JPH044211Y2 - - Google Patents
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- JPH044211Y2 JPH044211Y2 JP13237385U JP13237385U JPH044211Y2 JP H044211 Y2 JPH044211 Y2 JP H044211Y2 JP 13237385 U JP13237385 U JP 13237385U JP 13237385 U JP13237385 U JP 13237385U JP H044211 Y2 JPH044211 Y2 JP H044211Y2
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Landscapes
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本考案は未硬化コンクリートまたは血液、尿な
どに含まれた塩分濃度測定用の塩化物イオン電極
に関するものである。 〔従来の技術〕 塩分濃度の測定を要するものとして、たとえ
ば、近時河川砂が不足していることなどによつ
て、骨材として海砂を使用したコンクリートがあ
る。すなわち、海砂に付着している塩分のため
に、コンクリートの塩分濃度が高くなること、そ
のコンクリートに使用されている鉄筋を腐蝕させ
て、コンクリートの強度を低下させるなどの問題
が生じる。このため、海砂を骨材として使用した
コンクリートにおいては含有塩分の濃度を極力低
くすることが求められ、硬化前に塩分濃度を測定
することが必要になつている。 コンクリートの塩分濃度の測定手段としては、
塩化物イオン電極を使用することが知られている
が、海砂を用いたコンクリート中には臭化物イオ
ンが含まれている。そして、塩化物イオン電極で
塩分濃度を測定する場合において、その溶液中に
臭化物イオンが含まれていると、塩化物イオン電
極の応答膜の組成物である塩化物が前記臭化物イ
オンと反応して臭化銀を生成し、正しい塩分濃度
が測定できない問題があり、最大30%程度の測定
誤差が生じる問題がある。また、臭化物イオンに
は、塩化物イオン電極の応答膜を変性させる作用
があり、電極電位のドリフトの原因を引き起こす
問題もある。 したがつて、塩化物イオン電極による塩分濃度
の測定において、その溶液に臭化物イオンが共存
するときは、臭化物イオンによる影響をなくする
ことが必要である。この臭化物イオンの影響をな
くする手段として、たとえば特開昭60−71945号
公報に開示されたものが知られている。これは被
測定溶液中に、塩化銀の粒子を加えて攪拌し、塩
化銀を被測定溶液中の臭素イオンと反応させて、
臭素イオンを臭化銀として沈澱させたのちに、塩
化物イオン電極を被測定溶液中に挿入して塩分濃
度を測定することで、臭素イオンによる影響をな
くするものである。 なお、被測定溶液中に沃素イオンが共存してい
るときも、臭素イオンと同様に測定結果に影響を
与えるが、この場合も、前記特開昭60−71945号
公報に開示されているように、被測定溶液中に塩
化銀粒子を加え、沃素イオンを沃化銀として沈澱
させたのちに、塩化物イオン電極で塩分濃度を測
定することが知られている。 また、前記特開昭60−71945号公報には、塩化
銀粉末を入れた固液接触槽を設け、これを通過さ
せた被測定溶液の塩分濃度を塩化物イオン電極で
測定することも開示されている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 被測定溶液中の臭化物イオンまたは沃化物イオ
ンを処理する上記従来の手段において、被測定溶
液中に塩化物を加える方法は、測定毎に高価な塩
化銀を添加することを要し、かつ、被測定溶液中
の臭化物イオンまたは沃化物イオンのほぼ全量を
沈澱させるから、塩化銀の添加量が比較的多くな
る問題がある。 また、塩化銀粉末を充填したカラムを設け、こ
れを通過させた被測定溶液の塩分濃度を測定する
ものでは、未硬化のコンクリートのようにやや粘
度が高い溶液には適用がほとんど不可能であると
ともに、カラムを準備する手間を要し、かつコン
クリートなどを作る現場での測定には不適である
問題がある。 本考案は上記のような問題を解決するためにな
されたもので、被測定溶液中に入れるのみで、臭
化物イオンや沃化物イオンの干渉影響を受けるこ
となく、塩分濃度の測定ができる塩化物イオン電
極を得ることを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案の塩化物イオン電極は、塩化銀と銀から
なる固体応答膜の接液部側を、塩化銀をコーテイ
ングしたプラスチツク製などの多孔性フイルムで
被覆し、かつこの多孔性フイルムを前記固体応答
膜に密着させたことを特徴とする。 〔作用〕 この塩化物イオン電極による塩分濃度の測定
は、被測定溶液中にこのイオン電極を挿入する。
すると、イオン電極の近くに共存している臭化物
イオンまたは沃化物イオンが、多孔性フイルムの
塩化銀と反応して、多孔性フイルムで沈澱捕捉さ
れる。すなわち、イオン電極の周囲部において、
塩分濃度の測定に対して干渉影響を及ぼす範囲の
臭化物イオンまたは沃化物イオンを、多孔性フイ
ルムの塩化銀でまず沈澱させる。したがつて、多
孔性フイルムの小径の孔で固体応答膜に導かれた
被測定溶液には臭化物あるいは沃化物の妨害イオ
ンが存在しないから、固体応答膜によつて、精度
の高い塩分濃度の測定ができる。また、イオン電
極を被測定溶液中に挿入するのみであるから、海
砂を使用した未硬化のコンクリートのようにやや
粘度が高いものから、海砂の塩分を溶解させた水
または血液や尿その他の被測定溶液中の塩分濃度
の測定に使用できる。 〔実施例〕 本考案の塩化物イオン電極の実施例を図面につ
いて説明する。 第1図において、1は合成樹脂製などのパイプ
状の本体で、その端面内周部に設けた段部2内
に、塩化銀と銀からなる固体応答膜3が挿入され
ている。4は前記固体応答膜3の外面に重ねかつ
密接させたポリプロピレンまた塩化ビニルなどの
合成樹脂で形成された多孔性フイルムで、その両
面又は固体応答膜3とは反対側の面が塩化銀でコ
ーテイングされている。5は本体1の端部外周に
配置した合成樹脂製の支持筒で、その一端内周面
に突設したリング状の係合突部6を本体1の外周
面に設けた係合溝7に係合して、本体1の外周に
着脱可能に取り付けられ、支持筒5の他端面に、
前記多孔性フイルム4の外周部を熱溶着または接
着剤などで固着して、多孔性フイルム4を本体1
に固定している。 そして、支持筒5を、その端部から本体1がや
や突出する長さにして、支持筒5を本体1に取り
付けたときに、本体1で多孔性フイルム4をやや
押す状態にして、固体応答膜3に多孔性フイルム
4が密接しやすいように構成されている。更に、
この実施例では、固体応答膜3の多孔性フイルム
4と接する面を球面状にやや突出させて、固体応
答膜3の全面に対して多孔性フイルム4がより確
実に密接するようにしている。 8は一端を固体応答膜3の電気的に固着したリ
ード線である。 この塩化物イオン電極を海砂を骨材として使用
した未硬化のコンクリートまたは海砂の付着塩分
の溶液その他血液、尿などの被測定溶液内に挿入
すると、これらの被測定溶液に共存している臭化
物イオンあるいは沃化物イオンは多孔性フイルム
4の塩化銀と反応して沈澱捕捉される。そして、
多孔性フイルム4が固体応答膜3に密接して、前
記妨害イオンが固体応答膜3に至ることを阻止し
ているから、固体応答膜3は被測定溶液の塩分濃
度を正確に測定することができる。 この実施例では、多孔性フイルム4を着脱可能
に取り付けているから、これを支持筒5と共に、
適宜に交換することで、固体応答膜3の反復使用
回数を多くすることが可能で、測定コストの引下
げに寄与しうる。 多孔性フイルム4としては、合成樹脂製のフイ
ルムを示したが、その他合成繊維の不織布などの
通液性を有する任意のものが使用できる。そし
て、多孔性フイルム4は、被測定溶液に共存して
いる妨害イオンを固体応答膜3に至らせることな
く沈澱捕捉できるものであればよく、多孔性フイ
ルム4の孔として、たとえば50μm程度以下の大
きさをあげることができる。 多孔性フイルム3に対する塩化銀のコーテイン
グは、たとえば、硝酸銀及び塩化カリウム等を用
いた沈澱法、または、銀を無電解めつきまたはス
パツタリング等で多孔性フイルム3にめつきした
のちに、それを塩化銀化するなど、任意の手段に
よることができる。 第2図は他の実施例で、筒状の支持筒5を本体
1に、ねじ9で取り付けるとともに、支持筒5の
端部内周に設けたフランジ部10で、本体1と固
体応答膜3に重ねた多孔性フイルム4の外周部を
押さえて、多孔性フイルム4を本体1に固定して
いる。他の構成は第1図の実施例と同一であるか
ら同符号を付し、詳細な説明を省略する。この例
でも、多孔性フイルム4は適宜に交換することが
できる。 しかし、本体1に対する多孔性フイルム4の固
定手段は、本体1に熱溶着で固着するなどの任意
である。そして、前記の各実施例は、いずれも本
体1を支持筒5からやや突出させているが、ほぼ
同じ面にするなど任意である。 第1図に示した塩化物イオン電極を、未硬化コ
ンクリートの塩分測定として使用する場合におけ
るこのイオン電極の性能は次のとおりであつた。 (1) 検量線(25℃) 食塩水濃度% EMF(mVvs0.01MKcl/Agcl/Ag
ΔE(mv) 0.001 0.01 0.1 1.0 80.2 29.8 −23.8 −78.0 51.0 53.6 54.2
どに含まれた塩分濃度測定用の塩化物イオン電極
に関するものである。 〔従来の技術〕 塩分濃度の測定を要するものとして、たとえ
ば、近時河川砂が不足していることなどによつ
て、骨材として海砂を使用したコンクリートがあ
る。すなわち、海砂に付着している塩分のため
に、コンクリートの塩分濃度が高くなること、そ
のコンクリートに使用されている鉄筋を腐蝕させ
て、コンクリートの強度を低下させるなどの問題
が生じる。このため、海砂を骨材として使用した
コンクリートにおいては含有塩分の濃度を極力低
くすることが求められ、硬化前に塩分濃度を測定
することが必要になつている。 コンクリートの塩分濃度の測定手段としては、
塩化物イオン電極を使用することが知られている
が、海砂を用いたコンクリート中には臭化物イオ
ンが含まれている。そして、塩化物イオン電極で
塩分濃度を測定する場合において、その溶液中に
臭化物イオンが含まれていると、塩化物イオン電
極の応答膜の組成物である塩化物が前記臭化物イ
オンと反応して臭化銀を生成し、正しい塩分濃度
が測定できない問題があり、最大30%程度の測定
誤差が生じる問題がある。また、臭化物イオンに
は、塩化物イオン電極の応答膜を変性させる作用
があり、電極電位のドリフトの原因を引き起こす
問題もある。 したがつて、塩化物イオン電極による塩分濃度
の測定において、その溶液に臭化物イオンが共存
するときは、臭化物イオンによる影響をなくする
ことが必要である。この臭化物イオンの影響をな
くする手段として、たとえば特開昭60−71945号
公報に開示されたものが知られている。これは被
測定溶液中に、塩化銀の粒子を加えて攪拌し、塩
化銀を被測定溶液中の臭素イオンと反応させて、
臭素イオンを臭化銀として沈澱させたのちに、塩
化物イオン電極を被測定溶液中に挿入して塩分濃
度を測定することで、臭素イオンによる影響をな
くするものである。 なお、被測定溶液中に沃素イオンが共存してい
るときも、臭素イオンと同様に測定結果に影響を
与えるが、この場合も、前記特開昭60−71945号
公報に開示されているように、被測定溶液中に塩
化銀粒子を加え、沃素イオンを沃化銀として沈澱
させたのちに、塩化物イオン電極で塩分濃度を測
定することが知られている。 また、前記特開昭60−71945号公報には、塩化
銀粉末を入れた固液接触槽を設け、これを通過さ
せた被測定溶液の塩分濃度を塩化物イオン電極で
測定することも開示されている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 被測定溶液中の臭化物イオンまたは沃化物イオ
ンを処理する上記従来の手段において、被測定溶
液中に塩化物を加える方法は、測定毎に高価な塩
化銀を添加することを要し、かつ、被測定溶液中
の臭化物イオンまたは沃化物イオンのほぼ全量を
沈澱させるから、塩化銀の添加量が比較的多くな
る問題がある。 また、塩化銀粉末を充填したカラムを設け、こ
れを通過させた被測定溶液の塩分濃度を測定する
ものでは、未硬化のコンクリートのようにやや粘
度が高い溶液には適用がほとんど不可能であると
ともに、カラムを準備する手間を要し、かつコン
クリートなどを作る現場での測定には不適である
問題がある。 本考案は上記のような問題を解決するためにな
されたもので、被測定溶液中に入れるのみで、臭
化物イオンや沃化物イオンの干渉影響を受けるこ
となく、塩分濃度の測定ができる塩化物イオン電
極を得ることを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案の塩化物イオン電極は、塩化銀と銀から
なる固体応答膜の接液部側を、塩化銀をコーテイ
ングしたプラスチツク製などの多孔性フイルムで
被覆し、かつこの多孔性フイルムを前記固体応答
膜に密着させたことを特徴とする。 〔作用〕 この塩化物イオン電極による塩分濃度の測定
は、被測定溶液中にこのイオン電極を挿入する。
すると、イオン電極の近くに共存している臭化物
イオンまたは沃化物イオンが、多孔性フイルムの
塩化銀と反応して、多孔性フイルムで沈澱捕捉さ
れる。すなわち、イオン電極の周囲部において、
塩分濃度の測定に対して干渉影響を及ぼす範囲の
臭化物イオンまたは沃化物イオンを、多孔性フイ
ルムの塩化銀でまず沈澱させる。したがつて、多
孔性フイルムの小径の孔で固体応答膜に導かれた
被測定溶液には臭化物あるいは沃化物の妨害イオ
ンが存在しないから、固体応答膜によつて、精度
の高い塩分濃度の測定ができる。また、イオン電
極を被測定溶液中に挿入するのみであるから、海
砂を使用した未硬化のコンクリートのようにやや
粘度が高いものから、海砂の塩分を溶解させた水
または血液や尿その他の被測定溶液中の塩分濃度
の測定に使用できる。 〔実施例〕 本考案の塩化物イオン電極の実施例を図面につ
いて説明する。 第1図において、1は合成樹脂製などのパイプ
状の本体で、その端面内周部に設けた段部2内
に、塩化銀と銀からなる固体応答膜3が挿入され
ている。4は前記固体応答膜3の外面に重ねかつ
密接させたポリプロピレンまた塩化ビニルなどの
合成樹脂で形成された多孔性フイルムで、その両
面又は固体応答膜3とは反対側の面が塩化銀でコ
ーテイングされている。5は本体1の端部外周に
配置した合成樹脂製の支持筒で、その一端内周面
に突設したリング状の係合突部6を本体1の外周
面に設けた係合溝7に係合して、本体1の外周に
着脱可能に取り付けられ、支持筒5の他端面に、
前記多孔性フイルム4の外周部を熱溶着または接
着剤などで固着して、多孔性フイルム4を本体1
に固定している。 そして、支持筒5を、その端部から本体1がや
や突出する長さにして、支持筒5を本体1に取り
付けたときに、本体1で多孔性フイルム4をやや
押す状態にして、固体応答膜3に多孔性フイルム
4が密接しやすいように構成されている。更に、
この実施例では、固体応答膜3の多孔性フイルム
4と接する面を球面状にやや突出させて、固体応
答膜3の全面に対して多孔性フイルム4がより確
実に密接するようにしている。 8は一端を固体応答膜3の電気的に固着したリ
ード線である。 この塩化物イオン電極を海砂を骨材として使用
した未硬化のコンクリートまたは海砂の付着塩分
の溶液その他血液、尿などの被測定溶液内に挿入
すると、これらの被測定溶液に共存している臭化
物イオンあるいは沃化物イオンは多孔性フイルム
4の塩化銀と反応して沈澱捕捉される。そして、
多孔性フイルム4が固体応答膜3に密接して、前
記妨害イオンが固体応答膜3に至ることを阻止し
ているから、固体応答膜3は被測定溶液の塩分濃
度を正確に測定することができる。 この実施例では、多孔性フイルム4を着脱可能
に取り付けているから、これを支持筒5と共に、
適宜に交換することで、固体応答膜3の反復使用
回数を多くすることが可能で、測定コストの引下
げに寄与しうる。 多孔性フイルム4としては、合成樹脂製のフイ
ルムを示したが、その他合成繊維の不織布などの
通液性を有する任意のものが使用できる。そし
て、多孔性フイルム4は、被測定溶液に共存して
いる妨害イオンを固体応答膜3に至らせることな
く沈澱捕捉できるものであればよく、多孔性フイ
ルム4の孔として、たとえば50μm程度以下の大
きさをあげることができる。 多孔性フイルム3に対する塩化銀のコーテイン
グは、たとえば、硝酸銀及び塩化カリウム等を用
いた沈澱法、または、銀を無電解めつきまたはス
パツタリング等で多孔性フイルム3にめつきした
のちに、それを塩化銀化するなど、任意の手段に
よることができる。 第2図は他の実施例で、筒状の支持筒5を本体
1に、ねじ9で取り付けるとともに、支持筒5の
端部内周に設けたフランジ部10で、本体1と固
体応答膜3に重ねた多孔性フイルム4の外周部を
押さえて、多孔性フイルム4を本体1に固定して
いる。他の構成は第1図の実施例と同一であるか
ら同符号を付し、詳細な説明を省略する。この例
でも、多孔性フイルム4は適宜に交換することが
できる。 しかし、本体1に対する多孔性フイルム4の固
定手段は、本体1に熱溶着で固着するなどの任意
である。そして、前記の各実施例は、いずれも本
体1を支持筒5からやや突出させているが、ほぼ
同じ面にするなど任意である。 第1図に示した塩化物イオン電極を、未硬化コ
ンクリートの塩分測定として使用する場合におけ
るこのイオン電極の性能は次のとおりであつた。 (1) 検量線(25℃) 食塩水濃度% EMF(mVvs0.01MKcl/Agcl/Ag
ΔE(mv) 0.001 0.01 0.1 1.0 80.2 29.8 −23.8 −78.0 51.0 53.6 54.2
【表】
測定条件は前記検量線の場合と同じ
(3) Br+SatCa(OH)2(海砂使用コンクリート
想定)での影響(25℃) 前記臭化物イオン干渉影響の測定に用いた調整
液にCa(OH)2を加え。ペースト中にイオン電極
を浸し測定した。(12.5PH)
想定)での影響(25℃) 前記臭化物イオン干渉影響の測定に用いた調整
液にCa(OH)2を加え。ペースト中にイオン電極
を浸し測定した。(12.5PH)
【表】
この測定結果と、前記(2)項の測定結果から、臭
化物イオンの影響はほとんど生じないことが明ら
かである。なお、アルカリ側でやや電位差が生じ
たが、これは比較部の液間電位の発生によるもの
と考えられる。 (4) 寿命テスト 海水に類似させた前記調整液を希釈した0.1%
食塩水KBr入り〔Sat Ca(OH)2〕に電極を2日
間浸し、その後の電極電位の挙動を調べた。結果
は次のとおりであつた。
化物イオンの影響はほとんど生じないことが明ら
かである。なお、アルカリ側でやや電位差が生じ
たが、これは比較部の液間電位の発生によるもの
と考えられる。 (4) 寿命テスト 海水に類似させた前記調整液を希釈した0.1%
食塩水KBr入り〔Sat Ca(OH)2〕に電極を2日
間浸し、その後の電極電位の挙動を調べた。結果
は次のとおりであつた。
本考案の塩化物イオン電極は、上記のように、
固体応答膜の接液側に塩化銀をコーテイングした
多孔性フイルムを配置し、固体応答膜に対する妨
害イオンである臭化物イオンまたは沃化物イオン
を、多孔性フイルムの塩化銀に反応させて沈澱捕
捉することで、固体応答膜に対する干渉影響をな
くしたもので、被測定溶液中にイオン電極を挿入
するのみでたりる。したがつて、任意の場所で簡
単に使用でき、かつ未硬化コンクリートのよう
に、やや粘度が高い試料などの塩分濃度の容易の
測定できる。そして、イオン電極の周囲におけ
る、測定の妨害となる臭化物イオンまたは沃化物
イオンを多孔性フイルムの塩化銀で沈澱捕捉する
から、妨害イオンの沈澱捕捉を効率よく行うこと
ができるとともに、妨害イオン除去用の塩化銀の
量を少なくすることが可能である。さらに、反復
使用が可能であるから、測定コストを引下げるこ
とができる。
固体応答膜の接液側に塩化銀をコーテイングした
多孔性フイルムを配置し、固体応答膜に対する妨
害イオンである臭化物イオンまたは沃化物イオン
を、多孔性フイルムの塩化銀に反応させて沈澱捕
捉することで、固体応答膜に対する干渉影響をな
くしたもので、被測定溶液中にイオン電極を挿入
するのみでたりる。したがつて、任意の場所で簡
単に使用でき、かつ未硬化コンクリートのよう
に、やや粘度が高い試料などの塩分濃度の容易の
測定できる。そして、イオン電極の周囲におけ
る、測定の妨害となる臭化物イオンまたは沃化物
イオンを多孔性フイルムの塩化銀で沈澱捕捉する
から、妨害イオンの沈澱捕捉を効率よく行うこと
ができるとともに、妨害イオン除去用の塩化銀の
量を少なくすることが可能である。さらに、反復
使用が可能であるから、測定コストを引下げるこ
とができる。
第1図は本考案の塩化物イオン電極の一実施例
を示す断面図、第2図は他の実施例を示す断面図
である。 3……固体応答膜、4……多孔性フイルム。
を示す断面図、第2図は他の実施例を示す断面図
である。 3……固体応答膜、4……多孔性フイルム。
Claims (1)
- 塩化銀と銀からなる固体応答膜の接液部側が、
塩化銀をコーテイングした多孔性フイルムで被覆
され、かつこの多孔性フイルムを前記固体応答膜
に密接させたことを特徴とする塩化物イオン電
極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13237385U JPH044211Y2 (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13237385U JPH044211Y2 (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6240559U JPS6240559U (ja) | 1987-03-11 |
JPH044211Y2 true JPH044211Y2 (ja) | 1992-02-07 |
Family
ID=31031699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13237385U Expired JPH044211Y2 (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH044211Y2 (ja) |
-
1985
- 1985-08-28 JP JP13237385U patent/JPH044211Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6240559U (ja) | 1987-03-11 |
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