JPH05135068A - 歩留り予測システム - Google Patents

歩留り予測システム

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JPH05135068A
JPH05135068A JP30021491A JP30021491A JPH05135068A JP H05135068 A JPH05135068 A JP H05135068A JP 30021491 A JP30021491 A JP 30021491A JP 30021491 A JP30021491 A JP 30021491A JP H05135068 A JPH05135068 A JP H05135068A
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誠二 石川
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貞夫 下社
Jun Nakazato
純 中里
Hirokazu Yamamoto
洋和 山本
Kazuhiko Matsuoka
一彦 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は薄膜製品製造に関し、工程の途中で中
間検査を行うことで中間検査データと最終検査データの
照合を行い、最終検査における歩留り及び取得数を予測
するものである。 【構成】中間検査装置2と最終検査装置3とデータ解析
ステーション1と中間検査データベース5と最終検査デ
ータベース7及び歩留り予測データベース6から構成さ
れ、製品の中間検査を工程の途中で行い、その結果から
歩留り予測データベース6にある歩留り予測データを検
索し、最終検査における予測歩留りを算出する。 【効果】工程の途中で製品の最終歩留りを予測できるの
で、生産管理部門はその予測歩留り情報に基づき早期に
不足分の追加投入などの生産の調整が行え、注文数を納
期内に納めることができ、また余剰品の低減による仕損
費の低減が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置などの薄膜
製品製造において、製品ワークの中間検査を行うこと
で、工程の途中で最終検査歩留り及び取得数を予測し、
該情報に基づき生産管理を行う技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造においては、工程数が数百工
程と多く、完成するまで数カ月かかる製品が多くなって
いる。製造工程内では異物、欠陥及び膜不良等(以下総
称して中間検査不良と呼ぶ)は製品不良の原因となるた
め厳しく管理されている。具体的には、特定のいくつか
の中間工程で製品の一部あるいは全数の中間検査を行
い、一定の管理基準に従って管理している。
【0003】また、工程の最後の最終検査工程で全チッ
プの最終検査を行い、その時の良品数を歩留りとしてい
る。製造現場では製品の歩留り向上のために、不良品の
解析や不良工程の抽出を行っている。
【0004】このような解析例として特開平3−440
54に記載されているシステムが考案されている。しか
しながら、この方法によると製品の中間検査データと最
終検査データをワークステーションにより解析して、不
良発生工程を追及し、重点対策工程を見出すことは出来
るが、製品の歩留り予測や目標歩留りに対する管理基準
を設定することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半導体製品は加工寸法
が1ミクロン(0.001mm)以下と非常に微細であ
り、製造工程が数百工程と多く、完成までに数ケ月かか
るものが多い。製品は途中の全ての製造工程で不良とな
る可能性があるが、寸法が微細のため目視で良不良の判
定はできず、最終的に良品数がわかるのは全ての製造工
程が終了し最終検査工程で最終検査を行ってからであ
る。つまり作業者及び製造スタッフは、製品を一度製造
工程に投入したら、完成するまで数カ月間該製品の歩留
り及び取得数が幾つになるのか全くわからない。そのた
め、いくつかの中間工程で中間検査を行い一定の管理基
準に従って管理しているが、抜取り検査のため突発的な
不良発生による歩留りの低下などの情報を得ることは困
難である。
【0006】中間検査も半導体製造現場では一日に数百
ロットの製品が数十工程にわたり行われているため、そ
の結果を手作業で解析することはもはや不可能である。
そこでワークステーションを利用して品種、ロットごと
に各工程における中間検査結果をデータベースとして管
理している。これにより多大な量の検査結果を一定期間
保存することができ、また日々増加する製品の検査結果
をデータベースとして記憶することができる。
【0007】さらに中間検査結果のデータベースと最終
検査結果を解析することで最終検査で不良となった製品
の不良解析を支援することができる。例えば、最終検査
不良と各工程の中間検査結果の突合せを行うことで、最
終検査不良と相関の高い中間工程を見出す。それによ
り、該工程を重点対策工程として検査頻度の見直しや管
理基準の見直しを行い、不良低減を図ることができる。
しかし、これらの解析はすべて製品の最終検査結果後の
不良解析であり、現在仕掛り中の製品が最終検査でいく
つ得られるか、つまり歩留りはいくらになるかという情
報を得ることはできない。
【0008】そこで本発明の目的として、自動的にワー
ク番号のデータと測定データの対応が取れる中間検査装
置及び最終検査装置を用いて、該中間検査装置により測
定した中間検査データ及び該最終検査装置により測定し
た最終検査データのデータベースをそれぞれ作成し、ワ
ークステーションにより各データ間の照合を行い歩留り
予測データベースを作成し、工程の途中で製品の中間検
査を行うことで中間検査結果から前記データベースを参
照し最終検査の歩留り及び取得チップ数を予測すること
にある。そして、該予測値に基づいて生産管理部門に適
切な指示を行い、納期短縮及び仕損費低減が可能にな
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、中間検査データに品種名、ロット番号、ワーク番
号、工程名、検査日時及び検査結果を持たせたデータベ
ースと最終検査データにも同様に品種名、ロット番号、
ワーク番号、検査日時、歩留り及び不良カテゴリを持た
せたデータベースを作成する。そして品種毎に、中間検
査データと最終検査データを対応させた歩留り予測デー
タベースを作成し、それらのデータの関数式を算出す
る。そして特定の工程で中間検査を行い、上記のデータ
ベースを検索して該検査ロットの歩留り予測データベー
ス内の関数式を用いて予測最終検査歩留りを算出する手
段を設ける。また該ロットの実際の最終検査結果を最終
検査データベースに登録し、随時新しいデータに書き換
えられる手段を設ける。
【0010】
【作用】前記手段によれば、特定工程で中間検査を行
い、その結果のデータベースと該測定ロットの最終検査
結果のデータベースから歩留り予測データベースが構成
される。また歩留り予測データベースは中間検査データ
ベースと最終検査データベースの照合を行い、品種及び
工程毎に関数式を算出し、その関数式から予測歩留りを
算出する。また、この歩留り予測データベースは、新た
に中間検査を行い、該ロットの最終検査が終了し、結果
が得られるとそれを新たにデータベースに追加し、古い
データは削除され、データの書き換えが行われる。この
ようにして歩留りを予測するためのデータベースは、測
定のたびに書き換えられ、この結果常に新しいデータベ
ースに基づき精度の高い歩留りの予測ができ、その情報
を基に適切な生産管理が行える。
【0011】
【実施例】
実施例1 以下に本発明の実施例を示す。図1は本システムの基本
構成及び機能を示すものである。ここでは半導体装置製
造ラインに本発明を適用した例を示す。データ解析ステ
ーション1は中間検査データベース5、最終検査データ
ベース7及び歩留り予測データベース6を有する。歩留
り予測データベース6はデータ解析ステーション1によ
り、中間検査データベース5と最終検査データベース7
の同品種、同ロット番号のデータ同士の相関を取ること
により作成される。
【0012】中間検査装置2は、クリーンルーム8内に
あり、製造工程9のうち特定のいくつかの工程で製品ウ
ェハの中間検査を行う。このとき、測定者が検査工程
名、測定品種名、ロット番号及び検査日時などを入力
し、測定する製品ウェハが入ったカセットを装置にセッ
トすることにより中間検査を行う。この時中間検査装置
2はウェハ番号認識装置12により、測定するウェハの
ウェハ番号のデータと測定結果のデータの対応が取れ
る。また中間検査装置2はウェハ上の被検出中間検査不
良位置の座標と該中間検査不良の大きさと中間検査不良
数を数える機能を有する。中間検査装置2に入力された
データ及び測定結果のデータは通信回線10を通じてデ
ータ解析ステーション1に送られ、中間検査データベー
ス5に保存される。
【0013】一方、最終検査装置3は加工が終了した製
品ウェハに対して、個々のチップの製品としての最終検
査を行う。測定者は、測定品種名、ロット番号及び検査
日時などを入力し、測定するウェハの入ったカセットを
最終検査装置3にセットすることにより最終検査を行
う。この時最終検査装置3は、ウェハ番号認識装置13
により最終検査を行うウェハのウェハ番号のデータがと
れ、最終検査結果との対応が取れる。最終検査装置3に
入力されたデータ及び検査結果のデータは通信回線11
を通じてデータ解析ステーション1に送られ、最終検査
データベース7に保存される。
【0014】データ解析ステーション1はこれらのデー
タベース及び検査結果から予測歩留りを算出する。
【0015】中間検査データベース5は中間検査装置2
に入力されたデータ及び中間検査データを管理する。そ
の際、中間検査装置2に関するデータの中で各品種毎に
検査工程、ロット番号、検査日時を品種単位データとし
て称して一括管理し、またそのロットに属する製品ウェ
ハのウェハ番号、中間検査不良数及び中間検査不良位置
をウェハ単位データと称して一括管理し、それらを階層
化して管理する。
【0016】最終検査データベース7は最終検査装置3
に入力されたデータ及び最終検査データを管理する。そ
の際、最終検査に関するデータの中で品種、ロット番
号、検査日時をP検ロット単位データと称して一括管理
し、そのロットに属する製品ウェハのウェハ番号及びウ
ェハ内の全チップの最終検査データをP検ウェハ単位デ
ータと称して一括管理し、それらを階層化して管理す
る。
【0017】図2に中間検査データベース5及び最終検
査データベース7のデータ構成を示す。同図(a)の品
種単位データ14は、まずデータベースの中で品種A、
品種Bのように大きく品種単位で分類されている。そし
て各品種毎に検査したロットが、ロット番号データによ
り階層化されている。更に各ロットは、同図(b)のウ
ェハ単位データ15に示すように該ロットに属するウェ
ハ単位のデータを階層化して登録している。
【0018】このようなデータ構成により、検索したい
データを調べる場合はデータ解析ステーション1からま
ず該品種を指定し、次にロット番号を指定し、更にウェ
ハ番号を指定することで該データを見ることができる。
【0019】最終検査データベース7のデータ構成も基
本的には中間検査データベース5と同様である。最終検
査データベース7では、中間検査データベース内の品種
単位データ14がP検ロット単位データに該当し、ウェ
ハ単位データ15がP検ウェハ単位データに該当する。
最終検査データベース7で検索したいデータを調べる手
順も中間検査データベース5のデータを調べる場合と全
く同様にデータ解析ステーション1から、品種、ロット
番号及びウェハ番号を指定することで該データを見るこ
とができる。
【0020】歩留り予測データベース6は品種及び工程
毎の中間検査データベース5の品種単位データと最終検
査データベース7のP検ロット単位データを対応させ、
歩留り予測のためのリファレンスデータとして、中間検
査不良数と歩留りの関数式及び相関係数、中間検査不良
数と不良カテゴリの関数式及び相関係数などを階層化し
て管理する。歩留り予測データベース6のデータ構成を
図3に示す。ウェハ単位データ15の品種A、ロット番
号BBについて、同図(a)に示したウェハ単位データ
テーブル16と同図(b)に示したP検ウェハ単位デー
タテーブル17を例としてあげる。データ解析ステーシ
ョン1により、品種A、ロット番号BBと入力し、それ
ぞれ中間検査データベース5と最終検査データベース7
から検索する。そしてそれぞれウェハ単位データテーブ
ル16とP検ウェハ単位データテーブル17を照合し、
同一ウェハ番号のウェハ同士の検査工程と歩留りのデー
タの相関を調べ、関数式及び相関係数を算出する。この
とき相関係数が0.6以上であれば統計的にも相関が高
いといえる。つまり該工程での中間検査不良数が製品の
歩留りを大きく左右することがわかる。そのため該工程
では中間検査結果の不良数から予測するための関数式の
相関係数が高いために最終歩留りの予測精度も向上す
る。
【0021】次に中間検査データ及び最終検査データの
各々のデータベースへの登録方法を述べる。登録の処理
フローを図4に示す。中間検査では中間検査装置2によ
り製品の中間検査を行い、検査が終了すると検査データ
を通信回線10によりデータ解析ステーション1に送信
する。データ解析ステーション1は該検査データを中間
検査データベース5に登録する。次に中間検査データベ
ース5の中で最も検査日の古い検査データを削除するか
どうか選択する。削除する場合は該検査データを削除
し、データファイルを更新して終了する。削除しない場
合はそのままデータファイルを更新して終了する。
【0022】最終検査データのデータベースへの登録も
中間検査データのデータベースへの登録と同様である。
最終検査が終了すると該検査データを通信回線11によ
りデータ解析ステーション1に送信する。データ解析ス
テーション1は該検査データを最終検査データベース7
に登録し、その後最終検査データベース7の中で最も検
査日の古いデータを削除するかどうか選択する。削除す
る場合は該検査データを削除し、データファイルを更新
して終了し、削除しない場合はそのままデータファイル
を更新して終了する。
【0023】次に歩留り予測のためのデータの解析方法
を述べる。ここでは中間検査として異物検査、最終検査
としてプローブ検査を行った場合について説明する。ま
ず、予測に必要な異物検査データとプローブ検査データ
をデータ解析ステーション1から、それぞれ中間検査デ
ータベース5及び最終検査データベース7に予め一定量
登録しておく。これは最近1、2ヶ月分のデータ量程度
必要である。データ解析ステーション1は、中間検査デ
ータベース5と最終検査データベース7から、同品種、
同ロット番号同士のデータの照合を行い、これを歩留り
予測データとして歩留り予測データベース6に登録す
る。予測歩留りの算出フローを図5に示す。まずデータ
解析ステーション1より予測したい品種名を入力する。
次に、歩留り予測用関数式を作成するためのロット数を
入力する。例えば4ロットと入力すると最近4ロット分
の該品種の異物検査データとプローブ検査データを照合
して歩留り予測データとする。次に異物検査を行う工程
名を入力する。例えば工程Bと入力すると、歩留り予測
データベース6のウェハ単位データテーブル16の検査
工程Bの異物数とP検ウェハ単位データテーブル17の
歩留りのデータ4ロット分のデータを照合する。そし
て、これらの4ロット分の工程Bにおける異物数を横軸
に、歩留りを縦軸に取りディスプレイ画面18上に相関
図を作成する。
【0024】データ解析ステーション1はまた、異物数
と歩留りに関して関数式及び相関係数を算出し画面上に
表示する。図6に歩留り予測用相関図、関数式及び相関
係数を示す。
【0025】次に、実際に予測したい製品ウェハを異物
検査装置2により異物検査又は外観検査を行う。例えば
工程Bについて歩留り予測の仕方を説明すると図6のよ
うに横軸に異物数、縦軸にプローブ検査歩留りをとり、
同じ品種の数ロットのデータをプロットして関数式線2
1を引く。そして関数式20及び相関係数32を算出す
る。その後、歩留りを予測したい製品の異物検査結果を
関数式線21の横軸に代入する。その値から関数式20
により予測歩留りを算出する。これらの解析はデータ解
析ステーション1により行われる。
【0026】一例として、異物数のデータをデータ解析
ステーションに1送り、前述のようにして得られた関数
式y=f(x)に代入して予測歩留りを算出する。例え
ば関数式がy=a+bxという一次式であり、予測した
い製品ウェハの異物数が測定の結果10個だったとする
と、該製品の予測歩留りは(a+10b)×100%と
算出される。図7に予測歩留り表示画面レイアウトを示
す。またディスプレイ画面上には品種名22、ロット番
号23及び他の検査工程一覧24の表示があり、マウス
で選択することで他の画面へ即時に切り替えることがで
きる。例えば品種名22をマウスで指定すると現在ディ
スプレイ上に表示されている品種以外にも他の品種に関
して歩留り予測用相関図を表示することができる。この
ようにマウスで選択することにより、その他の表示させ
たい品種、工程についても画面を切り替えて表示するこ
とができる。
【0027】またデータ解析ステーション1は歩留り予
測を行ったロットに関して、該ロットがプローブ検査工
程まで行き、プローブ検査装置3によってプローブ検査
を行い実際の歩留り及び不良カテゴリ分布データが得ら
れた場合、最終検査データベース7の中で最も古い検査
日時のデータを消去して該測定データを新しく最終検査
データベース7に登録する。そこでデータ解析ステーシ
ョン1は該測定ロットの異物検査データとプローブ検査
データを突き合わせ、新しい歩留り予測データとし、歩
留り予測データベースの中で最も古いデータを消去し、
この新しいデータを登録する。この為、プロセス改善等
により歩留りが向上した場合にも歩留り予測データもそ
れに対応したデータの書換えがなされるので、常に高い
予測精度を維持することができる。
【0028】実施例2 次に歩留り予測システムを利用した生産管理の例につい
て述べる。図8にシステム構成を示す。まず実施例1で
述べた解析を行い、製品の予測歩留り及び予測取得数を
算出する。そして該予測歩留り及び該予測取得数の情報
をデータ解析ステーション1から通信回線26を通じて
生産管理ステーション25に転送する。生産管理部門は
該情報に基づき製品の追加投入、保留などの生産指示を
行う。
【0029】具体的な解析例として納期遅延低減につい
て説明する。図9に製品を投入してから出荷するまでの
工程の流れについて従来方法と本システムによる解析の
比較を示す。製品DDDの顧客からの注文数がN個であ
るとする。従来は生産管理部門は過去の同じ製品の歩留
り実績から判断しておおよそN個得られる量を投入して
いた。そのため途中でなんらかのトラブルが発生し、プ
ローブ検査の結果N−K個しか得られなかった場合、そ
れから不足分を追加投入するので不足分が完成する頃に
は納期遅延となってしまっていた。
【0030】本システムを用いた場合、製品を投入した
後、工程の途中で異物検査を行い、実施例1で述べた解
析により該製品の予測歩留り及び予測取得数の情報を得
る。異物検査の結果予測取得数がN−K個と出た場合、
その時点ですぐにK個の不足分を追加投入する指示をデ
ータ解析ステーション1から生産管理ステーション25
に送り、生産管理部門が追加の指示を出す。このため不
足分の完成を待っても顧客からの納期内に出荷すること
ができる。
【0031】実施例3 歩留り予測システムを利用した生産管理についてもう一
実施例述べる。解析例として余剰品の低減について説明
する。図10に製品を投入してから出荷するまでの工程
の流れについて従来方法と本システムによる解析の比較
を示す。製品EEEの顧客からの注文数がN個であると
する。従来は納期厳守のため、実施例2で述べたような
突発トラブルによる不足発生防止のため過去の同じ製品
の歩留り実績から判断して注文数より多めに得られるよ
うに投入していた。このためプローブ検査の結果製品E
EEがN+K個得られた場合、N個出荷した後余剰品で
あるK個は廃棄処分にされ仕損費となっていた。本シス
テムを用いた場合、製品を投入した後、工程の途中で異
物検査を行い、その結果予測取得数がN+K個と出た場
合、その時点で余剰品となる可能性があるK個分は保留
するようデータ解析ステーション1から生産管理ステー
ション25へ指示を送る。そしてN個分だけ以後の工程
を続け、注文数N個に対して余剰品を最小限にすること
ができ仕損費の低減が期待できる。また、異物検査を行
う工程は共通工程であるため、該工程で保留された製品
はそのまま引続き製品DDDなどの他の製品へ切り換え
ることができ、材料費の低減などの効果も期待できる。
【0032】実施例4 次に異物数管理と称する本発明の一実施例について述べ
る。解析の処理フローを図11に示す。データ解析ステ
ーション1より、異物数管理を行いたい品種及び異物検
査工程名を入力する。次に該品種に関して、目標として
得たいプロ−ブ検査歩留りを入力する。データ解析ステ
ーション1はこれらのデータが入力されると実施例1に
示した手順と同様に、歩留り予測データベース6を検索
して該品種の該検査工程と歩留りデータの相関図を作成
し、関数式及び相関係数を算出する。
【0033】続いて、該関数式に目標として得たい歩留
りを代入し、それから該歩留りを達成するために許容さ
れる最大異物数を算出する。そして相関図の縦軸の歩留
りの所に目標歩留り27を設定する。そして算出した最
大許容異物数を異物数管理上限線28として横軸に記入
する。この結果を図12に示す。これらの設定値は目標
歩留り設定29をマウスで選択することで任意の目標歩
留りを設定することができ、該目標歩留りに対応した異
物数管理上限線28が設定される。
【0034】次に、実際に測定する製品に関して該工程
で異物検査装置2により異物検査を行い、その結果をデ
ータ解析ステーション1に送信する。データ解析ステー
ション1は該検査結果を解析し図12の異物数管理上限
線28を越えたかどうか判定する。異物数が異物数管理
上限線28以内であれば、該工程時点では目標歩留りは
達成可能と判定し、工程の続行を指示する。異物数が異
物数管理上限線28を越えた場合、以後の工程を続けて
も目標歩留り達成は不可能と判断し、廃棄処分等の指示
を出す。
【0035】このようにして異物数管理を行い、目標歩
留りが達成できない製品に関しては、その時点で処理を
中止することができそれ以降の無駄な工程を行わずにす
む。
【0036】実施例5 次に不良カテゴリ解析と称する本発明の一実施例につい
て述べる。解析の処理フローを図13に示す。データ解
析ステーション1に、解析したい品種及びロット番号を
入力する。データ解析ステーション1は歩留り予測デー
タベース6を検索し、図3に示したように該品種、該ロ
ットのウェハ単位データテーブル16及びP検ウェハ単
位データテーブル17を表示する。
【0037】次にウェハ単位データテーブル16の各検
査工程を横軸に、P検ウェハ単位データテーブル17の
各不良カテゴリを縦軸に取りそれぞれの相関図を作成す
る。図14に一例として検査工程Cにおける異物数とプ
ロ−ブ検査における不良カテゴリAの不良数の相関図を
示す。次いで各相関図の関数式及び相関係数を算出す
る。このようにして、他の不良カテゴリ一覧30をマウ
スで選択することにより、例えば検査工程Bと不良カテ
ゴリC、また検査工程Bと不良カテゴリRのように、各
々の組合せで相関を調べることができ、相関が高い工程
と不良カテゴリがある場合は、該不良カテゴリの原因が
該工程にある可能性が高いということがわかる。
【0038】以上の結果から、該不良を低減するために
該工程での対策を行わねばならないことが明らかにな
る。
【0039】実施例6 次に検査装置が複数あった場合の一実施例について説明
する。図15にその構成を示す。クリーンルーム8内に
中間検査装置2と他の中間検査装置2が設置されてい
る。ある製品について中間検査を行い、その結果から歩
留りを予測する際に、まず一台目の中間検査装置2によ
りその製品の中間検査を行う。その結果から図6の歩留
り予測用相関図を用いて予測歩留りを算出する。次に同
じ製品を他の中間検査装置2により中間検査を行い、他
の検査項目についても同様にして予測歩留りを算出す
る。そして複数の検査装置により得られた予測歩留り値
をデータ解析ステーション1により解析することで一台
だけの検査装置から予測される歩留りよりも精度の高い
予測歩留りを得ることができる。
【0040】このとき複数の中間検査装置2としては検
査種類の異なる装置を利用することでより精度の向上が
期待できる。例えば、異物検査装置と外観検査装置、寸
法検査装置などである。
【0041】実施例7 次に異物内容解析と称する本発明の一実施例について述
べる。異物検査装置は、異物検査を行う際に検出する異
物を、その大きさにより小さい順からS、M、Lの3種
類に分類する機能を有する。図16はある品種、ロット
におけるウェハ単位の異物の大きさ別分布を表したもの
である。
【0042】異物数がトータル数で急増した場合でも何
等かの異常が発生したと推定できるが、このように大き
さを3種類に分類して解析することで、例えばSサイズ
の異物だけが急増していれば、細かい塵挨が増加したの
であろうと推定したり、Lサイズの異物が急増していれ
ば非常に重大なトラブルが発生している可能性が高い、
というようにより具体的に原因の推定ができ、有効な対
策が行える。
【0043】また、データ解析ステーション1より最終
検査データベース7を検索してSサイズの異物と歩留り
の相関、あるいはLサイズの異物と不良カテゴリDの相
関を調べるなど、異物サイズ別の相関を調べることも可
能である。
【0044】実施例8 異物内容解析についてもう一実施例説明する。異物検査
装置は、異物検査を行う際に1つ1つの異物数に関し
て、大きさの情報と製品ウェハ上の発生位置の情報を
(X、Y)の2次元座標を用いて取り込むことができ
る。図17にある品種、ロットにおける異物データを示
す。同一ウェハ上の異物について、異物番号が1から順
に記され、それぞれ大きさとX座標、Y座標のデータが
記されている。データ解析ステーション1により、全異
物の発生座標を管理しているため、最終検査データベー
ス7を検索して同品種、同ロットの最終検査データと対
応させ、異物が発生している座標のチップがプローブ検
査で不良となっているかの対応が調べられ、また異物発
生座標のチップがどの不良カテゴリとなっているかが調
べられる。
【0045】実施例9 次に製品のグレード分けと称する本発明の一実施例につ
いて説明する。図18に異物数に基づく製品のグレード
分け用管理図を示す。横軸の異物数に着目して例えば異
物数がA個以内をAランク製品、B個以内をBランク製
品、そしてC個以内をCランク製品のように中間検査結
果から製品のグレード分けを行う。図中の各縦線がそれ
ぞれAランク管理基準31、Bランク管理基準35、C
ランク管理基準36である。製品の異物検査を行った
後、その異物数を各管理基準により判定し、該製品のグ
レードを決定する。グレード分けされた製品は、そのグ
レードにより特急品、サンプル品等のように途中で振り
分けられる。このようにグレード分けすることで工程内
で製品の調整が可能であり、グレードが低くあまり歩留
りが期待できない製品についてもサンプル品とするなど
有効に活用でき無駄を低減することが可能である。
【0046】実施例10 次に本システムの他の製品への適用例を述べる。例とし
て光ディスクデバイスを挙げる。光ディスクの一つであ
るCD−ROM(Read Only Memory)は予め顧客から該
CD−ROMに書き込む情報データを入手し、それから
該情報を記録した一枚の金属製原盤(スタンパ)を作成
する。そして、そのスタンパを用いてプラスチック射出
成形により注文数だけ製品を複製する。しかしながら製
品は、すべての加工が終了してから実際に装置により読
みだし検査を行い、エラー数を検査するまで良品かどう
かわからない。また各タイトル毎にスタンパも異なるた
め、不足品の迅速な補充は難しい。そこで従来は、納期
内完納のために注文数より多めに生産され、余剰品は廃
棄処分とされており、仕損費となっていた。
【0047】本システムを用いることにより注文数だけ
複製し、製造工程途中で中間検査として製品の外観検査
を行い、その結果と最終歩留りの相関の関数式から予測
歩留りを算出し、その結果不足が発生しそうな場合は追
加投入指示を出し、納期内に注文数を出荷することがで
きる。これにより、従来、歩留りがわからなかったため
に、注文数より多めに複製し、注文数を出荷後廃棄して
いた余剰品を最小限にすることができ、仕損費を低減す
ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
同ロット番号、同ウェハ番号同士の製品の異物検査デー
タとプローブ検査データとを対応させた歩留り予測デー
タを品種毎にそれぞれ作成し、このデータベースを用い
て製品ウェハを製造工程の途中で異物検査を行いプロー
ブ検査における歩留り及び取得チップ数が予測できる。
その結果、プローブ検査結果を待たずに、工程の途中で
早期に顧客からの注文数に対して不足が発生しそうか、
あるいは余剰品が発生しそうかの情報を得ることがで
き、不足が発生しそうな場合にはロットの追加投入を指
示し納期内に顧客に完納することができ、また余剰品が
大量に発生しそうな場合には途中で該製品の一部を保留
することで廃棄処分となる余剰品を減らし、仕損費の低
減などの効果が期待できる。なお、この保留品は引続き
他の製品に適用できるので無駄にならず利用できる。
【0049】また、これらのデータはすべてウェハ番号
の対応が取れるため、ウェハ単位の枚葉管理が可能にな
る。
【0050】その他にも、不良解析機能として中間工程
とプローブ検査不良カテゴリの相関などの情報が得ら
れ、歩留り向上のためにどの工程を重点的に対策せねば
ならないかの判断が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本システムの基本構成を示したものである。
【図2】中間検査データベース5及び最終検査データベ
ース7に登録されている中間検査データ及び最終検査デ
ータの構成を示したものである。
【図3】歩留り予測データベース6に登録されている歩
留り予測のための同品種、同ロット番号同士の中間検査
データ及び最終検査データの構成を示したものである。
【図4】中間検査データ及び最終検査データのそれぞれ
のデータベースへの登録方法を示したものである。
【図5】本システムを用いて予測歩留りを算出するため
の処理方法を示したものである。
【図6】歩留り予測のための相関図、関数式及び相関係
数を表示させたものである。
【図7】歩留りを予測したいロットの中間検査を行い、
その結果を関数式に代入し該測定ロットの予測歩留りを
表示させたものである。
【図8】歩留り予測システムを利用して生産管理を行う
生産管理システムの構成図を示したものである。
【図9】製品の製造工程の流れの従来方法と本システム
による比較として納期遅延低減を示したものである。
【図10】製品の製造工程の流れの従来方法と本システ
ムによる比較として余剰品低減を示したものである。
【図11】異物数管理と称する解析の処理方法を示した
ものである。
【図12】目標歩留りに対して、該歩留りを達成するた
めには異物数が最大いくつ以下であれば良いか管理上限
線を表示させたものである。
【図13】不良カテゴリ解析の処理方法を示したもので
ある。
【図14】異物検査データとプローブ検査における不良
カテゴリの相関図、関数式及び相関係数を表示させたも
のである。
【図15】複数の中間検査装置からなる歩留予測システ
ムの構成図を示したものである。
【図16】異物の大きさと個数分布をウェハ単位で表し
たものである。
【図17】全異物の大きさと発生位置を(X、Y)座標
を用いて表したものである。
【図18】異物数から製品のグレード分けを行うための
相関図及び管理基準線を示したものである。
【符号の説明】
1…データ解析ステーション、 2…中間検査装置、 3…最終検査装置、 4…ディスプレイ、 5…中間検査データベース、 6…歩留り予測データベース、 7…最終検査データベース、 8…クリーンルーム、 9…製造工程、 10…通信回線、 11…通信回線、 12…ウェハ番号認識装置、 13…ウェハ番号認識装置、 14…品種単位データ、 15…ウェハ単位データ、 16…ウェハ単位データテーブル、 17…P検ウェハ単位データテーブル、 18…ディスプレイ画面、 19…タイトル、 20…関数式、 21…関数式線、 22…品種名、 23…ロット番号、 24…他の検査工程一覧、 25…生産管理ステーション、 26…通信回線、 27…目標歩留り、 28…異物管理上限線、 29…目標歩留り設定、 30…他の不良カテゴリ一覧、 31…Aランク管理基準線、 32…相関係数、 33…異物検査不良サイズ別データテーブル、 34…異物検査不良座標データテーブル、 35…Bランク管理基準線、 36…Cランク管理基準線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 純 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 山本 洋和 群馬県高崎市西横手町111番地株式会社日 立製作所高崎工場内 (72)発明者 松岡 一彦 群馬県高崎市西横手町111番地株式会社日 立製作所高崎工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品ワークの製造工程に於て、中間検査を
    行い、その結果に基づき工程途中で該製品ワークの最終
    歩留りを予測することを特徴とする歩留り予測システ
    ム。
  2. 【請求項2】製品ワークを検査する中間検査装置とその
    検査結果のデータベースと、最終検査装置と最終検査デ
    ータベースからなる歩留り予測データベースを有するこ
    とを特徴とする歩留り予測システム。
  3. 【請求項3】製品ワークの中間検査不良の大きさ、個数
    及び発生位置の情報をデータとして管理する中間検査装
    置と、製品ワーク上の全チップの最終検査を行い、該ワ
    ークの良品数及び不良カテゴリの情報をデータとして管
    理する最終検査装置からなる解析システムであって、同
    一ワークの中間検査不良内容と最終検査の不良カテゴリ
    のチップ単位での対応を取ることを特徴とする歩留り予
    測システム。
  4. 【請求項4】請求項1のシステムにおいて、予測した歩
    留りに基づき該製品ワークの予測取得数を計算し、顧客
    からの要求製品ワーク数と該予定取得数の差を計算し、
    その情報を基に該製品ワークの生産管理を行うことを特
    徴とする歩留り予測システム。
  5. 【請求項5】請求項1のシステムにおいて、中間検査不
    良数と最終検査の不良カテゴリの相関を解析し、該情報
    に基づき中間検査を行った製品ワークの不良カテゴリの
    発生率を予測する機能を有することを特徴とする歩留り
    予測システム。
  6. 【請求項6】請求項1のシステムにおいて、中間検査結
    果と最終検査結果の間の相関を解析する機能を有し、該
    解析結果に基づき、中間工程で設定した製品ワークの最
    終検査における目標歩留りを達成するための中間検査不
    良数上限を設定する機能を有することを特徴とする歩留
    り予測システム。
  7. 【請求項7】請求項1のシステムにおいて中間検査不良
    数に基づき、工程途中で該製品ワークのグレード分けを
    行い、グレードに応じて生産管理を行うことを特徴とす
    る歩留り予測システム。
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