JPH04330396A - 血液ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人工心肺用血液ポンプ
、心臓代用血液ポンプ、補助心臓、人工心臓等に適用さ
れる血液ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の血液ポンプとして種々の
方式のものが知られている。例えば、弾性管をロ−ラで
しごいてその弾性管内部の血液を順次押し出して送り出
す方式のロ−ラ−ポンプ、弾性管を順次圧迫子で圧閉し
ていくことにより血液を押し出すフィンガ−ポンプ、逆
止弁を出入り口に設けてピストンやダイアフラムを往復
運動させて血液を吸入拍出する容積式の血液ポンプ、回
転子が回転するとポンプハウジングとの間の容積が変化
し血液を吐き出すロ−タリ−型の血液ポンプ、羽根車を
高速回転して血液に遠心力を与えて吐き出す遠心ポンプ
や、羽根が歳差運動をするティ−スプ−ン型遠心ポンプ
等である。

【０００３】また、略偏平で円筒状のポンプ室内に揺動
子を設け、この揺動子を揺動運動させることにより、溶
血等を生じないで血液に遠心力を与えて送血するポンプ
も知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のロ−
ラポンプや揺動型遠心血液ポンプでは、ポンプ室が空の
時に吸引力が発生しないし、また、血液ポンプの使用が
終了した時に、ポンプ室内の血液を全て生体へ戻すこと
が難しいという問題がある。

【０００５】本発明の目的は、ポンプ室が空の時にも吸
引力を生じさせると共に、使用終了後、ポンプ室内の血
液を簡単に生体へ戻すことができる血液ポンプを提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の血液ポンプは、
略偏平で円筒状のポンプ室と、このポンプ室上面の略中
心部付近に設けられた流入口と、上記ポンプ室の周部上
に設けられた流出口と、上記ポンプ室内に配設され、ポ
ンプ室の内周面と略同心円状の揺動子と、この揺動子に
揺動運動を与えて上記ポンプ室内の血液に回転流を起こ
すための揺動子駆動手段と、上記ポンプ室内の容積を可
変するための容積可変手段とを具備したことを特徴とし
ている。

【０００７】

【作用】本発明の血液ポンプでは、ポンプ室が空でも容
積可変手段によりポンプ室内の容積を拡張することによ
って血液が吸引され、使用終了時には、容積可変手段に
よりポンプ室内の容積を縮小することによってポンプ室
内の血液は生体へ戻る。

【０００８】

【実施例】以下図面を参照しながら本発明の実施例につ
いて説明する。

【０００９】図１は、本発明の第１の実施例を示してい
る。図１に示すように、本実施例の血液ポンプ１は、ポ
ンプ室３を形成する略偏平円筒状のケ−シング２を備え
、このケ−シング２にはポンプ室３の中心軸の近傍に位
置して流入口４が形成され、ポンプ室３の周面上には流
出口５が形成されている。図示しないが、このポンプ室
３の円周部は次第にその直径が大きくなる渦巻型ケ−シ
ングを構成している。

【００１０】上記ポンプ室３の内部には、揺動運動を行
う円板状の揺動子６が設置されている。この揺動子６は
ポンプ室３の直径に近い直径を有している。また、揺動
子６は例えば円形のプレ−トに永久磁石を埋設すること
により形成されている。そして、ポンプ室３の内面、お
よび揺動子６の表面には全て抗血栓性材料でコ−ティン
グされている。

【００１１】上記ポンプ室３を構成するケ−シング２の
下部には、揺動子駆動手段としての磁力を発生する揺動
子駆動部７が設けられている。この揺動子駆動部７には
、複数の電磁石が配設され、この電磁石の極性を順番に
切換えることができる。従って、揺動子駆動部７の複数
の電磁石の極性を順番に切替えることにより、揺動子と
揺動子駆動部が磁気的に結合し、揺動子がポンプ室内で
揺動運動する。

【００１２】上記ポンプ室３内には、揺動子６を挟んで
その上下にポンプ室内の容積可変手段としての第１のバ
ル−ン１０と第２のバル−ン１１が設けられている。ま
た、ケ−シング２の上部と下部には、第１の空気穴１３
と第２の空気穴１４が形成されている。そして、第１の
空気穴１３は第１のバル−ン１０と連通し、第２の空気
穴１４は第２のバル−ン１１と連通している。

【００１３】図１に示すように第１の空気穴１３と第２
の空気穴１４は、送気／吸引装置１５に接続されている
。従って、送気／吸引装置１５によって第１及び第２の
バル−ン１０，１１に空気等を送気し、または吸引する
ことにより、第１及び第２のバル−ン１０，１１を膨脹
させたり、収縮させたりすることができる。

【００１４】次に、第１の実施例に係わる血液ポンプの
動作について説明する。

【００１５】この血液ポンプの使用時に、まず、送気／
吸引装置１５から空気を供給することにより第１及び第
２のバル−ン１０，１１を拡張すると、これらのバル−
ンはポンプ室３内に充満し、ポンプ室３の容積を縮小さ
せる。

【００１６】次に、血液ポンプ１の流入口４と流出口５
を体外循環系に接続する。そして、送気／吸引装置１５
の吸引により第１及び第２のバル−ン１０，１１を収縮
させると、生体からポンプ室３内への吸引力が生じて、
血液がポンプ室３内へ充満される。

【００１７】この状態で、揺動子駆動部７によって揺動
子６を揺動運動させると、血液に遠心力が発生し、この
遠心運動によって運動エネルギを持った血液は、ケ−シ
ング２の外周面に沿って流出口５に向かい、流出口５か
ら吐出される。また、血液の流出口方向への移動に伴い
、ケ−シング２の流入口４近傍の圧力は低下し、あらた
に血液が吸引される。そして、血液が流入口４から供給
される限り、血液は揺動子６によって運動エネルギを与
えられ、流出口から吐き出され続け、タ−ボ型のポンプ
としての機能を発現する。

【００１８】体外循環終了時には、第１及び第２のバル
−ン１０，１１を再び拡張すると、ポンプ室３の容積が
縮小し、ポンプ室３内に残っている血液はバル−ンによ
り押されてポンプ室外へと送られる。

【００１９】第１の実施例に係わる血液ポンプでは、ポ
ンプ室内に血液が満たされていない状態でも血液を吸引
することができるので、使用開始時における繁雑な操作
が不要となる。

【００２０】また、使用終了時にポンプ室内の血液を全
て生体へ戻すことが可能となり、生体への負担を軽減で
きる。

【００２１】さらに、未使用時には、揺動子をバル−ン
で挟み込むことにより、揺動子の移動による破損を防止
することができる。

【００２２】次に、図２を参照しながらは本発明の第２
の実施例について説明する。

【００２３】この第２の実施例では、ポンプ室３はポン
プ上カバ−２０とポンプ下カバ−２１とで構成されてい
る。ポンプ室３内に配置された揺動子６は、ポンプ下カ
バ−２１の下部に配置された揺動子駆動部７の磁力によ
り、揺動運動するようになっている。

【００２４】上記揺動子駆動部７の下方には昇降部２３
が取り付けられ、揺動子駆動部７を上下運動させるよう
に構成されている。また、ポンプ下カバ−２１とポンプ
上カバ−２０との間には、伸縮自在な弾性膜２４が設け
られている。

【００２５】次に第２の実施例に係わる血液ポンプの動
作について説明する。

【００２６】まず、揺動子駆動部７を昇降部２３により
上方に持上げてポンプ室３内の容積を縮小させる。

【００２７】この状態で、血液ポンプ１の流入口４と流
出口５を体外循環系に接続し、揺動子駆動部７を下降さ
せる。その結果、ポンプ室３内に吸引力が発生し、ポン
プ室３内に血液が充満される。

【００２８】使用終了後は、揺動子駆動部７を持上げて
、ポンプ室３内に残った血を体内へ押し戻す。従って、
この第２の実施例に係わる血液ポンプは第１実施例と同
様の効果を奏する。

【００２９】図３は血液ポンプの流出口における変形例
を示している。

【００３０】この変形例は、上述の血液ポンプにおいて
流出口を２つ設けたものである。つまり、第１の流出口
３０と第２の流出口３１とを有している。

【００３１】この血液ポンプを人工心臓として用いる場
合には、流入口４を肺静脈に、第１の流出口３０を総頸
動脈に、第２の流出口３１を下行大動脈へ接続する。な
お、第１の流出口３０と第２の流出口３１の断面積は、
夫々必要な流量に合わせて設定する。

【００３２】このように２つの流出口を有する血液ポン
プを人口心臓として用いることにより、簡単な構造で頭
部と腹部へ必要な流量の血液を送液することが可能とな
る。

【００３３】また、第１の流出口３０と第２の流出口３
１の位置を夫々接続する血管方向へ向けて設けることに
より、患者の心臓を摘出した狭い胸腔内に人口心臓を挿
入することが可能となる。

【００３４】さらに、この血液ポンプでは、ポンプの流
出口と血管を接続する人工血管を分岐させる必要がなく
、構造が簡単で血栓の発生を抑制することができる。

【００３５】図４は第２の変形例を示している。この変
形例はバイオポンプ型遠心ポンプにおいて流入口４に比
較的近い第１の流出口３０と比較的遠い第２の流出口３
１とを設けたものである。

【００３６】この変形例では、ポンプ室内で血液が回転
した時に、第１の流出口３０の部位と第２の流出口３１
の部位の夫々の流速をＮａ，Ｎｂとすると、Ｎａ＜Ｎｂ
となり、第２の流出口３１から流出する流量が多くなる
。従って、生体内の複数の対象部へ夫々必要な流量の血
液を送液することが可能となる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の血液ポン
プでは、ポンプ室が空の状態でも血液を吸引することが
できるので、始動時の操作が簡単になる。また、使用終
了時にポンプ室内の血液を簡単に生体へ戻すことができ
るので、患者の血液を無駄にすることがなく、患者への
負担が軽減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の第１の実施例に係わる血液ポン
プを示す断面図である。

【図２】図２は本発明の第２の実施例に係わる血液ポン
プを示す断面図である。

【図３】図３は血液ポンプの流出口の変形例を示す平面
図である。

【図４】図４は血液ポンプの流出口の他の変形例を示す
側面図である。

【符号の説明】

１…血液ポンプ、３…ポンプ室、４…流入口、５…流出
口、６…揺動子、７…揺動子駆動部、１０…第１のバル
−ン、１１…第２のバル−ン、２３…昇降部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　略偏平で円筒状のポンプ室と、このポ
   ンプ室上面の略中心部付近に設けられた流入口と、上記
   ポンプ室の周部上に設けられた流出口と、上記ポンプ室
   内に配設され、ポンプ室の内周面と略同心円状の揺動子
   と、この揺動子に揺動運動を与えて上記ポンプ室内の血
   液に回転流を起こすための揺動子駆動手段と、上記ポン
   プ室内の容積を可変するための容積可変手段とを具備し
   たことを特徴とする血液ポンプ。