JPH04295157A - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置

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JPH04295157A
JPH04295157A JP8351291A JP8351291A JPH04295157A JP H04295157 A JPH04295157 A JP H04295157A JP 8351291 A JP8351291 A JP 8351291A JP 8351291 A JP8351291 A JP 8351291A JP H04295157 A JPH04295157 A JP H04295157A
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cam
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cylinder
timing
fuel
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Inventor
Kuniaki Sawamoto
沢本 国章
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は運転条件によってカム
を切換えるカム切換機構を備えるエンジンの出力制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸排気弁を駆動する動弁装置
は、エンジンの要求する出力特性に合わせて、最適なバ
ルブタイミングが得られるように設定されている。
【0003】ところが、この要求バルブタイミングはエ
ンジンの運転条件によってそれぞれ異なり、たとえば低
負荷域ではバルブリフト、開弁期間はともに小さく、こ
れに対して高負荷域では大きなバルブリフトと開弁期間
が要求される。自動車用エンジンのように運転条件が広
範囲にわたるものは、バルブタイミングをどの運転領域
を対象とするかがなかなか難しく、いずれにしても、す
べての運転条件で最適なマッチングとすることはできな
い。
【0004】そこで、特開昭63−167016号公報
にあるように、カム特性(カムプロフィル)の異なる複
数のカムを備えておき、運転条件によってカムの切換を
行うことにより、それぞれにおいて最適なバルブタイミ
ングで運転することを可能とした、可変動弁装置が提案
されている。
【0005】これは低回転域で高いトルクをもつ低速型
のカムと、高回転域で高いトルク特性の高速型カムとを
、運転条件により切換えるもので、低速域から高速域ま
で高出力を発揮させようとするものである。また、これ
に加えて部分負荷域での燃費特性にすぐれた燃費カムを
備え、部分負荷域での燃費向上を図ることも提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カムを切換
えると、スロットル開度が変化しなくてもシリンダの吸
気充填効率がカム特性によって大きく変わる。この吸気
充填効率の変化によっても、切換の前後で空燃比がフラ
ットになるように、また切換後も最大のトルクが得られ
るように、燃料供給量や点火時期を全気筒同時に変更し
ていた。
【0007】一方、カムの切換は切換運転条件が判断さ
れると、各気筒のカム切換アクチュエータをいっせいに
駆動して行うのであるが、カムの切換が指令されてから
実際に切換が終了するまでにはある時間がかかり、しか
もクランク角度によっては切換が不能な範囲もあるので
、カムの切換は、すべての気筒で同時に終了するとは限
らず、多くは気筒ごとに時間をおいて行われる。
【0008】こうして気筒間で切換タイミングがずれる
ときは、すべての気筒が切換えられるまでに、変更した
後の燃料供給量や点火時期と実際のカムの状態とが合わ
ない気筒が生じる。
【0009】たとえば、選択されるカムとして、低回転
域と高回転域とで全開出力(トルク)を重視した特性の
2つの出力カム(あるいは全回転域での出力を重視した
特性の単一の出力カム)と、部分負荷域で燃費を重視し
た燃費カムとを備えている場合、燃費カムから出力カム
への切換は、出力カムでの吸気充填効率が相対的に高い
ことから、切換後も同じ空燃比を保つため、燃料供給量
が増やされる。しかしながら、実際のカムが切換前の燃
費カムにある気筒では、燃料量が多すぎて、空燃比がリ
ッチ側にずれるため、気筒間で空燃比がバラツキ、気筒
全体としての排気組成を悪くするのである。
【0010】また、燃料供給量が切換の前後で同一のと
き、出力カムへの切換後も、点火時期が、最大トルクの
得られる最小進角値、いわゆるMBTとなるようにする
には、切換後に空燃比がリーン側に移行する分だけ点火
時期を進角して燃焼状態をよくしなければならない。し
かしながら、実際のカムが切換前の燃費カムにある気筒
では、この点火時期の進角により燃焼が進み過ぎて、M
BTとならならかったりノッキングを生じてしまうので
ある。この逆に燃費カムへの切換時に、実際のカムが切
換前の出力カムにある気筒では、点火時期がMBTから
ずれて最大トルクが得られない。
【0011】そこで本発明は、気筒別に実際のカム切換
タイミングに同期させて、切換後のカムに合った燃料供
給量や点火時期に変更することにより、各気筒のカム切
換が異なるタイミングで実行されるときでも、要求され
る燃料や点火時期と実際のカムの状態とが不一致となる
気筒が生じないようにはかる装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで第1の発明は、図
1で示すように、出力特性の異なるカムプロフィルをも
つ複数のカム1と、運転状態に応じてカム1の選択・切
換を判定する手段2と、選択されたカム1により吸排気
弁の少なくとも一方を駆動するようにカム1を切換える
カム切換機構3とを備えたエンジンにおいて、気筒別に
カムの切換えられたタイミングを判定する手段4と、こ
のカム切換タイミングに同期して、気筒別に切換後のカ
ムに対応した燃料供給量か点火時期に変更する手段5と
を備える。
【0013】第2の発明は、図2で示すように、出力特
性の異なるカムプロフィルをもつ複数のカム1と、運転
状態に応じてカム1の選択・切換を判定する手段2と、
選択されたカム1により吸排気弁の少なくとも一方を駆
動するようにカム1を切換えるカム切換機構3とを備え
たエンジンにおいて、気筒別にカムの切換えられたタイ
ミングを判定する手段4と、このカム切換タイミングに
同期して、切換前後の吸気充填効率のずれに応じて、気
筒別に切換後のカムに対応した燃料供給量に変更する手
段6とを備える。
【0014】第3の発明は、図3で示すように、出力特
性の異なるカムプロフィルをもつ複数のカム1と、運転
状態に応じてカム1の選択・切換を判定する手段2と、
選択されたカム1により吸排気弁の少なくとも一方を駆
動するようにカム1を切換えるカム切換機構3とを備え
たエンジンにおいて、気筒別にカムの切換えられたタイ
ミングを判定する手段4と、このカム切換タイミングに
同期して、切換前後の吸気充填効率のずれに応じて、気
筒別に切換後のカムに対応した燃料供給量と点火時期に
変更する手段7とを備える。
【0015】
【作用】第1の発明では、運転状態に応じてカムの切換
が指令されると、実際のカム切換タイミングが気筒別に
判定され、その切換タイミングに応じて燃料と点火時期
の一方の変更が気筒別に実行される。
【0016】このため、カムの切換タイミングが気筒間
で時間をおいて行われるときでも、要求される燃料や点
火時期とカムの実際の状態との不一致が確実に回避され
る。
【0017】第2の発明では、カムの切換に伴い同一の
回転数と吸入負圧のもとでも新気のシリンダへの充填効
率が大幅に変動することにより、要求空燃比を得るため
の燃料供給量も大きく変化するが、切換前後の吸気充填
効率のずれに応じて、燃料供給量が変更されると、切換
後の吸気充填効率に正しく対応した燃料が与えられ、燃
料とカムの実際の状態との不一致に伴う空燃比の気筒バ
ラツキが確実に回避される。
【0018】第3の発明では、切換前後の吸気充填効率
のずれに応じて、さらに点火時期についても変更される
と、切換後の吸気充填効率に正しく対応した点火時期が
与えられる。
【0019】
【実施例】まず、図4,図5に可変動弁装置の具体的な
構成を示すが、これ自体は本出願人により、特願平2−
117261号として、既に提案されている。
【0020】21は燃費重視型のカムプロフィルに設定
され、カムリフトおよびリフト区間のともに小さい第1
カム(燃費カム)、22は低回転域で高トルクを発生す
るカムプロフィルに設定され、前記第1カム21よりも
カムリフトが相対的に大きい第2カム(低速型出力カム
)、23は高回転域で高トルクを発生するカムプロフィ
ルに設定され、第2カム22よりもカムリフト、リフト
区間の大きい第3カム(高速型出力カム)で、これらは
同一のカムシャフトに並列的に設けられる。
【0021】24は吸・排気弁(吸気弁または排気弁)
、25はローラ26を介して前記第1カム21と常時接
触するメインロッカーアームで、ロッカーシャフト27
を支点に揺動して、吸・排気弁24を開閉する。
【0022】メインロッカーアーム25にはシャフト3
0を支点にして揺動する2つのサブロッカーアーム28
,29が前記ローラ26と並列的に支持され、一方のサ
ブロッカーアーム28は前記第2カム22と、他方のサ
ブロッカーアーム29は前記第3カム23と接触する。
【0023】これらサブロッカーアーム28,29はメ
インロッカーアーム25と係合していないときは、ロス
トモーションスプリング31により常時第2,第3カム
22,23に接触するように付勢され、メインロッカー
アーム25からは独立して運動(揺動)する。
【0024】これらサブロッカーアーム28,29をメ
インロッカーアーム25に対して選択的に係合するため
、まず一方のサブロッカーアーム28の揺動部位には円
柱形のピン32が、またメインロッカーアーム25にも
このピン32と同軸上にピン34が、それぞれカムシャ
フト方向に摺動自在に配設され、かつこれらピン32,
34は常時はリターンスプリング36に付勢されて図4
の状態に保持され、メインロッカーアーム25との係合
を解かれているが、ピン34の収装された油圧室38に
通路40を介して圧油が導かれると、ピン32と34が
所定量だけ押し出されて、サブロッカーアーム28がメ
インロッカーアーム25と係合するようになっている。
【0025】サブロッカーアーム28がメインロッカー
アーム25と一体になるのは、第1カム21および第2
カム22がベースサークルにあるときで、一体後は第1
カム21よりもリフトの大きい第2カム22にしたがっ
たバルブタイミングに切換わる。
【0026】つまり、第1カム21による燃費重視の特
性から、第2カム22による低回転域での出力重視特性
に切換えられるのである。
【0027】他方のサブロッカーアーム29についても
、これと同様に構成され、油圧室39に通路41を介し
て圧油が導かれると、ピン35と33がリターンスプリ
ング37に抗して押し出され、サブロッカーアーム29
がメインロッカーアーム25に係合することにより、バ
ルブタイミングは前記と同じく第1カム21よりもリフ
ト、リフト区間のともに大きい第3カム23に依存する
ように切換えられ、高回転域での出力重視の特性が得ら
れるのである。
【0028】なお、図6に第1カム21から第3カム2
3までのバルブリフト特性を示す。そして、各カムを用
いたときの全開出力特性は、図7のようになり、第1カ
ムによれば、発生トルクは低いものの燃費がよく、第2
カムでは低回転域での最大トルクが最も高く、第3カム
23は低回転域での発生トルクは第2カム22よりも小
さいものの、高回転域での最大トルクは最も大きくなる
【0029】ところで、第1カム21から第2、第3カ
ム22,23への切換や、その反対に第2、第3カム2
2,23から第1カム21への切換を制御するために図
8に示すようなコントロールユニット51が備えられ、
運転状態によって最適なカムが選択されるのである。
【0030】コントロールユニット51におけるこのカ
ムの選択は図7の特性に基づいて、要求するトルクと回
転数がたとえば燃費カムである第1カム21の領域にあ
るときはこの燃費カムを使い、この状態からアクセル開
度が増加して要求トルクが燃費カムの領域を外れてたと
えば低速型出力カムである第2カム22の領域に移行す
ると、燃費カムから低速型出力カムに切換えられ、また
、回転数が低回転域から高回転域に上昇してくると、高
速型出力カムである第3カム23に切換えられるのであ
る。
【0031】このため、図8にも示すように、コントロ
ールユニット51にはエンジン回転数、クランク角度位
置を検出するクランク角センサ52、アクセルペダルの
操作量(踏み込み量)を検出するアクセル操作量センサ
53、吸入空気量を検出するエアフローセンサ54から
の信号が入力し、これらに基づいて上記のようにカムの
切換時期が判断されたら、前記2つの油圧室38,39
への油圧の切換を行う電磁弁45と46の作動を制御す
るのである。
【0032】電磁弁45が開かれると第2カム22を働
かせるために油圧室38にオイルポンプからの圧油が導
かれ、他方の電磁弁46を開くことにより今度は第3カ
ム23を働かせるため油圧室39に圧油が導かれるので
ある。
【0033】実際には、カムの切換が指令されてから実
際に切換が終わるまでにはある時間がかかることなどか
ら、すべての気筒でカムの切換が終了するまでには、既
に切換わっている気筒とまだ切換の終了していない気筒
とが混在する。
【0034】ところで、カム切換に伴い新気のシリンダ
への充填効率が大きく変化し、出力カムと燃費カムとで
要求される燃料供給量が異なるため、カム切換指令に同
期して全気筒同時に、切換後のカムに合った燃料量に変
更すると、上記のようにカム切換の終了していない気筒
では、燃料量が要求値よりも多すぎたり不足したりして
、空燃比がバラツク。
【0035】そこで、こうした現象を回避するために、
コントロールユニット51は、インジェクタ59から噴
射される燃料供給量の変更を、気筒別に実際にカムの切
換えられたタイミングに同期して実行されるようになっ
ていて、これにより、カム切換直後の空燃比のバラツキ
を確実に防止するのである。
【0036】なお、コントロールユニット51には前記
カム切換領域を判定するためのエンジンパラメータに加
えて、実際にカムの切換が行われたことを判定するのに
必要なパラメータとして、吸気マニホールドの吸入負圧
を検出するための吸入負圧センサ62、シリンダ内の圧
力を検出する筒内圧センサ63、前記油圧室38,39
に作用するアクチュエータ油圧を検出する油圧センサ6
4,あるいはカムシャフトの駆動トルクを検出するトル
クセンサ65などからのカム切換に相関性のあるこれら
エンジンパラメータが入力し、カム切換に伴って生じる
あらかじめ求められた変動特性と比較することにより、
実際のカム切換タイミングを気筒別に判定するようにな
っている。
【0037】図9はコントロールユニット51により、
これら気筒別のカム切換タイミングの判定結果に基づい
て実行される燃料の制御動作を示すフローチャートであ
るが、これを参照しながら作用について説明する。なお
、ここでは具体的に燃費カムから出力カムへの切換時で
説明する。
【0038】ステップ1,2でエアフローセンサ54か
ら吸入空気量Qa、クランク角度センサ52の出力から
回転数Nを読みとり、これらの値から、次式により全気
筒に共通な基本噴射パルス幅Tpを次式により計算する
(ステップ3)。 Tp=K・(Qa/N)…(1)
【0039】ここで、このTpの値は要求空燃比(三元
触媒方式では理論空燃比)をえるため、燃費カムに対し
1燃焼サイクルに必要とされる1気筒当たりの燃料量に
相当する。
【0040】そして、運転状態がカムの切換領域にきた
かどうかを図7をもとに判定し、切換の必要性が判定さ
れたら、燃費カムから出力カムへの切換かどうかを判断
する(ステップ4)。
【0041】燃費カムから出力カムへの切換時であるた
め、ステップ5〜8に進んで、気筒別に切換タイミング
を判定する。
【0042】ここでは、4気筒エンジンを例にとり、簡
単のため1番気筒から切換わり、しかも1−2−3−4
番気筒の順に切換わるものとすると、切換気筒数(切換
気筒番号)を格納するメモリに初期値として“0”が入
っており、同メモリに1番気筒が切換わったタイミング
で“1”が入り、以下2番気筒が切換わったタイミング
で“2”が、3番気筒が切換わったタイミングで“3”
が、4番気筒が切換わったタイミングで“4”が入る。
【0043】なお、後述するように、気筒ごとのカムの
切換タイミングに同期させて、燃料供給量を気筒別に計
算するため、気筒番号である1〜4の数字をつけて、気
筒別の基本噴射パルス幅をT1■T4で区別する。
【0044】上記の切換気筒数をステップ5でみて、い
ずれの気筒も切換わってなければ、このときの基本噴射
パルス幅は全気筒とも同じでよい。つまりTn=Tpで
ある(ステップ9)。ただし、nは気筒番号を表す1〜
4の数字である。
【0045】なお、カム切換が指令されてから実際にカ
ムが切換わるまでには、アクチュエータなどの応答遅れ
があるので、この間はステップ9を通るのである。
【0046】その後、切換気筒数が“1”となったこと
より1番気筒でカムが実際に切換わったタイミングにあ
ると判断すると、1番気筒についての基本噴射パルス幅
T1を次式により計算する(ステップ6,10)。 T1=Tp・(ηb/ηa)…(2)
【0047】ここで、ηaは切換前のカム(つまり燃費
カム)に対する充填効率、ηbは切換後のカム(つまり
出力カム)に対する充填効率である。カムの切換に伴い
シリンダへの吸気充填効率がよくなってシリンダに入る
空気量が増しているのに、切換前と同じ燃料量をインジ
ェクタ59より噴いたのでは、空燃比が要求値よりもリ
ーン側にずれてしまうので、これを避けるため、切換前
後の充填効率の比(ずれ)に相当する分だけ余分に燃料
を噴くのである。なお、充填効率の差を用いることもで
きる。
【0048】これに対して、1番気筒だけが切換えられ
たとき、他の3つの気筒(2〜4番気筒)についてはま
だ切換えられてないのであるから、次式により残りの3
つの気筒について基本噴射パルス幅T2〜T4を計算す
る。 T2=T3=T4=(4Tp−T1)/3…(3)
【0
049】ここでは、T2=T3=T4=Tpとしていな
い。それは、要求空燃比を得るため、全気筒について1
燃焼サイクルに必要となる燃料相当量は4Tpであり、
これから1番気筒に対する燃料分を差し引いた残りを、
3つの気筒で等しく分配するためである。つまり、カム
切換の指令が出されていても、いまだ切換えられていな
い気筒に対して、Tpを割り振ったのでは、全気筒分勘
定で、空燃比がリッチ側にずれてしまうので、カムの切
換えられた気筒に対して余分に燃料を噴く分、残りの気
筒に供給する燃料を減らすことで、気筒全体としても、
要求空燃比からはずれないようにするのである。
【0050】2番気筒のカム切換タイミングになると(
ステップ7)、2番気筒に与える基本噴射パルス幅T2
は、1番気筒と同じになり(ステップ12)、また4T
pから1,2番気筒に対する分を除いた燃料を残りの2
つの気筒で分配する(ステップ13)。これを式に表せ
ば、 T2=T1=Tp・(ηb/ηa)…(4)T3=T4
=(4Tp−2T1)/2…(5)である。
【0051】同様にして、3番気筒が切換えられたとき
は、次式 T1=T2=T3=Tp・(ηb/ηa)…(6)T4
=4Tp−3T1…(7) による(ステップ8,14,15)。
【0052】4番気筒のカム切換タイミングですべて気
筒についてのカム切換が終了する。したがって、このと
きに与える基本噴射パルス幅は、次式 Tn=Tp・(ηb/ηa)…(8) のようにふたたび4気筒とも同じになる(ステップ16
)。
【0053】このようにして、切換後のカムにあう燃料
供給量を、気筒別に切換タイミングに合わせて与えるよ
うにすることで、カム切換が気筒間で同時に行われない
ときでも、要求空燃比からずれる気筒がなくされ、かつ
、要求空燃比を得るために必要な全気筒分の燃料量から
、すでに切換えられた気筒に供給する燃料分を差し引い
た残りを、まだ切換の終了していない気筒に分配するこ
とで、気筒全体としても空燃比バラツキが避けられるの
である。
【0054】次に、図10、図11は他の実施例で、こ
れは上記のようにして計算した気筒別の基本噴射パルス
幅T1〜T4に合わせて点火時期をも変更するようにし
たものである。なお、図9と同一の部分には同一の符号
を付している。
【0055】点火進角値ADV(点火時期)には、いわ
ゆるMBTが選ばれ(MBTでもノッキングを生じるよ
うだと、ノッキングの生じない位置まで遅角される)、
そのときの回転数Nと基本噴射パルス幅Tpからマップ
を参照して読み出されるのであるが、上記のように気筒
ごとにカムの切換タイミングに合わせて異なる基本噴射
パルス幅T1〜T4を計算しているのに、点火時期が全
気筒で同一では、MBTからずれる気筒やノッキングが
発生する気筒が生ずる。
【0056】そこで、上記の基本噴射パルス幅T1〜T
4に対応させて、気筒別に点火進角値ADV1■ADV
4を求めるのである(ステップ21〜34)。なお、A
DVに付した1〜4は気筒番号である。
【0057】たとえば、1番気筒が出力カムに切換えら
れたとき、1番気筒と残り3つの2〜4番気筒で基本噴
射パルス幅が異なるので(ステップ10,11)、1番
気筒に対しては、T1とNから定まる点火進角値ADV
b(=ADV1)を、残り3つの気筒に対して、T2と
Nから定まる点火進角値ADVc(=ADV2=ADV
3=ADV4)を、マップを参照して求めるのである(
ステップ23〜26)。このとき、ADV1<ADV2
であり、出力カムに切換えられた1番気筒では、燃費カ
ムのままである残りの気筒よりも、燃料供給量が増やさ
れた分、遅く点火することで、1番気筒でもノッキング
を回避しつつ最大のトルクを得るのである。もちろん、
残り3つの気筒で最大のトルクが得られることはいうま
でもない。
【0058】こうして、気筒ごとにカム切換タイミング
に対応して、点火時期をも変更することで、カムの切換
途中に要求点火時期と実際のカムの状態とがあわず、ノ
ッキングを生じたり、最大トルクの得られない気筒が生
ずることを防ぐことができる。
【0059】なお、参照する点火進角値のマップは、N
とTpをパラメータとする従来のマップでかまわない。
【0060】後の実施例では、気筒別にカム切換タイミ
ングに合わせて燃料供給量と点火時期の両方を変更して
いるが、先の実施例に対応するものとして、点火時期だ
けを、気筒別にカム切換タイミングに合わせて変更する
ことも考えられる。
【0061】また、実施例では燃費カムから出力カムへ
の切換時で説明したが、この逆の場合も本発明を適用す
ることができる。
【0062】最後に図9〜図11のフローチャートと図
1〜図3との対応は次の通りである。ステップ4がカム
選択・切換判定手段2、ステップ5〜8がカム切換タイ
ミング判定手段4、ステップ9〜16が燃料・点火時期
変更手段5と燃料供給量変更手段6、ステップ9〜16
、21〜34が燃料・点火時期変更手段7の各機能を果
たしている。
【0063】
【発明の効果】以上のように第1の発明は、気筒別にカ
ムの切換えられたタイミングを判定し、このカム切換タ
イミングに同期して、気筒別に切換後のカムに対応した
燃料供給量か点火時期に変更するため、カムの切換タイ
ミングが気筒間で時間をおいて行われるときでも、要求
される燃料や点火時期とカムの実際の状態との不一致を
確実に回避できる。
【0064】第2の発明は、気筒別にカム切換タイミン
グに同期して切換後のカムに対応した燃料供給量に変更
するのを、切換前後の吸気充填効率のずれに応じて行う
ため、切換後の吸気充填効率に正しく対応した燃料を与
えることができ、燃料とカムの実際の状態との不一致に
伴う空燃比の気筒バラツキや排気組成の悪化を確実に回
避できる。
【0065】第3の発明では、切換前後の吸気充填効率
のずれに応じて、さらに点火時期をも変更するため、カ
ムが異なるタイミングで切換えられるときでも、ノッキ
ングが発生したり、最大のトルクが得られない気筒が生
じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】第2の発明のクレーム対応図である。
【図3】第3の発明のクレーム対応図である。
【図4】この発明の実施例を示す平面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】バルブリフトの特性図である。
【図7】各カムを用いたときの全開出力の特性図である
【図8】制御系統のブロック図である。
【図9】コントロールユニットで実行される制御動作を
示すフローチャートである。
【図10】他の実施例のコントロールユニットで実行さ
れる制御動作を示すフローチャートである。
【図11】同じく他の実施例のコントロールユニットで
実行される制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1  カム 2  カム選択・切換判定手段 3  カム切換機構 4  カム切換タイミング判定手段 5  燃料・点火時期変更手段 6  燃料供給量変更手段 7  燃料・点火時期変更手段 21  第1カム(燃費カム) 22  第2カム(出力カム) 23  第3カム(出力カム) 24  吸・排気弁 25  メインロッカーアーム 28,29  サブロッカーアーム 45,46  電磁弁 51  コントロールユニット 52  クランク角度センサ(エンジン回転数センサ)
53  アクセル操作量センサ 54  エアフローセンサ 59  インジェクタ 60  点火装置 62  吸入負圧センサ 63  筒内圧センサ 64  油圧センサ 65  トルクセンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  出力特性の異なるカムプロフィルをも
    つ複数のカムと、運転状態に応じてカムの選択・切換を
    判定する手段と、選択されたカムにより吸排気弁の少な
    くとも一方を駆動するようにカムを切換えるカム切換機
    構とを備えたエンジンにおいて、気筒別にカムの切換え
    られたタイミングを判定する手段と、このカム切換タイ
    ミングに同期して、気筒別に切換後のカムに対応した燃
    料供給量か点火時期に変更する手段とを備えることを特
    徴とするエンジンの出力制御装置。
  2. 【請求項2】  出力特性の異なるカムプロフィルをも
    つ複数のカムと、運転状態に応じてカムの選択・切換を
    判定する手段と、選択されたカムにより吸排気弁の少な
    くとも一方を駆動するようにカムを切換えるカム切換機
    構とを備えたエンジンにおいて、気筒別にカムの切換え
    られたタイミングを判定する手段と、このカム切換タイ
    ミングに同期して、切換前後の吸気充填効率のずれに応
    じて、気筒別に切換後のカムに対応した燃料供給量に変
    更する手段とを備えることを特徴とするエンジンの出力
    制御装置。
  3. 【請求項3】  出力特性の異なるカムプロフィルをも
    つ複数のカムと、運転状態に応じてカムの選択・切換を
    判定する手段と、選択されたカムにより吸排気弁の少な
    くとも一方を駆動するようにカムを切換えるカム切換機
    構とを備えたエンジンにおいて、気筒別にカムの切換え
    られたタイミングを判定する手段と、このカム切換タイ
    ミングに同期して、切換前後の吸気充填効率のずれに応
    じて、気筒別に切換後のカムに対応した燃料供給量と点
    火時期に変更する手段とを備えることを特徴とするエン
    ジンの出力制御装置。
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