JPH05115578A - ガス系自動消火方法及びその装置 - Google Patents

ガス系自動消火方法及びその装置

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JPH05115578A
JPH05115578A JP27967291A JP27967291A JPH05115578A JP H05115578 A JPH05115578 A JP H05115578A JP 27967291 A JP27967291 A JP 27967291A JP 27967291 A JP27967291 A JP 27967291A JP H05115578 A JPH05115578 A JP H05115578A
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JP
Japan
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fire
extinguishing
extinguishing agent
fire extinguishing
concentration
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Application number
JP27967291A
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English (en)
Inventor
Fumio Sato
文夫 佐藤
Yasuo Horikoshi
康雄 堀越
Noriyoshi Teranishi
詔奉 寺西
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消火対象物の状況変化に応じた消火薬剤の最
適放出量を演算処理によって求め、制御することを可能
にしたガス系自動消火方法及びその設備を提供する。 【構成】 消火対象区画1内に消火薬剤濃度検出部3を
設けた、消火薬剤濃度検出計2により現状濃度C2を計
測し、演算部4で目標濃度C1と現状濃度C2とを比較
し、更に他の影響因子を加味して、消火薬剤の最適放出
量S1を計算し、制御部5で流量制御弁9の開度の制御
量A1を決定し、消火薬剤を消火用ノズル10から放出
する。これを時系列的に行なう。また、消火対象物の鎮
火後の残留消火薬剤の回収を、排気ファン12、消火薬
剤回収装置13により行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス系自動消火方法及び
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のガス系自動消火については、一般
に、CO2消火薬剤における酸素濃度の低減・冷却によ
る消火、又はハロゲン化炭化水素消火薬剤における燃焼
反応の抑制による消火(以下、ハロン消火と略称)とに
分けられ、放出する消火薬剤の量は消火対象物の大きさ
に応じて、消防法の法規及びNFPA(米国防火協会基
準)などにより定められている。
【0003】消火薬剤の放出は、全域放出区域(消火対
象物が不燃材によって囲まれた区画)内の消火薬剤が、
消火に必要な濃度となるように行なわれるが、消火対象
物は消火薬剤により消火されても再発火の可能性が大き
く、いわゆる深部火災の状態にある。この場合は、再発
火防止のため、消火対象物が発火点を超えない温度に冷
却されるまで、消火に必要な消火薬剤の濃度を維持する
延長放出が必要となる。
【0004】また初期消火では、全域放出区域が短時間
に消火に必要な消火薬剤の濃度となるように、消火配管
などへの消火薬剤の充満量を考慮に入れて、消火薬剤の
放出量を決定している。更に延長放出では、放出してい
る消火薬剤の量に消火対象物を囲んである不燃物に設け
られてある開口部、及び隙間などからの消火薬剤の漏洩
量を加算した量を消火薬剤の放出量とし、初期消火時の
放出(1次放出)及び延長放出(2次放出、3次放出、
…)を行なっている。
【0005】従来技術の例を図を用いて説明する。図8
は従来のガス系自動消火についての説明図であり、1は
消火対象区画、6は貯蔵容器、7は調整弁、8は消火配
管、10は消火用ノズルを示している。
【0006】図8において、消火対象区画1が設定され
ている場合、消火対象区画1内に一端を消火用ノズル1
0として位置させ、他端を調整弁7を介して貯蔵容器6
に接続させた消火配管8を配備し、消火対象区画1内に
火災が発生した際は、調整弁7を開口して、貯蔵容器6
内の消火薬剤を消火用ノズル10から放出している。し
かし、この場合は、消火に必要な消火薬剤の最適放出量
を知ることができないため、安全上、消火薬剤の放出は
過大な量となっていた。
【0007】なお、ガス系消火設備の安全対策について
は、特開昭60−60863号公報に、また自動消火装
置の消火状況監視装置については、特開昭61−149
172号公報に、それぞれ開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来では、全域放出区
域内における消火薬剤の最適放出量、及び消火薬剤の減
衰量について不明確な点が多く、次のような問題があっ
た。
【0009】全域放出区域における消火薬剤が減衰する
要因には、消火対象物を囲んである不燃物に設けられて
ある開口部、及び隙間などからの消火薬剤の漏洩、及び
消火薬剤の熱分解反応があげられるが、いずれも定量的
に計測することが困難であった。したがって、延長放出
の場合は、安全上、消火に必要な量に比べて過大な量の
消火薬剤を放出せざるを得なかった。一方、局所放出区
画(全域放出区画以外の区画)の深部火災については、
延長放出による消火は極めて困難であった。
【0010】また、上記の理由により、過大な量の消火
薬剤を放出する場合、消火薬剤は高価であるため経済面
で難点があり、これは特にハロン消火薬剤において著し
い傾向にあった。更に、近年、オゾン層の破壊・地球温
暖化の各対策として、フロン及びCO2の大気放出が規
制される方向にあることから、地球環境的にも、フロン
の一種であるハロン1301などの大気への放出を最小
限に留めることが求められており、また消火対象区画で
は、消火薬剤が高濃度になることから、窒息などの人体
に及ぼす二次災害の起こる可能性があった。
【0011】また、貯蔵容器内においては、消火薬剤は
高圧液化ガスとなっており、消火薬剤の圧力に対して周
りの温度が影響すると共に、調整弁が開口されて消火薬
剤が消火配管から放出されたとき、膨張することによ
り、消火薬剤の圧力が低下するため、最適量の消火薬剤
を放出するための制御が容易ではなかった。
【0012】したがって、従来では、ノズル径の異なる
初期消火用及び延長消火用の各消火配管を設け、これら
の配管に付設してある調整弁の開度を調整することによ
り、消火薬剤における放出量と放出時間の調節を行なっ
ていた。しかし、最適放出量とするための制御が難し
く、この制御方法の確立が課題となっていた。
【0013】本発明は、以上の点に鑑みなされたもので
あり、消火薬剤の最適放出量を、消火対象物の状況変化
に応じて時系列的に演算処理によって求め、消火薬剤の
最適放出量の制御を可能にしたガス系自動消火方法及び
その装置を提供することを目的にしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0015】(1)ガス系の消火薬剤の貯蔵容器、消火
用ノズル、貯蔵容器から消火用ノズルまで消火薬剤を送
給する消火配管、及び消火配管に付設している調整弁を
有する消火装置を備えたガス系自動消火方法において、
消火対象区画内に消火薬剤の濃度検出部を設けた濃度検
出計により現状濃度を計測し、演算部で目標濃度と現状
濃度とを比較し、更に他の影響因子を加味して、消火薬
剤の最適放出量を演算処理し、この演算処理の結果を基
にして流量制御弁の最適開度を制御部で決定して、消火
薬剤を消火用ノズルから放出し、これらの操作を一定周
期で時系列的に行なうこと。
【0016】(2)(1)において、最適放出量の演算
処理の際に必要となる、貯蔵容器内の消火薬剤が消火用
ノズルから放出されたときの消火薬剤の膨張体積及び圧
力を、次の諸式により求めること。
【0017】
【数5】 V=V0+V1+V2………………………………………(1) V2=α・△P……………………………………………(2) P=P0・V0/V……………………………………… (3) (1)〜(3)式において、V0は貯蔵容器内の消火薬
剤の体積、V1は消火配管の容積、V2は流量制御弁が開
口して消火用ノズルから放出されたときの消火薬剤の膨
張体積、αは圧力損失係数、△Pは流量制御弁の開度で
決定される弁の圧力損失、Pは消火用ノズルから放出さ
れたときの消火薬剤の圧力、P0は貯蔵容器内の消火薬
剤の圧力。
【0018】(3)(2)において、貯蔵容器内の消火
薬剤の圧力P0を、貯蔵容器の周りの温度の影響に関す
る次の補正式を用いて補正すること。
【0019】
【数6】
【0020】(4)式において、θは貯蔵容器周りの温
度、a、b及びmは定数値。
【0021】(4)(1)において、消火対象区画内に
消火薬剤の濃度検出計の検出部を設置し、消火対象区画
内の消火に必要な消火薬剤の目標濃度と、濃度検出計に
より計測される消火対象区画内の消火薬剤の現状濃度と
の比較から、次式により必要濃度を計算し、この計算の
結果を基にして消火薬剤の最適放出量を求めること。
【0022】
【数7】 C3=C1−C2……………………………………………(5) (5)式において、C1は目標濃度、C2は現状濃度、C
3は必要濃度。
【0023】(5)(1)において、消火対象区画内に
おける消火薬剤の現状濃度C2を、近似的に、次の諸式
を用いて求めること。
【0024】
【数8】 △C4=exp(−k・t)……………………………(6) △C5=exp(−E・t/V3)…………………… (7) C2=△C4・△C5・C1……………………………… (8) (6)〜(8)式において、△C4は燃焼反応減衰係
数、△C5は漏洩減衰係数、kは反応次数、tは時間、
Eは換気係数、V3は消火対象区画の容積、C1は目標濃
度。
【0025】(6)ガス系の消火薬剤の貯蔵容器、消火
用ノズル、貯蔵容器から消火用ノズルまで消火薬剤を送
給する消火配管、及び消火配管に付設している調整弁を
有する消火装置を備えたガス系自動消火装置において、
消火対象区画内に、消火薬剤の濃度検出計の検出部を設
置してあること。
【0026】(7)(6)において、消火対象区画内の
消火対象物が鎮火後、消火対象区画内が人体に影響を及
ぼさない安全濃度になるまで、消火対象区画内に残留す
る消火薬剤を、消火対象区画外に吸引して回収する消火
薬剤回収装置を付設してあること。
【0027】(8)(6)において、消火対象区画内の
消火対象物が鎮火後、消火対象区画内が人体に影響を及
ぼさない安全濃度になるまで、消火対象区画内に残留す
る消火薬剤を、消火対象物の区画外に放出する消火薬剤
排出配管を付設してあること。
【0028】
【作用】本発明では、消火薬剤の体積膨張による圧力低
下の計算方法が、演算処理により消火薬剤の最適放出量
を定量的に求めるための重要部分となっているので、こ
の計算方法が消火薬剤の最適放出量の定量化に大きな効
果を示している。
【0029】また、貯蔵容器内の消火薬剤の圧力に対す
る周りの温度の影響を補正式を用いて求めてあるので、
消火薬剤の放出量を、より最適値に近付けることができ
る。
【0030】また、消火薬剤が消火対象区画内に放出さ
れたときの消火薬剤の減衰量が、消火対象区画内に検出
部を設置してある消火薬剤の濃度検出計により、一定周
期で時系列的に計測される現状濃度を用いて、又は理論
近似式を用いて求められるので、消火対象物の状況変化
に応じた消火薬剤の最適放出量が求められ、かつ消火薬
剤の放出量を、更に最適値に近付けることができる。
【0031】また、上記のように消火薬剤の最適放出量
が求められた場合、制御部によって、消火薬剤の最適放
出量に相応する流量制御弁の最適開度の制御が行なわれ
るので、最適量の消火薬剤を放出することができる。
【0032】更に、消火対象物の鎮火後における、消火
対象区画内の残留消火薬剤について、消火薬剤が人体に
影響を及ぼさない濃度になるまで吸引して回収、又は消
火対象区画外に放出するので、鎮火後の消火対象区画に
おける残留消火薬剤による被害を排除することができ
る。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を、図1〜図7を用いて説明
する。図1、図2及び図5はそれぞれ、一実施例のガス
系自動消火についての、説明図、基本フローチャート及
びブロック線図、図3は一実施例の消火薬剤の放出過程
についての計算フローチャート、図4は貯蔵容器内にお
けるハロンガスの温度−圧力線図、図6は他の実施例の
理論近似式による現状濃度の計算フローチャート、図7
はその他の実施例の消火薬剤の排出についての説明図で
あり、2は消火薬剤濃度検出計、3は消火薬剤濃度検出
部、4は演算部、5は制御部、9は流量制御弁、11は
開閉扉、12は排気ファン、13は消火薬剤回収容器、
14は消火薬剤排出配管を示しており、そのほかは前出
の符号である。
【0034】一実施例を図1を用いて説明する。本実施
例では、消火対象区画1内に消火薬剤濃度検出部3を位
置させてある消火薬剤濃度検出計2を消火対象区画1外
に設置し、消火対象区画1内の消火薬剤の現状濃度C2
を一定周期で計測し、時系列的に現状濃度C2を電気信
号に変換して演算部4に送信するようにしてある。
【0035】一方、消火対象区画1内に発生した火災を
消火する際、消火に必要な消火薬剤の最小濃度、すなわ
ち目標濃度C1を電気信号に変換して演算部4に送信し
てあり、演算部4において、現状濃度C2と目標濃度C1
とを比較して、この時点における消火薬剤の最適放出量
1を計算し、最適放出量S1を電気信号に変換して制御
部5に送信している。
【0036】制御部5では、最適放出量S1の受信によ
って、流量制御弁9の制御量A1、すなわち流量制御弁
9の最適開度が計算され、この計算結果に基づいて最適
開度で流量制御弁9が開口され、消火薬剤を消火対象区
画1内に放出するようにしてある。
【0037】この場合、消火に必要な分量の貯蔵容器6
内の消火薬剤を、調整弁7を開いて、流量制御弁9と調
整弁7との間の消火配管8内まで放出して置き、消火薬
剤が不足なときは、順次、他の貯蔵容器6の調整弁7を
開くようにしてある。
【0038】本実施例では、消火薬剤としてハロン13
01(CF3Br)やCO2を用いており、これらの消火
薬剤は、高圧にして貯蔵容器6内に液化貯蔵している
が、調整弁7を開くことにより、気化しながら放出され
る。
【0039】図2に、本実施例のガス系自動消火につい
ての基本フローチャートを示している。この図におい
て、〜は、後出の図3又は図6の説明に便なるよう
に付した符号である。
【0040】図3に、一実施例の消火薬剤の放出過程に
ついての計算フローチャートを示している。図3におい
て、及びは図2の同符号とそれぞれ対応している。
図3に示されている数式を、次に説明する。
【0041】下記の諸式は、調整弁7が開かれて貯蔵容
器6内から放出される消火薬剤が、消火対象区画内に放
出される間に低下する消火薬剤の圧力Pを求めるもので
ある。
【0042】
【数9】 V=V0+V1+V2………………………………………(1) V2=α・△P……………………………………………(2) P=P0・V0/V……………………………………… (3) (1)〜(3)式において、V0は貯蔵容器6内の消火
薬剤の体積、V1は消火配管8の容積、V2は流量制御弁
9が開口して、消火用ノズル10から放出されたときの
消火薬剤の膨張体積、αは圧力損失係数、△Pは流量制
御弁9の開度で決定される弁の圧力損失、Pは消火薬剤
が消火対象区画まで膨張したときの消火薬剤の圧力、P
0は貯蔵容器6内の消火薬剤の圧力を示している。
【0043】(1)〜(3)式において、V0、V1、α
及び△Pは、貯蔵容器6、消火配管8及び流量制御弁9
の設定時において決定することができるので、(1)〜
(3)式を用いて、消火薬剤が消火対象区画まで膨張し
たときの消火薬剤の圧力Pを求めることができる。
【0044】次に、前出の貯蔵容器6内の消火薬剤の圧
力P0は、貯蔵容器6周りの温度の影響を受けるので、
この影響を加味して貯蔵容器6内の消火薬剤の圧力を補
正すれば、消火対象区画まで膨張したときの消火薬剤の
圧力Pを、より的確な値とすることができ、この値は次
の補正式により求めることができる。
【0045】
【数10】
【0046】(4)式は実験式であり、(4)式におい
て、P0は消火薬剤容器周りの温度θのときの消火薬剤
容器内の消火薬剤の圧力を示しており、a、b及びm
は、(4)式を最小自乗法で求めたときの定数値であ
る。
【0047】一方、図4にはハロン1301における消
火薬剤容器内の温度と圧力との関係の実測値を例示して
ある。すなわち、(4)式、又は図4に示すような関係
線図を用いて、貯蔵容器6周りの温度による貯蔵容器6
内の消火薬剤の圧力P0の補正を行なっている。
【0048】消火対象区画まで膨張したときの消火薬剤
の圧力Pが求まれば、図1に示した演算部4によって、
最適放出量S1を算出することができる。 なお、図2
において、目標濃度C1、現状濃度C2及び必要濃度C3
との間には、次の関係が成立する。
【0049】
【数11】 C3=C1−C2……………………………………(5) (5)式によって必要濃度C3が求められるので、演算
部4では必要濃度C3に相応する消火薬剤の最適放出量
1を計算し、この結果を電気信号に変換し制御部5に
送信している。
【0050】以上により、必要濃度C3に相応した流量
制御弁9から放出される消火薬剤の圧力Pが求まり、こ
の圧力Pに相応した消火薬剤の最適放出量S1が得ら
れ、消火薬剤の最適放出量S1に相応した流量制御弁9
の制御量A1、すなわち流量制御弁9の最適開度が制御
部5で求められるので、最適放出量の消火薬剤の放出を
行なうことができる。図2及び図3に示した内容を、ブ
ロック線図で表すと図5のようになる。
【0051】更に、図1に示すように、消火対象区画1
の近くに消火薬剤回収容器13を設置してある。これに
よって、消火対象区画1内の鎮火時、開閉扉11を開
き、排気ファン12を作動させることにより、消火対象
区画1内のに残留消火薬剤を、消火薬剤回収容器13内
に回収して、残留消火薬剤による被害を排除することが
できる。
【0052】次に、現状濃度C2を消火薬剤濃度検出計
2を使用せずに、理論近似式を用いて求めた、他の実施
例の場合について説明する。本実施例は、ガス系消火設
備の中で、消火薬剤にハロン1301を用いた全域放出
方式の場合に適用されるものである。
【0053】理論近似式を用いて現状濃度C2を求める
場合は、現状濃度C2に及ぼす熱分解反応、又は漏洩に
よる消火薬剤の減衰の影響を考慮してある。すなわち、
現状濃度C2は、燃焼反応減衰係数△C4及び漏洩減衰係
数△C5を用いて次式により計算される。
【0054】
【数12】 △C4=exp(−k・t)……………………………(6) △C5=exp(−E・t/V3)…………………… (7) C2=△C4・△C5・C1……………………………… (8) ここに、(6)式は、ハロン1301が空気中で約50
0Cで熱分解することから、この熱分解を簡略化した
反応機構とみなし、この反応がモル濃度に比例して減少
すると仮定して求めたものである。一方(7)式は、ガ
ス濃度が拡散方程式に依存するとして求めている。
【0055】(6)〜(8)式において、kは反応次
数、tは時間、Eは換気係数、V3は消火対象区画の容
積、C1は前出の目標濃度である。ここに、kは密閉さ
れた室内における燃焼実験データにより、Eは実績値を
基にしたシミュレーション解析により求めている。
(6)式及び(7)式によって、△C4及び△C5が求め
られるので、現状濃度C2は(8)式により得ることが
できる。
【0056】すなわち、(6)〜(8)式により、消火
薬剤濃度検出計を使用せずに、現状濃度C2を近似的に
求めることができる。これをフローチャートで表したも
のを、図6に示してある。図6の及びは、図2の同
符号と対応している。すなわち、簡易に、近似的な現状
濃度C2を求める場合には、(6)〜(8)式を用いて
いる。
【0057】更に、その他の実施例を図7に示す。図7
は残留消火薬剤の除去についての説明図であり、14は
消火薬剤排出配管を示しており、そのほかは前出の符号
である。消火対象物が鎮火した場合、残留消火薬剤の濃
度を低減させるために、前出の一実施例では、残留消火
薬剤を吸引し、消火薬剤回収容器13内に回収していた
が、本実施例では消火薬剤排出配管14を設け、排気フ
ァン12により消火対象区画1の外に排出する場合であ
る。なお、この場合は当然ながら、消火薬剤が排出され
ても、排出された地域において、何等被害を受けないこ
との確認を前提としている。
【0058】なお上記の各実施例は、対象区画が、図1
に示すような不燃材によって囲まれた消火対象区画1、
すなわち全域対象区画の場合であるが、本発明は不燃材
によって囲まれていない局所対象区画においても同様に
適用することができる。また、再発火防止のための濃度
維持を目的とした延長放出の場合においても同様に適用
される。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、消火対象区画に火災が
発生して、これを消火する際、消火に必要な最適量の消
火薬剤の放出で済むので、経済性が著しく向上する。ま
た、消火対象区画内の消火薬剤が高濃度になるのを防止
できるので、窒息などの危険が低減され、安全性が大幅
に向上すると共に、地球環境保護上の要求に応えること
ができる。
【0060】また、消火薬剤の最適放出量を求める際に
必要となる必要濃度を、消火薬剤濃度検出計を用いるこ
となく、理論近似式により求めることができる。
【0061】なお、本発明は、消火対象区画が全域対象
区画及び局所対象区画の各場合共に適用され、また延長
放出の場合にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガス系自動消火についての
説明図である。
【図2】本発明の一実施例のガス系自動消火についての
基本フローチャートである。
【図3】本発明の一実施例の消火薬剤放出過程について
の計算フローチャートである。
【図4】貯蔵容器内におけるハロンガスの温度−圧力線
図である。
【図5】本発明の一実施例のブロック線図である。
【図6】他の実施例の理論近似式による現状濃度の計算
フローチャートである。
【図7】その他の実施例の残留消火薬剤の除去について
の説明図である。
【図8】従来例のガス系自動消火についての説明図であ
る。
【符号の説明】
1…消火対象区画、2…消火薬剤濃度検出計、4…演算
部、5…制御部、6…貯蔵容器、7…調整弁、8…消火
配管、9…流量調整弁、10…消火用ノズル、13…消
火薬剤回収装置、14…消火薬剤排出装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺西 詔奉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス系の消火薬剤の貯蔵容器、消火用ノ
    ズル、前記貯蔵容器から前記消火用ノズルまで前記消火
    薬剤を送給する消火配管、及び該消火配管に付設してい
    る調整弁を有する消火装置を備えたガス系自動消火方法
    において、消火対象区画内に前記消火薬剤の濃度検出部
    を設けた濃度検出計により現状濃度を計測し、演算部で
    目標濃度と現状濃度とを比較し、更に他の影響因子を加
    味して、前記消火薬剤の最適放出量を演算処理し、該演
    算処理の結果を基にして流量制御弁の最適開度を制御部
    で決定して、前記消火薬剤を前記消火用ノズルから放出
    し、これらの操作を一定周期で時系列的に行なうことを
    特徴とするガス系自動消火方法。
  2. 【請求項2】 前記最適放出量の演算処理の際に必要と
    なる、前記貯蔵容器内の前記消火薬剤が前記消火用ノズ
    ルから放出されたときの前記消火薬剤の膨張体積及び圧
    力を、次の諸式により求める請求項1記載のガス系自動
    消火方法。 【数1】 V=V0+V1+V2………………………………………(1) V2=α・△P……………………………………………(2) P=P0・V0/V……………………………………… (3) (1)〜(3)式において、V0は前記貯蔵容器内の消
    火薬剤の体積、V1は前記消火配管の容積、V2は前記流
    量制御弁が開口して前記消火用ノズルから放出されたと
    きの前記消火薬剤の膨張体積、αは圧力損失係数、△P
    は前記流量制御弁の開度で決定される弁の圧力損失、P
    は前記消火用ノズルから放出されたときの前記消火薬剤
    の圧力、P0は前記貯蔵容器内の消火薬剤の圧力。
  3. 【請求項3】 前記貯蔵容器内の消火薬剤の圧力P
    0を、前記貯蔵容器の周りの温度の影響に関する次の補
    正式を用いて補正してある請求項2記載のガス系自動消
    火方法。 【数2】 (4)式において、θは前記貯蔵容器周りの温度、a、
    b及びmは定数値。
  4. 【請求項4】 前記消火対象区画内に前記消火薬剤の濃
    度検出計の検出部を設置し、前記消火対象区画内の消火
    に必要な前記消火薬剤の目標濃度と、前記濃度検出計に
    より計測される前記消火対象区画内の前記消火薬剤の現
    状濃度との比較から、次式により必要濃度を計算し、該
    計算の結果を基にして前記消火薬剤の最適放出量を求め
    る請求項1記載のガス系自動消火方法。 【数3】 C3=C1−C2……………………………………………(5) (5)式において、C1は目標濃度、C2は現状濃度、C
    3は必要濃度。
  5. 【請求項5】 前記消火対象区画内における前記消火薬
    剤の現状濃度C2を、近似的に、次の諸式を用いて求め
    る請求項1記載のガス系自動消火方法。 【数4】 △C4=exp(−k・t)……………………………(6) △C5=exp(−E・t/V3)…………………… (7) C2=△C4・△C5・C1……………………………… (8) (6)〜(8)式において、△C4は燃焼反応減衰係
    数、△C5は漏洩減衰係数、kは反応次数、tは時間、
    Eは換気係数、V3は消火対象区画の容積、C1は目標濃
    度。
  6. 【請求項6】 ガス系の消火薬剤の貯蔵容器、消火用ノ
    ズル、前記貯蔵容器から前記消火用ノズルまで前記消火
    薬剤を送給する消火配管、及び該消火配管に付設してい
    る調整弁を有する消火装置を備えたガス系自動消火装置
    において、消火対象区画内に、前記消火薬剤の濃度検出
    計の検出部を設置してあるガス系自動消火装置。
  7. 【請求項7】 前記消火対象区画内の消火対象物が鎮火
    後、前記消火対象区画内が人体に影響を及ぼさない安全
    濃度になるまで、前記消火対象区画内に残留する前記消
    火薬剤を、前記消火対象区画外に吸引して回収する消火
    薬剤回収装置を付設してある請求項6記載のガス系自動
    消火装置。
  8. 【請求項8】 前記消火対象区画内の消火対象物が鎮火
    後、前記消火対象区画内が人体に影響を及ぼさない安全
    濃度になるまで、前記消火対象区画内に残留する前記消
    火薬剤を、前記消火対象物の区画外に放出する消火薬剤
    排出配管を付設してある請求項6記載のガス系自動消火
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101386448B1 (ko) * 2012-11-16 2014-04-18 한국수력원자력 주식회사 이산화탄소 잔류 소화약제의 회수장치를 구비한 이산화탄소 소화시스템
CN104749331A (zh) * 2015-04-27 2015-07-01 公安部天津消防研究所 洁净化学液体灭火剂临界灭火浓度测试方法及试验装置
JP2017029464A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 能美防災株式会社 消火装置

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