JPH047102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成樹脂のシート材を素材として、
容器の本体側と蓋体側とが両者の一側縁部分にお
いて一体連続的に形成され、この連続部に折曲げ
部が形成され、この折曲げ部を介して蓋体が本体
上に折曲げ重合され、両者が封緘されるように形
成された容器に関するものである。

従来この種容器にあつては、本体と蓋体との接
合縁をホツチキス止めするとか溶着するという封
緘手段がとられていた。このため該封緘部を開緘
するに当つて、開緘そのものが困難であることの
みならず、開緘時の衝撃で時として内容物を落下
させたり、壊したりするという不測の事故を起す
ことがあつた。かかる欠点を根底から解決する手
段として、本考案者は、既に公開されている特開
昭57−77440号公報及び特開昭57−77441号公報等
にみられるように、容器の本体と蓋体との連続部
に複数条のミシン目状の切込み線を入れてこのミ
シン目状切込み線の間を引き裂くことによつて容
器を開放するようにしたものや上記連続部に糸状
物を介装し、この糸を引張ることによつて当該糸
状物の介装部分を切断して容器を開放するように
したものを開発し提案した。その後、本考案者が
これらの出願品を製品化し発表したことによつ
て、これらの技術思想を基本思想とする出願が各
社よりなされ、出願公開されるに至つている。

しかしながら、本考案者の出願した上記の両出
願をはじめその後に出願された各社の出願も全
て、開封のための加工を容器に施し、容器の封緘
手段は旧来通り、ホツチキス止めや溶着機による
溶着などの手段を用いて封緘するように形成され
ているものであり、開封に当つては封緘部とは異
なる部分を切断するという技術思想に基くもので
ある。

本考案の目的は、かかる開封のための加工を容
器に施すという技術的加工手段を全く必要とする
ことなく、しかも、開封に当つてはこれら開封用
の加工を施した容器の場合とほぼ同様に、極めて
容易に容器の開封を行なうことができるという全
く新しい技術的思想に基く封緘容器を提供するこ
とにある。

本考案は、合成樹脂製シート素材を用いて容器
本体と蓋体とがその一側において連続一体的に成
形され、該連続部分に折曲げ部が形成されている
樹脂シート材製容器を対象物とし、容器本体と蓋
体との接合縁を上糸と下糸とによつて仮縫い縫着
し、上糸又は下糸の一方を引き抜くことによつ
て、容器の被封緘接合縁を、前記折曲げ部を支点
として開放できるように封緘したものであり、特
に引抜き用の上糸もしくは下糸を相手側の糸より
も太くし、それによつて該引抜き用の糸に略々直
線状の姿勢を賦与して引抜き易くすると同時に、
該引抜きの際の張力にも十分耐えられるようにし
た点に特徴がある。

本考案は、かかる構成としたものであるから、
容器そのものは何等開封用の加工が施されていな
い容器を使用することができ、容器そのものに開
封のための加工を施す必要が全くないため、容器
そのものは安価なものを用いることができる利点
があり、しかも、封緘作業は従来におけるホツチ
キス止めや溶着による封緘作業を全く必要とせ
ず、これらの封緘手段に代えて上糸と下糸とによ
り仮縫い縫着するものであるから、封緘作業も容
易であつて、自動化ができるため、従来の封緘手
段と比し作業性能が劣るようなこともない。更に
本考案にあつては、この封緘部そのものを構成す
る、上糸又は下糸のうちの一方を単に引つ張るだ
けでワンタツチ手段で容器を封緘部から開放する
ことができるものであつて、開封専用の加工を施
したものと同様に容器の開封が極めて容易に出来
るのみならず、封緘加工部分そのものを開封する
ものであるから、上記の開封専用の加工を施した
ものの如く、容器を完全に破壊するということが
ないので、開封後の容器を回収し、再使用するこ
とが可能であるという、旧来従来のものでは全く
不可能であつた効果をも期待することができるも
のである。

以下本考案の実施例について説明する。

第１図に示すように、合成樹脂製シート素材を
用いて容器の本体１と蓋体２とがその一側におい
て連続一体的に成形され、該連続部分に折曲げ部
３が形成されている樹脂シート材製容器を形成
し、該容器の本体１内に内容物を収容させたの
ち、第２図のように、蓋体２を前記折曲げ部３か
ら折曲げて本体１上に重合させ、折曲げ部３と対
向する接合縁４，５を、第３図に示すように、太
目の上糸７と細目の下糸８とを用い、上糸７が蓋
体２の接合縁５上でほぼ直線状に配糸され、下糸
８が下方から本体１の接合縁４及び蓋体２の接合
縁５を貫通し、上糸７を絡めて降下し、一目分進
んで次に同様に上糸７を絡めるという形で、仮縫
いを縫着６して封緘させたものである。

このように仮縫い縫着された容器を開封すると
きは、上糸７をその長手方向に引つ張ると容易に
引つ張り方向に引き抜くことができる。上糸７を
引き抜くと、蓋体２の接合縁５上には下糸８のル
ープ部分が突出しているだけであるから、蓋体２
はそのまま自由に開放することができる。

また、上糸７の姿勢は第５図に示したように蓋
体２の接合縁５上で略々直線に近い波状姿勢とな
つていてもよいことは言うまでもない。

また、必ずしも引き抜き用糸が上糸である必要
はなく、下糸がほぼ直線状姿勢になされていて、
この下糸を引き抜くようになされていてもよい。

要するに、上下両糸のうち、一方の糸がその長
手方向に容易に引き抜くことができるように仮縫
い縫着されていればよいものである。

また、本考案にいう容器は、第４図に部分図で
示したように鶏卵用の包装容器であつてもよく、
その他の内容物を包装する容器であつてもよい。

而して、糸の材質は、上記の如き縫着が可能な
ものであればよく、通常紐又はテープと呼ばれる
概念に属するものを用いてもよい。

また、上下の糸は、別色とし、引き抜き用糸が
色により識別し易くしておくと便利であり、殊に
鶏卵用の包装容器の場合は、農林規格の色別表示
マークと同系の色糸、具体的にはLLが赤、Ｌが
橙、Ｍが緑、MSが青といつた色糸を用いておく
と購買者における識別の助けともなる。

更に、仮縫い縫着する接合縁は、折曲げ部３と
対向する一側縁のみならず、これと連なる三方の
接合縁４，４′，４′，５，５′，５′を縫着したも
のであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は縫着前の容器の斜視図、第２図は縫着
姿勢を示す容器の側面図、第３図は第２図におけ
る容器の部分拡大正面図、第４図は別実施例を示
す部分斜視図、第５図は更に別実施例を示す部分
正面図である。 １……容器本体、２……蓋体、３……折曲げ
部、６……縫着部、７……上糸、８……下糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製シート素材を用いて容器本体１と蓋
   体２とがその一側において連続一体的に成形さ
   れ、該連続部分に折曲げ部３が形成されていて、
   該折曲げ部３に対向する前記本体１と蓋体２との
   間の接合縁が縫着により封緘されているものにお
   いて、該縫着のための上糸７と下糸８のうち、
   略々直線状をなす引抜き用糸としての上糸７もし
   くは下糸８が他の糸８もしくは７よりも太いこと
   を特徴とする合成樹脂製シート材製包装容器。