JPH04338734A - 非線形光学デバイス - Google Patents

非線形光学デバイス

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JPH04338734A
JPH04338734A JP14146391A JP14146391A JPH04338734A JP H04338734 A JPH04338734 A JP H04338734A JP 14146391 A JP14146391 A JP 14146391A JP 14146391 A JP14146391 A JP 14146391A JP H04338734 A JPH04338734 A JP H04338734A
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light
organic material
waveguide
optical device
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▲藏▼田 哲之
Tetsuyuki Kurata
Chie Fukada
千恵 深田
Koji Hamano
浩司 浜野
Yuji Hizuka
裕至 肥塚
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Mitsubishi Electric Corp
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/061Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on electro-optical organic material
    • G02F1/065Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on electro-optical organic material in an optical waveguide structure

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光を用いた通信や情
報処理などの分野における非線形光学デバイスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光を用いた通信や情報処理に用いられる
デバイスとして重要なものは光変調素子や光スイッチン
グ素子である。変調素子はその使用法によってスイッチ
ング素子としても使用できるものである。
【0003】図9は例えば従来のバルク型光変調素子の
構成図である。図において、21は光源から出た光入力
、22は該光入力21を直線偏光に変える偏光子、23
は偏光子22からの直線偏光を受ける無機光学結晶、2
4は無機光学結晶23の誘電主軸、25は無機光学結晶
23へ印加されるバイアス電圧、26は4分の1波長板
(λ/4板)、27は検光子、28は該検光子28から
の光出力である。
【0004】この従来例では無機光学結晶の2次の非線
形光学効果であるポッケルス効果(電気光学効果)を利
用している。光入力21は偏光子22によって直線偏光
となったあと、無機光学結晶23に入射する。この時、
無機光学結晶23の屈折率楕円体の主軸のうち2軸(誘
電主軸24)は偏光子22の偏光方向から45°の方向
に設定されている。従って、結晶にバイアス電圧25を
印加すると、その印加電圧に比例して2つの誘電主軸2
4の方向に偏波した2つの光に位相差が生じて、結果的
に入射した光の偏光が変化する。その後、4分の1波長
板26によって光を円偏光として一定の光バイアスを与
え、検光子27によって変調成分を取り出している。 尚、この変調によって光の出力がゼロとなる電圧を半波
長電圧という。
【0005】図10は光集積回路などの応用に用いられ
る導波路型光変調素子の一例の図である。図において3
1は光源から出た光入力、30は基板29上に設けられ
た分岐部分と合波部分とを有する導波路、32は導波路
30の分岐した一方に設けられた電極、33はバイアス
電圧で、電極32にて電圧を印加することとなる。
【0006】この例では、マッハツェンダー型干渉計の
原理を用いている。即ち、基板29上に分岐と合波部分
を有した導波路30を形成した構造であって、導波路3
0の部分は電気光学効果を有しており、導波路30の入
射口から入射した光入力31は2つに分割され、片方の
光が通る部分には電極32の対を設けて、導波路30の
部分にバイアス電圧33を印加することによって伝播す
る光の位相を変化させ、元の光と合波することによって
光出力34を変化させるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光学デバイスと
してのバルク型光変調素子及び導波型光変調素子は以上
のように構成されており、従来のバルク型光変調素子の
場合、用いられる電気光学結晶の半波長電圧は、通常千
ボルト程度と非常に高く、使用上問題があり、また、バ
ルク型であるため空間中を通る光に用いられ、光ファイ
バー中を伝播する光や導波路中の光には用いられないと
いう問題点があった。また、変調がアナログ型であるた
め、将来の光情報処理に望まれるデジタル型光制御素子
には不向きである等といった問題点があった。
【0008】また、従来の導波型光変調素子の場合にお
いても、デジタル型でないという問題点や、大きい変調
電圧が必要であるという問題点があった。さらに、これ
らの構造の素子を、希望する特性を充たすように作製す
るには多くの問題点がある。つまり、例えば基板29に
、無機の電気光学効果をもつ結晶としてLiNbO3 
などの誘電体材料を用い、イオン交換法やプロトン拡散
法などによって光の導波路30を作製するが、その作製
技術はいまだ研究開発段階であり、特に、導波路30の
形状や大きさを精度よく作製し、なおかつ散乱などの伝
播損失のない特性の素子を作製するのは難しいのが現状
である。
【0009】このように導波路型で、光のデジタル変調
が可能で、なおかつ作製の容易な光変調素子は現時点で
は未だ得られていないという問題点があった。
【0010】さらに、将来必要となる、集積化や光情報
処理制御の回路変更を可能にするような構造の素子は全
く提案されていない。また、光の変調やスイッチングと
同時に電気信号の変調スイッチングなどを行う光デバイ
スと電子デバイスを複合化したような新規なデバイスは
全く提案されていない。
【0011】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたもので、通信や光情報処理等に用いられる光変調素
子や光スイッチなどの機能を有する新規な非線形光学デ
バイスを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る非線形光
学デバイスは、光を導波する媒質の一部または全部に有
機材料を用い、該有機材料の層に電界を印加し、これに
より有機材料の層の一部にキャリアを誘起させ、該キャ
リアの蓄積層の屈折率の変化により、導波路内での光の
導波態様を制御するようにしたものである。
【0013】またこの発明に係る非線形光学デバイスは
、基板上に設けられた有機材料の層と、該有機材料の層
の上下に設けられた電極対と、該電極と上記有機材料の
層との間に設けられたバッファー層とを有するようにし
、またあるいは、上記電極を複数とし光の導波態様を制
御するようにしたものである。
【0014】また上記有機材料にπ−共役系高分子を用
いたものである。また上記バッファー層に絶縁性に優れ
ていると共に、デバイスで用いる光に対して吸収損失が
少なく、上記有機材料の層より低い屈折率を有する材料
を用いたものである。
【0015】また、上記有機材料の層と上記バッファー
層との間に、上記有機材料より屈折率が大きくかつ上記
バッファー層より屈折率が大きい第2のバッファー層を
設け、光強度を制御、または光の空間的な偏向を制御す
るようにしたものである。
【0016】また、導波路内での光の導波態様を制御す
ると同時にトランジスタとして動作するようにしたもの
である。
【0017】また、上記導波路から出力される光出力を
上記媒質への印加電界へ正帰還するようにし、光入力に
対して光出力強度が双安定状態を示すようにしたもので
ある。
【0018】
【作用】この発明においては、光を導波する媒質の一部
または全部に有機材料を用い、電界の印加により有機材
料にキャリアの蓄積層を誘起させ、該キャリア蓄積層の
屈折率が変化することにより、光の導波路層での伝播の
様子を変化させることができる。また、上記媒質に誘起
されたキャリアの蓄積部分に光を閉じ込めることができ
る。
【0019】またこの発明においては、基板上に設けら
れた有機材料層と、これら有機材料層の光学特性を変化
させる電界を印加するための電極対と、有機材料層と電
極との間に設けられるバッファー層とを備えたので、有
機材料層に誘起されたキャリア蓄積層が光導波路となり
、該キャリア蓄積層への光の閉じ込めや、光スイッチと
しての動作などができる。また、上記電極を複数とした
ので、例えば偏向変調器とすること等ができる。
【0020】また有機材料にπ−共役系高分子を用いた
ので、電界によるキャリアの発生あるいは注入によい特
性をもつ。またバッファー層に、絶縁性に優れていると
共に、デバイスで用いる光に対して吸収損失が少なく、
上記有機材料の層より低い屈折率を有する材料を用いた
ので、キャリアが電極に流入するのをブロックすると共
に、電極の光の損失層としての作用を緩衝することがで
きる。
【0021】また、上記有機材料の層と上記バッファー
層との間に、上記有機材料より屈折率が大きくかつ上記
バッファー層より屈折率が大きい第2のバッファー層を
設けたので、電界が印加されていないとき該第2のバッ
ファー層が光導波路となり、一方電界が印加されている
とき誘起されたキャリア蓄積層により導波モードが変化
する、あるいはキャリア蓄積層に光が移ることにより、
光強度のスイッチ及び光の空間的な偏向器として用いる
ことができる。
【0022】また、導波路内での光の導波態様を制御す
ると同時にトランジスタとして動作するようにしたので
、光・電子複合型デバイスを得ることができる。
【0023】また、上記導波路から出力される光出力を
上記媒質への印加電界へ正帰還するようにしたので、光
入力強度に対して光出力強度が双安定状態を示すように
なる。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例による光スイ
ッチングデバイスの構造を示す図である。この第1の実
施例は本発明の最も基本的な構成を示すものであり、光
スイッチとして動作する。図において、1は基板、2は
基板1上に設けられた有機材料層、3,4は有機材料層
2の上下に設けられた電極で、上記有機材料層2の光学
特性を制御する電界を印加する。5はバッファー層で、
有機材料層2と電極4の間に設けられている。光入力6
は有機材料層2あるいはバッファー層5に導入されてお
り、図1に示されるように光出力7が取り出される。8
はキャリア蓄積層で、電極3,4の間に電界が印加され
たとき、有機材料層2のバッファー層5との界面近傍に
誘起される。
【0025】基板1の材料としては、通常のガラスの他
にシリコンなどの半導体などを用いることができ、特に
制限はない。
【0026】有機材料層2に用いられる材料としては、
電界によってキャリアが発生あるいは注入されるような
材料であれば、あらゆるものが使用可能であるが、特性
上、π−共役系高分子が好ましい。π−共役系高分子と
しては、例えばポリアセチレン,ポリピロール,ポリ(
N−置換ピロール),ポリ(3−置換ピロール),ポリ
(3,4−二置換ピロール),ポリチオフェン,ポリ(
3−置換チオフェン),ポリ(3,4−二置換チオフェ
ン),ポリベンゾチオフェン,ポリイソチアナフテン,
ポリチェニレンビニレ類,ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)類,ポリアニリン,ポリ(N−置換アニリン),ポ
リ(3−置換アニリン),ポリ(2,3−置換アニリン
),ポリアセチレン類,ポリジアセチレン類,ポリアズ
レン,ポリピレン,ポリカルバゾール,ポリ(N−置換
カルバゾール),ポリセレノフェン,ポリフラン,ポリ
ベンゾフラン,ポリ(p−フェニレン)類,ポリインド
ール,ポリピリダジン,ポリアセンなどがあげられる。 以下に、上記材料のうちのいくつかの材料の構造式を示
す。
【0027】
【化1】
【0028】また、上記材料を2種類以上組み合わせた
ものや、共重合体としたものも用いることができる。ま
た、これらの材料の膜に電気的に電子の受容体であるア
クセプターとなる材料や、電子の供給体であるドナーと
なるような材料を膜中に含有させる操作であるドーピン
グを行った材料を用いてもよい。
【0029】上記π−共役系高分子を用いた有機材料層
2の作製方法としては、それらの材料にも依存するが、
スピンコート法,バーコート法,ロールコート法,キャ
スト法,電解重合法,真空蒸着法,ラングミュアーブロ
ジェット法,CVD法,ディップ法など有機薄膜を作製
する方法であればなんでもよい。
【0030】尚、電界を印加することによりキャリア蓄
積層を形成することができる無機材料としては半導体材
料が考えられるが、該無機の半導体材料は不透明である
ので光を導波せず、光デバイスとしては不適当である。
【0031】バッファー層5は、図に示すように、有機
材料層2と電極4の間に設けられており、バッファー層
5は有機材料層2で発生あるいは注入されたキャリアが
電極4に流入しないようにブロックする働きを有してい
る。このブロックにより、有機材料層2で発生あるいは
注入されたキャリアがバッファー層5との界面近傍に蓄
積し、キャリア蓄積層8が形成される。またキャリア蓄
積層8が光の導波路チャネルとして働くとき、通常の金
属などのような電極用の材料では、光の伝播に対して損
失層として作用するので、バッファー層5はこの作用を
緩衝する層としても働くことが必要である。従ってバッ
ファー層5の材料としては、デバイスで用いる光に対し
て吸収損失が少なく、有機材料層2の屈折率より低い屈
折率を有していればよく、SiO2 ,SiNなどの無
機絶縁材料や、ポリイミドなどの高分子系絶縁材料など
、種々の絶縁性材料が使用可能である。
【0032】電極3,4の材料としては、金やアルミニ
ウムなどの金属など、あらゆる材料が使用可能である。 また、金属以外でも導電率が高ければよく、高ドープし
た導電性高分子やITO(インジウムチウムオキサイド
)などが使用できる。
【0033】次に本実施例の素子の動作及び動作原理に
ついて説明する。電界が印加されていない場合、有機材
料層2は均一な屈折率n(有機材料)を有しており、バ
ッファー層5の屈折率n(バッファー)と比較して大き
い屈折率を有する層が導波路として動作することになる
。有機材料層2が導波路となる場合は電極3が損失層と
なり、バッファー層5が導波路となる場合には電極4が
損失層となって、図中に示す光入力6の方向から光が導
入されても伝播しないことになり、光出力7は小さく、
即ちオフ状態となる。
【0034】これに対して電極3と電極4の間に電界が
印加されたときには、キャリア蓄積層8が有機材料層2
のバッファー層5との界面近くに誘起される。誘起され
るキャリアがバッファー層5との界面に蓄積されるため
には、主要なキャリアが正電荷を有している場合には電
極4に負の電圧を、キャリアが負電荷を有している場合
には電極4に正の電圧を印加することが必要である。
【0035】このようにしてキャリア蓄積層8が形成さ
れるか否かは、この有機材料層2に導電性高分子である
ポリピロールを用いた金属−絶縁体−半導体(MIS)
構造における電圧−容量特性や、電界効果型トランジス
タ構造におけるトランジスタ特性から証明できる。
【0036】図2は、有機材料層2にp形半導体である
ポリピロールを用い、電極3に金,電極4にアルミニウ
ムを用い、バッファー層5にポリイミドを用いた場合の
電圧−容量特性である。図中の横軸は電極3を基準とし
て電極4に印加する電圧である。縦軸は電気容量である
。この場合、主要なキャリアは正孔であるから、図に示
すように、電極4に正の電圧が印加された場合は、電荷
がバッファー層5との界面からなくなるため電気容量は
小さくなる。一方、電極4に負の電圧が印加された場合
はキャリアがこの界面に集まってキャリア蓄積層8を形
成するために電気容量は大きくなる。
【0037】このようにして形成されたキャリア蓄積層
8は、有機材料層2のキャリア蓄積層8以外の部分より
屈折率が高くなり、また、バッファー層5の屈折率nよ
り高くなれば、キャリア蓄積層8は光導波路として動作
することになる。従って、光はこのキャリア蓄積層8に
主に閉じ込められて伝播することになり、出力はオン状
態となる。
【0038】このように第1の実施例では、バッファー
層5を介して有機材料層2に電界を印加し、キャリア蓄
積層8が誘起され屈折率が変化することにより、キャリ
ア蓄積層8が光導波路となるようにしたので、キャリア
蓄積層8への光の閉じ込めや、光スイッチとしの動作が
できる。さらに、キャリア蓄積層8は電極に沿った部分
に形成されるので、光は横方向、即ち有機材料層2内に
おいても閉じ込められることになり、横方向への光の拡
散を防ぐ効果がある。また、電極の構造を種々設計する
ことによってキャリア蓄積層8、即ち光導波路の構造を
変化させることができる。
【0039】図3は本発明の第2の実施例による光スイ
ッチングデバイスの構成を示す図である。図において、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示し、11は光入
力、12は光出力である。10は第1のバッファー層で
あるバッファークラッド層、9は第2のバッファー層で
あるバッファー導波層であり、第1の実施例で用いたバ
ッファー層5の代わりに上記バッファー導波層9と上記
バッファークラッド層10の2層構造の層が作製されて
いる。
【0040】バッファー導波層9は、その屈折率nがバ
ッファークラッド層10の屈折率n及び有機材料層2の
屈折率nより大きい材料を用いている。また、バッファ
ー導波層9及びバッファークラッド層10ともに電気絶
縁性の材料を用いている。
【0041】この2層は、第1の実施例におけるバッフ
ァー層5と同様に、電極3と電極4の間に印加される電
界に対して有機材料層2にキャリア蓄積層8を発生させ
るための絶縁層として働くものである。さらに、バッフ
ァー導波層9の屈折率が有機材料層2及びバッファーク
ラッド層10の屈折率より大きいので、バッファー導波
層9は光導波路として働く。
【0042】従って、電極3と電極4の間に電界が印加
されていない時、光入力11をバッファー導波層9に導
入すると、光は導波されて光出力12として出力される
。光出力12の強度は光入力11に対して大きく減衰す
ることはなく、オン状態であるとすることができる。 この時光は、有機材料層2,バッファー導波層9,バッ
ファークラッド層10の屈折率及び膜厚から決定される
導波モードに従って伝播することになる。
【0043】次に電極3と電極4の間に電界が印加され
た時、有機材料層2のバッファー導波層9との界面近く
にキャリア蓄積層8が形成される。このキャリア蓄積層
8は、第1の実施例と同様に有機材料層2の他の部分よ
り屈折率nが大きくなる。これによってバッファー導波
層9内を伝播する光の導波モードが変化することとなる
。このキャリア蓄積層8の屈折率nがバッファー導波層
9の屈折率nより大きくなる場合、バッファー導波層9
内への光の閉じ込め条件が破れ、導波していた光はキャ
リア蓄積層8へ漏れることになる。この場合、光はキャ
リア蓄積層8へ移ることになり、光が空間的にスイッチ
ングされることになる。
【0044】また、キャリア蓄積層8の屈折率がバッフ
ァー導波層9の屈折率より小さい時は導波モードが変化
することになる。この場合、光出力をプリズムあるいは
回折格子によって結合して取り出すことにより、導波モ
ードの変化に応じて結合角が変化するなどの現象を利用
して光出力を変化させることができる。
【0045】このように第2の実施例では、バッファー
層をバッファー導波層9とバッファークラッド層10と
の2層、即ち有機材料層2とバッファー層5との間に第
2のバッファー層を設けたので、光強度のスイッチとし
ての他に、光の空間的な偏向器としても用いることがで
きる。
【0046】なお、上記第2の実施例における電極3ま
たは電極4を複数のくし形電極構造とした場合、くし形
電極を横切る方向にバッファー導波層9の中を伝播する
光に対して、有機材料層2の中にできるキャリア蓄積層
8は周期構造を有することになり、屈折率変調型の回折
格子として働くことになる。即ちこの場合、バッファー
導波層9内を伝播する光に方向を変える偏向変調器とし
て動作することができる。
【0047】図4は、本発明の第3の実施例である光電
子複合デバイスの構造を示す図である。図において、図
1と同一符号は同一又は相当部分を示し、基本的な構造
は図1に示す第1の実施例と同じであるが、電極3と同
じ側に第3の電極13が設けられている。
【0048】電極3及び電極13を同じ電位に設定する
と、本実施例は第1の実施例と同じものとなり、光スイ
ッチ素子として動作する。また、本実施例は電界効果型
トランジスタとしても動作する。
【0049】図5はその接続回路の例を示したものであ
り、図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。このよ
うに有機材料層を半導体として用いた電界効果型トラン
ジスタは例えば特開昭62−85224号に既に報告さ
れており、例えば電極4にシリコン基板、バッファー層
5に酸化シリコンを用い、電極3,13を平行電極とし
て電界効果型トランジスタを作製し、キャリアの蓄積が
起こることによってトランジスタとしても動作するよう
にすることができる。
【0050】例えば、キャリア蓄積層8に蓄積されるキ
ャリアが正孔の場合、電極4には電極3に対して負の電
圧が印加されていることになるが、電極13にも負の電
圧を印加すると電極3がソース,電極4がゲート,電極
13がドレインとして動作する電界効果型トランジスタ
となる。
【0051】図6はその特性図を示したグラフである。 縦軸はソース電流、横軸はソースドレイン間電圧であり
、図に示すように、ゲート電圧を上げていくとソース電
流が上がっていく。
【0052】このように第3の実施例では、バッファー
層を介さない方の電極を電極3と電極13との2つとし
たので、1つの素子で光スイッチと電界効果型トランジ
スタとして動作する光・電子複合型デバイスが得られる
。そして、ゲートとなる電極4への印加電圧に対して、
光出力7と電極3と電極13との間に流れるドレイン−
ソース電流とが制御されるので、光の制御と電気信号の
制御が同時に行えるだけでなく、相互に接続すれば種々
の機能素子が作製できるという利点がある。
【0053】図7は、本発明の第4の実施例である光双
安定素子の構成と接続を示す図である。基本となる非線
形光学デバイスは、第1の実施例ないし第3の実施例の
デバイスを用いることができる。ここでは、第1の実施
例の光スイッチを用いた例について説明する。図におい
て、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し、15は
光伝導素子であり、光が入射すると抵抗が減少するフォ
トダイオードのようなものである。光出力7は光伝導素
子15に入射しており、光伝導素子15は、バイアス電
圧16が印加され負荷抵抗17を通して接地されている
。また、光伝導素子15と負荷抵抗17の中間からゲー
ト電圧18を取り出して電極4に印加している。
【0054】本実施例は光双安定素子として動作する。 第1の実施例で説明しているように、光出力7は電極4
に電圧が印加されていない場合は光が途中で散乱される
ため、オフ状態となる。この時、光出力7はほとんどな
いため、光伝導素子15は高抵抗状態となり、ゲート電
圧18は接地電位となり、電極4に電圧は印加されない
ことになる。ここで、光入力6の強度を大きくしていく
と光出力7の強度も少しずつ大きくなっていく。すると
、光伝導素子15の抵抗も下がっていくためゲート電圧
18が増加していく。ゲート電圧18が増加すると光出
力が増加するようになるので、これは正帰還になってい
る。従って、ある光入力の強度で光出力が急峻に立ち上
がることになる。
【0055】これに対して、そのオン状態から少しずつ
光入力の強度を減少させていくと、光入力6が立ち上が
り強度よりも小さくなっても、正帰還がかかっているの
で光出力はオン状態を維持する。しかし、少しずつ光伝
導素子に入射する光出力7が減少するため、ゲート電圧
18も減少し、最後にはある光入力強度で急激に光出力
7が減少することになる。
【0056】従って本実施例の素子では光入力強度と光
出力強度の間にヒステリシスが生じることになる。図8
はこの素子の動作を示す光入力と光出力との関係を示す
図であり、縦軸は光出力強度、横軸は光入力強度である
【0057】このように第4の実施例では導波路から出
力される光出力7が有機材料2への印加電界へ正帰還す
る構成としたので、光のひとつの入力強度に対して2つ
の安定状態をとるようになり、光論理素子として動作さ
せることができる。
【0058】なお、本発明は上記第1ないし第4の実施
例に限るものではなく、種々の変形,変更が可能である
【0059】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る非線形光学
デバイスによれば、光を導波する媒質の一部または全部
に有機材料を用い、電界を印加することによる有機材料
のキャリア蓄積による屈折率変化を利用して、光が導波
するチャネル効果や偏向効果などの現象、即ち光のスイ
ッチングや変調など、また上記有機材料に誘起されたキ
ャリア蓄積部分に光を閉じ込めるなど、導波路内での光
の導波態様を制御することができる新規な非線形光学デ
バイスを作製できるという効果がある。
【0060】また、基板上に設けられた有機材料層と、
これら有機材料層の光学特性を変化させる電界を印加す
るための電極対と、有機材料層と電極との間に設けられ
るバッファー層とを備えたので、有機材料層に誘起され
たキャリア蓄積層が光導波路となり、該キャリア蓄積層
への光の閉じ込めや光スイッチとしの動作など、導波路
内での光の導波態様を制御することができるという効果
がある。また、上記電極を複数とし、例えば偏向変調器
とすることができる等、光の導波態様を制御することが
できるという効果がある。
【0061】また、有機材料にπ−共役系高分子を用い
たので、電界によるキャリアの発生あるいは注入によい
特性を持つ非線形光学デバイスを得ることができるとい
う効果がある。また、バッファー層に絶縁性に優れてい
ると共に、デバイスで用いる光に対して吸収損失が少な
く、上記有機材料の層より低い屈折率を有する材料を用
いたので、キャリアが電極に流入するのをブロックする
と共に、電極の光の損失層としての作用を緩衝すること
ができ、よい特性を持つ非線形光学デバイスを得ること
ができるという効果がある。
【0062】また、上記有機材料の層と上記バッファー
層との間に第2のバッファー層を設けたので、光強度を
制御することの他に、光の空間的な偏向器としても用い
ることができるという効果がある。
【0063】また、導波路内での光の導波態様を制御す
ると同時にトランジスタとして動作するようにしたので
、1つの素子で光変調と電気信号の変調を行うことがで
きる複合型光電子デバイスを作製できるという効果があ
る。
【0064】また、この非線形光学デバイスの素子の光
と電気信号を正帰還するなどの接続を行ったので、光双
安定素子などの光情報処理などに必要不可欠なデバイス
を設計できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光スイッチングデ
バイスの構造を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における電圧−容量曲線
を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例による光スイッチングデ
バイスの構造を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例による光電子複合デバイ
スの構造を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例による光電子複合デバイ
スの電界効果型トランジスタの接続例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施例による光電子複合デバイ
スの電界効果型トランジスタの特性を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例による光双安定素子の構
成と接続を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例による光双安定素子の光
入出力強度の関係を示す特性図である。
【図9】従来のバルク型電気光変調素子の構成例を示す
図である。
【図10】従来の光導波路型電気光変調素子の構成例を
示す図である。
【符号の説明】
1            基板 2            有機材料層3,4,13 
 電極 5            バッファー層6,11  
    光入力 7,12      光出力 8            キャリア蓄積層9    
        バッファー導波層10       
   バッファークラッド層14          
ソース電流 15          光伝導素子 16          バイアス電圧17     
     負荷抵抗 18          ゲート電圧

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  光を導波する媒質を導波路として有す
    る導波路型光デバイスであって、上記媒質の一部または
    全部は有機材料からなり、該媒質の所要部に電界を印加
    して該有機材料の一部にキャリアを誘起させ、該キャリ
    アの蓄積により該有機材料の一部の屈折率を変化させ導
    波路内での光の導波態様を制御する手段を備えたことを
    特徴とする非線形光学デバイス。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の非線形光学デバイスに
    おいて、基板上に設けられた上記有機材料の層と、該有
    機材料の層の上下に設けられた電極対と、該電極対の一
    方又は両方と上記有機材料の層との間に設けられたバッ
    ファー層とを備え、導波路内での光の導波態様を制御す
    るようにしたことを特徴とする非線形光学デバイス。
  3. 【請求項3】  請求項2記載の非線形光学デバイスに
    おいて、上記電極対のうち一方又は両方の電極を複数と
    し、導波路内での光の導波態様を制御するようにしたこ
    とを特徴とする非線形光学デバイス。
  4. 【請求項4】  請求項2記載の非線形光学デバイスに
    おいて、導波路内に光が導波するか否かを制御するよう
    にしたことを特徴とする非線形光学デバイス。
  5. 【請求項5】  請求項1ないし4のいずれかに記載の
    非線形光学デバイスにおいて、上記有機材料は、π−共
    役系高分子であることを特徴とする非線形光学デバイス
  6. 【請求項6】  請求項1ないし5のいずれかに記載の
    非線形光学デバイスにおいて、上記バッファー層は、絶
    縁性に優れて、導波する光に対しての吸収損失が少なく
    、上記有機材料の層より低い屈折率を有するものである
    ことを特徴とする非線形光学デバイス。
  7. 【請求項7】  請求項2ないし6のいずれかに記載の
    非線形光学デバイスにおいて、上記有機材料より屈折率
    が大きくかつ上記バッファー層より屈折率が大きい第2
    のバッファー層を、上記有機材料の層と上記バッファー
    層との間に設け、光強度を制御、または光の空間的な偏
    向を制御するようにしたことを特徴とする非線形光学デ
    バイス。
  8. 【請求項8】  請求項1ないし7のいずれかに記載の
    非線形光学デバイスにおいて、上記電極対のうちバッフ
    ァー層を介さない方の電極を複数とし、導波路内での光
    の導波態様を制御すると同時にトランジスタとして動作
    するようにしたことを特徴とする非線形光学デバイス。
  9. 【請求項9】  請求項1ないし8のいずれかに記載の
    非線形光学デバイスにおいて、上記導波路から出力され
    る光出力が上記媒質への印加電界へ正帰還する構成とし
    、光入力に対して光出力強度が双安定状態を示すように
    したことを特徴とする非線形光学デバイス。
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