JPH04351508A - タガネ及びその製造方法 - Google Patents
タガネ及びその製造方法Info
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- JPH04351508A JPH04351508A JP15258591A JP15258591A JPH04351508A JP H04351508 A JPH04351508 A JP H04351508A JP 15258591 A JP15258591 A JP 15258591A JP 15258591 A JP15258591 A JP 15258591A JP H04351508 A JPH04351508 A JP H04351508A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタガネ及びその製造方法
に関し、更に詳細にはコンクリートや岩石等の削り作業
に使用されるタガネ及びその製造方法に関する。
に関し、更に詳細にはコンクリートや岩石等の削り作業
に使用されるタガネ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の削岩機等に装着されるタガネは、
削岩機への装着部分を含めて一体に製作され、鍛造によ
って適度の硬さになされたものが使用されている。しか
し、かかる従来のタガネを削岩機に装着してコンクリー
ト等の削り作業を行うと、作業開始から約30分程度で
図12に示す如く、タガネの切刃部100の先端が丸く
磨耗して急激にコンクリート等の削り性能が低下する。 このため、従来においては、タガネの切刃部先端が磨耗
して削り性能が低下したときには、タガネ全体を交換し
ていた。タガネの交換頻度は、削るコンクリートや岩石
の硬さ等によって異なるが、削岩機一台当たり5〜6本
/日にも達することがある。この様な場合には、削り作
業中に何度もタガネを交換しなければならず、削り作業
等の作業効率を著しく低下させる原因の一つとなってい
る。また、先端が磨耗したタガネは、再度鍛造を施して
再生し再使用されているが、鍛造中に切刃部の熱処理を
適正に行うことが困難であるため、再生タガネの磨耗速
度は新品のタガネよりも速い。このため、再生タガネは
削り作業の作業効率を極度に低下させることがある。
削岩機への装着部分を含めて一体に製作され、鍛造によ
って適度の硬さになされたものが使用されている。しか
し、かかる従来のタガネを削岩機に装着してコンクリー
ト等の削り作業を行うと、作業開始から約30分程度で
図12に示す如く、タガネの切刃部100の先端が丸く
磨耗して急激にコンクリート等の削り性能が低下する。 このため、従来においては、タガネの切刃部先端が磨耗
して削り性能が低下したときには、タガネ全体を交換し
ていた。タガネの交換頻度は、削るコンクリートや岩石
の硬さ等によって異なるが、削岩機一台当たり5〜6本
/日にも達することがある。この様な場合には、削り作
業中に何度もタガネを交換しなければならず、削り作業
等の作業効率を著しく低下させる原因の一つとなってい
る。また、先端が磨耗したタガネは、再度鍛造を施して
再生し再使用されているが、鍛造中に切刃部の熱処理を
適正に行うことが困難であるため、再生タガネの磨耗速
度は新品のタガネよりも速い。このため、再生タガネは
削り作業の作業効率を極度に低下させることがある。
【0003】かかる従来のタガネの欠点を解消すべく、
本発明者は、先に特願平1ー190254号明細書にお
いて、図8に示すタガネを提案した。この図8に示すタ
ガネ1は、先端に四角錐の切刃部3が形成された横断面
形状が略四角形のタガネであって、ホルダー2の先端部
に設けられたタガネ装着部8に着脱自在に装着されてい
る。この様にタガネ1が装着されたホルダー2は、削岩
機取付部4を介して削岩機に取り付けられる。かかるタ
ガネ1は、ホルダー2に着脱自在に装着されるタガネビ
ットであるため、消耗品として扱うことができ、タガネ
再生のための時間の省略及び再生タガネに因る削り作業
の効率低下を防止できる。更に、図8のタガネ1(以下
、タガネビット1と称することがある)は、タガネ本体
6の先端部において、図9(a)(b)に示す如く、先
端部の略中心部で且つ長軸方向に、タガネ本体6よりも
耐磨耗性に優れた棒状の芯材5が挿入・固着されている
と共に、芯材5のタガネ本体6から露出している露出端
部が切刃部3の先端を構成している芯鞘構造のタガネビ
ットである。
本発明者は、先に特願平1ー190254号明細書にお
いて、図8に示すタガネを提案した。この図8に示すタ
ガネ1は、先端に四角錐の切刃部3が形成された横断面
形状が略四角形のタガネであって、ホルダー2の先端部
に設けられたタガネ装着部8に着脱自在に装着されてい
る。この様にタガネ1が装着されたホルダー2は、削岩
機取付部4を介して削岩機に取り付けられる。かかるタ
ガネ1は、ホルダー2に着脱自在に装着されるタガネビ
ットであるため、消耗品として扱うことができ、タガネ
再生のための時間の省略及び再生タガネに因る削り作業
の効率低下を防止できる。更に、図8のタガネ1(以下
、タガネビット1と称することがある)は、タガネ本体
6の先端部において、図9(a)(b)に示す如く、先
端部の略中心部で且つ長軸方向に、タガネ本体6よりも
耐磨耗性に優れた棒状の芯材5が挿入・固着されている
と共に、芯材5のタガネ本体6から露出している露出端
部が切刃部3の先端を構成している芯鞘構造のタガネビ
ットである。
【0004】この様な芯鞘構造のタガネビット1は、図
10(a)に示す如く、タガネ本体6の先端部において
、先端部の略中心部で且つ長軸方向に穿設された穴部7
に、途中に湾曲部及び/又は曲折が形成された芯材5を
挿入し、前記湾曲部及び/又は曲折部によって穴部7の
壁面を押圧するすることによって芯材5を固着した後、
タガネ本体6の先端部を図10(a)の点線まで削り落
として切刃部3を形成することによって製作することが
できる。また、タガネ本体6と芯材5との固着は、図1
0(b)に示す如く、穴部7の底部に穿設された穴部7
の径よりも小径の細穴10に、芯材5の先端に形成され
たテーパー部11の少なくとも一部を、芯材5の他方の
端部を槌等で叩き圧入することによっても可能である。 これらの方法によれば、従来の低温焼嵌め方法、すなわ
ちタガネ本体6の硬度等の特性を損なうことのない低温
でタガネ本体6を加熱して穴部7を拡径し、次いで芯材
5を圧入する方法では不可能であった、深穴への芯材の
挿入・固着を容易に行うことができる。
10(a)に示す如く、タガネ本体6の先端部において
、先端部の略中心部で且つ長軸方向に穿設された穴部7
に、途中に湾曲部及び/又は曲折が形成された芯材5を
挿入し、前記湾曲部及び/又は曲折部によって穴部7の
壁面を押圧するすることによって芯材5を固着した後、
タガネ本体6の先端部を図10(a)の点線まで削り落
として切刃部3を形成することによって製作することが
できる。また、タガネ本体6と芯材5との固着は、図1
0(b)に示す如く、穴部7の底部に穿設された穴部7
の径よりも小径の細穴10に、芯材5の先端に形成され
たテーパー部11の少なくとも一部を、芯材5の他方の
端部を槌等で叩き圧入することによっても可能である。 これらの方法によれば、従来の低温焼嵌め方法、すなわ
ちタガネ本体6の硬度等の特性を損なうことのない低温
でタガネ本体6を加熱して穴部7を拡径し、次いで芯材
5を圧入する方法では不可能であった、深穴への芯材の
挿入・固着を容易に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様に中心部にタガ
ネ本体6よりも耐磨耗性に優れた芯材5が挿入・固着さ
れた芯鞘構造のタガネビット1は、切刃部3の先端を構
成する芯材5の露出端部がタガネ本体6よりも磨耗が少
ない。このため、タガネビット1をホルダー2を削岩機
に装着して削り作業を連続8時間行っても、図11に示
す様に、タガネビット1の切刃部3の先端は尖っており
、タガネビット1の削り性能を依然として良好に維持し
ている。しかしながら、図10(a)に示す方法によれ
ば、芯材5はタガネ本体6よりも硬いため、芯材5が太
くなると、芯材5に湾曲部等を形成することが極めて困
難となること、一方、図10(b)に示す方法によれば
、芯材5が太くなっても穴部7内に固着することができ
るものの、削り作業中に芯材5がタガネ本体6から脱落
或いは途中で切損する事態が発生することが判明した。
ネ本体6よりも耐磨耗性に優れた芯材5が挿入・固着さ
れた芯鞘構造のタガネビット1は、切刃部3の先端を構
成する芯材5の露出端部がタガネ本体6よりも磨耗が少
ない。このため、タガネビット1をホルダー2を削岩機
に装着して削り作業を連続8時間行っても、図11に示
す様に、タガネビット1の切刃部3の先端は尖っており
、タガネビット1の削り性能を依然として良好に維持し
ている。しかしながら、図10(a)に示す方法によれ
ば、芯材5はタガネ本体6よりも硬いため、芯材5が太
くなると、芯材5に湾曲部等を形成することが極めて困
難となること、一方、図10(b)に示す方法によれば
、芯材5が太くなっても穴部7内に固着することができ
るものの、削り作業中に芯材5がタガネ本体6から脱落
或いは途中で切損する事態が発生することが判明した。
【0006】そこで、本発明の目的は、先端部の中心部
近傍にタガネ本体よりも耐磨耗性に優れた芯材が固着さ
れた芯鞘構造のタガネにおいて、湾曲部等の形成が困難
であるような太い芯材でも容易にタガネ本体の穴部に固
着することができ、しかも削り作業中に芯材の脱落や切
損が発生する懸念を解消できるタガネ及びその製造方法
を提供することにある。
近傍にタガネ本体よりも耐磨耗性に優れた芯材が固着さ
れた芯鞘構造のタガネにおいて、湾曲部等の形成が困難
であるような太い芯材でも容易にタガネ本体の穴部に固
着することができ、しかも削り作業中に芯材の脱落や切
損が発生する懸念を解消できるタガネ及びその製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、図10(b
)に示す方法によれば、湾曲部等を形成することが極め
て困難であるような太い芯材であっても、タガネ本体の
穴部に容易に固着することがきるため、前記芯材の削り
作業中における切損発生を防止できれば、本発明の目的
を達成できるものと考えて検討を行った。先ず、図10
(b)の方法によって穴部に嵌入・固着した芯材の状態
について調査したところ、芯材の削り作業中の切損は芯
材側面と穴部壁面との間に存在する微小間隙、及び芯材
側面や穴部壁面の表面粗度に在ることが判明した。 つまり、芯材をタガネ本体の穴部に容易に挿入すべく、
芯材の径が穴部の径よりも若干小さく形成されているた
め、穴部に挿入された芯材の芯材側面と穴部壁面との間
に微小間隙が必ず存在する。更に、芯材側面や穴部壁面
には、芯材や穴部の加工精度の範囲内で凹凸部が存在す
る。このため、削り作業中に芯材に加えられる力によっ
て芯材が振動し、その際、芯材側面及び穴部壁面に存在
していた凹凸部が平坦化されて芯材側面と穴部壁面との
間隙が拡大され、前記振動によって芯材がタガネ本体か
ら次第に抜け出して脱落に至るのである。また、芯材が
タガネ本体から脱落しない場合には、芯材側面と穴部壁
面との間隙の拡大によって芯材の振動の振幅が拡大され
、タガネ本体よりも硬い芯材に大きな繰り返し応力が作
用するため、芯材が疲労して切損に至るのである。本発
明者は、この様な知見に基づいて更に検討を重ねた結果
、予め穴部に銅等の展延性金属から成る金属材を挿入し
ておき、次いで芯材を挿入・押圧することによって、展
延性金属が芯材側面と穴部壁面との微小間隙にも侵入し
、前記間隙を可及的に減少させることを見い出し、本発
明に到達した。
)に示す方法によれば、湾曲部等を形成することが極め
て困難であるような太い芯材であっても、タガネ本体の
穴部に容易に固着することがきるため、前記芯材の削り
作業中における切損発生を防止できれば、本発明の目的
を達成できるものと考えて検討を行った。先ず、図10
(b)の方法によって穴部に嵌入・固着した芯材の状態
について調査したところ、芯材の削り作業中の切損は芯
材側面と穴部壁面との間に存在する微小間隙、及び芯材
側面や穴部壁面の表面粗度に在ることが判明した。 つまり、芯材をタガネ本体の穴部に容易に挿入すべく、
芯材の径が穴部の径よりも若干小さく形成されているた
め、穴部に挿入された芯材の芯材側面と穴部壁面との間
に微小間隙が必ず存在する。更に、芯材側面や穴部壁面
には、芯材や穴部の加工精度の範囲内で凹凸部が存在す
る。このため、削り作業中に芯材に加えられる力によっ
て芯材が振動し、その際、芯材側面及び穴部壁面に存在
していた凹凸部が平坦化されて芯材側面と穴部壁面との
間隙が拡大され、前記振動によって芯材がタガネ本体か
ら次第に抜け出して脱落に至るのである。また、芯材が
タガネ本体から脱落しない場合には、芯材側面と穴部壁
面との間隙の拡大によって芯材の振動の振幅が拡大され
、タガネ本体よりも硬い芯材に大きな繰り返し応力が作
用するため、芯材が疲労して切損に至るのである。本発
明者は、この様な知見に基づいて更に検討を重ねた結果
、予め穴部に銅等の展延性金属から成る金属材を挿入し
ておき、次いで芯材を挿入・押圧することによって、展
延性金属が芯材側面と穴部壁面との微小間隙にも侵入し
、前記間隙を可及的に減少させることを見い出し、本発
明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、コンクリートや岩石
等の削り作業に使用されるタガネにおいて、該タガネが
、タガネ本体の先端部の略中心部に位置し且つ長軸方向
に穿設された穴部に、前記タガネ本体よりも耐磨耗性の
優れた棒状の芯材が挿入され、前記芯材の本体径よりも
小径に形成された芯材の挿入端が穴部底部近傍に固着さ
れていると共に、タガネ本体の先端部から露出した芯材
の露出端部がタガネの切刃部先端を形成する芯鞘構造の
タガネであって、前記穴部に挿入された芯材の挿入端部
の側面とタガネ本体の穴部壁面との間の空隙に、前記芯
材に加えられる押圧力によって塑性変形可能な金属が充
填されていることを特徴とするタガネにある。また、本
発明は、タガネ本体の先端部の略中心部で且つ長軸方向
に穿設されている穴部にタガネ本体よりも耐磨耗性の優
れた棒状の芯材を挿入し、前記芯材の本体径よりも小径
に形成された芯材のの挿入端を穴部底部近傍に固着した
芯鞘構造のタガネを製造する際に、該穴部内の芯材に加
えられる押圧力によって塑性変形可能な金属から成る金
属材を挿入した後、前記芯材を穴部内に挿入してから前
記金属材を塑性変形せしめる押圧力で押圧し、芯材の挿
入端部の側面とタガネ本体の穴部壁面との間の空隙に、
前記塑性変形可能な金属を充填することを特徴とするタ
ガネの製造方法にもある。かかる構成の本発明において
、芯材の挿入端部の少なくとも一部をテーパー面に成形
することが、削り作業中に切刃部の先端方向から芯材に
加えられる力をテーパー面で受けることができ、更に塑
性変形可能な金属を芯材の挿入端面の側面と穴部壁面と
の微小間隙にも侵入させることができる。
等の削り作業に使用されるタガネにおいて、該タガネが
、タガネ本体の先端部の略中心部に位置し且つ長軸方向
に穿設された穴部に、前記タガネ本体よりも耐磨耗性の
優れた棒状の芯材が挿入され、前記芯材の本体径よりも
小径に形成された芯材の挿入端が穴部底部近傍に固着さ
れていると共に、タガネ本体の先端部から露出した芯材
の露出端部がタガネの切刃部先端を形成する芯鞘構造の
タガネであって、前記穴部に挿入された芯材の挿入端部
の側面とタガネ本体の穴部壁面との間の空隙に、前記芯
材に加えられる押圧力によって塑性変形可能な金属が充
填されていることを特徴とするタガネにある。また、本
発明は、タガネ本体の先端部の略中心部で且つ長軸方向
に穿設されている穴部にタガネ本体よりも耐磨耗性の優
れた棒状の芯材を挿入し、前記芯材の本体径よりも小径
に形成された芯材のの挿入端を穴部底部近傍に固着した
芯鞘構造のタガネを製造する際に、該穴部内の芯材に加
えられる押圧力によって塑性変形可能な金属から成る金
属材を挿入した後、前記芯材を穴部内に挿入してから前
記金属材を塑性変形せしめる押圧力で押圧し、芯材の挿
入端部の側面とタガネ本体の穴部壁面との間の空隙に、
前記塑性変形可能な金属を充填することを特徴とするタ
ガネの製造方法にもある。かかる構成の本発明において
、芯材の挿入端部の少なくとも一部をテーパー面に成形
することが、削り作業中に切刃部の先端方向から芯材に
加えられる力をテーパー面で受けることができ、更に塑
性変形可能な金属を芯材の挿入端面の側面と穴部壁面と
の微小間隙にも侵入させることができる。
【0009】
【作用】本発明によれば、タガネ本体の穴部底部近傍に
芯材の挿入端を固着するため、湾曲部等の形成が極めて
困難な太い芯材であってもタガネ本体の穴部内に容易に
固着することができる。しかも、芯材の挿入端部の側面
と穴部壁面との間の間隙に、芯材に加えられる押圧力で
塑性変形可能な金属によって充填されている。このため
、削り作業中に芯材に加えられる力によっても前記金属
が塑性変形され、芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との
微小間隙にも金属を充填することができるため、前記微
小間隙を含む間隙を可及的に減少することができる。 また、削り作業中に芯材に発生する振動によって芯材の
挿入端部の側面と穴部壁面との微小間隙が拡大される場
合にも、拡大された微小間隙に金属が充填され、微小間
隙の拡大を防止することができる。更に、タガネ本体の
穴部に挿入された芯材は、穴部内に遍心して挿入される
ことが多い。穴部の中心軸と芯材の中心軸との位置が加
工精度の範囲内でズレが生じるためである。この場合、
芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との微小間隙の間隔に
も差異が生じ、図10(b)に示す方法で固着した芯材
においては、芯材がタガネ本体の穴部内で斜めに固着さ
れることがあり、芯材の固着端の一部に集中荷重が作用
して芯材の固定端が切損され易い。この点、本発明によ
れば、芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との間隔が異な
る微小間隙にも金属を充填することができ、穴部中心軸
に対して芯材を可及的に並行となるように固着できるた
め、芯材の固着端の一部に集中荷重が作用することを防
止できる。その結果、削り作業中に芯材に加えられる力
に因る芯材の振動を可及的に減少することができ、削り
作業中に芯材のタガネ本体からの脱落や切損を防止でき
るのである。
芯材の挿入端を固着するため、湾曲部等の形成が極めて
困難な太い芯材であってもタガネ本体の穴部内に容易に
固着することができる。しかも、芯材の挿入端部の側面
と穴部壁面との間の間隙に、芯材に加えられる押圧力で
塑性変形可能な金属によって充填されている。このため
、削り作業中に芯材に加えられる力によっても前記金属
が塑性変形され、芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との
微小間隙にも金属を充填することができるため、前記微
小間隙を含む間隙を可及的に減少することができる。 また、削り作業中に芯材に発生する振動によって芯材の
挿入端部の側面と穴部壁面との微小間隙が拡大される場
合にも、拡大された微小間隙に金属が充填され、微小間
隙の拡大を防止することができる。更に、タガネ本体の
穴部に挿入された芯材は、穴部内に遍心して挿入される
ことが多い。穴部の中心軸と芯材の中心軸との位置が加
工精度の範囲内でズレが生じるためである。この場合、
芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との微小間隙の間隔に
も差異が生じ、図10(b)に示す方法で固着した芯材
においては、芯材がタガネ本体の穴部内で斜めに固着さ
れることがあり、芯材の固着端の一部に集中荷重が作用
して芯材の固定端が切損され易い。この点、本発明によ
れば、芯材の挿入端部の側面と穴部壁面との間隔が異な
る微小間隙にも金属を充填することができ、穴部中心軸
に対して芯材を可及的に並行となるように固着できるた
め、芯材の固着端の一部に集中荷重が作用することを防
止できる。その結果、削り作業中に芯材に加えられる力
に因る芯材の振動を可及的に減少することができ、削り
作業中に芯材のタガネ本体からの脱落や切損を防止でき
るのである。
【0010】
【実施例】本発明を図面を用いて更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係るタガネの一実施例を示す縦断面図
であり、タガネビット1の先端部を示す。図1に示すタ
ガネビット1は、横断面形状が略四角形であり、SCM
材から成るロックウェルC硬度(HR C)が約45の
タガネ本体6の先端部において、その略中央部で且つ長
軸方向に穿設された穴部に直径が約7mmの棒状の芯材
5が挿入・固定されている。かかる芯材5は、ハイスか
ら成るHR Cが約62の硬度を有する丸棒であって、
耐磨耗性がタガネ本体6よりも優れている。この芯材5
の端部の一方は、タガネ本体6から露出する露出端部で
あって、タガネビット1の切刃部3の先端部を形成する
。また、芯材5の他方の端部は、タガネ本体6の穴部に
挿入された挿入端部であって、挿入端部の側面がテーパ
ー面10に形成されている。かかる挿入端部のテーパー
面10と穴部壁面との間の空隙12には、銅金属が充填
されて挿入端部を固着している。この銅金属は、芯材5
の本体部側面と穴部壁面との間の微小間隙にも侵入し、
芯材5と穴部壁面との間の間隙を可及的に減少させて芯
材5を穴部7内に緊密に固着しているのである。
であり、タガネビット1の先端部を示す。図1に示すタ
ガネビット1は、横断面形状が略四角形であり、SCM
材から成るロックウェルC硬度(HR C)が約45の
タガネ本体6の先端部において、その略中央部で且つ長
軸方向に穿設された穴部に直径が約7mmの棒状の芯材
5が挿入・固定されている。かかる芯材5は、ハイスか
ら成るHR Cが約62の硬度を有する丸棒であって、
耐磨耗性がタガネ本体6よりも優れている。この芯材5
の端部の一方は、タガネ本体6から露出する露出端部で
あって、タガネビット1の切刃部3の先端部を形成する
。また、芯材5の他方の端部は、タガネ本体6の穴部に
挿入された挿入端部であって、挿入端部の側面がテーパ
ー面10に形成されている。かかる挿入端部のテーパー
面10と穴部壁面との間の空隙12には、銅金属が充填
されて挿入端部を固着している。この銅金属は、芯材5
の本体部側面と穴部壁面との間の微小間隙にも侵入し、
芯材5と穴部壁面との間の間隙を可及的に減少させて芯
材5を穴部7内に緊密に固着しているのである。
【0011】この様な図1のタガネビット1は、図2に
示す方法で製造できる。先ず、タガネ本体6の先端部の
略中心で且つ長軸方向に挿入する芯材5の径と略同径の
穴部7を形成し、所定の長さに切断した銅チューブ12
0及び端部がテーパー面10に形成された芯材5とを準
備する〔図2(a)〕。次いで、穴部7内に銅チューブ
120を挿入した後、テーパー面10に形成された芯材
5の端部を挿入する〔図2(b)〕。その後、芯材5を
プレス機等で押圧して銅チューブ120を塑性変形させ
、芯材5の挿入端と穴部7の穴部壁面との間の空隙12
に銅金属を充填する〔図2(c)〕。この押圧力は、本
実施例の直径7mmの芯材5では、約4tであった。か
かる押圧力で芯材5を押圧することによって、空隙12
に銅金属を充填させ且つ芯材5の本体部側面と穴部7の
穴部壁面との間の微小間隙にも銅金属を侵入させること
ができ、芯材5を穴部7内に緊密に固着することができ
る。その後、芯材5を穴部7内に固着してから図2(c
)に点線で示す部分までタガネ本体6及び芯材5を削り
、切刃部3を形成する。
示す方法で製造できる。先ず、タガネ本体6の先端部の
略中心で且つ長軸方向に挿入する芯材5の径と略同径の
穴部7を形成し、所定の長さに切断した銅チューブ12
0及び端部がテーパー面10に形成された芯材5とを準
備する〔図2(a)〕。次いで、穴部7内に銅チューブ
120を挿入した後、テーパー面10に形成された芯材
5の端部を挿入する〔図2(b)〕。その後、芯材5を
プレス機等で押圧して銅チューブ120を塑性変形させ
、芯材5の挿入端と穴部7の穴部壁面との間の空隙12
に銅金属を充填する〔図2(c)〕。この押圧力は、本
実施例の直径7mmの芯材5では、約4tであった。か
かる押圧力で芯材5を押圧することによって、空隙12
に銅金属を充填させ且つ芯材5の本体部側面と穴部7の
穴部壁面との間の微小間隙にも銅金属を侵入させること
ができ、芯材5を穴部7内に緊密に固着することができ
る。その後、芯材5を穴部7内に固着してから図2(c
)に点線で示す部分までタガネ本体6及び芯材5を削り
、切刃部3を形成する。
【0012】図1のタガネビット1においては、芯材5
にタガネビット1の切刃部3から挿入端部方向に加えら
れる力は、主として芯材5の挿入端側面に形成されたテ
ーパー面10で受けることができるが、芯材5を穴部7
から抜き出す抜出力(芯材5の挿入端部から切刃部3の
方向への力)に対しては、穴部壁面7と芯材側面との摩
擦力によって抗している。このため、芯材5が磨耗して
短くなった場合、前記摩擦力が低下して芯材5に抜出力
が削り作業中に作用したとき、芯材5が穴部7から抜け
出すおそれがある。この点、図3に示す様に、芯材5の
挿入端部において、側面がテーパー面10に形成された
テーパー部に連続して側面が逆テーパー面11に形成さ
れた逆テーパー部を設けることによって、逆テーパー面
11も芯材5の穴部7からの抜出力に対して抗すること
ができ、磨耗等によって短縮された芯材5が穴部7から
抜け出すおそれを解消することができる。図3に示すタ
ガネビット1には、穴部7の底部に小孔13が設けられ
ており、逆テーパー部の一部が圧入されて芯材5を固着
している。このため、銅金属は芯材5のテーパー面10
及び逆テーパー面11の各々と穴部壁面との間の空隙1
2に充填されているが、逆テーパー部の底面と小孔13
の底面との空間には、銅金属が充填されていない。この
様な空間が存在していても、切刃部3から芯材5の挿入
端方向に加えられる力はテーパー面10が主として受け
るため、削り作業中に逆テーパー部が小孔13内に入り
込むことは殆どない。
にタガネビット1の切刃部3から挿入端部方向に加えら
れる力は、主として芯材5の挿入端側面に形成されたテ
ーパー面10で受けることができるが、芯材5を穴部7
から抜き出す抜出力(芯材5の挿入端部から切刃部3の
方向への力)に対しては、穴部壁面7と芯材側面との摩
擦力によって抗している。このため、芯材5が磨耗して
短くなった場合、前記摩擦力が低下して芯材5に抜出力
が削り作業中に作用したとき、芯材5が穴部7から抜け
出すおそれがある。この点、図3に示す様に、芯材5の
挿入端部において、側面がテーパー面10に形成された
テーパー部に連続して側面が逆テーパー面11に形成さ
れた逆テーパー部を設けることによって、逆テーパー面
11も芯材5の穴部7からの抜出力に対して抗すること
ができ、磨耗等によって短縮された芯材5が穴部7から
抜け出すおそれを解消することができる。図3に示すタ
ガネビット1には、穴部7の底部に小孔13が設けられ
ており、逆テーパー部の一部が圧入されて芯材5を固着
している。このため、銅金属は芯材5のテーパー面10
及び逆テーパー面11の各々と穴部壁面との間の空隙1
2に充填されているが、逆テーパー部の底面と小孔13
の底面との空間には、銅金属が充填されていない。この
様な空間が存在していても、切刃部3から芯材5の挿入
端方向に加えられる力はテーパー面10が主として受け
るため、削り作業中に逆テーパー部が小孔13内に入り
込むことは殆どない。
【0013】また、図1及び図3に示すタガネビット1
においては、芯材5の横断面形状が円形であるため、芯
材5の側面に対して接線方向に力が加えられたとき、芯
材5が回転するおそれがある。かかる芯材5の回転防止
は、図1又は図3のYーY又はWーW方向の横断面を示
す図4の如く、芯材5の挿入端部を構成し空隙12に充
填された銅金属と接触するテーパー面10上に、部分的
に平面14を形成することによって図ることができる。 これまで述べてきた本実施例のタガネにおいて、芯材5
の横断面積S1 とタガネ本体6の横断面積S2 との
比(S1 /S2 )やタガネ本体6或いは芯材5の硬
度等については、破壊するコンクリートや岩の硬さ等に
よって最適な値を決定して使用することが望ましい。ま
た、本実施例においては、塑性変形可能な金属として銅
を使用したが、芯材5に加えられる押圧力によって塑性
変形可能な金属であれば、鉛、アルミ、亜鉛、はんだ等
の芯材5を形成する金属と異種の金属、或いは芯材5を
形成する金属と同一金属、例えば焼鈍した鉄を使用して
もよい。更に、これら金属は、チューブ等に予め成形す
ることなく小塊を穴部7内に挿入してもよく、芯材5を
形成する金属と同一金属を使用する場合、鉄製の芯材5
の先端部のみに熱処理を施し焼鈍してから使用すること
もできる。
においては、芯材5の横断面形状が円形であるため、芯
材5の側面に対して接線方向に力が加えられたとき、芯
材5が回転するおそれがある。かかる芯材5の回転防止
は、図1又は図3のYーY又はWーW方向の横断面を示
す図4の如く、芯材5の挿入端部を構成し空隙12に充
填された銅金属と接触するテーパー面10上に、部分的
に平面14を形成することによって図ることができる。 これまで述べてきた本実施例のタガネにおいて、芯材5
の横断面積S1 とタガネ本体6の横断面積S2 との
比(S1 /S2 )やタガネ本体6或いは芯材5の硬
度等については、破壊するコンクリートや岩の硬さ等に
よって最適な値を決定して使用することが望ましい。ま
た、本実施例においては、塑性変形可能な金属として銅
を使用したが、芯材5に加えられる押圧力によって塑性
変形可能な金属であれば、鉛、アルミ、亜鉛、はんだ等
の芯材5を形成する金属と異種の金属、或いは芯材5を
形成する金属と同一金属、例えば焼鈍した鉄を使用して
もよい。更に、これら金属は、チューブ等に予め成形す
ることなく小塊を穴部7内に挿入してもよく、芯材5を
形成する金属と同一金属を使用する場合、鉄製の芯材5
の先端部のみに熱処理を施し焼鈍してから使用すること
もできる。
【0014】これまで述べてきた本実施例のタガネビッ
ト1の削り性能を確認すべく、本発明者は、図1に示す
タガネビット1を装着した図8に示すホルダー2を削岩
機に装着し、石の削り作業を行った。この削り作業は、
芯材5がタガネ本体6から脱落することなく連続して5
時間行うことができた。また、連続5時間の削り作業後
にタガネビット1の切刃部3を観察したところ、図11
に示す様に、依然として尖っており且つ石の破壊能力も
充分であった。この場合の芯材5の磨耗量は7mm程度
であった。これに対して、従来のタガネを用いて同様な
削り作業を行うと、高々20分程度で切刃部が図12の
ように丸くなってタガネの削り能力が低下し、タガネを
交換する必要があった。この様に本実施例のタガネビッ
ト1は、従来、連続削り作業が不可能とされていた石の
連続削り作業を可能とすることができる。
ト1の削り性能を確認すべく、本発明者は、図1に示す
タガネビット1を装着した図8に示すホルダー2を削岩
機に装着し、石の削り作業を行った。この削り作業は、
芯材5がタガネ本体6から脱落することなく連続して5
時間行うことができた。また、連続5時間の削り作業後
にタガネビット1の切刃部3を観察したところ、図11
に示す様に、依然として尖っており且つ石の破壊能力も
充分であった。この場合の芯材5の磨耗量は7mm程度
であった。これに対して、従来のタガネを用いて同様な
削り作業を行うと、高々20分程度で切刃部が図12の
ように丸くなってタガネの削り能力が低下し、タガネを
交換する必要があった。この様に本実施例のタガネビッ
ト1は、従来、連続削り作業が不可能とされていた石の
連続削り作業を可能とすることができる。
【0015】かかる本実施例のタガネビット1が装着さ
れた図8に示すホルダー2のタガネ装着部8は、図5(
a)(b)に示す様に、先端25が円錐台状であって、
タガネ装着部8の中心軸に沿って横断面形状が略円形の
嵌着穴20が穿設されている。この嵌着穴20には、上
部に底面方向に向かって横断面積が小となるテーパー部
が形成され、前記テーパー部に引き続き円筒部が形成さ
れている。かかる嵌着穴20内に嵌着されるタガネビッ
ト1の後端部には、中途に嵌合部21が設けられている
と共に、端部側に円柱部22が設けられている。 嵌合部21は、横断面形状が略四角形であって、前記四
角形の角部の各々がタガネビット1の長手方向に削られ
てテーパー面を形成している。このテーパー面のテーパ
ー角θは3〜10°が好適である。この様なタガネビッ
ト1の嵌合部21及び円柱部22を嵌着穴20内に挿入
すると、嵌合部21のテーパー面と嵌着穴20のテーパ
ー面とが嵌着する。この嵌着状態は、図5(b)に示す
様に、両テーパー面が嵌合部21のテーパー状の外壁面
の沿って間欠的に嵌着、換言すると点状に嵌着する。本
実施例においては、4ヶ所で点状に嵌着している。また
、タガネビット1の嵌合部21の後端に設けられている
円柱部22の外壁面は、嵌着穴20の円筒部の内壁面と
摺接し、タガネビット1の嵌合部21をホルダー2の横
断面に対して垂直に嵌着するように案内する。
れた図8に示すホルダー2のタガネ装着部8は、図5(
a)(b)に示す様に、先端25が円錐台状であって、
タガネ装着部8の中心軸に沿って横断面形状が略円形の
嵌着穴20が穿設されている。この嵌着穴20には、上
部に底面方向に向かって横断面積が小となるテーパー部
が形成され、前記テーパー部に引き続き円筒部が形成さ
れている。かかる嵌着穴20内に嵌着されるタガネビッ
ト1の後端部には、中途に嵌合部21が設けられている
と共に、端部側に円柱部22が設けられている。 嵌合部21は、横断面形状が略四角形であって、前記四
角形の角部の各々がタガネビット1の長手方向に削られ
てテーパー面を形成している。このテーパー面のテーパ
ー角θは3〜10°が好適である。この様なタガネビッ
ト1の嵌合部21及び円柱部22を嵌着穴20内に挿入
すると、嵌合部21のテーパー面と嵌着穴20のテーパ
ー面とが嵌着する。この嵌着状態は、図5(b)に示す
様に、両テーパー面が嵌合部21のテーパー状の外壁面
の沿って間欠的に嵌着、換言すると点状に嵌着する。本
実施例においては、4ヶ所で点状に嵌着している。また
、タガネビット1の嵌合部21の後端に設けられている
円柱部22の外壁面は、嵌着穴20の円筒部の内壁面と
摺接し、タガネビット1の嵌合部21をホルダー2の横
断面に対して垂直に嵌着するように案内する。
【0016】この様な図5に示すタガネ装着部8に嵌着
されたタガネビット1は、タガネビット1を嵌着する力
、つまりタガネビット1の横断面に対して略垂直に働く
力は4ヶ所の嵌着部23に集中し、嵌着穴20の内壁面
を弾性限界内で変形するため、タガネビット1の嵌合部
21を強く嵌着することができるのである。しかも、削
岩機等の装着して削り作業中にタガネビット1に加えら
れる主たる力は、タガネビット1を嵌着穴20に挿入す
る方向の力であるため、削り作業中に嵌着穴20からタ
ガネビット1の嵌合部21が抜け出ることがない。 尚、嵌着部23が、ホルダー2の円錐台状に形成された
先端25中に位置することが、先端25の有する弾性的
性質を充分に利用することができ、タガネビット1の嵌
合部21を嵌着穴20内に更に強力に嵌着することがで
きる。他方、タガネビット1の交換の際には、タガネビ
ット1をスパナ等の工具で把持し回転させることによっ
て、タガネビット1の嵌合部21及び円柱部22を嵌着
穴20から容易に取り出すことができる。このことは、
タガネビット1の嵌合部21と嵌着穴20の内壁面との
嵌着部23が部分的で且つテーパー面であるため、タガ
ネビット1を容易に回転することができると共に、前記
回転に伴いタガネビット1に嵌合部21を上方に持ち上
げる力が作用し、嵌合部21の嵌着状態を容易に解消す
ることができるものと推察される。
されたタガネビット1は、タガネビット1を嵌着する力
、つまりタガネビット1の横断面に対して略垂直に働く
力は4ヶ所の嵌着部23に集中し、嵌着穴20の内壁面
を弾性限界内で変形するため、タガネビット1の嵌合部
21を強く嵌着することができるのである。しかも、削
岩機等の装着して削り作業中にタガネビット1に加えら
れる主たる力は、タガネビット1を嵌着穴20に挿入す
る方向の力であるため、削り作業中に嵌着穴20からタ
ガネビット1の嵌合部21が抜け出ることがない。 尚、嵌着部23が、ホルダー2の円錐台状に形成された
先端25中に位置することが、先端25の有する弾性的
性質を充分に利用することができ、タガネビット1の嵌
合部21を嵌着穴20内に更に強力に嵌着することがで
きる。他方、タガネビット1の交換の際には、タガネビ
ット1をスパナ等の工具で把持し回転させることによっ
て、タガネビット1の嵌合部21及び円柱部22を嵌着
穴20から容易に取り出すことができる。このことは、
タガネビット1の嵌合部21と嵌着穴20の内壁面との
嵌着部23が部分的で且つテーパー面であるため、タガ
ネビット1を容易に回転することができると共に、前記
回転に伴いタガネビット1に嵌合部21を上方に持ち上
げる力が作用し、嵌合部21の嵌着状態を容易に解消す
ることができるものと推察される。
【0017】図5においては、タガネビット1をホルダ
ー2の横断面に対して垂直となるように案内するために
嵌合部21の後端側に円柱部22を設けたが、図6(a
)に示す様に、円柱部22を省略してもよい。この場合
、嵌合部21の上方がタガネビット1の本体の横断面形
状と略等しくなり、角部が嵌着穴20の入口近傍の壁面
と摺接するため、タガネビット1を嵌着穴20の横断面
に対して垂直になる様に挿入することができる。また、
図6(b)に示す様に、大径の筒状穴35の底面に小径
の筒状穴30が穿設された嵌着穴20に、横断面形状が
略円形で且つテーパー面に形成された嵌合部21を具備
するタガネビット1の後端部を挿入してもよい。この場
合、両テーパー面の嵌着部23は線状となる。この際に
、小径の筒状穴30の入口近傍の内壁面に、図7(a)
に示す様に、テーパー面が設けられていると、嵌着穴2
0の内壁面との嵌着に因る嵌合部21のテーパー面が受
ける損傷を防止することができる。かかる図7(a)に
示す嵌着穴20に嵌着されているタガネビット1は、嵌
着部21の上方がタガネビット1の本体の横断面積を略
等しくなり、円筒部35の上方の内壁面がタガネビット
1の角部と摺接する。このため、タガネビット1をホル
ダー2の横断面に対して垂直となるように挿入すること
ができる。また、横断面形状が略円形の嵌合部21を嵌
着する嵌着穴20の横断面形状を、図7(b)に示す様
に、嵌着穴20の内壁面に複数本の突状38、38・・
・を設けることによっても、嵌合部21のテーパー面が
嵌着穴2の突条38、38・・・と部分的に嵌着するこ
とができる。以上、本実施例で使用したホルダー2につ
いての説明において用いた「点状」又は「線状」とは、
これまで説明した如く、両テーパー面の一部が嵌着、即
ち部分的に嵌着している状態、例えば嵌着穴20の軸方
向、周方向に部分的、或いは嵌着穴20の内壁面に設け
られている突条38、38・・・に部分的に嵌着してい
る状態を言う。尚、かかる状態の嵌着部の幅は、削り作
業中に加えられる荷重等によって異なるが、人手でタガ
ネビット1の嵌合部21を嵌着穴20に嵌着したとき、
5mm以下、特に3〜2mm程度となるように調整する
ことが好ましい。また、本実施例においては、ホルダー
2に交換可能に装着されるタガネビットについて説明し
てきたが、ホルダー部分とタガネビットとが一体に形成
されたタガネであってもよい。
ー2の横断面に対して垂直となるように案内するために
嵌合部21の後端側に円柱部22を設けたが、図6(a
)に示す様に、円柱部22を省略してもよい。この場合
、嵌合部21の上方がタガネビット1の本体の横断面形
状と略等しくなり、角部が嵌着穴20の入口近傍の壁面
と摺接するため、タガネビット1を嵌着穴20の横断面
に対して垂直になる様に挿入することができる。また、
図6(b)に示す様に、大径の筒状穴35の底面に小径
の筒状穴30が穿設された嵌着穴20に、横断面形状が
略円形で且つテーパー面に形成された嵌合部21を具備
するタガネビット1の後端部を挿入してもよい。この場
合、両テーパー面の嵌着部23は線状となる。この際に
、小径の筒状穴30の入口近傍の内壁面に、図7(a)
に示す様に、テーパー面が設けられていると、嵌着穴2
0の内壁面との嵌着に因る嵌合部21のテーパー面が受
ける損傷を防止することができる。かかる図7(a)に
示す嵌着穴20に嵌着されているタガネビット1は、嵌
着部21の上方がタガネビット1の本体の横断面積を略
等しくなり、円筒部35の上方の内壁面がタガネビット
1の角部と摺接する。このため、タガネビット1をホル
ダー2の横断面に対して垂直となるように挿入すること
ができる。また、横断面形状が略円形の嵌合部21を嵌
着する嵌着穴20の横断面形状を、図7(b)に示す様
に、嵌着穴20の内壁面に複数本の突状38、38・・
・を設けることによっても、嵌合部21のテーパー面が
嵌着穴2の突条38、38・・・と部分的に嵌着するこ
とができる。以上、本実施例で使用したホルダー2につ
いての説明において用いた「点状」又は「線状」とは、
これまで説明した如く、両テーパー面の一部が嵌着、即
ち部分的に嵌着している状態、例えば嵌着穴20の軸方
向、周方向に部分的、或いは嵌着穴20の内壁面に設け
られている突条38、38・・・に部分的に嵌着してい
る状態を言う。尚、かかる状態の嵌着部の幅は、削り作
業中に加えられる荷重等によって異なるが、人手でタガ
ネビット1の嵌合部21を嵌着穴20に嵌着したとき、
5mm以下、特に3〜2mm程度となるように調整する
ことが好ましい。また、本実施例においては、ホルダー
2に交換可能に装着されるタガネビットについて説明し
てきたが、ホルダー部分とタガネビットとが一体に形成
されたタガネであってもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、タガネの中心に芯材が
固着されているため、短時間の削り作業によって先端が
丸くなり削り性能が急激に低下することがない。しかも
、芯材とタガネの穴部壁面との間隙を可及的に少なくす
ることができ、削り作業中に加えられる力に因る芯材の
振動を防止できるため、従来、連続の削り作業が不可能
とされていた石の連続削り作業を可能とすることができ
る。
固着されているため、短時間の削り作業によって先端が
丸くなり削り性能が急激に低下することがない。しかも
、芯材とタガネの穴部壁面との間隙を可及的に少なくす
ることができ、削り作業中に加えられる力に因る芯材の
振動を防止できるため、従来、連続の削り作業が不可能
とされていた石の連続削り作業を可能とすることができ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す部分縦断面図である。
【図2】図1のタガネの製造工程を示す工程図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す部分縦断面図である
。
。
【図4】図1又は図3の横断面図である。
【図5】本発明のタガネを装着するホルダーを説明する
説明図である。
説明図である。
【図6】図5に示すホルダーの他の実施例を示す部分縦
断面図である。
断面図である。
【図7】図5(b)に示すホルダーを説明する説明図で
ある。
ある。
【図8】タガネを装着したホルダーを示す斜視図である
。
。
【図9】本発明のタガネを説明するための説明図である
。
。
【図10】芯材をタガネ本体に固着する従来方法を説明
する説明図である。
する説明図である。
【図11】本発明に係るタガネの磨耗状態を説明する部
分縦断面図である。
分縦断面図である。
【図12】従来のタガネの磨耗状態を説明する部分縦断
面図である。
面図である。
1 タガネ
3 切刃部
5 芯材
6 タガネ本体
7 穴部
10 テーパー面
12 塑性変形可能な金属
Claims (4)
- 【請求項1】 コンクリートや岩石等の削り作業に使
用されるタガネにおいて、該タガネが、タガネ本体の先
端部の略中心部に位置し且つ長軸方向に穿設された穴部
に、前記タガネ本体よりも耐磨耗性の優れた棒状の芯材
が挿入され、前記芯材の本体径よりも小径に形成された
芯材の挿入端が穴部底部近傍に固着されていると共に、
タガネ本体の先端部から露出した芯材の露出端部がタガ
ネの切刃部先端を形成する芯鞘構造のタガネであって、
前記穴部に挿入された芯材の挿入端部の側面とタガネ本
体の穴部壁面との間の空隙に、芯材に加えられる押圧力
によって塑性変形可能な金属が充填されていることを特
徴とするタガネ。 - 【請求項2】 芯材の挿入端部の少なくとも一部がテ
ーパー面に形成されている請求項1記載のタガネ。 - 【請求項3】 タガネ本体の先端部の略中心部に位置
し且つ長軸方向に穿設されている穴部にタガネ本体より
も耐磨耗性の優れた棒状の芯材を挿入し、前記芯材の本
体径よりも小径に形成された芯材の挿入端を穴部底部近
傍に固着した芯鞘構造のタガネを製造する際に、該穴部
に挿入された芯材に加えられる押圧力によって塑性変形
可能な金属から成る金属材を挿入した後、前記芯材の挿
入端を穴部内に挿入してから前記金属材を塑性変形せし
める押圧力で芯材を押圧し、芯材の挿入端部の側面とタ
ガネ本体の穴部壁面との間の空隙に、前記塑性変形可能
な金属を充填することを特徴とするタガネの製造方法。 - 【請求項4】 芯材の挿入端部の少なくとも一部がテ
ーパー面に形成されている請求項3記載のタガネの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15258591A JPH04351508A (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | タガネ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15258591A JPH04351508A (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | タガネ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04351508A true JPH04351508A (ja) | 1992-12-07 |
Family
ID=15543682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15258591A Pending JPH04351508A (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | タガネ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04351508A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018029926A1 (ja) * | 2016-08-08 | 2018-02-15 | 新日鐵住金株式会社 | ピアサープラグの製造方法 |
-
1991
- 1991-05-28 JP JP15258591A patent/JPH04351508A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018029926A1 (ja) * | 2016-08-08 | 2018-02-15 | 新日鐵住金株式会社 | ピアサープラグの製造方法 |
JPWO2018029926A1 (ja) * | 2016-08-08 | 2018-11-08 | 新日鐵住金株式会社 | ピアサープラグの製造方法 |
CN109070159A (zh) * | 2016-08-08 | 2018-12-21 | 新日铁住金株式会社 | 穿孔顶头的制造方法 |
US10888906B2 (en) | 2016-08-08 | 2021-01-12 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method of manufacturing piercer plug |
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