JPH04260483A - 産業廃棄物並びに汚染有害金属の表面処理によるセメント固化法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は産業廃棄物汚染有害重金
属の表面処理によるセメント固化法に関するものである
。本発明において使用するセメントは、通常のセメント
の他に、普通セメント１００　に対し、硫酸カルシウム
２０％以下、炭酸カルシウム２％以下、燐酸カルシウム
２％以下、酸化カルシウム２％以下、フッ化カルシウム
１％以下、酸化マグネシウム５％以下、コンクリート分
散剤０．０１％以下を含む混合セメント（以下単に特殊
セメントと云うことにする）である。本発明を更に具体
的に述べると、産業廃棄汚染物を特許請求の範囲に示し
た表面処理溶液を１０〜２００倍に稀釈を使用し、浸漬
のみの簡単な方法で前処理を行ない、前記セメント又は
特殊セメントで固化させる際の骨材として砂（海砂可）
、土壌、砕石で混練し、型枠に入れ、再製品を作成する
と同時に環境汚染物質がセメントを崩壊し外部に流出す
ることを防止するセメント固化法に関する。

【０００２】

【従来の技術】メッキ工場から出る有害重金属スラッジ
、清掃工場から排出する焼却灰、電気集じん機飛灰（Ｅ
Ｐ灰）、重金属汚泥等の有害重金属からの環境汚染を守
るためセメントで固化する方法があるが、セメント自体
が重金属により徐々に侵かされ、セメントが崩壊し長期
的な環境汚染防止のための処置方法には役に立たない。 又廃油、ヤシの木の樹皮、プリント基板切断粉末、アス
ベスト、火山灰、石炭灰、焼却灰、オガ屑、発ガン性の
恐れがある有機塩素系溶剤の廃液、発泡スチロール、ビ
ニールなどの樹脂粉末についてもセメント固化は出来な
い現状である。下水汚泥焼却乾燥灰をプレス後、焼結法
でブロックレンガ等の活用もあるが大量の処理には設備
規模に問題がある。有害重金属の溶融法、プラズマ溶融
もあるが量産処理には難点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明には清掃工場か
ら排出される焼却灰、電気集じん機飛灰、重金属汚泥、
下水処理汚泥、メッキ工場から出る重金スラッジ等の環
境汚染物質には純水銀、有機水銀、カドミニウム、総ク
ロム、六価クロム、有機リン、ヒソ、シアン、鉛、ＰＣ
Ｂ、亜鉛、銅、ふっ化物等が混入されており、従来の技
術では公害汚染物質を安全に処理し、完全に環境汚染を
防止することは出来ない。

【０００４】又、産業各種廃油、家庭廃油、ヤシの木の
樹皮、プリント基板切断粉末、アスベスト、トリクロロ
、テトラクロロ、エチレンなどの有機塩素系溶剤、オガ
屑、火山灰、石炭灰、土壌、発泡スチロールやビニール
などの樹脂粉末等についても処理する方法もなく、その
対策が重要視されている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本件出願人は、既に耐蝕
性皮膜により重金属の表面処理法を提案し、無電解、無
公害で形状に関係なく表面処理を可能とする方法を開示
した。本発明は、これら本件出願人の提案になる表面処
理法が、産業廃棄物汚染重金属のセメント固化に極めて
有効な役割りを果たすことを知見した。本件出願人の提
案になる金属の表面処理法は、次の通りである。

【０００６】特願昭６３−２７９５８７号耐食性耐熱性
皮膜による表面処理法は、ミョウバン粉末とイットリウ
ム粉末を混合し温水で溶解しミョウバン、イットリウム
混合溶解溶液を作り、更にこの溶液にコバルト、ニッケ
ル等の遷移金属元素を溶解した混合溶液（Ａ溶液）と、
結晶状硫酸チタンを珪酸ナトリウム溶液、炭酸カリウム
溶液、ホウ酸溶解溶液、くえん酸三ナトリウム溶液、く
えん酸三カリウム溶液を選定し二種類以上の化合物溶液
で溶解し、ｐＨ値を２以下になるように調整した混合溶
液（Ｂ溶液）、を準備し、珪酸ナトリウム溶液と前記Ａ
溶液との混合溶液を単独又は前記Ｂ溶液を主成分としＡ
溶液を調整液としてｐＨ値を１０以上に調整した混合溶
液を用い金属の表面に耐食性耐熱性皮膜を形成すること
を特徴とする耐食、耐熱性皮膜による表面処理法である
（以下、提案例１と云う）。

【０００７】また、特許第１２９７０６３号（特公昭６
０−２２０６８号）において本件出願人は次の処理法を
提案した。即ち、珪酸ナトリウム溶液にミョウバン、炭
酸カリウム溶液、沃化カリウム溶液をそれぞれ単独か又
はそれらの混合溶液を混合しｐＨ値を１０以上に調整し
た処理液による金属表面処理（以下提案例２と云う）を
、他の金属表面処理法（実際には前記特許の特許請求の
範囲第１項記載の方法）の前処理及び／又は後処理に使
用する表面処理法である。

【０００８】本発明の第１の方法は、有害重金属含有産
業廃棄物（下水処理汚泥、ＥＰ灰、メッキ工場から出る
スラッジ等）を処理するに際し、前記有害重金属含有産
業廃棄物を前記提案例１の混合溶液にて有害重金属の表
面処理を行ない、自然乾燥又は熱乾燥後前記特殊セメン
トにより固化する方法である。

【０００９】本発明の第２の方法は、前記提案例１の混
合液に更に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化コバルトの溶解溶液を混合し
ｐＨ＝１０以上、比重１．０１〜１．２５値に調整した
混合溶液を作成し、上記混合溶液により前記産業廃棄物
を浸漬法により前処理を行ない、セメント又は特殊セメ
ントで固化又は砂（海砂可）、砕石等の骨材を混入し、
セメント、特殊セメントで固化し、埋立て用、テトラポ
ット、コンクリート製品、瓦、建材、砕石等に利用し、
環境汚染防止すると同時に再製材として活用する方法で
ある。

【００１０】この第２の方法は、清掃工場から出る焼却
灰、火山灰、石炭灰、海砂、土壌、オガ屑、各種廃油、
発泡スチロールやビニールなどの樹脂粉末、有機塩素系
廃溶剤、重金属汚泥、飛灰、下水汚泥、スラッジ等を前
記混合液に浸漬した後前記混合セメント又は特殊セメン
トで固化するのに適している。

【００１１】本発明の第３の方法は、有害重金属含有が
非常に少ない産業廃棄物（焼却灰、火山灰、石炭灰、オ
ガ屑等）の処理に適している。即ち、前記提案例２の処
理液に、更に、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化コバルトの溶解溶液を混
合し、ｐＨ＝１０以上、比重１．０１〜１．２５値に調
整した混合溶液を作成し、前記有害重金属含有が非常に
少ない産業廃棄物を処理した後、セメント又は特殊セメ
ントで固化する方法である。

【００１２】本発明の目的は、有害重金属を含有する産
業廃棄物を本発明の処理液にて処理した後、乾燥し、セ
メント又は特殊セメントにて固化し、無公害にして廃棄
することである。

【００１３】

【実施例】次に実施例について説明する。

【００１４】

【実施例１】メッキ工場から出るクロムスラッジ１．３
　ｋｇを特許請求の範囲第１項の表面処理液７００　ｃ
ｃに浸漬熱乾燥後海砂１．３　ｋｇ、特殊セメント１．
３　ｋｇで混練、固化させる。固化後、試料を水中、屋
外、屋根付き屋外に放置、重金属クロムによるセメント
の崩壊、六価クロムの溶出を試験した。

【００１５】試験結果を表１に示す。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【実施例２】下水処理場から出る汚泥の焼却、乾燥灰４
ｋｇを特許請求の範囲第２項の処理液ｐＨ＝１０以上、
比重１．０２、３ｌで充分に混練し、骨材として砕石４
ｋｇとセメント４ｋｇを入れ固化し、固化２８日経過後
、圧縮強度２６５　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得られた。

【００１８】

【実施例３】一般生活ゴミ焼却灰から出る電気集じん機
飛灰（ＥＰ灰）１ｋｇを特許請求の範囲第２項の表面処
理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０６、１ｌで充分に混練
し、骨材として砂１ｋｇ、砕石１ｋｇ、特殊セメント１
ｋｇで固化し、固化２８日経過後、圧縮強度１８０ｋｇ
／ｃｍ２　の値が得られた。

【００１９】

【実施例４】一般生活ゴミ焼却灰から出る重金属汚泥１
ｋｇを特許請求の範囲第２項の表面処理液ｐＨ＝１０以
上、比重１．０８５　、５００　ｃｃで充分に混練、下
水汚泥焼却灰１ｋｇ、砕石１ｋｇ、セメント１ｋｇで固
化し、固化２８日経過後、圧縮強度２００　ｋｇ／ｃｍ
２　の値が得られた。

【００２０】

【実施例５】火山灰４．４　ｋｇを特許請求の範囲第２
項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０３、１ｌで
混練、砕石３．４　ｋｇ、セメント、特殊セメント２．
４　ｋｇで固化し、固化２８日経過後、圧縮強度２５０
　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得られた。

【００２１】

【実施例６】石炭灰３．４　ｋｇを特許請求の範囲第２
項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０３、１ｌで
混練、セメント又は特殊セメント２ｋｇで固化し、固化
２８日経過後、圧縮強度２６０　ｋｇ／ｃｍ２　の値が
得られた。

【００２２】

【実施例７】廃木材を主にした焼却灰３．６　ｋｇを特
許請求の範囲第２項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重
１．０２、１ｌで混練、砂、土壌３．６　ｋｇ、セメン
ト、特殊セメント３．６　ｋｇで固化し、固化２８日経
過後、圧縮強度１１０　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得られた
。

【００２３】

【実施例８】ガラス屑２ｋｇに下水汚泥４ｋｇを特許請
求の範囲第２項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．
０２、４ｌで混練、砕石２ｋｇを入れセメント４ｋｇで
固化し、固化２８日経過後、圧縮強度２６３　ｋｇ／ｃ
ｍ２　の値が得られた。

【００２４】

【実施例９】下水汚泥焼却灰３ｋｇを特許請求の範囲第
２項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０３、３ｌ
で混練、廃油１ｋｇを入れ、更に混練、セメント、特殊
セメント１．５　ｋｇを入れ固化し、固化２８日経過後
、圧縮強度２２０　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得られた。

【００２５】

【実施例１０】下水汚泥焼却灰３ｋｇを特許請求の範囲
第２項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０４、３
ｌで混練、有機塩素系溶剤の廃液を９００ｇを入れ、更
に混練、セメント、特殊セメント１．２　ｋｇで固化し
、固化２８日経過後、圧縮強度２２０　ｋｇ／ｃｍ２　
の値が得られた。

【００２６】

【実施例１１】下水汚泥焼却灰３ｋｇを特許請求の範囲
第２項の表面処理液ｐＨ＝１０以上、比重１．０２、３
ｌで混練、発泡スチロール、ビニールなどの樹脂粉末５
００ｇを入れ、更に混練、セメント、特殊セメント１．
５　ｋｇで固化し、固化２８日経過後、圧縮強度１８８
　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得られた。

【００２７】

【実施例１２】下水汚泥焼却灰３ｋｇを特許請求の範囲
第１項の表面処理液にアクリル樹脂入りｐＨ＝１０以上
、比重１．１　、３ｌで混練し、更に電気集じん機飛灰
５００ｇ、有機塩素系廃液溶剤５００　ｌを入れ混練、
セメント、特殊セメント１．５　ｋｇで固化し、固化２
８日経過後、圧縮強度１７０　ｋｇ／ｃｍ２　の値が得
られた。

【００２８】

【実施例１３】焼却灰、火山灰、石炭灰を、特許請求の
範囲第３項の処理液にて処理し、セメントにて固化した
所、次の表２の結果が得られた。

【００２９】

【表２】

【００３０】

【実施例１４】主にヤシの木の樹皮２ｋｇを特許請求の
範囲第３項の表面処理液（１００　倍稀釈）ｐＨ＝１０
以上の比重１．００４　、８ｌで充分に混練し、セメン
トまたは特殊セメント３ｋｇで固化し、防音材、断熱材
の建材（ノコギリ使用可能）を製造。

【００３１】

【実施例１５】主にヤシの木の樹皮１ｋｇに発砲スチロ
ール粉末１．５　ｋｇを入れ特許請求の範囲第３項の表
面処理液（１００　倍稀釈）ｐＨ＝１０以上の比重１．
００４　、８ｌで充分に混練し、セメントまたは特殊セ
メント３ｋｇで固化し、防音材、断熱材の建材を製造。

【００３２】

【実施例１６】プリント基盤切断による粉末９００　ｇ
特許請求の範囲第３項の表面処理液（１００倍稀釈）ｐ
Ｈ＝１０以上の比重１．００４　、２．６　ｌで充分に
混練し、セメントまたは特殊セメント３ｋｇで固化し、
防音材、断熱材の建材を製造。

【００３３】

【実施例１７】船舶の廃油５ｋｇを砂、海砂、土壌、焼
却灰、下水汚泥焼却灰等１０ｋｇに混練、更にセメント
又は特殊セメント１０ｋｇで充分に混練し、特許請求の
範囲第３項の表面処理液（１００　倍海水稀釈）ｐＨ＝
１０比重１．００４　で固化し廃油の溶出を完全に防止
し、ブロック砕砂埋立用土砂の製造。尚、廃油固化１週
間後水槽に１週間、１ケ月浸漬水質の油溶出を試験、そ
の結果油の溶出は認められなかった。廃油固化１週間後
、粉砂、水槽に入れ、油の溶出は認められなかった。

【００３４】

【発明の効果】以上述べたように本発明は産業廃棄物有
害重金属の表面処理を行ない、セメントとの密着性を上
げ、地球環境破壊につながる産業廃棄物の処理後の二次
公害を防止すると同時に、産業廃棄物の再利用にかかせ
ない固化法である。

【００３５】１　　メッキ工場から出るクロムスラッジ
の表面処理を行ないセメント、特殊セメントで固化した
ものは表面処理をしない物と比較すると屋外放置、水中
浸漬期間が２年経過後もセメント崩壊、水中での六価ク
ロム溶出は水質規準内にとどまり、重金属スラッジ処理
に抜群の効果がある。

【００３６】２　　産業廃棄物、清掃工場から排出され
る焼却灰はそのまま埋立て地に利用されているが、地下
水汚染、強力地震の際に起きる液状化、地盤沈下が発生
する時にこれらの災害を防ぐ効果がある。

【００３７】３　　電気集じん機飛灰（ＥＰ灰）重金属
汚泥、下水汚泥には有害重金属が含まれており、焼却灰
、土壌と一緒に混合し、そのまま現在は埋立て地に使用
しているが長期に亘り、安全性の保障もなく問題がある
。 本発明の固化法によれば完全に安全性が保たれる。

【００３８】４　　瓦、火山灰、石切粉末、石炭灰につ
いては、瓦、レンガ、建材、テトラポット等に再利用出
来る。

【００３９】５　　各種廃油、有機塩素系廃溶剤、砂、
下水汚泥の混練の固化法により完全な保管管理が出来る
。

【００４０】６　　発泡スチロールやビニールなどの樹
脂粉末についても二次製品として応用出来る。

【００４１】７　　ヤシの木の樹皮は軽量建材（ノコギ
リ切断可能）二次製品として応用できる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ミョウバン粉末とイットリウム粉末を
   混合し温水で溶解しミョウバン、イットリウム混合溶解
   溶液を作り、更にこの溶液にコバルト、ニッケル等の遷
   移金属元素を溶解した混合溶液（Ａ溶液）と、結晶状硫
   酸チタンを珪酸ナトリウム溶液、炭酸カリウム溶液、ホ
   ウ酸溶解溶液、くえん酸三ナトリウム溶液、くえん酸三
   カリウム溶液を選定し二種類以上の化合物溶液で溶解し
   、ｐＨ値を２以下になるように調整した混合溶液（Ｂ溶
   液）を準備し、珪酸ナトリウム溶液と前記Ａ溶液との混
   合溶液を単独又は前記Ｂ溶液を主成分としＡ溶液を調整
   液としてｐＨ値を１０以上に調整した混合溶液を用い、
   産業廃棄物有害金属の表面処理を行ない、表面処理後、
   セメント又は特殊セメントで固化することを特徴とする
   産業廃棄物汚染金属の表面処理によるセメント固化法。
2. 【請求項２】　　ミョウバン粉末とイットリウム粉末を
   混合し温水で溶解しミョウバン、イットリウム混合溶解
   溶液を作り、更にこの溶液にコバルト、ニッケル等の遷
   移金属元素を溶解した混合溶液（Ａ溶液）と、結晶状硫
   酸チタンを珪酸ナトリウム溶液、炭酸カリウム溶液、ホ
   ウ酸溶解溶液、くえん酸三ナトリウム溶液、くえん酸三
   カリウム溶液を選定し二種類以上の化合物溶液で溶解し
   、ｐＨ値を２以下になるように調整した混合溶液（Ｂ溶
   液）、を準備し、珪酸ナトリウム溶液と前記Ａ溶液との
   混合溶液を単独又は前記Ｂ溶液を主成分としＡ溶液を調
   整液としてｐＨ値を１０以上に調整した混合溶液を準備
   し、更に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウ
   ム、塩化カリウム、塩化コバルトの溶解溶液を混合しｐ
   Ｈ＝１０以上、比重１．００２　〜１．２５値に表面処
   理液を調整し、産業廃棄物有害重金属の表面処理を行な
   い、表面処理後、セメント又は特殊セメントで固化する
   ことを特徴とする産業廃棄物汚染金属の表面処理による
   セメント固化法。
3. 【請求項３】　　ミョウバン粉末とイットリウム粉末を
   混合し温水で溶解、ミョウバン、イットリウム混合溶解
   溶液を作り、更に珪酸ナトリウム溶液、炭酸カリウム溶
   液との混合溶液を主成分としｐＨ値を１０以上に調整し
   た混合溶液（Ａ溶液）と水溶性樹脂溶液（Ｂ溶液）を混
   合した混合処理液を用い産業廃棄物汚染重金属、焼却灰
   、火山灰、石炭灰、廃油、アスベスト、オガ屑、ヤシの
   木の樹皮、プリント基板切断の際生じる粉末、発泡スチ
   ロールやビニールなどの受信粉末、土壌、海砂等の表面
   処理を行ない、表面処理後、セメント又は特殊セメント
   で固化することを特徴とする産業廃棄物の表面処理によ
   るセメント固化法。