JPH0436582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ペースト肥料と粒状肥料とを同時に
施肥できるようにした施肥装置に係るものであ
る。

従来の技術 一般に速効性を有するペースト肥料は、ノズル
から直接土中に圧入して施肥するものであるが、
肥料が速効性であるため、作物の成育に合わせて
適宜追肥を行う必要がある。従つて作物の初期生
育のための施肥作業と、その後の育成のための追
肥作業とを別々に行なわなければならず、また、
粒状肥料を使用する場合には、例えば導管内に回
転駆動される螺旋体を挿通した施肥装置（実公昭
53−21546）等を用いて施肥していた。

本考案が解決しようとする問題点 本考案は、上記の如き実情に鑑み、施肥作業の
効率化と肥料効果を著しく拡大すべく創案された
ものであつて、ペースト肥料等の液状体を圧送す
る管路に粒状肥料の供給口を開口して、特殊なコ
ーテイングを施すことにより遅効性の肥料とした
粒状肥料を速効性のペースト肥料と同時に施肥で
きるようにした施肥装置を提供することを目的と
したものである。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するため、本考案が採用し
た技術的手段は、ペースト肥料等の液状体を圧送
する管路を設け、該管路の先端部に、液状体を圃
場の土中に噴出するノズルを形成すると共に、上
記管路の中途部には、粒状肥料の供給口を開口し
て、液状体と同時に粒状肥料を施肥すべく構成し
たことを特徴とするものである。

考案の作用 したがつて本考案によれば、管路を圧送された
ペースト肥料は、管路の先端部に形成されたノズ
ルから圃場の土中に放出される。そして管路の中
途部に開口した供給口から管路中に供給された粒
状肥料は、圧送されるペースト肥料が搬送流体と
なつて管路中を円滑に搬送され、ペースト肥料と
同時にノズルから土中に圧入されるので、特殊な
コーテイングを施すことにより、遅効性の肥料と
した粒状肥料を速効性のペースト肥料と同時に施
肥することができて、施肥作業の効率化と肥料効
果を著しく拡大することができるものである。

実施例 本考案の実施例を添付した図面に基いて説明す
れば、１はペースト肥料ａを圧送する管路であつ
て、該管路１は基端部がペースト肥料ａのタンク
２に連通しており、その先端部には圃場の土中に
開口するノズル３が形成されている。４は粒状肥
料ｂのホツパーであつて、該ホツパー４の下部に
形成された供給口５が、上記管路１の中途部に開
口している。また、上記供給口５には外周面に軸
芯方向の溝６が形成されたロータ７が軸支されて
おり、該ロータ７の回動軸８の軸端には可変モー
タ９が連結されている。そして可変モータ９によ
つて回転駆動されるロータ７が、ホツパー４から
自重で溝６中に入つた粒状肥料ｂを第２図の矢印
Ａ方向に回転しながら管路１内に放出して供給す
るようになつている。１０は管路１のホツパー４
とタンク２の中間位置に介装されたポンプ、１１
はポンプ１０を回転駆動するモータであつて、上
記ポンプ１０の回転によりタンク２内のペースト
肥料ａをノズル３に向かつて圧送する。１２はホ
ツパー４よりも管路１の先端側に位置して設けら
れたバルブ、１３は圧力メータである。

第４図、第５図は他の実施例を示すものであつ
て、管路１の中途部にはホツパー４の供給口５が
開口しており、供給口５にロータ７ａが軸支され
ているが、該ロータ７ａはモータによつて駆動さ
れることなく、管路１内を圧送されるペースト肥
料ａの圧力が管路１内に突出したロータ７ａの溝
６ａに作用して回転するようになつている。１４
はロータ７ａと供給口５の内面との間に介装され
た弾性体であつて、圧送されるペースト肥料ａが
ホツパー４内に流入するのを防止している。１５
は管路１のホツパー４とタンク２の中間位置に介
装されたポンプ、１６はポンプ１５とホツパー４
の中間に介装された可変オリフイスであつて、該
可変オリフイス１６によりペースト肥料ａの流速
を制御してロータ７ａの回転速度を調節できるよ
うになつている。

上記の如き構成において、いまタンク２内に速
効性のペースト肥料ａを入れ、ホツパー４内には
特殊なコーテイングを施すことにより遅効性の肥
料とした粒状肥料ｂを入れて、モータ１１を回転
させポンプ１０を作動させれば、タンク２内のペ
ースト肥料ａは管路１に沿つて圧送されノズル３
から圃場の土中に圧入することができる。ついで
可変モータ９の駆動によりロータ７を矢印Ａ方向
に回転させれば、ホツパー４から自重でロータ７
の溝６に入つた粒状肥料ｂは、ロータ７の回転に
伴つて下方の管路１側に送られてペースト肥料ａ
中に供給される。そして圧送されるペースト肥料
ａが粒状肥料ｂの搬送流体となつて搬送されるの
で、粒状肥料ｂは管路１内詰ることなくペースト
肥料と同時に、ノズル３から土中に圧入される。
また、可変モータ９によりロータ７の回転速度を
変えれば、ペースト肥料ａに供給される粒状肥料
の量を調節することができるので、速効性のペー
スト肥料ａと遅効性の粒状肥料ｂとを所望する割
合に混合して円滑に施肥することができ、さらに
ポンプ１１を調節して、圧送されるペースト肥料
の液体圧力を調節すれば、土中に圧入される肥料
の深さを自由に調節することができる。従つて作
物の初期生育のため、速効性を有するペースト肥
料を施肥した後に、更に作物の育成に合わせて追
肥作業を行う必要はなく、施肥作業の効率化が図
れると共に、肥料効果を著しく拡大することがで
きる。

また他の実施例のものではロータ７ａがペース
ト肥料ａの流体圧力によつて自動的に回転して粒
状肥料ｂを供給することができ、可変オリフイス
１６を調整して流体圧力を変えれば粒状肥料ｂの
供給量を調節できるので、更に構造が簡単とな
り、田植機や直播機にも容易にセツトすることが
できる。

考案の効果 これを要するに本考案はペースト肥料等の液状
体を圧送する管路を設け、該管路の先端部に、液
状体を圃場の土中に放出するノズルを形成すると
共に、上記管路の中途部には、粒状肥料の供給口
を開口して、液状体と同時に粒状肥料を施肥すべ
く構成したから、肥料に特殊なコーテイングを施
すことにより遅効性の肥料とした粒状肥料を、速
効性のペースト肥料と同時に施肥でき、作物の初
期生育のための施肥と、その後の成育のための追
肥作業とを同時に行うことができ、施肥作業の効
率化が図れると共に、肥料効果を著しく拡大する
ことができるものである。

またペースト肥料を搬送流体として利用するこ
とにより、供給された粒状肥料が管路に詰ること
なく、ペースト肥料とともに円滑に搬送されて容
易に施肥することができ、さらに、ペースト肥料
の流体圧力を変えるだけで土中に圧入される肥料
の深さを調節することができる極めて有用な実用
的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る施肥装置の実施例を示すも
のであつて、第１図は要部の横断面図、第２図は
同上縦断面、第３図は全体説明図、第４図は他の
実施例を示す縦断面図、第５図は同上全体説明図
である。 図中、１……管路、３……ノズル、５……供給
口、ａ……ペースト肥料、ｂ……粒状肥料であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペースト肥料等の液状体を圧送する管路を設
   け、該管路の先端部に圧送された液状体を土中に
   放出するノズルを形成すると共に、上記管路の中
   途部には、粒状肥料の供給口を開口して液状体と
   同時に粒状肥料を施肥すべく構成したことを特徴
   とする施肥装置。