JPH0453311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軽量で不使用時における車両のルーフ
外観を改善するようにした自動車用ルーフキヤリ
アに関する。

（従来の技術） 従来のこの種キヤリアのなかには、例えば実開
昭59−43244号公報に示すように、ルーフパネル
の両端に一対の支持金具を前後位置に立設し、こ
れら支持金具の間に一対のパイプフレームを架設
し、このパイプフレームの間に複数の支持パイプ
を連結してルーフパネル上に堅牢な荷台を架設す
るようにしていたものがある。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、この従来のルーフキヤリアは堅牢に構
成することで大嵩重量物を載置できる反面、キヤ
リア自体の大型重量化を助長し、しかもその不使
用時にはルーフ上の体裁が著るしく損なわれると
いう問題があつた。

本考案はこのような問題を解決し、小型軽量化
と不使用時におけるルーフ外観の向上を図るとと
もに、キヤリア上に載置した荷物を安全に運搬
し、しかも荷物による走行抵抗を軽減できるよう
にした自動車用ルーフキヤリアを提供することを
目的とする。

（問題点を解決するための手段） このため、本考案の自動車用ルーフキヤリア
は、ルーフパネルに設けた係合突起と係合する取
付金具に連結可能な連結金具を備え、該連結金具
を介して給気可能な気密で扁平な袋状のエアーシ
ートをルーフパネル上に設置し、該エアーシート
上に荷物を収容するようにした自動車用ルーフキ
ヤリアにおいて、エアーシートの中央に給気不能
なシート状の連結部を設けるとともに、エアーシ
ート表面の両端部に自動車の前後方向に沿つて蛇
腹状の伸縮部を設け、この種キヤリアの小型軽量
化と不使用時におけるルーフの体裁を改善すると
ともに、キヤリア上に載置した荷物を安全に運搬
し、しかも荷物による走行抵抗を軽減できるよう
にしたことを特徴としている。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面により説明する
と、第１図乃至第７図において１は自動車のルー
フパネルで、その両側には例えば雨樋等の略コ字
形断面をした係合突起２が突設され、該突起２に
略コ字形断面の取付金具３が掛止されていて、こ
の金具３にエアーシート４と一体の連結金具５が
ネジ止めされている。

エアーシート４はルーフパネル１と略同形の矩
形に形成され、これは気密で軽量柔軟な例えばレ
ザーや合成樹脂シートを重合し、適宜なスリツプ
止め手段を施した表裏面シート６，７の周縁を縫
着または溶着することで袋状に構成されている。
エアーシート４の中央には、表裏面シート６，７
を縫着または溶着して一体化した連結部８が設け
られ、該連結部８の両側に連結部８より幅広の給
気室９，９が設けられている。上記連結部８の長
さ方向の両側には、上記給気室９，９に連通する
通気路１０，１０が設けられ、該通路１０，１０
を介し給気室９，９内を給気可能にしている。

給気室９，９を形成する表面シート６，６の端
部一帯には、該シート６，６を蛇腹状に屈曲形成
した伸縮部１１，１１が設けられ、該伸縮部１
１，１１の伸縮変位を介し、給気室９，９の容積
を膨張および収縮可能にしている。すなわち、エ
アーシート４は常時は給気室９，９が脱気され、
上記伸縮部１１，１１が収縮することで扁平なシ
ート状をなし一方、給気室９，９内に空気等が充
填される使用時には、上記伸縮部１１，１１がそ
の幅方向に伸長することで、給気室９，９の容積
膨張を可能にしている。

上記給気室９，９の幅方向の閉塞端には、細長
の前記連結金具５，５が鋲着され、その端部には
複数の挿通孔１２と透孔１３を形成した舌片１４
が設けられている。図中、１５は連結金具５の固
定用リベツト、１６は逆止弁を内蔵した給気管
で、一端が一方の給気室９に連通可能にされ、そ
の他端が給気源に接続可能にされている。１７は
前記取付金具３と連結金具５の連結用ボルト・ナ
ツト、１８はエアーシート４上に収容された荷
物、１９は前記舌片１４の透孔１３間に掛け渡さ
れた荷物固定用のロープである。

（作用） このように構成したルーフキヤリアに係るエア
ーシート４は伸縮部１１，１１を付設した給気室
９，９と通気路１０，１０および連結部８を備え
たシート状体の両端に、挿通孔１２と舌片１４を
形成した連結金具５，５を固定して構成され、常
時は給気室９，９が脱気されてシート４全体が扁
平を呈し、かつその材質が軽量柔軟であることか
ら、例えばこれを折り畳む等することで、従来の
この種キヤリアのような堅牢なものに比べ取り扱
いが容易になり、保管等が頗る至便となる。

次にこのようなエアーシート４をルーフパネル
１上に取付ける場合は、上記シート４を展張し、
これを上記パネル１上に収容して、連結金具５，
５が上記パネル１の左右に位置するように位置付
け、かつその先端を係合突起２の屈曲部内に挿入
する。そして、上記金具５，５の挿通孔１２に対
応する係合突起２の所定位置に取付金具３を掛け
止め、その上片に形成した通孔位置を上記挿通孔
１２に合致させ、これらの孔にボルト１７を挿入
し、かつこれをナツトで緊締することで、エアー
シート４をルーフパネル１上に固定する。

このようにエアーシート４の取付けに際しては
取付金具３とボルト・ナツト１７を要するだけで
容易に行なえるから、従来のこの種キヤリアのよ
うな大型重量のものに比べて、これを容易かつ迅
速に取付けられることになる。

こうしてルーフパネル１上に固定されたエアー
シート４は、不使用時には第１図に示すように給
気室９，９と連結部１０，１０が脱気されて表面
シート６，６が弛緩し、かつ伸縮部１１，１１が
収縮状態に置かれて、上記シート６，６に適当な
張力を与えている。したがつて、表面シート６，
６が裏面シート７，７に重合し、これらが薄厚な
シート状を呈してルーフパネル１上に密着する様
相を呈するため、エアーシート４の存在が視覚的
に黙殺され、ルーフパネル１がエアーシート４装
着前と略同様な外観を呈する。それ故、従来のル
ーフキヤリアのように、その不使用時に該キヤリ
アの存在が目立つてルーフないしは車両全体の外
観が損なわれる、ということはない。

次に上記エアーシート４を使用して荷物１８を
運搬する場合は、給気管１６に図示を省略した導
管の一端を接続し、その他端を例えば自動車のマ
フラに接続して、排出ガスを上記導管を介し給気
室９内に送り込む。このようにすると給気室９に
送り込まれた排出ガスが、通気路１０，１０を介
して他方の給気室９へ流入し、排出ガスを更に送
り込むことで給気室９，９と通気路１０，１０の
容積が次第に膨張する。

上記のような給気室９，９の容積膨張は、表面
シート６に形成した伸縮部１１，１１が幅方向へ
伸長し、表面シート６，６が同方向へ伸長するこ
とで促がされ、しかもエアーシート４の周縁は縫
着または溶着されて外方への変形を断たれている
ため、上記給気室９，９と通気路１０，１０は当
初の平面形状を維持したまま、第７図に示すよう
に主としてルーフパネル１と反対側の上方へ向か
つて膨張し、それらの間に排出ガスの注入されな
い連結部８が凹状に形成される。

このような膨張状態は第６図に示すように、略
円筒状に膨張した給気室９，９がルーフパネル１
上の左右に着座し、これら給気室９，９に連らな
る通気路１０，１０がルーフパネル１上の前後に
位置し、該パネル１の中央上方に上記連結部８が
位置する。

こうしてエアーシート４が所期の状態に膨張し
たところで、排出ガスの供給を停止し、当該膨張
状態を給気管１６に内蔵した逆止弁の作用を介し
て保持させる。そして、上記膨張した給気室９，
９の上に荷物１８を載せ、これを舌片１４の透孔
１３，１３間に掛け渡したロープ１９で緊縛する
ことで固定する。なお、上記ロープ１９の代わり
に緊縛用ネツトを用いることも可能である。

このように固定された荷物１８はその運搬に当
つて、上記のように給気室９，９および通気路１
０，１０の緩衝作用によつて荷物１８に対する衝
撃が吸収され、運搬時の荷物１８の損傷を防止す
る作用をなすから、例えば生鮮野菜等の運搬に好
適なものとなる。しかも、給気室９，９や通路１
０，１０が一定の弾性を保有し、収容する荷物１
８の形状に応じて変形し得るため、定形の荷物１
８は勿論、特に複雑な形状や異形の荷物１８の運
搬に頗る便利なものとなる。

更に、前述のようにルーフパネル１の中央上方
に連結部８が位置し、上記パネル１の両側に給気
室９，９が着座して、荷物１８の重量を給気室
９，９の着座面を介しルーフパネル１の両側に作
用させ、強度が最も弱いとされるルーフパネル１
中央部への重量作用を回避させているから、良好
な荷物１８の載架状態を形成し得ることになる。

また、給気室９，９は自動車の走行振動によつ
て絶えず車幅方向へ動揺し、荷物１８がこれに同
動するが、給気室９，９は連結部８に連結され
て、同期移動を促されるから、その移動の前後に
亙つて荷物１８の支持状態が略一様に保たれ、荷
物１８の動揺を抑制する。

しかも、給気室９，９は振動によつて絶えず容
積変化するが、その変化を伸縮部１１が吸収する
から、前述と相俟つて荷物１８の動揺を抑制し、
これを安定して支持する。

したがつて、自動車の走行振動や旋回走行時に
荷崩れを起こす心配はない。

また、伸縮部１１は荷物運搬時には外側に位置
して、空気の流れを整える作用をなすから、荷物
１８による走行抵抗を軽減する。

一方、荷物１８の運搬後はロープ１９を掛け外
すことで、荷物１８を容易に収容し得、その後前
記逆止弁を開弁しエアーシート４内の排出ガスを
排出させて、給気室９，９と通気路１０，１０を
収縮させれば、当初の扁平状態を回復し得ること
になる。また、エアーシート４を撤去する場合
は、ボルト・ナツト１７を取外し取付金具３を取
り除けば容易に達成される。

（考案の効果） 本考案の自動車用ルーフキヤリアは以上のよう
に、エアーシートの中央に給気不能なシート状の
連結部を設けるとともに、エアーシート表面の両
端部に自動車の前後方向に沿つて蛇腹状の伸縮部
を設けたから、キヤリア上に収容した荷物を安全
に運搬でき、しかも荷物による走行抵抗を軽減す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図で、エ
アーシートの未使用時における状況を示す斜視
図、第２図は上記エアーシートの一例を示す平面
図、第３図は第２図のＡ−A′線に沿う断面図、
第４図は第２図のＢ−B′線に沿う断面図、第５
図は第１図のＣ−C′線に沿う断面図、第６図はエ
アーシート使用時の荷物の運搬状況を示す斜視
図、第７図は第６図のＤ−D′線に沿う要部断面
図である。 １……ルーフパネル、３……取付金具、４……
エアーシート、５……連結金具、９……給気室、
１８……荷物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネルに設けた係合突起と係合する取付
   金具に連結可能な連結金具を備え、該連結金具を
   介して給気可能な気密で扁平な袋状のエアーシー
   トをルーフパネル上に設置し、該エアーシート上
   に荷物を収容するようにした自動車用ルーフキヤ
   リアにおいて、エアーシートの中央に給気不能な
   シート状の連結部を設けるとともに、エアーシー
   ト表面の両端部に自動車の前後方向に沿つて蛇腹
   状の伸縮部を設けたことを特徴とする自動車用ル
   ーフキヤリア。