JPH047603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、分電盤に関し、とくに銅バーなどか
らなる母線と配線用しや断器との間にプラグイン
端子を介在させることにより配線用しや断器の無
停電着脱を可能にしてなるプラグイン端子付分電
盤に関する。

従来の技術 一般に、電気機器はその定格容量や負荷容量等
に適した配線用しや断器を介して電源に接続され
るので、そのための配線用しや断器を集中管理す
る分電盤が普及している。各種の屋内設備、特に
工場・研究所等で使われる機器には変更や増減が
多いので、分電盤に予備の配線用しや断器が設け
られている。機器に変更があつた場合に予備の配
線用しや断器の容量及び個数が十分であれば直ち
に電源に接続することができるが、容量又は個数
が不足しているときには停電して配線用しや断器
を交換又は増設する必要がある。

最近の負荷側機器には電子計算機その他の停電
を避けなければならない機器が増えているので、
予備配線用しや断器の容量・個数の選定が困難な
場合には、安全側をとつて過剰設備とする傾向が
認められ設備コスト増が生じている。又現実には
予備配線用しや断器を予め設ける等の配慮にも拘
らず、停電を伴う増設工事をやむを得ず行わなけ
ればならない場合もまま生じているのが実状であ
る。

取付け・取外しを無停電で行うために、第３図
に示される様なプラグイン形の配線用しや断器４
が提案されている。この形の配線用しや断器４は
その結合片６を着脱自在に分電盤の母線３へ弾性
的に結合するものであるが、特殊品であるためコ
スト高となるだけでなく、同図から明らかな様に
しや断器４が母線３のかなりの部分を覆うため分
電盤スペースの利用効率が悪く分電盤を大形化す
る欠点がある。

考案が解決しようとする問題点 従つて、本考案が解決しようとする問題点は、
分電盤スペースの有効利用と配線用しや断器の無
停電着脱との同時達成にある。

問題点を解決するための手段 第１図及び第２図を参照するに、本考案による
プラグイン端子付分電盤１においては、母線３を
電源端子に接続され且つ取付台１ｂに固定された
ｎ（ｎは２以上の自然数）本の導体バーによつて
ｎ相１回線母線として構成する。母線３の対応導
体バーへそれぞれ着脱自在に弾性的に結合される
ｎ個の結合片６を絶縁材料製プラグイン端子５に
設け、さらにその結合片６へ電気的に接続され且
つ外部回路へ着脱自在のｎ相複数回路の接続子８
をプラグイン端子５に取付ける。分電盤１のプラ
グイン端子５の各接続子８には、適当なリード線
９により所要の配線用しや断器２を着脱自在に接
続する。

作 用 第１図及び第２図を参照するに、既設の本考案
によるプラグイン端子付分電盤１へ新たに配線用
しや断器２を増設するには、単に電圧のある母線
３へプラグイン端子５を結合片６により弾性的に
着脱自在に嵌合させる前、即ちプラグインさせる
前にそのプラグイン端子５に配線用しや断器２を
接続しておけばよい。従つて、停電を必要としな
い。増設に対するスペースが必要であるが、これ
は従来の分電盤において予備配線用しや断器が設
けられていたスペースを予備スペース１０として
空けておけばよいので従来技術に比して不都合は
なく却つて経済的である。

また、プラグイン端子５には２個以上の配線用
しや断器２に対する接続子８の組を設けるので、
第３図と第４図との比較から明らかな様に本考案
によれば分電盤のスペース利用効率が改善され
る。

よつて、分電盤スペースの有効利用と配線用し
や断器の無停電着脱とを同時に実現しようとする
目的が達成される。

実施例 第１図及び第２図に示される本考案の好ましい
実施例においては、箱体１ａに絶縁物を介して銅
バーからなる母線３を取付け、感電防止のため及
び配線用しや断器２の取付のために、取付台１ｂ
を設ける。母線３は導体バーであれば足りその材
料は銅に限定されない。安全のため、各母線の両
側に絶縁隔壁１２を設ける。母線３の一端は、外
部電源に対する端子台３１の電源端子３２へ例え
ばジヤンパー線３３により接続され、電源電圧の
供給を受ける。プラグイン端子５の結合片６は、
例えば銅等の弾性を有する導電材料製でありプラ
グイン端子５へ一体的に固定される。母線３を第
２Ａ図に示される様に弾性を有する差込口をもつ
た構造のものとするならば、結合片６はバー状の
ものとしてもよい。結合片６の取付位置及び形状
を適当に選定し、結合片６を介してプラグイン端
子５を母線３へ着脱自在に結合すると同時に電気
的にも接続する。

図示例のプラグイン端子５は、リード線７によ
り結合片６に接続された２組の接続子８を有し、
１個のプラグイン端子５に対して２台の配線用し
や断器２を接続することができる。しかし、各プ
ラグイン端子５における接続子８の数は２組に限
定されるものではない。また、第１図及び第３図
に点線で示される予備スペース１０の大きさは必
要に応じ適当に選定しればよい。配線用しや断器
２接続用のリード線９はコネクタその他の接続手
段に置替えてもよい。

また取付台１ｂには、多種類の配線用しや断器
を任意に取付けられる様な穴１１を予めあけてお
く。穴１１は取付台に構造的に許される限り多く
あけてよく、たとえば、取付台１ｂをエキスパン
ドメタル（金網状）として多数の穴１１を設けて
もよい。

考案の効果 以上説明した如く、本考案によるプラグイン端
子付分電盤１は、プラグイン端子５を用いるので
次の効果を奏する。

(イ) 分電盤スペースの有効利用と配線用しや断器
の無停電着脱とを同時に達成することができ
る。

(ロ) 標準形の配線用しや断器を使用するので経済
的である。

(ハ) 分電盤の小型化を可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるプラグイン端子付分電盤
の図式的説明図、第２図はその断面図、第２Ａ図
は母線構造の説明図、第３図は従来技術の説明
図、第４図本考案の効果の説明図である。 １……分電盤、１ａ……箱体、１ｂ……取付
台、２……配線用しや断器、３……母線、４……
プラグイン形配線用しや断器、５……プラグイン
端子、６……結合片、７，９……リード線、８…
…接続子、１０……予備スペース、１１……配線
用しや断器取付穴、１２……絶縁隔壁、３１……
端子台、３２……電源端子、３３……ジヤンパ
線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源端子に接続され且つ取付台に固定されたｎ
   （ｎは２以上の自然数）本の導体バーからなるｎ
   相１回線の母線、前記母線の対応導体バーへそれ
   ぞれ着脱自在に弾性的に結合されるｎ個の結合片
   と該結合片へ電気的に接続され且つ外部回路へ着
   脱自在のｎ相複数回路の接続子とを有する絶縁材
   料製プラグイン端子、及びそれぞれ前記接続子の
   対応ｎ相回路接続子に着脱自在に接続された配線
   用しや断器を備えてなるプラグイン端子付分電
   盤。