JPH0445668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は家庭でパンを作る製パン器の主要部で
あるねり器のヘラ機構に関するものである。

「従来の技術」 パンを作るには、その材料である小麦粉、イー
スト菌、バター、砂糖、塩等を水と共に材料容器
内で上記材料をヘラの回転によつてこねる作業を
とり、ついでこね作業が終了すると、その状態で
発酵を行う手順が製パン器に於てとられている。

かくして発酵が所要時間を経て終了すると、同
一材料容器内で同一回転ヘラをもつて、該ヘラの
回転で発酵したパン生地をその状態からかき回
し、ガス抜きが行われた後、成形発酵の手順を経
て焼きに入る作業がとられている。

「考案が解決しようとする問題点」 パン生地を材料容器内でこねた後、その状態で
同一材料容器内で所要時間発酵させ、次に同一条
件でガス抜きをするため、単なる平面状のヘラを
使用したものでは、パン生地は単にダンゴ状にな
つて振り回わされるに過ぎない。

又回転ヘラと固定棒を材料容器側壁内に突出し
て回転ヘラと固定棒との相互作用でこねる場合、
パン材料が規定より少ないとき、パン生地が回転
ヘラの回転毎に固定棒にからみ付きながら固定棒
を中心に回されているに過ぎないため、充分なこ
ね作用が行われないと言う問題点があつた。

それによつて出来たパンは良く脹れてもすだち
が粗く、目の細かい良質のパンが出来ないと言う
不都合が生じた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、パン材料をこねる材料容器
に於て、その材料容器内に回転軸が挿入れ、その
回転軸に駆動腕が取付けられ、該腕の先端こね部
分に可動ヘラを回動自在に設立させ、回転軸が回
転することにより可動ヘラに回転力を伝達する伝
達機構を設けたことを特徴とするもので、こね作
業は勿論の事、発酵したパン生地をからみ回しな
がら抑えてガス抜きをも行わしめ、すだちの細か
い良質のパンを得る様に構成したものである。

「作用」 材料容器内の回転軸に駆動腕をかん着し、該腕
先端に回動自在に可動ヘラを取付けて回転させる
から、材料容器内にパン材料を水と共に供給し、
該可動ヘラの回転をもつてこんねつを開始すると
従来の単一平面ヘラ又は前記の固定棒のこね作用
と違いこね作用の効率が悪かつたのに対し、パン
生地の重量でパン生地は常に該容器の底面に置か
れるから、該可動ヘラは駆動腕の回動と共に伝達
機構を介して回動され、且つ該駆動腕の容器内壁
に沿つての回動で該可動ヘラは万遍なくパン生地
をこねて回される様になる。そのため、パン材料
の多寡に影響されない効率良いこね作用が出来
る。

更に発酵後のガス抜き或は丸目に際しても数秒
間の該可動ヘラの回転で行う事が出来るものであ
る。

「実施例」 図に於て１は本考案の製パン器本体、２はオー
ブン、３はヒータ４を設けたオーブン ２内の材
料容器で、オーブン２及び容器３が本体１内に格
納される。

５はモータで、その駆動力はプーリ６よりベル
ト７を介してプーリ８に伝達して該プーリ８の回
転軸９に伝達される。材料容器３中央底部には該
軸９の上部が突出して駆動腕１０が取付けられ、
モータ５の回転と共に駆動腕１０がそのプーリ
６，８の減速比に従つて該容器３内で回動する。

１１は駆動腕１０の先端から回動自在に設立し
た回転ピンで、該回転ピン１１の上端はＣ状の形
状をした可動ヘラ１２が一体に取付けられ、回転
軸９を中心にヘラ１２を公転させると共に、又遊
星歯車１３の中心には該回転ピン１１の下端部が
貫通固定され、歯車１３と係合う固定歯車１４は
材料容器３の底部中央に固定され、該歯車１４の
中心部に回転軸９が回転可能に貫通され、機構で
ある各伝達１３，１４を介して回転軸９の回転力
を可動ヘラ１２に伝達し、回転ピン１１を中心に
ヘラ１２を自転させるものである。

即ち、モータ５の回転プーリー６、ベルト７、
プーリー８、回転軸９、駆動腕１０の順で伝達さ
れ、駆動腕１０の先端に回動自在に取付けられた
回転ピン１１が容器３内で回転軸９を中心に公転
する。

また、ビス１５によつて容器３の底部中央に固
定されている固定歯車１４と、回転ピン１１の下
端部に設けられている遊星歯車１３が噛み合うこ
とで、駆動腕１０の回動によつて回転ピン１１が
自転する。

尚、歯車１３と歯車１４との間にはバツクラツ
シユがあり、かつ、食い込むものがパン生地のよ
うな粘性のあるものなので可動ヘラ１２の回転の
障害とはならない。

「考案の効果」 以上の様に本考案に係る製パン器の主たる要素
であるこね機構のこね作用はパン生地のグルテン
発生に最も大切であるため、従来の如き平面ヘラ
による単なるかき回しもの、又は材料容器の側壁
から突出した固定棒と違い、パン生地全体の回動
と可動ヘラの回転によつて、パン生地を傷める事
なく良くこねられ伸びのあるグルテンが発生出来
るので、良く脹れたきめ細やかな柔かい良質のパ
ンを得る事が出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のヘラ機構を取付けた製パン器
本体、第２図は本考案の可動ヘラの機構を材料容
器に取付けた斜視図である。 ３……材料容器、９……回転軸、１０……駆動
腕、１２……可動ヘラ、１３……遊星歯車（歯車
機構）、１４……固定歯車（歯車機構）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 材料をこねる材料容器に於て、その材料容器内
   に回転軸が挿入され、その回転軸に駆動腕が取付
   けられ、該腕の先端こね部分に可動ヘラを回動自
   在に設立させ、回転軸が回転することにより可動
   ヘラに回転力を伝達する伝達機構を設けたことを
   特徴とするねり器のヘラ機構。