JPH05106464A - ガスタービン - Google Patents
ガスタービンInfo
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- JPH05106464A JPH05106464A JP3265716A JP26571691A JPH05106464A JP H05106464 A JPH05106464 A JP H05106464A JP 3265716 A JP3265716 A JP 3265716A JP 26571691 A JP26571691 A JP 26571691A JP H05106464 A JPH05106464 A JP H05106464A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- gas turbine
- fibers
- fiber
- ion exchange
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 防塵用のフィルター7をガスタービンの吸気
経路6中に介設する。イオン交換繊維を含む繊維集合体
をろ過材9としてフィルター7に設ける。 【効果】 例えば空気中での海塩粒子の濃度の高い地域
において、多湿環境下では海塩粒子がフィルター7内で
粘稠なミストとなるため、従来は、湿度の変動によるガ
スタービンの吸気圧が大きく変化していた。ところが、
上記構成は、ミストに含まれる塩をイオン交換繊維によ
り吸収できて、ミストを低粘度化できることから、湿度
の変動によるガスタービンの吸気圧の変化を従来より低
減できる。よって、ガスタービンの有効出力を向上でき
る。
経路6中に介設する。イオン交換繊維を含む繊維集合体
をろ過材9としてフィルター7に設ける。 【効果】 例えば空気中での海塩粒子の濃度の高い地域
において、多湿環境下では海塩粒子がフィルター7内で
粘稠なミストとなるため、従来は、湿度の変動によるガ
スタービンの吸気圧が大きく変化していた。ところが、
上記構成は、ミストに含まれる塩をイオン交換繊維によ
り吸収できて、ミストを低粘度化できることから、湿度
の変動によるガスタービンの吸気圧の変化を従来より低
減できる。よって、ガスタービンの有効出力を向上でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潮解性を有する海塩粒
子が空気中に存在する沿岸地方、船舶または海上基地に
おいて使用され、海塩粒子に起因する塩害を防止できる
ガスタービンに関するものである。
子が空気中に存在する沿岸地方、船舶または海上基地に
おいて使用され、海塩粒子に起因する塩害を防止できる
ガスタービンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスタービンには、高速回転
する動翼や高速ガスが流れる内壁を浸食する塵埃を除去
するために吸気用ダクトにガラス繊維製フィルターが設
けられている。そのようなガスタービンを、沿岸地方の
ように空気中での海塩粒子が多く浮遊する所で使用した
場合、通常、塩害の原因となる海塩粒子は、それが粒子
のままの状態であれば、上記のフィルターで捕集され
る。
する動翼や高速ガスが流れる内壁を浸食する塵埃を除去
するために吸気用ダクトにガラス繊維製フィルターが設
けられている。そのようなガスタービンを、沿岸地方の
ように空気中での海塩粒子が多く浮遊する所で使用した
場合、通常、塩害の原因となる海塩粒子は、それが粒子
のままの状態であれば、上記のフィルターで捕集され
る。
【0003】しかし、降雨時のような多湿環境下では、
海塩粒子が潮解性を備え、高湿度な環境で水分を吸収し
て液化、つまり塩を含むミストとなるため、そのような
ミストが上記のフィルターに浸透して通過し、下流側に
拡散して、ガスタービンにおける動翼などが浸食される
という塩害を生じていた。
海塩粒子が潮解性を備え、高湿度な環境で水分を吸収し
て液化、つまり塩を含むミストとなるため、そのような
ミストが上記のフィルターに浸透して通過し、下流側に
拡散して、ガスタービンにおける動翼などが浸食される
という塩害を生じていた。
【0004】そこで、塩害を防止するために、塩害防止
用フィルターが開発され、そのようなフィルターは、例
えば図8に示すように、機能の異なる2枚のガラス繊維
製ろ過材、すなわち無数の小突起を有する粉塵保持容量
の大きな上流側ろ過材21と、撥水性を備える下流側ろ
過材22とを重ねたものである。
用フィルターが開発され、そのようなフィルターは、例
えば図8に示すように、機能の異なる2枚のガラス繊維
製ろ過材、すなわち無数の小突起を有する粉塵保持容量
の大きな上流側ろ過材21と、撥水性を備える下流側ろ
過材22とを重ねたものである。
【0005】上記フィルターは、比較的多湿環境下にあ
っても、下流側ろ過材22の軟化や膨潤がなく、また、
下流側ろ過材22は、その表面に水滴が形成されても、
その水滴が内部に拡散・浸透せず、その表面を伝わって
滴下するようになっており、よって、上記フィルター
は、塩を含むミストが下流側へ拡散することが回避され
るため、ガスタービン等に使用されて塩害を防止できる
といわれている。
っても、下流側ろ過材22の軟化や膨潤がなく、また、
下流側ろ過材22は、その表面に水滴が形成されても、
その水滴が内部に拡散・浸透せず、その表面を伝わって
滴下するようになっており、よって、上記フィルター
は、塩を含むミストが下流側へ拡散することが回避され
るため、ガスタービン等に使用されて塩害を防止できる
といわれている。
【0006】上記のようなフィルターを備えるガスター
ビンでは、連続的に使用されると、上記フィルターの前
後における圧損であるフィルター差圧がほぼ経時的に上
昇する。
ビンでは、連続的に使用されると、上記フィルターの前
後における圧損であるフィルター差圧がほぼ経時的に上
昇する。
【0007】また、降雨時のような多湿環境となると、
空気中または捕集された海塩粒子が液化して高濃度の塩
溶液であるミストとなり、そのミストが粘稠なものとな
るため、フィルター差圧が大幅に上昇する。ただし、こ
のようなフィルター差圧の上昇は乾燥環境になると元に
戻る。
空気中または捕集された海塩粒子が液化して高濃度の塩
溶液であるミストとなり、そのミストが粘稠なものとな
るため、フィルター差圧が大幅に上昇する。ただし、こ
のようなフィルター差圧の上昇は乾燥環境になると元に
戻る。
【0008】したがって、上記従来の構成では、降雨時
のような多湿環境下で、フィルター差圧が晴天時のよう
な乾燥環境のフィルター差圧から大幅に上昇すると、ガ
スタービンの圧縮機の吸入圧力が低下するので、その圧
縮機の吐出圧力を一定に維持しようすると、圧縮機の動
力を増加させる必要がある。これは、ガスタービンの有
効出力の低下を意味する。
のような多湿環境下で、フィルター差圧が晴天時のよう
な乾燥環境のフィルター差圧から大幅に上昇すると、ガ
スタービンの圧縮機の吸入圧力が低下するので、その圧
縮機の吐出圧力を一定に維持しようすると、圧縮機の動
力を増加させる必要がある。これは、ガスタービンの有
効出力の低下を意味する。
【0009】そこで、上記のような圧縮機の吸入圧力の
低下によるガスタービン出力への影響を回避し、ガスタ
ービン出力を安定化するために、上記ガスタービンで
は、その燃焼器やタービン部などの性能をオーバースペ
ックに設け、燃焼条件などの制御範囲を幅広く設定でき
るようにする場合もある。
低下によるガスタービン出力への影響を回避し、ガスタ
ービン出力を安定化するために、上記ガスタービンで
は、その燃焼器やタービン部などの性能をオーバースペ
ックに設け、燃焼条件などの制御範囲を幅広く設定でき
るようにする場合もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成は、空気中に海塩粒子を多く含み、かつ、多湿環境
下で運転する場合、ガスタービンの有効出力が低下する
という問題があり、また、ガスタービンの燃焼器やター
ビン部などの性能をオーバースペックに設ける場合、ガ
スタービン出力の定格出力が許容最大出力に対して低く
設定され、ガスタービンの利用効率の低下を招来すると
いう問題がある。
構成は、空気中に海塩粒子を多く含み、かつ、多湿環境
下で運転する場合、ガスタービンの有効出力が低下する
という問題があり、また、ガスタービンの燃焼器やター
ビン部などの性能をオーバースペックに設ける場合、ガ
スタービン出力の定格出力が許容最大出力に対して低く
設定され、ガスタービンの利用効率の低下を招来すると
いう問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ガスタービンは、以上の課題を解決するために、防塵用
のフィルターが吸気経路中に介設されているガスタービ
ンにおいて、上記フィルターが、イオン交換繊維を含む
繊維集合体をろ過材として備えることを特徴としてい
る。
ガスタービンは、以上の課題を解決するために、防塵用
のフィルターが吸気経路中に介設されているガスタービ
ンにおいて、上記フィルターが、イオン交換繊維を含む
繊維集合体をろ過材として備えることを特徴としてい
る。
【0012】請求項2記載のガスタービンは、以上の課
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維を含むものであることを特徴とし
ている。
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維を含むものであることを特徴とし
ている。
【0013】請求項3記載のガスタービンは、以上の課
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維およびイオン交換繊維以外のろ過
材用繊維を混抄してなる紙状物であることを特徴として
いる。
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維およびイオン交換繊維以外のろ過
材用繊維を混抄してなる紙状物であることを特徴として
いる。
【0014】請求項4記載のガスタービンは、以上の課
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維およびガラス繊維を混抄してなる
紙状物であることを特徴としている。
題を解決するために、請求項1記載のガスタービンにお
いて、上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交換繊
維、陰イオン交換繊維およびガラス繊維を混抄してなる
紙状物であることを特徴としている。
【0015】上記のイオン交換繊維は、セルロース系、
ポリスチレン系、ビニロン系、フェノール系、ニトリル
系などの繊維にイオン交換機能を与える官能基を導入し
たものであり、従来、種々の物が公知である。
ポリスチレン系、ビニロン系、フェノール系、ニトリル
系などの繊維にイオン交換機能を与える官能基を導入し
たものであり、従来、種々の物が公知である。
【0016】イオン交換基として陽イオン交換基と陰イ
オン交換基との2種があり、陽イオン交換基の代表的な
ものとしては、弱酸であるカルボン酸基、強酸であるス
ルホン酸基などが挙げられる一方、陰イオン交換基の代
表的なものとしては弱塩基である1〜3級アミノ基、強
塩基である4級アミノ基などが挙げられる。
オン交換基との2種があり、陽イオン交換基の代表的な
ものとしては、弱酸であるカルボン酸基、強酸であるス
ルホン酸基などが挙げられる一方、陰イオン交換基の代
表的なものとしては弱塩基である1〜3級アミノ基、強
塩基である4級アミノ基などが挙げられる。
【0017】このような各イオン交換繊維は、通常再生
型で使用され、上記イオン交換繊維では、広い範囲のイ
オン種を吸着できるように、陽イオン交換繊維と陰イオ
ン交換繊維との組合わせが好ましい。
型で使用され、上記イオン交換繊維では、広い範囲のイ
オン種を吸着できるように、陽イオン交換繊維と陰イオ
ン交換繊維との組合わせが好ましい。
【0018】前記の繊維集合体には、必要に応じて、イ
オン交換繊維以外のガラス繊維等のろ過材用繊維が加え
られる。また、イオン交換繊維はその繊維径が通常の空
気ろ過材用繊維より太いことが多い。
オン交換繊維以外のガラス繊維等のろ過材用繊維が加え
られる。また、イオン交換繊維はその繊維径が通常の空
気ろ過材用繊維より太いことが多い。
【0019】よって、このように太いイオン交換繊維を
多く含むろ過材では、0.5μ以下の微少ダスト流入時の
ろ過性能を充分に発揮できるように、上記のイオン交換
繊維と、それより細い他のろ過材用繊維を組合わせて用
いることが好ましい。
多く含むろ過材では、0.5μ以下の微少ダスト流入時の
ろ過性能を充分に発揮できるように、上記のイオン交換
繊維と、それより細い他のろ過材用繊維を組合わせて用
いることが好ましい。
【0020】また、イオン交換繊維と他のろ過材用繊維
を組合わせてフィルター形状に成形する際に、各繊維間
を繋ぐバインダー、例えば後述する熱接着性繊維状バイ
ンダーを用いてもよい。一方、上記のろ過材用繊維とし
ては、有機、無機あるいは金属製繊維が挙げられるが特
に制限はない。
を組合わせてフィルター形状に成形する際に、各繊維間
を繋ぐバインダー、例えば後述する熱接着性繊維状バイ
ンダーを用いてもよい。一方、上記のろ過材用繊維とし
ては、有機、無機あるいは金属製繊維が挙げられるが特
に制限はない。
【0021】具体的には、有機合成繊維としてポリアミ
ド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリカーボネー
ト、ポリエステルエーテルなど、無機繊維としてガラス
繊維、炭素繊維、活性炭繊維、アルミナ繊維など、ま
た、金属繊維としてスチールウールなどが挙げられる。
なお、ガラス繊維はサブミクロン径のものが比較的容易
に作製でき、また充分な強度、剛性を有し、加工性も良
いので好ましい。
ド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリカーボネー
ト、ポリエステルエーテルなど、無機繊維としてガラス
繊維、炭素繊維、活性炭繊維、アルミナ繊維など、ま
た、金属繊維としてスチールウールなどが挙げられる。
なお、ガラス繊維はサブミクロン径のものが比較的容易
に作製でき、また充分な強度、剛性を有し、加工性も良
いので好ましい。
【0022】イオン交換繊維と他のろ過材用繊維とを併
用する場合、例えばろ過材用繊維としてガラス繊維を用
いた時、イオン交換繊維の比率は重量比率で全ろ過材重
量の70%以内にあることが望ましい。さらに、上記の
組合わせでは、ろ過材の寿命などを勘案すると、イオン
交換繊維の比率は50〜70%前後が適当である。
用する場合、例えばろ過材用繊維としてガラス繊維を用
いた時、イオン交換繊維の比率は重量比率で全ろ過材重
量の70%以内にあることが望ましい。さらに、上記の
組合わせでは、ろ過材の寿命などを勘案すると、イオン
交換繊維の比率は50〜70%前後が適当である。
【0023】イオン交換繊維の繊維径は1〜50μm、
望ましくは1〜20μmのものが良い。また、他のろ過
材用繊維の繊維径は、ろ過材の目標とする捕集効率、圧
損等によって変化するが、充分な捕集効率を得るために
は、0.1〜10μmであることが好ましい。
望ましくは1〜20μmのものが良い。また、他のろ過
材用繊維の繊維径は、ろ過材の目標とする捕集効率、圧
損等によって変化するが、充分な捕集効率を得るために
は、0.1〜10μmであることが好ましい。
【0024】また、ろ過材用繊維の径は、その繊維の7
0wt%以上が、イオン交換繊維の平均径の1/10以下
の径を有することが望ましい。これらの繊維の組合わせ
によって、細いろ過材用繊維による捕集効率の向上と、
捕捉したミストのイオン交換繊維への速やかな移動が起
こり、イオン交換機能が最大限に発揮できる。
0wt%以上が、イオン交換繊維の平均径の1/10以下
の径を有することが望ましい。これらの繊維の組合わせ
によって、細いろ過材用繊維による捕集効率の向上と、
捕捉したミストのイオン交換繊維への速やかな移動が起
こり、イオン交換機能が最大限に発揮できる。
【0025】前記のろ過材としての繊維集合体の形状
は、紙状物、不織布、塊状の集合体、織物布などが挙げ
られるが、異種繊維の均一な分散性、厚みの均一性、空
気透過の均一性が優れていることから、紙状物が好まし
い。
は、紙状物、不織布、塊状の集合体、織物布などが挙げ
られるが、異種繊維の均一な分散性、厚みの均一性、空
気透過の均一性が優れていることから、紙状物が好まし
い。
【0026】紙状物の製造は、基本的に湿式の合成繊維
紙の製法に準じて行われる。すなわち、適当な長さに調
整された上記のイオン交換繊維、他の繊維および前述し
た熱接着性繊維状バインダーを水中に分散し、網状体を
使って均一な厚さにろ過捕集、乾燥するという混抄の工
程を経て紙状体を得た後、その紙状体を熱処理すること
により、上記熱接着性繊維状バインダーを各繊維間を繋
ぐように部分的に接着させて所定の厚さと強度とを有す
る紙状物を製造する方法である。
紙の製法に準じて行われる。すなわち、適当な長さに調
整された上記のイオン交換繊維、他の繊維および前述し
た熱接着性繊維状バインダーを水中に分散し、網状体を
使って均一な厚さにろ過捕集、乾燥するという混抄の工
程を経て紙状体を得た後、その紙状体を熱処理すること
により、上記熱接着性繊維状バインダーを各繊維間を繋
ぐように部分的に接着させて所定の厚さと強度とを有す
る紙状物を製造する方法である。
【0027】上記熱接着性繊維状バインダーの例として
は、比較的高融点を備える有機合成繊維を芯成分に、そ
れに比べて低融点である有機合成繊維を鞘成分とした複
合繊維が挙げられる。
は、比較的高融点を備える有機合成繊維を芯成分に、そ
れに比べて低融点である有機合成繊維を鞘成分とした複
合繊維が挙げられる。
【0028】上記の繊維集合体は、通常、空気の入口お
よび出口を備えた単位容器に充填され、その単位容器が
複数組合わされてフィルターが形成される。なお、繊維
集合体が紙状物、不織布または織物布のように膜状の場
合は、ろ過面積を増加させるために、繊維集合体を蛇腹
状に折り畳んで単位容器に充填することが好ましい。
よび出口を備えた単位容器に充填され、その単位容器が
複数組合わされてフィルターが形成される。なお、繊維
集合体が紙状物、不織布または織物布のように膜状の場
合は、ろ過面積を増加させるために、繊維集合体を蛇腹
状に折り畳んで単位容器に充填することが好ましい。
【0029】
【作用】上記の請求項1、2、3および4記載の構成に
より、吸気される空気中の粉塵や海塩粒子などの粒子
は、ガスタービンの吸気経路中に設けられているフィル
ターの繊維集合体により捕集されて除去される。
より、吸気される空気中の粉塵や海塩粒子などの粒子
は、ガスタービンの吸気経路中に設けられているフィル
ターの繊維集合体により捕集されて除去される。
【0030】また、降雨時のような多湿環境において
も、上記の捕集された海塩粒子は、イオン交換繊維に接
触すると同時にイオン解離して吸収されるので、潮解し
て液化して塩を高濃度に含む粘稠なミストとなることが
回避される。したがって、塩がフィルターの下流側に拡
散することが防止される。
も、上記の捕集された海塩粒子は、イオン交換繊維に接
触すると同時にイオン解離して吸収されるので、潮解し
て液化して塩を高濃度に含む粘稠なミストとなることが
回避される。したがって、塩がフィルターの下流側に拡
散することが防止される。
【0031】また、従来は、塩を高濃度に含む粘稠なミ
ストがフィルターの表面に付着し蓄積すると、フィルタ
ー差圧の大きな上昇を生じていた。
ストがフィルターの表面に付着し蓄積すると、フィルタ
ー差圧の大きな上昇を生じていた。
【0032】しかしながら、上記の本発明の構成では、
上記のような粘稠なミストは、それに含まれる塩がイオ
ン交換繊維に吸収され、また、水分は気化あるいは粘度
が減少することから、従来のようなフィルター差圧の上
昇が低減される。
上記のような粘稠なミストは、それに含まれる塩がイオ
ン交換繊維に吸収され、また、水分は気化あるいは粘度
が減少することから、従来のようなフィルター差圧の上
昇が低減される。
【0033】次に、本発明の一具体例について図1ない
し図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。ガス
タービンは、図2に示すように、圧縮機1、燃焼器2、
タービン部3を大きな構成要素とし、それらが略円筒状
のケース4に収納されており、圧縮機1とタービン部3
は共通の回転中心軸5を中心として高速で回転するもの
である。
し図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。ガス
タービンは、図2に示すように、圧縮機1、燃焼器2、
タービン部3を大きな構成要素とし、それらが略円筒状
のケース4に収納されており、圧縮機1とタービン部3
は共通の回転中心軸5を中心として高速で回転するもの
である。
【0034】タービン部3には、その外周面に径方向外
向きに動翼3aが所定の間隔で複数立設される一方、タ
ービン部3に対向するケース4の内周面には、上記動翼
3aを挟むように静翼4aが径方向内向きに設置されて
いる。
向きに動翼3aが所定の間隔で複数立設される一方、タ
ービン部3に対向するケース4の内周面には、上記動翼
3aを挟むように静翼4aが径方向内向きに設置されて
いる。
【0035】燃焼器2は、圧縮機1からの圧縮空気を用
いて燃料を燃焼させ、1000℃を越える燃焼ガスを、上記
静翼4aおよび動翼3a部分に送り込むものである。こ
れにより、タービン部3が回転して回転中心軸5により
回転力を外部に伝達して、発電機などを駆動する。
いて燃料を燃焼させ、1000℃を越える燃焼ガスを、上記
静翼4aおよび動翼3a部分に送り込むものである。こ
れにより、タービン部3が回転して回転中心軸5により
回転力を外部に伝達して、発電機などを駆動する。
【0036】さらに、圧縮機1には、図1に示すよう
に、吸気用ダクト6が連結され、その吸気用ダクト6は
空気取入口6aに接続され、その空気取入口6aには、
ガスタービンの連続運転に有害な塵などの有害物質を吸
気空気中から除去するための2段フィルター7が吸気空
気路を遮るように設置されていて、その2段フィルター
7は、一段目の粗フィルター8と、二段目の中性能フィ
ルター9とからなっている。
に、吸気用ダクト6が連結され、その吸気用ダクト6は
空気取入口6aに接続され、その空気取入口6aには、
ガスタービンの連続運転に有害な塵などの有害物質を吸
気空気中から除去するための2段フィルター7が吸気空
気路を遮るように設置されていて、その2段フィルター
7は、一段目の粗フィルター8と、二段目の中性能フィ
ルター9とからなっている。
【0037】粗フィルター8は、図3に示すように、巻
き取り式となっており、帯状のろ過材としてのガラス繊
維製フィルター8aは吸気空気路を遮るように張設され
ており、このため、そのガラス繊維製フィルター8aが
巻き取られている送出用リール8bが上部に設置される
一方、その送出用リール8bから取り出されたガラス繊
維製フィルター8aを巻き取る巻取用リール8cが下部
に配設されている。
き取り式となっており、帯状のろ過材としてのガラス繊
維製フィルター8aは吸気空気路を遮るように張設され
ており、このため、そのガラス繊維製フィルター8aが
巻き取られている送出用リール8bが上部に設置される
一方、その送出用リール8bから取り出されたガラス繊
維製フィルター8aを巻き取る巻取用リール8cが下部
に配設されている。
【0038】一方、前記の二段目の中性能フィルター9
では、交換し易いようにカセット式のパッケージ9aが
着脱自在に複数、枡目状に並設されており、各パッケー
ジ9aは、図4に示すように、後述する紙状の繊維集合
体としてのイオン交換繊維フィルター9bを、ろ過面積
を増加させるために吸気空気Aの流れる方向に対して凹
凸するように蛇腹状に折り畳んで備えている。
では、交換し易いようにカセット式のパッケージ9aが
着脱自在に複数、枡目状に並設されており、各パッケー
ジ9aは、図4に示すように、後述する紙状の繊維集合
体としてのイオン交換繊維フィルター9bを、ろ過面積
を増加させるために吸気空気Aの流れる方向に対して凹
凸するように蛇腹状に折り畳んで備えている。
【0039】また、吸気空気Aの上流側および下流側に
形成されるイオン交換繊維フィルター9bの各凹部に
は、向かい合う各イオン交換繊維フィルター9b面に当
接して凹部空間を確保するジグザグ状に折り曲げられた
セパレータ9cが挿着され、これにより、向かい合う各
イオン交換繊維フィルター9b面が近接もしくは密着し
て、吸気空気Aの流路が狭まることによる、ろ過速度の
不均一化が回避できる。
形成されるイオン交換繊維フィルター9bの各凹部に
は、向かい合う各イオン交換繊維フィルター9b面に当
接して凹部空間を確保するジグザグ状に折り曲げられた
セパレータ9cが挿着され、これにより、向かい合う各
イオン交換繊維フィルター9b面が近接もしくは密着し
て、吸気空気Aの流路が狭まることによる、ろ過速度の
不均一化が回避できる。
【0040】次に、前述したイオン交換繊維フィルター
9bについて説明すると、それは、ポリアクリロニトリ
ル系繊維でカルボン酸基を有する陽イオン交換繊維(繊
維径13μ)25wt%、ビニロン系繊維で4級アンモニウム
基を有する陰イオン交換繊維(繊維径30μ)25wt%、イ
オン交換繊維以外の他の繊維としてのガラス繊維(繊維
径1μ)43wt%、および熱接着性繊維状バインダーとし
ての熱可塑性バインダー繊維(繊維径10μ)7wt%を用
いて湿式の合成繊維紙の製法に準じて製造されるもので
ある。
9bについて説明すると、それは、ポリアクリロニトリ
ル系繊維でカルボン酸基を有する陽イオン交換繊維(繊
維径13μ)25wt%、ビニロン系繊維で4級アンモニウム
基を有する陰イオン交換繊維(繊維径30μ)25wt%、イ
オン交換繊維以外の他の繊維としてのガラス繊維(繊維
径1μ)43wt%、および熱接着性繊維状バインダーとし
ての熱可塑性バインダー繊維(繊維径10μ)7wt%を用
いて湿式の合成繊維紙の製法に準じて製造されるもので
ある。
【0041】具体的な製造方法は、図示しないが、適当
な長さに調整された上記の各イオン交換繊維、ガラス繊
維および熱可塑性バインダー繊維を水中に分散し、網状
体を使って均一な厚さにろ過、捕集、乾燥するという混
抄の工程を経て紙状体を得た後、その紙状体を熱処理す
ることにより、上記熱接着性繊維状バインダーを各イオ
ン交換繊維間を繋ぐように部分的に接着させて所定の厚
さと強度とを有するイオン交換繊維フィルター9bを得
る。
な長さに調整された上記の各イオン交換繊維、ガラス繊
維および熱可塑性バインダー繊維を水中に分散し、網状
体を使って均一な厚さにろ過、捕集、乾燥するという混
抄の工程を経て紙状体を得た後、その紙状体を熱処理す
ることにより、上記熱接着性繊維状バインダーを各イオ
ン交換繊維間を繋ぐように部分的に接着させて所定の厚
さと強度とを有するイオン交換繊維フィルター9bを得
る。
【0042】このようなイオン交換繊維フィルター9b
のろ過性能は、圧力損失 4.5mm水柱、粒径 0.3μのDO
P(ジオクチルフタレート)粒子透過率が50%以下の
中性能フィルターである。
のろ過性能は、圧力損失 4.5mm水柱、粒径 0.3μのDO
P(ジオクチルフタレート)粒子透過率が50%以下の
中性能フィルターである。
【0043】次に、ガスタービンの動作を説明すると、
まず、図2に示すように、回転中心軸5を始動モータ等
の始動手段(図示せず)により回転させ、圧縮機1のフ
ィン1aが回転して空気を吸い込む、その圧縮機1で圧
縮されて燃焼器2およびタービン部3に送出される。
まず、図2に示すように、回転中心軸5を始動モータ等
の始動手段(図示せず)により回転させ、圧縮機1のフ
ィン1aが回転して空気を吸い込む、その圧縮機1で圧
縮されて燃焼器2およびタービン部3に送出される。
【0044】一方、燃焼器2においては燃料が噴射さ
れ、点火されて燃焼し膨張して燃焼ガスGを発生する。
この燃焼ガスGがタービン部3の動翼3aを回転させな
がら通過して排気される。このとき、動翼3aの回転に
伴って回転中心軸5がさらに高回転し、圧縮機1の空気
圧縮率が高まり、燃焼器2における燃料をより燃焼でき
て回転中心軸5の回転が高まる。
れ、点火されて燃焼し膨張して燃焼ガスGを発生する。
この燃焼ガスGがタービン部3の動翼3aを回転させな
がら通過して排気される。このとき、動翼3aの回転に
伴って回転中心軸5がさらに高回転し、圧縮機1の空気
圧縮率が高まり、燃焼器2における燃料をより燃焼でき
て回転中心軸5の回転が高まる。
【0045】このように回転中心軸5の回転数が順次上
昇し所定の回転数に達して定常状態となる。このように
してガスタービンが運転され、その回転中心軸5の回転
力が外部に伝達されて、発電機等の駆動力として使用さ
れる。
昇し所定の回転数に達して定常状態となる。このように
してガスタービンが運転され、その回転中心軸5の回転
力が外部に伝達されて、発電機等の駆動力として使用さ
れる。
【0046】このようにガスタービンの運転中の空気
は、図1に示すように、空気取入口6aから吸気用ダク
ト6を通って圧縮機1に導入される際に、二段フィルタ
ー7を通って清浄化される。
は、図1に示すように、空気取入口6aから吸気用ダク
ト6を通って圧縮機1に導入される際に、二段フィルタ
ー7を通って清浄化される。
【0047】ところで、ガスタービンは、通常、沿岸に
設置された工場地帯に隣接して設けられることが多く、
空気中、特に沿岸地方や工業地帯の空気中には、ガスタ
ービンの内部を浸食したり、腐蝕したりする粉塵、海塩
粒子が高濃度に含まれているが、上記の構成では、二段
フィルター7を用いることで、上記粉塵、海塩粒子は捕
集されて除去される。
設置された工場地帯に隣接して設けられることが多く、
空気中、特に沿岸地方や工業地帯の空気中には、ガスタ
ービンの内部を浸食したり、腐蝕したりする粉塵、海塩
粒子が高濃度に含まれているが、上記の構成では、二段
フィルター7を用いることで、上記粉塵、海塩粒子は捕
集されて除去される。
【0048】その上、二段目フィルターに、図4に示す
ように、イオン交換繊維フィルター9bが陽イオン交換
繊維および陰イオン交換繊維を含む繊維集合体として使
用されているため、降雨時のように多湿環境下におい
て、空気中または捕集された海塩粒子が潮解し液化し
て、イオン交換繊維フィルター9bにおいて上記海塩粒
子が塩を高濃度に含む粘稠なミストとなっても、そのミ
ストに溶解している塩の解離している各イオンがイオン
交換繊維フィルター9bにおける各イオン交換繊維によ
り直ちに吸収される一方、上記ミストの水分は、その粘
度が減少し、あるいは容易に気化する。
ように、イオン交換繊維フィルター9bが陽イオン交換
繊維および陰イオン交換繊維を含む繊維集合体として使
用されているため、降雨時のように多湿環境下におい
て、空気中または捕集された海塩粒子が潮解し液化し
て、イオン交換繊維フィルター9bにおいて上記海塩粒
子が塩を高濃度に含む粘稠なミストとなっても、そのミ
ストに溶解している塩の解離している各イオンがイオン
交換繊維フィルター9bにおける各イオン交換繊維によ
り直ちに吸収される一方、上記ミストの水分は、その粘
度が減少し、あるいは容易に気化する。
【0049】ところで、従来は、塩を高濃度に含むミス
トは粘稠なため、そのようなミストがガスタービンの防
塵用のフィルターに付着すると、そのフィルターに目詰
まりを生じ易く、フィルター差圧の上昇を増大させてい
た。
トは粘稠なため、そのようなミストがガスタービンの防
塵用のフィルターに付着すると、そのフィルターに目詰
まりを生じ易く、フィルター差圧の上昇を増大させてい
た。
【0050】しかしながら、上記構成では、塩を含むミ
ストがフィルターに付着、または形成されても、その塩
はイオン交換繊維に吸収されるので、上記のミストの水
分は、その粘度が減少し、あるいは容易に気化すること
から、降雨時のように多湿環境下におけるフィルター差
圧の上昇が軽減され、晴天時と降雨時のように湿度の変
動によるガスタービンの吸気圧の変化を低減することが
できる。
ストがフィルターに付着、または形成されても、その塩
はイオン交換繊維に吸収されるので、上記のミストの水
分は、その粘度が減少し、あるいは容易に気化すること
から、降雨時のように多湿環境下におけるフィルター差
圧の上昇が軽減され、晴天時と降雨時のように湿度の変
動によるガスタービンの吸気圧の変化を低減することが
できる。
【0051】そこで、上記のイオン交換繊維フィルター
9bを、図5に示すように、パッケージ9aに充填して
試験機10に設置し、前記の海塩粒子が外気中に多く含
まれている環境で、外気Aを数十日間連続的に上記パッ
ケージ9aに流し続け、晴天時のような乾燥環境と降雨
時のような多湿環境とにおけるパッケージ9aのフィル
ター差圧の変化を経時的に調べた。また、図示しないが
比較のために、従来のフィルターを上記と同様の試験機
に設置してフィルター差圧の変化を同様にして調べた。
9bを、図5に示すように、パッケージ9aに充填して
試験機10に設置し、前記の海塩粒子が外気中に多く含
まれている環境で、外気Aを数十日間連続的に上記パッ
ケージ9aに流し続け、晴天時のような乾燥環境と降雨
時のような多湿環境とにおけるパッケージ9aのフィル
ター差圧の変化を経時的に調べた。また、図示しないが
比較のために、従来のフィルターを上記と同様の試験機
に設置してフィルター差圧の変化を同様にして調べた。
【0052】試験機10には、空気の流れるダクト11
が設けられ、そのダクト11の中央部に、その流れる空
気をろ過できるようにイオン交換繊維フィルター(図示
せず)を備えたパッケージ9aを取り付け、さらに、ダ
クト11の上流側開口部中央に下流方向に向かって加湿
用スチームSを送出するノズル12と、そのノズル12
とパッケージ9aとの間に湿度センサ13が設置され、
その湿度センサ13からの信号に基づいて湿度を検出す
る湿度計14が配設されている。
が設けられ、そのダクト11の中央部に、その流れる空
気をろ過できるようにイオン交換繊維フィルター(図示
せず)を備えたパッケージ9aを取り付け、さらに、ダ
クト11の上流側開口部中央に下流方向に向かって加湿
用スチームSを送出するノズル12と、そのノズル12
とパッケージ9aとの間に湿度センサ13が設置され、
その湿度センサ13からの信号に基づいて湿度を検出す
る湿度計14が配設されている。
【0053】また、上記試験機10には、パッケージ9
aの上流下流の両側近傍に空気圧を測定する圧力センサ
15・15がそれぞれ設置され、それら圧力センサ15
・15からの信号に基づいてパッケージ9aの上流側と
下流側との圧力差を検出する差圧計16が設けられてお
り、また、ダクト11の下流側からダクト11内の空気
を吸引する吸引ブロワ17が配設されている。
aの上流下流の両側近傍に空気圧を測定する圧力センサ
15・15がそれぞれ設置され、それら圧力センサ15
・15からの信号に基づいてパッケージ9aの上流側と
下流側との圧力差を検出する差圧計16が設けられてお
り、また、ダクト11の下流側からダクト11内の空気
を吸引する吸引ブロワ17が配設されている。
【0054】次に、上記試験機10を用いた試験方法に
ついて説明すると、まず、試験機10を沿岸に設置され
た化学工場に隣接する実験地に設置し、そのような環境
下の外気Aを数十日間連続的に吸引して、パッケージ9
aに56m3/min程度で外気Aを流し続けた。
ついて説明すると、まず、試験機10を沿岸に設置され
た化学工場に隣接する実験地に設置し、そのような環境
下の外気Aを数十日間連続的に吸引して、パッケージ9
aに56m3/min程度で外気Aを流し続けた。
【0055】このとき、試験における湿度条件をできる
だけ一定にするために、2日目および39日目の晴天時
(相対湿度約40%)にノズル12から加湿用スチームS
をダクト11内に所定時間(約 170〜190min)送出し、
外気Aを加湿した後、加湿用スチームSの送出を停止し
た。このとき、吸入される外気Aは相対湿度約90%に達
していた。
だけ一定にするために、2日目および39日目の晴天時
(相対湿度約40%)にノズル12から加湿用スチームS
をダクト11内に所定時間(約 170〜190min)送出し、
外気Aを加湿した後、加湿用スチームSの送出を停止し
た。このとき、吸入される外気Aは相対湿度約90%に達
していた。
【0056】そして、加湿用スチームSを送出した期間
と、その前後の期間とを通して、パッケージ9aに流れ
る外気Aの相対湿度を湿度センサ13でモニターしなが
ら、パッケージ9aの上流側と下流側との圧力差である
フィルター差圧を各圧力センサ15・15および差圧計
16を用いて測定した。2日目の実験結果を図6に、39
日目の実験結果を図7に示した。
と、その前後の期間とを通して、パッケージ9aに流れ
る外気Aの相対湿度を湿度センサ13でモニターしなが
ら、パッケージ9aの上流側と下流側との圧力差である
フィルター差圧を各圧力センサ15・15および差圧計
16を用いて測定した。2日目の実験結果を図6に、39
日目の実験結果を図7に示した。
【0057】ただし、上記各図中においては、外気A中
の湿度変化を白丸付実線H、パッケージ9aを用いた際
の差圧比(P/P0 )の変化を白丸付破線R、従来のフ
ィルターを用いた際の差圧比(P/P0 )の変化を黒丸
付実線Dで表し、試験開始時における乾燥環境下におけ
るフィルター差圧をP0 とし、試験開始後において経時
的に測定した各フィルター差圧PをP0 で割って、各測
定点でのフィルター差圧の変化率である差圧比(P/P
0 )を求めた。
の湿度変化を白丸付実線H、パッケージ9aを用いた際
の差圧比(P/P0 )の変化を白丸付破線R、従来のフ
ィルターを用いた際の差圧比(P/P0 )の変化を黒丸
付実線Dで表し、試験開始時における乾燥環境下におけ
るフィルター差圧をP0 とし、試験開始後において経時
的に測定した各フィルター差圧PをP0 で割って、各測
定点でのフィルター差圧の変化率である差圧比(P/P
0 )を求めた。
【0058】図から明らかなように、上記の構成におけ
るパッケージ9aは、降雨時のような多湿環境において
従来よりフィルター差圧の上昇が、2日目においても39
日目においても大幅に少なく、湿度の変化によるフィル
ター差圧の変化幅を小さくできることが示された。
るパッケージ9aは、降雨時のような多湿環境において
従来よりフィルター差圧の上昇が、2日目においても39
日目においても大幅に少なく、湿度の変化によるフィル
ター差圧の変化幅を小さくできることが示された。
【0059】このようにパッケージ9aを備えたガスタ
ービンでは、晴天時と降雨時のように湿度の変動による
ガスタービンの吸気圧の変化が従来より低減されること
により、降雨時のように多湿時におけるフィルターの差
圧増加が軽減され、ガスタービンの有効出力の低下が改
善される。
ービンでは、晴天時と降雨時のように湿度の変動による
ガスタービンの吸気圧の変化が従来より低減されること
により、降雨時のように多湿時におけるフィルターの差
圧増加が軽減され、ガスタービンの有効出力の低下が改
善される。
【0060】ところで、例えば沿岸地帯のように海塩粒
子が空気中に多く浮遊している地帯において、従来は晴
天時と降雨時のように湿度の変動によってガスタービン
の吸気圧が海塩粒子により大きく変化していた。そこ
で、その変化に対応して、ガスタービン出力を安定化さ
せるために、ガスタービンの燃焼器やタービン部などの
性能をオーバースペックに設けて、燃焼条件等の制御範
囲を幅広く設定できるようにしており、よって、ガスタ
ービンの利用効率を低く設定、すなわち、ガスタービン
の定格出力を許容最大出力に対して低く設定する場合が
あった。
子が空気中に多く浮遊している地帯において、従来は晴
天時と降雨時のように湿度の変動によってガスタービン
の吸気圧が海塩粒子により大きく変化していた。そこ
で、その変化に対応して、ガスタービン出力を安定化さ
せるために、ガスタービンの燃焼器やタービン部などの
性能をオーバースペックに設けて、燃焼条件等の制御範
囲を幅広く設定できるようにしており、よって、ガスタ
ービンの利用効率を低く設定、すなわち、ガスタービン
の定格出力を許容最大出力に対して低く設定する場合が
あった。
【0061】しかしながら、上記具体例の構成では、海
塩粒子が空気中に多く浮遊している地帯に設置されて
も、その湿度の変動によるガスタービンの吸気圧の変化
が従来より低減されることにより、ガスタービン出力の
安定化のための燃焼条件等の制御範囲の設定を従来より
限定できる。
塩粒子が空気中に多く浮遊している地帯に設置されて
も、その湿度の変動によるガスタービンの吸気圧の変化
が従来より低減されることにより、ガスタービン出力の
安定化のための燃焼条件等の制御範囲の設定を従来より
限定できる。
【0062】これにより、従来におけるガスタービンの
燃焼器やタービン部などの性能のオーバースペックを小
さくできることから、ガスタービンの利用効率を向上さ
せることができて、安定な出力範囲を広げることが可能
となり、ガスタービンの定格出力を高く設定できる。な
お、ガスタービンの定格出力を従来と同様に設定すれ
ば、ガスタービンの小型化を図ることもできる。
燃焼器やタービン部などの性能のオーバースペックを小
さくできることから、ガスタービンの利用効率を向上さ
せることができて、安定な出力範囲を広げることが可能
となり、ガスタービンの定格出力を高く設定できる。な
お、ガスタービンの定格出力を従来と同様に設定すれ
ば、ガスタービンの小型化を図ることもできる。
【0063】これらの結果、上記構成は、海塩粒子に起
因する塩害を極めて有効に防止できるので、海塩粒子が
空気中に存在する沿岸地方、船舶または海上基地、ある
いは工場密集地帯において好適に使用され、その上、都
市部などにおける熱供給発電システム、その他各種の動
力源として広く用いられる。
因する塩害を極めて有効に防止できるので、海塩粒子が
空気中に存在する沿岸地方、船舶または海上基地、ある
いは工場密集地帯において好適に使用され、その上、都
市部などにおける熱供給発電システム、その他各種の動
力源として広く用いられる。
【0064】
【発明の効果】請求項1、2、3および4記載のガスタ
ービンは、以上のように、防塵用のフィルターが吸気経
路中に介設されているガスタービンにおいて、上記フィ
ルターが、イオン交換繊維を含む繊維集合体をろ過材と
して備える構成である。
ービンは、以上のように、防塵用のフィルターが吸気経
路中に介設されているガスタービンにおいて、上記フィ
ルターが、イオン交換繊維を含む繊維集合体をろ過材と
して備える構成である。
【0065】それゆえ、上記構成は、降雨時のような多
湿環境において、イオン交換繊維を備えることにより、
従来と同様に海塩粒子がフィルターの下流側に拡散する
ことが防止される。
湿環境において、イオン交換繊維を備えることにより、
従来と同様に海塩粒子がフィルターの下流側に拡散する
ことが防止される。
【0066】また、従来は、塩を高濃度に含む粘稠なミ
ストがフィルターの表面に生じると、そのようなミスト
が集合して水滴となってフィルター表面に停まるため
に、多湿時などにはフィルター差圧の大きな上昇を生じ
ていた。
ストがフィルターの表面に生じると、そのようなミスト
が集合して水滴となってフィルター表面に停まるため
に、多湿時などにはフィルター差圧の大きな上昇を生じ
ていた。
【0067】したがって、従来は、多湿環境下でのフィ
ルター差圧の上昇が大きく、湿度の変動によるガスター
ビンの吸気圧の変化が大きいことから、ガスタービンの
有効出力が低下し、また、場合により、その変化に対応
してガスタービン出力を安定化するために、ガスタービ
ンの燃焼器やタービン部などをオーバースペックに設け
ていた。
ルター差圧の上昇が大きく、湿度の変動によるガスター
ビンの吸気圧の変化が大きいことから、ガスタービンの
有効出力が低下し、また、場合により、その変化に対応
してガスタービン出力を安定化するために、ガスタービ
ンの燃焼器やタービン部などをオーバースペックに設け
ていた。
【0068】しかしながら、上記構成では、上記のよう
な粘稠なミストは、その塩がイオン交換繊維に吸収さ
れ、また水分は気化あるいはその粘度が減少することか
ら、従来のような湿度の変動によるフィルター差圧の上
昇が低減される。
な粘稠なミストは、その塩がイオン交換繊維に吸収さ
れ、また水分は気化あるいはその粘度が減少することか
ら、従来のような湿度の変動によるフィルター差圧の上
昇が低減される。
【0069】これにより、ガスタービンの吸気圧の変化
を従来より低減できることにより、ガスタービンの有効
出力の低下を改善でき、また、ガスタービン出力の安定
化のための燃焼条件等の制御範囲の設定を従来より限定
できて、従来必要であったガスタービンの燃焼器やター
ビン部等のオーバースペックを低減することが可能とな
る。
を従来より低減できることにより、ガスタービンの有効
出力の低下を改善でき、また、ガスタービン出力の安定
化のための燃焼条件等の制御範囲の設定を従来より限定
できて、従来必要であったガスタービンの燃焼器やター
ビン部等のオーバースペックを低減することが可能とな
る。
【0070】この結果、上記各構成は、従来と同様に海
塩粒子による塩害を防止できると共にガスタービンの利
用効率を向上させることができるという効果を奏する。
塩粒子による塩害を防止できると共にガスタービンの利
用効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図1】本発明のガスタービンの正面図である。
【図2】上記ガスタービンの要部断面図である。
【図3】上記ガスタービンの2段フィルターの概略構成
図である。
図である。
【図4】上記2段フィルターのイオン交換繊維フィルタ
ーの要部斜視図である。
ーの要部斜視図である。
【図5】上記イオン交換繊維フィルターの試験用の試験
機の概略構成図である。
機の概略構成図である。
【図6】上記試験機による2日目における湿度変化に対
するフィルター差圧の変化を示すグラフである。
するフィルター差圧の変化を示すグラフである。
【図7】上記試験機による39日目における湿度変化に対
するフィルター差圧の変化を示すグラフである。
するフィルター差圧の変化を示すグラフである。
【図8】従来のガスタービンに使用されるフィルターの
一例の要部斜視図である。
一例の要部斜視図である。
6 吸気用ダクト(吸気経路) 7 2段フィルター 9 イオン交換繊維フィルター(繊維集合体)
Claims (4)
- 【請求項1】防塵用のフィルターが吸気経路中に介設さ
れているガスタービンにおいて、 上記フィルターが、イオン交換繊維を含む繊維集合体を
ろ過材として備えることを特徴とするガスタービン。 - 【請求項2】上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交
換繊維、陰イオン交換繊維を含むものであることを特徴
とする請求項1記載のガスタービン。 - 【請求項3】上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交
換繊維、陰イオン交換繊維およびイオン交換繊維以外の
ろ過材用繊維を混抄してなる紙状物であることを特徴と
する請求項1記載のガスタービン。 - 【請求項4】上記繊維集合体が、少なくとも陽イオン交
換繊維、陰イオン交換繊維およびガラス繊維を混抄して
なる紙状物であることを特徴とする請求項1記載のガス
タービン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3265716A JPH05106464A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | ガスタービン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3265716A JPH05106464A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | ガスタービン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05106464A true JPH05106464A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17421022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3265716A Pending JPH05106464A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | ガスタービン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05106464A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004508168A (ja) * | 2000-09-05 | 2004-03-18 | ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド | ガスタービン・システム向けの空気の濾過方法 |
JP2007046588A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Shinwa Corp | ガスタービン用吸気装置 |
JP2007211785A (ja) * | 2007-04-19 | 2007-08-23 | Nippon Muki Co Ltd | ガスタービン吸気用フィルタユニット |
JP2008184982A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ガスタービン流入口構造 |
JP2015188875A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | フィルタ監視装置、吸気ダクト及び圧縮空気供給装置 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP3265716A patent/JPH05106464A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004508168A (ja) * | 2000-09-05 | 2004-03-18 | ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド | ガスタービン・システム向けの空気の濾過方法 |
JP2007046588A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Shinwa Corp | ガスタービン用吸気装置 |
JP2008184982A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ガスタービン流入口構造 |
JP2007211785A (ja) * | 2007-04-19 | 2007-08-23 | Nippon Muki Co Ltd | ガスタービン吸気用フィルタユニット |
JP4555317B2 (ja) * | 2007-04-19 | 2010-09-29 | 日本無機株式会社 | ガスタービン吸気用フィルタユニット |
JP2015188875A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | フィルタ監視装置、吸気ダクト及び圧縮空気供給装置 |
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