JPH05142169A - 変態測定装置のデータ処理方法 - Google Patents
変態測定装置のデータ処理方法Info
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- JPH05142169A JPH05142169A JP32682691A JP32682691A JPH05142169A JP H05142169 A JPH05142169 A JP H05142169A JP 32682691 A JP32682691 A JP 32682691A JP 32682691 A JP32682691 A JP 32682691A JP H05142169 A JPH05142169 A JP H05142169A
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- Japan
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- thermal expansion
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 変態点の誤認や見落とし等が生じない新しい
データ処理方法を提供する。 【構成】 鋼等の変態挙動測定において、温度−熱膨脹
曲線を作成し、該曲線から試験片の変態開始温度を求め
ると共に、20〜50%の変態率から任意に選択した変
態率を示す温度TR を求め、鋼の化学成分、加工熱処理
条件、及び適合変数である反応定数をパラメータとし、
指定した冷却条件下の各温度における変態率をシミュレ
ーションにより求め、該変態率に相当する温度TR′と
前記温度TR との偏差|TR −TR ′|が所定値以下と
なるまで、前記反応定数を変化させ、各変態の開始温度
や終了温度を理論モデルから求め、各温度の近傍におけ
る熱膨脹量を温度で微分し、該微分値の変化点から各変
態相の変態開始温度と変態終了温度を求める。
データ処理方法を提供する。 【構成】 鋼等の変態挙動測定において、温度−熱膨脹
曲線を作成し、該曲線から試験片の変態開始温度を求め
ると共に、20〜50%の変態率から任意に選択した変
態率を示す温度TR を求め、鋼の化学成分、加工熱処理
条件、及び適合変数である反応定数をパラメータとし、
指定した冷却条件下の各温度における変態率をシミュレ
ーションにより求め、該変態率に相当する温度TR′と
前記温度TR との偏差|TR −TR ′|が所定値以下と
なるまで、前記反応定数を変化させ、各変態の開始温度
や終了温度を理論モデルから求め、各温度の近傍におけ
る熱膨脹量を温度で微分し、該微分値の変化点から各変
態相の変態開始温度と変態終了温度を求める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変態測定装置のデータ
処理方法に関し、特に、鋼等の変態挙動測定において、
温度−熱膨脹曲線と理論モデルによる計算結果を比較し
て、自動的且つ正確に変態挙動を予測できるようにした
変態測定装置のデータ処理方法に関する。
処理方法に関し、特に、鋼等の変態挙動測定において、
温度−熱膨脹曲線と理論モデルによる計算結果を比較し
て、自動的且つ正確に変態挙動を予測できるようにした
変態測定装置のデータ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ制御により、フェライト、
パーライト、ベイナイト等の変態相における変態開始と
変態終了の温度を自動的に決定する変態測定装置が従来
から知られている。
パーライト、ベイナイト等の変態相における変態開始と
変態終了の温度を自動的に決定する変態測定装置が従来
から知られている。
【0003】即ち、内蔵されたコンピュータのプログラ
ムに従い、加工熱処理を行った後、温度と熱膨脹量を測
定し、この2つの測定データをA/D変換し、その後、
温度−熱膨脹(量)曲線を用いて、演算処理により、フ
ェライト、パーライト、ベイナイト等の変態相における
変態開始と変態終了の温度を自動的に決定する変態測定
装置が既に開発されて公知となっている。
ムに従い、加工熱処理を行った後、温度と熱膨脹量を測
定し、この2つの測定データをA/D変換し、その後、
温度−熱膨脹(量)曲線を用いて、演算処理により、フ
ェライト、パーライト、ベイナイト等の変態相における
変態開始と変態終了の温度を自動的に決定する変態測定
装置が既に開発されて公知となっている。
【0004】このような公知の変態測定装置は、加熱装
置、加振装置、冷却装置、及びデータ入出力装置から構
成されており、内蔵されたコンピュータのプログラムに
従って、円柱状の試験片を高周波で加熱した後、油圧サ
ーボ機構による加振装置で圧縮変形を与え、その後、必
要に応じて不活性ガスを用いて試験片を冷却し、該試験
片にスポット溶接した熱電対で冷却時における試験片の
温度を測定すると共に、差動トランスを用いて試験片の
熱膨脹量を測定するようになっている。
置、加振装置、冷却装置、及びデータ入出力装置から構
成されており、内蔵されたコンピュータのプログラムに
従って、円柱状の試験片を高周波で加熱した後、油圧サ
ーボ機構による加振装置で圧縮変形を与え、その後、必
要に応じて不活性ガスを用いて試験片を冷却し、該試験
片にスポット溶接した熱電対で冷却時における試験片の
温度を測定すると共に、差動トランスを用いて試験片の
熱膨脹量を測定するようになっている。
【0005】この際、該測定データに基づいて、図2の
ような温度−熱膨脹曲線を作成する。その後、熱電対と
差動トランスの出力をA/D変換してコンピュータのメ
モリ及びディスクに格納し、その後、上記熱膨脹量を温
度で微分し、図3に示すように微分値が不連続的に変化
した点を変態点として求めている。
ような温度−熱膨脹曲線を作成する。その後、熱電対と
差動トランスの出力をA/D変換してコンピュータのメ
モリ及びディスクに格納し、その後、上記熱膨脹量を温
度で微分し、図3に示すように微分値が不連続的に変化
した点を変態点として求めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来例においては、温度や熱膨脹量の測定データ
が変動すると、誤った変態点を検出したり、あるいは微
小量の変態を見落としたりするという欠点があった。
ような従来例においては、温度や熱膨脹量の測定データ
が変動すると、誤った変態点を検出したり、あるいは微
小量の変態を見落としたりするという欠点があった。
【0007】本発明は、かかる従来例の欠点等を解消す
べくなされたものであり、変態点の誤認や見落とし等が
生じない新しいデータ処理方法を提供することを目的と
する。
べくなされたものであり、変態点の誤認や見落とし等が
生じない新しいデータ処理方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、変態測定装置
のデータ処理方法において、試験片を平衡変態点以上の
温度まで加熱した後、所定の手順に従って加工熱処理を
行い、該熱処理の冷却中に前記試験片の温度と熱膨脹量
を測定し、これらの測定データで温度−熱膨脹曲線を作
成し、該曲線から前記試験片の変態開始温度を求めると
共に、20〜50%の変態率から任意に選択した変態率
を示す温度TR を求め、鋼の化学成分、加工熱処理条
件、及び適合変数である反応定数をパラメータとし、指
定した冷却条件下の各温度における変態率をシミュレー
ションにより求め、該変態率に相当する温度TR ′と前
記温度TR との偏差|TR −TR ′|が所定値以下とな
るまで、前記反応定数を変化させ、各変態の開始温度や
終了温度を理論モデルから求め、各温度の近傍における
熱膨脹量を温度で微分し、該微分値の変化点から各変態
相の変態開始温度と変態終了温度を求めることにより、
前記課題を解決したものである。
のデータ処理方法において、試験片を平衡変態点以上の
温度まで加熱した後、所定の手順に従って加工熱処理を
行い、該熱処理の冷却中に前記試験片の温度と熱膨脹量
を測定し、これらの測定データで温度−熱膨脹曲線を作
成し、該曲線から前記試験片の変態開始温度を求めると
共に、20〜50%の変態率から任意に選択した変態率
を示す温度TR を求め、鋼の化学成分、加工熱処理条
件、及び適合変数である反応定数をパラメータとし、指
定した冷却条件下の各温度における変態率をシミュレー
ションにより求め、該変態率に相当する温度TR ′と前
記温度TR との偏差|TR −TR ′|が所定値以下とな
るまで、前記反応定数を変化させ、各変態の開始温度や
終了温度を理論モデルから求め、各温度の近傍における
熱膨脹量を温度で微分し、該微分値の変化点から各変態
相の変態開始温度と変態終了温度を求めることにより、
前記課題を解決したものである。
【0009】
【作用】本発明においては、試験片の熱膨脹を測定し、
該測定データで作成される温度−熱膨脹曲線から熱膨脹
量を温度で微分したときの不連続的な変化点を求め、該
変化点により変態点を検出する。
該測定データで作成される温度−熱膨脹曲線から熱膨脹
量を温度で微分したときの不連続的な変化点を求め、該
変化点により変態点を検出する。
【0010】このような変態点の検出に加えて、所定の
加工熱処理条件下において出現する変態相、変態開始の
温度、及び変態終了の温度、例えば鋼の場合には、フェ
ライト変態の開始温度、フェライト変態の終了温度、パ
ーライト変態の開始温度、パーライト変態の終了温度、
ベイナイト変態の開始温度、ベイナイト変態の終了温
度、マルテンサイト変態の開始温度を理論モデルによっ
て予め推測し、かかる予測値の近傍で測定データを詳細
に解析する。
加工熱処理条件下において出現する変態相、変態開始の
温度、及び変態終了の温度、例えば鋼の場合には、フェ
ライト変態の開始温度、フェライト変態の終了温度、パ
ーライト変態の開始温度、パーライト変態の終了温度、
ベイナイト変態の開始温度、ベイナイト変態の終了温
度、マルテンサイト変態の開始温度を理論モデルによっ
て予め推測し、かかる予測値の近傍で測定データを詳細
に解析する。
【0011】従って、本発明においては、変態点の誤認
や変態点の見落としは生じない。
や変態点の見落としは生じない。
【0012】又、上記理論モデルは、熱力学の古典的な
核形成理論に基づいて変態の進行を予測するものとする
ことができる。この場合、適合するパラメータは、変態
相における成長速度の比例定数だけとなる。
核形成理論に基づいて変態の進行を予測するものとする
ことができる。この場合、適合するパラメータは、変態
相における成長速度の比例定数だけとなる。
【0013】一方、上記理論モデルに基づくシミュレー
ションの手順は、次のようになっている。
ションの手順は、次のようになっている。
【0014】まず、入力データとしては、鋼の化学成
分、加熱条件、及び加工熱処理条件等が挙げられる。こ
れらの入力データに基づいて、加工時のオースティナイ
ト粒径と粒内の蓄積歪み量が求められる。
分、加熱条件、及び加工熱処理条件等が挙げられる。こ
れらの入力データに基づいて、加工時のオースティナイ
ト粒径と粒内の蓄積歪み量が求められる。
【0015】次に、指定した冷却条件に従い、例えば下
式(1)を用いて変態率X(t )が求められる。
式(1)を用いて変態率X(t )が求められる。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、J(t ′)は、単位時間、単位体
積あたりの核形成頻度であり、V(t ,t ′)は、t ′
で核形成した安定核のt における体積である。
積あたりの核形成頻度であり、V(t ,t ′)は、t ′
で核形成した安定核のt における体積である。
【0018】又、J(t ′)は、例えば古典的核形成成
長理論から算出可能であり、V(t,t ′)について
も、例えば下式(2)から計算できる。
長理論から算出可能であり、V(t,t ′)について
も、例えば下式(2)から計算できる。
【0019】
【数2】
【0020】即ち、n を十分大きな整数(通常はn =1
00)とし、時間t ′とt の間をn等分する。又、下式
(3)で示されるi 番目の時間tiにおける温度をTi と
すると、α(Ti )は温度に依存する定数、Aは反応定
数となる。
00)とし、時間t ′とt の間をn等分する。又、下式
(3)で示されるi 番目の時間tiにおける温度をTi と
すると、α(Ti )は温度に依存する定数、Aは反応定
数となる。
【0021】
【数3】
【0022】ここで、反応定数Aを大きくすると変態の
速度が速くなり、逆にAを小さくすると変態の速度が遅
くなる。
速度が速くなり、逆にAを小さくすると変態の速度が遅
くなる。
【0023】次に、変態率を20〜50%の範囲内で任
意の値に選択すると共に、前記(1)式から冷却途上の
変態率X(t )を求め、且つ、その変態率を与える温度
TR を求める。
意の値に選択すると共に、前記(1)式から冷却途上の
変態率X(t )を求め、且つ、その変態率を与える温度
TR を求める。
【0024】又、図1に模式図を示す方法により、温度
−熱膨脹曲線から上記変態率X(t)に相当する温度を
求めて、その値をTR ′とする。具体的には、各温度で
バーBC/バーACの値を求めて、その値がX(t )に
等しい温度をTR ′とする。
−熱膨脹曲線から上記変態率X(t)に相当する温度を
求めて、その値をTR ′とする。具体的には、各温度で
バーBC/バーACの値を求めて、その値がX(t )に
等しい温度をTR ′とする。
【0025】そして、温度TR がTR ′より高い場合に
は、前記(2)式のAを(A−ΔA)として、上述のシ
ミュレーションを行う。又、温度TR がTR ′よりも低
い場合には、前記(2)式のAを(A+ΔA)として、
同様のシミュレーションを行う。
は、前記(2)式のAを(A−ΔA)として、上述のシ
ミュレーションを行う。又、温度TR がTR ′よりも低
い場合には、前記(2)式のAを(A+ΔA)として、
同様のシミュレーションを行う。
【0026】このようなシミュレーションを|TR −T
R ′|が所定値、例えば1以下となるまで繰り返す。こ
のような繰り返しを行う毎に、反応定数Aは正確な値に
近づき、上述のような修正も不要となる。
R ′|が所定値、例えば1以下となるまで繰り返す。こ
のような繰り返しを行う毎に、反応定数Aは正確な値に
近づき、上述のような修正も不要となる。
【0027】ところで、温度−熱膨脹曲線の微分値変化
点によって変態点を検出する際、変態点の誤認を防止す
るため、測定データを平滑化する必要がある。
点によって変態点を検出する際、変態点の誤認を防止す
るため、測定データを平滑化する必要がある。
【0028】この場合、全ての測定データについてデー
タの平滑化を行おうとすると、小さな量の変態を見落と
してしまう。
タの平滑化を行おうとすると、小さな量の変態を見落と
してしまう。
【0029】しかし、本発明によれば、理論モデルによ
って測定データを予め推測し、該予測値の近傍だけを平
滑化するため、小さな量の変態をも見落とすことなく、
正確に検出できる。
って測定データを予め推測し、該予測値の近傍だけを平
滑化するため、小さな量の変態をも見落とすことなく、
正確に検出できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
る。
【0031】本実施例においては、炭素(C)を0.0
06wt%、珪素(Si )を0.30wt%、マンガン(M
n )を1.5wt%、アルミニウム(Al )を0.025
wt%、及びニオブ(Nb)を0.03wt%それぞれ含む
鋼を用い、全自動変態測定装置により、次のような加工
熱サイクルを与えた。
06wt%、珪素(Si )を0.30wt%、マンガン(M
n )を1.5wt%、アルミニウム(Al )を0.025
wt%、及びニオブ(Nb)を0.03wt%それぞれ含む
鋼を用い、全自動変態測定装置により、次のような加工
熱サイクルを与えた。
【0032】即ち、加熱温度を1150℃とし、1回目
の加工では温度1000℃で60%加工し、2回目の加
工では温度900℃で30%加工し、3回目の加工では
温度800℃で15%加工した。
の加工では温度1000℃で60%加工し、2回目の加
工では温度900℃で30%加工し、3回目の加工では
温度800℃で15%加工した。
【0033】又、3回目の加工が終了した後、毎秒0.
5℃の冷却速度で750℃まで冷却し、その後、毎秒1
0℃の冷却速度で500℃まで冷却し、最後に毎秒0.
5℃の冷却速度で室温まで冷却した。
5℃の冷却速度で750℃まで冷却し、その後、毎秒1
0℃の冷却速度で500℃まで冷却し、最後に毎秒0.
5℃の冷却速度で室温まで冷却した。
【0034】このような冷却を行っている間に測定して
得られた温度−熱膨脹曲線のデータをA/D変換し、デ
ータロガーに集録した。その後、コンピュータの磁気記
憶装置に転送し、温度−熱膨脹曲線から変態点を検出し
た。
得られた温度−熱膨脹曲線のデータをA/D変換し、デ
ータロガーに集録した。その後、コンピュータの磁気記
憶装置に転送し、温度−熱膨脹曲線から変態点を検出し
た。
【0035】このようにして検出された変態点は次のよ
うになっていた。
うになっていた。
【0036】即ち、変態(開始)点1は775℃、変態
点2は742℃、変態点3は513℃、変態点4は46
2℃、変態点5は305℃であった。変態開始温度は変
態点1の775℃であり、30%変態する温度は754
℃であった。
点2は742℃、変態点3は513℃、変態点4は46
2℃、変態点5は305℃であった。変態開始温度は変
態点1の775℃であり、30%変態する温度は754
℃であった。
【0037】理論モデルに基づいて変態の進行を予測す
る、いわゆるモデル計算により反応定数を修正し、次の
ような変態相並びに変態開始温度及び変態終了温度を予
測した。
る、いわゆるモデル計算により反応定数を修正し、次の
ような変態相並びに変態開始温度及び変態終了温度を予
測した。
【0038】即ち、フェライト変態の開始温度は774
℃、フェライト変態の終了温度は518℃、ベイナイト
変態の開始温度は460℃、ベイナイト変態の終了温度
は310℃である。
℃、フェライト変態の終了温度は518℃、ベイナイト
変態の開始温度は460℃、ベイナイト変態の終了温度
は310℃である。
【0039】又、これらの温度の±10℃の範囲におい
て温度−熱膨脹曲線を平滑化し、その後、該平滑データ
を温度で微分し、最終的な変態相と変態点を次のように
決定した。
て温度−熱膨脹曲線を平滑化し、その後、該平滑データ
を温度で微分し、最終的な変態相と変態点を次のように
決定した。
【0040】即ち、フェライト変態の開始温度は775
℃、フェライト変態の終了温度は518℃、ベイナイト
変態の開始温度は461℃、ベイナイト変態の終了温度
は307℃と決定した。
℃、フェライト変態の終了温度は518℃、ベイナイト
変態の開始温度は461℃、ベイナイト変態の終了温度
は307℃と決定した。
【0041】このようにして決定された変態相と変態点
は、経験豊かな研究者が、熱電対や差動トランスのアナ
ログ出力で作成した温度−熱膨脹曲線並びに試験片の化
学組成観察で得られた結果と一致した。
は、経験豊かな研究者が、熱電対や差動トランスのアナ
ログ出力で作成した温度−熱膨脹曲線並びに試験片の化
学組成観察で得られた結果と一致した。
【0042】又、上述のようにして、50種類の鋼に関
し合計500の条件について変態測定を行い、変態相と
変態点を予測した。
し合計500の条件について変態測定を行い、変態相と
変態点を予測した。
【0043】因みに、本発明者の実験において、前記従
来例のデータ処理方法によれば、変態点の誤認率が12
%で、変態点の見落とし率は4%であった。これに対
し、上述のような本発明に係るデータ処理方法によれ
ば、誤認率が0.2%で、変態点の見落とし率は0.4
%となった。
来例のデータ処理方法によれば、変態点の誤認率が12
%で、変態点の見落とし率は4%であった。これに対
し、上述のような本発明に係るデータ処理方法によれ
ば、誤認率が0.2%で、変態点の見落とし率は0.4
%となった。
【0044】このことから、本発明に係るデータ処理方
法によれば、前記従来例の場合よりも極めて正確な結果
が得られることが分る。
法によれば、前記従来例の場合よりも極めて正確な結果
が得られることが分る。
【0045】
【発明の効果】以上詳しく説明したような本発明によれ
ば、温度−熱膨脹曲線と理論モデルによる計算結果を比
較し、自動的且つ正確に変態挙動を予測できるため、前
記従来例のような変態点の誤認や見落とし等が生じない
新しいデータ処理方法が実現する。
ば、温度−熱膨脹曲線と理論モデルによる計算結果を比
較し、自動的且つ正確に変態挙動を予測できるため、前
記従来例のような変態点の誤認や見落とし等が生じない
新しいデータ処理方法が実現する。
【0046】又、本発明に係るデータ処理方法は、変態
挙動のモデル化ができる限り、いかなる材料にも適用可
能であり、例えば、チタン(Ti )など鋼以外の材料に
も応用できる利点がある。
挙動のモデル化ができる限り、いかなる材料にも適用可
能であり、例えば、チタン(Ti )など鋼以外の材料に
も応用できる利点がある。
【図1】図1は、温度−熱膨脹曲線から変態率を求める
方法を示す模式図である。
方法を示す模式図である。
【図2】図2は、温度と熱膨脹量の関係を示す温度−熱
膨脹曲線図である。
膨脹曲線図である。
【図3】図3は、温度−熱膨脹曲線から変態開始の温度
と変態終了の温度を求める方法を示す模式図である。
と変態終了の温度を求める方法を示す模式図である。
D…熱膨脹量、 T…温度、 X(t )…変態率。
Claims (1)
- 【請求項1】試験片を平衡変態点以上の温度まで加熱し
たのち、所定の手順に従って加工熱処理を行い、該熱処
理の冷却中に前記試験片の温度と熱膨脹量を測定し、 これらの測定データで温度−熱膨脹曲線を作成し、該曲
線から前記試験片の変態開始温度を求めると共に、20
〜50%の変態率から任意に選択した変態率を示す温度
TR を求め、 鋼の化学成分、加工熱処理条件、及び適合変数である反
応定数をパラメータとし、指定した冷却条件下の各温度
における変態率をシミュレーションにより求め、該変態
率に相当する温度TR ′と前記温度TR との偏差|TR
−TR ′|が所定値以下となるまで、前記反応定数を変
化させ、 各変態の開始温度や終了温度を理論モデルから求め、各
温度の近傍における熱膨脹量を温度で微分し、該微分値
の変化点から各変態相の変態開始温度と変態終了温度を
求めることを特徴とする変態測定装置のデータ処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32682691A JPH05142169A (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 変態測定装置のデータ処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32682691A JPH05142169A (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 変態測定装置のデータ処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05142169A true JPH05142169A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=18192148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32682691A Pending JPH05142169A (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 変態測定装置のデータ処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05142169A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0875687A (ja) * | 1994-09-03 | 1996-03-22 | Chiyoukouon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法における熱拡散率、ビオー数及び比熱データの解析方法及びその装置 |
CN103969284A (zh) * | 2014-04-24 | 2014-08-06 | 南京钢铁股份有限公司 | 热膨胀法测定低碳钢中碳在奥氏体完全溶解的温度的方法 |
CN110443006A (zh) * | 2019-08-29 | 2019-11-12 | 江西理工大学 | 一种通过测量面积计算金属材料两相转变体积比例的方法 |
-
1991
- 1991-11-15 JP JP32682691A patent/JPH05142169A/ja active Pending
Cited By (4)
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