JPH05108085A - 音声合成装置 - Google Patents

音声合成装置

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JPH05108085A
JPH05108085A JP3299757A JP29975791A JPH05108085A JP H05108085 A JPH05108085 A JP H05108085A JP 3299757 A JP3299757 A JP 3299757A JP 29975791 A JP29975791 A JP 29975791A JP H05108085 A JPH05108085 A JP H05108085A
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JP
Japan
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accent
component
function
parameter
pitch
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JP3299757A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sakayori
哲也 酒寄
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然音声のピッチパターンに対してより最良
の近似を安定して得ることができ、違和感のない自然な
合成音声を得ることが可能である。 【構成】 アクセントパラメータ計算部5で計算された
アクセント成分の上昇部と下降部の直線を近似するパラ
メータに基づき、アクセント成分作成部6では、アクセ
ント成分の平坦部を直線で補間して、アクセント成分の
パターンを作成する。一方、声立てパラメータ計算部8
で計算された声立て成分についてのパラメータに基づ
き、声立て成分作成部9では、声立て成分のパターンを
作成する。作成されたアクセント成分と声立て成分のパ
ターンは、加算部10で加算されピッチパターンが生成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音韻・韻律を表現する
入力記号列に従って、予め用意された音声素片のパラメ
ータ系列を読み出し、一定の規則に基づき音声合成を行
なう音声合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、規則音声合成を行なう音声合成
装置では、予め用意した音声素片のパラメータ系列を、
音韻・韻律を表現する入力記号列に従って読み出し、音
声パラメータ結合規則によって音声素片パラメータ系列
を接続し、韻律制御規則によって、音韻・韻律を表現す
る入力記号列に応じた音韻継続時間長、ピッチパター
ン、振幅パターンなどを計算することにより、韻律を付
加して音声合成がなされるようになっており、この種の
音声合成装置は、任意の語を合成し合成音声として出力
できるので、大量語彙を必要とする音声応答装置等を実
現する上で、各種の研究がなされている。例えば、「文
音声合成における音調規則、電子通信学会論文誌、80
/9、Vol.J63−D、No.9」には(以下、第
1の従来例と称す)、文節のアクセント形と文節の結合
度から文音声のピッチパターン(音声の基本周波数の時
間パターン)を生成する方式が提案されており、この方
式では、母音の重心点における基本周波数(点ピッチ)
を直線補間したものでピッチパターンを近似し、このピ
ッチパターンにより文音声のイントネーションを得るよ
うになっている。
【0003】また、「基本周波数パターン生成過程モデ
ルに基づく文章音声の合成、電子通信学会論文誌、89
/1、Vol.J72−A、No.1」には(以下、第
2の従来例と称す)、音声の文全体にわたる特徴として
の基本周波数パターン,すなわちピッチパターンを、イ
ンパルス状のフレーズ指令とステップ状のアクセント指
令に対する臨界制動2次線形系の応答の和として生成す
る方式が開示されている。
【0004】また特開昭63−46497号には(以
下、第3の従来例と称す)、入力文字列または音韻系列
に応じて予め用意した音声素片のパラメータ系列を読出
し、これらを結合規則によって接続し、韻律規則によっ
て韻律を付与して音声合成を行なう場合に、ピッチパタ
ーン生成に寄与する定性的パラメータ(単語のアクセン
ト型,単語のモーラ数,音韻系列等)を用いて数量化I
類解析(カテゴリカル重回帰分析)を行なうことによっ
て、測定データとの最小2乗誤差を最小にする予測モデ
ルを作り、これによってピッチ値を得てピッチパターン
を生成する方式が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1の従来例では、ピッチパターンを決定するパラメ
ータは、母音重心点におけるピッチのみであり、この取
り得る値も数レベルに規格化されたものであって、ピッ
チ点を固定し直線補間してピッチパターンを決定するよ
うになっていたので、様々な状況や感情に対応する多彩
なピッチパターンを生成することはできなかった。ま
た、直線補間することによって、母音重心点以外では、
自然音声のピッチパターンとの違いが大きくなるという
欠点があった。
【0006】また、第2の従来例の場合、非常に多くの
パラメータが存在し、その全てについて最適な値を推定
できれば、精度良くピッチパターンを近似できることが
知られている。しかしながら、実際の韻律制御規則によ
ってこれら全てを最適な値に制御することは困難であ
り、実際、この文献においても、フレーズ指令、アクセ
ント指令の指令時点は、母音開始点からの相対位置とし
て固定され、指令の大きさも数レベルに規格されてい
る。このため、第1の従来例と同様、様々な状況や感情
に対応する多彩なピッチパターンを実際には生成するこ
とが困難であるという欠点があった。
【0007】これに対し、第3の従来例の場合には、ピ
ッチパターンの変化点の位置とその点におけるピッチの
どちらをも任意の値に設定することが可能であり、話者
や状況に応じたパラメータセットを用意することも比較
的簡単であるため、多彩なピッチパターンを生成できる
可能性がある。しかしながら、この場合にもそれぞれの
ピッチ変化点は全く独立に推定されるため、自然音声の
ピッチパターンに対し最良の近似が常に得られるとは限
らない。また、ピッチ変化点相互の関係が規定されない
ため、不安定なパターンを発生しやすいという問題があ
った。
【0008】本発明は、自然音声のピッチパターンに対
してより最良の近似を安定して得ることができ、違和感
のない自然な合成音声を得ることが可能な音声合成装置
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の音声合成装置は、音韻韻律を表現する
記号列に基づき音声合成用のピッチパターンを生成する
ピッチパターン生成部を有しており、該ピッチパターン
生成部が、実際のピッチパターンのピッチ変化部分を声
立て成分とアクセント成分とのそれぞれについて関数で
近似表現する関数表現手段と、関数表現された声立て成
分と関数表現されたアクセント成分とを加算してピッチ
パターンを生成する加算手段とを備えていることを特徴
としている。
【0010】また、請求項2記載の音声合成装置は、前
記関数表現手段が、アクセント成分を関数で近似表現す
る際に、アクセント成分の上昇部および下降部をそれぞ
れ関数で表わし、アクセント成分の上昇部と下降部との
間の部分については、上昇部の関数および下降部の関数
で補間し、アクセント成分全体の関数表現を得るように
なっていることを特徴としている。
【0011】また、請求項3記載の音声合成装置は、前
記関数表現手段が、アクセント成分および/または声立
て成分を関数表現するに際し、アクセント成分および/
または声立て成分の時間位置パラメータを用いるように
なっており、該時間位置パラメータを基準となる音韻境
界からの時間距離で表わすようになっていることを特徴
としている。
【0012】また、請求項4記載の音声合成装置は、前
記関数表現手段が、アクセント成分の上昇部および/ま
たは下降部を関数表現するに際し、時間方向の位置や幅
を表わすパラメータを用い、該パラメータとしては音韻
継続時間長の変化に依存しない絶対的な時間距離を用い
るようになっていることを特徴としている。
【0013】また、請求項5記載の音声合成装置は、前
記関数表現手段が、アクセント成分の上昇部および/ま
たは下降部を関数表現するのに用いるパラメータを求め
るための要因として、アクセント句のアクセント型,ア
クセント成分が上昇してから下降するまでのモーラ数,
ピッチ変化位置の音韻種別のうちの少なくとも1つを用
いるようになっていることを特徴としている。
【0014】また、請求項6記載の音声合成装置は、前
記関数表現手段が、関数表現されるアクセント成分の上
昇部および下降部,声立て成分のうちの少なくとも1つ
を表わすパラメータを、定性的あるいは定量的要因の線
形結合によって、または、定性的あるいは定量的要因を
入力とする非線形結合ネットワークによって生成するよ
うになっていることを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明の音声合成装置では、実際のピッチパタ
ーンのピッチ変化部分を声立て成分とアクセント成分と
のそれぞれについて関数で近似表現し、関数表現された
声立て成分と関数表現されたアクセント成分とを加算し
てピッチパターンを生成する。
【0016】また、アクセント成分を関数で近似表現す
る際に、アクセント成分の上昇部および下降部をそれぞ
れ関数で表わし、アクセント成分の上昇部と下降部との
間の部分については、上昇部の関数および下降部の関数
で補間し、アクセント成分全体の関数表現を得る。ま
た、アクセント成分の上昇部および/または下降部を関
数表現するに際しては、時間方向の位置や幅を表わすパ
ラメータを用い、該パラメータとしては音韻継続時間長
の変化に依存しない絶対的な時間距離を用いる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の音声合成装置におけるピッチパ
ターン生成部の一実施例のブロック図である。なお、音
声合成装置のピッチパターン生成部以外の部分について
は、既知の各種の技術を用いて構成することができるも
のとし、簡単のため図示を省略している。
【0018】図1に示す音声合成装置,すなわちピッチ
パターン生成部は、音韻,アクセント,声立て,ポーズ
などを表わす記号からなる韻律音韻記号列1の入力を想
定しており、韻律音韻記号列1の入力によりアクセント
成分を作成するために、アクセント型抽出部2と、高ア
クセント部分モーラ数計数部3と、音韻種別判定部4
と、アクセントパラメータ計算部5と、アクセント成分
作成部6とを有し、また、声立て成分を作成するため
に、声立て要因抽出部7と、声立てパラメータ計算部8
と、声立て成分作成部9とを有し、アクセント成分作成
部6で作成されたアクセント成分と声立て成分作成部9
で作成された声立て成分とを加算部10により加算して
ピッチパターンを生成するように構成されている。
【0019】図2はピッチパターンの一例を示す図であ
り、本発明では、実際のピッチパターンPPのピッチ変
化部分を関数,例えば直線によって近似表現することを
意図している。すなわち、図2の例では、ピッチパター
ンのピッチ変化部分を声立て成分とアクセント成分との
それぞれについて別個に直線によって近似表現し、声立
て成分については、その上昇部VUの直線VUSと下降
部VDの直線VDSとによって実際のピッチパターンP
Pを近似し、また、アクセント成分については、その上
昇部AUの直線AUSと平坦部AFの直線AFSと下降
部ADの直線ADSとによって実際のピッチパターンP
Pを近似し、最終的にこれらを加算することによって、
実際のピッチパターンPPを近似するピッチパターンを
生成するようにしている。この際、アクセント成分の平
坦部AFの直線AFSを、上昇部AUの直線AUSと下
降部ADの直線ADSとにより接続して補間するように
しており、従って、アクセントパラメータとして上昇部
AUの直線AUSと下降部ADの直線ADSとを表現す
るパラメータを求めるだけで平坦部AFをも含めたアク
セント成分の近似表現が得られるようになっている。
【0020】このため、図1のピッチパターン生成部の
アクセント型抽出部2では、韻律音韻記号列1からアク
セント型を抽出するようになっている。ここで、アクセ
ント型とは、アクセント核あるいはアクセントの滝など
と呼ばれる、アクセント成分の下降する位置の違いによ
るアクセント句の分類であり、具体的な表現としては、
アクセント核位置を句頭からのモーラ数で表わしたもの
や、もっと大まかに頭高型,平板型,中高型,尾高型な
どと分類したものが考えられる。また、高アクセント部
分モーラ数計数部3では、高アクセント部分,すなわち
アクセント成分が上昇してから下降するまでの部分のモ
ーラ数を計数するようになっている。また、音韻種別判
定部4では、アクセント成分の上昇位置あるいは下降位
置付近のモーラもしくは、その近傍の音韻種別を判定す
るようになっている。また、アクセントパラメータ計算
部5では、上記各部によって求められたアクセント型,
高アクセント部分モーラ数,音韻種別から、アクセント
パラメータ,すなわち図2の例ではアクセント成分の上
昇部AUの直線AUSを近似するパラメータと下降部A
Dの直線ADSを近似するパラメータとを計算するよう
になっている。
【0021】図3はこのようなアクセントパラメータの
一例を示す図であり、この例では、アクセントパラメー
タとして3つのパラメータ“attack”,“release”,
“tilt”が用いられている。パラメータ“attack”は、
関数(直線)表現されたアクセント成分の上昇部あるい
は下降部の時間方向の位置を表わすパラメータであり、
アクセントの上昇位置あるいは下降位置付近のモーラ境
界,音韻境界などを基準とし、この基準境界と上昇開始
点や下降終了点との間の時間的距離を表わしている。ま
た、パラメータ“release”は、関数(直線)表現され
たアクセント成分の上昇部あるいは下降部の時間幅を表
わすパラメータであり、このパラメータには、テンポ変
化などに起因する音韻継続時間長の変化に依存しない絶
対的な時間距離が用いられる。すなわち、音韻継続時間
長が図3に示すものから図4に示すようなものに変化す
る場合、相対的な時間構造をもつアクセントモデルで
は、図4に破線(符号RL)で示すように、パラメータ
“release”は音韻継続時間長の変化に伴ない相対的に
変化するが、本実施例では、音韻継続時間長に対して絶
対的な時間構造をもつアクセントモデルが用いられ、図
4に実線(符号AB)で示すように、パラメータ“rele
ase”には、音韻継続時間長が変化してもこれに依存せ
ず、常に一定のものが用いられるようになっている。ま
た、パラメータ“tilt”は、アクセント成分のピッチ方
向のパラメータであり、ピッチ変化率(ピッチパターン
の傾き)を表わしている。
【0022】アクセントパラメータ計算部5は、上記の
ようなアクセントパラメータを、韻律音韻記号から得ら
れる各要因の線形結合によって計算したり、あるいは、
韻律音韻記号から得られる各要因を入力とし非線形結合
ネットワークによって計算するようになっている。
【0023】アクセント成分作成部6では、アクセント
パラメータ計算部5において計算されたアクセント成分
の上昇部AU,下降部ADを表わすアクセントパラメー
タに基づき、アクセント成分の平坦部AFの関数(直
線)AFSを補間し、これによりアクセント成分につい
てピッチパターンを近似するパターンを作成するように
なっている。
【0024】一方、声立て要因抽出部7は、韻律音韻記
号列1から声立て要因を抽出し、声立てパラメータ計算
部8は、アクセントパラメータ計算部5と同様の仕方
で、声立て成分についてパラメータ,例えばピッチ方向
のパラメータを求めるようになっており、声立て成分作
成部9は、アクセント成分作成部6と同様の仕方で、声
立て成分についてのパラメータに基づき、声立て成分に
ついてピッチパターンを近似するパターンを作成するよ
うになっている。
【0025】次にこのような構成の音声合成装置,すな
わち図1のピッチパターン生成部の動作について説明す
る。韻律音韻記号列1がピッチパターン生成部に入力す
ると、アクセント型抽出部2,高アクセント部分モーラ
数計数部3,音韻種別判定部4では、それぞれアクセン
ト型を抽出し、高アクセント部分のモーラ数を計数し、
音韻種別を判定する。アクセントパラメータ計算部5で
は、アクセント型,高アクセント部分のモーラ数,音韻
種別の定性的あるいは定量的要因の線形結合によって、
または、定性的あるいは定量的要因を入力とする非線形
ネットワークによって、アクセント成分の上昇部AUお
よび下降部ADをそれぞれ関数(直線)AUS,ADS
で表現するアクセントパラメータ,すなわち時間位置パ
ラメータ,時間幅パラメータ,ピッチパラメータを計算
する。なお、線形結合による計算の代表例としては、ア
クセント型,高アクセント部分モーラ数,音韻種別を要
因アイテムとし、各アクセントパラメータを外的基準と
して数量化I類によってそれぞれ計算する方法がある。
この際に、韻律テーブル20には、数量化I類を用いる
場合の回帰係数や、ニューラルネットワークを用いる場
合の重みが予め記憶されるようになっており、アクセン
トパラメータ計算部5は、韻律テーブル20を参照して
各アクセントパラメータを計算する。
【0026】このようにして、アクセント成分の上昇部
AU,下降部ADをそれぞれ関数(直線)AUS,AD
Sで表現した後、アクセント成分作成部6では、上昇部
AU,下降部ADを表わす関数(直線)AUS,ADS
により平坦部AFを関数(直線)AFSで補間し、アク
セント成分の全ての部分,すなわち上昇部AU,平坦部
AF,下降部ADを関数AUS,AFS,ADSで表現
して、アクセント成分についてピッチパターンPPを近
似するパターンを生成する。
【0027】一方、声立て成分についても、上記アクセ
ント成分と同様にして、声立て要因抽出部7,声立てパ
ラメータ計算部8,声立て成分作成部9により、声立て
成分についてピッチパターンPPを近似するパターンが
作成される。すなわち、声立てパラメータ計算部8で
は、韻律テーブル20を参照して、声立て要因の線形結
合によって、または、声立て要因を入力とする非線形ネ
ットワークによって、声立て成分の上昇部VUおよび下
降部VDをそれぞれ関数(直線)VUS,VDSで表現
するパラメータを計算し、声立て成分作成部9では、声
立て成分についてピッチパターンPPを近似するパター
ンを作成する。
【0028】このようにして、アクセント成分作成部6
で関数表現されたアクセント成分と声立て成分作成部9
で関数表現された声立て成分とを加算部10で加算し
て、最終的に、実際のピッチパターンPPを近似するピ
ッチパターンが生成される。
【0029】本実施例では、上記のようにピッチパター
ンを生成することができるが、特に、ピッチパターンを
独立したピッチ変化点の集まりとして扱わず、ピッチ変
化部分を関数によって表現してパターンとして扱うよう
にしているので、多彩なピッチパターンを安定に設定す
ることが可能となる。また、アクセント成分,あるいは
声立て成分の時間位置パラメータを基準となる音韻境界
からの時間距離で表わすことによって、異なるアクセン
ト型のデータ,あるいは異なるモーラ数のデータを統一
的に扱えるため、韻律テーブル20を容易に作成するこ
とができ、また、ピッチパターン生成部そのものの構成
をも簡単にすることが可能となる。また、アクセント成
分の時間方向を表わすパラメータを音韻継続時間長の変
化に対して、絶対的な量として扱うことによって、人間
の発声に近いより自然なピッチパターンを得ることがで
きる。また、ピッチパターンを表わすパラメータを各種
要因の線形結合によって計算することによって、人間の
発声に近い多彩なピッチパターンを簡単に得ることがで
きる。また、ピッチパターンを表わすパラメータを各種
要因を入力とする非線形ネットワークによって計算する
ことによって、人間の発声に近い多彩なピッチパターン
を精度良く得ることができる。また、アクセント成分を
表わすパラメータを求めるための要因として、アクセン
ト型を用いることにより、アクセント核の有無や位置の
違いによるアクセントパラメータの変化を表現でき、自
然なアクセントパターンを生成できる。また、アクセン
ト成分を表わすパラメータを求めるための要因として、
高アクセント部分モーラ数を用いることにより、異なる
モーラ数やアクセント型のアクセント句の特徴を統一的
に表現でき、自然なアクセントパターンを少ないデータ
によって生成できる。また、アクセント成分を表わすパ
ラメータを求めるための要因として、ピッチ変化位置の
音韻種別を用いることにより、音韻毎に異なるピッチ変
化の様子を表現でき、自然なアクセントパターンを生成
できる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1,2記
載の音声合成装置によれば、実際のピッチパターンのピ
ッチ変化部分を声立て成分とアクセント成分とのそれぞ
れについて関数で近似表現し、関数表現された声立て成
分と関数表現されたアクセント成分とを加算してピッチ
パターンを生成し、また、アクセント成分を関数で近似
表現する際に、アクセント成分の上昇部および下降部を
それぞれ関数で表わし、アクセント成分の上昇部と下降
部との間の部分については、上昇部の関数および下降部
の関数で補間し、アクセント成分全体の関数表現を得る
ようにしており、ピッチパターンを独立したピッチ変化
点の集まりとして扱わず、ピッチ変化部分を関数によっ
て表現してパターンとして扱うようにしているので、多
彩なピッチパターンを安定に設定することができる。
【0031】また、請求項3記載の音声合成装置では、
関数表現手段が、アクセント成分および/または声立て
成分を関数表現するに際し、アクセント成分および/ま
たは声立て成分の時間位置パラメータを用いるようにな
っており、該時間位置パラメータを基準となる音韻境界
からの時間距離で表わすようになっているので、異なる
アクセント型のデータ,あるいは異なるモーラ数のデー
タを統一的に扱うことができる。
【0032】また、請求項4記載の音声合成装置では、
関数表現手段が、アクセント成分の上昇部および/また
は下降部を関数表現するに際し、時間方向の位置や幅を
表わすパラメータを用い、該パラメータとしては音韻継
続時間長の変化に依存しない絶対的な時間距離を用いる
ようになっているので、人間の発声に近いより自然なピ
ッチパターンを得ることができる。
【0033】また、請求項5記載の音声合成装置では、
関数表現手段が、アクセント成分の上昇部および/また
は下降部を関数表現するのに用いるパラメータを求める
ための要因として、アクセント句のアクセント型,アク
セント成分が上昇してから下降するまでのモーラ数,ピ
ッチ変化位置の音韻種別のうちの少なくとも1つを用い
るようになっているので、、自然なアクセントパターン
を生成することができる。
【0034】また、請求項6記載の音声合成装置では、
関数表現手段が、関数表現されるアクセント成分の上昇
部および下降部,声立て成分のうちの少なくとも1つを
表わすパラメータを、定性的あるいは定量的要因の線形
結合によって生成するようになっているので、人間の発
声に近い多彩なピッチパターンを簡単に得ることがで
き、また、ピッチパターンを表わすパラメータを各種要
因を入力とする非線形ネットワークによって計算するこ
とにより、人間の発声に近い多彩なピッチパターンを精
度良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声合成装置におけるピッチパターン
生成部の一実施例のブロック図である。
【図2】ピッチパターンの一例を示す図である。
【図3】アクセントパラメータの一例を示す図である。
【図4】音韻継続時間長に対して絶対的な時間構造をも
つアクセントモデルを説明するための図である。
【符号の説明】
1 韻律音韻記号列 2 アクセント型抽出部 3 高アクセント部分モーラ数計数部 4 音韻種別判別部 5 アクセントパラメータ計算部 6 アクセント成分作成部 7 声立て要因抽出部 8 声立てパラメータ計算部 9 声立て成分作成部 10 加算部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音韻韻律を表現する記号列に基づき音声
    合成用のピッチパターンを生成するピッチパターン生成
    部を有している音声合成装置において、該ピッチパター
    ン生成部は、実際のピッチパターンのピッチ変化部分を
    声立て成分とアクセント成分とのそれぞれについて関数
    で近似表現する関数表現手段と、関数表現された声立て
    成分と関数表現されたアクセント成分とを加算してピッ
    チパターンを生成する加算手段とを備えていることを特
    徴とする音声合成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の音声合成装置において、
    前記関数表現手段は、アクセント成分を関数で近似表現
    する際に、アクセント成分の上昇部および下降部をそれ
    ぞれ関数で表わし、アクセント成分の上昇部と下降部と
    の間の部分については、上昇部の関数および下降部の関
    数で補間し、アクセント成分全体の関数表現を得るよう
    になっていることを特徴とする音声合成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の音声合成装置に
    おいて、前記関数表現手段は、アクセント成分および/
    または声立て成分を関数表現するに際し、アクセント成
    分および/または声立て成分の時間位置パラメータを用
    いるようになっており、該時間位置パラメータを基準と
    なる音韻境界からの時間距離で表わすようになっている
    ことを特徴とする音声合成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の音声合成装置に
    おいて、前記関数表現手段は、アクセント成分の上昇部
    および/または下降部を関数表現するに際し、時間方向
    の位置や幅を表わすパラメータを用い、該パラメータと
    しては音韻継続時間長の変化に依存しない絶対的な時間
    距離を用いるようになっていることを特徴とする音声合
    成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の音声合成装置に
    おいて、前記関数表現手段は、アクセント成分の上昇部
    および/または下降部を関数表現するのに用いるパラメ
    ータを求めるための要因として、アクセント句のアクセ
    ント型,アクセント成分が上昇してから下降するまでの
    モーラ数,ピッチ変化位置の音韻種別のうちの少なくと
    も1つを用いるようになっていることを特徴とする音声
    合成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の音声合成装置に
    おいて、前記関数表現手段は、関数表現されるアクセン
    ト成分の上昇部および下降部,声立て成分のうちの少な
    くとも1つを表わすパラメータを、定性的あるいは定量
    的要因の線形結合によって、または、定性的あるいは定
    量的要因を入力とする非線形結合ネットワークによって
    生成するようになっていることを特徴とする音声合成装
    置。
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