JPH04265839A - 分光分析における多成分分析方法 - Google Patents

分光分析における多成分分析方法

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JPH04265839A
JPH04265839A JP3048863A JP4886391A JPH04265839A JP H04265839 A JPH04265839 A JP H04265839A JP 3048863 A JP3048863 A JP 3048863A JP 4886391 A JP4886391 A JP 4886391A JP H04265839 A JPH04265839 A JP H04265839A
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正之 足立
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に対して光源から
光を照射し、そのとき得られる吸収スペクトルに基づい
て試料中に含まれる多成分の濃度を分析する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば赤外吸収スペクトルに基づき多成
分を分光分析する方法においては、従来より一般的に、
吸光度が被測定成分の濃度に比例するというランバート
ベールの法則に基づく線型代数的な手法によって行われ
る。このランバートベールの法則は、以下のように表す
ことができる。   A(ν)=Cα(ν)             
                 ……(1)ここで
、Cは任意の吸収体の濃度、α(ν)は波数νにおける
単位濃度の吸収スペクトル、A(ν)は未知濃度の吸収
体の波数νにおける吸収スペクトルであり、この関係を
模式的に示したものが図9である。
【0003】同図において、曲線Iは単位濃度の吸収ス
ペクトルα(ν)を、また曲線IIは未知濃度の吸収ス
ペクトルをそれぞれ示している。そして、複数の成分の
吸収が重ね合わさっている場合、上記(1)式は、  
A(ν)=Σi Ci αi (ν)        
               ……(2)という単な
る線型結合で表される。ここでCi はそれぞれの成分
に対する濃度、αi (ν)はそれぞれの成分に対する
単位濃度の吸収スペクトルである。
【0004】一般的に行われている赤外吸収スペクトル
を用いた多成分分光分析では、校正段階でそれぞれの成
分についての参照スペクトルαi (ν)を予め求めて
おき、測定すべき未知混合物の吸収スペクトルA(ν)
から各成分の濃度Ci が推定される。通常、A(ν)
は赤外線領域の4000cm−1から400 cm−1
にわたる連続的な波数点に対応した値として測定される
ので、前記(2)式は、   A(νj )=Σi Ci αi (νj )  
                ……(3)という形
の連立一次方程式で表される。したがって、この連立一
次方程式の演算を行列を用いて行うことにより、多成分
の濃度が推定される。
【0005】図10は2成分の模式的な吸収スペクトル
の重ね合わせを示している。同図において、曲線I,I
Iはそれぞれ成分ガスの単位濃度の吸収スペクトルα1
 (νj ),α2 (νj )を示し、曲線III 
はそれらのスペクトルの線型結合(上記(3)式)を示
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では、被測定試料に含まれる成分の種類が
多数におよぶ場合、演算に使用する行列が大きくなりす
ぎて、その演算に使用する計算機のメモリとして大容量
のものが必要になる。また、演算途中で使用する行列を
交換する必要が生じた場合、全成分の演算が中断される
ことになるので、時間的な無駄が大きくなるなどの問題
点があった。
【0007】上記の従来欠点に鑑み、本発明は、吸収ス
ペクトルに基づく成分濃度の算出に用いる行列を小さく
でき、演算処理時間も大幅に短縮化できる分光分析にお
ける多成分分析方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、試料中に含まれる多成分を複数の成分
群にグループ化し、各成分群の分光分析に用いる周波数
領域を成分群別にブロック化することを特徴としている
【0009】
【作用】上記の構成によれば、試料に含まれる多成分を
複数の成分群にグループ化し、各成分群に応じて使用す
る周波数領域をブロック化して限定し分光分析するので
、濃度演算に使用する行列が小さくなり演算を簡略化で
きると共に、演算処理の途中で行列を差し換える場合で
も、所要の成分群に対応する行列だけを換えればよいの
で、行列交換に伴う時間の無駄をそれだけ軽減できるこ
とになる。また、濃度算出に不要な吸収スペクトルの周
波数領域について、演算を省略できるので、それだけ演
算時間を短縮化できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る分光分析における多成分分析
方法を実施するための装置の一例であるFT−IR(フ
ーリエ変換赤外線分析装置)1の概略的な構成を示した
ものである。このFT−IR1は、分析部2と、この分
析部2の出力であるインタフェログラムを処理するデー
タ処理部3とからなる。
【0011】上記分析部2は平行な赤外ビームを発する
ように構成された光源4と、ビームスプリッタ5、固定
ミラー6、可動ミラー7からなる干渉機構8と、測定試
料などを収容し、干渉機構8を介して光源4からの赤外
ビームが照射されるセル9と、半導体検出器などよりな
る検出器10とで構成されている。
【0012】データ処理部3は例えばインターフェロブ
ラムを加算平均する加算平均処理部11、この加算平均
処理部11からの出力データに高速でフーリエ変換を施
す高速フーリエ変換処理部12、この高速フーリエ変換
処理部12からの出力データに基づいて測定対象成分に
関するスペクトル演算を行うスペクトル演算部13など
から構成されてる。
【0013】なお、図示しないが、上記FT−IR1に
は、干渉機構8の可動ミラー5を例えばX−Y方向に駆
動するための駆動機構が設けてあり、また、この駆動機
構およびデータ処理部3の各処理部11〜13を制御す
るコントローラが設けてある。
【0014】このように構成されたFT−IR1では、
セル9に比較試料さらには測定試料を収容して、比較試
料および測定試料のインターフェログラムがそれぞれ測
定される。これらのインターフェログラムをそれぞれフ
ーリエ変換してパワースペクトルつまりセル9を透過し
てきた光のスペクトルが得られると、次にバックグラウ
ンドのパワースペクトルつまり測定試料が無い状態での
パワースペクトルに対する測定試料のパワースペクトル
の比が求められ、この値を吸光度スケールに変換するこ
とによって吸収スペクトルが得られる。
【0015】次に、本発明の多成分分析方法の詳細につ
いて説明する。いま、一般的なガソリンエンジン自動車
の排ガスを測定試料として、その各成分の濃度を赤外吸
収スペクトルを用いて定量するものとすると、ここでは
これらの各成分を次の表1に示すように3つの成分群A
,B,Cにグループ化する。
【0016】
【表1】
【0017】すなわち、上記排ガスの成分は、N02 
,SO2 ,CH4 ,NH3 ,CO2 ,CO,H
20 ,NO、およびC2H2,C2H4,C2H4な
どのその他の炭化水素群(Hydrocarbons)
からなっており、ここでは上記炭化水素群を1つの成分
群A、CO2 , CO,H20 ,NO を別の成分
群B、NO2 ,SO2 ,CH4 ,NH3 をさら
に別の1つの成分群Cとして3つのグループに区分する
【0018】そして、赤外吸収スペクトルの波数領域と
して、成分群Aについては3200cm−1〜3000
cm−1の限定範囲を、成分群Bについては2400c
m−1〜1800cm−1の限定範囲を、成分群Cにつ
いては1500cm−1〜1000cm−1の限定範囲
をそれぞれ採用する。これらの波数領域は、各成分群に
含まれる個々の成分の吸収スペクトルを参考にして、そ
れぞれ設定する。
【0019】各成分群ごとに、その成分群に含まれる各
成分の上記排ガス中における濃度を求める手段として、
例えば、従来、一般的に行われている線型代数的な手法
などを採用することができる。ここでは、上記各成分群
をX,Y,Zの3つの成分を含むグループであると一般
化して、別の手法によりこれら3成分の濃度を定量する
場合を説明する。
【0020】まず、最初に、この手法において導入され
る相対吸光度の和という概念について簡単に説明する。 分光測定装置から出力されるスペクトルは、一般的に、
様々な原因によるノイズを含んでおり、従って前記 (
1) 式は、   A(νi ) =Cα (νi ) +εi   
                  ……(4)と表
すことができる。ここで、εi はスペクトルに含まれ
るノイズである。
【0021】そして、前記スペクトル中の任意の2点の
差に注目すると、前記(4)式は、   A(νp )−A(νb )=C〔α(νp )−
α(νb )〕+εp −εb           
                         
                 ……(5)と表さ
れ、このような2点間の相対的な吸光度もまたランバー
トベールの法則に従うことが示される。ここで、p,q
はそれぞれスペクトルのピーク、ベースに対応する波数
点を示す添字である。
【0022】通常、物質のスペクトル、とくに気体のス
ペクトルは多数のピークを含み、ある物質に特有なピー
クの波数点νp とベースの波数点νb の対を多数選
ぶことができる。
【0023】図2には、模式的なガスの吸収スペクトル
と、それに対応する相対吸光度L1 ,L2 , L3
 の例を示している。それぞれの相対吸光度L1 ,L
2 ,L3 は(5)式の値に対応している。
【0024】このような値の和をとると、  Σk 〔
A(νp )−A(νb )〕k       =CΣ
k 〔α(νp )−α(νb )〕+Σk (εp 
−εb )k                   
                         
         ……(6)となり、この(6)式も
ランバートベールの法則を維持している。そして、この
(6)式から、その右辺第2項がスペクトル中に潜在し
ているランダムなノイズを平均化していること、および
ベースラインのドリフトのような外乱をキャンセルして
いることが判る。
【0025】ここで、上記(6)式で計算される値を、
MAS(Multiple Absorption S
um )値と定義する。すなわち、   MAS≡Σk 〔A(νp )−A(νb )〕k
           ……(7)と表す。そして、と
くに単一成分で既知濃度の参照スペクトルに対して求め
られたMAS値を、成分iに対するMASi とする。
【0026】図3は、上述した一般化した成分群に含ま
れる3つのガス種に対する波数点の指定例を示す。同図
において、曲線I,II,III はそれぞれガスX,
Y,Zの参照スペクトルを示している。そして、ガスX
に対する波数点の集合ΦX :(Xp ,Xb )k 
、ガスYに対する波数点の集合ΦY :(Yp ,Yb
)k 、ガスZに対する波数点の集合ΦZ :(Zp,
Zb )k がそれぞれ指定されている。これらのピー
ク・ベース対を指定するに際しては、なるべく大きな相
対吸光度が得られるように、かつ、互いの吸収の影響を
受けないようにするのが好ましい。
【0027】ここで、話を一般化して、m個の成分に対
する上述した波数点指定値の集合をΦi (i=1〜m
)とし、1つの吸収スペクトルに対して成分iのピーク
・ベース対の集合を前記(6)式のように計算する演算
を、次式のように定義する。   Σk 〔A(νp )−A(νb )〕≡A◎Φi
           ……(8)ここで、◎は新しい
演算子で、(8)式はMAS値を与える。
【0028】したがって、   MASi =A◎Φi             
                    ……(9)
となり、m個のΦi に対してm個のMASi が計算
される。そして、m個の数字の組であるMASi をΨ
とすると、これは一方で、m個の要素を持ったスペクト
ルと考えることができる。   Ψ=(MASi :i=1〜m)        
              ……(10)
【0029
】この新しいスペクトル領域(成分スペクトル領域)は
、横軸をガス種i、縦軸を相対吸光度の和MASi と
してグラフ表示することができる。したがって、前記(
9)式は、スペクトルAを集合Φを用いて成分スペクト
ルΨに変換したものと考えることができる。 このことを、先に一般化して示した成分群に当てはめて
説明すると、以下のようになる。
【0030】図4は図3に示す3種のガスX,Y,Zが
それぞれ任意の濃度で混合されたものの吸収スペクトル
、つまり上記の一般化した成分群全体としての吸収スペ
クトルを表している。図3において指定した3種のガス
のそれぞれのピーク・ベース対の波数点指定値を図4の
吸収スペクトルに適用して、図4に示すようにX,Y,
Zで表されたそれぞれの相対吸光度の和を求める。 そして、これらの相対吸光度の和を、図5に示すように
、横軸がガス種、縦軸が相対吸光度の和を表す領域にプ
ロットする。
【0031】このようにして求められた成分スペクトル
は、上述したようにノイズの影響が大きく削除されると
共に、ガス種間でのスペクトル同士の干渉影響が抑えら
れている。上記図4および図5に示すように、成分同士
の干渉のない変換ができれば、成分スペクトル領域にお
いてそれぞれの相対吸光度の和がそれぞれの成分濃度に
比例しているので、各成分についての濃度を直接得るこ
とができる。
【0032】ただし、実際のガス吸収スペクトルでは、
図4および図5のように干渉のない波数点指定が行える
ことは稀で、変換された後の成分スペクトル領域におい
ても多少の干渉が残っているのが普通である。そこで、
上記成分スペクトル領域を用いての定量分析では、上述
した若干残る干渉分を補正する必要があり、以下の処理
は干渉補正に用いる行列(校正行列)を作成する校正段
階、すなわち干渉補正のためのデータを用意する段階と
、それを用いて未知濃度を算出する推定段階とに分かれ
る。
【0033】校正段階においては、校正行列を次のよう
にして得る。いま、m個の成分について単位濃度の参照
スペクトルαi (i=1〜m)がある場合に一般化す
ると、これらの参照スペクトルに上述した波数点指定値
の集合Φi を適用し、前記(9)式で示される変換を
施すことによって、αi に対応した成分スペクトルΨ
i (i=1〜m)を得ることができる。より具体的に
は、複数のガスをそれぞれ単独で試料としたときにおけ
る相対吸光度の和を求めることによって得ることができ
る。
【0034】図6(A),(B),(C)は、先に一般
化した成分群に含まれる3つのガス種X,Y,Zについ
ての参照成分スペクトルを示しており、この場合の校正
行列は、
【0035】
【数1】
【0036】となる。一方、被測定試料を上記成分群に
割り当てた波数領域で分光分析して得られる吸収スペク
トルから、その成分群の成分スペクトルを図7のように
求めることができる。この場合の成分スペクトルΨu 
は、
【0037】
【数2】
【0038】となる。一般的にm個のガス成分(i=1
〜m)の混合ガスにおいて、それぞれのガス成分の未知
濃度をCi (i=1〜m)とすると、Ψu はΨi 
の線型結合で表される。つまり、   Ψu =C1 ・Ψ1 +C2 ・Ψ2 +……+
Cm ・Ψm     ……(11)が常に成り立ち、
これを行列を用いて書き換えると、  Ψu =CΩ 
                         
              ……(12)と表すこと
ができる。
【0039】ここでは、Cは未知の濃度からなるベクト
ル、ΩはΨi を行とする行列で、これを成分スペクト
ル領域における校正行列と呼ぶものとする。したがって
、上述した成分群の3つのガス種X,Y,Zの未知濃度
をCX ,CY ,CZ とすると、
【0040】
【数3】
【0041】となる。上記校正段階では、前記Ωを精度
よく定める必要がある。また、すでに述べたように、Ψ
i は線型独立性の高い、つまり干渉の少ないベクトル
であるから、Ωは安定した逆行列を求め得る行列である
【0042】次に、推定段階では、前記(12)式をC
について解くことにより、すなわち、C=Ψu Ω−1
のように、未知濃度を推定することができる。そして、
前記(13)式についても、
【0043】
【数4】
【0044】とすることにより、CX ,CY ,CZ
 をそれぞれ求めることができる。ここで計算した逆行
列はΩの線型独立性が高いため、安定な解を得ることが
でき、したがって、推定される濃度の数値計算による誤
差は極めて小さい。
【0045】以上の手法を、上述した各成分群A,B,
Cごとにに適用することによって、各成分群に含まれる
個々の成分、つまり測定試料中の全成分について濃度を
定量できることになる。
【0046】この場合、各成分群に分けて上述した演算
処理が行われるので、それぞれの成分群に含まれる成分
数が小さくなる分だけ、その演算で用いられる行列は小
さくなり演算処理を簡略化できることになる。しかも、
各成分群に用いられる波数領域は赤外領域の全領域では
なく、各成分群ごとにブロック化した限定範囲が割り当
てられるので、演算処理はその限定された範囲について
のみ行えばよく、それだけ演算処理の所要時間が短縮さ
れることにもなる。
【0047】また、例えば1つの成分群に含まれる成分
の濃度が当初予測したものよりも高くて、選択された波
数点での吸収スペクトルが測定レンジ内に収まり切らな
いような事態が演算処理の途中で生じた場合には、測定
レンジ内に収まるように別の波数点を指定して演算処理
をしなければならない。この場合、上述した行列も、新
たな波数点に対応したものに差し替えなければならない
ので、その差し替え処理のために幾ばくかの時間を要す
ることになる。
【0048】しかし、ここでは、複数の成分群に分けて
分光分析を行っているので、その演算のし直しも特定の
成分群だけに限られることになり、全体的な処理能率に
さほど影響を与えないで済ませることができる。
【0049】次に、他の実施例として、メタノール燃料
自動車の排ガス(以下、単に排ガスと呼ぶ)の成分を定
量する場合について説明する。図8は図1に示したFT
−IR1によって得られた吸収スペクトルを示し、この
図において、Iは濃度103.7 ppm のメタノー
ルのみによる参照スペクトルを、IIは濃度26.4 
ppmのホルムアルデヒドのみによる参照スペクトルを
、III は上記排ガスの吸収スペクトルをそれぞれ示
している。なお、この図において、吸光度を示す縦軸は
任意のスケールを用いている。
【0050】図8から明らかなように、この排ガスの場
合、吸収波数帯つまり吸収スペクトルの波数領域が28
50cm−1〜2700cm−1の範囲では、排ガスの
吸収スペクトルIII はメタノールの参照スペクトル
Iとホルムアルデヒドの参照スペクトルIIとを重ね合
わせたものとなっており、同じ排ガス中に含まれる他の
ガス成分による吸収がないことが判る。
【0051】そこで、この点に着目して、この排ガスの
成分定量では、メタノールとホルムアルデヒドの2成分
を1つの成分群として他の成分と区別し、この成分群の
分光分析については上記2850cm−1〜2700c
m−1の波数領域に限定して行うものである。具体的な
演算処理については、先の実施例で示した手法を用いて
もよく、あるいは最小2乗法などの線形代数的な手法に
よって推定し、その割合を参照スペクトルの濃度データ
を用いて実際の濃度値に換算してもよい。
【0052】なお、上記2成分と区別された残りの成分
群についても、同様にしてそれらの各濃度を定量できる
が、メタノール燃料自動車の排ガスにおいては、実際上
、上述したメタノールとホルムアルデヒドの2成分の濃
度が毒性チェックの観点から特に重要視されており、他
の成分濃度の定量は重要とされない。そこで、実質的に
は、上記2成分の濃度定量だけで排ガスの定量処理は完
了することになる。したがって、従来のように例えば吸
収スペクトルの全吸収波帯(4000cm−1〜400
cm −1)にわたって測定する必要がなく、処理時間
を短縮化できる。
【0053】
【発明の効果】本発明は、上述した構成により成り、試
料に対して光源から光を照射し、そのとき得られる吸収
スペクトルに基づいて試料中に含まれる多成分の濃度を
分析する方法において、前記多成分を複数の成分群にグ
ループ化し、各成分群の分光分析に用いる周波数領域を
、成分群別にブロック化するものであるため、濃度演算
に使用する行列が小さくなり演算を簡略化できる。また
、演算処理の途中で行列を差し換える場合でも、所要の
成分群に対応する行列だけを換えればよいので、行列交
換に伴う時間の無駄をそれだけ低減できることにもなる
。さらに、濃度算出に不要な吸収スペクトルの周波数領
域について、演算を省略できるので、それだけ演算時間
を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一例を概略
的に示す図である。
【図2】本発明方法の一実施例に用いられる演算手法を
説明するために示した模式的なガスの吸収スペクトルと
それに対する相対吸光度の図である。
【図3】同実施例における成分群を一般化して、ガス種
に対する波数点の指定例を示した図である。
【図4】同実施例における一般化した成分群の吸収スペ
クトルを示す図である。
【図5】同実施例における一般化した成分群の吸収スペ
クトルから算出される成分スペクトルの一例を示す図で
ある。
【図6】同実施例における一般化した成分群に対応する
参照成分スペクトルを示す図である。
【図7】同実施例における測定試料の吸収スペクトルか
ら算出される成分スペクトルを示す図である。
【図8】本発明方法の他の実施例における1成分群の吸
収スペクトルおよび参照スペクトルを示す図である。
【図9】従来技術の問題点を説明するための一般的な吸
収スペクトルを示す図である。
【図10】2成分の模式的なスペクトルの重ね合わせを
示す図である。
【符号の説明】
1  FT−IR 2  分析部 3  データ処理部 4  光源 9  セル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  試料に対して光源から光を照射し、そ
    のとき得られる吸収スペクトルに基づいて試料中に含ま
    れる多成分の濃度を分析する方法において、前記多成分
    を複数の成分群にグループ化し、各成分群の分光分析に
    用いる周波数領域を、成分群別にブロック化することを
    特徴とする分光分析における多成分分析方法。
  2. 【請求項2】  前記試料がメタノール燃料車からの排
    気ガスで、その排気ガス中のフォルムアルデヒドおよび
    メタノールを1つの成分群として他の成分と区分し、こ
    の成分群の各成分濃度を2800cm−1から2700
    cm−1の吸収波数帯で分光分析する請求項1に記載の
    分光分析における多成分分析方法。
JP4886391A 1991-02-15 1991-02-21 分光分析における多成分分析方法 Expired - Lifetime JP2556768B2 (ja)

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