JPH04357446A - 氷蓄熱装置に用いる製氷量測定方法および測定装置 - Google Patents

氷蓄熱装置に用いる製氷量測定方法および測定装置

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JPH04357446A
JPH04357446A JP3599891A JP3599891A JPH04357446A JP H04357446 A JPH04357446 A JP H04357446A JP 3599891 A JP3599891 A JP 3599891A JP 3599891 A JP3599891 A JP 3599891A JP H04357446 A JPH04357446 A JP H04357446A
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JP
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ice
amount
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heat
cold storage
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JP3599891A
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English (en)
Inventor
Yuji Nakazawa
仲沢 優司
Hitoshi Asano
等 浅野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄氷槽の蓄冷材を循環
させてスラリー状の氷化物を生成する氷蓄熱装置に用い
る製氷量測定方法および測定装置に係り、循環中の蓄冷
材の製氷量を連続測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工業プラントやビルなどにおける
比較的大規模な空調システムには蓄熱空調システムが利
用されている。蓄熱空調システムには、冷熱の蓄積に氷
を用い、冷却面に氷を付着させずに氷を生成するダイナ
ミック方式があり、この方式の一つに過冷却制御型の氷
蓄熱装置が知られている。
【0003】この過冷却制御型の氷蓄熱装置は、冷却装
置に接続された熱交換器と蓄氷槽との間で蓄氷槽の蓄冷
材を循環させる循環路を設け、熱交換器により蓄氷槽の
蓄冷材を冷却した後、過冷却状態を解消させてスラリ―
状の氷にするものである。
【0004】製氷運転を行う場合、所定時間内に所要製
氷量を確保するためには氷生成速度、すなわちを製氷量
検出し、製氷量にしたがって製氷制御を行うことが必要
である。しかしながら、ダイナミック方式の氷蓄熱装置
では、蓄冷材は水と氷の2相流であるため、氷だけを選
択的に定量することは難しく、製氷量を測定することは
困難である。
【0005】このため、スタティック方式の氷蓄熱装置
については、例えば『ヒートポンプによる冷暖房No.
 24−氷蓄熱特集−』(電力空調研究会、P 9)に
開示されているものがあるが、現在のところダイナミッ
ク方式の氷蓄熱装置において製氷量を測定する実用可能
な技術は開発されておらず、実験室レベルのものがある
程度である。この実験室レベルにおける水−氷の2相流
についての製氷量測定技術は、まず、スラリー状の氷化
物の試料を取り出し、おおまかに試料の水切りを行う。 次に、試料を、0℃に調節した恒温室内に設置した遠心
式脱水機に設置して完全に水切りを行う。しかるのち、
試料の質量を計測し、この質量に基づいて氷の体積分率
を求め、該氷の体積分率あらかじめ測定しておいた2相
流の流量と氷の密度とをかけて製氷量を求めるものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
実験室レベルの製氷量測定技術では、毎回試料を取り出
すのでは手間がかかって効率が悪い上、連続測定ができ
ず、過冷却制御型の氷蓄熱装置、とくに上記試案の氷蓄
熱装置には適用できない。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、氷化物が混在した蓄冷材の製氷量を
連続して効率よく測定できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
製氷量を求めることは氷化物と液の2相流中の氷化物の
体積分率zを求めることにほかならないという事実に着
目し、循環路から一部分岐した氷化物が混在する蓄冷材
を凝固点を超える温度Tw にまで加熱すれば、分岐し
た蓄冷材の体積Vs 、上昇温度Tw および加熱に要
した加熱に要した熱量Qtotal により氷化物の体
積分率を求めうるというまったく新しい着想を得、本発
明をなすに至った。
【0009】具体的には、請求項1に係る発明の解決手
段は、図1(実線部分のみ)に示すように、スラリー状
に氷化された蓄冷材(W)を貯溜するための蓄氷槽(2
)と、蓄冷材(W)を冷却してスラリー状の氷化物を生
成するための氷化物生成手段(3)と、該氷化物生成手
段(3)と蓄氷槽(2)との間で蓄冷材(W)を強制循
環させるための循環路(6)とを備えた氷蓄熱装置を前
提とする。
【0010】さらに、上記氷蓄熱装置に用いる製氷量測
定方法として、氷化物生成手段(3)の下流側の循環路
(6)から蓄冷材(W)の一部を分岐し、氷化物が混在
する蓄冷材(W)を凝固点を超える温度にまで加熱した
後、蓄冷材(W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇し
た温度Tw と、加熱に要した熱量Qtotal とを
測定し、その後、測定により得られた蓄冷材(W)の分
岐量Vs と、加熱されて上昇した温度Tw と、加熱
に要した熱量Qtotal とにより製氷量を算出する
構成としている。
【0011】請求項2に係る発明の解決手段は、上記氷
蓄熱装置に用いる製氷量測定装置であって、氷化物生成
手段(3)の下流側の循環路(6)より分岐し、蓄冷材
(W)の一部を分岐する分岐路(10)と、分岐路(1
0)に設けられ、該分岐路(10)を流通する蓄冷材(
W)を凝固点を超える温度にまで加熱する加熱手段(1
2)と、上記分岐路(10)に設けられ、蓄冷材(W)
の分岐流量を測定する流量測定手段(11)と、加熱手
段(12)の下流側に設けられ、蓄冷材(W)の上昇温
度を測定する温度測定手段(13)と、上記加熱手段(
12)により蓄冷材(W)を凝固点を超える温度Tw 
にまで加熱するのに要した熱量を測定する熱量測定手段
(14)とを備え、流量測定手段(11)と温度測定手
段(13)と熱量測定手段(14)とにより測定された
蓄冷材(W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇した温
度Tw と、加熱に要した熱量Qtotal とにより
製氷量を算出する構成としている。
【0012】
【作用】以上の構成により、請求項1に係る発明によれ
ば、蓄氷槽(2)と氷化物生成手段(3)との間におい
て蓄冷材(W)を循環させると共に、循環路(6)の途
中で氷化物生成手段(3)によってスラリー状の氷化物
を生成している。
【0013】そして、氷化物生成手段(3)の下流側の
循環路(6)から蓄冷材(W)の一部を分岐し、氷化物
が混在する蓄冷材(W)を凝固点を超える温度Tw に
まで加熱する。そして、加熱前における氷化物が混在す
る蓄冷材(W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇した
温度Tw と、加熱に要した熱量Qtotal とを測
定する。
【0014】測定された分岐量Vs と、加熱されて上
昇した温度Tw と、加熱に要した熱量Qtotal 
とにより、循環路の製氷量Gi が求まる。
【0015】ここで、上記測定データVs ,Tw ,
Qtotalより製氷量Gi を求める方法を例示する
。この方法は、上記測定データVs ,Tw ,Qto
tal により氷化物の体積分率zを求めておき、求め
た氷化物の体積分率zから製氷量Gi を計算するもの
である。具体的には、次式(10)、(14)により、
【0016】
【数1】
【0017】ただし、z:氷化物の体積分率,Qtot
al :加熱に要した熱量 Vs :蓄冷材の分岐量,△Tw :蓄冷材の顕熱変化
ρw :液相の蓄冷材の密度 ρi :固相の蓄冷材(氷化物)の密度L:固相の蓄冷
材(氷化物)の融解潜熱cpw:液相の蓄冷材の比熱 Gi =Vr zρi   ……(14)ただし、Gi
 :製氷量 Vr :循環路の体積流量 製氷量を求めている。
【0018】ここで、(10)式は、次のような理論か
ら導かれたものである。氷化物の融解潜熱量をQi 、
氷融解後の全蓄冷材(W)を温度Tw にまで上昇する
のに要した熱量をQw とすると、氷の融解潜熱量Qi
 は、加熱に要した熱量Qtotal から融解後の顕
熱量Qw を差し引いた値に等しく、次式で表される。
【0019】Qtotal −Qw =Qi   ……
(1)(1)式において、氷化物の融解潜熱量Qi は
氷化物の質量Mi に比例する熱量であり、融解後の顕
熱量Qw は、氷化物の質量Mi と液相部分の質量M
w の和である全質量Mに比例する熱量である。
【0020】そして、氷化物の質量Mi と液相部分の
質量Mw は、氷化物の体積分率z、分岐量Vs 、液
相の蓄冷材の密度ρw および固相の蓄冷材の密度ρi
 により表すことができる。分岐量Vs を氷化物を融
解する前に測定した場合、氷化物の体積をVi 、液相
部分の体積をVw とすると、氷化物の質量Mi はρ
i Vi となり、液相部分の質量Mw はρw Vw
 とである。また、氷化物の体積Vi はzVs 、液
相部分の体積Vw は(1−z)Vsであるから、氷化
物の質量Mi はρi zVs 、液相部分の質量Mw
 はρw (1−z)Vs となる。
【0021】さらに、氷化物の融解潜熱量Qi は、固
相の蓄冷材の融解潜熱Lを用いれば、LMi であり、
融解後の顕熱量Qw は液相の蓄冷材の比熱cpwおよ
び温度Tw と凝固点との温度差△Tw を用いれば、
cpw△Tw Mである。
【0022】したがって、氷化物の融解潜熱量Qi は
ρi zVsLとなり、融解後の顕熱量Qw は、  
  Qw =cpw△Tw M=cpw△Tw {ρw
 Vw +ρi Vi }        =cpw△
Tw Vs {ρw +(ρi −ρw )z}  と
なる。
【0023】そこで、上記氷の融解潜熱量Qi と融解
後の顕熱量Qw を(1)式に代入することにより、氷
化物の体積分率zを分岐量Vs 、上昇温度Tw およ
び加熱に要した熱量Qtotal により表した(10
)式が得られる。
【0024】請求項2に係る発明によれば、分岐路(1
0)が、蓄冷材(W)の一部を氷化物生成手段(3)の
下流側の循環路(6)から分岐する。分岐路(10)を
流通する蓄冷材(W)は、加熱手段(12)により凝固
点を超える温度Tw にまで加熱される。そして、分岐
路(10)に設けられた流量測定手段(11)が、蓄冷
材(W)の分岐量Vs を測定する。また加熱手段(1
2)の下流側に設けられた温度測定手段(13)が、蓄
冷材(W)の上昇温度Tw を測定する。さらに、熱量
測定手段(14)が、蓄冷材(W)を凝固点を超える温
度Tw にまで加熱するのに要した熱量Qtotal 
を測定する。測定により得られた分岐量Vs 、上昇温
度Tw および加熱に要した熱量Qtotal により
、製氷量Gi が求まる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0026】図1に氷蓄熱装置の構成を例示する。氷蓄
熱装置(1)は、スラリ―状に氷化した蓄冷材(W)を
貯溜するための蓄氷槽(2)と蓄冷材(W)を冷却して
スラリー状の氷化物を生成するための氷化物生成手段(
3)とを備えている。氷化物生成手段(3)は、過冷却
生成用の熱交換器(4)と,該熱交換器(4)により過
冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態をなんらかの方法
で解消する過冷却解消手段とから構成されている。この
実施例では、過冷却解消手段として、とくに過冷却解消
部(5)を設けている。この過冷却解消部(5)の過冷
却状態の解消方式としては、冷却することにより熱的衝
撃を与えるもの、大きな流速や乱流を発生させたり、振
動や気泡を発生させることにより機械的な衝撃を与える
ものなど、種々のものが挙げられる。
【0027】そして、蓄氷槽(2)と、熱交換器(4)
と過冷却解消部(5)とは、循環路(6)により蓄冷材
(W)の循環可能に接続されいる。つまり、該循環路(
6)は、蓄氷槽(2)と熱交換器(4)との間に介設さ
れたポンプ(7)により、蓄氷槽(2)の底部から熱交
換器(4)に蓄冷材(W)を供給するものとし、熱交換
器(4)から流出した蓄冷材(W)を過冷却解消部(5
)を経て蓄氷槽(2)の上部に戻すようになっている。
【0028】ここで、熱交換器(4)の冷却方式として
は、冷媒により蓄冷材(W)を直接冷却する直接膨脹式
、あるいは冷却されたブラインにより蓄冷材(W)を間
接的に冷却する間接膨脹式のいずれであってもよい。 蓄冷材(W)には、水又は水溶液が用いられる。
【0029】また、蓄氷槽(2)には、図1に示すよう
に、氷化物がもつ冷熱を空調に用いるための冷房負荷(
8)が設けられている。冷房負荷(8)としては、貯溜
されている蓄冷材(W)を冷媒回路の冷媒を冷却するの
に用いる方式であっても、空気を直接冷却する方式であ
ってもよい。
【0030】次に、本実施例の特徴として、過冷却解消
部(5)の下流側の循環路(6)には、図1に示すよう
に、分岐路(10)が配設されている。分岐路(10)
は始端が過冷却解消部(5)の下流側の循環路(6)に
接続され、終端がさらに下流側の循環路(6)に接続さ
れている。分岐路(10)には、上流側から順次流量測
定手段としての流量センサ(11)、加熱手段としての
加熱ヒーター(12),該加熱ヒーター(12)により
加熱されて上昇した温度を測定する温度測定手段として
の温度センサ(13)が配設されている。
【0031】本実施例では、加熱に要した熱量Qtot
al として単位時間あたりの仕事である電力を測定す
る。これに対応して、分岐量Vs として単位時間当た
りの通過体積である流量を測定する。
【0032】分岐路(10)と循環路(6)との管径に
より、循環路(6)から分岐する蓄冷材(W)の流量が
決定される。分岐量Vs を決定するにあたっては、流
量を正確に測定できる最も小さい値に設定する。これは
、後述するように分岐路(10)の蓄冷材(W)は凝固
点を超えて加熱されるため、流量が最小値より大きいと
、循環路(6)に合流したときにせっかく生成した氷化
物が融解してしまうからである。流量が最小値より小さ
いと、測定した流量の値が不正確となり、計算により求
めた製氷量も不正確になるからである。
【0033】流量センサ(11)としては、目視によっ
て流量を検知する、ベンチュリー管、オリフィスなどの
差圧測定型の流量計を用いてもよいが、連続して効率的
に測定できるようにするためには、流量を電気信号とし
て取り出せる流量計を用いることが好ましい。このよう
なものとしては、例えば、電磁流量計、差動変圧器を応
用した浮子式流量センサが挙げられる。
【0034】加熱ヒーター(12)には、図1に示すよ
うに、交流電源(20)が電気的に接続されて閉回路を
構成している。加熱ヒーター(12)としては、例えば
シーズヒーターが用いられる。
【0035】ここで、上記閉回路を流れる電流を測定す
る電流計(21)と、電圧を測定する電圧計(22)と
により、熱量測定手段(14)が構成されている。そし
て、測定された電流と電圧との積である電力を求め、こ
の電力を蓄冷材(W)の加熱に要した熱量Qtotal
 としている。電力の計算は、手作業で行ってもよいが
、後述する、製氷量Gi を求めるためのコントロール
ユニット内に、熱量Qtotal の演算式を記憶する
メモリと、電流と電圧の入力信号を受けて電力を演算す
る演算部とを内蔵しておき、コントロールユニットによ
って電力を求めてもよい。
【0036】温度センサ(13)としては、熱電対を用
いて蓄冷材(W)の温度を電気信号として取り出す。そ
して、温度検出信号に基づいて、蓄冷材(W)に混在す
る氷化物を融解し、さらに温度Tw にまで顕熱変化さ
せる。
【0037】この温度(以下、上昇温度という)Tw 
としては、正確に測定できる最も小さい値に設定する。 これは、分岐路(10)の管径比を決定した場合と同様
の理由である。つまり、温度が最小値より大きいと、循
環路(6)に合流したときにせっかく生成した氷化物が
融解してしまうからである。温度が最小値より小さいと
、測定した温度の値が不正確となり、計算により求めた
製氷量も不正確になるからである。具体的な値としては
、+1℃である。
【0038】次に、測定した分岐量Vs 、加熱に要し
た熱量Qtotal および蓄冷材(W)の温度Tw 
により、循環路(6)を循環中の蓄冷材(W)の製氷量
を計算する方法を説明する。
【0039】それには、まず氷化物の体積分率zを求め
る。
【0040】ここで、氷化物の融解潜熱量をQi 、氷
融解後の全蓄冷材(W)を温度Tw にまで上昇するの
に要した熱量をQw とすると、氷化物の融解潜熱量Q
i は、加熱に要した熱量Qtotal から融解後の
顕熱量Qw を差し引いた値に等しい。
【0041】Qtotal −Qw =Qi   ……
(1)また、液相部分の流量をVw 、氷化物の流量を
Vi とすると、分岐量Vs との間には Vs =Vw +Vi   ……(2)の関係がある。
【0042】氷化物の体積分率z、液相部分の流量Vw
 および氷化物の流量Vi の間には次の関係がある。
【0043】Vi =zVs       ……(3)
(3)式を(2)式に代入すると、 Vw =(1−z)Vs   ……(4)となる。
【0044】ところで、融解後の蓄冷材(W)の顕熱量
Qw を求める上で、2相流の分岐量Vs からは、氷
化物が融解した後の流量は正確には分からないので、液
相部分の流量Vw と氷化物の流量Vi とを質量流量
に換算し、融解後の質量流量を計算する。
【0045】液相の蓄冷材の密度をρw とし、固相の
蓄冷材(氷化物)の密度をρi とすると、氷化物の質
量流量Mi はρi Vi であり、氷化物を除いた液
相部分の蓄冷材(W)の質量流量Mw はρw Vw 
である。
【0046】一方、融解後の顕熱量Qw は、氷化物が
融解した後の全流量を温度Tw にまで上昇するのに要
した熱量であるから、その質量流量Mは氷化物の質量流
量Mi と液相部分の蓄冷材(W)の質量流量Mw の
和である。
【0047】M=ρw Vw +ρi Vi   ……
(5)また、液相部分の比熱をcpw、蓄冷材(W)の
温度Tw と凝固点Tg との温度差を△Tw とする
と、融解後の顕熱量Qw はcpw△Tw Mで与えら
れから、(5)により、 Qw =cpw△Tw M=cpw△Tw {ρw V
w +ρi Vi } となる。
【0048】この式に(3)式と(4)式とを代入して
整理すると、           Qw =cpw△Tw Vs {
ρw +(ρi −ρw )z}  ……(6)となる
【0049】次に、氷化物の融解潜熱量をQi を求め
るには、氷化物の融解潜熱をLとすると、Qi =ρi
 Vi L  ……(7)で与えられるから、この式に
(3)式を代入すると、Qi =ρi zVi L  
……(8)となる。したがって、(6)と(7)とを(
1)に代入して整理すると、 Qtotal −cpw△Tw Vs {ρw +(ρ
i −ρw )z}=ρi Vi L……(9) となり、zについてまとめると、
【0050】
【数2】
【0051】そして、該(10)式により決定された氷
化物の体積分率z、循環路(6)における蓄冷材(W)
の流量および氷化物の密度ρi により、製氷量Gi 
が決定される。
【0052】循環路(6)における蓄冷材(W)の体積
流量Vr は、実測してもよいが、本実施例では、循環
路(6)と分岐路(10)との管径比その他により流量
比(x/y)を決めておき、分岐量Vs との積(x/
y)Vs により循環路(6)の体積流量Vr として
いる。以上から、製氷量Gi は、 Gi =(x/y)Vs zρi   ……(11)と
なる。
【0053】ここで、例えば、加熱に要した熱量Qto
tal の単位を(kW)、蓄冷材の分岐量Vs の単
位を(m 3 /min)、蓄冷材の顕熱変化△Tw 
の単位を(℃)、蓄冷材の密度ρw およびρi の単
位を(kg/m3 )、固相の蓄冷材の融解潜熱Lの単
位を(kcal/kg )、液相の蓄冷材の比熱cpw
の単位を(kcal/kg ℃)とした場合、(10)
式は次のようになる。
【0054】
【数3】
【0055】ただし、6.98×10−2は換算係数で
ある。
【0056】次に、上記製氷量測定装置を使用して製氷
量Gi を測定する方法について、測定動作と共に説明
する。
【0057】蓄氷槽(2)と冷却手段(3)との間にお
いて蓄冷材(W)を循環させると共に、循環路(6)の
途中で過冷却解消部(5)により過冷却状態を解消して
、スラリー状の氷化物を生成している。
【0058】そして、過冷却解消部(5)の下流側の循
環路(6)から蓄冷材(W)の一部を分岐し、氷化物の
混在する蓄冷材(W)の分岐量Vs を測定した後、氷
化物が混在する蓄冷材(W)を凝固点を超える温度Tw
 にまで加熱し、加熱に要した熱量Qtotal を測
定する。
【0059】測定により得られた分岐量Vs 、上昇温
度Tおよび加熱に要した熱量Qtotalを(10)式
に代入して氷化物の体積分率zを求める。求めた氷化物
の体積分率zを(11)式に代入すれば、製氷量Gi 
が求められる。
【0060】ところで、(10)式および(11)式を
用いた製氷量Gi の計算は、記録された分岐量Vs 
、上昇温度Tおよび加熱に要した熱量Qtotal を
使用して手作業で行ってもよいが、(10)式と(11
)式を記憶するメモリと、上記測定値の入力信号を受け
てメモリの(10)式と(11)式により製氷量Gi 
を演算する演算部とを有するコントロールユニットを設
けてもよい。 このようなコントロールユニットを設けた場合には、連
続して効率的に製氷量Gi を測定することできる。
【0061】本実施例によれば、循環路(6)に分岐路
(10)を設け、分岐路(10)において測定した分岐
量Vs 、上昇温度Tおよび加熱に要した熱量Qtot
al を(10)式および(11)式に代入することに
より、製氷量Gi を求めることができる。したがって
、連続して効率的に製氷量Gi を測定することができ
る。
【0062】また、加熱に要した熱量Qtotal と
して、電力、すなわち、単位時間あたりの仕事を用いる
と共に、分岐量Vs として流量を用いているので、電
流値と電圧値とを常時測定することにより熱量を連続的
に検出することができ、製氷量Gi の連続測定に都合
がよいという利点がある。
【0063】次に、分岐量Vs の測定位置の変形例つ
いて説明する。この変形例は、上記実施例が氷化物が混
在する蓄冷材の分岐量を測定したのに代え、加熱融解後
の分岐量を測定するものである。したがって、流量セン
サ(11)は加熱ヒーター(12)の下流側に配設され
ている(図示せず)。他の構成は、図1と同様である。 なお、流量センサ(11)と温度センサ(13)とは、
いずれが上流側にあってもよい。
【0064】上記分岐量Vs を用いて氷化物の体積分
率zを求める式を説明する。なお、上記実施例と同様に
、熱量Qtotal ,Qi およびQw の単位は電
力であり、分岐量Vs の単位は流量である。
【0065】本変形例で測定により得られた分岐量Vs
 は、加熱ヒーター(12)によって氷化物が融解され
た後の蓄冷材(W)の流量であるので、液相の蓄冷材(
W)の密度ρw との積ρw Vs は分岐量Vs の
全質量流量Mに等しい。したがって、融解後の顕熱量Q
w はρw cpw△Tw Vs となる。一方、氷化
物の融解潜熱量Qiは上記実施例の(8)式よりρi 
zVs Lである。
【0066】そこで、上記氷の融解潜熱量Qi と融解
後の顕熱量Qw を上記実施例の(1)式に代入するこ
とにより、氷化物の体積分率zを分岐量Vs 、上昇温
度Tw および加熱に要した熱量Qtotal により
表した次式(13)が得られる。
【0067】
【数4】
【0068】氷化物の体積分率zから製氷量Gi を求
める式は、上記実施例における(11)式をそのまま用
いる。
【0069】そして、測定した分岐量Vs 、上昇温度
Tおよび加熱に要した熱量Qtotal を(13)式
に代入して氷化物の体積分率zを求める。求めた氷化物
の体積分率zを(11)式に代入すれば、製氷量Gi 
が求められる。
【0070】本変形例によれば、加熱融解後の液状の蓄
冷材(W)を測定することによっても上記実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0071】なお、上記実施例および変形例では、熱量
Qtotal ,Qi およびQw の単位として電力
を用いたが、仕事または熱量の単位であってもよい。た
だし、その場合には、(10)式、(13)式の次元を
統一するために分岐量Vs の単位を体積にしなければ
ならない。
【0072】また、本実施例では、とくに本発明を循環
路(6)に過冷却解消部(5)を設けた氷蓄熱装置に適
用した例を説明したが、本発明は係る氷蓄熱装置にのみ
適用されるものではなく、氷化物が混在する蓄冷材(W
)が循環路(6)を流通する氷蓄熱装置であればすべて
のものに適用できるものである。
【0073】
【発明の効果】以上の構成により、請求項1および2係
る発明によれば、氷化物生成手段(3)の下流側の循環
路(6)から蓄冷材(W)の一部を分岐し、氷化物が混
在する蓄冷材(W)を凝固点を超える温度Tw にまで
加熱する。そして、加熱前における氷化物が混在する蓄
冷材(W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇した温度
Twと、加熱に要した熱量Qtotal とを測定する
。測定した分岐量Vs と、加熱されて上昇した温度T
w と、加熱に要した熱量Qtotal とにより、循
環路の製氷量Gi を求めることができる。その結果、
循環路を流通中の蓄冷材(W)の製氷量を測定する製氷
量測定技術を提供できるという優れた効果が得られる。
【0074】また、上記実験レベルの製氷量測定技術に
おいて行う試料の取出操作がないので、該取出操作が引
き金となって生成した氷化物が融解したり、管路が閉塞
するといった悪影響を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】氷蓄熱装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
2    蓄氷槽 3    氷化物生成手段 6    循環路 10  分岐路 11  流量センサ (流量測定手段) 12  加熱ヒーター (加熱手段) 13  温度センサ (温度測定手段) 14  熱量測定手段 W    蓄冷材 Vs   分岐量 Tw   上昇温度 Qtotal   加熱に要した熱量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  スラリー状に氷化された蓄冷材(W)
    を貯溜するための蓄氷槽(2)と、蓄冷材(W)を冷却
    してスラリー状の氷化物を生成するための氷化物生成手
    段(3)と、該氷化物生成手段(3)と蓄氷槽(2)と
    の間で蓄冷材(W)を強制循環させるための循環路(6
    )とを備えた氷蓄熱装置であって、氷化物生成手段(3
    )の下流側の循環路(6)から蓄冷材(W)の一部を分
    岐し、氷化物が混在する蓄冷材(W)を凝固点を超える
    温度にまで加熱した後、蓄冷材(W)の分岐量Vs と
    、加熱されて上昇した温度Tw と、加熱に要した熱量
    Qtotal とを測定し、その後、測定により得られ
    た蓄冷材(W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇した
    温度Tw と、加熱に要した熱量Qtotal とによ
    り製氷量を算出することを特徴とする氷蓄熱装置に用い
    る製氷量測定方法。
  2. 【請求項2】  スラリー状に氷化された蓄冷材(W)
    を貯溜するための蓄氷槽(2)と、蓄冷材(W)を冷却
    してスラリー状の氷化物を生成するための氷化物生成手
    段(3)と、該氷化物生成手段(3)と蓄氷槽(2)と
    の間で蓄冷材(W)を強制循環させるための循環路(6
    )とを備えた氷蓄熱装置であって、氷化物生成手段(3
    )の下流側の循環路(6)より分岐し、蓄冷材(W)の
    一部を分岐する分岐路(10)と、分岐路(10)に設
    けられ、該分岐路(10)を流通する蓄冷材(W)を凝
    固点を超える温度にまで加熱する加熱手段(12)と、
    上記分岐路(10)に設けられ、蓄冷材(W)の分岐流
    量を測定する流量測定手段(11)と、加熱手段(12
    )の下流側に設けられ、蓄冷材(W)の上昇温度を測定
    する温度測定手段(13)と、上記加熱手段(12)に
    より蓄冷材(W)を凝固点を超える温度Tw にまで加
    熱するのに要した熱量を測定する熱量測定手段(14)
    とを備え、流量測定手段(11)と温度測定手段(13
    )と熱量測定手段(14)とにより測定された蓄冷材(
    W)の分岐量Vs と、加熱されて上昇した温度Tw 
    と、加熱に要した熱量Qtotal とにより製氷量を
    算出することを特徴とする氷蓄熱装置に用いる製氷量測
    定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05180467A (ja) * 1991-09-26 1993-07-23 Hitachi Air Conditioning & Refrig Co Ltd 氷蓄熱装置
US6190036B1 (en) * 1997-08-30 2001-02-20 Integral Energietechnik Gmbh Method and apparatus for determining the concentration of a liquid ice mixture
JP2008070233A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 氷濃度計
JP2011068190A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Denso Corp 車両用空調制御装置
US8857201B2 (en) 2009-09-02 2014-10-14 Denso Corporation Air-conditioning device for vehicle

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