JPH044703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、建築大工作業に於いて、種々の材料
の定寸裁断加工に用いるＴ字形目盛定規付き切削
具に関する。

「従来の技術」 大工作業に於ける木材合板や、プラスチツク、
ガラスなどの建築材料を所要の寸法幅に裁断加工
する場合、従来は目盛定規で点取りし、これに長
定規を当てて刃物で切断していたが、採寸した後
刃物を当てて作業するという２作業を必要として
いることから、手間がかかる上、しばしば定規か
ら手が外れたり或いはカツターが外れたりして手
を傷つけるなどといつた危険が伴なつていた。

「考案が解決しようとする問題点」 上記のように大工作業の中で材料の板取の場
合、切裁のための寸法取りと切裁作業との二重の
手作業が必要なので手間がかかる上、作業者の熟
練度によつて正確さに欠ける場合もあり、又裁断
作業中に刃物から手が外れて怪我するなどの問題
点があつた。

本考案は、このような問題点を解決せんとする
もので、本願に於いては、板縁線を利用して多数
の水平線を正確に描ける製図用のＴ字形定規と刃
物とを組み合せ、しかもその摺動を円滑ならしめ
るとともに、寸法目盛を付して寸法採取が同時に
しかも正確に且安全に行なえる切削具を提供せん
とするものである。

「問題点を解決するための手段」 本願は上記問題点を解決するための手段を次の
ように構成したものである。

Ｔ字頭と胴板部とからなるＴ字形定規におい
て、該Ｔ字頭の接触側縁には水平振れ止めローラ
と摺動側面摩擦防止ローラとを設け、該胴板部に
は固定目盛と該固定目盛に並設して無端回動自在
とした逆算目盛帯とを設けるとともに、前記銅板
部には刃物保持具を摺動可能に設け、この刃物保
持具には刃物取付け部と、刃物保持具の摺動面案
内ローラと、刃物保持具の摺動を任意の位置で停
止出来る固定具とを設けてなるＴ字形目盛定規付
き切削具である。

尚、この際、切刃取付け部には、切刃、円形
刃、ガラス切り等の刃物を着脱自在に取り付ける
ようにしても良いし、その刃物の方向をＴ字頭の
接触側縁に平行であつても、これに直交した胴板
部の摺動側縁に平行であつても良いし、両方向に
切換え得るようにしても良い。

「作用」 本願は保持する刃物の種類を適宜替えることに
より、ガラス、石工ボード、合板、プラスチツク
板、デコラ板等材料の裁断加工ができるもので、
刃物保持具８の刃物取付け部に被裁断物の材質に
応じた刃物を選んで取付けた後、Ｔ字頭１を切裁
しようとする材料の側縁に当て、胴板部２に摺動
自在に設けた刃物保持具８を摺動して、所要幅寸
法位置に移動させ、その刃先位置を固定目盛５又
は、逆算目盛帯６によつて確認したうえ固定具を
操作して胴板部２に固定する。

それから、当該刃物を被裁断物に切り込ませ
て、刃物保持具８を胴板部２に添つて摺動させ、
胴板部２の摺動側縁に平行な切断を行なうか、或
いは、当該刃物を被裁断物に切り込ませて、Ｔ字
頭１を材料側縁沿つて摺動せしめ、刃物保持具８
の刃物が、接触側縁からの所要の寸法幅で接触側
縁に平行な方向に切載する。刃物は、刃物保持具
８によつてＴ字形目盛定規に固定しているので、
作業者は常に寸法が正確で安全、且つ容易に被裁
断物を切断することができるものである。

しかも、この場合、水平振れ止めローラ３，３
は、Ｔ字頭１の前後の振れをなくしながら円滑に
摺動するのを助けるし、摺動側面摩擦防止ローラ
４，４，４，４，は、Ｔ字頭１の摺動面の摩擦を
防いで円滑な滑動を容易にする。

また、摺動面案内ローラ７は突出量によつて刃
物保持具８の紙面上に浮上間隙を保持しながら、
紙面との摩擦を防ぎ摺動方向をも安定させる。

更に刃物保持具８を所定位置に固定する場合に
押え板２４を介するようにしても良いが、これは
刃物の種類による圧み分を押え板の出張りで寸法
を調節する。

更にまた逆算目盛帯は、必要に応じて回動移動
して零基準を他端に合わせ逆端からの寸法を同時
に知るのに役立つので、非常に便利である。

「実施例」 次に本願の実施例を図によつて説明すると、第
１図は、本考案のＴ字形目盛定規付き切削具の平
面図で、第２図は同側面図である。

図中、１はＴ字頭で、このＴ字頭１の内側の摺
動縁両端には、後述する胴板部の長手方向と同方
向の延長上に軸芯を有する水平な触れ止めローラ
３，３が設けられている。そして、この水平触れ
止めローラ３，３の接触面は、被裁断物に対する
胴板部の摺動面と同一面に形成されている。この
触れ止めローラ３，３は後述する胴板部を上下方
向に摺動する時、Ｔ字頭１の両端において被裁断
物上を摺動するので胴板部の回転の振れを防ぐと
共に、摺動時の摩擦を防いでいる。また、摺動側
面には垂直方向に数個（図では４個）の摩擦防止
ローラ４，４，４，４を設けられており、被裁断
物に対して摺動時の摩擦を防いでいる。

図中２は胴板部で、その胴板部２の上面側にＴ
字頭１との境目に零基準を持つ固定目盛５を設け
ており、更にこれに並列して両端の受金９，９に
軸設したローラ１０，１０に無端掛合した逆算目
盛帯６を設ける。該逆算目盛帯６上には前記固定
目盛５とは反対側に零基準を持つ逆目盛を表示
し、各々ローラの受金９，９近くに固定ねじ１
１，１１を有する固定枠金１２，１２をくぐらせ
て、所要の個所で固定すべくなしている。

胴板部２には一端下隅部に摺動面案内ローラ７
を軸設した刃物保持具８を摺動自在に設けるが、
これには固定用ねじ軸１３を貫通螺装して固定具
となすとともに、その下側に胴板部２の横幅に適
合する幅広溝１４を形成し、その両側に縁端部１
４ａ，１４ａを設け、押え板２４を介して胴板部
２を摺動可能に抱持せしめる。

そして更に、つまみねじ軸１５を螺装保持する
保持金具１６を固定し、これに対応する刃物保持
具８の側面に中央に凹溝１７と取付孔１８を形成
した刃物取付部１９を固定した構造とする。２
０，２１，２２は各々刃物の種類を示してある。

使用にあたつては、裁断加工しようとする材料
の材質によつて刃物の種類を切刃２０、円形刃２
１、ガラス切り２２等のいずれを選ぶ。例えば、
円形刃２１を選んだ場合は、取付孔１８を利用し
てこれに嵌入する押え軸２３とつまみねじ軸１５
で刃物取付板１９に回軸自由に取付ける。

そして、Ｔ字頭１を加工材料の側縁に当て、胴
板部２を抱持する刃物保持具８を摺動移動せしめ
て所要寸法の目盛を選び刃物の厚みによる切裁線
の位置を押え板２４の出張りを調節してその前縁
を刃物線に一致させて目盛に合わせ、この位置で
刃物保持具８を固定用ねじ軸１３で胴板部２に固
定する。

この場合所要の寸法は固定目盛５で選ぶが、必
要に応じて反対側からの距離寸法を知りたいとき
は逆算目盛帯６を回動せしめて零基準を反対側の
位置に併せるか、換算して固定ねじ１１，１１で
固定しておけば固定目盛に対応する逆算目盛数が
一見して直ちに読み取れる。尚、押え板２４は固
定用ねじ軸が目盛面を傷つけぬよう保護する役目
もする。

以上の如く切裁位置をセツトしてＴ字頭１と胴
板部２を材料の側縁に沿つて移動せしめれば水平
振れ止めローラ３，３、摺動側面摩擦防止ローラ
４，４，４，４，が滑動して摺動動作を容易にす
る。

更に摺動面案内ローラ７によつて僅か浮上間隔
を保ちながら刃物保持具８を方向安定させて滑動
し、刃物は、正確且安全に材料を裁断することに
なる。

尚、凹溝１７は切刃２０を嵌入する場合確実に
保持できるものである。

「考案の効果」 以上の如くＴ字頭の摺動縁に水平振れ止めロー
ラ、摺動側面摩擦防止ローラが設けられており、
胴板部に正逆両目盛を設け、摺動面案内ローラを
有する刃物保持具を摺動可能に固定すべくなした
ものであるから、材料側縁にＴ字形定規のＴ字頭
を当て摺動するだけで円滑に刃物保持具に保持さ
れた刃物により裁断動作をするので、正確且安全
にしかも極めて能率的に裁断作業できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の平面図、第２図は同側面図、第
３図は刃物保持具の平面図、第４図は同側面図、
第５図は円形刃の保持状態を示す側面図、第６図
Ａ，Ｂ，Ｃは各々刃物保持を示す平面図である。 １……Ｔ字頭、２……胴板部、３……水平振れ
止めローラ、４……摺動側摩擦防止ローラ、５…
…固定目盛、６……逆算目盛帯、７……摺動面案
内ローラ、８……刃物保持具、１０……ローラ、
１９……刃物取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｔ字頭と胴板部とからなるＴ字形定規におい
   て、該Ｔ字頭の接触側縁には水平振れ止めローラ
   と摺動側面摩擦防止ローラとを設け、該胴板部に
   は固定目盛と該固定目盛に並設して無端回動自在
   とした逆算目盛帯とを設けるとともに、前記銅板
   部には刃物保持具を摺動可能に設け、その刃物保
   持具には刃物取付け部と、刃物保持具の摺動面案
   内ローラと、刃物保持具の摺動の任意の位置で停
   止出来る固定具とを設けてなるＴ字形目盛定規付
   き切削具。