JPH04269437A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents
走査電子顕微鏡Info
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- JPH04269437A JPH04269437A JP3050614A JP5061491A JPH04269437A JP H04269437 A JPH04269437 A JP H04269437A JP 3050614 A JP3050614 A JP 3050614A JP 5061491 A JP5061491 A JP 5061491A JP H04269437 A JPH04269437 A JP H04269437A
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- scanning electron
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶材料の表面を観察
する電子顕微鏡技術に関するものである。
する電子顕微鏡技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体,金属,セラミックス等の単結晶
基板表面に同種あるいは異種の単結晶薄膜を成長させる
エピタキシャル成長では、結晶基板表面や結晶成長中の
薄膜結晶表面の原子層ステップ(以下、単にステップと
呼ぶ場合もある)の構造が成長した薄膜結晶の品質に大
きな影響を持つ。これは、結晶成長中に表面に付着した
原子や分子は表面のステップに捉られ易く、ステップが
結晶成長の開始点になるからである。従って、結晶基板
表面や結晶成長中の薄膜結晶表面のステップを観察する
技術が必要となる。
基板表面に同種あるいは異種の単結晶薄膜を成長させる
エピタキシャル成長では、結晶基板表面や結晶成長中の
薄膜結晶表面の原子層ステップ(以下、単にステップと
呼ぶ場合もある)の構造が成長した薄膜結晶の品質に大
きな影響を持つ。これは、結晶成長中に表面に付着した
原子や分子は表面のステップに捉られ易く、ステップが
結晶成長の開始点になるからである。従って、結晶基板
表面や結晶成長中の薄膜結晶表面のステップを観察する
技術が必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、結晶材料表面の
ステップ観察には反射電子顕微鏡または走査型反射電子
顕微鏡が用いられていた。反射電子顕微鏡では電子ビー
ムを試料表面すれすれに入射させ、試料表面の原子列に
よって回折された電子を用いて表面の像を結像させる(
文献1 八木,谷城,高柳:「表面電子顕微鏡法」応
用物理55(1986)1036)。また、走査型反射
電子顕微鏡では、同様に電子ビームを試料表面すれすれ
に入射させたときに発生する回折電子を用いるが、電子
ビームを走査電子顕微鏡と同じように試料表面を走査さ
せ、これに同期させて回折電子の強度をブラウン管に表
示させることにより、表面の走査像を得る(文献2
市川,土井,早川:「マイクロプローブ反射電子回折法
による結晶表面の観察」応用物理54(1985)11
87)。いずれも、結晶表面の電子層ステップに敏感な
手段で、数オングストローム(Å)の段差の単原子層の
ステップを鮮明な像として観察できる。しかし、いずれ
の場合にも表面からの回折電子を利用するため、電子ビ
ームを試料表面すれすれ(数度以下)に入射させる必要
があり、得られる像は電子ビームの入射方向に極端な寸
詰まりを起こす(縦横比が数十対1)。また、回折の起
こる方向が結晶学的に限定されるため、回折方向とステ
ップの走る方向が異なる場合には、ステップ像が斜めに
観察されてしまう。
ステップ観察には反射電子顕微鏡または走査型反射電子
顕微鏡が用いられていた。反射電子顕微鏡では電子ビー
ムを試料表面すれすれに入射させ、試料表面の原子列に
よって回折された電子を用いて表面の像を結像させる(
文献1 八木,谷城,高柳:「表面電子顕微鏡法」応
用物理55(1986)1036)。また、走査型反射
電子顕微鏡では、同様に電子ビームを試料表面すれすれ
に入射させたときに発生する回折電子を用いるが、電子
ビームを走査電子顕微鏡と同じように試料表面を走査さ
せ、これに同期させて回折電子の強度をブラウン管に表
示させることにより、表面の走査像を得る(文献2
市川,土井,早川:「マイクロプローブ反射電子回折法
による結晶表面の観察」応用物理54(1985)11
87)。いずれも、結晶表面の電子層ステップに敏感な
手段で、数オングストローム(Å)の段差の単原子層の
ステップを鮮明な像として観察できる。しかし、いずれ
の場合にも表面からの回折電子を利用するため、電子ビ
ームを試料表面すれすれ(数度以下)に入射させる必要
があり、得られる像は電子ビームの入射方向に極端な寸
詰まりを起こす(縦横比が数十対1)。また、回折の起
こる方向が結晶学的に限定されるため、回折方向とステ
ップの走る方向が異なる場合には、ステップ像が斜めに
観察されてしまう。
【0004】一方、最近、二次電子を検出する走査電子
顕微鏡でも、数Åの段差のステップが観察可能であるこ
とが明らかにされた。クロダ(Kuroda)らは、超
高分解能(0.5Å)の走査電子顕微鏡を用い、タング
ステン表面の原子層ステップを観察した(文献3 K
. Kuroda, S. Hosoki, and
T. Komoda : ”OBSERBATION
OF TUNGUSTEN FIELD EMITTE
R TIPS WITH AN ULTRA−HIGH
RESOLUTION FIELD EMISSIO
N SCANNING ELECTRON MICRO
SCOPE” Scanning Microscop
y 1(1987)911)。また、ミルン(Miln
e )らは、同様な分解能の装置で電子ビームを表面す
れすれに入射させてガリウムヒ素表面の原子層ステップ
を観察した(文献4 R. H. Milne: ”
SURFACE STEPS IMAGED BY S
ECONDARY ELECTRONS” Ultra
microscopy 27(1989)433)。し
かし、両者とも、二次電子像のステップコントラストは
非常に弱く、反射電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の場合
のような鮮明な像が得られていない。従来の原子層ステ
ップ観察に用いられている走査電子顕微鏡の構造を図4
示す。電界放射型の電子銃21から発生した電子ビーム
22はコンデンサレンズ23で集束され、偏向電極24
で偏向された後、対物レンズ25でさらに集束されて、
その中に置かれた試料26の表面に照射される。これに
より、試料26の表面から二次電子27が発生する。二
次電子27は対物レンズの磁場の中を回転運動をしなが
ら二次電子検出器28の電界に引かれて上方に遡り、二
次電子検出器28で検出される。
顕微鏡でも、数Åの段差のステップが観察可能であるこ
とが明らかにされた。クロダ(Kuroda)らは、超
高分解能(0.5Å)の走査電子顕微鏡を用い、タング
ステン表面の原子層ステップを観察した(文献3 K
. Kuroda, S. Hosoki, and
T. Komoda : ”OBSERBATION
OF TUNGUSTEN FIELD EMITTE
R TIPS WITH AN ULTRA−HIGH
RESOLUTION FIELD EMISSIO
N SCANNING ELECTRON MICRO
SCOPE” Scanning Microscop
y 1(1987)911)。また、ミルン(Miln
e )らは、同様な分解能の装置で電子ビームを表面す
れすれに入射させてガリウムヒ素表面の原子層ステップ
を観察した(文献4 R. H. Milne: ”
SURFACE STEPS IMAGED BY S
ECONDARY ELECTRONS” Ultra
microscopy 27(1989)433)。し
かし、両者とも、二次電子像のステップコントラストは
非常に弱く、反射電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の場合
のような鮮明な像が得られていない。従来の原子層ステ
ップ観察に用いられている走査電子顕微鏡の構造を図4
示す。電界放射型の電子銃21から発生した電子ビーム
22はコンデンサレンズ23で集束され、偏向電極24
で偏向された後、対物レンズ25でさらに集束されて、
その中に置かれた試料26の表面に照射される。これに
より、試料26の表面から二次電子27が発生する。二
次電子27は対物レンズの磁場の中を回転運動をしなが
ら二次電子検出器28の電界に引かれて上方に遡り、二
次電子検出器28で検出される。
【0005】従来装置で原子層ステップのコントラスト
が弱い理由は、電子ビームの直径が原子層ステップの段
差と同程度かやや大きく、ステップの形状効果によるコ
ントラストが十分に得られないためである。また、図4
のような二次電子の検出方式では、エネルギの小さい二
次電子は二次電子検出器28に補集されるが、高エネル
ギ成分は回転運動の直径が対物レンズの内径よりも大き
くなり、二次電子検出器28まで到達しない。後述する
ように、原子層ステップのコントラストを得るには二次
電子の高エネルギ成分を利用するのが有効であるので、
電子層ステップの観察には適していない。
が弱い理由は、電子ビームの直径が原子層ステップの段
差と同程度かやや大きく、ステップの形状効果によるコ
ントラストが十分に得られないためである。また、図4
のような二次電子の検出方式では、エネルギの小さい二
次電子は二次電子検出器28に補集されるが、高エネル
ギ成分は回転運動の直径が対物レンズの内径よりも大き
くなり、二次電子検出器28まで到達しない。後述する
ように、原子層ステップのコントラストを得るには二次
電子の高エネルギ成分を利用するのが有効であるので、
電子層ステップの観察には適していない。
【0006】本発明は従来の走査電子顕微鏡における上
記の欠点を改善するために提案されたもので、その目的
は、原子層ステップの観察が可能な走査電子顕微鏡を提
供することにある。
記の欠点を改善するために提案されたもので、その目的
は、原子層ステップの観察が可能な走査電子顕微鏡を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は電子ビームを細く集束して試料表面を走査
し、その際に発生する二次電子を二次電子検出手段によ
って検出し、二次電子検出手段からの信号を電子ビーム
の走査と同期させて表示することにより試料表面の走査
像を得る走査電子顕微鏡において、前記電子ビームを試
料表面に対して30°以下の角度で入射させ、前記二次
電子検出手段を試料表面法線に対して45°以上の角度
をなす方向に設置し、前記二次電子検出手段と試料との
間に低エネルギの二次電子を排除する手段を設けたこと
を特徴とする走査電子顕微鏡を発明の要旨とするもので
ある。
め、本発明は電子ビームを細く集束して試料表面を走査
し、その際に発生する二次電子を二次電子検出手段によ
って検出し、二次電子検出手段からの信号を電子ビーム
の走査と同期させて表示することにより試料表面の走査
像を得る走査電子顕微鏡において、前記電子ビームを試
料表面に対して30°以下の角度で入射させ、前記二次
電子検出手段を試料表面法線に対して45°以上の角度
をなす方向に設置し、前記二次電子検出手段と試料との
間に低エネルギの二次電子を排除する手段を設けたこと
を特徴とする走査電子顕微鏡を発明の要旨とするもので
ある。
【0008】
【作用】本発明は、電子ビームを試料表面に対して30
°以下の角度で入射させ、二次電子検出手段を試料表面
法線に対して45°以上の角度をなす方向に設置し、二
次電子検出手段と試料との間に低エネルギの二次電子を
排除する手段を設けることによって、原子層ステップの
観察を可能とする作用を有する。
°以下の角度で入射させ、二次電子検出手段を試料表面
法線に対して45°以上の角度をなす方向に設置し、二
次電子検出手段と試料との間に低エネルギの二次電子を
排除する手段を設けることによって、原子層ステップの
観察を可能とする作用を有する。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。なお
、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱し
ない範囲で、種々の変更あるいは改良を行い得ることは
言うまでもない。
、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱し
ない範囲で、種々の変更あるいは改良を行い得ることは
言うまでもない。
【0010】(実施例1)図1に本発明の第1の実施例
における走査電子顕微鏡を示す。電界放射型の電子銃1
から発生した電子ビーム2はコンデンサレンズ3で集束
され、偏向電極4で偏向された後、対物レンズ5でさら
に集束されて、試料6の表面に対して30°以下の角度
で照射される。これにより、試料6の表面から二次電子
7が発生する。二次電子7は試料6の横に置かれた二次
電子検出器8で検出される。この際、低エネルギの二次
電子71はグリッド9の電界で排除され、二次電子検出
器8に到達しない。
における走査電子顕微鏡を示す。電界放射型の電子銃1
から発生した電子ビーム2はコンデンサレンズ3で集束
され、偏向電極4で偏向された後、対物レンズ5でさら
に集束されて、試料6の表面に対して30°以下の角度
で照射される。これにより、試料6の表面から二次電子
7が発生する。二次電子7は試料6の横に置かれた二次
電子検出器8で検出される。この際、低エネルギの二次
電子71はグリッド9の電界で排除され、二次電子検出
器8に到達しない。
【0011】まず、電子ビーム2の入射角の効果を述べ
る。本発明者らの研究により、原子層ステップのコント
ラストはステップの段差面から発生する比較的エネルギ
の高い二次電子によって形成されることが明らかになっ
た。このような二次電子は電子ビーム2が試料中で前方
に散乱されることによって効率よく発生する。前方散乱
を利用するためには、電子ビーム2を試料6の表面に対
して低角で入射させる必要がある。前方散乱が増大する
入射角は20°以下であるが、30°まではある程度の
効果が認められた。従って、電子ビーム2の入射角を試
料表面に対して30°以下の角度、通常は3〜15°の
角度で入射させる。
る。本発明者らの研究により、原子層ステップのコント
ラストはステップの段差面から発生する比較的エネルギ
の高い二次電子によって形成されることが明らかになっ
た。このような二次電子は電子ビーム2が試料中で前方
に散乱されることによって効率よく発生する。前方散乱
を利用するためには、電子ビーム2を試料6の表面に対
して低角で入射させる必要がある。前方散乱が増大する
入射角は20°以下であるが、30°まではある程度の
効果が認められた。従って、電子ビーム2の入射角を試
料表面に対して30°以下の角度、通常は3〜15°の
角度で入射させる。
【0012】次に、二次電子検出器8の設置位置の効果
を述べる。低角入射の条件のもとでは通常用いられる高
角度の入射(一般には45〜90°)に比べ、原子層ス
テップの段差面から比較的エネルギの高い二次電子が多
く発生する。エネルギの低い二次電子71(一般的には
100eV以下)は、二次電子検出器8の引込電圧が大
きいため(一般には10kV)、検出器と反対方向に飛
び出したものも検出される。このため、走査電子顕微鏡
像では凹凸部の陰がほとんどつかないとされている。と
ころが、低角入射でステップの段差面から発生した二次
電子はエネルギが高いため、検出器に面したステップ段
差面から発生した二次電子は効率よく二次電子検出器8
に捕捉されるが、検出器と反対方向を向いたステップ段
差面から発生した二次電子は検出器8に必ずしも到達し
ない。このため、前者の場合には原子層ステップの明コ
ントラストが、また、後者の場合には暗コントラストが
強調される。二次電子検出器が試料表面に垂直(試料表
面法線に対し0度)に近い場合には、このような陰影効
果は期待できない。従って、二次電子検出器8の位置は
試料表面の法線に対し大きい角度、特に45°以上、好
ましくは90°傾いた位置に設置する必要がある。45
°未満の場合は、明コントラスト及び暗コントラストが
強調される陰影効果が期待できないので、好ましくない
。
を述べる。低角入射の条件のもとでは通常用いられる高
角度の入射(一般には45〜90°)に比べ、原子層ス
テップの段差面から比較的エネルギの高い二次電子が多
く発生する。エネルギの低い二次電子71(一般的には
100eV以下)は、二次電子検出器8の引込電圧が大
きいため(一般には10kV)、検出器と反対方向に飛
び出したものも検出される。このため、走査電子顕微鏡
像では凹凸部の陰がほとんどつかないとされている。と
ころが、低角入射でステップの段差面から発生した二次
電子はエネルギが高いため、検出器に面したステップ段
差面から発生した二次電子は効率よく二次電子検出器8
に捕捉されるが、検出器と反対方向を向いたステップ段
差面から発生した二次電子は検出器8に必ずしも到達し
ない。このため、前者の場合には原子層ステップの明コ
ントラストが、また、後者の場合には暗コントラストが
強調される。二次電子検出器が試料表面に垂直(試料表
面法線に対し0度)に近い場合には、このような陰影効
果は期待できない。従って、二次電子検出器8の位置は
試料表面の法線に対し大きい角度、特に45°以上、好
ましくは90°傾いた位置に設置する必要がある。45
°未満の場合は、明コントラスト及び暗コントラストが
強調される陰影効果が期待できないので、好ましくない
。
【0013】次に、グリッド9の効果を述べる。二次電
子検出器8を試料の側方においても、低エネルギの二次
電子71が原子層ステップの有無に無関係に多量に発生
するので、これがバックグランドとなって原子層ステッ
プのコントラストを弱める。そこで、グリッド9に負の
電圧を印加して、低エネルギの二次電子71が二次電子
検出器8に到達するのを妨げる。原子層ステップコント
ラストを強めるのに最適な印加電圧は観察する材料によ
って異なるが、半導体材料では数10〜100V程度、
金属材料ではより大きな負電圧をかける。
子検出器8を試料の側方においても、低エネルギの二次
電子71が原子層ステップの有無に無関係に多量に発生
するので、これがバックグランドとなって原子層ステッ
プのコントラストを弱める。そこで、グリッド9に負の
電圧を印加して、低エネルギの二次電子71が二次電子
検出器8に到達するのを妨げる。原子層ステップコント
ラストを強めるのに最適な印加電圧は観察する材料によ
って異なるが、半導体材料では数10〜100V程度、
金属材料ではより大きな負電圧をかける。
【0014】図2に本実施例の走査電子顕微鏡を用いて
観察したシリコン表面の原子層ステップの観察例を示す
。試料にはシリコン(111)基板を用い、走査電子顕
微鏡中の5×10−9Torr以下の圧力中で1250
℃に加熱して原子層ステップが現れる清浄な表面を得た
。図2(a)はグリッド9に電圧を印加せずに、電子ビ
ーム2を加速電圧25kV、入射角約3°で入射させ、
二次電子検出器8を試料法線に対して90°の角度に設
置して観察した原子層ステップ像である。原子層ステッ
プ像は観察されるもののコントラストは弱い。図2(b
)は、電子ビーム2の加速電圧、入射角および二次電子
検出器8の位置は(a)図と同様で、グリッドに−50
Vの電圧を印加して観察したものである。低エネルギの
二次電子71によるバックグランドが減少したため、鮮
明な原子層ステップコントラストが観察されている。な
お、本発明の装置構造では、原子層ステップのコントラ
ストは電子ビーム2の径にはほとんど依存せず、直径2
00〜500Åの電子ビームで図2の観察を行った。
観察したシリコン表面の原子層ステップの観察例を示す
。試料にはシリコン(111)基板を用い、走査電子顕
微鏡中の5×10−9Torr以下の圧力中で1250
℃に加熱して原子層ステップが現れる清浄な表面を得た
。図2(a)はグリッド9に電圧を印加せずに、電子ビ
ーム2を加速電圧25kV、入射角約3°で入射させ、
二次電子検出器8を試料法線に対して90°の角度に設
置して観察した原子層ステップ像である。原子層ステッ
プ像は観察されるもののコントラストは弱い。図2(b
)は、電子ビーム2の加速電圧、入射角および二次電子
検出器8の位置は(a)図と同様で、グリッドに−50
Vの電圧を印加して観察したものである。低エネルギの
二次電子71によるバックグランドが減少したため、鮮
明な原子層ステップコントラストが観察されている。な
お、本発明の装置構造では、原子層ステップのコントラ
ストは電子ビーム2の径にはほとんど依存せず、直径2
00〜500Åの電子ビームで図2の観察を行った。
【0015】(実施例2)図3は本発明の第2の実施例
における走査電子顕微鏡を説明する図であって、10は
エネルギ分析器である。エネルギ分析器10の二次電子
引込口は、試料表面の法線に対し45°以上の角度をな
すように設置する。この場合には、エネルギ分析器10
を通過する電子のエネルギとエネルギ幅を選ぶことによ
り、原子層ステップ段差面から発生した高エネルギの二
次電子だけを検出することができる。従って、原子ステ
ップのコントラストが明となる場合の観察において、バ
ックグランドが非常に少ない像を得ることができる。
における走査電子顕微鏡を説明する図であって、10は
エネルギ分析器である。エネルギ分析器10の二次電子
引込口は、試料表面の法線に対し45°以上の角度をな
すように設置する。この場合には、エネルギ分析器10
を通過する電子のエネルギとエネルギ幅を選ぶことによ
り、原子層ステップ段差面から発生した高エネルギの二
次電子だけを検出することができる。従って、原子ステ
ップのコントラストが明となる場合の観察において、バ
ックグランドが非常に少ない像を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】叙上のように本発明によれば、電子ビー
ムを試料表面に対して30°以下の角度で入射させ、二
次電子検出手段を試料表面法線に対して45°以上の角
度をなす方向に設置し、二次電子検出手段と試料との間
に低エネルギの二次電子を排除する手段を有することに
より、従来は困難であった走査電子顕微鏡による原子層
ステップの観察が可能となり、薄膜結晶成長の成長過程
の評価に多大な進歩をもたらす効果を有する。
ムを試料表面に対して30°以下の角度で入射させ、二
次電子検出手段を試料表面法線に対して45°以上の角
度をなす方向に設置し、二次電子検出手段と試料との間
に低エネルギの二次電子を排除する手段を有することに
より、従来は困難であった走査電子顕微鏡による原子層
ステップの観察が可能となり、薄膜結晶成長の成長過程
の評価に多大な進歩をもたらす効果を有する。
【図1】本発明の第1の実施例における走査電子顕微鏡
を説明する図である。
を説明する図である。
【図2】シリコン結晶表面の構造を示すものであって、
第1の実施例における原子層ステップを示し、(a)は
グリッドに電圧を印加しない場合であり、(b)は電圧
を印加した場合である。
第1の実施例における原子層ステップを示し、(a)は
グリッドに電圧を印加しない場合であり、(b)は電圧
を印加した場合である。
【図3】本発明の第2の実施例における走査電子顕微鏡
を説明する図である。
を説明する図である。
【図4】従来の走査電子顕微鏡を説明する図である。
1 電子銃
2 電子ビーム
3 コンデンサレンズ
4 偏向電極
5 対物レンズ
6 試料
7 二次電子
71 低エネルギの二次電子
8 二次電子検出器
9 グリッド
10 エネルギ分析器
21 電子銃
22 電子ビーム
23 コンデンサレンズ
24 偏向電極
25 対物レンズ
26 試料
27 二次電子
28 二次電子検出器
Claims (3)
- 【請求項1】 電子ビームを細く集束して試料表面を
走査し、その際に発生する二次電子を二次電子検出手段
によって検出し、二次電子検出手段からの信号を電子ビ
ームの走査と同期させて表示することにより試料表面の
走査像を得る走査電子顕微鏡において、前記電子ビーム
を試料表面に対して30°以下の角度で入射させ、前記
二次電子検出手段を試料表面法線に対して45°以上の
角度をなす方向に設置し、前記二次電子検出手段と試料
との間に低エネルギの二次電子を排除する手段を設けた
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。 - 【請求項2】 請求項1記載の走査電子顕微鏡におい
て、低エネルギの二次電子を排除する手段として、負電
位を印加できるグリッドを設けたことを特徴とする走査
電子顕微鏡。 - 【請求項3】 請求項1記載の走査電子顕微鏡におい
て、低エネルギの二次電子を排除する手段として、エネ
ルギ分析器を有することを特徴とする走査電子顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050614A JPH04269437A (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 走査電子顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050614A JPH04269437A (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 走査電子顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04269437A true JPH04269437A (ja) | 1992-09-25 |
Family
ID=12863855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3050614A Pending JPH04269437A (ja) | 1991-02-22 | 1991-02-22 | 走査電子顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04269437A (ja) |
-
1991
- 1991-02-22 JP JP3050614A patent/JPH04269437A/ja active Pending
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