路1
4へのフィードバックを繰り返し、予測値Vj´と目標
値djとが略一致した場合に、第一演算回路14は、定
数分Cjを鉛蓄電池PBの開路電圧とみなして出力する。
【0075】(開路電圧と放電量の関係)ところで、推
定された開路電圧を鉛蓄電池PBの残存容量(Wh)と関係
付けるためには、この開路電圧と放電量との関係を調べ
ることが必要である。
【0076】図10の・は、ADF11による推定開路電
圧と放電量との関係を表示したものである。推定開路電
圧は、放電が進むに連れて単調に減少している。この放
電量と推定開路電圧の関係を表す推定式を求めるため、
回帰分析法及びADFモデル化法によるデータ分析を行
う。
【0077】以下に示す各係数の値は、放電量の単位が
kWh、電圧の単位がVに対するものである。
【0078】a:回帰分析法 図10の放電量と推定開
路電圧の傾向を勘案して、放電量を予測するために次の
二次回帰式を採用する。
【0079】
【数7】
【0080】ここで、xは放電量、yは推定開路電圧を
示しており、αj,βj,γjは、時刻jTまでのデータに
より推定した回帰係数であり、次の正規方程式を解くこ
とにより求められる。
【0081】
【数8】
【0082】
【数9】
【0083】
【数10】
【0084】ここで、xi,yiは、それぞれ時刻iTでの
放電量及び推定開路電圧を表す。
【0085】この方法により回帰分析した結果につき、
その回帰曲線を図10の曲線Aに示す。また、各時刻で
の回帰係数及び推定誤差をそれぞれ図11(a),
(b)に示す。
【0086】この結果から、放電量と推定開路電圧の関
係は、二次回帰式で略近似できることが分かる。放電終
了時(J=5290)での放電量の実測値は1488Whであり、
二次回帰式による放電量の計算値は1545Whとなってい
る。
【0087】但し、この回帰分析法では、(8)〜(10)式
を各j毎に解くことが必要であり、かなりの計算時間を
要している。
【0088】この点を改良するため、ADFモデル化法に
よる逐次計算法を以下に提案する。
【0089】b:ADFモデル化法 前項での検討の結
果、放電量と推定開路電圧の関係が二次回帰式で略近似
できることが分かった。この結果を踏まえ、逐次計算に
適した次のADFモデルを適用した方法を提案する。
【0090】
【数11】
【0091】
【数12】
【0092】
【数13】
【0093】
【数14】
【0094】
【数15】
【0095】ここで、Cj´は時刻jTにおける推定開路
電圧の予測値、Whjは時刻jTにおける放電量、fj,g
j,hjは重み係数、p,q,rは重み係数更新時のステ
ップ幅をそれぞれ示している。
【0096】この方法を用いて、ステップ幅と係数の初
期値を種々に変更し、放電量と推定開路電圧の関係を精
度良く近似する推定曲線を求めた。その推定曲線が以下
のように求められた。
【0097】
【数16】
【0098】(15)式で与えられた曲線を用いた予測結果
を、図10の曲線Bに示す。また、係数及び誤差の推移
の各々を、図12(a),(b)に示す。
【0099】図10の曲線AとB、及び(8)〜(10)式と
(11)〜(14)式を比較すると、ADFモデル化法による放電
量推定法の方が、回帰分析による方法よりも計算時間及
び精度の点で優れていることが分かる。
【0100】(開路電圧による残存容量の推定)上記に
おける検討により、推定開路電圧と放電量の関係は、放
電量の二次式で略近似できることが明らかになった。そ
こで、この二次式を用いることにより、図13に示すよ
うに、推定開路電圧の現在値とその制限値との差に相当
する放電量を、残りの可能放電量(残存容量)として、
推定することができる。
【0101】そこで、前述のように計算が簡単なADFモ
デル化法を適用し、残存容量の推定を行う。この場合、
図12(a)に示すように、放電の初期においては、モ
デルの係数が安定していないために推定精度が悪いこと
が予想される。
【0102】従って、この放電初期を含む前半の期間
は、推定式として過去の放電の繰り返しで得られた平均
的な二次回帰式(以後基準式と呼ぶ)を用い、後半の期
間はADFモデル化法を用いることとする。
【0103】即ち、以下の(A)と(B)の二段階推定
法により、残存容量を予測する。
【0104】(A)放電前期の推定 前期での推定式は次式(第二関係式)とする。
【0105】
【数17】
【0106】ここで、V0及びWhはそれぞれ推定開路
電圧及び放電量を表わし、α,β,γは回帰係数を示し
ている。
【0107】開路電圧の制限値をV1としたとき、開路
電圧がこの制限値に達したときの総放電量Whtは、(1
7)式においてVO=V1を代入し、
【0108】
【数18】
【0109】により求められる。
【0110】ここで、現在の放電量をWhnとすれば、
残存容量Whrは次式で与えられる。
【0111】
【数19】
【0112】(B)放電後期の推定 後期での推定式は、推定計算時刻jTまでに、(11)〜(14)
式により推定したADFモデルに基づき、次式(第三関係
式)とし、
【0113】
【数20】
【0114】(A)と同様に残存容量を次式により求め
る。
【0115】
【数21】
【0116】
【数22】
【0117】なお、前期と後期の区分は、残存容量の推
定値が区分の境界で急激に変化しないよう選ぶ必要があ
り、この実施例では表2で与えられた放電期区分による
ものとする。
【0118】
【表2】
【0119】次に、上記二段階推定法により、残存容量
を予測する鉛蓄電池の残存容量推定装置20の具体的構
成例を説明する。
【0120】図14に示す鉛蓄電池の残存容量推定装置
20は、鉛蓄電池の開路電圧推定装置10に加えて、第
一演算回路14により出力された推定開路電圧に基づ
き、鉛蓄電池PBの放電初期の残存容量を第二関係式((1
7)式)により推定すると共に、鉛蓄電池の放電後期の残
存容量を第三関係式((20)式)により推定し、残存容量
Whrを出力する第二演算回路21(第二演算手段)を
有している。
【0121】(残存容量推定結果)ここでは、電気自動
車の代表的市街地走行パターンを模擬して、鉛蓄電池PB
の放電を行った場合の三つのケース(ケースA,B,
C)の実験データに対して、上記で提案した方法を用い
た推定を行い、その有効性を検証する。なお、各ケース
の放電条件及び計算に使用した定数を表2に示す。
【0122】A,B,Cの各ケースについての残存容量
の推定結果を、それぞれ図15〜17に示す。
【0123】これらの図から分かるように、各ケースと
も残存容量は放電経過と共に漸減している一方、既に消
費した放電量をこれに加えた総放電容量は、後期におい
ては各ケースとも略最終測定値の±5%の範囲内で推移
している。
【0124】実際の市街地走行に近いと考えられるラン
ダム走行パターンのケースA(図15参照)では、特に
その精度が良好であることが分かる。又、高速運転時に
対するケースC(図17参照)の場合にも、略同様の予
測精度を得られることが示されている。
【0125】ケースB(図16参照)の場合は、比較的
ゆっくりした放電であり、開路電圧の変化が平均的な基
準式の傾向に比べて緩やかである。従って、基準式を推
定に適用する前期において残存容量が小さめに計算さ
れ、総放電量は約−10%まで低下している。
【0126】ところで、電気自動車の走行においては、
放電後期の精度が重要であり、前期における10%の誤差
は実用上あまり重要な問題ではない。
【0127】従って、この発明に係る鉛蓄電池の残存容
量推定装置による残存容量の推定は、種々の走行パター
ンに対しても有効であると思われる。
【0128】このように、鉛蓄電池の残存容量を把握す
るために、ADF11を適用して、鉛蓄電池PBの性能を表
す指標となる開路電圧を推定し、更に、実験データを用
いて、それらの有効性を定量的に検証した。
【0129】その内容を要約すると、以下のようにな
る。
【0130】1.ADF法を用いることにより、鉛蓄電池
の放電を中断することなく開路電圧が推定できる。
【0131】2.推定した開路電圧は、鉛蓄電池の放電
量と相関関係があり、二次式で略近似できる。
【0132】3.2の二次式を用いて、放電中の推定開
路電圧及び放電量から、鉛蓄電池の使用限界までの残存
容量が精度良く推定できる。
【0133】
【発明の効果】この発明に係る鉛蓄電池の残存容量推定
装置は、放電中の鉛蓄電池から電流と端子電圧とを実測
する検出手段と、前記電流に基づき前記端子電圧を、前
記鉛蓄電池の開路電圧に対応する定数項と前記電流に係
わる係数項とを含む第一関係式により推定し、推定され
た端子電圧と実測された端子電圧との差を演算すると共
に、その差に基づき推定された端子電圧を実測された端
子電圧に近似させるべく前記係数項を変更して演算し、
推定された端子電圧と実測された端子電圧とが一致し且
つ入力電流がゼロの際の定数分を前記鉛蓄電池の開路電
圧とみなして出力する第一演算手段と、前記第一演算手
段により出力された推定開路電圧に基づき、前記鉛蓄電
池の放電初期の残存容量を第二関係式により推定すると
共に、前記鉛蓄電池の放電後期の残存容量を第三関係式
により推定する第二演算手段とを有することを特徴とし
ている。
【0134】このため、電池回路を遮断することなく、
通電中の電圧及び電流の測定データから開路電圧を推定
し、この推定開路電圧に基づき鉛蓄電池の残存容量を推
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛蓄電池の開路電圧推定装置を示すブロック図
である。
【図2】鉛蓄電池の開路電圧推定装置を有する実験シス
テムの主要構成を示す説明図である。
【図3】ADFの基本モデルを示す説明図である。
【図4】鉛蓄電池の等価回路図である。
【図5】ADFによる鉛蓄電池モデルの同定の説明に使用
するチャートである。
【図6】図3に示す電流と電池一個当りの端子電圧の実
測例を示す図である。
【図7】ADFを用いた開路電圧モデルにより端子電圧を
予測した場合の係数及び定数項の推移を示す図である。
【図8】ADFを用いた開路電圧モデルにより端子電圧を
予測した場合を示しており、(a)は予測値の図、
(b)は予測誤差の図である。
【図9】推定開路電圧と電圧実測値の時間推移を示す図
である。
【図10】鉛蓄電池の開路電圧推定装置を有する実験シ
ステムの主要構成を示す説明図である。
【図11】ADFの基本モデルを示す説明図である。
【図12】鉛蓄電池の等価回路図である。
【図13】ADFによる鉛蓄電池モデルの同定の説明に使
用するチャートである。
【図14】この発明に係る鉛蓄電池の残存容量推定装置
を示すブロック図である。
【図15】図3に示す電流と電池一個当りの端子電圧の
実測例を示す図である。
【図16】ADFを用いた開路電圧モデルにより端子電圧
を予測した場合の係数及び定数項の推移を示す図であ
る。
【図17】ADFを用いた開路電圧モデルにより端子電圧
を予測した場合を示しており、(a)は予測値の図、
(b)は予測誤差の図である。
【符号の説明】
10 鉛蓄電池の開路電圧推定装置 12a 検出回路(検出手段) 12b 検出回路(検出手段) 14 第一演算回路(第一演算手段) 20 鉛蓄電池の残存容量推定装置 21 第二演算回路(第二演算手段) PB 鉛蓄電池 Ij 電流 Vj 端子電圧
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】(16)式で与えられた曲線を用いた予測結
果を、図10の曲線Bに示す。また、係数及び誤差の推
移の各々を、図12(a),(b)に示す。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 文彦 香川県高松市木太町7区2869−4 (72)発明者 松村 茂憲 香川県高松市上之町2丁目12−26 (72)発明者 丸井 孝夫 大阪府豊中市曽根西町2丁目10番40 (72)発明者 稲倉 正道 大阪府三島郡島本町広瀬1丁目33−15 (72)発明者 大松 繁 徳島県徳島市中常三島町2丁目9

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電中の鉛蓄電池から電流と端子電圧と
    を実測する検出手段と、 前記電流に基づき前記端子電圧を、前記鉛蓄電池の開路
    電圧に対応する定数項と前記電流に係わる係数項とを含
    む第一関係式により推定し、推定された端子電圧と実測
    された端子電圧との差を演算すると共に、その差に基づ
    き推定された端子電圧を実測された端子電圧に近似させ
    るべく前記係数項を変更して演算し、推定された端子電
    圧と実測された端子電圧とが一致し且つ入力電流がゼロ
    の際の定数分を前記鉛蓄電池の開路電圧とみなして出力
    する第一演算手段と、 前記第一演算手段により出力された推定開路電圧に基づ
    き、前記鉛蓄電池の放電初期の残存容量を第二関係式に
    より推定すると共に、前記鉛蓄電池の放電後期の残存容
    量を第三関係式により推定する第二演算手段とを有する
    ことを特徴とする鉛蓄電池の残存容量推定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061929A1 (en) * 1998-05-28 1999-12-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Means for estimating charged state of battery and method for estimating degraded state of battery

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061929A1 (en) * 1998-05-28 1999-12-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Means for estimating charged state of battery and method for estimating degraded state of battery
US6285163B1 (en) 1998-05-28 2001-09-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Means for estimating charged state of battery and method for estimating degraded state of battery

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